JP3584422B2 - Large section tunnel - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大断面を有した断面視矩形状のトンネルを構築するに際して用いて好適な大断面トンネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、トンネルの構築には、シールド掘削機で地山を掘削し、その後方においてシールド掘削機と略同径のトンネルを構築するシールド工法が多用されている。しかしながらシールド工法では、大断面のトンネルを構築しようとすると、当然のことながら、それに用いるシールド掘削機が大型化し、この結果、シールド掘削機の製作、運搬、現場組立などのあらゆる面において人手およびコストがかさむものとなってしまう。
【0003】
このため、近年では、大断面トンネルの形状に沿って小径トンネルを多数構築することによって、これら小径トンネルから大断面のトンネル構造体を形成する工法が開発されている。
【0004】
ところで、特に内部に大空間を有する大断面トンネルを構築しようとした場合、図10に示すように断面円形のトンネル構造体1を構築し、その内方に所定寸法の空間Sを形成していたのでは、空間Sに対してトンネル構造体が大きいために、大断面トンネルTを構築するに要する用地が広く必要となってコストが嵩んだり、用地確保ができない場合には所定寸法の空間Sを形成することができないという問題がある。
【0005】
このため、図11に示すように、断面視矩形の大断面トンネルT’を構築するようにすれば、所定寸法の空間Sを形成するための必要最小限の用地を確保すればよく、これによりコストの低減を図れることから、このような断面視矩形の大断面トンネルT’の構築方法が各種開発されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の大断面トンネルおよびトンネルの構築方法には、以下のような問題が存在する。
図11に示したような断面視矩形の大断面トンネルT’のトンネル構造体2を構築するに際しては、トンネル構造体2の四辺を構成する水平部2a、鉛直部2bを、それぞれセグメントを断面視口字状に組んで構築した後、互いに隣接する水平部2aと鉛直部2b同士を、継ぎ目部Aにおいて接続する必要がある。
これには、図12(a)に示すように、トンネル構造体2の水平部2aと鉛直部2bとを別々に構築した後、まず、これら水平部2aと鉛直部2bとの間の地盤G1を薬液注入あるいは凍結工法等を用いて地盤改良する。続いて、図12(b)に示すように、水平部2aを構築する際にその端部に組み込んでおいた接続部土留材3を鉛直部2bに向けて押し出す。そして、接続部土留材3を鉛直部2bに到達させた後、水平部2aと鉛直部2bのセグメント4を撤去し、鉛直部2b側に接続用ブラケット5を取り付ける。このようにして水平部2aと鉛直部2bとを一体に接続した後、図12(c)に示すように、その内方に鉄筋6等を配し、コンクリート7を打設することによってトンネル構造体2が完成する。
【0007】
このような工法においては、まず、接続部土留材3を押し出すようになっているが、水平部2aを構築するに際しては、その外周にモルタル等の裏込充填材が注入されているため、接続部土留材3の押し出しは困難である。
また、継ぎ目部Aに止水および強度増加のために、薬液注入や凍結工法で地盤改良するようになっているが、言うまでもなくこのような地盤改良には時間とコストがかかり、しかも完全な止水効果を得ることは困難である。
【0008】
さらには、水平部2aと鉛直部2bとを接続するに際しては、継ぎ目Aの地山を掘削し、ここに鉄筋を配筋組立するが、このときには水平部2aと鉛直部2bのそれぞれの側面を形成するセグメント4を一部解体撤去しなければならない。このときセグメント4と、その外側に充填された裏込充填材との付着が十分でない場合には、セグメント4から固化した裏込充填材の層が剥離したり、裏込充填材の層が損傷したりする懸念が生じる。そもそも裏込充填材は、地山の沈下を防止するとともに、セグメントにできるだけ一様に荷重が加わることを目的として使用されるものであるから、上記のように裏込充填材からなる層が損傷をきたした場合には、大断面トンネルT’の強度および健全性に問題が生じることはいうまでもない。
【0009】
もちろん、上記のようにセグメント4を撤去するに際しては、地山の土圧、地下水圧に対抗するために他の支保工を設ける必要があり、これには手間がかかる。また、このような支保工の設置を、水平部2a、鉛直部2bの軸線方向に長い区間で行うには、支保工が大がかりなものとなるため、短い区間に区切って順次施工を行う必要があり、これも工期の長期化とコストの増大を招いてしまう。
【0010】
さらに、上記の工法に限らず、一般的にシールド工法を採用してトンネルを構築するにあたっては、裏込充填材とセグメントととの付着強度について考慮がなされていないため、裏込充填材からなる層の構造的な強度を期待することができなかった。また、これによりセグメントのみで地山の土圧に対抗しなければならず、セグメントを高強度化する必要が生じ、これによりセグメントにかかる費用が、トンネルの建設費のうち大きな割合を占めていた。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑み行われたもので、施工を円滑に行って工期の短縮化を低コスト化を図るとともに、裏込充填材とセグメントとの付着を良好にすることによって、施工期間中および施工後のいずれの時期においても、強度が低下することがなく、健全性を保つことのできる大断面トンネルを提供することをその目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の大断面トンネルは、大断面を有したトンネルが、断面略矩形状に形成されたトンネル構造体と、その内方に形成されたトンネル空間とからなり、
前記トンネル構造体は、断面視矩形の矩形シールドトンネルと、断面視円形の円形シールドトンネルとを交互に隣接配置し、かつ互いに隣接する前記矩形シールドトンネルと円形シールドトンネルとを、その一部を互いに重合させて一体化した構成とされ、
前記矩形シールドトンネルは、セグメントの外面に、裏込充填材からなる充填コンクリート部を付着した構成とされ、
該セグメントの外面の少なくとも一部には、該セグメントと前記充填コンクリート部との付着強度を高めるための凹凸が形成されていることを特徴とする。
【0013】
この大断面トンネルにおいては、矩形シールドトンネルと円形シールドトンネルとが互いにかみ合った形態とされ、強固な構造が実現される。さらに、矩形シールドトンネルの外面と充填コンクリート部とが良好に付着しているため、構築に際して、また、構築後に、充填コンクリート部が剥離、損傷する懸念が少ない。
【0014】
請求項2記載の大断面トンネルは、請求項1記載の大断面トンネルであって、前記セグメントの外面の少なくとも一部は縞鋼板からなり、前記凹凸は、該縞鋼板上に形成されていることを特徴とする。
また、請求項3記載の大断面トンネルは、請求項1記載の大断面トンネルであって、
前記セグメントの外面の少なくとも一部に鋼製部材が設けられ、前記凹凸は該鋼製部材によって形成されていることを特徴とする。
【0015】
これらの大断面トンネルは、上記のような構成とされているため、容易にセグメントの外面に対して凹凸を設けることができる。
【0016】
請求項4記載の大断面トンネルは、請求項1ないし3のいずれかに記載された大断面トンネルであって、前記裏込充填材は、高強度コンクリートによって構成されていることを特徴とする。
この大断面トンネルは、上記のような構成とされているため、裏込充填材によって形成された充填コンクリート部の構造的な強度を期待することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る大断面トンネルおよびトンネルの構築方法の実施の形態を、図面に基づいて説明する。ここでは、構築すべき大断面トンネルとして、上下二層構造のトンネルを例に挙げて説明する。
図2に示すように、構築すべき大断面トンネル10は、周囲の地山からの土圧に抗するトンネル構造体11と、該トンネル構造体11の内方に形成された上下2段の内部空間12、13とから構成されている。
【0020】
トンネル構造体11は、略鉛直面内に位置する両側の側壁部11a,11aと、これら側壁部11a,11aの上端部,下端部間にそれぞれ設けられて略水平面内に位置する上面11b,下面11cと、側壁部11a,11aの中間部間に設けられて上下の内部空間12、13を仕切る仕切面11dとから構成されて、全体として断面視略日字状をなしている。このトンネル構造体11は、断面視円形の円形シールドトンネル15と、互いに平行な平面を有した平面シールドトンネル(矩形シールドトンネル)16とが、周方向交互に配置され、これらが一体化された構成からなっている。
【0021】
円形シールドトンネル15は、平面シールドトンネル16の厚さよりも大径とされている。さらに、トンネル構造体11の四隅と、三方に平面シールドトンネル16が接合されている部分とに配置されている円形シールドトンネル15Aは、他の部分のシールドトンネル15Bに対して、その径寸法が大きなものが採用されている。また、トンネル構造体11の上面11b,下面11cは、それぞれ、円形シールドトンネル15Bを頂点として外方に向けて凸形状をなした構成となっている。
【0022】
そして、このようなトンネル構造体11内には、その全周にわたって鉄筋18が配筋され、さらにその内部にはコンクリート19が打設された構成となっている。
【0023】
図1は、図2に示した平面シールドトンネル16を拡大して図示したものである。図中に示すように平面シールドトンネル16は、セグメント20を備えて構成されている。セグメント20の外面の一部には、凹凸22が形成されており、さらにその外側には、高強度コンクリートからなる裏込充填材によって形成された充填コンクリート部23が設けられている。凹凸22は、充填コンクリート部23とセグメント20との付着を良好にする役割を果たす。
【0024】
次に、このような大断面トンネル10の構築方法について説明する。
これには、まず、トンネル構造体11を構成する平面シールドトンネル16,16,…を形成するため、図3に示すように、矩形シールドトンネル25,25,…を先行構築する。図4(a),(b)に示すように、各矩形シールドトンネル25の構築には、まず、断面視矩形のシールド掘削機26に備えたカッタ26aで地盤中に矩形の掘削孔27を削孔していき、凹凸22が形成されたセグメント20,20,…を、その後方に組み立てていく。
【0025】
図3に示したように、セグメント20は、対向する2面が平板部20a,20aとされ、これら平板部20aの両側が、略円弧状の凹部20b,20bとされている。各凹部20bは、その円弧の曲率径が、側方に構築される円形シールドトンネル15(図1参照)の径よりも若干大となるよう形成されている。
【0026】
図5は、凹部20bを構成するスキンプレート21の形状を示した断面図である。スキンプレート21は、凹部20bの形状に沿って、三日月状に形成されており、その外面21aには、フラットバー(鋼製部材)28が溶接されることによって、凹凸22が形成される。また、図6は、図5においてDとして示した方向から、スキンプレート21を視た場合の図である。フラットバー28は、このようにスキンプレート21の外面21a上に格子状に配置されるとともに、溶接され固定される。
【0027】
このようなセグメント20を組み立てた後、掘削孔27とセグメント20の外周面との間に、コンクリートからなる裏込充填材29を充填して、充填コンクリート部23を形成する(図4参照)。これにより、掘削孔27内には、断面視矩形の矩形シールドトンネル25が構築される。このとき、裏込充填材29を構成するコンクリートの粗骨材の粒径寸法と比較して、凹凸22の高さが大きいと、シールド掘削機26内部に裏込充填材29が侵入する恐れがある。一方で、凹凸22と充填コンクリート部23との付着力を高めるためには、凹凸22の高さを大きくする必要がある。このようなことから、凹凸22の高さは、裏込充填材29の粗骨材の粒形が20mm程度の場合には、10mm程度とするのがよい。
【0028】
次いで、図1に示すように、互いに隣接する矩形シールドトンネル25,25間の地山を断面視円形のシールド掘削機(図示なし)を用いて円形の孔31,31,…を削孔していく。このときに用いるシールド掘削機(図示なし)は、その径寸法が、ここに構築すべき円形シールドトンネル15A,15Bと略同径のものを用いる。このときには、矩形シールドトンネル25,25間の地山とともに、セグメント20,20の凹部20b,20bの外側の充填コンクリート部23,23も同時に削られて、孔31が形成される。これにより、前記矩形シールドトンネル25の凹部25bの外側の充填コンクリート部材23が削られて、平面シールドトンネル16が形成された状態となる。
【0029】
図7に示すように、このように各孔31を掘削しつつ、シールド掘削機(図示なし)の後方で、円形セグメント(セグメント)32,32,…を組み立てていく。そして、組み立てたセグメント32の外側に、高強度コンクリートからなる裏込充填材33を充填することにより、各孔31内に円形シールドトンネル15A,15Bが構築される。
これにより、断面視円形の円形シールドトンネル15と、平面シールドトンネル16とが、周方向交互に配置された状態となる。
【0030】
続いて、構築したトンネル構造体11内に鉄筋18を配筋し、さらにコンクリート19を打設充填する。しかる後には、トンネル構造体11の内方の地山を掘削し、ここに内部空間12,13を形成することにより、図2に示したような所定形状の大断面トンネル10の構築が完了する。
【0031】
上述した大断面トンネル10では、トンネル構造体11が、円形シールドトンネル15と平面シールドトンネル16とが交互に隣接配置され、かつ互いに隣接する円形シールドトンネル15と平面シールドトンネル16とがその一部を互いに重合させて一体化された構成となっている。これにより、円形シールドトンネル15と平面シールドトンネル16とが互いにかみ合った形態となるので、強固で安定した大断面トンネル10を構成することができる。
【0032】
また、大断面トンネル10は、このような構成とされるため、上記のような手順で施工することができ、従来の大断面トンネルのように、大ががりな支保工を設置したり、地盤改良を施したりする必要がなく、施工期間の短縮化および低コスト化が図られる。
【0033】
さらに、矩形シールドトンネル25を構成するセグメント20の外面を構成するスキンプレート21に凹凸22が形成されることにより、セグメント20と充填コンクリート部23との付着が良好なものとなる。これによって、大断面トンネル10のより一層の高強度化、安定化が図られる。しかも、大断面トンネル10においては、複数の矩形シールドトンネル25,25,…を先行構築した後、円形シールドトンネル15を後行構築するための孔31を、矩形シールドトンネル25,25間に位置する地山とともに充填コンクリート部23を掘削して形成する構成とされていることから、上記のようにセグメント20外面に凹凸22を設けておくことによって、孔31掘削時に、充填コンクリート部23が損傷を受けたり、セグメント20から剥離したりする懸念が減少する。このように、充填コンクリート部23の安全が図られるために、大断面トンネル10においては、施工中および施工後のいずれの時期においても、健全性が損なわれず、強度、止水性、および安全性の面で優れた機能が期待できる。
【0034】
また、これら凹凸22は、セグメント20の外面に位置するスキンプレート21にフラットバー28を溶接した構成とされていることから、容易に形成可能であり、また、凹凸22の形成に際して、特殊な加工等を施す必要もない。
【0035】
また、裏込充填材29が、高強度コンクリートとされているため、裏込充填材29が固化することによって形成された充填コンクリート部23が強度を発現することができ、さらに、この充填コンクリート部23は、上述のようにセグメント20に対して良好に付着する構成とされていることとから、大断面トンネル10においては、充填コンクリート部23の構造的な強度を期待することができる。したがって、本実施の形態の大断面トンネル10は、構造的にも非常に優れている。
【0036】
また、大断面トンネル10を構築するにあたって採用した上述のトンネルの構築方法においては、あらかじめ、セグメント20の外面に凹凸22を設けておき、矩形シールドトンネル25を形成するための掘削孔27にセグメント20を配設した後、セグメント20の外側に裏込充填材29を充填する構成となっている。これにより、裏込充填材29が固化して充填コンクリート部23が形成された場合に、この充填コンクリート部23とセグメント20との付着強度が十分となり、したがって充填コンクリート部23を上記のように掘削する場合にも、充填コンクリート部23において損傷や剥離などが生じる可能性が減少し、トンネル構造体11の健全性が保たれる。
【0037】
さらに、このような構築方法を採用することによって、裏込充填材29が固化して充填コンクリート部23が形成されたときに、その構造的な強度を期待することができ、したがって、従来のトンネルの構築方法に比して、より安定したトンネルを建設することが可能となる。
【0038】
以上において、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、必要に応じて、その形態や適用条件等を変化させるようにしてもよい。
例えば、上記実施の形態においては、セグメント20を構成するスキンプレート21の外面21aにフラットバー(鋼製部材)28が溶接されることによって、凹凸22が形成されているが、そのかわりにスキンプレート21の外面に図8において示したようなエキスパンドメタル35を張り付けるようにしてもよい。また、この他に鉄筋棒を使用するようにしてもよい。
また、このようにスキンプレート21に鋼製部材を接合することによって凹凸を形成するだけでなく、スキンプレート21に、図9において示したような縞鋼板36を接合するようにしても構わない。
【0039】
また、スキンプレート21自体を、図9において示したような縞鋼板で構成することによって、凹凸22を形成するようにしてもよい。
また、上記実施の形態において説明したトンネルの構築方法は、大断面トンネル10を構築するにあたって適用するだけでなく、一般の円形シールドトンネルに対して用いることによって、トンネルの高強度化および健全性の向上を図るようにしてもよい。また、このとき裏込充填材として、高強度コンクリートを使用するようにすれば、より一層のトンネルの高強度化が図られる。また、このトンネルの構築方法を用いることによって、裏込充填材によって形成された部分の構造的な強度を期待することができるため、使用するセグメントの強度を下げることができ、トンネルの建設費のうち、比較的多くの割合を占めるセグメントの費用の負担を低減することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る大断面トンネルにおいては、トンネル構造体が、矩形シールドトンネルと円形シールドトンネルとを交互に隣接配置し、かつ互いに隣接する矩形シールドトンネルと円形シールドトンネルとを、その一部を互いに重合させて一体化した構成とされており、さらに、矩形シールドトンネルを構成するセグメントの外面には、セグメントと充填コンクリート部との付着強度を高めるための凹凸が形成される。この大断面トンネルにおいては、矩形シールドトンネルと円形シールドトンネルとが互いにかみ合った形態とされ、強固な構造が実現されるとともに、矩形シールドトンネルの外面と充填コンクリート部との付着が良好となり、その構築に際して、また、構築後に、充填コンクリート部が剥離、損傷する懸念が減少し、トンネルの安定性および健全性が保たれることとなる。
【0041】
請求項2に係る大断面トンネルによれば、セグメントの外面の少なくとも一部は縞鋼板からなり、凹凸が、縞鋼板上に形成されていることから、請求項1に係る発明を容易に実現することができる。
請求項3に係る大断面トンネルにおいては、セグメントの外面の少なくとも一部に鋼製部材が設けられ、凹凸は該鋼製部材が溶接されることによって形成される。これによって、請求項1に係る発明を、市販のフラットバーやエキスパンドメタルを用いて容易に実現することができる。
【0042】
請求項4に係る大断面トンネルによれば、裏込充填材が高強度コンクリートによって構成され、さらに、裏込充填材によって形成された充填コンクリート部がセグメントに対して良好に付着されることによって、充填コンクリート部の構造的な強度を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を模式的に示す大断面トンネルの一部の拡大立断面図である。
【図2】同、大断面トンネルの全体の立断面図である。
【図3】前記大断面トンネルの構築方法を示す図であって、トンネル構造体を構成する矩形シールドトンネルを先行構築した状態を示す立断面図である。
【図4】前記矩形シールドトンネルを構築している状態を示す側断面図および平断面図である。
【図5】前記矩形シールドトンネルを構成するセグメントの凹部におけるスキンプレートを拡大して示した断面図である。
【図6】同、スキンプレートの正面図である。
【図7】前記矩形シールドトンネル間に円形シールドトンネルを構築するための孔を掘削し、その後、前記円形シールドトンネルを構築した状態を示す立断面図である。
【図8】前記スキンプレートに形成された凹凸の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図9】前記スキンプレートに形成された凹凸の実施の形態を示す図であって、図6、8に示されたものとは別の例を示す正面図である。
【図10】従来の大断面トンネルの一例を示す立断面図である。
【図11】従来の断面視矩形の大断面トンネルの一例を示す立断面図である。
【図12】図11に示した大断面トンネルの構築方法を示す工程図である。
【符号の説明】
10 大断面トンネル
11 トンネル構造体
15 円形シールドトンネル
16 平面シールドトンネル(矩形シールドトンネル)
20 セグメント
23 充填コンクリート部
25 矩形シールドトンネル
27 掘削孔
29 裏込充填材[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a preferred large section tunnel with when building a rectangular cross tunnel having a large cross-section.
[0002]
[Prior art]
As is well known, a shield construction method of excavating the ground with a shield excavator and constructing a tunnel having substantially the same diameter as the shield excavator behind the tunnel is often used for construction of a tunnel. However, in the shield method, if a tunnel having a large cross section is to be constructed, the shield excavator used for the tunnel will naturally become large, which results in manpower and cost in all aspects such as manufacturing, transporting and assembling the shield excavator. It becomes bulky.
[0003]
For this reason, in recent years, a method of forming a large-sized tunnel structure from these small-diameter tunnels by constructing many small-diameter tunnels along the shape of the large-section tunnel has been developed.
[0004]
By the way, especially when trying to construct a large section tunnel having a large space inside, a
[0005]
For this reason, as shown in FIG. 11, if a large-section tunnel T ′ having a rectangular section is constructed, a minimum necessary land for forming a space S having a predetermined dimension may be secured. In order to reduce the cost, various methods of constructing such a large-section tunnel T ′ having a rectangular cross section have been developed.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional large-section tunnel and the method for constructing the tunnel as described above have the following problems.
When constructing the
For this, as shown in FIG. 12A, after separately constructing the horizontal portion 2a and the
[0007]
In such a construction method, first, the connection
In order to stop the water and increase the strength of the joint A, the ground is improved by injecting a chemical solution or a freezing method. Needless to say, such a ground improvement requires time and cost, and complete stoppage. It is difficult to obtain a water effect.
[0008]
Furthermore, when connecting the horizontal part 2a and the
[0009]
Of course, when removing the
[0010]
Furthermore, not only the above-mentioned construction method, but in general, when a tunnel is constructed by using a shield construction method, since the adhesion strength between the back-fill filler and the segment is not taken into account, the tunnel is made of the back-fill filler. The structural strength of the layer could not be expected. In addition, this required that the segment alone be used to counteract the earth pressure of the ground, and the segment had to be strengthened. As a result, the cost for the segment accounted for a large proportion of the tunnel construction cost. .
[0011]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and aims to reduce the construction period by reducing the cost by reducing the construction period smoothly and to improve the adhesion between the backfill filler and the segments, thereby reducing the construction period. It is an object of the present invention to provide a large-section tunnel capable of maintaining soundness without any decrease in strength at any time during and after construction.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, the following means are employed in order to solve the above problems.
In other words, the large-section tunnel according to
In the tunnel structure, a rectangular shield tunnel having a rectangular cross section and a circular shield tunnel having a circular cross section are alternately arranged adjacent to each other, and the rectangular shield tunnel and the circular shield tunnel adjacent to each other are partially connected to each other. Polymerized and integrated,
The rectangular shield tunnel has a configuration in which a filled concrete portion made of a backfill filler is attached to an outer surface of the segment,
At least a part of the outer surface of the segment is formed with irregularities for increasing the bonding strength between the segment and the filled concrete portion.
[0013]
In this large-section tunnel, the rectangular shield tunnel and the circular shield tunnel are engaged with each other, and a strong structure is realized. Furthermore, since the outer surface of the rectangular shield tunnel and the filled concrete portion are well adhered to each other, there is little concern that the filled concrete portion is peeled or damaged during and after construction.
[0014]
The large-section tunnel according to
The large-section tunnel according to
A steel member is provided on at least a part of the outer surface of the segment, and the irregularities are formed by the steel member.
[0015]
Since these large-section tunnels are configured as described above, irregularities can be easily provided on the outer surfaces of the segments.
[0016]
A large-section tunnel according to a fourth aspect is the large-section tunnel according to any one of the first to third aspects, wherein the backfill material is made of high-strength concrete.
Since this large-section tunnel is configured as described above, the structural strength of the filled concrete portion formed by the backfill material can be expected.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of a large-section tunnel and a method for constructing a tunnel according to the present invention will be described with reference to the drawings. Here, a tunnel having a two-layer structure with upper and lower layers will be described as an example of a large-section tunnel to be constructed.
As shown in FIG. 2, the large-
[0020]
The tunnel structure 11 includes side walls 11a, 11a on both sides positioned substantially in a vertical plane, and upper and lower surfaces 11b, 11b provided between upper and lower ends of the side walls 11a, 11a and positioned substantially in a horizontal plane. 11c and a partition surface 11d provided between the middle portions of the side wall portions 11a and 11a to partition the upper and lower
[0021]
The diameter of the
[0022]
In such a tunnel structure 11, a reinforcing
[0023]
FIG. 1 is an enlarged view of the
[0024]
Next, a method of constructing such a large-
First,
[0025]
As shown in FIG. 3, the
[0026]
FIG. 5 is a cross-sectional view showing the shape of the
[0027]
After assembling such a
[0028]
Then, as shown in FIG. 1, the ground between the
[0029]
As shown in FIG. 7, circular segments (segments) 32, 32,... Are assembled behind a shield excavator (not shown) while excavating each
As a result, the
[0030]
Subsequently, reinforcing
[0031]
In the above-described large-
[0032]
In addition, since the large-
[0033]
Further, the
[0034]
Further, since the
[0035]
In addition, since the
[0036]
Further, in the above-described tunnel construction method employed in constructing the large-
[0037]
Furthermore, by adopting such a construction method, when the
[0038]
In the above, an example of the embodiment of the present invention has been described. However, the present invention is not limited to the above-described embodiment, and the form, application conditions, and the like may be changed as necessary. Good.
For example, in the above embodiment, the
Further, not only the unevenness is formed by joining the steel member to the
[0039]
Moreover, the
Further, the tunnel construction method described in the above embodiment is not only applied to the construction of the large-
[0040]
【The invention's effect】
As described above, in the large-section tunnel according to
[0041]
According to the large-section tunnel according to the second aspect, at least a part of the outer surface of the segment is made of a striped steel plate, and the unevenness is formed on the striped steel plate. Therefore, the invention according to the first aspect is easily realized. be able to.
In the large-section tunnel according to the third aspect, a steel member is provided on at least a part of the outer surface of the segment, and the irregularities are formed by welding the steel member. Thus, the invention according to
[0042]
According to the large-section tunnel according to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an enlarged vertical sectional view of a part of a large-section tunnel schematically showing an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a vertical sectional view of the entire large-section tunnel.
FIG. 3 is a view showing a method of constructing the large-section tunnel, and is an elevational sectional view showing a state in which a rectangular shield tunnel constituting the tunnel structure is constructed in advance.
FIG. 4 is a side sectional view and a plan sectional view showing a state where the rectangular shield tunnel is being constructed.
FIG. 5 is an enlarged sectional view showing a skin plate in a concave portion of a segment constituting the rectangular shield tunnel.
FIG. 6 is a front view of the same skin plate.
FIG. 7 is an elevational sectional view showing a state where a hole for constructing a circular shield tunnel is excavated between the rectangular shield tunnels, and then the circular shield tunnel is constructed.
FIG. 8 is a perspective view showing another embodiment of the unevenness formed on the skin plate.
FIG. 9 is a view showing an embodiment of the unevenness formed on the skin plate, and is a front view showing another example different from those shown in FIGS.
FIG. 10 is a vertical sectional view showing an example of a conventional large-section tunnel.
FIG. 11 is an elevational sectional view showing an example of a conventional large-section tunnel having a rectangular shape in a sectional view.
12 is a process chart showing a method for constructing the large-section tunnel shown in FIG. 11;
[Explanation of symbols]
Claims (4)
前記トンネル構造体は、断面視矩形の矩形シールドトンネルと、断面視円形の円形シールドトンネルとを交互に隣接配置し、かつ互いに隣接する前記矩形シールドトンネルと円形シールドトンネルとを、その一部を互いに重合させて一体化した構成とされ、
前記矩形シールドトンネルは、セグメントの外面に、裏込充填材からなる充填コンクリート部を付着した構成とされ、
該セグメントの外面の少なくとも一部には、該セグメントと前記充填コンクリート部との付着強度を高めるための凹凸が形成されていることを特徴とする大断面トンネル。A tunnel having a large cross section is composed of a tunnel structure formed in a substantially rectangular cross section and a tunnel space formed inside the tunnel structure,
In the tunnel structure, a rectangular shield tunnel having a rectangular cross section and a circular shield tunnel having a circular cross section are alternately arranged adjacent to each other, and the rectangular shield tunnel and the circular shield tunnel adjacent to each other are partially connected to each other. Polymerized and integrated,
The rectangular shield tunnel has a configuration in which a filled concrete portion made of a backfill filler is attached to an outer surface of the segment,
A large-section tunnel, wherein at least a part of the outer surface of the segment is formed with irregularities for increasing the bonding strength between the segment and the filled concrete portion.
前記セグメントの外面の少なくとも一部は縞鋼板からなり、前記凹凸は、該縞鋼板上に形成されていることを特徴とする大断面トンネル。The large-section tunnel according to claim 1,
A large-section tunnel, wherein at least a part of an outer surface of the segment is formed of a striped steel plate, and the irregularities are formed on the striped steel plate.
前記セグメントの外面の少なくとも一部に鋼製部材が設けられ、前記凹凸は該鋼製部材によって形成されていることを特徴とする大断面トンネル。The large-section tunnel according to claim 1,
A large-section tunnel, wherein a steel member is provided on at least a part of an outer surface of the segment, and the irregularities are formed by the steel member.
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