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JP3581475B2 - 情報処理装置 - Google Patents

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    • G11B9/14Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor using microscopic probe means, i.e. recording or reproducing by means directly associated with the tip of a microscopic electrical probe as used in Scanning Tunneling Microscopy [STM] or Atomic Force Microscopy [AFM] for inducing physical or electrical perturbations in a recording medium; Record carriers or media specially adapted for such transducing of information
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  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報処理装置、例えば走査型プロ−ブ顕微鏡の原理を応用した記録再生装置等に良好に適用できる位置ずれ検出装置を有する情報処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、メモリ材料の用途はコンピューター及びその関連機器、ビデオディスク、デジタルオーディオ等のエレクトロニクス産業の中核を成すものであり、その材料開発も極めて活発に進んでいる。メモリ材料に要求される性能は用途により異なるが、一般的には、高密度で記録容量が大きいこと、記録再生の応答速度が速いこと、消費電力が少ないこと、生産性が高いこと、価格が安いこと等が挙げられる。
従来までは磁性体を利用した磁気メモリや半導体を利用した半導体メモリが主であったが、近年、レーザー技術の進展に伴い、有機色素、フォトポリマーなどの有機薄膜を用いた光メモリによる安価で高密度な記録媒体が登場してきた。
一方、最近、導体の表面原子の電子構造を直接観察できる走査型プローブ顕微鏡(以後、SPMと略す。)が開発され、単結晶、非質晶を問わず、実空間像の高い分解能の測定ができるようになっている。しかも、媒体に電流による損傷を与えずに低電力で観察できる利点をも有し、さらに、大気中でも動作し、種々の材料に対して用いることができるため広範囲な応用が期待されている。
SPMは、STM(走査型トンネル電流顕微鏡)やAFM(原子力間顕微鏡)、SCaM(走査型容量顕微鏡)等の総称で、例えばSTMは、金属の探針(プローブ電極)と導電性物質の間に加えて1nm程度の距離まで近づけるとトンネル電流が流れることを利用している(G.Binning et al.Phys.Rev.Lett,49,57(1987))。
この電流は、両者の距離変化に非常に敏感である。トンネル電流を一定に保つように探針を走査することにより実空間の表面構造を描くことができると同時に表面電子の全電子雲に関する種々の情報をも読み取ることができる。この際、面内方向の分解能は0.1nm程度である。従って、SPMの原理を応用すれば十分に原子オーダー(サブ・ナノメートル)での高密度記録再生を行うことが可能である。この際の記録再生方法としては、粒子線(電子線、イオン線)あるいはX線等の高エネルギー線を用いて、適当な記録層の表面状態を変化させて記録を行い、SPMで再生する方法や、記録層として電圧、電流のスイッチング特性に対してメモリ効果をもつ材料、例えばπ電子系有機化合物やカルコゲン化物類の薄膜層を用いて記録・再生をSPMを用いて行なう方法等が提案されている(特開昭63−161552号公報、特開昭63−161553号公報)。
例えばこの方法によれば記録ビットのサイズを10nmとすれば、1012bit/cmもの大容量記録再生が可能である。
【0003】
このようなSPMメモリでは、データビットの大きさが非常に小さくデータビット列の幅が非常に細くなる。このため再生の際に温度ドリフト、外部振動の影響で探針がデータ列並びと直交する方向にデータビット列からずれて再生が不安定になることがあった。そこでSPMメモリにおける微小なデータビット列に対しても安定な再生を行うためのトラッキング方式及び装置が特開平4−212737号に提案されている。これは、探針をデータ列に対してデータ列並びと直交する方向に相対的に微小振動させ、データ列再生信号の包絡線に生じる位相変化を検出させることによりデータ列並びと直交する方向のずれを検出し、これを補正するように探針位置をフィードバック制御するというものである。
【0004】
また、SPMメモリにおける探針と記録媒体の走査方法として図1に示すような円周状走査方法が提案されている(欧州特許公開EP−A−024729号)。
これは、円筒型ピエゾ素子のxy走査用電極に例えば図1に示したようにsin2πf’t、cos2πf’t(ここでf’:円周状走査周波数,t:時間)の信号波形をそれぞれ印加し、円筒型ピエゾ素子の自由端を首振り運動させ、探針に対して相対的に記録媒体を円周状に走査させ、記録再生を行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来例の円周状走査方法において、記録再生の際にデータビット列に対し探針を追従させる方法として、前述の特開平4−212737号公報に示されているような従来のトラッキング方式を用いようとすると、円周状走査のためのアクチュエータ(上記従来例では、円筒型ピエゾ素子)とは別に微小振動及びトラッキング用のアクチュエーターが必要となり、装置構成が複雑になるというばかりでなく、円周状走査方法においてはアクチュエーターの駆動方向が円周に沿って変化していくにつれ、アクチュエーターの駆動方向から見ると、データビット列に対する探針の追従方向が変化してしまうために、従来のトラッキング方式を円周状走査方法にそのまま応用することはできないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記した従来における問題を解決し、円周状走査によって情報を記録再生する情報処理装置において、安定な再生を行い、高速、大容量の情報処理を行うことのできる情報処理装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、つぎのような特徴を有する情報処理装置を提供するものである。
すなわち、本発明に係る情報処理装置は、探針を用いて記録媒体上に円周状のデータ列の記録及び/または再生を行う情報処理装置において、前記探針が前記記録媒体上を走査するように前記探針と前記記録媒体とを相対的に移動させる走査機構と、前記探針が前記記録媒体上で円周状走査を行うように周波数が等しく位相がπ/2(rad)ずれた直交する2方向の走査信号を出力する回路と、前記探針を前記データ列と直交する方向に微小振動させるウォブリング信号を出力する回路と、前記探針の前記データ列に対する位置ずれに対応した信号を検出し出力する回路と、前記2方向の走査信号の各々と前記ウォブリング信号とを乗算する第1の乗算回路と、前記2方向の走査信号の各々と前記位置ずれに対応した信号とを乗算する第2の乗算回路と前記第1の乗算回路の出力と前記第2の乗算回路の出力を前記2方向の走査信号の各々に加えて前記走査機構に供給する回路と、を有することを特徴としている。
そして、本発明においては、前記ウォブリング信号を発生する回路は、前記データ列の記録時には前記探針を微小振動させず、再生時に前記探針を微小振動させるように構成することができ、また、これとは逆に、前記データ列の記録時に前記探針を微小振動させ、再生時には前記探針を微小振動させないように構成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の情報処理装置は、上記したような位置ずれ検出手段を構成することにより、円周状走査して情報を記録再生する情報処理装置においても、探針をデータ列からはずれないようにデータ列と直交する方向に制御し、探針をデータ列に追従させることが可能となり、データ列のうねりや、装置の温度ドリフト、外部からの振動等の影響を受けることなく、データビット列に対して安定なトラッキングを行うことができる。
【0009】
本発明の記録媒体は、平板状である。探針もしくは前記媒体を搭載する基板に取り付けられた圧電素子によって一方を円首振り運動させ、相対的に円周状運動するようになっている。そして、データ列は螺旋状または同心円状に記録するようになっている。
又、前記圧電素子を利用して探針は、任意のデータ列にアクセスしてデータの記録再生を行うことができる。その際、目標とするデータ列までのアクセスは周知のリニアエンコーダなどの位置検出装置によりヘッドユニットの位置を検出、制御して行われる。その後、探針は後述するような形態で目標のデータ列に追従するように制御(トラッキング制御)される。
【0010】
本発明の記録媒体は、π電子系有機化合物やカルコゲン化物類からなる薄膜の記録層と導電性のある基板からなっている。データ記録を行なう際には、探針を目標とするデータ列形成予定位置にアクセスし、探針と基板の間に電圧印加用電源によってバイアス電圧をかけ、探針と記録層をトンネル電流が流れる距離まで近づける。
次に探針と記録層を距離が一定となるように保ちながら記録媒体と探針を相対移動させる。探針が記録層上の所定位置に対向したときに、探針と基板間にその記録層材料が物性の変化を起こすしきい値を越える電圧を印加する。
これにより、その探針直下の微小部分の電気的特性が変化する。
例えばこれを二値化データの1の状態のデータビット(ONビット)とし、他方、しきい値を越える電圧を印加せず電気的特性がそのままになっている状態を二値化データの0状態のデータビット(OFFビット)とする。
記録媒体の運動により、記録層と探針とを相対移動させながら、記録情報に応じて記録層上の特定位置で前述のしきい値を越える電圧印加を行うことで、記録層上に二値化データを記録することができる。
このようにして記録された情報を再生する際には、探針を目標とするデータ列にアクセスし、探針と基板の間に前記しきい値より小さいバイアス電圧をかけ、探針と記録層をトンネル電流が流れる距離まで近づけ、両者の距離を一定に保ちつつ記録媒体と探針との相対運動によって記録層を走査する。
この際、探針がONビットである特性変化部(記録部)を通過したときとOFFビットである特性非変化部(非記録部)を通過したときとで、探針と記録層間のトンネル電流が変化する。
記録層を探針で走査しながら、この変化を所定のしきい値で二値化して検出すると、この検出信号は記録した二値化データとなる。このようにしてデータの再生ができる。
【0011】
本発明の別の記録媒体は、AuやPtなどの金属薄膜からなる記録層と基板からなっている。
探針と記録層にバイアスをかけ、前述と同様に距離を一定に保ちながらしきい値を越える電圧を印加すると、その探針直下の微小部分が局所的に溶融又は蒸発し、表面形状が凸又は凹に変化することにより、データが記録される。
その時、表面形状の凹凸の高さは数nm以下となるようにすれば再生時に探針と記録層との距離が一定となるように保ったときにも、探針先端が凸部に接触しない。
探針が記録部を通過した時と非記録部を通過した時とで探針と記録層の間隔が変化することによりトンネル電流が変化する。これを前述と同様に検出して、データを再生できる。
【0012】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を図に基づいて具体的に説明する。
まず、その記録再生方法を実施例に基づいて図5、図6を用い説明する。
探針がデータ列上を走査するときは、再生波形入力であるトンネル電流信号にはデータ列の再生信号成分や記録表面のうねりによる変動成分等が重畳してきており、対数変換回路401からの出力を信号増幅回路402により増幅後、ンドパスフィルタ403によりその再生信号周波数付近のみが取り出され、波形整形回路405を通った後、データ再生出力となる。この場合データビットの再生信号の振幅は探針とデータ列とのずれ(矢印a、b、c)に応じて変化する。図2にデータ列の例とこのデータ列に対する各探針走査位置(矢印a、b、c)によって変化する記録ビット再生信号の信号強度をグラフに示す。
この図2に示されるように探針の位置によって変わる記録ビット再生信号の振幅は探針がデータ列の真上を走査するときに最大になり、走査位置がデータ列から外れると小さくなる。その時、探針をデータ列の幅より小さい振幅でデータ列と直交する方向に振動数fで定常的に振動(ウォブリング)させておく。
図5は、探針の位置ずれを検出する制御回路である。図5においてウォブリング周波数発振器409で発生した振動数fの正弦波はスキャン回路411を経て、探針制御のための円筒型ピエゾ素子の電極に印加され、これにより探針はデータ列と直交する方向に定常的に微小振動させられている。その際、探針が振動数fでビット列径より微小な振幅で振動していると、図3に示すようにデータ列の再生信号は、探針のビット列への通り方によって、ビットの再生信号の振幅が変化するために異なる。
【0013】
探針の走査の通り方によって変化する再生波形の対応として、3.aから3.cの対応をそれぞれ3.dから3.fまで示す。3.aは、ちょうどビット列上を通るトラッキングヒットの状態で、微小振幅させる周波数の2倍の周波数が包絡線信号となって現れる。他方、探針の走査が上方向(回転中心から外れる方向)、もしくは下方向(回転中心へ向かう方向)へずれたトラッキングエラーの状態では、直交方向へ振る微小振幅と同じ周波数が現れ、外れるに従ってその周波数成分が大きくなる。
すなわち、探針の振動波形に対してそれと同じ周波数成分の包絡線信号は、探針が3.aのようにデータ列の真上を走査するときは3.dのように倍の周波数成分が大きくなるため見えなくなり、例えば3.bのように上にずれた場合には、180度位相がずれて現れ、3.cのように下にずれた場合には同位相となり現れる。
それゆえ、振動数fの探針振動波形(ウォブリング信号)を参照信号としてデータビット列再生信号の位相検波を行うと、データ列からのずれ量に比例した信号が得られる。
その信号をこの信号自身が零に近づくように、円筒型ピエゾ素子のXまたはY走査用電極への制御電圧に加算、もしくは減算するようなフィードバック制御を行えば、探針の走査位置が図3.aで示したトラッキング制御が行われる。
【0014】
図5を用いて更に具体的に説明する。
バンドパスフィルタ403から出力されるデータ列の再生信号を絶対値化回路404により絶対値化し、ローパスフィルタ406によりデータ列の再生信号周波数を取り除き、データ列再生信号の振幅の包絡線信号が得られる。
これをロックインアンプ407に入力し、ウォブリング周波数発振器409から出力される基準位相信号をもとに位相検波を行うことにより、該包絡線信号から探針の振動数fと同じ周波数成分の振幅が取り出される。これが位置ずれ検出信号となる。
そしてその出力は、信号増幅回路408により増幅後、ローパスフィルタ410により平滑化され、探針とデータ列とのずれ量に比例する信号、すなわち探針とデータ列とのずれを補正するための信号として、スキャン回路411に入力される。
【0015】
ここで、例えぱフロッピーディスクドライブのように、ビット列に対する探針の相対移動方向が変化せずに制御を行うような系(データ記録面に直交する所定の軸を中心としてデータ記録面が回転し、探針が該回転の動径方向、すなわち該回転中心から外れる方向、もしくは向かう方向だけに移動することによって読み取りたいデータビット列にアクセスするような系)であれば、探針はずれをデータビッ卜列の中心に引き戻す制御、すなわち探針のシーク制御は、回転中心か又は外側に向かう一次元方向に行えばよい(図4(1)、図4(3))。
このような系に対しては、上記比例信号をそのままトラッキング制御に用いることができる。
【0016】
しかしながら、図4(2)、図4(4)に示すように探針がビット列に対し、図中、上下左右方向に相対的に円周状に走査をする系のトラッキング制御に上記比例信号をそのまま適用すると、探針は円周走査中心に向かう方向かもしくは円周走査中心から離れる方向の一方方向だけにしか制御が行われない。
となると、中心から離れていく方向の制御が加わった場合、相対円周走査運動は半径がただ大きくなるだけであり、その逆の中心へ向かっていく制御が加わった場合には、相対円周走査運動の半径が小さくなるだけになってしまい、目的のトラッキング制御にならない。
円周走査運動走査系において探針をデータビットずれに追従させるには、相対円周走査運動の中心から見た探針の位置によって探針の追従の制御の方向を変化させる必要がある(図4(4))。
そのためには、必要なずれ補正をどの位置においてどの大きさで行うかを知れば良い。
このためスキャン回路411において入力された前述の比例信号に対し、相対円周走査運動のためのX走査用信号およびY走査用信号とそれぞれ掛け算を行い、データビット列に対する探針の追従制御の方向の情報を加えるようにする。
【0017】
以下図6を用い、スキャン回路の詳細説明を行う。
スキャン回路(図6)はデータ再生のための探針とデータビット列との相対走査(スキャン)信号を作製する。
スキャン回路は、円筒型ピエゾ素子を駆動し、円周状走査運動をさせるための信号波形を発生する部分と、円周状に並んだデータビット列に対し探針を直交方向に微小振動(ウォブリング)させるための信号波形を発生する部分と、円周状に並んだデータビット列に対する探針の位置ずれを補正するための信号波形を発生する部分とをあわせ持つ。
【0018】
本実施例の場合、可変周波数発振器をX走査用発振器501、Y走査用発振器502として用いる。
X走査用発振器501およびY走査用発振器502は、周波数が等しく位相がπ/2[rad]ずれた関係にある正弦波信号を出力する。
信号波形として例えば、X走査用発振器出力をsin2πf’t信号、Y走査用発振器出力をcos2πf’t信号(ここでf’:円周状走査周波数,t:時間)とすればよい。
X走査用発振器501から出力される信号は、掛算器503と加算507に入力される。同様にY走査用発振器502から出力される信号は、掛算器504と加算508に入力される。これらの信号波形は円周状走査運動をさせるための信号波形にあたる。
【0019】
掛算器503、504では、スキャン回路の外部のウォブリング周波数発振器(図5の409)から入力される周波数fのウォブリング信号と、X走査用発振器501、Y走査用発振器502からの出力信号との掛け算処理を行い、処理結果は加算器507、508に入力される。
ここで、ウォブリング信号波形をsin2πftとし、前述のXY走査用発振器出力の波形例を用いると、掛算器503、504から出力される信号波形は、それぞれ、sin2πf’t・sin2πft、cos2πf’t・sin2πftとなる。
これらの信号波形は円周状に並んだデータビット列に対し探針を直交方向に微小振動(ウォブリング)させるための信号波形にあたる。
【0020】
掛算器505、506では、スキャン回路の外部から入力される探針とデータ列とのずれ量に比例する信号(図5のローパスフィルタ410から出力)と、X走査用発振器501、Y走査用発振器502からの出力信号との掛け算処理を行い、処理結果は加算器507、508に入力される。
ここで、探針とデータ列とのずれ量に比例する信号波形をΔTrとし、前述のXY走査用発振器出力の波形例を用いると、掛算器505、506から出力される信号波形は、それぞれ、sin2πf’t・ΔTr、cos2πf’t・ΔTrとなる。
これらの信号波形は円周状に並んだデータビット列に対する探針の位置ずれを補正するための信号波形にあたる。
【0021】
加算器507では、X走査用発振器501、掛算器503、505からの出力信号をそれぞれ適当な増幅率で増幅後、加算する。
加算器507の出力をX走査駆動電圧出力として、円筒型ピエゾ素子のX走査用電極に印加する。
同様に、加算器508では、Y走査用発振器502、掛算器504、506からの出力信号をそれぞれ適当な増幅率で増幅後、加算する。
加算器508の出力をY走査駆動電圧出力として、円筒型ピエゾ素子のY走査用電極に印加する。
前述の信号波形例を用いると、加算器507、508からの出力信号波形は、それぞれ、
Vc・sin2πf’t+Vb・sin2πf’t・sin2πft+VFB・sin2πf’t・ΔTr、
Vc・cos2πf’t+Vb・cos2πf’t・sin2πft+VFB・cos2πf’t・ΔTrとなる。
ここで、Vcは円周状走査半径を決める電圧値、Vbは探針のウォブリング振動幅を決める電圧値、VFBはトラッキング制御の強さを決める電圧値である。
【0022】
以上の信号処理を行うことにより探針は、データビット列に対し円周状に相対走査を行う際、前述の比例信号によって採針がビット列に対してどれくらい離れているかの位置の情報と、この比例信号と相対円周状走査運動させる信号との演算によって、探針をトラッキングさせる方向の情報を得ることになり、相対円周状走査運動でのトラッキングに必要な情報が得られる。
この結果、探針はデータ列からはずれないようにデータ列と直交する方向に制御され、探針はデータ列に追従した状態となり、データ列の再生信号は安定化される。以上のような探針のデータ列に対する制御を行うことにより、データ列のうねりや、装置の温度ドリフト、外部からの振動等の影響を受け難くなり安定なデータ列再生が可能となる。
これらによって走査型トンネル顕微鏡の原理を応用した記録再生の装置の構成と成している。
【0023】
本実施例では、円周状に並んだデータビット列に対する探針の円周状相対走査を行うためのXY走査用発振器として可変周波数発振器を用いた例を示している。
ここで、図7に示すように、可変周波数発振器の代わりに、内部走査用発振器601、走査用コントローラ602、X用カウンタ604、Y用カウンタ605、X用ROMテーブル606、Y用ROMテーブル607、D−Aコンバータ608、609の各素子回路を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
さらに、ウォブリング信号もスキャン回路の外部から入力するのでなく、図8、図9に示すように、内部走査用発振器701、走査用コントローラ702、X用カウンタ704、Y用カウンタ705、X用ROMテーブル706、Y用ROMテーブル707、D―Aコンバータ712、713の各素子回路を組み合わせて用い、円周状走査信号とウォブリング信号とを合わせて出力するようにしてもよい。
この場合、ロックインアンプ807において位相検波を行うための基準位相信号は、内部走査用発振器701、走査用コントローラ702、ウォブリング用カウンタ716、ウォブリング用ROMテーブル717、D−Aコンバータ718の各素子回路を組み合わせて用い、スキャン回路から出力する。
【0025】
つぎに、本発明の別の実施例について説明する。
図10〜図13は、データビット列の並び方向と直交する方向にデータ列の幅より小さい振幅で振動数fの探針の微小振動(ウォブリング)を行ないながらデータビットの記録を行なった場合のデータ列トラッキング方法の実施例である。
このように記録を行うと、図11下図に示すように、データビットは、全体としては、ほぼ円周状、もしくは螺旋状に記録されており、その一部を拡大して詳細にみると、図11上図に示すようにデータビット列の並び方向と直交する方向に周期的に位置がずれるように記録されている。
【0026】
このように記録されたデータビット列を探針が円周状に相対走査すると、記録ビット再生信号の振幅は探針とデータビット列とのずれに応じて変化する(図12(a)’,(b)’,(c)’)。
前述した実施例と同様に探針の走査の通り方によって、ちょうどビット列上を通るトラッキングビットの状態(図12(a),12(a)’)では、再生信号には微小振動周波数fの2倍の周波数成分が現れる。
探針の走査が図12中の上方向(相対円周状走査の中心から外れる方同)にずれたトラッキングエラーの状態(図12(b),12(b)’)、もしくは図12中の下方向(相対円周状走査の中心へ向かう方向)へずれたトラッキングエラー状態(図12(c),12(c)’)では、微小振動周波数fと同じ周波数成分が現れる。
ずれが大きくなるにしたがって、この周波数成分の振幅が大きくなる。また、この微小振動周波数成分の信号の位相は、ずれ方向によってπ[rad]異なっている。したがって、この振幅および位相を検出することにより、ずれ量およびずれ方向を検出することができる。
【0027】
そこで、前実施例と同様、この微小振動周波数fの信号を参照信号として、データビット列再生信号の位相検波を行うと、データビット列からずれ量に比例した信号が得られる。
この信号をこの信号自身が零に近づくように、円筒型ピエゾ素子のXまたはY走査用電極への制御電圧に加算、もしくは減算するようなフィードバック制御を行えば、探針の位置が図12(a)で示したトラッキング制御が行われる。
【0028】
以下図10、図13を用いて本実施例を実施する具体的回路構成について説明する。
図10において、探針により再生された記録ビット列の再生信号波形は、対数変換回路901で対数変換後、信号増幅回路902で増幅され、バンドパスフィルタ903により再生信号のみを取り出す。
これを絶対値化回路905により絶対値化し、さらにローパスフィルタ906によりデータ列の再生信号の振幅の包絡線信号を得る。
この包絡線信号をロックインアンプ907に入力し、スキャン回路911から出力される基準位相信号を用いて位相検波を行う。
位相検波出力を信号増幅回路908において増幅後、ローパスフィルタ910を通して、探針とデータ列とのずれ量に比例する信号を得る。
この信号をスキャン回路911に入力し、XY走査用の探針制御信号を出力する。
【0029】
図13はスキャン回路の具体的構成を説明する図である。
図13において、X走査用発振器1301、Y走査用発振器1302から振幅・周波数が等しく、位相がπ/2[rad]だけ異なった2つの正弦波信号(例えば、sin2πf’tとcos2πf’t)が出力される。
X走査用発振器1301から出力される信号は掛算器1304、1308と加算器1306に入力される。
Y走査用発振器1302から出力される信号は掛算器1305、1309と加算器1307に入力される。
これらの信号により、記録再生時に、記録媒体(データビット列)に対する探針の円周状走査が行われる。
【0030】
ウォブリング周波数発振器1303からは、記録時には周波数fの微小振動用の信号(例えば、sin2πft)が出力され、これは、掛算器1304、1305に入力される。
このとき、基準位相信号は出力されず、探針とデータ列とのずれ量に比例する信号入力は零である(記録時には、本発明のトラッキング制御はなされない)。
再生時には、ウォブリング周波数発振器1303から周波数fの基準位相信号が出力され、これはロックインアンプ(図10の907)に入力される。このとき、微小振動信号出力は零である(再生時には微小振動はなされない)。
【0031】
ここで、XY走査用発振器1301、1302から出力される2つの正弦波信号に対し、ウォブリング周波数発振器1303から出力される微小振動用信号と基準位相信号とは、等しい位相関係にあるようにする。これにより、再生時に、ずれ方向を正しく検出することが可能となる。
【0032】
掛算器1304、1305ではXY走査用発振器1301、1302からの出力信号とウォブリング周波数発振器1303からの出力信号の掛け算処理が行われ、この結果は加算器1306、1307に入力される。
これらの信号により、記録時に円周状にデータビットを記録していく際、データビット列並び方向と直交する方向に周期的に探針が振動するため、同様の周期でビットの位置をずらした記録を行なうことができる。
【0033】
掛算器1308、1309ではXY走査用発振器1301、1302からの出力信号とスキャン回路の外部から入力される探針とデータ列とのずれ量に比例する信号との掛け算処理が行われ、この結果は加算器1306、1307に入力される。
これらの信号により、微小変調が加えられ、ほぼ円周状に記録されたデータビット列を再生する際、データビット列に対する探針の位置ずれを補正するようにトラッキング制御を行うことができる。
【0034】
加算器1306では、X走査用発振器1301、掛算器1304、1308からの出力信号をそれぞれ適当な増幅率で増幅後、加算する。
加算器1306の出力をX走査駆動電圧出力として、円筒型ピエゾ素子のX走査用電極に印加する。同様に、加算器1307では、Y走査用発振器1302、掛算器1305、1309からの出力信号をそれぞれ適当な増幅率で増幅後、加算する。
加算器1307の出力をY走査駆動電圧出力として、円筒型ピエゾ素子のY走査用電極に印加する。
【0035】
以上の信号処理を行うことにより探針は、データビット列に対し円周状に相対走査を行う際、前述の比例信号によって探針がビット列に対してどれくらい離れているかの位置の情報と、この比例信号と相対円周状走査運動させる信号との演算によって、探針をトラッキングさせる方向の情報を得ることになり、相対円周状走査運動でのトラッキングに必要な情報が得られる。
この結果、探針はデータ列からはずれないようにデータ列と直交する方向に制御され、探針はデータ列に追従した状態となり、データ列の再生信号は安定化される。以上のような探針のデータ列に対する制御を行うことにより、データ列のうねりや、装置の温度ドリフト、外部からの振動等の影響を受け難くなり安定なデータ列再生が可能となる。
これらによって走査型トンネル顕微鏡の原理を応用した記録再生の装置の構成と成している。
【0036】
【発明の効果】
本発明の情報処理装置は、以上のような位置ずれ検出手段を構成することにより、円周状走査して情報を記録再生する情報処理装置において、再生の際における温度ドリフトや、外部振動の影響等により、探針がデータ列並びと直交する方向から位置ずれが生じてもこれをフィードバック制御して補正することができる。したがって、これによってデータビット列に対して安定なトラッキングを行うことが可能となり、高速で、大容量の記録再生が行い得る情報処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】SPMメモリにおける円周状走査方法の一例とその走査時の信号波形を示す図である。
【図2】データビット列とその再生信号の信号強度の変化の対応関係を示す図である。
【図3】探針の走査軌跡と再生波形との対応関係を示す図面である。
【図4】(1)と(2)は本来あるべきデータビット列の位置と、外乱等でずれたデータビット列との関係を示す図であり、(3)は探針のビット列に対する走査の違いに基づくトラッキング方向の関係についての説明図である。
【図5】本発明の実施例における探針の位置ずれを検出する制御回路を示す図である。
【図6】本発明の実施例におけるスキャン回路を示す図である。
【図7】本発明の実施例における別のスキャン回路を示す図である。
【図8】本発明の実施例における別の回路例を示す図である。
【図9】本発明の実施例における別の回路例を示す図である。
【図10】本発明の別の実施例における探針の位置ずれを検出する制御回路を示す図である。
【図11】図10におけるウォブリング記録トラッキングの概念図および記録ビット列に対する走査の概念図である。
【図12】図10における探針の走査軌跡と再生信号の信号強度の変化の対応関係を示す図である。
【図13】図10におけるスキャン回路の具体的構成を示す図である。
【符号の説明】
401 801 901:信号変換器
402 408 802 808 902 908:信号増幅器
403 803 903:バンドパスフィルタ
404 805 905:絶対値化回路
405 804 904:波形整形回路
406 410 806 809 906 910:ローパスフィルタ
407 807 907:誤差信号抽出・変換演算器
409:フォブリング周波数発信器
501:X走査用発振器
502:Y走査用発振器
503〜506 610〜613 710 711:掛算器
507 508 614 615:加算器
601 70: 内部走査用発振器
602 702:走査用コントローラ
603 703:書込みトリガ用コントローラ
604 704:X用カウンタ
605 705:Y用カウンタ
606 706:X用ROMテーブル
607 707:Y用ROMテーブル
608 609 708 709:D−Aコンバータ
907:ロックインアンプ
909:コンパレータ
911:スキャン回路
1301:X走査用発振器
1302:Y走査用発振器
1303:ウォブリング周波数発振器
1304 1305 1308 1309:掛算器
1306 1307:加算器

Claims (3)

  1. 探針を用いて記録媒体上に円周状のデータ列の記録及び/または再生を行う情報処理装置において、
    前記探針が前記記録媒体上を走査するように前記探針と前記記録媒体とを相対的に移動させる走査機構と、
    前記探針が前記記録媒体上で円周状走査を行うように周波数が等しく位相がπ/2(rad)ずれた直交する2方向の走査信号を出力する回路と、
    前記探針を前記データ列と直交する方向に微小振動させるウォブリング信号を出力する回路と、
    前記探針の前記データ列に対する位置ずれに対応した信号を検出し出力する回路と、
    前記2方向の走査信号の各々と前記ウォブリング信号とを乗算する第1の乗算回路と、
    前記2方向の走査信号の各々と前記位置ずれに対応した信号とを乗算する第2の乗算回路と
    前記第1の乗算回路の出力と前記第2の乗算回路の出力を前記2方向の走査信号の各々に加えて前記走査機構に供給する回路と、
    を有することを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記ウォブリング信号を発生する回路は、前記データ列の記録時には前記探針を微小振動させず、再生時に前記探針を微小振動させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記ウォブリング信号を発生する回路は、前記データ列の記録時に前記探針を微小振動させ、再生時には前記探針を微小振動させないことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
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