JP3577939B2 - 炊飯器用の鍋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭及び業務用に使用される炊飯器用の鍋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、炊飯器用の鍋内面の金属面は、フッソ樹脂コート処理により非粘着性を持たせていたが、外観的な意匠性を高めるためにフッソ樹脂にマイカを添加し、光輝感を出す手法が多く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成の炊飯器用の鍋では、フッソ樹脂コートはプライマ層とトップコート層の2コートからなるものや、プライマ層とトップコートの間に中間層を持つ3コートからなるものが一般的であるが、光輝剤のマイカをプライマ層に添加した場合は十分な光輝感が得られず、また、多量に添加した場合は基材との密着力の低下を招くものであった。一方、2コートから成るフッソ樹脂コートのトップコートや3コートの中間層にマイカを添加した場合は、奥行きのある光輝感が得られる反面、マイカは吸水性があるために、長期間調理炊飯器用のを繰り返すと、フッソ樹脂コート中にわずかずつ水分や腐食性物質が浸透し、マイカはこれらを吸収してしまう。さらに、これらの水分や腐食性物質がプライマ層に移動する結果、基材腐食やフッソ樹脂コート剥離の原因となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、炊飯器用の鍋を構成する金属材料表面に処理されるフッソ樹脂コートとして、第1層にプライマ層を有し、その上層にフッソ樹脂のみから成るクリア層を設け、さらに最外層に0.1〜5重量%の親水性物質を含むフッソ樹脂コート層を設けたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、金属材料から成る調理炊飯器用の鍋の表面処理としてフッソ樹脂コートを用い、このフッソ樹脂コートの第一層としてフッソ樹脂、接着成分および顔料を含むプライマ層を有し、その上層にフッソ樹脂のみから成るクリア層を設け、さらに最外層に0.1〜5重量%の親水性物質を含むフッソ樹脂コート層を有することにより、最外層は鍋内部の被調理炊飯器用の物と水分の授受を行い易くなり、結果として、クリア層やプライマ層には水分が伝わりにくくなり、耐食性が向上する。
【0006】
請求項2記載の発明は、親水性物質として、マイカ、アルミフレーク、ステンレスフレーク、金フレーク、銀フレーク、チタンフレーク、ガラスビーズ、または、アルミ、チタン、銀、ステンレス、ハステロイ等の金属を蒸着したガラスビーズまたはガラスフレーク、あるいは各種セラミック粒子の内、少なくともいずれか一種類以上を最外層のフッソ樹脂コート層に添加したことにより、耐食性が向上すると共に、奥行きのある光輝感が得られ、意匠性の高い炊飯器用の鍋とすることが可能である。
【0007】
【実施例】
以下、本発明を利用した一実施例について、図1を用いつつ説明する。図1はアルミニウム材をプレス成形して得られる炊飯器用の鍋1であり、被調理炊飯器用の物と接する鍋の内面は非粘着性をだすためにフッソ樹脂コート処理3を施している。
【0008】
このフッソ樹脂コート3の構成を以下に述べる。まず、炊飯器用の鍋基材のアルミニウム表面2をブラスト処理により粗面化し、そこに焼成後膜厚が約10μmとなるようにプライマ4を塗装する。このプライマ4には、フッソ樹脂の他に、ポリアミド前駆体、ポリエーテルサルホンを接着成分として含有し、さらに、顔料成分を添加することも可能である。プライマ4層の上層にはフッソ樹脂であるポリテトラフロロエチレン=パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)のみからなる層5を焼成後膜厚で約30μmとなるように塗装するが、この層はフッソ樹脂以外の成分は含まないクリア層5である。この後、フッソ樹脂であるPFAに平均粒子系10μmのアルミニウム蒸着ガラスビーズ7を1重量%添加した粉体塗料を焼成後膜厚で約20μmとなるようにクリア層上に塗装する。以上のごとき処理の後、380℃30分間の焼成処理を行い、フッソ樹脂コートとするが、プライマ塗装後に、乾燥工程をいれることも可能であるし、クリア層を塗装後に一度焼成しても問題はない。以上の工程により、図1に示した構成のフッソ樹脂コート処理炊飯器用の鍋が作製される。
【0009】
(比較例1)
以下、本実施例の比較例について図2を用いつつ説明する。実施例1と同様に、アルミニウム材をプレス成形して得られる炊飯器用の鍋8の表面にはフッソ樹脂コート処理9が施されている。まず、炊飯器用の鍋基材のアルミニウム表面10をブラスト処理により粗面化し、そこに焼成後膜厚が約10μmとなるように実施例1と同一のプライマ11を塗装する。その後、1重量%のマイカ13を添加したPFA粉体塗料を焼成後膜厚が約50μmとなるように塗装して、380℃30分間の焼成処理を行い、フッソ樹脂コート9とした。
【0010】
(評価)
本実施例1と比較例1の耐久性を比較するために、ハウスおでんの素((株)ハウス製)20g/l溶液を調整し、それぞれの鍋に8分目まで注ぎ、鍋を炊飯器に入れた後、70℃で連続保温を行った。(表1)はそのときの腐食の進行を示したものであるが、比較例1では保温250hで既に異常が発生しているのに較べ、実施例1では1000hでもほぼ問題のない結果となっている。
【0011】
【表1】
【0012】
【発明の効果】
以上のように、本発明の炊飯器用の鍋に処理されているフッソ樹脂コートは、プライマ層の上にフッソ樹脂のみから成るクリア層を設けており、さらにその外層に親水性の光輝成分が添加されたフッソ樹脂コート層が塗装されているために、奥行きのある光輝感が得られるとともに、最外層に親水性物質を含むことにより、最外層は鍋内部の被調理炊飯器用の物と水分の授受を行い易くなり、結果として、クリア層やプライマ層には水分が伝わりにくくなり、耐食性が向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の調理炊飯器用の鍋の概要を示す図
【図2】同、調理炊飯器用の鍋の比較に用いた調理炊飯器用の鍋の概要を示す図
【符号の説明】
1,8 炊飯器用鍋
2,10 アルミニウム
3,9 フッソ樹脂コート
4,11 プライマ
5 クリア層
6 アルミニウム蒸着ガラスビーズを含むトップコート
7 アルミニウム蒸着ガラスビーズ
12 マイカを含むトップコート
13 マイカ
Claims (2)
- 第一層にプライマ層を有し、その上層にフッソ樹脂のみから成るクリア層を設け、さらに最外層に0.1〜5重量%の親水性物質を含むフッソ樹脂コート層を有してなる炊飯器用の鍋。
- 親水性物質として、マイカ、アルミフレーク、ステンレスフレーク、金フレーク、銀フレーク、チタンフレーク、ガラスビーズ、または、アルミ、チタン、銀、ステンレス、ハステロイ等の金属を蒸着したガラスビーズまたはガラスフレーク、あるいは各種セラミック粒子の少なくともいずれか一種類以上を最外層のフッソ樹脂コート層に添加してなる請求項1記載の炊飯器用の鍋。
Priority Applications (1)
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JP07707398A JP3577939B2 (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 炊飯器用の鍋 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP07707398A JP3577939B2 (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 炊飯器用の鍋 |
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JPH11267031A JPH11267031A (ja) | 1999-10-05 |
JP3577939B2 true JP3577939B2 (ja) | 2004-10-20 |
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ID=13623630
Family Applications (1)
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---|---|
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Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-03-25 JP JP07707398A patent/JP3577939B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH11267031A (ja) | 1999-10-05 |
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