JP3575959B2 - 作業車の走行制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機体の前後一端側に位置する走行用の操向型車輪と他端側に位置する走行用の非操向型車輪を備えるとともに、操向型車輪が設定切れ角以上に操向操作されると、操向型車輪の駆動速度を非操向型車輪と同一又はほぼ同一にする切り状態と操向型車輪の駆動速度を非操向型車輪よりも高速にする入り状態とに切り換え自在な操向輪増速装置を入り側に自動的に切り換え操作して機体を小回り旋回させる旋回制御手段、又は、操向型車輪が設定切れ角以上に操向操作されると、前記操向輪増速装置と、左右一対の非操向型車輪のうちの旋回内側の非操向型車輪に作用する機体操向ブレーキとを入り側に自動的に切り換え操作して機体を小回り旋回させる旋回制御手段を備えてある作業車の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記作業車は、圃場端部で機体をユーターン旋回させるなど機体旋回を行う際、旋回制御手段の作用により、操向型車輪を操向操作するだけで操作簡単に、操向型車輪と非操向型車輪を直進時と同様に同一又はほぼ同一の駆動速度で駆動しながら旋回するよりも小さな旋回半径で旋回できるようにされたものである。
この種の作業車において、従来、例えば、特開昭63‐162332号公報に示されるものがあった。すなわち、前輪と後輪の駆動速度を略等しくする標準駆動状態と、前輪の駆動速度が後輪よりも高速になる増速駆動状態とに油圧シリンダによって切り換え操作自在な前輪変速装置を備えるとともに、前輪を設定角度以上に操向操作してリミットスイッチからの信号が制御装置に入力されると、この制御装置から油圧シリンダに対する制御弁に操作信号が発信されて油圧シリンダが前輪変速装置を前輪増速状態に切り換えるようになり、さらに、走行用の主変速レバーの4速位置、及び副変速レバーの高速位置にリミットスイッチを設け、主変速レバーを4速位置、副変速レバーを高速位置に操作しての高速走行時には、前輪の設定角度以上の操向操作にもかかわらず、制御弁に操作信号が発せられないようになったものがあった。
すなわち、走行用変速装置を低速側に切り換えている場合には、操向型車輪としての前輪を設定切れ角以上に操向操作すると、旋回制御手段としての制御装置によって前輪増速装置としての前輪変速装置が入り側に自動的に切り換え操作されて、走行用変速装置を高速側に切り換えている場合には、操向型車輪を設定切れ角以上に操向操作しても前輪増速装置が入り側に切り換え操作されないようになっていた。つまり、低速走行する際には小回り旋回制御が実行され、高速走行する際には小回り旋回制御が牽制されるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、変速レバーの複数の操作位置それぞれに検出スイッチを設けるとか、主変速レバーと副変速レバーのいずれにも検出スイッチを設けるとかによって低速と高速のいずれの走行にあるかを検出し、小回り旋回を可能にしたり、牽制したりするものであるから、センサー機構の面から構造が複雑になる問題があった。本発明の目的は、低速時には操作簡単に小回り旋回できるとともに高速時には小回り牽制が行われる作業車の走行制御装置を、検出不良が発生した際の不具合を回避できるようにしながら比較的構造簡単に得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】
〔構成〕
機体の前後一端側に位置する走行用の操向型車輪の駆動速度を他端側に位置する走行用の非操向型車輪と同一又はほぼ同一にする切り状態と、操向型車輪の駆動速度を非操向型車輪よりも高速にする入り状態とに切り換え自在な操向輪増速装置を備えるとともに、操向型車輪が設定切れ角以上に操向操作されると、操向輪増速装置を入り側に自動的に切り換え操作して機体を小回り旋回させる旋回制御手段を備えてある作業車の走行制御装置において、
回転センサーによる検出回転数に基づいて機体走行速度を検出する速度検出手段を備えるとともに、この速度検出手段による検出速度が設定速度未満であれば前記旋回制御手段による操向輪増速装置の入り側への切り換え操作を可能にし、前記速度検出手段による検出速度が設定速度以上であれば前記旋回制御手段による操向輪増速装置の入り側への切り換え操作を不能にする牽制手段を備え、
前記回転センサーからの情報の有無を検出し、情報有りの検出時には、前記旋回制御手段による操向輪増速装置の切換え操作と前記牽制手段の牽制作用とを可能にし、情報無しの検出時には、回転センサーの故障の有無にかかわらず、前記旋回制御手段及び前記牽制手段に優先して操向輪増速装置を切りに操作する小回り阻止手段を備えてある。
【0006】
〔作用〕
操向型車輪を非操向型車輪よりも高速で駆動して小回り旋回する際に機体が揺れるなどの不具合が発生しやすい走行速度のうちの最低速度を前記設定速度として設定する。そして、走行用変速装置の出力軸などの回転数を回転センサーで検出してこの検出回転数に基づいて機体走行速度を検出するものだから、走行用変速装置の速度状態に基づいて検出するようになっていた従来に比して必要数の少ないセンサーで、前記設定速度未満と以上のいずれの速度で走行されているかを検出し、設定速度未満で走行しながら操向型車輪を設定切れ角以上に操向操作した際には、牽制手段が旋回制御手段による操向輪増速装置の入り側への切り換えを可能にするため、操向輪増速装置が入り側に切り換え操作され、操向型車輪が非操向型車輪よりも高速で駆動されて機体が小旋回半径で旋回していく。そして、操向型車輪を設定切れ角以上に操向操作しても、設定速度以上で走行しておれば、牽制手段が旋回制御手段による操向輪増速装置の入り側への切り換えを不能にするため、操向輪増速装置が切り状態のままに操作され、操向型車輪と非操向型車輪とが同一又はほぼ同一の速度で駆動されて機体が標準の旋回半径で旋回していく。
【0007】
回転センサーが故障するとか回転センサーに接続するリード線が切れるとかして回転センサーからの出力が低下したり無くなったりすると、回転センサーから速度検出手段に付与される情報が無くなり、実際には前記設定速度以上で走行していても、速度検出手段が走行停止状態にあると検出するとか速度検出手段による検出速度が設定速度未満になるとかの検出不良が発生する。このとき、旋回制御手段による操向輪増速装置の切り換え操作と、牽制手段による作用が正常に行われると、実際の走行速度が設定速度以上であるにもかかわらず牽制手段による牽制が行われなくなり、操向型車輪を設定切れ角以上に操向操作した際には、操向輪増速装置が入り側に切り換え操作され、機体は設定速度以上の高速で走行しながら小回りする不安定な状態で走行していくことになる。これに対し、本第1発明の場合、設定速度以上の高速で走行しながら車輪を設定切れ角以上に操向操作しても、小回り阻止手段が情報無しを検出して旋回制御手段及び牽制手段に優先して操向輪増速装置を切りに操作するため、機体は標準の旋回半径で旋回して安定的に走行していく。
【0008】
車輪を設定切れ角以上に操向させたままにして駐車した場合、車輪の切れ角が設定切れ角以上になっているとともに速度検出手段による検出速度が設定速度未満になる。このため、旋回制御手段による操向輪増速装置の切り換え操作と、牽制手段による作用が正常に行われると、操向輪増速装置を入り側にする制御が行われ、電磁バルブを利用している場合にはバルブに通電したままになる。これに対し、本第1発明の場合、小回り阻止手段が回転センサーからの情報が無いと検出して操向輪増速装置を切りに操作するため、電磁バルブが非通電状態になる。
【0009】
〔効果〕
前記設定速度未満の低速で走行している場合には、操向型車輪の操向操作を行うだけで簡単に小回り旋回できて作業装置を次の作業列に迅速に位置合わせできるのであり、前記設定速度以上の高速で走行している場合には、操向型車輪を設定切れ角以上に操向操作しても、牽制手段のために小回り旋回が牽制されて安定的に走行できる。しかも、低速と高速のいずれで走行されているかの検出を従来より数少ないセンサーで行えるように構造の簡略化ができ、経済面などで有利に得られる。
【0010】
その上、回転センサーが故障するとかリード線が切れるとかして走行速度の検出不良が発生することがあっても、高速走行しながら車輪を設定切れ角以上に操向操作しても、小回り阻止手段のために操向輪増速装置が切り状態のままになって機体が標準半径で安定的に旋回し、軽快に運転していける。
【0011】
車輪を設定切れ角以上に操向させたままにして駐車しても、電磁バルブ利用の場合でもこのバルブを非通電状態にし、バルブに焼き付故障が発生することを回避できる。
【0012】
請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0013】
〔構成〕
機体の前後一端側に位置する走行用の操向型車輪の駆動速度を他端側に位置する走行用の非操向型車輪と同一又はほぼ同一にする切り状態と、操向型車輪の駆動速度を非操向型車輪よりも高速にする入り状態とに切り換え自在な操向輪増速装置と、左右一対の前記非操向型車輪に各別に作用する一対の機体操向ブレーキとを備えるとともに、操向型車輪が設定切れ角以上に操向操作されると、操向輪増速装置と旋回内側の非操向型車輪に作用する機体操向ブレーキとを入り側に自動的に切り換え操作して機体を小回り旋回させる旋回制御手段を備えてある作業車の走行制御装置において、
回転センサーによる検出回転数に基づいて機体走行速度を検出する速度検出手段を備えるとともに、この速度検出手段による検出速度が設定速度未満であれば前記旋回制御手段による操向輪増速装置及び機体操向ブレーキの入り側への切り換え操作を可能にし、前記速度検出手段による検出速度が設定速度以上であれば前記旋回制御手段による操向輪増速装置及び機体操向ブレーキの入り側への切り換え操作を不能にする牽制手段を備え、
前記回転センサーからの情報の有無を検出し、情報有りの検出時には、前記旋回制御手段による操向輪増速装置及び機体操向ブレーキの切換え操作と前記牽制手段の牽制作用とを可能にし、情報無しの検出時には、回転センサーの故障の有無にかかわらず、前記旋回制御手段及び前記牽制手段に優先して操向輪増速装置及び機体操向ブレーキを切りに操作する小回り阻止手段を備えてある。
【0014】
〔作用〕
操向型車輪を非操向型車輪よりも高速で駆動して小回り旋回する際に機体が揺れるなどの不具合が発生しやすい走行速度のうちの最低速度を前記設定速度として設定する。そして、走行用変速装置の出力軸などの回転数を回転センサーで検出してこの検出回転数に基づいて機体走行速度を検出するものだから、走行用変速装置の速度状態に基づいて検出するようになっていた従来に比して必要数の少ないセンサーで、前記設定速度未満と以上のいずれの速度で走行されているかを検出し、設定速度未満で走行しながら操向型車輪を設定切れ角以上に操向操作した際には、牽制手段が旋回制御手段による操向輪増速装置と機体操向ブレーキの入り側への切り換えを可能にするため、操向輪増速装置及び機体操向ブレーキが入り側に切り換え操作され、操向型車輪が非操向型車輪よりも高速で駆動されるとともに旋回内側の非操向型車輪にブレーキが掛かって機体が小旋回半径で旋回していく。そして、操向型車輪を設定切れ角以上に操向操作しても、設定速度以上で走行しておれば、牽制手段が旋回制御手段による操向輪増速装置と機体操向ブレーキの入り側への切り換えを不能にするため、操向輪増速装置及び機体操向ブレーキが切りのままに操作され、操向型車輪と非操向型車輪とが同一又はほぼ同一の速度で駆動されて機体が標準の旋回半径で旋回していく。
【0015】
回転センサーが故障するとか回転センサーに接続するリード線が切れるとかして回転センサーからの出力が低下したり無くなったりすると、回転センサーから速度検出手段に付与される情報が無くなり、実際には前記設定速度以上で走行していても、速度検出手段が走行停止状態にあると検出するとか速度検出手段による検出速度が設定速度未満になるとかの検出不良が発生する。このとき、旋回制御手段による操向輪増速装置と機体操向ブレーキの切り換え操作と、牽制手段による作用が正常に行われると、実際の走行速度が設定速度以上であるにもかかわらず牽制手段による牽制が行われなくなり、操向型車輪を設定切れ角以上に操向操作した際には、操向輪増速装置と旋回内側の機体操向ブレーキが入り側に切り換え操作され、機体は設定速度以上の高速で走行しながら小回りする不安定な状態で走行していくことになる。これに対し、本第2発明の場合、設定速度以上の高速で走行しながら車輪を設定切れ角以上に操向操作しても、小回り阻止手段が情報無しを検出して旋回制御手段及び牽制手段に優先して操向輪増速装置及び機体操向ブレーキを切り側に操作するため、機体は標準の旋回半径で旋回して安定的に走行していく。
【0016】
車輪を設定切れ角以上に操向させたままにして駐車した場合、車輪の切れ角が設定切れ角以上になっているとともに速度検出手段による検出速度が設定速度未満になる。このため、旋回制御手段による操向輪増速装置と機体操向ブレーキの切り換え操作と、牽制手段による作用が正常に行われると、操向輪増速装置と一方の機体操向ブレーキを入りにする制御が行われ、電磁バルブを利用している場合にはバルブに通電したままになる。これに対し、本第2発明の場合、小回り阻止手段が回転センサーからの情報が無いと検出して操向輪増速装置及び機体操向ブレーキを切り側に操作するため、電磁バルブが非通電状態になる。
【0017】
〔効果〕
前記設定速度未満の低速で走行している場合には、操向型車輪の操向操作を行うだけで簡単に小回り旋回できて作業装置を次の作業列に迅速に位置合わせできるのであり、前記設定速度以上の高速で走行している場合には、操向型車輪を設定切れ角以上に操向操作しても、牽制手段のために小回り旋回が牽制されて安定的に走行できる。しかも、低速と高速のいずれで走行されているかの検出を従来より数少ないセンサーで行えるように構造の簡略化ができ、経済面などで有利に得られる。
【0018】
その上、回転センサーが故障するとかリード線が切れるとかして走行速度の検出不良が発生することがあっても、高速走行しながら車輪を設定切れ角以上に操向操作しても、小回り阻止手段のために操向輪増速装置及び機体操向ブレーキが切り状態のままになって機体が標準半径で安定的に旋回し、軽快に運転していける。
【0019】
車輪を設定切れ角以上に操向させたままにして駐車しても、電磁バルブ利用の場合でもこのバルブを非通電状態にし、バルブに焼き付故障が発生することを回避できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、操向及び駆動自在な左右一対の前車輪1,1と操向不能で駆動自在な左右一対の後車輪2,2とによって自走するとともに前車輪1を操向操作するためのステアリングホイール3、運転座席4などを有する走行機体の後部に、ロータリ耕耘装置などの各種作業装置を昇降操作自在に連結するリフトアーム5、連結した作業装置に動力伝達する動力取出し軸6を備えさせて、農用トラクターを構成してある。
【0021】
走行機体の前部に位置する原動部にエンジンEを設け、前記走行機体の後部を形成するミッションケース8のケース内後部に後輪用差動機構11を設け、前輪1を両端側に揺動操向自在に支持する前輪伝動ケース38の左右中間部内に前輪用差動機構13を設け、図2に示す伝動構造によってエンジンEから後輪用差動機構11及び前輪用差動機構13に動力伝達するように構成してある。すなわち、エンジンEから主クラッチ7を介して取り出す回動力を、前記走行機体の後部を形成するミッションケース8に入力して走行用変速装置9に伝達し、この走行用変速装置9の出力軸10の回動力を後輪用差動機構11と前輪増速装置20とに分岐させて伝達し、この前輪増速装置20の出力軸21の回動力を回転軸12を介して前輪用差動機構13に伝達するように構成してある。前記走行用変速装置9には、エンジンEからの回動力をシフトギヤの掛け換えによって複数段に変速する主変速装置(図示せず)、この主変速装置からの回動力をシフトギヤの掛け換えによって前進駆動力と後進駆動力とに切り換える前後進切換え装置(図示せず)、この前後進切換え装置からの前進駆動力や後進駆動力をシフトギヤの掛け換えによって高速側と低速側とに切り換えて前記出力軸10に伝達する副変速装置(図示せず)を備えてある。
【0022】
図3に示すように、前記ミッションケース8のケース内底部において、前記前輪増速装置20の入力ギヤ22を、走行用変速装置9の前記出力軸10が一体回転自在に備える出力ギヤ14に中間ギヤ15を介して連動させ、前記入力ギヤ22が一端側に一体回転自在に連結する入力軸23の他端側に伝動ギヤ24を一体回転自在に備えさせるとともに、この伝動ギヤ24に噛み合う増速伝動ギヤ25を前記出力軸21の一端側に、前記入力ギヤ22に噛み合う標準伝動ギヤ26を前記出力軸21の他端側にそれぞれ相対回転自在に支持させ、前記増速伝動ギヤ25と出力軸21との間に摩擦クラッチ機構27を設け、前記標準伝動ギヤ26と、出力軸21がスプライン係合によって一体回転及び摺動自在に備える切換え体28との間に噛合いクラッチ機構29を設けて、前記前輪増速装置20を構成してある。前記摩擦クラッチ機構27は、増速伝動ギヤ25が一体回転自在に備えるクラッチボディ27aと、出力軸21がスプライン係合によって一体回転自在に備える受動体27bと、この受動体27bとクラッチボディ27aとの間に位置する多板式摩擦クラッチ機構本体27cとで成り、前記切換え体28に一端側が相対回転のみ自在に係合するシフター30の他端側にピストン31aが連結している油圧シリンダ31によって入り切り操作できるとともに、この入り切り操作によって増速伝動ギヤ25を出力軸21に一体回転するように連結したり、この連結を解除したりするように構成してある。前記噛合いクラッチ機構29は、標準伝動ギヤ26が一側面がわに一体回転自在に備える内歯式ギヤと、切換え体28が一側面がわに一体回転自在に備えるギヤとで成り、油圧シリンダ31によって入り切り操作できるとともに、この入り切り操作によって標準伝動ギヤ26を出力軸21に一体回転するように連結したり、この連結を解除したりするように構成してある。すなわち、油圧シリンダ31を伸長側に操作し、この油圧シリンダ31がシフター30を介して切換え体28をクラッチボディ27aの方に摺動させて多板式摩擦クラッチ機構本体27bに圧接操作すると、多板式摩擦クラッチ機構本体27bの摩擦板どうしが圧接状態になるため、摩擦クラッチ機構27が入りになり、増速伝動ギヤ25と出力軸21とが一体回転するように両者25,21を摩擦によって連結する。このとき、切換え体28の前記ギヤが標準伝動ギヤ26の前記内歯式ギヤから外れるため、噛合いクラッチ機構29は切りになり、標準伝動ギヤ26と出力軸21とが相対回転するように両者26,21の連結を解除する。これに対し、油圧シリンダ31を短縮側に操作し、油圧シリンダ31がシフター30を介して切換え体28を標準伝動ギヤ26の方に摺動させて切換え体28の前記ギヤを標準伝動ギヤ26の前記内歯式ギヤに噛み合わせると、このギヤ噛み合いのため、噛合いクラッチ機構29が入りになり、標準伝動ギヤ26と出力軸21とが一体回転するように両者26,21を切換え体28を介して連結する。このとき、多板式摩擦クラッチ機構本体27cの摩擦板どうしの圧接が解除されるため、摩擦クラッチ機構27は切りになり、増速伝動ギヤ25と出力軸21とが相対回転するように両者25,21の連結を解除する。
【0023】
これにより、油圧シリンダ31を伸縮操作して摩擦クラッチ機構27と噛合いクラッチ機構29のうちの噛合いクラッチ機構29の方を入りに操作すると、前輪増速装置20は切り状態になり、走行用変速装置9の出力軸10から入力ギヤ22に入力する回動力を標準伝動ギヤ26、噛合いクラッチ機構29、切換え体28を介して出力軸21に伝達し、出力軸21の回動力を前輪駆動力として回転軸12に出力するとともに、入力ギヤ22と標準伝動ギヤ26とによる伝動比のために、前輪1の駆動速度を後輪2の駆動速度と同一又はほぼ同一にする。すなわち、左右前輪1,1の平均周速度が左右後輪2,2の平均周速度に等しく又はほぼ等しくなるように左右前輪1,1に前進駆動力又は後進駆動力を伝達する。これに対し、摩擦クラッチ機構27と噛合いクラッチ機構29のうちの摩擦クラッチ機構27の方を入りに操作すると、前輪増速装置20は入り状態になり、走行用変速装置9の出力軸10から入力ギヤ22に入力する回動力を入力軸23、伝動ギヤ24、増速伝動ギヤ25、摩擦クラッチ機構27を介して出力軸21に伝達し、出力軸21の回動力を前輪駆動力として回転軸12に出力するとともに、伝動ギヤ22と増速伝動ギヤ25による伝動比のために、前輪1の駆動速度を後輪2の駆動速度より高速にする。すなわち、左右前輪1,1の平均周速度が左右後輪2,2の平均周速度の約1.9倍になるように左右前輪1,1に前進駆動力又は後進駆動力を伝達する。
【0024】
図2に示すように、前記後輪用差動機構11の左右一対の出力軸それぞれに機体操向ブレーキ32a,32bを備えさせるとともに、各機体操向ブレーキ32a,32bは、油圧式のブレーキシリンダ33a,33bによって入り切り操作するように構成し、そして、入り操作された際には、後輪用差動機構11の出力軸に摩擦制動力を付与することによってこの出力軸が伝動する左側又は右側の後車輪2に摩擦制動力を付与し、この後車輪2を旋回内側にして機体を旋回させるべく操向操作するように構成してある。
【0025】
図4に示すように、左右前輪1,1の操向方向及び切れ角を検出する切れ角センサー34と、走行用変速装置9の前記出力軸10の回転数を検出する回転センサー35とに連係させるとともに切換えスイッチ36を備えさせた旋回制御機構37を、前記油圧シリンダ31の電磁バルブ機構(図示せず)に操作信号を出力して油圧シリンダ31を操作するように構成することによって前記前輪増速装置20にこれの切り換え操作を行うように連係させるとともに、前記一対のブレーキシリンダ33a,33bそれぞれの電磁バルブ(図示せず)に操作信号を出力して両ブレーキシリンダ33a,33bを操作するように構成することによって前記一対の機体操向ブレーキ32a,32bにこれらの切り換え操作を行うように連係させてある。
【0026】
前記切れ角センサー34は、前車輪1を両端側に回転及び操向自在に支持するとともに中間部に前記前輪用差動機構13を内装する前輪伝動ケース38の中間部に支持される検出スイッチで成り、左右前輪1,1それぞれのナックルアーム39をロッド40を介して揺動操作するピットマンアーム41が備えるスイッチ操作部材42を検出対象体とし、前車輪1が小回り旋回制御を実行させるためのものとして設定した設定切れ角A以上に操向された否かを検出するとともに、設定切れ角A以上に操向操作された場合の操向方向が右向きと左向きのいずれであるかを検出し、各検出結果を電気信号として旋回制御機構37に出力する。すなわち、前記ステアリングハンドル3が回転操作されてピットマンアーム41が左右前輪1,1を操向操作する際、左右前輪1,1を直進向きから左向きに操向操作する場合と右向きに操向操作する場合のいずれにおいても、旋回内側に位置する前輪1の直進向きからの操向角が35度未満であれば、スイッチ操作部材42が検出スイッチの操作アーム34aに当接しなくてこの操作アーム34aを左側にも右側にも押圧操作しない。すると、切れ角センサー34は、前車輪1の切れ角が前記設定切れ角Aに達していないと検出する。左右前輪1,1を左向きに操向する場合、旋回内側に位置する左前輪1の直進向きからの操向角が35度になるに伴ってスイッチ操作部材42が操作アーム34aに当接してこの操作アーム34aを左側に押圧操作し始め、左前輪1の操向角が35度から操向限界までにある間は、スイッチ操作部材42が操作アーム34aを左側に押圧したままになる。すると、切れ角センサー34は、前車輪1が左向きに前記設定切れ角A以上に操向操作されていると検出する。左右前輪1,1を右向きに操向する場合、旋回内側に位置する右前輪1の直進向きからの操向角が35度になるに伴ってスイッチ操作部材42が操作アーム34aに当接してこの操作アーム34aを右側に押圧操作し始め、右前輪1の操向角が35度から操向限界までにある間は、スイッチ操作部材42が操作アーム34aを右側に押圧したままになる。すると、切れ角センサー34は、前車輪1が右向きに前記設定切れ角A以上に操向操作されていると検出する。
【0027】
図4に示すように、前記回転センサー35は、ギヤパルスセンサーで成り、前記出力軸10が一体回転自在に備える前記出力ギヤ14を検出対象体として出力軸の回転数を検出するとともにこの検出結果を旋回制御機構37が有する速度検出手段47に出力する。すなわち、出力ギヤ14の歯部が回転センサー35の検出範囲を通過すると、その都度、回転センサー35がパルスを速度検出手段47に発信する。速度検出手段47は、回転センサー35から設定時間内にパルス発信される回数を計測することによって回転センサー35による検出回転数を検出し、この検出回転数に基づいて機体の実際の走行速度を検出する。
【0028】
図4に示すように、前記切換えスイッチ36は、走行機体の運転部に位置する操作パネル43が備える押しボタン式スイッチで成り、押し操作されると、切りモードと第1旋回制御モードと第2旋回制御モードとの3種の指令から一つの指令を旋回制御機構37に出力するように、かつ、押し操作される毎に、出力する指令を前記の3種の指令の間で順次に切り換えるように構成してある。尚、切り換えスイッチ36に近接する表示ランプ36aを操作パネル43に備えてある。この表示ランプ36aは、切換えスイッチ36が第1旋回制御モードの指令を出力する際に、点灯して表示するものである。
【0029】
前記旋回制御機構37はマイクロコンピュータで成り、切換えスイッチ36が旋回制御停止の指令を出力する場合には、制御作動を行わない切り状態になって前輪増速装置20と機体操向ブレーキ32a,32aとの操作を行わず、切換えスイッチ36が第1旋回制御モード又は第2旋回制御モードの指令を出力する場合には、制御作動を行う入り状態になって切れ角センサー34と速度検出手段47と回転センサー35と切換えスイッチ36とからの情報と、図5及び図6に示す制御フローとに基づいて前輪増速装置20と一対の機体操向ブレーキ32a,32aとを自動的に操作するように構成してある。
【0030】
すなわち、切換えスイッチ36が第1旋回制御モード又は第2旋回制御モードの指令を出力すると、前輪増速装置20を切りに操作する(ステップ#1)とともに左後輪1の機体操向ブレーキ32aも右後輪1の機体操向ブレーキ32bも切りに操作し(ステップ#2,ステップ#3)、この後ステップ#4に移り、回転センサー35からの情報が有るか否かを判断する。情報が無いと判断した場合には、ステップ#1に戻る。情報が有ると判断した場合には、ステップ#5に移り、切れ角センサー34による検出切れ角Sが前記設定切れ角A以上であるか否かを判断する。検出切れ角Sが設定切れ角A以上ではないと判断した場合には、ステップ#1に戻る。検出切れ角Sが設定切れ角A以上であると判断した場合には、ステップ#6に移り、切換えスイッチ36による指令が第1旋回制御モードであるか否かを判断する。切換えスイッチ36による指令が第1旋回制御モードであると判断した場合には、ステップ#7に移り、速度検出手段47による検出速度Vが第1設定速度N1より低速であるか否かを判断する。検出速度Vが第1設定速度N1より低速でないと判断した場合には、ステップ#1に戻る。検出速度Vが第1設定速度N1より低速であると判断した場合には、ステップ#8に移って前輪増速装置20を入りに操作し、この後ステップ#9に移り、切れ角センサー34による検出操向方向が左向きであるか否かを判断する。左向きであると判断した場合には、ステップ#10に移って左後輪1の機体操向ブレーキ32aを入りに操作し、左向きでないと判断した場合(検出操向方向が右向きに相当する)には、ステップ#11に移って右後輪1の機体操向ブレーキ32bを入りに操作する。ステップ#10及びステップ#11の後、ステップ#12に移り、切れ角センサー34による検出切れ角Sが設定切れ角Aより小であるか否かを判断し、設定切れ角Aより小ではないと判断した場合には、ステップ#8に戻り、設定切れ角Aより小であると判断した場合には、ステップ#1に戻る。ステップ#6において、切換えスイッチ36による指令が第1旋回制御モードではないと判断した場合(切換えスイッチ36による指令が第2旋回制御モードの場合に相当する)には、ステップ#13に移り、速度検出手段47による検出速度Vが前記第1設定速度N1よりも高速の第2設定速度N2よりも小であるか否かを判断する。第2設定速度N2よりも小ではないと判断した場合には、ステップ#1に戻る。第2設定速度N2よりも小であると判断した場合には、ステップ#14に移って前輪増速装置20を入りに操作し、この後ステップ#15に移り、切れ角センサー34による検出切れ角Sが設定切れ角Aより小であるか否かを判断する。設定切れ角Aより小ではないと判断した場合には、ステップ#14に戻り、設定切れ角Aより小であると判断した場合には、ステップ#1に戻る。尚、この実施形態では、前記第1設定速度N1としては約3.6km/hを設定し、前記第2設定速度N2としては約5km/hを設定してある。
【0031】
これにより、旋回制御機構37が速度検出手段47の他に旋回制御手段44と牽制手段45と小回り阻止手段46とを構成するとともに、各手段44,45,46は次の如く作動する。すなわち、旋回制御手段44は、切換えスイッチ36が出力する指令に基づいて制御切りの状態と、第1旋回制御モードの状態と、第2旋回制御モードの状態とに切り換わる。第1旋回制御モードと第2旋回制御モードとのいずれの状態にある場合でも、前輪1が直進向きの操向状態や前記設定切れ角Aより小さい切れ角の操向状態にあれば、切れ角センサー34からの情報に基づいて前輪増速装置20も一対の機体操向ブレーキ32a,32bも切り側に操作する。そして、第1旋回制御モードの状態にある場合には、前輪1が前記設定切れ角A以上に操向操作されると、切れ角センサー34からの情報に基づいて前輪増速装置20と、一対の機体操向ブレーキ32a,32bのうちの旋回内側に位置する後車輪2に作用する方の機体操向ブレーキ32a又は32bとを入り側に操作し、前車輪1の駆動速度を後車輪2の駆動速度よりも高速にするとともに旋回内側の後車輪2にブレーキを掛けて機体を小回り旋回させる。第2旋回制御モードの状態にある場合には、前輪1が前記設定切れ角A以上に操向操作されると、切れ角センサー34からの情報に基づいて前輪増速装置20と機体操向ブレーキ32a,32bのうちの前輪増速装置20のみを入り側に切り換え操作し、前車輪1の駆動速度を後車輪2の駆動速度よりも高速にして機体を小回り旋回させる。
【0032】
旋回制御手段44が前記第1旋回制御モードの状態にある場合には速度検出手段47による検出速度Vが前記第1設定速度N1より低速であれば、旋回制御手段44が前記第2旋回制御モードの状態にある場合には速度検出手段47による検出速度Vが前記第1設定速度N1よりも高速の前記第2設定速度N2よりも低速であればそれぞれ、牽制手段45が速度検出手段47からの情報に基づいて旋回制御手段44に対する牽制作用を解除し、旋回制御手段44が切れ角センサー34からの情報に基づいて前輪増速装置20や機体操向ブレーキ32a,32bを入り側に切り換え操作することを可能にする。しかし、旋回制御手段44が前記第1旋回制御モードの状態にある場合には速度検出手段47による検出速度Vが前記第1設定速度N1以上であれば、旋回制御手段44が前記第2旋回制御モードの状態にある場合には速度検出手段47による検出速度Vが前記第2設定速度N2以上であればそれぞれ、牽制手段45が速度検出手段47からの情報に基づいて旋回制御手段44に対する牽制作用を実行し、旋回制御手段44が切れ角センサー34からの情報に基づいて前輪増速装置20や機体操向ブレーキ32a,32bを入り側に切り換え操作することを不能にする。
【0033】
小回り阻止手段46は、速度検出手段47からの情報に基づいて回転センサー35からの情報の有無を検出する。情報が有ると検出した場合には、旋回制御手段44が切れ角センサー34、切換えスイッチ43、速度検出手段47からの情報に基づいて前輪増速装置20や機体操向ブレーキ32a,32bを入り側に切り換え操作することを可能にする。これに対し、情報が無いと検出した場合には、旋回制御手段44に優先して油圧シリンダ31、両ブレーキシリンダ33a,33bそれぞれの電磁バルブにシリンダ31,33a,33bを切り側に操作させるべき信号を出力し、旋回制御手段44及び牽制手段45に優先して前輪増速装置20も両機体操向ブレーキ32a,32bも切り側に操作する。
【0034】
つまり、作業列の終端に達した機体を次の作業列に旋回走行させるに当たり、作業列と作業列の中心間隔が比較的広い場合には、切換えスイッチ36によって旋回制御手段44を第2旋回制御モードに切り換えておいて走行速度を第2設定速度N2未満にしながら、作業列と作業列の中心間隔が比較的狭い場合には、切換えスイッチ36によって旋回制御手段44を第1旋回制御モードに切り換えておいて走行速度を第1設定速度N1未満にしながら、それぞれ前車輪1を設定切れ角A以上に操向操作する。すると、第2旋回制御モードの場合には、旋回制御手段44が前輪増速装置20を切り状態から入り状態に切り換え操作して前車輪1が後車輪2よりも高速で駆動されることにより、機体を小旋回半径で旋回させて次の作業列に迅速に位置合わせできる。第1旋回制御モードの場合には、旋回制御手段44が前輪増速装置20を切り状態から入り状態に切り換え操作するとともに旋回内側に位置する後車輪2に作用する機体操向ブレーキ32a又は32bを切りから入りに切り換え操作して前車輪1が後車輪2よりも高速で駆動されるとともに旋回内側の後車輪2にブレーキが掛かることにより、機体をより小さな旋回半径で旋回させて次の作業列に迅速に位置合わせできる。
【0035】
作業時など、旋回制御手段44を第1旋回制御モード又は第2旋回制御モードにしたままで走行し、前車輪1を設定切れ角A以上に操向操作して機体操向させることがあっても、旋回制御手段44が第1旋回制御モードになっている場合には機体が前記第1設定速度N1以上で走行していると、旋回制御手段44が第2旋回制御モードになっている場合には機体が前記第2設定速度N2以上で走行していると、牽制手段45による牽制作用のために前輪増速装置20及び機体操向ブレーキ32a,32bが入り側に切り換え操作されず、機体を小回りしないように安定よく操向操作できる。
【0036】
機体が走行していても回転センサー35が故障していたり、回転センサー35に接続するリード線が切れていたりして回転センサー35から情報が出なくなっているとか、回転センサー35からの出力が弱くなっていると、また、回転センサー35にもリード線にも破損や切断などの故障がなくても走行停止のために出力軸10が回転停止していて回転センサー35から情報が出なくなっていると、速度検出手段47による検出速度Vは、第1設定速度N1や第2設定速度N2よりも小で、牽制手段45を牽制解除状態にすべきものになる。ところが、この場合、小回り阻止手段46が回転センサー35からの情報が無いことを検出し、旋回制御手段44及び牽制手段45に優先して前輪増速装置20も両機体操向ブレーキ32a,32bも切り側に操作する。これにより、旋回制御手段44を第1旋回制御モードに切り換えている場合には機体を第1設定速度N1以上の高速で操向させながら前車輪1を設定切れ角A以上に操向操作しても、旋回制御手段44を第2旋回制御モードに切り換えている場合には機体を第2設定速度N2以上の高速で操向させながら前車輪1を設定切れ角A以上に操向操作しても、前輪増速装置20も機体操向ブレーキ32a,32bも入り側に切り換えられないで切りのままになり、標準の旋回半径で機体を操向操作できる。また、前車輪1を設定切れ角A以上に操向させて駐車した場合でも、前輪増速装置20も機体操向ブレーキ32a,32bも入り側に切り換える制御が行われず、それらの電磁バルブが非通電状態のままになる。
【0037】
〔別実施形態〕
本発明は農用トラクターの他に田植機や芝刈り機にも適用できるのであり、これらの車両を総称して作業車と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【図1】農用トラクター全体の側面図
【図2】走行用伝動系統図
【図3】前輪増速装置の断面図
【図4】制御系のブロック図
【図5】旋回制御のフロー図
【図6】旋回制御のフロー図
【符号の説明】
1 操向型車輪
2 非操向型車輪
20 前輪増速装置
32a,32b 機体操向ブレーキ
35 回転センサー
44 旋回制御手段
45 牽制手段
46 小回り阻止手段
47 速度検出手段
N1,N2 設定速度
V 検出速度
A 設定切れ角
Claims (2)
- 機体の前後一端側に位置する走行用の操向型車輪の駆動速度を他端側に位置する走行用の非操向型車輪と同一又はほぼ同一にする切り状態と、操向型車輪の駆動速度を非操向型車輪よりも高速にする入り状態とに切り換え自在な操向輪増速装置を備えるとともに、操向型車輪が設定切れ角以上に操向操作されると、操向輪増速装置を入り側に自動的に切り換え操作して機体を小回り旋回させる旋回制御手段を備えてある作業車の走行制御装置であって、
回転センサーによる検出回転数に基づいて機体走行速度を検出する速度検出手段を備えるとともに、この速度検出手段による検出速度が設定速度未満であれば前記旋回制御手段による操向輪増速装置の入り側への切り換え操作を可能にし、前記速度検出手段による検出速度が設定速度以上であれば前記旋回制御手段による操向輪増速装置の入り側への切り換え操作を不能にする牽制手段を備え、
前記回転センサーからの情報の有無を検出し、情報有りの検出時には、前記旋回制御手段による操向輪増速装置の切換え操作と前記牽制手段の牽制作用とを可能にし、情報無しの検出時には、回転センサーの故障の有無にかかわらず、前記旋回制御手段及び前記牽制手段に優先して操向輪増速装置を切りに操作する小回り阻止手段を備えてある作業車の走行制御装置。 - 機体の前後一端側に位置する走行用の操向型車輪の駆動速度を他端側に位置する走行用の非操向型車輪と同一又はほぼ同一にする切り状態と、操向型車輪の駆動速度を非操向型車輪よりも高速にする入り状態とに切り換え自在な操向輪増速装置と、左右一対の前記非操向型車輪に各別に作用する一対の機体操向ブレーキとを備えるとともに、操向型車輪が設定切れ角以上に操向操作されると、操向輪増速装置と旋回内側の非操向型車輪に作用する機体操向ブレーキとを入り側に自動的に切り換え操作して機体を小回り旋回させる旋回制御手段を備えてある作業車の走行制御装置であって、
回転センサーによる検出回転数に基づいて機体走行速度を検出する速度検出手段を備えるとともに、この速度検出手段による検出速度が設定速度未満であれば前記旋回制御手段による操向輪増速装置及び機体操向ブレーキの入り側への切り換え操作を可能にし、前記速度検出手段による検出速度が設定速度以上であれば前記旋回制御手段による操向輪増速装置及び機体操向ブレーキの入り側への切り換え操作を不能にする牽制手段を備え、
前記回転センサーからの情報の有無を検出し、情報有りの検出時には、前記旋回制御手段による操向輪増速装置及び機体操向ブレーキの切換え操作と前記牽制手段の牽制作用とを可能にし、情報無しの検出時には、回転センサーの故障の有無にかかわらず、前記旋回制御手段及び前記牽制手段に優先して操向輪増速装置及び機体操向ブレーキを切りに操作する小回り阻止手段を備えてある作業車の走行制御装置。
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