JP3580634B2 - 自動取引装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀行や郵便局などの金融機関で使用され、入金、出金、振込などの取引きを自動的に行う自動取引装置に係り、特に自動取引装置に搭載され、利用者を認識する虹彩認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、銀行や郵便局などの金融機関で使用され、入金、出金、振込などの取引処理を自動的に行う自動取引装置には、被識別者の虹彩をカメラにより撮影して虹彩データを取得し、虹彩データとあらかじめ登録されている登録データとを照合して被識別者を認識する虹彩認識装置を搭載したものがある。従来の虹彩認識装置については、例えば特公平5−084166号、U.S.PATENT 529160に詳しく開示されてある。このような虹彩認識装置を搭載した自動取引装置の正面には、蛍光灯などの散乱光源が組み込まれている。虹彩認識装置には高感度のカメラが使用されるが、散乱光源は、このようなカメラにより高精度のアイリス(虹彩)画像が得られるように、被識別者の目に所定の輝度の光を当てるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自動取引装置にあっては、高精度のアイリス画像が得られるように、被識別者の目に所定の輝度の光を当てる散乱光源を組み込まなければならず、装置が大型化してしまうという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の自動取引装置においては、虹彩撮影時に最大輝度色表示を行う表示部と、表示部の最大輝度色表示と通常画面表示とを切り替える画像切替部と、最大輝度色表示信号を画像切替部に出力する制御部とを設けた。
【0005】
上記のように構成された自動取引装置の制御部が画像切替部に最大輝度色信号を出力すると、画像切替部が表示部の画面表示を通常画面表示から最大輝度色表示に切り替え、被識別者の目に所定の輝度の光を当てる。なお、最大輝度色表示とは、虹彩を撮影するカメラの受光感度が最大となる色をいう。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面に共通な要素には同一の符号を付す。図1は本発明の自動取引装置を示す説明図、図2は本発明の自動取引装置を示す斜視図、図3は本発明の自動取引装置の制御ブロック図である。図1、図2、図3において、ATM(自動取引装置)1は、カード処理部2を有している。カード処理部2は、金融機関が発行したID(顧客認識)カード3に記憶された、金融機関ごとのコードや顧客の口座番号、氏名などの顧客情報を読み出す。
【0007】
このカード処理部2の前面側に接続されたカード挿入返却口2aからIDカード3の挿入、返却が行われる。通帳処理部4は、通帳挿入返却口4aから挿入される通帳5に印字処理などを行う。また、通帳処理部4は、通帳5の表紙に設けられた磁気ストライプ内の記憶情報の読取り、更新、印字頁行の検出、改頁などを行う。貨幣処理部8は、紙幣入出金部9と硬貨入出金部10とで構成される。紙幣入出金部9は、顧客により入金される紙幣を真偽鑑別、計数し、搬送して図示しない金種別保管金庫に収納し、また顧客に支払う紙幣を金種別保管金庫から繰り出す。
【0008】
硬貨入出金部10は、顧客により入金される硬貨を真偽鑑別、計数し、搬送して図示しない金種別保管金庫に収納し、また顧客に支払う硬貨を金種別保管金庫から繰り出す。この貨幣処理部8には、顧客が紙幣を投入する、また顧客に紙幣を支払う接客口9aが結合される。また、顧客が硬貨を投入する、また顧客に硬貨を支払う接客口10aが結合される。なお、接客口9a、10aは、図示しない駆動手段によってそれぞれシャッタ9b、10bが動作して紙幣および硬貨の挿脱を規制している。
【0009】
表示部11は、顧客が操作入力を行ったり、また顧客に対して誘導表示を行うタッチパネルであり、後述する取引科目である“ご入金”や“お引出し”、または“お振込み”などを表示し、表示部11に軽く触れることで取引が選択されるようになっている。この表示部11は、画像切替部24を介して制御部18に接続されている。画像切替部24は、表示部11の最大輝度色表示である白画面表示と通常画面表示とを切り替えるものである。
【0010】
音声案内部12は、音声による操作案内を行うものであり、装置正面のスピーカ・マイクロホン12aとで構成されている。カメラ制御部13は、顧客33の目33aのアイリス(虹彩)を撮影するカメラ13aと、所定の角度範囲だけカメラの視野を移動させる図示せぬ機構とを制御する。画像処理部14は、カメラ13aが撮影したアイリス画像の処理を行う。
【0011】
記憶部15は、各種の制御を行うプログラムが記憶されたRAM(ランダムアクセスメモリ)やROM(リードオンリメモリ)、フロッピディスクなどで構成される。I/F(インタフェース)部16は、ATM1と上位装置であるホストコンピュータ22との接続口である。接近探知機17は、顧客33がATM1に近付いたことを超音波を用いて検知するもので、顧客33などの被検出物までの距離や位置を割り出すことができる。
【0012】
主制御部18は、上述した各部を制御する。電源部19は、上述した各部に電力を供給する。係員呼出ボタン20は、これを顧客が押すことにより係員を呼び出して対話できるようになっている。I/F部16は、通信回線21によりホストコンピュータ22に接続されている。ホストコンピュータ22は、顧客ごとの口座番号や預金残高情報および後述する虹彩の画像データなどを記憶している顧客情報ファイルを格納した記憶装置23を有している。
【0013】
次に、本発明の主要部について図面を参照しながら説明する。図4は本発明の主要部を示す制御ブロック図、図5は画面切替動作を示すタイムチャートである。図4において、表示部11は、画像切替部24を介して主制御部18に接続されている。また、主制御部18と画像切替部24間には、垂直・水平同期検出部41が接続されている。
【0014】
図5において、通常、主制御部18から画像切替部24に対しては、通常画像信号aが出力されている。同時に垂直・水平同期検出部41に対しても通常画像信号aが出力されており、垂直・水平同期検出部41は、この通常画像信号aから垂直・水平同期信号bを得て画像切替部24に出力する。このとき画像切替部24の表示部11に対する合成画面信号cは、通常画面出力となっている。
【0015】
ここで、主制御部18から画像切替部24に対して通常画像信号aとともに白画像表示信号dが出力されると、画像切替部24から表示部11に対する合成画面信号cは、画面信号aに同期した白画面出力となる。この白画面出力により、表示部11は、CRTを白画面にして顧客33の目33aに光を当てる。主制御部18は、その間にカメラ制御部13に対してカメラ駆動信号を出力し、この信号に同期してカメラ制御部13がカメラ13aを駆動してアイリスの撮影を行う。
【0016】
上述したようなATM1による虹彩認識動作について図面を参照しながら説明する。図6、図7、図8、図9は表示部の画面表示を示す説明図、図10は本発明の虹彩認識動作を示すフローチャートである。図10において、取引に先だって顧客33がATM1の前に近付くと、ステップ1で接近検出機17により顧客33がATM1の所定の距離内に入ったことが検出される。これにより主制御部18は、ステップ2で表示部11に図6に示すような顧客誘導画面を表示し、取引選択入力を促す。次に主制御部18は、ステップ3で画像処理部14を介してカメラ制御部13に撮影指示を出す。
【0017】
カメラ制御部13は、周囲の動画データを採取して数フレーム前の動画データと比較し、この動画データの変化に伴う部分を検知する。このような部分を検知して、その部分の形状と予め記憶されている人体の形状とを比較して人体の形状に近いか否かを識別し、人体の形状に近いと識別したときに『人体』と判定する。これにより主制御部18は、ステップ4で顧客33を取引対象と仮定する。画像処理部13は、次に顧客33の『顔』を抽出し、続いて『目』の位置を特定すると、主制御部18にアイリスデータが取得可能であることを通知する。
【0018】
一方、顧客33が図6に示す表示画面から取引選択入力を行うと、主制御部18はステップ5で図7に示すような表示をし、顧客33にカメラ13aを見つめさせる。次に主制御部18は、ステップ6で画像切替部24に前述した白画像表示信号dを出力する。画像切替部24は、この信号を受信して表示部11の画面表示を、最大輝度色表示である白画面に切り替えて、顧客33の目33aに所定の輝度の光を当てる。
【0019】
主制御部18は、画像処理部13からアイリスデータ取得可能の通知を受けると、ステップ7で再び画像処理部13を介してカメラ13aをズームアップし、顧客33の虹彩を撮影する。このようにして撮影された顧客33のアイリス画像は、ステップ8で画像処理部14により画像処理される。主制御部18は、この画像処理の結果、アイリスデータが取得できたか否かをステップ9で判定する。アイリスデータが取得できた場合は、ステップ10でアイリスデータをホストコンピュータ22に送信するとともに、ATM1の記憶部15内にも一時記憶する。
【0020】
虹彩撮影時に顧客33の目33aの位置が動いたなどして、正確なアイリス画像が得られず、アイリスデータの取得ができなかった場合は、ステップ11でこのアイリスデータ取得動作が1回目であるか否かを判定する。一回目である場合は、ステップ12で、図8に示すような表示画面とスピーカ・マイクロホン12aにより、再度虹彩の撮影を行うことを顧客33に通知し、再びステップ6で画像切替部24に白画像表示信号dを出力する。アイリスデータ取得動作が2回目である場合は、ステップ13で、アイリスデータが取得不可能である旨を表示部11により顧客33に表示し、認識処理を中止する。
【0021】
金融機関が発行したIDカード3が顧客33によりカード挿入返却口2aから挿入されると、そのID番号がホストコンピュータ22に通知され、ホストコンピュータ22は、記憶装置23の顧客情報ファイルから対応する登録データを得る。次に、ステップ14でATM1からホストコンピュータ22に転送されたアイリスデータと登録データとの照合が行われる。
【0022】
照合の結果、ステップ15で本人と認識された場合は、ATM1は顧客33の氏名、口座番号などを、ステップ16で図9に示すように接客部11に表示する。本人と認識されなかった場合は、ステップ17でその旨を表示部11により顧客33に表示して認識処理を中止する。主制御部18は、ステップ18で各取引画面を表示し、顧客は、接客部11のタッチパネル11aやスピーカ・マイクロホン12aの指示に従いながら、順に自動取引を行う。
【0023】
このように虹彩撮影時に白画面表示を行う表示部11と、表示部11の白画面表示と通常画面表示とを切り替える画像切替部24と、白画像表示信号dを画像切替部24に出力する主制御部18とを設けたことにより、白画面表示の表示部11により被識別者の目に所定の輝度の光を当てることができるので、散乱光源を装置に組み込む必要がなくなり、装置の小形化が可能となる。なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されない。すなわち、虹彩撮影時の表示色はカメラの受光感度が最大となる色であればよく、例えば赤外線カメラであれば赤色表示とするのがよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0025】
すなわち、虹彩撮影時に白画面表示を行う表示部と、表示部の白画面表示と通常画面表示とを切り替える画像切替部と、白画像表示信号を画像切替部に出力する制御部とを設けたことにより、散乱光源を装置に組み込む必要がなくなり、装置の小形化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動取引装置を示す説明図である。
【図2】本発明の自動取引装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の自動取引装置の制御ブロック図である。
【図4】本発明の主要部を示す制御ブロック図である。
【図5】画面切替動作を示すタイムチャートである。
【図6】表示部の画面表示を示す説明図である。
【図7】表示部の画面表示を示す説明図である。
【図8】表示部の画面表示を示す説明図である。
【図9】表示部の画面表示を示す説明図である。
【図10】本発明の虹彩認識動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ATM
11 表示部
13a カメラ
18 主制御部
24 画像切替部
33 顧客
Claims (3)
- 被識別者の虹彩をカメラにより撮影して虹彩データを取得し、虹彩データとあらかじめ登録されている登録データとを照合して被識別者を認識する自動取引装置において、
虹彩撮影時に最大輝度色表示を行う表示部と、
上記表示部の最大輝度色表示と通常画面表示とを切り替える画像切替部と、
最大輝度色表示信号を上記画像切替部に出力する制御部とを設けたことを特徴とする自動取引装置。 - 上記最大輝度色表示は、白画面表示である請求項1記載の自動取引装置。
- 上記カメラは上記表示部の近傍に設けられた請求項1、または請求項2記載の自動取引装置。
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