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JP3582448B2 - Ink composition for inkjet printing - Google Patents

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JP3582448B2
JP3582448B2 JP2000068880A JP2000068880A JP3582448B2 JP 3582448 B2 JP3582448 B2 JP 3582448B2 JP 2000068880 A JP2000068880 A JP 2000068880A JP 2000068880 A JP2000068880 A JP 2000068880A JP 3582448 B2 JP3582448 B2 JP 3582448B2
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Description

【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、インクジェット記録方法によって布帛、とりわけ絹、羊毛等の動物繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維、に捺染するのに適したインク組成物およびインクジェット捺染方法に関する。
【0002】
背景技術
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有する。
【0003】
このインクジェット記録方法を捺染に適用すれば、種々の画像を布上に容易に形成することができる。とりわけ、階調性、多色表現性等に優れる画像の形成に有利であり、さらに、従来印捺工程で発生していたような余剰のインク組成物が殆どなく、環境保全にも有効であるとの利点を有する。
【0004】
インクジェット記録方法を捺染に適用した際に重要となる点としては、インク組成物が高発色の捺染画像を実現できること、インク組成物をインクジェット記録方法に適した低粘性を有するものとすることができること、インク組成物が布帛の前処理剤と好ましいマッチング特性を有し、良好な画像が実現できること、インク乾燥時間が比較的早く例えば印捺後に布帛を巻き取る際に裏移りしないこと、更にインク組成物が長期間の保存に耐えるものであることなどが挙げられる。
【0005】
インクジェット記録方法により捺染を行うインクジェット捺染方法としては、例えば特開平5−255627号、特開平6−25576号、特開平7−258982号、特開平9−296380号などが挙げられる。
【0006】
【発明の概要】
本発明者は、今般、インクジェット捺染用インク組成物に求められる種々の性能を高い次元で満足し良好な捺染画像が実現できるインク組成物を見出した。
【0007】
よって、本発明は、インクジェット捺染用インク組成物に求められる種々の性能を高い次元で満足し良好な捺染画像が実現できるインク組成物およびそれを用いたインクジェット捺染方法の提供をその目的としている。
【0008】
そして、本発明によるインクジェット捺染用インク組成物は、酸性染料と、界面活性剤と、水と、そして下記式(I)で表される化合物の少なくとも一種とを少なくとも含んでなり、その粘度が8.0m・Pa・s(20℃)以下であるものである。
【0009】
【化2】

Figure 0003582448
(式中、
EP1、EP2、およびEP3は、それぞれ独立してエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基を表し、
l、m、およびnは独立して0または1以上の自然数を表すが、l、m、およびnの少なくとも一つは1以上であり、かつインク組成物中に含まれる式(I)の化合物全体の平均値としてのl+m+nが1以上30以下である)。
【0010】
本発明によるインク組成物は、インクジェット捺染用インク組成物に求められる種々の性能を高い次元で満足するものである。例えば、本発明によるインク組成物によれば、高発色の捺染画像を実現できる。特に、上記式(I)の化合物の利用により、グリセリンのようないわゆる湿潤剤の添加量を低くし、主溶媒である水のインク組成物中の含有量を大きくすることが出来る。その結果、着色剤としての酸性染料をより多くインク組成物に存在させることができ、高い印字濃度の捺染画像の実現が可能となるとの利点が得られる。また、本発明によるインク組成物は、インクジェット記録方法、とりわけピエゾ振動子型のインクジェット記録ヘッドとの適合性に極めて優れるものである。さらに、本発明によるインク組成物は、インク乾燥時間が比較的短いとの利点を有する。なお、本発明においてインク組成物の乾燥とは、インク組成物の揮発成分が蒸発して固形成分が布帛上に定着することに加え、インク組成物が布帛に浸透し、指触等でインク組成物の移りが生じなくなることを含む意味に用いる。更に本発明によるインク組成物は、長期間の保存性に優れるものである。
【0011】
【発明の具体的説明】
インクジェット捺染用インク組成物
(1)酸性染料
本発明のインク組成物に用いられる酸性染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、カルボニウム染料、ニトロ染料、金属錯塩染料が挙げられる。その具体例としては、印刷の基本4色またはそれに近い色として
C.I.アシッドイエロー1、3、7、11、17、19、23、25、29、36、38、40、42、44、49、59、61、70、72、75、76、78、79、98、99、110、111、112、114、116、118、119、127、128、131、135、141、142、161、162、163、164、165、169、207、219、246、
C.I.アシッドレッド1、6、8、9、13、14、18、19、24、26、27、28、32、35、37、42、51、52、57、62、75、77、80、82、83、85、87、88、89、92、94、95、97、106、111、114、115、117、118、119、129、130、131、133、134、138、143、145、149、154、155、158、168、180、183、184、186、194、198、199、209、211、215、216、217、219、249、252、254、256、257、260、262、265、266、274、276、282、283、303、317、318、320、321、322、361、
C.I.アシッドブルー1、7、9、15、22、23、25、27、29、40、41、43、45、49、54、59、60、62、72、74、78、80、82、83、90、92、93、100、102、103、104、112、113、117、120、126、127、129、130、131、133、138、140、142、143、151、154、158、161、166、167、168、170、171、175、182、183、184、185、187、192、199、203、204、205、225、229、234、236、300、
C.I.アシッドブラック1、2、7、24、26、29、31、44、48、50、51、52、58、60、62、63、64、67、72、76、77、94、107、108、109、110、112、115、118、119、121、122、131、132、139、140、155、156、157、158、159、191、234等が挙げられる。
【0012】
また、印捺画像の色表現範囲を広げるためにまたは特定の色を削減するため、適宜オレンジ、バイオレット、グリーン、ブラウン等基本4色以外の染料を用いることもできる。このような染料の具体例としては、
C.I.アシッドオレンジ1、7、8、10、19、20、24、28、33、41、43、45、51、56、63、64、65、67、74、80、82、85、86、87、88、95、122、123、124、
C.I.アシッドバイオレット7、11、15、31、34、35、41、43、47、48、49、51、54、66、68、75、78、97、106、
C.I.アシッドグリーン3、7、9、12、16、19、20、25、27、28、35、36、40、41、43、44、48、56、57、60、61、65、73、75、76、78、79、
C.I.アシッドブラウン2、4、13、14、19、20、27、28、30、31、39、44、45、46、48、53、100、101、103、104、106、160、161、165、188、224、225、226、231、232、236、247、256、257、266、268、276、277、282、289、294、295、296、297、299、300、301、302等が挙げられる。また好みの色に合わせる為にこれらの染料を適宜混合して使用する事も出来る。特に良好な黒色を印捺する為に補色を加える事も好ましい。
【0013】
本発明において酸性染料の添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して0.1〜15重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜10重量%程度である。
【0014】
本発明の好ましい態様によれば、インク組成物中の染料に由来する不純物としての塩が1重量%以下の濃度である程度まで染料は精製されていることが好ましい。このような精製された染料の利用により、インク組成物の吐出安定性が高い次元で確保でき、さらにプリンタの金属部分の錆の発生を抑制することができることから好ましい。
【0015】
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は酸性染料に加えて他の着色剤を含んでなることが出来る。酸性染料によっては染着し難い繊維を含む布帛、例えば混紡布帛、に印捺する場合、他の着色剤を組み合わせて含んでなるインク組成物によれば良好な印捺が得られる。例えば、絹とポリエステルとからなる布帛には、分散染料をさらに含んでなる本発明によるインク組成物により印捺を行うことで、良好な印捺品質が得られる。また、本発明の別の好ましい態様によれば、酸性染料に加えて他の着色剤を含んでなるインク組成物を用いることで、より広い色再現性を実現することが出来る。例えば、前処理剤を塗工した絹、羊毛、またはこれらの一つを含む混紡に捺染する場合、反応性染料をさらに含んでなるインク組成物によれば広範な色の再現範囲を実現することが出来る。
【0016】
さらに本発明の別の好ましい態様によれば、本発明による酸性染料を含んでなるインク組成物と、分散染料を含んでなるインク組成物とを別々に用意し、それぞれ別のインクジェット記録ヘッドから吐出し、捺染することも可能である。この場合、布帛への吐出順序は適宜決定されてよい。また、本発明の別の好ましい態様によれば、酸性染料の濃度または種類を変えることによって、同色または類似色の本発明によるインク組成物を複数用意し、これを用いて捺染を行うことも可能である。この態様によれば、印捺画像の階調性をより向上させることができ、さらに中間〜低濃度領域の粒状感を緩和することが出来る点でも有利である。
【0017】
(2)式(I)の化合物
本発明による捺染インク組成物は、式(I)で表される化合物の少なくとも一種とを少なくとも含んでなる。インク組成物中にあって、式(I)の化合物は単一の化合物として添加されても、式(I)で表される複数の化合物の混合物として添加されても良い。式(I)中において、EP1、EP2、およびEP3は、それぞれ独立してエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基を表す。従って、同一分子中にエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基が混在してもよく、またそのいずれかのみ存在していてもよい。l、m、およびnは独立して0または1以上の自然数を表すが、l、m、およびnの少なくとも一つは1以上であり、かつインク組成物中に含まれる式(I)の化合物全体の平均値としてのl+m+nが1以上30以下であり、より好ましくはその下限は2以上であり、その上限は28以下である。また、その好ましい範囲は3〜26である。l+m+nが上記範囲にあることで、プリントヘッドにインク組成物を充填し長時間放置しても直ちに安定した吐出が可能となり、またインク組成物の粘度が調整が行いやすい。
【0018】
式(I)の化合物は、好ましくはグリセリンを出発原料として、アルカリ等の雰囲気下でエチレンオキシドやプロピレンオキシドを目標モル量付加することによって製造することが出来る。この方法によって得られる式(I)の化合物は混合物であることが一般的であるが、蒸留などのプロセスにより単一化合物とされても良い。通常、インクジェット記録にあっては、式(I)の化合物は付加されるエチレンオキシ基およびプロピレンオキシ基の数は分布を持ったものが目詰まり性改良および印字品質の観点から好ましい。
【0019】
また、式(I)の化合物として市販品を利用することも可能であり、その例としてはLipo ChemicalsInc.(米国、ニュージャージー州)から入手可能なリポニックEG−1(EP1、EP2、およびEP3がいずれもエチレンオキシ基であり、l+m+nが26の式(I)の化合物)、EG−7(EP1、EP2、およびEP3がいずれもエチレンオキシ基であり、l+m+nが26の式(I)の化合物)が挙げられる。
【0020】
式(I)の化合物の添加により、インクジェット記録に用いられる際、目詰まり防止と長期保存安定を高い次元で両立されたインク組成物が実現できる。酸性染料を含んでなるインク組成物は、場合によってインクジェット記録に適する粘度より低くなってしまうことがある。上記式(I)の化合物の利用は、増粘剤効果を有し、インクの粘度を適正な範囲に調整することができるとの利点をも有する。さらに、上記式(I)の化合物は保湿剤としての機能も併せ持つことから、目詰まり改良にも有効である。特に、この式(I)の化合物の保湿効果は高く、その結果、グリセリンのようないわゆる湿潤剤の添加量が小さくとも目詰まり防止の効果を維持することが出来る。場合によっては、式(I)の化合物以外の、グリセリンのような湿潤剤の添加を省略することができる。グリセリンの添加量を小さくするまたは省略することができた結果、主溶媒である水のインク組成物中の含有量を大きくすることが出来る。その結果、着色剤としての酸性染料をより多くインク組成物に存在させることができ、高い印字濃度の捺染画像の実現が可能となるとの利点が得られる。
【0021】
インク組成物中への式(I)の化合物の添加量はその添加の効果が得られる範囲または後記するインク組成物の物性が実現できる範囲で適宜決定されて良いが、好ましくは1重量%以上であり、15重量%以下であり、より好ましくはその下限が3重量%以上であり、その下限は10重量%以下である。
【0022】
(3)インク組成物の他の成分および物性
本発明によるインク組成物は、界面活性剤を含有してなる。界面活性剤の添加によって、前処理した布帛上を均一に濡ぬらし印捺斑の少ない画像を実現でき、またまた短時間の内に布帛中へ浸透するインク組成物を実現することが出来る。さらに、ピエソ振動型インクジェット記録ヘッドに用いられた際、吐出不良の原因となるプリントヘッド内の気泡排出性を向上させ、安定した吐出を可能にするインク組成物が実現できる。
【0023】
好ましい界面活性剤としては、両性系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、界面活性剤はノニオン系界面活性剤が好ましい。この界面活性剤によって、更に安定した吐出が実現できる。ノニオン系界面活性剤の好ましい例としては、エチレングリコール系界面活性剤、多価アルコール系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤などが挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、アセチレングリコール系界面活性剤の利用が好ましい。好ましいアセチレングリコール系界面活性剤の例としては、下記式で表わされる化合物が挙げられる。
【0024】
【化3】
Figure 0003582448
(式中、0≦m+n≦50、R、R、R、およびRは独立してC1−6アルキル基である)
上記式で表される化合物は市販されており、例えばオルフィンY、サーフィノール82、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485(いずれもAir Products and Chemicals.Inc.)として入手可能である。
【0025】
ピエゾ振動子型のインクジェット記録ヘッドではノニオン系界面活性剤、好適にはアセチレングリコール系界面活性剤の利用が、ドット毎のインク吐出量が安定し、印捺濃度が再現し易くなることから有利である。
【0026】
また、ノニオン系界面活性剤は、均染性向上、滲み防止に有効である。シルクスクリーン等に使用する従来の印捺糊と比較して著しく粘度の低いインクジェット捺染用インク組成物にあっては、布上でインク流れを起こし、均染性が得にくい欠点が一般的に言って現れやすい。この現象は特にべた印刷部で起こりやすい(本発明にあって、「べた印刷」とは、5x5ミリ以上の面積を隙間なく印捺してある状態を意味する)。また、このインク流れは色境界で滲みを起こしやすくなる。ノニオン系界面活性剤の添加は、これらの欠点を有効に防止する点で有利である。特に、アセチレングリコール系界面活性剤は前処理した布帛への均一の濡れ、浸透性に優れべた部斑、滲み防止に有効である。
【0027】
界面活性剤、特にノニオン系界面活性剤、の添加量はその添加の効果が得られる範囲または後記するインク組成物の表面張力が実現できる範囲で適宜決定されてよいが、インク組成物に対して0.05〜5重量%程度が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%程度である。
【0028】
本発明の好ましい態様によれば、ノニオン系界面活性剤として、ノニオン系界面活性剤の沸点150℃以上の有機溶媒に対する溶解度が10g/100g以上のものを利用することが好ましい。このような関係を満たすノニオン系界面活性剤および有機溶媒の利用は、高い温度環境下(例えば、30℃)におけるノズルからの吐出安定性を確保しやすくなる点で有利である。この効果はピエゾ振動子型のインクジェット記録ヘッドに特に有効である。
【0029】
また、本発明の好ましい態様によれば、ノニオン系界面活性剤をアルキレングリコールアルキルエーテル、ピロリドン系溶媒、チオグリコールとともに組み合わせてインク組成物に添加することで、幅広い温度領域において安定した吐出が実現できる点で有利である。とりわけ、ピエゾ振動子を用いたインクジェット記録ヘッドに適用された際に特に有利である。
【0030】
本発明によるインク組成物の主溶媒は好ましくは水である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることにより、インク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
【0031】
本発明によるインク組成物は、有機溶媒を含んでなることができ、有機溶媒としては常圧における沸点が150℃以上の多価アルコールを用いることが好ましい。このような有機溶媒は、インク組成物の乾燥を有効に防止でき、それによってノズルの目詰まりを防ぐ効果が得られる。このような有機溶媒の好ましい例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオオール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、チオグリコールなどが挙げられる。この沸点が150℃以上の多価アルコール系有機溶媒の添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して50重量%以下が好ましく、より好ましくは2〜40重量%、更に好ましくは2〜20重量程度である。また、これらの有機溶媒は、単独または混合して用いられてよい。
【0032】
また、本発明によるインク組成物は、沸点が150℃以上のアルキレングリコールアルキルエーテルを含んでなることが好ましい。これによりインク組成物の記録ヘッドノズルにおける乾燥を有効に防止できる。また、記録ヘッド中において気泡の発生を抑え、さらに一旦気泡が発生しても速やかにそれを消失させる効果が得られる。その結果、長時間にわたり安定したインク組成物の吐出を確保することが出来る。この吐出安定性の効果はピエゾ振動子を用いたインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録方法に特に有利である。さらに、本発明者は、このアレキレングリコールアルキルエーテルを添加したインク組成物と、ピエゾ振動子を用いたインクジェット記録ヘッドとを組み合わせることで、インク吐出量を減少させることができることを見出した。すなわち、アルキレングリコールアルキルエーテルの添加量を調製することで、インク吐出量を記録ヘッドにおけるインク吐出量の最適範囲に置くことが容易にできるとの利点が得られるのである。沸点が150℃以上のアルキレングリコールアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。特にジエチレングリコールモノブチルエーテルの利用が好ましい。これらのアルキレングリコールアルキルエーテルの添加量の添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して0.5〜30重量%程度が好ましく、より好ましくは3〜20重量%程度、更に好ましくは5〜15重量%程度である。これらの有機溶媒は、単独または混合して用いられてよい。
【0033】
本発明によるインク組成物は、酸性染料の濃度が比較的高い場合には、ピロリドン系溶媒を含んでなることが、吐出安定性の向上の観点から好ましい。ピロリドン系溶媒の好ましい例としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。更に本発明の好ましい態様によれば、ピロリドン系溶媒と、前記したアセチレングリコール系界面活性剤と併用することで吐出安定性を更に向上させることが出来る。また、この効果はピエゾ振動型のインクジェット記録ヘッドとの組み合わせにおいて特に顕著である。
【0034】
本発明によるインク組成物を構成する液体有機成分は相互に実質的な相溶性を有するものであることが好ましいことは無論である。ここで、実質的な相溶性とは、得られたインク組成物が相分離することなく、また析出物を生じさせない程度の溶解性を示すことを意味する。更に好ましくは、インク組成物中の水蒸発時においても常温で液体の成分間において相分離を生じさせない程度の相溶性を意味する。実質的な相溶性を有するインク組成物はより安定的に吐出させることができる。
【0035】
さらに、本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は尿素またはその誘導体を含んでなることが好ましい。尿素およびその誘導体の好ましい例としては、尿素、ジメチル尿素、モノメチルチオ尿素、チオ尿素、ジメチルチオ尿素等のアルキル尿素、アルキルチオ尿素などが挙げられる。これら尿素またはその誘導体は、目詰まり防止の効果をインク組成物に付与するとともに、ヒドロトロピー剤効果を併せ持つ。また、その添加によって印捺濃度を向上させることができるとの利点も得られる。また、チオ尿素の添加は特に均染性の向上に有効である。さらに、この尿素またはその誘導体をインク組成物に添加することで、布帛前処理剤に要する尿素系添加剤の量を減らすことができ、場合によっては添加しないことを可能にする。環境に影響を与える尿素の添加量を減らすことが出来ることは好ましいことであると言える。
【0036】
尿素またはその誘導体の添加量は上記効果が得られる範囲で適宜決定されてよいが、好ましくはその下限は1重量%以上であり、その上限は15重量%以下であり、より好ましくはその下限は3重量%以上であり、その上限は10重量%以下である。本発明の好ましい態様によれば、尿素またはアルキル尿素を2〜10重量%およびチオ尿素を1〜5重量%組み合わせて添加することが更に好ましい。
【0037】
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物のpHは5.0〜11.0の範囲におかれることが好ましく、より好ましくは7.0〜9.5である。インク組成物のpHが上記範囲にあることで、プリンタの金属部分の腐食を抑え、かつ布帛へのダメージを低減することが出来る。
【0038】
さらに本発明によるインク組成物は、金属イオン封鎖剤を含んでなることが好ましい。金属イオン封鎖剤の添加により、安定したインク組成物の吐出が長期間にわたり実現できる。また、封鎖剤の添加により、布上で安定した濃度および色相を実現するインク組成物が実現できる。金属イオン封鎖剤の例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、EDTA塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(EDTA−OH)等が挙げられる。金属イオン封鎖剤の添加量は適宜決定されてよいが、好ましくは0.001〜0.1重量%程度であり、更に好適には0.005〜0.03重量%である。
【0039】
本発明によるインク組成物は、上記成分に加えて、インク組成物の諸性能を改善するために添加剤を加えることができる。そのような添加剤の例としては、防腐剤が挙げられる。防腐剤の好ましい例としては、プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルIB、プロキセルTNなどが挙げられる。
【0040】
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は、防錆剤を含んでなることが好ましい。この防錆剤の添加によって、記録ヘッドをはじめとするプリンタ部材の腐食を防ぎ、長期の安定したインクジェット捺染が実現できる。防錆剤の好ましい例としては、ベンゾトリアゾールが挙げられ、その好ましい添加量は0.005〜0.05重量%程度である。
【0041】
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は、粘度が20℃で8.0m・Pa・s以下、好ましくは1.5〜6.0m・Pa・sの範囲におかれることが、特にインク組成物の吐出安定性の観点から好ましい。
【0042】
また、本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物の表面張力は50mN/m以下が好ましく、更に40〜25mN/mが好ましい。
【0043】
本発明によるインク組成物は、脱気されて、プリンタに供給されることが好ましい。脱気されたインク組成物は記録ヘッドへの充填を容易にするばかりでなく、インクの吐出安定性を確保し、クリーニング操作により容易に吐出不良ノズルを回復させることが出来る。これら効果は、ピエゾ振動子を用いたインクジェット記録ヘッドとの組み合わせにより、より顕著に得ることができる。インク組成物の脱気方法は特に限定されないが、例えばインク組成物を減圧下に放置することにより行われる。さらにこのインク組成物を外気と実質的に遮断可能な容器、例えばカートリッジ、アルミパック、に注入し、その後密封する。これによりインク組成物をプリンタ充填時まで、脱気状態で保持することが出来る。好ましい脱気度は、15℃における窒素残存量が10ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下である。
【0044】
インクジェット捺染方法
本発明によるインク組成物が好ましく適用される布帛は、植物性繊維、動物性繊維、アミド系繊維から主になる布帛である。このような布帛の好ましい例としては、羊毛、絹、ナイロン、さらにこれらの繊維を少なくとも一つ含む混紡が挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は、絹または羊毛のような動物性タンパク質繊維、ポリアミド繊維、またはこれら繊維の少なくとも一つを含んでなる混紡繊維の捺染に好ましく用いられる。
【0045】
これら布帛は、インク組成物の適用前に以下のような前処理剤による処理に付されることが好ましい。前処理剤は糊剤を含むものが好ましく、好ましくはグアー、ローカストビーン等の天然ガム類、澱粉類、アルギン酸ソーダ、ふのり等の海草類、ペクチン酸等の植物皮類、メチル繊維素、エチル繊維素、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体、焙焼澱粉、アルファ澱粉、カルボキシメチル澱粉、カルボキシエチル澱粉、ヒドロキシエチル澱粉等の加工澱粉、シラツガム系、ローストビーンガム系等の加工天然ガム、アルギン誘導体又、ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸エステル等の合成糊、エマルジョン等を含むものが挙げられる。特に、使用する酸性染料との染着性に乏しい糊剤が好適に用いられる。
【0046】
さらに、本発明によるインク組成物が適用される布帛の前処理剤には、ヒドロトロピー剤が添加されることが好ましい。ヒドロトロピー剤としては、尿素、ジメチル尿素、チオ尿素、モノメチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素等のアルキル尿素が挙げられる。ヒドロトロピー剤の添加により、印捺濃度を向上できるとの利点が得られる。また、尿素、アルキル尿素、およびチオ尿素とを組み合わせて添加することにより、その添加量を減らすことができる。ヒドロトロピー剤の添加によって、前処理剤の安定性の向上が図れ、さらにパッディングされた布帛におけるクラックの発生を有効に防止することが出来る。ヒドロトロピー剤としてチオ尿素の利用が、均染性向上の観点から特に好ましい。また、インク組成物としてヒドロトロピー剤が添加されたものを用いることにより、前処理剤へのヒドロトロピー剤の添加する量を減らすことができ、場合によっては添加しないことを可能にする。環境に影響を与える尿素の添加量を減らすことが出来ることは好ましいことであると言える。前処理剤へのヒドロトロピー剤の添加量は適宜決定されてよいが、15重量%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以下である。
【0047】
また本発明の好ましい態様によれば、前処理剤はpH調整剤を含んでなることが好ましい。pH調整剤の好ましい例としては、酸アンモニウム塩、例えば硫酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、または第二リン酸ソーダが挙げられる。これらのpH調整剤を添加することで、色相の安定化と染着性とを向上させることが出来るとの利点が得られる。これらの添加量は染料種等を考慮して適宜決定されてよいが、0.2〜5重量%程度が好ましく、より好ましくは0.5〜3重量%程度である。
【0048】
前処理剤の布帛への塗工は常法に従い実施されてよく、例えばパディング方法により行われてよく、その際のマングル圧、スピード、乾燥時間等は適宜決定されてよい。パティングの絞り率は40〜90%程度が好ましく、より好ましくは60〜80%程度である。絞り率をあげれば、一般に定着濃度の向上が図られる。
【0049】
本発明によるインク組成物の布帛への付着は、後記するインクジェット記録装置を用いて行われる。本発明の好ましい様態によれば、インク吐出密度が120ドット/インチ以上が好ましく、さらにべた印刷においてインク付着量が5g/m2以上であることが、印捺画像における粒状感が少なく高濃度画像を実現できることから好ましい。
【0050】
インク組成物の付着を受けた布帛は、好ましくは後処理に付され、酸性染料の繊維への定着を促進させ、その後定着しなかった着色剤、その他のインク成分、前処理剤を十分除去することが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、後処理はいくつかの工程に別れる。まず、インク組成物を布帛に付着させた後、この布帛を常温〜150℃に0.5〜30分放置し、インク組成物を予備乾燥することが好ましい。この予備乾燥により印捺濃度を向上させ、かつ滲みを有効に防止出来る。なお、この予備乾燥とはインク組成物が布帛中に浸透することも含む。
【0051】
本発明の好ましい様態によれば、前記予備乾燥を連続工程で加熱乾燥することも可能である。布帛をロール状にしてインクジェット印捺機に供給し、印捺し、その後印捺布を巻き取る以前に乾燥工程を通す。乾燥機は印捺機に直結してもよく、分離したものであってもよい。乾燥機における乾燥は150℃以下で0.5〜30分行われることが好ましい。また、好ましい乾燥方法としては、空気対流方式、加熱ロール直付け方式、照射方式等が挙げられる。
【0052】
更に、予備乾燥した布帛は、スチーミングに付されることが好ましい。その条件は布帛の種類などを勘案して決定されてよいが、湿度50〜100%(より好ましくは湿度80〜100%)および温度90〜120℃(好ましくは95〜105℃)の環境に、3〜120分(好ましくは5〜40分)置かれることが好ましい。更にその後、界面活性剤(好ましくはノニオン系界面活性剤)を含む温水により洗浄することが好ましい。このような後処理が行われた印捺布は発色、堅牢性に優れ、インク滲みが少なくなる。
【0053】
本発明の好ましい態様によれば、後処理工程のうち定着工程は、布帛の種類によってその条件、特に、その時間、を変化させることが好ましい。例えば、布帛が羊毛である場合、時間は20〜120分が好ましく、より好ましくは30〜90分程度である。また、布帛が絹である場合、時間は5〜40分が好ましく、より好ましくは15〜30分程度である。さらに、布帛がナイロンである場合、5〜90分程度が好ましく、より好ましくは10〜60分程度である。
【0054】
インクジェット記録装置
本発明によるインク組成物は、インクジェット記録装置によって捺染される。インクジェット記録装置としては、圧電体素子の機械的体積変化によりインク滴を形成し、吐出させるいわゆるピエゾヘッド型インクジェット記録装置、インク組成物に熱エネルギーを加え、それによる体積膨張を利用してインク滴を形成し、吐出させるいわゆるバブルジェット型またはサーマルジェット型インクジェット記録装置のいずれであってもよい。
【0055】
本発明によるインク組成物は、圧電素子を用いたインクジェット記録方法に極めて有利に用いられる。ピエゾ型のインクジェット記録ヘッドは耐久性にきわめて優れており、捺染のような長時間、安定的な吐出が求められる分野には特に好ましい。本発明によるインク組成物は、ピエゾ型のインクジェット記録ヘッドに極めて適合するものであり、広範囲の温度領域において長時間、安定した連続吐出を可能にする。このことは膨大な吐出を要求される長尺物の印捺に極めて好適であり、本発明により得られる最も大きな利点である。
【0056】
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は、ノズルプレート表層部分に撥インク処理が施されてなるインクジェット記録ヘッドの利用が好ましい。本発明によるインク組成物と撥インク処理が施されたインクジェット記録ヘッドとの組み合わせにより、インクの飛行曲がりが発生し難く、布帛上に良好な画像が印捺される。本発明の好ましい態様によれば、撥インク処理はノズル孔(すなわちインク吐出口)内面にも施されてなることが好ましい。ノズル孔内面にも撥インク処理が施されることで、インク組成物のメニスカス位置が安定し、吐出安定性を更に向上させることが出来る。また、撥インク処理により、ノズルプレート表面にインク組成物が付着し難くなり、ノズル表面の撥インク性がさらに長時間維持できるとの利点が得られる。
【0057】
本発明によるインク組成物を吐出するインクジェット記録ヘッドのノズルプレートの材料は特に限定されないが、金属、セラミックス、シリコン、硝子、プラスチック等で形成されることが好ましく、より好ましくはチタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、錫、金等の単一材若しくはニッケル−リン合金、錫−銅−リン合金、銅−亜鉛合金、ステンレス鋼等の合金、ポリカーボネート、ポリサルフォン、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリサルフォンおよび各種の感光性樹脂で形成されている事が好ましい。
【0058】
また、ノズルプレートの撥インク処理の方法は特に限定されないが、好ましくは共析メッキにより行われることが好ましい。共析メッキは、例えば、プレート部材を金属イオンと電荷により分散させた撥水性高分子樹脂粒子と含む液中に浸漬し、攪拌しながらプレート表面に撥インク性の層を形成することにより行われる。撥水性高分子樹脂材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオロアルコキシブタジエン、ポリフルオロビニリデン、ポリフルオロビニル、ポリジパーフルオロアルキルフマレート等の樹脂を単独にまたは混合して用いることができる。また金属イオンとしては、ニッケル、銅、銀、錫、亜鉛等を用いることが出来るが、ニッケル、ニッケル−コバルト合金、ニッケル−ホウ素合金等の表面硬度が大きく対摩耗性に優れる材料の利用が好ましい。
【0059】
本発明によるインク組成物を好ましく吐出可能なインクジェット記録ヘッドの具体例としては、本明細書の開示の一部として引用する特開平4−339656号公報または特開平4−339662号公報に記載のヘッドが挙げられる。具体的には、図1に示されるような、インク吐出口を有するノズルプレートの外表面に、電解法により形成されたフッ素系高分子共析メッキの撥インク層をもつことを特徴とするインクジェット記録ヘッドである。図1はこのインクジェット記録ヘッドの断面模式図であり、インク流路形成部材11と、インク流路12、インク吐出口14を有する面を形成する部材13と、この部材13の表面に形成されたフッ素系高分子共析メッキ層からなる撥インク性の表面処理層15と、ピエゾ素子16と、このピエゾ素子を駆動する駆動ライン17とから少なくともなる。表面処理層15により、安定したインク組成物の吐出を可能にする。
【0060】
本発明によるインク組成物を好ましく吐出可能なインクジェット記録ヘッドの別の具体例としては、本明細書の開示の一部として引用する特開平5−116327号公報に記載のヘッドが挙げられる。具体的には、図2に示されるようなノズルプレートを有する記録ヘッドであって、ノズルプレートの表面と、この表面に続くノズル孔の内面と、ノズルプレートの裏面に続くノズル孔の周囲部分に、撥インク性の皮膜を均一に形成したことを特徴とする記録ヘッドである。図2は、ノズルプレートのインク吐出口の近傍を表した図であり、このノズルプレートは図1の部材13に対応するものであり、他の構成は図1と同様であってよい。この記録ヘッドにあっては、撥インク性の表面処理層15と同様の共析メッキ層がインク吐出口14の内面15aから裏面15bにかけて形成されてなる。このような構成とすることで、例えばインク室内の圧力変動等によって図中にMで示されるインク組成物のメニスカスが大きく振動し、インク室側に大きく後退したとしても、メニスカスはそのまま安定した球面を保持して、インク滴の曲りやドット抜け等を生じさせることなく高い周波数での記録書込みを可能にする。
【0061】
本発明によるインク組成物を好ましく吐出可能なインクジェット記録ヘッドの別の具体例としては、本明細書の開示の一部として引用する特開平6−122210号公報に記載のヘッドが挙げられる。具体的には、図3に示されるように、印字ヘッド31にはノズル面32に同一色のインク組成物を吐出するノズルを垂直方向に配列した各ノズル群33−Y、33−M、33−C、および33−BKが印字走査方向に垂直方向に配列されてなる。ノズル面32上において、各ノズル群間の領域34aと各ノズル群内の領域34bの一方に撥インク処理、例えばインク組成物の接触角が80°以上となる撥インク処理を施し、他方に親水処理、例えばインク組成物の接触角が30°以下となる親水処理を施す。各ノズル群間の領域34aを親水処理し、各ノズル群内の領域34bを撥インク処理することで、インク組成物はノズル周縁部において弾かれノズル内に引き込まれ、ノズル周縁部でのインク組成物の不均一な濡れは発生せず、これによりインク組成物の安定した吐出が確保できる。また、ノズル内に引き込まれないインク組成物は親水処理が施された各ノズル群間で保持され、隣合う各インク同士の混色を防ぐことができる。また、上記と逆に、各ノズル群間の領域34aを撥インク処理し、各ノズル群内の領域34bを親水処理することで、インク組成物はノズル周縁部において広がり、ノズル近傍でのインクの均一な濡れにより安定した吐出が確保できる。また、各ノズル群間にまで濡れ広がったインク組成物は各ノズル群間の撥インク処理領域34bに弾かれ、隣合うインクの混色を防ぐことができる。
【0062】
【実施例】
インク組成物の調製
インク1を以下の手順で調整した。110cc用サンプル瓶中へ40℃の水52gを入れ、マグネチックスターラーで攪拌しながら、サーフィノール465の10重量%水溶液を5g、防腐剤プロキセルXL10重量%水溶液を2.5g、およびキレート剤EPDAの1重量%水溶液0.5g添加した。さらにリポニックEG−1を10g、アシッドイエロー49を7g添加し、加熱しながらマグネチックスターラーで染料が溶解するまで攪拌した。さらにジエチレングリコール10g、グリセリン8グラム及びジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル5gを添加した。添加後マグネチックスターラーで10分間撹拌してインクとした。
【0063】
インク1
C.I.アシッドイエロー49 7重量%
リポニックEG−1 10重量%
ジエチレングリコール 10重量%
グリセリン 8重量%
ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル 5重量%
サーフィノール465 0.5重量%
プロキセルXL 0.25重量%
EPDA 0.005重量%
水 残量
また以下の組成のインク2〜7を、上記インク1と同様にして調製した。
【0064】
インク2
C.I.アシッドレッド52 7重量%
リポニックEG−7 7重量%
ジエチレングリコール 7重量%
トリエチレングリコール
モノ−n−ブチルエーテル 3重量%
サーフィノール465 0.7重量%
N−メチル−2−ピロリドン 5重量%
防腐剤 0.2重量%
キレート剤 0.01重量%
水 残量
インク3
C.I.アシッドブルー140 10重量%
式(I)の化合物(EP1、EP2、
およびEP3がいずれもエチレンオキシ基であり、
l+m+nが3の化合物) 5重量%
2−ピロリドン 5重量%
サーフィノール465 0.9重量%
防腐剤 0.15重量%
キレート剤 0.015重量%
水 残量
インク4
C.I.アシッドブラック52 7重量%
式(I)の化合物(EP1、EP2、
およびEP3がいずれもエチレンオキシ基であり、
l+m+nが7の化合物) 8重量%
ジエチレングリコール 5重量%
チオジグリコール 3重量%
サーフィノール485 1.1重量%
防腐剤 0.1重量%
キレート剤 0.02重量%
水 残量
インク5
アシッドイエロー11 6重量%
式(I)の化合物(EP1、EP2、
およびEP3がいずれもプロピレンオキシ基であり、
l+m+nが3の化合物 15重量%
チオジグリコール 10重量%
アニオン系活性剤 0.5重量%
防腐剤 0.05重量%
キレート剤 0.025重量%
水 残量
インク6
C.I.アシッドレッド26 8重量%
リポニックEG−7 7重量%
トリエチレングリコール
モノ−n−ブチルエーテル 3重量%
尿素 7重量%
サーフィノール465 0.7重量%
防腐剤 0.2重量%
キレート剤 0.01重量%
水 残量
インク7
C.I.アシッドレッド138 8重量%
リポニックEG−7 10重量%
サーフィノール465 0.7重量%
防腐剤 0.2重量%
キレート剤 0.01重量%
水 残量
インク8
C.I.アシッドブラック155 8重量%
式(I)の化合物(EP1、EP2、
およびEP3がいずれもエチレンオキシ基であり、
l+m+nが10の化合物) 10重量%
サーフィノール465 0.7重量%
防腐剤 0.2重量%
キレート剤 0.01重量%
水 残量
布帛の前処理剤
1リットルの水をゆっくり撹拌しながら澱粉系糊剤を約4時間かけて15g添加した。更に撹拌しながら尿素1.0g、チオ尿素0.5グラム添加した。一日放置し、ままこがないことを確認して、25%酒石酸アンモニウム5% o.w.pを加え更に1時間攪拌して前処理剤1を作成した。
【0065】
また、尿素をジメチル尿素、チオ尿素をジメチルチオ尿素に変えた以外は上記と同様にして得たものを前処理剤2とした。
パディング
前処理剤のパディングは、マチス社製HVF350を用いて常温で行った。具体的には、予め210×315ミリに切った絹を、圧力2bar、スピード3メートル/分、絞り率80%の条件下でパディングした。
【0066】
インクジェット印捺
改造したインクジェットプリンタMJ930C(セイコーエプソン株式会社製)に上記インクを充填し、前記記載の前処理剤上に印捺した。インクジェット記録用ヘッドとして、そのノズルプレート上およびノズル孔の一部をニッケル−テフロン共析メッキで撥インク処理したのもを用いた。
【0067】
後処理
マチス社スチーマ−DHe型により定着操作を行った。その条件は、温度102℃、湿度98%以上の環境下で30分間スチーミング処理した。その後洗浄を行った。まず第一洗浄として印捺布をノニオン系活性剤(1.5g/l)と炭酸ナトリウム(1g/l)の常温水溶液に浸漬した。浸漬時間は時折攪拌しながら10分間であった。また浴比は1/50とした。印捺布取り出しを軽く絞り第二洗浄に入った。予備洗浄済布をノニオン系活性剤(1.5g/l)と炭酸ナトリウム(1g/l)の50℃水溶液に浸漬した。浸漬時間は時折攪拌しながら15分間とした。また浴比は1/50とした。さらに十分に水洗した布を自然乾燥させ、アイロンを掛けた。
【0068】
評価試験1
インクおよび前処理剤を以下の表の組み合わせにして捺染を行った。得られた捺染布の印刷部分のOD値を測定した。結果は以下に示される通りであった。
【0069】
Figure 0003582448
評価試験2
インク組成物を調製後直ちに上記評価試験1に従い捺染を行い、捺染布を得た。また、インク組成物を調製後50℃の温度下に1週間放置し、その後上記評価試験1に従い捺染を行い、捺染布を得た。放置前と放置後の捺染布の印刷部分のOD値を測定した。その結果は、以下の表に示される通りであった。なお、前処理剤として上記前処理剤2を全てにおいて用いた。
【0070】
Figure 0003582448
評価試験3
放置温度を60℃とした以外は、上記評価試験2と同様の試験を行った。その結果は、以下の表に示されるとおりであった。
【0071】
Figure 0003582448
評価試験4
インクジェットプリンタMJ930Cにインク1を充填し、印刷を行った。記録ヘッドの全てのノズルからインク滴が吐出されていること、飛行曲がりが無い事を確認した。このプリンタを40℃下で7日間放置したのち印刷を行った。その結果、プリンタに装備されているクリーニング操作無しで全ノズルが吐出した。また、飛行曲がりもなかった。
【0072】
評価試験5
撥インク処理をしないノズルプレートを有する記録ヘッドを装着したインクジェットプリンタMJ930Cにインク1〜4を充填し、印刷を行った。記録ヘッドの全てのノズルからインク滴が吐出されていること、飛行曲がりが無い事を確認した。このプリンタを40℃下で7日間放置した後に印刷した。その結果、クリーニング無しで全ノズルが吐出したが、約4%の飛行曲がりがあった。前処理剤1で処理した布帛に印捺後所定の定着、洗いを行い印捺品位を確認した。その結果、飛行曲がりは目視により観察されず、高品位の印捺画像が確保された。また、飛行曲がりは、記録ヘッドを一回のクリーニング操作することにより解消した。その後、A4紙100枚の印刷を行ったが、なんらの支障も観察されなかった。
【0073】
評価試験6
インク1〜4をプリンタMJ930Cに充填し、環境温度0℃、20℃、および40℃において、それぞれA4記録紙20,000枚に印刷を行った。いずれの温度においても全ノズル吐出した。また飛行曲がりも生じなかった。
【0074】
評価試験7
インク5〜8を、評価試験5で用いた、撥インク処理をしないノズルプレートを有する記録ヘッドを装着したインクジェットプリンタMJ930Cに充填し、環境温度0℃、20℃、および40℃において、それぞれA4記録紙20,000枚に印刷を行った。いずれの温度においても全ノズル吐出した。40℃試験で約3,000枚吐出後に数ノズルにおいて飛行曲がりが観察された。また、この記録ヘッドを用いて、前記前処理布に印捺し、定着させたところ、飛行曲がりは観察されなかった。スチーミング時の若干のインク滲みが飛行曲がりによる画像劣化を無視できるものとしたものと考えられる。
【0075】
以下のインク組成物を調製した。
【0076】
インク9(比較例)
C.I.アシッドブラック52 7重量%
ジエチレングリコール 10重量%
グリセリン 10重量%
サーフィノール465 0.5重量%
プロキセルXL−2 0.1重量%
EDTA 0.02重量%
水 残量
インク10
C.I.アシッドブラック52 7重量%
ジエチレングリコール 5重量%
リポニックEG−1 4重量%
サーフィノール465 0.8重量%
プロキセルXL−2 0.1重量%
EDTA 0.02重量%
水 残量
評価試験8
インク9および10を、9台のインクジェットプリンタEM900C(エプソン株式会社製)に充填し、環境温度0℃、20℃、40℃で各3台づつそれぞれA4記録紙20,000枚の印刷を行った。その結果、印刷は正常に行われ、何ら異常は認められなかった。
【0077】
また、上記試験後、0℃で吐出したプリンタを40℃中へ、20℃で吐出したプリンタを50℃中へ、40℃で吐出したプリンタを60℃中に2週間放置した。放置後再度印刷を行った。その際、全ノズルがが正常吐出するまでのクリーニング回数(CL)を調べた。その結果は、以下に示される通りであった。
【0078】
Figure 0003582448

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインク組成物を好ましく吐出可能なインクジェット記録ヘッドを示す図であり、この記録ヘッドはインク流路形成部材11と、インク流路12、インク吐出口14を有する面を形成する部材13と、この部材13の表面に形成されたフッ素系高分子共析メッキ層からなる撥インク性の表面処理層15と、ピエゾ素子16と、このピエゾ素子を駆動する駆動ライン17とから構成される。
【図2】本発明によるインク組成物を好ましく吐出可能な別のインクジェット記録ヘッドのプレートの例を示す図であり、撥インク性の表面処理層15と同様の共析メッキ層がインク吐出口14の内面15aから裏面15bにかけて形成されてなる。
【図3】本発明によるインク組成物を好ましく吐出可能なインクジェット記録ヘッドの別の例を示す図であり、各ノズル群間の領域34aと各ノズル群内の領域34bの一方に撥インク処理を施し、他方に親水処理が施されてなる。
【符号の説明】
11 インク流路形成部材
12 インク流路
14 インク吐出口14
15 撥インク性の表面処理層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
FIELD OF THE INVENTION The present invention relates to an ink composition and an ink jet printing method suitable for printing on fabrics, particularly animal fibers such as silk and wool, and polyamide fibers such as nylon, by an ink jet recording method.
[0002]
BACKGROUND ART An ink jet recording method is a printing method in which small droplets of an ink composition fly and adhere to a recording medium such as paper to perform printing. This method has a feature that high-resolution and high-quality images can be printed at a high speed with a relatively inexpensive device.
[0003]
If this inkjet recording method is applied to textile printing, various images can be easily formed on cloth. In particular, it is advantageous for forming an image having excellent gradation, multicolor expression, etc., and furthermore, there is almost no excess ink composition which has been generated in the conventional printing process, and it is also effective for environmental conservation. And has the advantage.
[0004]
Important points when the inkjet recording method is applied to textile printing are that the ink composition can realize a high-color printed image and that the ink composition has a low viscosity suitable for the inkjet recording method. That the ink composition has a favorable matching property with the pretreatment agent of the fabric, that a good image can be realized, that the ink drying time is relatively fast, for example, that no set-off occurs when the fabric is wound up after printing, The thing is that it can withstand long-term storage.
[0005]
Examples of the ink-jet printing method for printing by an ink-jet recording method include JP-A-5-255627, JP-A-6-25576, JP-A-7-258982, and JP-A-9-296380.
[0006]
Summary of the Invention
The present inventor has recently found an ink composition that satisfies various performances required for an ink composition for ink-jet printing at a high level and can realize a good printed image.
[0007]
Accordingly, an object of the present invention is to provide an ink composition that can satisfy various performances required for an ink composition for ink-jet printing at a high level and realize a good printed image, and an ink-jet printing method using the same.
[0008]
The ink composition for ink jet printing according to the present invention comprises at least an acid dye, a surfactant, water, and at least one compound represented by the following formula (I), and has a viscosity of 8: 0.0 m · Pa · s (20 ° C.) or less.
[0009]
Embedded image
Figure 0003582448
(Where
EP1, EP2 and EP3 each independently represent an ethyleneoxy group or a propyleneoxy group,
l, m, and n independently represent a natural number of 0 or 1 or more, and at least one of l, m, and n is 1 or more, and is a compound of the formula (I) contained in the ink composition. L + m + n as an average value of the whole is 1 or more and 30 or less).
[0010]
The ink composition according to the present invention satisfies various performances required for an ink composition for ink-jet printing at a high level. For example, according to the ink composition of the present invention, a printed image with high color development can be realized. In particular, by using the compound of the above formula (I), the amount of a so-called wetting agent such as glycerin can be reduced, and the content of water as a main solvent in the ink composition can be increased. As a result, an acid dye as a coloring agent can be present in a larger amount in the ink composition, and an advantage that a printed image with high print density can be realized is obtained. Further, the ink composition according to the present invention is extremely excellent in compatibility with an ink jet recording method, particularly, a piezo oscillator type ink jet recording head. Furthermore, the ink composition according to the present invention has the advantage that the ink drying time is relatively short. In the present invention, the drying of the ink composition means that the volatile components of the ink composition evaporate and the solid components are fixed on the fabric, and the ink composition penetrates the fabric and the ink composition is touched by a finger or the like. It is used to include the meaning that no transfer occurs. Further, the ink composition according to the present invention is excellent in long-term storage stability.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Ink Composition for Ink-Jet Textile Printing (1) Acid Dye Examples of the acid dye used in the ink composition of the present invention include an azo dye, an anthraquinone dye, a carbonium dye, a nitro dye, and a metal complex dye. Specific examples thereof include C.I. as four basic colors of printing or colors similar thereto. I. Acid Yellow 1, 3, 7, 11, 17, 19, 23, 25, 29, 36, 38, 40, 42, 44, 49, 59, 61, 70, 72, 75, 76, 78, 79, 98, 99, 110, 111, 112, 114, 116, 118, 119, 127, 128, 131, 135, 141, 142, 161, 162, 163, 164, 165, 169, 207, 219, 246,
C. I. Acid Red 1, 6, 8, 9, 13, 14, 18, 19, 24, 26, 27, 28, 32, 35, 37, 42, 51, 52, 57, 62, 75, 77, 80, 82, 83, 85, 87, 88, 89, 92, 94, 95, 97, 106, 111, 114, 115, 117, 118, 119, 129, 130, 131, 133, 134, 138, 143, 145, 149, 154, 155, 158, 168, 180, 183, 184, 186, 194, 198, 199, 209, 211, 215, 216, 217, 219, 249, 252, 254, 256, 257, 260, 262, 265, 266, 274, 276, 282, 283, 303, 317, 318, 320, 321, 322, 361,
C. I. Acid Blue 1, 7, 9, 15, 22, 23, 25, 27, 29, 40, 41, 43, 45, 49, 54, 59, 60, 62, 72, 74, 78, 80, 82, 83, 90, 92, 93, 100, 102, 103, 104, 112, 113, 117, 120, 126, 127, 129, 130, 131, 133, 138, 140, 142, 143, 151, 154, 158, 161, 166, 167, 168, 170, 171, 175, 182, 183, 184, 185, 187, 192, 199, 203, 204, 205, 225, 229, 234, 236, 300,
C. I. Acid Black 1, 2, 7, 24, 26, 29, 31, 44, 48, 50, 51, 52, 58, 60, 62, 63, 64, 67, 72, 76, 77, 94, 107, 108, 109, 110, 112, 115, 118, 119, 121, 122, 131, 132, 139, 140, 155, 156, 157, 158, 159, 191 and 234.
[0012]
Dyes other than the basic four colors, such as orange, violet, green, and brown, can also be used as appropriate to widen the color expression range of the printed image or to reduce specific colors. Specific examples of such dyes include:
C. I. Acid Orange 1, 7, 8, 10, 19, 20, 24, 28, 33, 41, 43, 45, 51, 56, 63, 64, 65, 67, 74, 80, 82, 85, 86, 87, 88, 95, 122, 123, 124,
C. I. Acid Violet 7, 11, 15, 31, 34, 35, 41, 43, 47, 48, 49, 51, 54, 66, 68, 75, 78, 97, 106,
C. I. Acid Green 3, 7, 9, 12, 16, 19, 20, 25, 27, 28, 35, 36, 40, 41, 43, 44, 48, 56, 57, 60, 61, 65, 73, 75, 76, 78, 79,
C. I. Acid Brown 2, 4, 13, 14, 19, 20, 27, 28, 30, 31, 39, 44, 45, 46, 48, 53, 100, 101, 103, 104, 106, 160, 161, 165, 188, 224, 225, 226, 231, 232, 236, 247, 256, 257, 266, 268, 276, 277, 282, 289, 294, 295, 296, 297, 299, 300, 301, 302, etc. Can be In addition, these dyes can be appropriately mixed and used to match a desired color. It is also preferable to add a complementary color in order to print particularly good black.
[0013]
In the present invention, the addition amount of the acid dye may be appropriately determined, but is preferably about 0.1 to 15% by weight, more preferably about 1 to 10% by weight, based on the ink composition.
[0014]
According to a preferred embodiment of the present invention, the dye is preferably purified to a certain extent at a concentration of 1% by weight or less as a salt derived from the dye in the ink composition. Utilization of such a purified dye is preferable because the ejection stability of the ink composition can be ensured at a high level, and the occurrence of rust on the metal part of the printer can be suppressed.
[0015]
According to a preferred embodiment of the present invention, the ink composition according to the present invention may comprise other coloring agents in addition to the acid dye. When printing on a fabric containing fibers that are difficult to dye with an acid dye, for example, a blended fabric, good printing can be obtained with an ink composition containing a combination of other coloring agents. For example, good printing quality can be obtained by performing printing on a cloth made of silk and polyester with the ink composition according to the present invention that further contains a disperse dye. According to another preferred embodiment of the present invention, a wider color reproducibility can be realized by using an ink composition containing another coloring agent in addition to the acid dye. For example, when printing on silk coated with a pretreatment agent, wool, or a blend containing one of them, an ink composition further containing a reactive dye can realize a wide color reproduction range. Can be done.
[0016]
According to another preferred embodiment of the present invention, an ink composition containing the acidic dye according to the present invention and an ink composition containing the disperse dye are separately prepared, and ejected from different inkjet recording heads. It is also possible to print. In this case, the order of ejection to the cloth may be determined as appropriate. According to another preferred embodiment of the present invention, it is also possible to prepare a plurality of ink compositions according to the present invention of the same color or similar colors by changing the concentration or type of the acidic dye, and perform printing using the same. It is. According to this aspect, it is advantageous in that the gradation of the printed image can be further improved, and the granularity in the middle to low density region can be reduced.
[0017]
(2) Compound of Formula (I) The printing ink composition according to the present invention comprises at least one of the compounds represented by Formula (I). In the ink composition, the compound of the formula (I) may be added as a single compound or as a mixture of a plurality of compounds represented by the formula (I). In the formula (I), EP1, EP2 and EP3 each independently represent an ethyleneoxy group or a propyleneoxy group. Therefore, an ethyleneoxy group and a propyleneoxy group may be mixed in the same molecule, or only one of them may be present. l, m, and n independently represent a natural number of 0 or 1 or more, and at least one of l, m, and n is 1 or more, and is a compound of the formula (I) contained in the ink composition. L + m + n as an average value of the whole is 1 or more and 30 or less, more preferably the lower limit is 2 or more, and the upper limit is 28 or less. The preferred range is from 3 to 26. When l + m + n is in the above range, even if the print head is filled with the ink composition and left for a long time, stable ejection can be immediately performed, and the viscosity of the ink composition can be easily adjusted.
[0018]
The compound of the formula (I) can be produced preferably by using glycerin as a starting material and adding a target molar amount of ethylene oxide or propylene oxide under an atmosphere such as an alkali. The compound of the formula (I) obtained by this method is generally a mixture, but may be made into a single compound by a process such as distillation. In general, in ink jet recording, the compound of the formula (I) preferably has a distribution of the number of added ethyleneoxy groups and propyleneoxy groups from the viewpoint of improving clogging and printing quality.
[0019]
It is also possible to use a commercial product as the compound of the formula (I), for example, Lipo Chemicals Inc. Liponic EG-1 (a compound of formula (I) wherein EP1, EP2, and EP3 are all ethyleneoxy groups and l + m + n is 26) and EG-7 (EP1, EP2, And EP3 are ethyleneoxy groups, and l + m + n is 26, a compound of formula (I).
[0020]
By adding the compound of the formula (I), it is possible to realize an ink composition in which clogging prevention and long-term storage stability are compatible at a high level when used for inkjet recording. In some cases, the viscosity of the ink composition containing the acid dye is lower than the viscosity suitable for inkjet recording. Use of the compound of the above formula (I) has a thickener effect and also has the advantage that the viscosity of the ink can be adjusted to an appropriate range. Further, since the compound of the above formula (I) also has a function as a humectant, it is also effective in improving clogging. In particular, the compound of formula (I) has a high moisturizing effect, and as a result, the effect of preventing clogging can be maintained even when the amount of a so-called wetting agent such as glycerin is small. In some cases, the addition of a wetting agent such as glycerin, other than the compound of formula (I), can be omitted. As a result of reducing or omitting the amount of glycerin added, the content of water as the main solvent in the ink composition can be increased. As a result, an acid dye as a coloring agent can be present in a larger amount in the ink composition, and an advantage that a printed image with high print density can be realized is obtained.
[0021]
The amount of the compound of formula (I) to be added to the ink composition may be appropriately determined within a range in which the effect of the addition can be obtained or a range in which the physical properties of the ink composition described later can be realized, but are preferably 1% by weight or more. And 15% by weight or less, more preferably the lower limit is 3% by weight or more, and the lower limit is 10% by weight or less.
[0022]
(3) Other components and physical properties of the ink composition The ink composition according to the present invention contains a surfactant. By adding a surfactant, it is possible to uniformly wet the pretreated fabric and to realize an image with less printing spots, and to realize an ink composition that penetrates into the fabric in a short time. Further, when used in a piezo-vibration type ink jet recording head, an ink composition that improves bubble discharge in a print head, which causes ejection failure, and enables stable ejection can be realized.
[0023]
Preferred surfactants include amphoteric surfactants, anionic surfactants, and nonionic surfactants. According to a preferred embodiment of the present invention, the surfactant is preferably a nonionic surfactant. With this surfactant, more stable ejection can be realized. Preferred examples of the nonionic surfactant include an ethylene glycol-based surfactant, a polyhydric alcohol-based surfactant, and an acetylene glycol-based surfactant. According to a preferred embodiment of the present invention, the use of an acetylene glycol-based surfactant is preferred. Preferred examples of the acetylene glycol-based surfactant include a compound represented by the following formula.
[0024]
Embedded image
Figure 0003582448
(Wherein 0 ≦ m + n ≦ 50, R 1 , R 2 , R 3 , and R 4 are independently a C 1-6 alkyl group)
The compound represented by the above formula is commercially available, and can be obtained, for example, as Olfin Y, Surfynol 82, Surfynol 440, Surfynol 465, Surfynol 485 (all of which are Air Products and Chemicals. Inc.).
[0025]
The use of a nonionic surfactant, preferably an acetylene glycol surfactant, in a piezo oscillator type ink jet recording head is advantageous because the ink ejection amount per dot is stable and the printing density can be easily reproduced. is there.
[0026]
Further, nonionic surfactants are effective for improving leveling properties and preventing bleeding. Ink-jet printing ink compositions, which have a significantly lower viscosity than conventional printing pastes used for silk screens and the like, generally have the drawback that they cause ink to flow on the cloth, making it difficult to obtain level printing properties. Easy to appear. This phenomenon is particularly likely to occur in a solid printing portion (in the present invention, “solid printing” means a state where an area of 5 × 5 mm or more is printed without gaps). In addition, this ink flow tends to cause bleeding at the color boundary. The addition of a nonionic surfactant is advantageous in that these disadvantages are effectively prevented. In particular, the acetylene glycol-based surfactant is effective for uniform wetting of the pretreated fabric, excellent osmosis, and prevention of stickiness and bleeding.
[0027]
The amount of the surfactant, particularly the nonionic surfactant, may be appropriately determined within a range in which the effect of the addition is obtained or a range in which the surface tension of the ink composition described later can be realized. The content is preferably about 0.05 to 5% by weight, more preferably about 0.1 to 3% by weight.
[0028]
According to a preferred embodiment of the present invention, it is preferable to use a nonionic surfactant having a solubility in an organic solvent having a boiling point of 150 ° C. or higher of 10 g / 100 g or higher as the nonionic surfactant. The use of a nonionic surfactant and an organic solvent satisfying such a relationship is advantageous in that the ejection stability from a nozzle under a high temperature environment (for example, 30 ° C.) can be easily secured. This effect is particularly effective for a piezo oscillator type ink jet recording head.
[0029]
According to a preferred embodiment of the present invention, stable ejection can be realized in a wide temperature range by adding a nonionic surfactant to the ink composition in combination with an alkylene glycol alkyl ether, a pyrrolidone solvent, and thioglycol. This is advantageous. In particular, it is particularly advantageous when applied to an ink jet recording head using a piezo vibrator.
[0030]
The main solvent of the ink composition according to the present invention is preferably water. As the water, pure water such as ion-exchanged water, ultrafiltration water, reverse osmosis water, or distilled water, or ultrapure water can be used. In addition, it is preferable to use water sterilized by ultraviolet irradiation, addition of hydrogen peroxide, or the like, since the generation of mold and bacteria can be prevented when the ink composition is stored for a long period of time.
[0031]
The ink composition according to the present invention can include an organic solvent, and it is preferable to use a polyhydric alcohol having a boiling point at normal pressure of 150 ° C. or higher as the organic solvent. Such an organic solvent can effectively prevent drying of the ink composition, thereby obtaining an effect of preventing nozzle clogging. Preferred examples of such an organic solvent include ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, tripropylene glycol, polyethylene glycol having a molecular weight of 2000 or less, 1,3-propylene glycol, isopropylene glycol, and isobutylene. Glycol, 1,4-butanediol, 1,3-butanediol, 1,2-pentanediol, 1,5-pentanediol, 1,2-hexanediol, 1,6-hexanediol, 1,2,6- Hexanetriol, 1,8-octanediol, 1,2-octanediol, glycerin, mesoerythritol, pentaerythritol, thioglycol and the like can be mentioned. The amount of the polyhydric alcohol-based organic solvent having a boiling point of 150 ° C. or higher may be appropriately determined, but is preferably 50% by weight or less, more preferably 2 to 40% by weight, and still more preferably 2% by weight, based on the ink composition. Approximately 20 weight. These organic solvents may be used alone or in combination.
[0032]
Further, the ink composition according to the present invention preferably comprises an alkylene glycol alkyl ether having a boiling point of 150 ° C. or higher. Thereby, drying of the ink composition at the recording head nozzle can be effectively prevented. Further, the effect of suppressing the generation of air bubbles in the recording head, and quickly eliminating the air bubbles once they are generated can be obtained. As a result, stable ejection of the ink composition can be ensured for a long time. This effect of ejection stability is particularly advantageous for an ink jet recording method using an ink jet recording head using a piezoelectric vibrator. Furthermore, the present inventor has found that the ink discharge amount can be reduced by combining the ink composition to which the alkylene glycol alkyl ether is added with an ink jet recording head using a piezo oscillator. That is, by adjusting the addition amount of the alkylene glycol alkyl ether, there is obtained an advantage that the ink ejection amount can be easily set in the optimum range of the ink ejection amount in the recording head. Examples of the alkylene glycol alkyl ether having a boiling point of 150 ° C. or higher include ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, triethylene glycol monomethyl ether, and triethylene glycol monobutyl ether. In particular, use of diethylene glycol monobutyl ether is preferred. The addition amount of these alkylene glycol alkyl ethers may be appropriately determined, but is preferably about 0.5 to 30% by weight, more preferably about 3 to 20% by weight, and still more preferably the ink composition. It is about 5 to 15% by weight. These organic solvents may be used alone or as a mixture.
[0033]
When the concentration of the acid dye is relatively high, the ink composition according to the present invention preferably contains a pyrrolidone-based solvent from the viewpoint of improving ejection stability. Preferred examples of the pyrrolidone-based solvent include 2-pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, 1,3-dimethylimidazolidinone, and the like. Further, according to a preferred embodiment of the present invention, the ejection stability can be further improved by using a pyrrolidone-based solvent in combination with the acetylene glycol-based surfactant described above. This effect is particularly remarkable in combination with a piezo vibration type ink jet recording head.
[0034]
It goes without saying that it is preferable that the liquid organic components constituting the ink composition according to the present invention have substantially mutual compatibility. Here, “substantially compatible” means that the obtained ink composition has a solubility that does not cause phase separation and does not cause precipitation. More preferably, it means compatibility that does not cause phase separation between liquid components at room temperature even when water in the ink composition evaporates. An ink composition having substantial compatibility can be discharged more stably.
[0035]
Furthermore, according to a preferred embodiment of the present invention, the ink composition according to the present invention preferably comprises urea or a derivative thereof. Preferred examples of urea and its derivatives include alkyl ureas such as urea, dimethyl urea, monomethyl thiourea, thiourea and dimethyl thiourea, and alkyl thioureas. These urea or derivatives thereof impart an effect of preventing clogging to the ink composition and also have a hydrotropic agent effect. Further, there is obtained an advantage that the printing density can be improved by the addition. The addition of thiourea is particularly effective for improving leveling properties. Further, by adding this urea or its derivative to the ink composition, the amount of the urea-based additive required for the fabric pretreatment agent can be reduced, and in some cases, it can be omitted. It can be said that it is preferable to be able to reduce the amount of urea that affects the environment.
[0036]
The amount of urea or a derivative thereof may be appropriately determined as long as the above-mentioned effect is obtained, but preferably has a lower limit of 1% by weight or more, an upper limit of 15% by weight or less, and more preferably a lower limit of It is at least 3% by weight, and its upper limit is at most 10% by weight. According to a preferred embodiment of the present invention, it is further preferred to add a combination of urea or alkyl urea in 2 to 10% by weight and thiourea in 1 to 5% by weight.
[0037]
According to a preferred embodiment of the present invention, the pH of the ink composition according to the present invention is preferably in the range of 5.0 to 11.0, more preferably 7.0 to 9.5. When the pH of the ink composition is in the above range, corrosion of the metal part of the printer can be suppressed, and damage to the fabric can be reduced.
[0038]
Further, the ink composition according to the present invention preferably comprises a sequestering agent. By adding the sequestering agent, stable ejection of the ink composition can be realized for a long period of time. Further, by adding a blocking agent, an ink composition that realizes stable concentration and hue on a cloth can be realized. Examples of the sequestering agent include ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA), an EDTA salt, and hydroxyethylethylenediaminetriacetic acid (EDTA-OH). The addition amount of the sequestering agent may be appropriately determined, but is preferably about 0.001 to 0.1% by weight, and more preferably 0.005 to 0.03% by weight.
[0039]
In the ink composition according to the present invention, in addition to the above components, additives may be added to improve various properties of the ink composition. Examples of such additives include preservatives. Preferred examples of preservatives include Proxel CRL, Proxel BDN, Proxel GXL, Proxel XL-2, Proxel IB, Proxel TN, and the like.
[0040]
According to a preferred embodiment of the present invention, the ink composition according to the present invention preferably comprises a rust inhibitor. By the addition of the rust inhibitor, corrosion of the recording head and other printer members is prevented, and long-term stable ink-jet printing can be realized. Preferable examples of the rust preventive include benzotriazole, and its preferable addition amount is about 0.005 to 0.05% by weight.
[0041]
According to a preferred embodiment of the present invention, the ink composition according to the present invention has a viscosity at 20 ° C. of 8.0 m · Pa · s or less, preferably 1.5 to 6.0 m · Pa · s. Is particularly preferable from the viewpoint of the ejection stability of the ink composition.
[0042]
According to a preferred embodiment of the present invention, the surface tension of the ink composition according to the present invention is preferably 50 mN / m or less, and more preferably 40 to 25 mN / m.
[0043]
The ink composition according to the present invention is preferably degassed and supplied to a printer. The degassed ink composition not only facilitates the filling of the recording head, but also ensures the ejection stability of the ink, and the ejection failure nozzle can be easily recovered by the cleaning operation. These effects can be more remarkably obtained by a combination with an ink jet recording head using a piezo vibrator. The method of deaeration of the ink composition is not particularly limited, and is performed, for example, by leaving the ink composition under reduced pressure. Further, the ink composition is poured into a container capable of substantially shielding the outside air, for example, a cartridge or an aluminum pack, and then sealed. This allows the ink composition to be maintained in a degassed state until the time of filling the printer. The preferred degassing degree is such that the residual nitrogen amount at 15 ° C. is 10 ppm or less, more preferably 5 ppm or less.
[0044]
Ink jet printing method The fabric to which the ink composition according to the present invention is preferably applied is a fabric mainly composed of vegetable fibers, animal fibers, and amide fibers. Preferred examples of such a fabric include wool, silk, nylon, and a blended yarn containing at least one of these fibers. According to a preferred embodiment of the present invention, the ink composition according to the present invention is preferably used for printing animal protein fibers such as silk or wool, polyamide fibers, or blended fibers comprising at least one of these fibers. .
[0045]
These fabrics are preferably subjected to a treatment with the following pretreatment agent before application of the ink composition. The pretreatment agent preferably contains a sizing agent, preferably natural gums such as guar and locust bean, starches, sodium alginate, seaweeds such as sunflower, plant skins such as pectic acid, methylcellulose, and ethylcellulose. , Hydroxyethyl cellulose, cellulose derivatives such as carboxymethyl cellulose, roasted starch, processed starches such as alpha starch, carboxymethyl starch, carboxyethyl starch, hydroxyethyl starch, processed natural gums such as shiratsu gum, roast bean gum, and algin derivatives In addition, those containing synthetic pastes such as polyvinyl alcohol and polyacrylate, emulsions and the like are also included. In particular, a sizing agent having poor dyeing properties with the acid dye to be used is preferably used.
[0046]
Further, it is preferable that a hydrotroping agent is added to the pretreatment agent for the fabric to which the ink composition according to the present invention is applied. Examples of the hydrotrope include alkyl ureas such as urea, dimethyl urea, thiourea, monomethyl thiourea, and dimethyl thiourea. The addition of the hydrotrope has the advantage that the printing density can be improved. Further, by adding urea, alkyl urea, and thiourea in combination, the amount of addition can be reduced. By adding the hydrotrope agent, the stability of the pretreatment agent can be improved, and the generation of cracks in the padded fabric can be effectively prevented. The use of thiourea as a hydrotrope is particularly preferred from the viewpoint of improving leveling properties. Further, by using an ink composition to which a hydrotroping agent has been added, the amount of the hydrotroping agent to be added to the pretreatment agent can be reduced, and in some cases, it can be eliminated. It can be said that it is preferable to be able to reduce the amount of urea that affects the environment. The amount of the hydrotrope added to the pretreatment agent may be appropriately determined, but is preferably 15% by weight or less, more preferably 10% by weight or less.
[0047]
According to a preferred embodiment of the present invention, the pretreatment agent preferably comprises a pH adjuster. Preferred examples of the pH adjuster include an acid ammonium salt such as ammonium sulfate, ammonium tartrate, or sodium diphosphate. By adding these pH adjusters, there is obtained an advantage that hue stabilization and dyeability can be improved. The amount of these additives may be appropriately determined in consideration of the type of dye and the like, but is preferably about 0.2 to 5% by weight, and more preferably about 0.5 to 3% by weight.
[0048]
The application of the pretreatment agent to the fabric may be performed according to a conventional method, for example, by a padding method, and the mangle pressure, speed, drying time, and the like at that time may be appropriately determined. The squeezing ratio of the putting is preferably about 40 to 90%, more preferably about 60 to 80%. Increasing the aperture ratio generally improves the fixing density.
[0049]
The adhesion of the ink composition according to the present invention to the cloth is performed using an ink jet recording apparatus described later. According to a preferred aspect of the present invention, it is preferable that the ink ejection density is 120 dots / inch or more, and further that the ink adhesion amount is 5 g / m2 or more in solid printing, and that a high density image with little graininess in a printed image is obtained. It is preferable because it can be realized.
[0050]
The fabric to which the ink composition has been attached is preferably subjected to post-treatment to promote fixation of the acid dye to the fiber, and thereafter sufficiently remove unfixed colorants, other ink components, and pretreatment agents. Is preferred. According to a preferred embodiment of the present invention, the post-treatment is divided into several steps. First, it is preferable that after the ink composition is adhered to the cloth, the cloth is left at room temperature to 150 ° C. for 0.5 to 30 minutes to pre-dry the ink composition. This preliminary drying can improve the printing density and effectively prevent bleeding. In addition, this preliminary drying includes that the ink composition permeates into the fabric.
[0051]
According to a preferred embodiment of the present invention, the preliminary drying can be performed by heating and drying in a continuous process. The fabric is supplied in a roll form to an ink jet printing machine, printed, and then passed through a drying process before winding the printed fabric. The dryer may be directly connected to the printing machine or may be separated. Drying in the dryer is preferably performed at 150 ° C. or lower for 0.5 to 30 minutes. Preferred drying methods include an air convection method, a heating roll direct attachment method, and an irradiation method.
[0052]
Further, the pre-dried fabric is preferably subjected to steaming. The conditions may be determined in consideration of the type of the fabric, etc., but in an environment having a humidity of 50 to 100% (more preferably 80 to 100%) and a temperature of 90 to 120 ° C (preferably 95 to 105 ° C), It is preferable to set for 3 to 120 minutes (preferably 5 to 40 minutes). After that, it is preferable to wash with warm water containing a surfactant (preferably a nonionic surfactant). The printed fabric subjected to such post-processing has excellent color development and fastness, and has reduced ink bleeding.
[0053]
According to a preferred embodiment of the present invention, in the fixing step of the post-processing step, it is preferable to change the conditions, particularly the time, depending on the type of the fabric. For example, when the fabric is wool, the time is preferably 20 to 120 minutes, more preferably about 30 to 90 minutes. When the fabric is silk, the time is preferably 5 to 40 minutes, more preferably about 15 to 30 minutes. Further, when the cloth is nylon, the time is preferably about 5 to 90 minutes, more preferably about 10 to 60 minutes.
[0054]
Ink jet recording device The ink composition according to the present invention is printed by an ink jet recording device. As an ink jet recording apparatus, a so-called piezo head type ink jet recording apparatus that forms and discharges ink droplets by mechanical volume change of a piezoelectric element, heat energy is applied to an ink composition, and ink droplets are formed by utilizing volume expansion caused by the thermal expansion. Any of a so-called bubble jet type or thermal jet type ink jet recording apparatus that forms and discharges ink may be used.
[0055]
The ink composition according to the present invention is extremely advantageously used in an ink jet recording method using a piezoelectric element. The piezo type ink jet recording head is extremely excellent in durability, and is particularly preferable in the field where stable long-term ejection is required such as printing. The ink composition according to the present invention is extremely suitable for a piezo-type ink jet recording head, and enables stable continuous ejection for a long time in a wide temperature range. This is extremely suitable for printing a long object requiring a large amount of ejection, and is the greatest advantage obtained by the present invention.
[0056]
According to a preferred embodiment of the present invention, the ink composition according to the present invention is preferably used in an ink jet recording head having a surface layer portion of a nozzle plate subjected to an ink repellent treatment. By the combination of the ink composition according to the present invention and the ink jet recording head having been subjected to the ink repellent treatment, the ink is hardly bent, and a good image is printed on the fabric. According to a preferred aspect of the present invention, it is preferable that the ink repellent treatment is also performed on the inner surface of the nozzle hole (that is, the ink ejection port). By performing the ink repellent treatment on the inner surface of the nozzle hole, the meniscus position of the ink composition is stabilized, and the ejection stability can be further improved. In addition, the ink repellent treatment makes it difficult for the ink composition to adhere to the surface of the nozzle plate, and has the advantage that the ink repellency of the nozzle surface can be maintained for a longer time.
[0057]
The material of the nozzle plate of the inkjet recording head that ejects the ink composition according to the present invention is not particularly limited, but is preferably formed of metal, ceramics, silicon, glass, plastic, or the like, and more preferably titanium, chromium, iron, Single material such as cobalt, nickel, copper, zinc, tin, gold, etc. or alloys such as nickel-phosphorus alloy, tin-copper-phosphorus alloy, copper-zinc alloy, stainless steel, polycarbonate, polysulfone, acrylonitrile-butadiene-styrene It is preferably formed of a copolymer, polyethylene terephthalate, polysulfone and various photosensitive resins.
[0058]
Further, the method of the ink repellent treatment of the nozzle plate is not particularly limited, but is preferably performed by eutectoid plating. The eutectoid plating is performed, for example, by immersing a plate member in a liquid containing water-repellent polymer resin particles dispersed by metal ions and electric charges and forming an ink-repellent layer on the plate surface while stirring. . As the water-repellent polymer resin material, resins such as polytetrafluoroethylene, polyperfluoroalkoxybutadiene, polyfluorovinylidene, polyfluorovinyl, and polydiperfluoroalkyl fumarate can be used alone or in combination. Further, as the metal ion, nickel, copper, silver, tin, zinc, etc. can be used, but it is preferable to use a material having a large surface hardness such as nickel, nickel-cobalt alloy, nickel-boron alloy and the like, and having excellent wear resistance. .
[0059]
Specific examples of the inkjet recording head capable of preferably discharging the ink composition according to the present invention include a head described in JP-A-4-339656 or JP-A-4-339662 cited as a part of the disclosure of the present specification. Is mentioned. More specifically, as shown in FIG. 1, an ink-jet recording apparatus characterized by having an ink-repellent layer of a fluoropolymer eutectoid plating formed by an electrolytic method on the outer surface of a nozzle plate having ink discharge ports. It is a recording head. FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of the ink jet recording head, in which an ink flow path forming member 11, a member 13 forming a surface having an ink flow path 12 and an ink discharge port 14, and a member 13 formed on the surface of the member 13. It comprises at least an ink-repellent surface treatment layer 15 made of a fluorinated polymer eutectoid plating layer, a piezo element 16, and a drive line 17 for driving the piezo element. The surface treatment layer 15 enables stable ejection of the ink composition.
[0060]
Another specific example of an ink jet recording head capable of preferably discharging the ink composition according to the present invention includes a head described in JP-A-5-116327 cited as a part of the disclosure of the present specification. Specifically, a recording head having a nozzle plate as shown in FIG. 2 includes a nozzle plate surface, an inner surface of a nozzle hole following the surface, and a peripheral portion of the nozzle hole following the back surface of the nozzle plate. And a recording head characterized in that an ink-repellent film is formed uniformly. FIG. 2 is a view showing the vicinity of the ink discharge ports of the nozzle plate. This nozzle plate corresponds to the member 13 of FIG. 1, and the other configuration may be the same as that of FIG. In this recording head, an eutectoid plating layer similar to the ink-repellent surface treatment layer 15 is formed from the inner surface 15a of the ink discharge port 14 to the back surface 15b. With such a configuration, even if the meniscus of the ink composition indicated by M in the drawing greatly vibrates due to, for example, pressure fluctuations in the ink chamber, and the meniscus retreats largely toward the ink chamber, the meniscus remains stable on a spherical surface. And recording and writing at a high frequency can be performed without causing the ink droplet to be bent or missing dots.
[0061]
Another specific example of an ink jet recording head capable of preferably discharging the ink composition according to the present invention includes a head described in JP-A-6-122210 cited as a part of the disclosure of the present specification. Specifically, as shown in FIG. 3, the print head 31 has nozzle groups 33-Y, 33-M, and 33 in which nozzles for discharging the same color ink composition are vertically arranged on the nozzle surface 32. -C and 33-BK are arranged in a direction perpendicular to the print scanning direction. On the nozzle surface 32, one of the region 34a between the nozzle groups and the region 34b in each nozzle group is subjected to an ink-repellent treatment, for example, an ink-repellent treatment in which the contact angle of the ink composition is 80 ° or more, and the other is hydrophilic. A treatment, for example, a hydrophilic treatment to make the contact angle of the ink composition 30 ° or less is performed. The region 34a between the nozzle groups is subjected to hydrophilic treatment, and the region 34b in each nozzle group is subjected to ink-repellent treatment, whereby the ink composition is repelled at the periphery of the nozzle and drawn into the nozzle. Non-uniform wetting of the object does not occur, thereby ensuring stable ejection of the ink composition. In addition, the ink composition that is not drawn into the nozzles is held between the nozzle groups that have been subjected to the hydrophilic treatment, and color mixing between adjacent inks can be prevented. Conversely, by performing an ink-repellent treatment on the region 34a between the nozzle groups and performing a hydrophilic treatment on the region 34b within each nozzle group, the ink composition spreads around the nozzle peripheral portion, and the ink composition near the nozzles spreads. Stable discharge can be secured by uniform wetting. In addition, the ink composition that has spread between the nozzle groups is repelled by the ink-repellent processing area 34b between the nozzle groups, so that color mixing of adjacent inks can be prevented.
[0062]
【Example】
Preparation of ink composition Ink 1 was prepared in the following procedure. 52 g of 40 ° C. water was put into a 110 cc sample bottle, and while stirring with a magnetic stirrer, 5 g of a 10% by weight aqueous solution of Surfynol 465, 2.5 g of a 10% by weight aqueous solution of preservative Proxel XL, and a chelating agent EPDA were added. 0.5 g of a 1% by weight aqueous solution was added. Further, 10 g of Liponic EG-1 and 7 g of Acid Yellow 49 were added, and the mixture was stirred with a magnetic stirrer while heating until the dye was dissolved. Further, 10 g of diethylene glycol, 8 g of glycerin and 5 g of diethylene glycol mono-n-butyl ether were added. After the addition, the mixture was stirred with a magnetic stirrer for 10 minutes to obtain an ink.
[0063]
Ink 1
C. I. Acid Yellow 49 7% by weight
Liponic EG-1 10% by weight
Diethylene glycol 10% by weight
Glycerin 8% by weight
Diethylene glycol mono-n-butyl ether 5% by weight
Surfynol 465 0.5% by weight
Proxel XL 0.25% by weight
EPDA 0.005% by weight
Water remaining amount Inks 2 to 7 having the following compositions were prepared in the same manner as in Ink 1.
[0064]
Ink 2
C. I. Acid Red 52 7% by weight
Liponic EG-7 7% by weight
7% by weight of diethylene glycol
Triethylene glycol mono-n-butyl ether 3% by weight
Surfynol 465 0.7% by weight
N-methyl-2-pyrrolidone 5% by weight
0.2% by weight of preservative
Chelating agent 0.01% by weight
Water remaining
Ink 3
C. I. Acid Blue 140 10% by weight
Compounds of formula (I) (EP1, EP2,
And EP3 are both ethyleneoxy groups,
Compound with l + m + n = 3) 5% by weight
5% by weight of 2-pyrrolidone
Surfynol 465 0.9% by weight
Preservative 0.15% by weight
Chelating agent 0.015% by weight
Water remaining
Ink 4
C. I. Acid Black 52 7% by weight
Compounds of formula (I) (EP1, EP2,
And EP3 are both ethyleneoxy groups,
8% by weight of a compound in which l + m + n is 7)
Diethylene glycol 5% by weight
Thiodiglycol 3% by weight
Surfynol 485 1.1% by weight
0.1% by weight of preservative
Chelating agent 0.02% by weight
Water remaining
Ink 5
Acid Yellow 116 6% by weight
Compounds of formula (I) (EP1, EP2,
And EP3 are both propyleneoxy groups,
15% by weight of a compound in which l + m + n is 3
Thiodiglycol 10% by weight
0.5% by weight of anionic surfactant
Preservative 0.05% by weight
Chelating agent 0.025% by weight
Water remaining
Ink 6
C. I. Acid Red 268 8% by weight
Liponic EG-7 7% by weight
Triethylene glycol mono-n-butyl ether 3% by weight
7% by weight urea
Surfynol 465 0.7% by weight
0.2% by weight of preservative
Chelating agent 0.01% by weight
Water remaining
Ink 7
C. I. Acid Red 138 8% by weight
Liponic EG-7 10% by weight
Surfynol 465 0.7% by weight
0.2% by weight of preservative
Chelating agent 0.01% by weight
Water remaining
Ink 8
C. I. Acid black 155 8% by weight
Compounds of formula (I) (EP1, EP2,
And EP3 are both ethyleneoxy groups,
l + m + n is 10) 10% by weight
Surfynol 465 0.7% by weight
0.2% by weight of preservative
Chelating agent 0.01% by weight
Water remaining
Was 15g added starch-based sizing agent over a period of about 4 hours with stirring gently pretreatment agent 1 liter of water of the fabric. With further stirring, 1.0 g of urea and 0.5 g of thiourea were added. Let stand for one day, make sure that there is no wandering, 25% ammonium tartrate 5% o. w. p was added and the mixture was further stirred for 1 hour to prepare a pretreatment agent 1.
[0065]
A pretreatment agent 2 was obtained in the same manner as above except that urea was changed to dimethyl urea and thiourea was changed to dimethyl thiourea.
Padding The padding of the pretreatment agent was performed at room temperature using HVF350 manufactured by Mathis. Specifically, silk previously cut to 210 × 315 mm was padded under the conditions of a pressure of 2 bar, a speed of 3 m / min, and a drawing ratio of 80%.
[0066]
Ink-jet printing A modified ink-jet printer MJ930C (manufactured by Seiko Epson Corporation) was filled with the above-mentioned ink and printed on the pretreatment agent described above. As the ink jet recording head, one obtained by subjecting the nozzle plate and a part of the nozzle holes to ink-repellent treatment by nickel-Teflon eutectoid plating was used.
[0067]
Post-treatment A fixing operation was carried out using a steamer-DHe type from Mathis. The conditions were a steaming treatment for 30 minutes in an environment of a temperature of 102 ° C. and a humidity of 98% or more. Thereafter, washing was performed. First, as a first cleaning, the printed fabric was immersed in a nonionic activator (1.5 g / l) and an aqueous solution of sodium carbonate (1 g / l) at room temperature. The immersion time was 10 minutes with occasional stirring. The bath ratio was 1/50. The removal of the printing cloth was squeezed lightly and the second cleaning was started. The pre-washed cloth was immersed in a 50 ° C. aqueous solution of a nonionic activator (1.5 g / l) and sodium carbonate (1 g / l). The immersion time was 15 minutes with occasional stirring. The bath ratio was 1/50. The sufficiently washed cloth was air-dried and ironed.
[0068]
Evaluation test 1
Printing was performed using the combination of the ink and the pretreatment agent in the following table. The OD value of the printed portion of the obtained printed fabric was measured. The results were as shown below.
[0069]
Figure 0003582448
Evaluation test 2
Immediately after the preparation of the ink composition, printing was performed in accordance with Evaluation Test 1 above to obtain a printed fabric. After the ink composition was prepared, it was allowed to stand at a temperature of 50 ° C. for one week, and thereafter, printing was performed in accordance with the above-described evaluation test 1 to obtain a printed fabric. The OD value of the printed portion of the printed cloth before and after standing was measured. The results were as shown in the table below. The above pretreatment agent 2 was used as a pretreatment agent in all cases.
[0070]
Figure 0003582448
Evaluation test 3
The same test as the above-described evaluation test 2 was performed except that the standing temperature was set to 60 ° C. The results were as shown in the following table.
[0071]
Figure 0003582448
Evaluation test 4
Ink jet printer MJ930C was filled with ink 1 and printing was performed. It was confirmed that ink droplets were ejected from all nozzles of the recording head, and that there was no flight bending. After the printer was left at 40 ° C. for 7 days, printing was performed. As a result, all nozzles discharged without the cleaning operation provided in the printer. Also, there was no flight bend.
[0072]
Evaluation test 5
Inks 1 to 4 were filled in an ink jet printer MJ930C equipped with a recording head having a nozzle plate not subjected to the ink repellent treatment, and printing was performed. It was confirmed that ink droplets were ejected from all nozzles of the recording head, and that there was no flight bending. The printer was left at 40 ° C. for 7 days before printing. As a result, all the nozzles ejected without cleaning, but there was a flight bending of about 4%. After printing on the fabric treated with the pretreatment agent 1, predetermined fixing and washing were performed to confirm the print quality. As a result, the flight bending was not visually observed, and a high-quality printed image was secured. In addition, the flight bending was eliminated by performing a single cleaning operation on the recording head. Thereafter, 100 sheets of A4 paper were printed, but no trouble was observed.
[0073]
Evaluation test 6
The printers MJ930C were filled with the inks 1 to 4, and printing was performed on 20,000 sheets of A4 recording paper at environmental temperatures of 0 ° C, 20 ° C, and 40 ° C, respectively. All nozzles ejected at any temperature. No flight bends occurred.
[0074]
Evaluation test 7
The inks 5 to 8 were filled in an ink jet printer MJ930C equipped with a recording head having a nozzle plate not subjected to the ink repellent treatment used in the evaluation test 5 and subjected to A4 recording at environmental temperatures of 0 ° C., 20 ° C., and 40 ° C., respectively. Printing was performed on 20,000 sheets of paper. All nozzles ejected at any temperature. In the 40 ° C. test, flight bending was observed in several nozzles after discharging about 3,000 sheets. Using this recording head, the pre-treated cloth was printed and fixed, and no flight bending was observed. It is considered that the slight ink bleeding at the time of the steaming made the image deterioration due to the bending of the flight negligible.
[0075]
The following ink composition was prepared.
[0076]
Ink 9 (comparative example)
C. I. Acid Black 52 7% by weight
Diethylene glycol 10% by weight
Glycerin 10% by weight
Surfynol 465 0.5% by weight
Proxel XL-2 0.1% by weight
EDTA 0.02% by weight
Water remaining
Ink 10
C. I. Acid Black 52 7% by weight
Diethylene glycol 5% by weight
Liponic EG-1 4% by weight
Surfynol 465 0.8% by weight
Proxel XL-2 0.1% by weight
EDTA 0.02% by weight
Water remaining
Evaluation test 8
Nine ink jet printers EM900C (manufactured by Epson Corporation) were filled with the inks 9 and 10, and 20,000 sheets of A4 recording paper were printed at three environmental temperatures of 0 ° C, 20 ° C, and 40 ° C, respectively. . As a result, printing was performed normally, and no abnormality was recognized.
[0077]
After the above test, the printer discharged at 0 ° C. was left at 40 ° C., the printer discharged at 20 ° C. was left at 50 ° C., and the printer discharged at 40 ° C. was left at 60 ° C. for 2 weeks. After standing, printing was performed again. At that time, the number of cleanings (CL) until all the nozzles normally ejected was examined. The results were as shown below.
[0078]
Figure 0003582448

[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing an ink jet recording head capable of preferably discharging an ink composition according to the present invention. This recording head forms a surface having an ink flow path forming member 11, an ink flow path 12, and an ink discharge port. A member 13 to be formed, an ink-repellent surface treatment layer 15 made of a fluoropolymer eutectoid plating layer formed on the surface of the member 13, a piezo element 16, and a drive line 17 for driving the piezo element. Be composed.
FIG. 2 is a view showing another example of a plate of an ink jet recording head capable of preferably discharging the ink composition according to the present invention, in which an eutectoid plating layer similar to the ink-repellent surface treatment layer 15 has an ink discharge port 14; Is formed from the inner surface 15a to the back surface 15b.
FIG. 3 is a view showing another example of an ink jet recording head capable of preferably discharging the ink composition according to the present invention. And the other is subjected to a hydrophilic treatment.
[Explanation of symbols]
11 ink flow path forming member 12 ink flow path 14 ink discharge port 14
15 Ink-repellent surface treatment layer

Claims (21)

酸性染料と、界面活性剤と、水と、そして下記式(I)で表される化合物の少なくとも一種とを少なくとも含んでなり、その粘度が8.0m・Pa・s(20℃)以下である、インクジェット捺染用インク組成物:
Figure 0003582448
(式中、
EP1、EP2、およびEP3は、それぞれ独立してエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基を表し、
l、m、およびnは独立して0または1以上の自然数を表すが、l、m、およびnの少なくとも一つは1以上であり、かつインク組成物中に含まれる式(I)の化合物全体の平均値としてのl+m+nが1以上30以下である)。
It comprises at least an acid dye, a surfactant, water, and at least one compound represented by the following formula (I), and has a viscosity of 8.0 m · Pa · s (20 ° C.) or less. , Ink composition for inkjet printing:
Figure 0003582448
(Where
EP1, EP2 and EP3 each independently represent an ethyleneoxy group or a propyleneoxy group,
l, m, and n independently represent a natural number of 0 or 1 or more, and at least one of l, m, and n is 1 or more, and is a compound of the formula (I) contained in the ink composition. L + m + n as an average value of the whole is 1 or more and 30 or less).
染料に由来する不純物としての塩が1重量%以下である請求項1記載のインクジェット捺染用インク組成物。The ink composition for inkjet printing according to claim 1, wherein the salt as an impurity derived from the dye is 1% by weight or less. 表面張力が50mN/m以下である、請求項1または2に記載のインクジェット捺染用インク組成物。The ink composition for inkjet printing according to claim 1 or 2, wherein the surface tension is 50 mN / m or less. 沸点が150℃以上の多価アルコールおよび/またはアルキレングリコールアルキルエーテルを含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット捺染用インク組成物。The ink composition for inkjet printing according to any one of claims 1 to 3, wherein the ink composition comprises a polyhydric alcohol having a boiling point of 150 ° C or higher and / or an alkylene glycol alkyl ether. 尿素、チオ尿素、アルキル置換尿素、およびアルキルチオ尿素からなる群から選択される一以上を含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット捺染用インク組成物。The ink composition for inkjet printing according to any one of claims 1 to 4, comprising one or more selected from the group consisting of urea, thiourea, alkyl-substituted urea, and alkylthiourea. 前記界面活性剤がアセチレングリコール誘導体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット捺染用インク組成物。The ink composition for inkjet printing according to any one of claims 1 to 5, wherein the surfactant is an acetylene glycol derivative. 金属封鎖剤をさらに含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット捺染用インク組成物The ink composition for inkjet printing according to any one of claims 1 to 6, further comprising a metal sequestering agent. 防錆剤としてベンゾトリアゾールをさらに含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット捺染用インク組成物。The ink composition for inkjet printing according to any one of claims 1 to 7, further comprising benzotriazole as a rust inhibitor. インク組成物のインク滴を吐出し、該インク滴を布帛に付着させることを含んでなるインクジェット捺染方法であって、
前記インク組成物として請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク組成物を用い、
インク滴の吐出をピエゾ振動子を用いたインクジェット記録ヘッドにより行う、インクジェット捺染方法。
An ink jet printing method comprising discharging ink droplets of an ink composition and attaching the ink droplets to a fabric,
Using the ink composition according to any one of claims 1 to 8 as the ink composition,
An ink jet printing method in which ink droplets are ejected by an ink jet recording head using a piezo vibrator.
前記インク組成物が、沸点が150℃以上のアルキレングリコールアルキルエーテルを含んでなるものである、請求項9に記載のインクジェット捺染方法。The inkjet printing method according to claim 9, wherein the ink composition comprises an alkylene glycol alkyl ether having a boiling point of 150 ° C or higher. 前記インクジェット記録ヘッドのノズルプレート表面に、撥インク性層が設けられてなる、請求項9または10に記載の方法。The method according to claim 9, wherein an ink-repellent layer is provided on a surface of a nozzle plate of the inkjet recording head. 撥インク性層がさらにノズル孔内面にも設けられてなる、請求項11に記載の方法。The method according to claim 11, wherein the ink repellent layer is further provided on the inner surface of the nozzle hole. 撥インク性層が共析メッキにより形成されたものである、請求項12に記載の方法。The method according to claim 12, wherein the ink repellent layer is formed by eutectoid plating. 前記布帛が、糊剤と、pH調整剤とを含んでなる前処理剤をあらかじめ塗工されてなるものである、請求項9〜13のいずれか一項に記載のインクジェット捺染方法。The inkjet printing method according to any one of claims 9 to 13, wherein the cloth is preliminarily coated with a pretreatment agent containing a sizing agent and a pH adjuster. 前記布帛が、動物性タンパク質繊維、ポリアミド繊維、またはこれら繊維の少なくとも一つを含んでなる混紡繊維である、請求項14に記載のインクジェット捺染方法。The inkjet printing method according to claim 14, wherein the fabric is an animal protein fiber, a polyamide fiber, or a blended fiber containing at least one of these fibers. 前記動物性タンパク質繊維が絹または羊毛である、請求項15に記載のインクジェット捺染方法。The inkjet printing method according to claim 15, wherein the animal protein fiber is silk or wool. 前記インク組成物および/または前記前処理剤中に含まれるヒドロトロピー剤として、尿素およびジシアンジアミドをともに含んでなる、請求項9〜16のいずれか一項に記載の方法。The method according to any one of claims 9 to 16, wherein both urea and dicyandiamide are included as the hydrotrope contained in the ink composition and / or the pretreatment agent. インク組成物を布帛に付着させた後、該布帛を湿度50〜100%および温度90〜110℃の環境に、4〜25分置く定着処理に付し、さらにアニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤を少なくとも含む温水により洗浄する工程を行う、請求項9〜17のいずれか一項に記載の方法。After adhering the ink composition to the cloth, the cloth is subjected to a fixing treatment in which the cloth is placed in an environment having a humidity of 50 to 100% and a temperature of 90 to 110 ° C. for 4 to 25 minutes. The method according to any one of claims 9 to 17, wherein a step of washing with warm water containing at least an activator is performed. インクの吐出密度が120ドット/インチ以上であり、かつべた印刷でインク吐出量が5g/m以上である、請求項9〜18のいずれか一項に記載のインクジェット捺染方法。Ejection density of ink is 120 dots / inch or more, and the ink discharge amount in solid printing is 5 g / m 2 or more, the ink-jet printing method according to any one of claims 9 to 18. 布帛の前処理剤として少なくともpH調整のための酸が用いられる、請求項9〜19のいずれか一項に記載のインクジェット捺染方法。The inkjet printing method according to any one of claims 9 to 19, wherein at least an acid for adjusting pH is used as a pretreatment agent for the fabric. 請求項9〜20のいずれか一項に記載のインクジェット捺染方法によって捺染が行われた、布帛。A fabric which has been printed by the inkjet printing method according to any one of claims 9 to 20.
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