JP3578447B2 - アスファルトマットの水中遮水工法 - Google Patents
アスファルトマットの水中遮水工法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物海面処分場等の埋立護岸、または、人工島の内部を外海から区画する護岸等の護岸表面の遮水工法に関し、特に、遮水のために敷設するアスファルトマットと、前記アスファルトマットの接続を水中で行い得るようにする工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物を埋め立て処分するために、大量に廃棄物が排出される都市等の近傍の海域を仕切って処分場を構築し、廃棄物を用いて新たな陸地を構築するとともに、排出地域からの運搬距離を短くすることに対応させ得るようにすることが行われている。前記廃棄物の処分場を海面に構築する場合には、一般的には埋立地の護岸の構築場所で、海底地盤を強化するための地盤改良工事を施工し、石積基礎を所定の高さに構築してその上面を平らに均してから、その基礎の上にケーソン等の構造物を配置して構成している。
【0003】
前記構造物と石積基礎に対して遮水性を持たせるためには、例えば、陸上の処分場の場合と同様に、遮水用シートと保護マット等を重ねて敷設し、廃棄物により遮水用シートを石積基礎に向けて押圧するようにして安定させている。前記海面埋立て処分場の他に、海面を所定の範囲で区画して人工島を構築する場合や、人工島の構築と同様に、所定の海域を護岸により区画してその区画された内部の海底地盤で工事を行う場合等においても、前記埋立て処分場と同様な工事を行って、遮水性を有する護岸を構築している。
【0004】
前記遮水用シート等のシートとしては、例えば、薄いゴムシートや塩化ビニール等のプラスチック製の水を通さない性質を有するシートを用いている。また、前記石積基礎の上に設置するケーソン等の構造物の間では、ケーソン間の目地部からの透水を防止する措置として、一般的には弾性を有するゴム製の仕切り材をケーソンの間に所定の間隔を介して配置し、前記仕切り材の間にアスファルト混合物等を充填する等の処理を行って、ケーソン等の目地間から内部の保有水が浸出しないような遮水層を構築している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記遮水性を有するシートを海中で施工する場合には、前記シートが比較的薄くて軽いものであることから、風や波浪にあおられること等により、必要とされる場所に正確に敷設することが困難である。そして、前記遮水用シートを前記埋め立て護岸の角部の広い面積を覆うように施工する際には、海中で遮水用シートを角部の形状に合わせて加工した上で、接続部を接続して一体化を図り、接続部での遮水性を確保する必要があるが、接続される遮水用シートが安定しない状態にあるか、角部の形状が複雑であったりしてその接続が面倒である。また、前記遮水用シートを敷設するに際しては、おもり部材やその他の補助手段を合わせて用いるために、施工コストが大幅に上昇する原因ともなる。
【0006】
また、海中で遮水用シートを敷設する際には、陸上の処分場のように土を平らに均すことができず、大きな凹凸のある石積の堤体の表面に配置するので、その石の凸部に当った部分が破損しやすい等の問題があり、遮水用シートによる遮水性を確保することが困難である。前記問題の他に、ケーソンを支持する石積基礎の下面では、海底地盤の改良工事を施工するので、構造物本体に対する支持作用は安定して発揮できるが、埋立地側では廃棄物の重量により地盤が圧密されるために、廃棄物により海底地盤が沈下するという問題が発生しやすく、石積基礎の端部から海底地盤に向けて敷設したシートに引っ張り作用が加わり、遮水用シートが破損する等の問題の発生が想定される。
【0007】
本発明は、前述したような海中での遮水処理層を施工する場合の問題を解消するもので、接続部での遮水層の構築を容易に行い得て、遮水の性能を長期間に亘って確保できる、遮水処理層を設けた管理型護岸を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、廃棄物海面埋め立て処分場の埋立護岸に設け、前記埋立護岸の埋立て側と外海面の両面または埋立て側の表面と海底地盤の所定の範囲に亘って、アスファルトマットを敷き詰めて構成する遮水手段に関する。本発明の請求項1の発明は、前記遮水手段を構成するアスファルトマットは、隣接するマット部材を所定の巾で重ねて、重合した接続部に接着性を有する層を介して敷設し、前記遮水手段の傾斜部に位置する重合部では、型枠部材を用いてアスファルト混合物を所定の厚さと巾で施工して接続部遮水層を構築し、前記アスファルト混合物の層を構築した後で、前記型枠部材を取り外すことを特徴とする。請求項2の発明は、前記マット部材の接続部では、隣接するマット部材の荷役用ワイヤを用いて接続し、前記遮水手段の傾斜部に位置する重合部では、型枠部材を用いてアスファルト混合物を所定の厚さと巾で施工して接続部遮水層を構築し、前記アスファルト混合物の層を構築した後で、前記型枠部材を取り外すことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、前記型枠部材はアスファルト混合物に接する面に、アスファルトが接着されない離型剤を塗布して設け、アスファルトマットに接する部分に、軟質のパッキング部材を設け、前記型枠部材には、水や気体を通す性質を持たせ、傾斜部の上側から型枠部材とマット部材の間に流すアスファルト混合物の充填性を補助する手段を設けたものを用いることを特徴とする。請求項4の発明は、前記接続部に打設するアスファルト混合物の圧力により、前記型枠部材が移動されない重量を有し、前記型枠部材を長さ方向に区分した多数のセグメントを接続して構成し、前記型枠部材の長さ方向の一端部から延長するワイヤを用いて、前記型枠部材の敷設と取り外しの作業を行い得るよう構成したことを特徴とする。
【0010】
前述したように構成したことにより、アスファルトマットの接続部遮水層の傾斜部での施工を、型枠部材を用いて容易に行うことができ、前記遮水層の信頼性を向上させることができ、マット部材の接続部では荷役用のワイヤを用いて接続できるので、接続部を引き離すような力に対する抵抗力を維持できる。また、前記接続部の遮水層を構築する際に用いる型枠部材は、凹凸があるマット部材の表面に隙間なく載置でき、内部にアスファルト混合物を打設することにより、遮水層内部に水や気体が入らない均一な層として構築できる。そして、前記型枠部材を蛇腹状の重いものして構成し、固化したアスファルト混合物が型枠部材に付着することを防止する手段を設けたことにより、型枠部材の敷設と取り外しを容易に行い得て、遮水層の施工性を向上させることが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図示される例にしたがって、本発明の水中遮水工法を説明する。一般的な廃棄物処分場の仕切護岸は、図1に示すように構築されるもので、海底地盤2の上に石積基礎3を構築し、その石積基礎3の上にケーソン等の構造物を載置して構築する。前記石積基礎3を構築する海底地盤が軟弱地盤の場合には、構造物の重量に耐え得る強度を持たせるような、地盤を補強する工事を施工する。前記石積基礎3と構造物4の内海面側には、必要に応じて捨て石層5、5aを構築し、前記捨て石層の表面と、海底地盤2の上の所定の範囲に亘って、遮水工6、7を構築する。前記構造物4としては、一般に港湾の構造物としてのコンクリート製のケーソンや、鋼製・ハイブリッドケーソン等を用いることができ、ケーソンの内部空間に建築廃材や石、砂等を充填して自重を重くし、波浪の圧力で前記構造物が動いたりしないように設置する。
【0012】
前記遮水工6、7は、アスファルトマットを敷き並べて構築するものであるが、必要に応じて、アスファルトマットと遮水シートとを重ねて敷設し、マットの重ね部に遮水性を持たせて構築することができる。前記アスファルトマットを敷設して遮水工を構築する際には、従来よりケーソンの滑動防止や、海底地盤の保護のために用いられているアスファルトマットと同様な構造のマット部材を用いることができる。図2に示すように、前記遮水工6、7は、多数枚のマット部材10……を端部で重ねるように配置して構成しているもので、前記マット部材の重ね部には斜面部遮水部20と水平部遮水部25とを各々設け、マット部材重ね部での遮水性を発揮できるようにしている。
【0013】
前記遮水工6、7を構築する際に用いるアスファルトマットは、従来より海洋構造物の滑動防止や、海底地盤の洗掘防止等に用いられているマット部材と同様に構成される。図3に示すように、アスファルト混合物の層11、11aの間に、ガラスクロスのような内部補強部材12を挟んで構成し、厚さを8〜15cm、巾を5m程度、長さを20〜30mのものとしてアスファルトマット10を構成する。また、前記内部補強部材12としては、ガラスクロスと金網等を重ねた内部補強部材12を用いることも可能である。さらに、前記内部補強部材12と重ねて、両端部にアイ部13aを設けたワイヤ13……を所定の間隔で配置し、前記ワイヤ13……の端部には、マットとの一体化を図るために、帯鉄等をアスファルト混合物層の間に埋設して設け、前記ワイヤ13の所定の位置には、滑動防止金具を所定の間隔で配置して、マット本体からワイヤ13が抜け出さないように固定している。なお、マット部材の接続用に用いる接続用針金14は、基部をワイヤに結合して所定の長さだけマット部材の上面に突出させて設け、後述する斜面部遮水部の形成に用いることができるようにする。
【0014】
前記図2に示す遮水工6、7のマット部材間での遮水工は、図4、5に各々の断面を示している。図4に示す斜面部遮水部20の例は、遮水工の斜面部での構造を示しており、隣接するマット部材10、10aを所定の長さだけ重ねて敷設する。前記マット重ね部においては、マット部材10、10aを敷設する際に、前記アスファルト層を施工するマット表面にプライマー部材22を塗布しておき、前記プライマー部材22により後で施工するアスファルト層24のマット部材に対する接着性を良好にする。また、マット部材10の端部付近には所定の巾で接着層21を設けておき、後で敷設するマット部材10aが前記接着層21を押圧して、両マットの間を接着する状態で、斜面部遮水部20における遮水性を持たせる。前記マット部材10に端部を重ねるように敷設するマット部材10aでは、アスファルト層24に接する表面と端面にプライマー部材22を設けて、前記2つのマット部材を重ねた部分で、ワイヤ13の基部を接続用針金14に接続して、結束部23によるマットの位置決めを行う。次いで、後述する型枠部材を用いてアスファルト層24を打設し、アスファルトの硬化を待って型枠部材を外すことにより、図4に示すような斜面部遮水部20を構築する。
【0015】
図5に示す水平部遮水部25では、前記図4の斜面部遮水部の場合のように、マット重ね部にワイヤがないものであるから、前記ワイヤを用いた固定はできないが、前記水平部遮水部25は遮水工の水平面に配置することで、マット同士を直接固定する必要がないものである。前記水平部遮水部25は、図1の捨石層5、5aの表面のうち、水平部分で、マット重ね部に大きな巾を持たせる状態で構成するものであり、あらかじめ斜面部の長さに上下の水平部の長さに対応させて、前記マット部材の長さを設定し、マット部材の上下(斜面方向の)の端部が水平部に余裕を持って配置できるようにする。そこで、2枚のマット部材10、10aのマット重ね部においては、マット間に巾の広い接着層26の層を配置するか、または複数条の接着層26、26a……を配置して、マット重ね部における遮水性を発揮させる。
【0016】
前記水平部遮水部25において、マット部材の端部を重ねて敷設しても、前記接着層26のみでは遮水性が不完全であると判断されるときには、前記マット重ね部の上に所定の巾を介して型枠ブロック28、28aを配置してアスファルト層29を打設し、所定の幅と厚さを有するアスファルト層29を構築する。また、前記アスファルト層を打設する部分に対しては、マット部材を敷設する前に、船の上でプライマー部材27をそれぞれ施工しておき、プライマー部材27によるアスファルトとの接着性を良好に発揮できるようにする。前記アスファルト層29を打設するための型枠ブロックとしては、所定の高さと巾および長さを有するアスファルトブロックをあらかじめ容易しておき、前記ブロックをマット重ね部に対して配置してから、アスファルト混合物を打設することができる。その他に、前記型枠としてH型鋼等を用いてアスファルト層の構築を行うことが可能であり、前記H型鋼等を繰り返して使用することで、水平部遮水部の構築コストを低減させることが可能となる。
【0017】
なお、前記接着層21、26としては、ゴムアスファルトのように、アスファルトマットの接着性を発揮できるものを用いるが、その他に、任意のアスファルトとの接着性を有する軟質の接着剤成分を用いても良い。さらに、前記プライマー部材22、27としては、ストレートアスファルトやネオアスファルト(商品名)を用いることができるが、船上で加熱して溶融させたストレートアスファルトを塗布することが最も簡単な処理である。前記図4、5に示されたように、遮水工に対して斜面部遮水部や水平部遮水部を施工して、アスファルトマットによる遮水処理を行うが、前記斜面部遮水部20を構築する際には、図6に示すような型枠部材30を用い、図7〜9の順序で、遮水工の斜面部でのアスファルトの打設作業を行い、斜面部遮水部20を構築することができる。
【0018】
図6に示す例において、型枠部材30は巾の狭いセグメント部材31……を多数連接して構成しているもので、セグメント部材31…は、厚い鉄板を下向きの略コの字状に加工したものや、型鋼を組み合わせて構成することができ、前記多数のセグメント部材31……を複数本のワイヤ33、33aにより連接する状態で構成する。そして、前記型枠部材30を取り扱う際に、ワイヤの端部をクレーン等により吊り上げることによって、前記セグメント部材31……が略蛇腹状に変形しながら取り外されるようにする。また、前記型枠部材30を敷設する際には、下部を位置決めしてから、上部を斜面の上側に向けて移動させながら、マット部材の上に敷設できるようにする。なお、前記型枠部材30のセグメント部材31……は、前記型枠部材30の内部空間に溶融アスファルトを流し込んだ時に、その圧力等により浮いた状態とならない程度の重量を有するものとして構成する。
【0019】
前記型枠部材30のセグメント部材31……の下部には、パッキング部材32を所定の厚さで取り付けており、前記パッキング部材32としては、任意の弾性体、スポンジ状部材、シリコンゴムの柔らかいブロック等を取り付けている。そして、型枠部材30をマット重ね部に対して位置決めした際に、マット部材の表面に凹凸があったとしても、前記パッキング部材32が凹凸に対応して変形するので、型枠部材30の下面とマット部材の表面都の間に隙間が形成されず、注入するアスファルトが側部から漏れ出すことがないようにする。なお、前記型枠部材30の下端部に先に打設した水平部遮水部等がある場合には、注入するアスファルトが下部の開口から漏れ出すことを防止する手段を設ける必要はないが、漏れ出し防止を必要とする場合には、あらかじめ金網等を配置しておくことができる。また、前記型枠部材30の内面には、フッ素樹脂を塗布するか、またはシリコンゴムの被覆を設けておき、打設するアスファルトが型枠部材の内面に付着しないようにする処理を行っている。
【0020】
前記図6に示すような型枠部材30を用いて、斜面部遮水部20を構築する際には、図7ないし図9の工程を経てアスファルトの打設を行うようにする。図7に示す例は、型枠部材30を斜面部遮水部の施工位置に配置する場合を示しており、遮水工7等の水平部の遮水工に対する水平部遮水部を施工した後で、型枠部材30を位置決めして敷設する。前記型枠部材30を敷設する際には、ワイヤ33をクレーンで吊り下げて、型枠部材30の下端部を水平部遮水部25に対して位置決めしてから、斜面の下部から型枠部材30を順次位置決めして固定する。次いで、前記遮水工6の斜面部に位置決めした型枠部材30の上から、開口の内部に向けて流入装置35を用いてアスファルト36を流し込んで、型枠部材30の内部にアスファルトを充満させる。
【0021】
前記アスファルトの流し込みに際して、その圧力により型枠部材30が浮き上がるような揚力が作用するが、前記型枠部材30を十分に重いものとして構成するので、型枠部材30の内部にアスファルトが充満されて固化するまでそのまま放置する。前記放置時間は、例えば、数時間で十分であることから、その後に、図9に示すように、型枠部材30を取り外す作業を行う。前記型枠部材30を取り外す際には、多数連接しているセグメント部材が、ワイヤ33を引き上げることで1つずつ斜面部遮水部20から外されるので、比較的容易に型枠部材30を取り外すことが可能となる。なお、前記型枠部材30の内部にアスファルト36を打設する場合に、各セグメント部材の間には小さな隙間があるので、型枠部材30の中に入っている水や、加熱されて発生する気体が容易に排出されるので、斜面部遮水部20には空隙が形成されることはない。また、前記型枠部材30の中に注入するアスファルト36は、作業船上で加熱しながら注入することで、必要な量を容易に確保でき、任意の構造の流入装置35を用いて注入作業を行うことができる。
【0022】
前記図8に示す流入装置35は、斜面部遮水部20の作成時の他に、図5に示す水平部遮水部25の作成時にも使用することができる。前記アスファルト層24、29を構成するための溶融アスファルト36としては、サンドマスチックまたはネオアスファルトを使用すると、作業性が良好に維持でき、マット重ね部遮水工として構築した後での長期間の遮水性を確保することが可能となる。つまり、前述したような種類のアスファルトを用いることで、マット部材の下面を支えている地盤や捨て石層の変形に追従して変形した時でも、斜面部遮水部や水平部遮水部でのアスファルト層が同時に変形して、マット重ね部の遮水性能に障害が発生することが防止されるという特性が発揮されることになる。
【0023】
なお、前述したように構成した遮水工は、アスファルトマットのみで遮水性を十分に発揮できるとされる場合には、遮水工のみで対処可能となるが、前記アスファルトマットによる遮水工に重ねて、遮水シート等を敷設することが要求されることが多くある。その場合には、アスファルトマットによる遮水工を構築した後で、その上に、厚めの不織布等の緩衝層を構築してから、さらにビニールシートやゴムシートを1層または複数層重ねて敷設して複数層の遮水層を重ねたものとして構築することができる。そして、前記遮水工においては、それぞれのシート層の接続部に対して、遮水処理しながら敷設することにより、より完璧な遮水工を構築することが可能であり、前記ゴムシートのような遮水シートを敷設する場合にも、シート間の接続部に対して、水平部遮水部または斜面部遮水部を形成すれば、従来の接着剤を用いたシート接続に比較して、より信頼性を向上させた遮水工を構築することが可能となる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の遮水工は、前述したように構成するのであるから、アスファルトマットの接続部遮水層の傾斜部での施工を、型枠部材を用いて容易に行うことができ、前記遮水層の信頼性を向上させることができ、マット部材の接続部では荷役用のワイヤを用いて接続できるので、接続部を引き離すような力に対する抵抗力を維持できる。また、前記接続部の遮水層を構築する際に用いる型枠部材は、凹凸があるマット部材の表面に隙間なく載置でき、内部にアスファルト混合物を打設することにより、遮水層内部に水や気体が入らない均一な層として構築できる。そして、前記型枠部材を蛇腹状の重いものして構成し、固化したアスファルト混合物が型枠部材に付着することを防止する手段を設けたことにより、型枠部材の敷設と取り外しを容易に行い得て、遮水層の施工性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃棄物処分場の護岸の構成を示す説明図である。
【図2】遮水工の平面図である。
【図3】アスファルトマットの構成を示す説明図である。
【図4】斜面部遮水部の構成の説明図である。
【図5】水平部遮水部の構成の説明図である。
【図6】型枠部材の構成を示す説明図である。
【図7】型枠部材を斜面部遮水部に対して設置する作業の説明図である。
【図8】型枠部材にアスファルトを打設する作業の説明図である。
【図9】斜面部遮水部構築後に型枠部材を取り外す作業の説明図である。
【符号の説明】
1 護岸、 3 石積基礎、 4 構造物、 6・7 遮水工、
10 アスファルトマット、 11 アスファルト層、
12 内部補強部材、 13 ワイヤ、 14 接続用針金、
20 斜面部遮水部、 21 接着層、 22 プライマー部材、
23 結束部、 24 アスファルト層、 25 水平部遮水部、
26 接着層、 27 プライマー部材、 28 型枠ブロック、
29 アスファルト層、 30 型枠部材、 31 セグメント部材、
32 パッキング部材、 33 ワイヤ、 35 流入装置、
36 溶融アスファルト。
Claims (4)
- 廃棄物海面埋め立て処分場の埋立護岸に設け、前記埋立護岸の埋立て側と外海面の両面または埋立て側の表面と海底地盤の所定の範囲に亘って、アスファルトマットを敷き詰めて構成する遮水手段において、
前記遮水手段を構成するアスファルトマットは、隣接するマット部材を所定の巾で重ねて、重合した接続部に接着性を有する層を介して敷設し、
前記遮水手段の傾斜部に位置する重合部では、型枠部材を用いてアスファルト混合物を所定の厚さと巾で施工して接続部遮水層を構築し、
前記アスファルト混合物の層を構築した後で、前記型枠部材を取り外すことを特徴とするアスファルトマットの水中遮水工法。 - 廃棄物海面埋め立て処分場の埋立護岸に設け、前記埋立護岸の埋立て側と外海面の両面または埋立て側の表面と海底地盤の所定の範囲に亘って、アスファルトマットを敷き詰めて構成する遮水手段において、
前記遮水手段を構成するアスファルトマットは、隣接するマット部材を所定の巾で重ねて、重合した接続部に接着性を有する層を介して敷設し、
前記マット部材の接続部では、隣接するマット部材の荷役用ワイヤを用いて接続し、
前記遮水手段の傾斜部に位置する重合部では、型枠部材を用いてアスファルト混合物を所定の厚さと巾で施工して接続部遮水層を構築し、
前記アスファルト混合物の層を構築した後で、前記型枠部材を取り外すことを特徴とするアスファルトマットの水中遮水工法。 - 前記型枠部材はアスファルト混合物に接する面に、アスファルトが接着されない離型剤を塗布して設け、
アスファルトマットに接する部分に、軟質のパッキング部材を設け、
前記型枠部材には、水や気体を通す性質を持たせ、傾斜部の上側から型枠部材とマット部材の間に流すアスファルト混合物の充填性を補助する手段を設けたものを用いることを特徴とする請求項1または2に記載のアスファルトマットの水中遮水工法。 - 前記接続部に打設するアスファルト混合物の圧力により、前記型枠部材が移動されない重量を有し、
前記型枠部材を長さ方向に区分した多数のセグメントを接続して構成し、
前記型枠部材の長さ方向の一端部から延長するワイヤを用いて、前記型枠部材の敷設と取り外しの作業を行い得るよう、構成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアスファルトマットの水中遮水工法。
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