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JP3574410B2 - 電圧変換回路及びこれを備えた半導体集積回路装置 - Google Patents

電圧変換回路及びこれを備えた半導体集積回路装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集積回路に駆動電圧を供給する電圧変換回路、及びこれを備えた半導体集積回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、動作クロックに従って演算処理等を実行する集積回路には、製造プロセスのばらつきや電源変動、或いは温度変化等が生じても常に正常な動作を行えるように、大きな設計マージンが設けられている。つまり、上記した各種変動等によって回路の遅延時間が増大した場合であっても、前記集積回路全体の動作が前記動作クロックの1クロック内に収まるように設計されている。また、上記した全ての条件が最悪の状態となっても正常な動作を行えるように、前記集積回路には十分高い電源電圧が印加されている。
【0003】
これらの大きな設計マージンや高い電源電圧の印加は、集積回路の高速化や低消費電力化の妨げとなる。そこで、集積回路の動作状況を検知して集積回路の動作に必要最低限の駆動電圧を与えられるように電源電圧の制御を行う電圧変換回路の開発が進められている。
【0004】
図24は従来の電圧変換回路の一例を示す概略構成図である。なお、本図に示す電圧変換回路は特開平10−242831号公報に開示されている従来技術である。本図に示すように、この電圧変換回路はデューティ比制御回路901、バッファ回路902、フィルタ回路903、クリティカルパス回路904、遅延回路905、正否判定回路906、及び加算器907を有している。
【0005】
デューティ比制御回路901はバッファ回路902における出力電圧の可変動作を制御する回路であり、カウンタ901aと比較回路901bとを有している。カウンタ901aは0〜2−1(例えば、n=6の場合は0〜63)までの数を、供給されたクロック信号(図示せず)の周期毎に1ずつカウントアップし、そのカウント数をnビットの信号NAとして比較回路901bに送出する。なお、カウント数2−1の次は0となる。また、比較回路901bには信号NAの他に、加算器907からnビットの信号NBが入力されている。
【0006】
比較回路901bはバッファ回路902を構成するPMOSトランジスタM1及びNMOSトランジスタM2のオン/オフ制御を行う回路であり、各トランジスタM1、M2のゲートには比較回路901bから制御信号X1、X2がそれぞれ供給されている。なお、比較回路901bは信号NAが0となったときに制御信号X1、X2の電圧レベルをLレベルとし、信号NAが信号NBと一致したときに制御信号X1、X2の電圧レベルをHレベルとする。
【0007】
バッファ回路902を構成するPMOSトランジスタM1のソースには第1電源電圧が印加されており、NMOSトランジスタM2のソースには第2電源電圧(ここでは接地電圧)が印加されている。また、両トランジスタのドレインは互いに接続されており、その接続ノードはバッファ回路902の出力端とされている。
【0008】
従って、制御信号X1、X2がLレベルである場合、PMOSトランジスタM1はオンとなり、NMOSトランジスタM2はオフとなるので、バッファ回路902の出力電圧は第1電源電圧に等しくなる。一方、制御信号X1、X2がHレベルである場合、PMOSトランジスタM1はオフとなり、NMOSトランジスタM2はオンとなるので、バッファ回路902の出力電圧は第2電源電圧(接地電圧)に等しくなる。すなわち、バッファ回路902の出力電圧は信号NAが0のときに立ち上がり、信号NAが信号NBに等しくなったときに立ち下がるパルス状の電圧信号Yとなる。
【0009】
この電圧信号Yは、インダクタンスL1及びキャパシタC1から成るフィルタ回路903によって平滑化されて出力電圧Zとなる。この出力電圧Zは同一基板上に形成された内部回路(図示せず)に対して供給され、前記内部回路の駆動電圧として利用される。また、出力電圧Zはクリティカルパス回路904の電源電圧としても利用される。
【0010】
上記したバッファ回路902を構成するPMOSトランジスタM1がオンとなり、NMOSトランジスタM2がオフとなる時間(すなわち、制御信号X1、X2がLレベルである時間)をオン時間T1とし、PMOSトランジスタM1がオフとなり、NMOSトランジスタM2がオンとなる時間(すなわち、制御信号X1、X2がHレベルである時間)をオフ時間T2とすると、フィルタ回路903の出力電圧Zは一般に、次の(1)式によって求めることができる。
【数1】
Figure 0003574410
【0011】
ここで、上式中のオン時間T1(右辺分子)は電圧信号Yのパルス幅を表しており、オン時間T1とオフ時間T2との和T1+T2(右辺分母)は電圧信号Yのパルス周期を表している。すなわち、出力電圧Zを制御するためには、電圧信号Yにおけるパルス幅とパルス周期との比(以下、デューティ比と呼ぶ)を制御すればよいことが分かる。
【0012】
上記構成から成る電圧変換回路では、加算回路907から比較回路901bに入力される信号NBの値を変えることによってオン時間T1(パルス幅)を変化させ、バッファ回路902から出力される電圧信号Yのデューティ比を制御している。これにより、前記内部回路に供給する駆動電圧(出力電圧Z)を制御することができる。(以下では、このようなデューティ比制御方式をパルス幅可変方式と呼ぶ。)また、信号NBを最適値に設定する手段としては、クリティカルパス回路904の動作速度を検出する方法が採用されている。
【0013】
クリティカルパス回路904は、出力電圧Zが供給される内部回路の中でも信号の遅延が最も大きいと考えられるパス回路を複製した回路である。前述した通り、このクリティカルパス回路904の電源電圧としてはフィルタ回路903の出力電圧Zが印加されている。すなわち、電源供給の対象となる内部回路の駆動電圧がクリティカルパス回路904によってモニタされることになる。なお、ここでは、クリティカルパス回路904の動作可能電圧が前記内部回路の動作可能電圧であると仮定している。
【0014】
フィルタ回路903の出力電圧Zによってクリティカルパス回路904が動作可能である場合、クリティカルパス回路904は正否判定回路906に対して所定のデータを送出する。このとき、正否判定回路906にはクリティカルパス回路904から送出された前記データが直接入力されるだけでなく、遅延回路905によって前記データを所定時間だけ遅延させた遅延データも入力される。
【0015】
正否判定回路906に対してクリティカルパス回路904から直接データが入力されない場合、正否判定回路906は対象としている内部回路が正常に動作していない、すなわち前記内部回路の駆動電圧(フィルタ回路903の出力電圧Z)が低過ぎると判断し、駆動電圧を上げるために信号NBの値を1だけ増加する信号S1を加算器907に送出する。
【0016】
また、正否判定回路906に対して遅延回路905を介した遅延データが入力された場合、正否判定回路906は対象としている内部回路に遅延を与えても正常に動作している、すなわち前記内部回路の駆動電圧は高過ぎると判断し、駆動電圧を下げるために信号NBの値を1だけ減少させる信号S2を加算器907に送出する。
【0017】
また、正否判定回路906に対してクリティカルパス回路904から直接データは入力されるが、遅延回路905を介した遅延データは入力されない場合、正否判定回路906は対象としている内部回路には最適な駆動電圧が供給されていると判断して、加算器907には信号S1、S2を送出しない。
【0018】
正否判定回路906から信号S1が送出された場合、加算器907は信号NBの現在値に1を加えた値をデューティ比制御回路901に供給する。一方、正否判定回路906から信号S2が送出された場合、加算器907は信号NBの現在値に−1を加えた値をデューティ比制御回路901に供給する。
【0019】
このように、上記構成から成る電圧変換回路においては、クリティカルパス回路904、遅延回路905、及び正否判定回路906によって電源供給の対象としている内部回路の動作速度を検出し、検出した動作速度が速過ぎる場合には前記内部回路の駆動電圧(出力電圧Z)を下げるように、逆に検出した動作速度が遅過ぎる場合には前記内部回路の駆動電圧(出力電圧Z)を上げるように、電圧信号Yのデューティ比を制御している。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
たしかに、上記構成から成る電圧変換回路であれば、集積回路を構成する内部回路の動作状況を検知して該内部回路の動作に必要最低限の駆動電圧を供給できるので、前記集積回路の低消費電力化に貢献することができる。また、出力電圧Zの可変範囲も広いため、一般的な集積回路の降圧回路として有益であることが分かる。
【0021】
ところで、前記内部回路のさらなる低消費電力化を図るためには、前記内部回路を構成するデバイス自体の電源電圧を低減することが極めて有効である。例えば、電源電圧0.5Vで駆動するデバイスを用いた内部回路の消費電力は、電源電圧3Vで駆動するデバイスを用いた内部回路の消費電力に比べて1/36となる。このように、前記内部回路の電源電圧や負荷電流を低減することによって、さらなる低消費電力化を実現することができる。
【0022】
一方、前記内部回路の消費電力低減に伴って、集積回路全体の消費電力に占める前記電圧変換回路の消費電力比率は相対的に増大する。そのため、集積回路全体のさらなる低消費電力化を実現するためには、前記電圧変換回路自体の消費電力も低減する必要がある。
【0023】
ここで、上記構成から成る電圧変換回路自体の消費電力を低減する手段としては、出力電圧Zの可変範囲を制限することで制御の簡略化を図り、デューティ比制御回路901や加算器907等の規模を縮小することが考えられる。
【0024】
例えば、3V程度の外部電源電圧が供給される電圧変換回路から0.5V駆動の内部回路に対して電源供給を行う場合、前記入力電圧に近い高電圧を前記内部回路に対して出力する必要はない。また、前記内部回路を構成するデバイスには最適な動作電圧が存在し、プロセスばらつきや動作環境の変化に対応するとしても、前記出力電圧の可変範囲は前記動作電圧の近傍に制限することができる。このように、出力電圧Zの可変範囲を制限すれば電圧変換回路の回路規模を縮小して消費電力の低減を図ることができる。
【0025】
しかしながら、加算回路907から比較回路901bに入力される信号NBの値を変えることによってオン時間T1(パルス幅)を変化させ、バッファ回路902から出力される電圧信号Yのデューティ比を制御するパルス幅可変方式の電圧変換回路では、たとえ出力電圧Zの可変範囲を制限したとしても、高速で動作するカウンタ回路901aを設ける必要がある。
【0026】
例えば、上記した従来構成の電圧変換回路において、カウンタ回路901aは電圧信号Yの2倍(n=6の場合は64倍)の周波数で動作する。このように高速で動作するカウンタ回路901aは電圧変換回路自体の消費電力増加を招いてしまうが、出力電圧Zを高精度に変化させるためにはカウンタ回路901aの動作速度を高速に維持せざるを得ない。
【0027】
従って、従来構成から成るパルス幅可変方式の電圧変換回路では、低電圧駆動が可能な内部回路に対する出力電圧Zの可変範囲を制限したとしても、カウンタ回路901aの動作速度は高速に維持する必要があるため、電圧変換回路自体の消費電力を十分に低減することができない。
【0028】
本発明は上記の問題点に鑑み、出力電圧の低電圧化に適した電圧変換回路、及びこれを備えた半導体集積回路装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る電圧変換回路においては、パルス幅が一定で、パルス周期が可変である出力パルス信号を生成する出力パルス信号生成回路と、前記出力パルス信号から第1制御信号及び第2制御信号を生成するスイッチタイミング回路と、ソースに第1電源電圧が印加され、ゲートに第1制御信号が印加されるPMOSトランジスタと、ソースに第2電源電圧が印加され、ゲートに第2制御信号が印加されるNMOSトランジスタとを有し、両トランジスタの各ドレインを共通接続した接続ノードから電圧を出力するスイッチ回路と、前記スイッチ回路から入力される電圧を平滑化して出力電圧を得るフィルタ回路と、を具備し、前記PMOSトランジスタ及び前記NMOSトランジスタのオン/オフ制御を行うことによって、前記出力電圧の大きさを変化させる電圧変換回路において、
前記出力パルス信号生成回路は、
パルス幅一定の基準パルス信号を生成する基準パルス信号生成回路と、
入力されるパルス信号を所定の単位時間だけ遅らせる遅延素子を複数個直列接続して成る遅延回路部と、該遅延回路部を構成する各遅延素子からそれぞれ送出される出力信号のいずれか一つを選択出力する選択回路部とから成り、その入力端が前記基準パルス信号生成回路の出力端に接続された第1遅延回路と、
入力されるパルス信号と、該パルス信号を所定時間だけ遅らせた遅延パルス信号のいずれか一方を選択出力する任意遅延回路部を複数段直列接続して成り、その入力端が第1遅延回路の出力端に接続された第2遅延回路と、
第1、第2遅延回路における出力選択動作を制御する遅延時間制御回路と、
を有し、第2遅延回路の出力信号を前記出力パルス信号として前記スイッチタイミング制御回路に送出する構成としている。
【0030】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、第1遅延回路の遅延回路部を構成する各遅延素子、及び第2遅延回路の任意遅延回路部を構成する各遅延素子はいずれもフリップフロップ回路であり、第2遅延回路の各遅延素子を駆動するクロック周波数或いは位相は、第1遅延回路の各遅延素子を駆動するクロック周波数或いは位相と異なる構成にするとよい。
【0031】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、前記スイッチタイミング制御回路は、前記スイッチ回路を構成するPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのオン/オフ制御に際して、一方のMOSトランジスタをオフさせてから所定時間経過後に他方のMOSトランジスタをオンさせるように、第1制御信号及び第2制御信号の電圧レベルを制御する構成にするとよい。
【0032】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、前記遅延時間制御回路は、前記電圧変換回路の出力電圧によって駆動される内部回路の動作状態を、該内部回路を駆動するクロック信号に同期して検出するレプリカ回路と、前記レプリカ回路によって検出された前記内部回路の動作状態に応じて、第1、第2遅延回路における出力選択動作を制御するための選択信号を生成する選択信号生成回路と、を有する構成にするとよい。
【0033】
なお、上記構成から成る電圧変換回路において、前記レプリカ回路には、前半遅延段と後半遅延段とを直列接続することで構成され、入力信号に対して前記内部回路の最大遅延パスと同等の遅延を行うクリティカルパス回路を設け、前記前半遅延段における遅延時間を第1動作時間、前記クリティカルパス回路全体における遅延時間を第2動作時間とし、前記第1動作時間及び第2動作時間と、第1所定動作時間及び第1所定動作時間より長い第2所定動作時間とをそれぞれ比較して、
第2動作時間が第1所定動作時間より短い場合は前記内部回路の動作速度が速過ぎると判断し、前記選択信号生成回路に対して第1、第2遅延回路における遅延時間を長くする要求を行い、
第1動作時間が第1所定動作時間より短く、第2動作時間が第1所定動作時間よりも長いが第2所定動作時間よりも短い場合は前記内部回路の動作速度が適切であると判断し、前記選択信号生成回路に対して第1、第2遅延回路における遅延時間を維持する要求を行い、
第1動作時間が第1所定動作時間よりも長いが、第2動作時間が第2所定動作時間よりも短い場合、或いは第2動作時間が第2所定動作時間よりも長い場合は前記内部回路の動作速度に余裕がない、或いは該動作速度が遅過ぎると判断し、前記選択信号生成回路に対して第1、第2遅延回路における遅延時間を短くする要求を行う構成にするとよい。
【0034】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、前記レプリカ回路は、前記クリティカルパス回路を構成する前半遅延段の出力信号を第1所定動作時間でラッチする第1ラッチ回路と、前記クリティカルパス回路を構成する後半遅延段の出力信号を第1所定動作時間でラッチする第2ラッチ回路と、前記クリティカルパス回路を構成する後半遅延段の出力信号を第2所定動作時間でラッチする第3ラッチ回路とを有し、各ラッチ回路の出力信号に基づいて前記内部回路の動作状態を検出する構成にするとよい。
【0035】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、前記選択信号生成回路は、前記レプリカ回路によって前記内部回路の動作速度が適切であると判断された場合であっても、第1、第2遅延回路の遅延時間をさらに長くすることができるか否かを判断する手段を有する構成にするとよい。
【0036】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、前記出力パルス信号生成回路及び前記スイッチタイミング制御回路の電源電圧として前記フィルタ回路の出力電圧を供給するとともに、前記スイッチタイミング制御回路から送出される第1、第2制御信号をそれぞれ昇圧して前記スイッチ回路を構成するPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタの各ゲートに送出する昇圧レベルシフタを設けた構成とするとよい。
【0037】
また、上記構成から成る電圧変換回路は、半導体集積回路装置の駆動電圧を生成する降圧回路として用いるとよい。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明に係る電圧変換回路として、ここでは半導体集積回路装置を構成する内部回路に対して駆動電圧を供給する電圧変換回路(降圧回路)を例に挙げて説明を行う。図1は本発明に係る電圧変換回路の第1実施形態を示す概略構成図である。本図に示すように、この電圧変換回路は出力パルス信号生成回路100、スイッチタイミング制御回路104、スイッチ回路105、及びフィルタ回路106を有している。
【0039】
出力パルス信号生成回路100はパルス幅が一定で、パルス周期が可変である出力パルス信号Doutを生成し、その出力パルス信号Doutをスイッチタイミング制御回路104に送出する回路である。なお、出力パルス信号生成回路100の内部構成及び動作については、後ほど詳細な説明を行う。
【0040】
スイッチタイミング制御回路104は、入力された出力パルス信号Doutから第1、第2制御信号φ1、φ2を生成し、その第1、第2制御信号φ1、φ2をスイッチ回路105を構成するPMOSトランジスタM1及びNMOSトランジスタM2の各ゲートに送出する回路である。これにより、PMOSトランジスタM1及びNMOSトランジスタM2のオン/オフ制御が行われる。なお、スイッチタイミング制御回路104の内部構成及び動作についても、後ほど詳細な説明を行う。
【0041】
スイッチ回路105を構成するPMOSトランジスタM1のソースには第1電源電圧(外部電源電圧VDD)が印加されており、NMOSトランジスタM2のソースには第2電源電圧(接地電圧GND)が印加されている。また、両トランジスタのドレインは互いに接続されており、その接続ノードはスイッチ回路105の出力端とされている。従って、PMOSトランジスタM1及びNMOSトランジスタM2のオン/オフ制御を行うことにより、スイッチ回路105の出力端からはパルス状の電圧信号が送出される。
【0042】
フィルタ回路106はインダクタンスL1とキャパシタC1から成る低域通過フィルタである。インダクタンスL1の一端はスイッチ回路105の出力端に接続されており、他端はキャパシタC1を介してグランドに接続されている。また、インダクタンスL1とキャパシタC1との接続ノードはフィルタ回路106の出力端として、同一基板上に形成された内部回路(図示せず)などに接続されている。
【0043】
スイッチ回路105から送出されるパルス状の電圧信号はフィルタ回路106で平滑化されて出力電圧Vintとなる。この出力電圧Vintは前記内部回路(図示せず)に対して供給され、前記内部回路の駆動電圧として利用される。なお、本図ではフィルタ回路106としてLC回路を用いた例を挙げたが、RC回路等どのような構成としてもよい。
【0044】
ここで、出力電圧Vintの大きさはスイッチ回路105から送出されるパルス状電圧信号のデューティ比(パルス幅/パルス周期)、すなわち第1、第2制御信号φ1、φ2のデューティ比を変化させることにより制御することができる。
【0045】
本実施形態の電圧変換回路では、出力パルス信号生成回路100によってパルス幅が一定で、パルス周期が可変である出力パルス信号Doutを生成し、その出力パルス信号Doutのパルス周期を適宜変化させることで、第1、第2制御信号φ1、φ2のデューティ比を制御している。これにより、前記内部回路に供給する駆動電圧(出力電圧Vint)を制御することができる。(以下では、このようなデューティ比制御方式をパルス周期可変方式と呼ぶ。)
【0046】
続いて、上記した出力パルス信号生成回路100の内部構成及び動作について詳細に説明する。本図に示すように、出力パルス信号生成回路100は基準パルス信号生成回路101、第1遅延回路102、及び遅延時間制御回路103から構成されている。
【0047】
基準パルス信号生成回路101はパルス幅一定の基準パルス信号を生成して第1遅延回路102に送出する回路である。第1遅延回路102は前記基準パルス信号を所定時間だけ遅らせた遅延パルス信号を生成する回路であり、基本遅延回路部107、追加遅延回路部108、及び選択回路部109から成る。遅延時間制御回路103は選択回路部109に対して選択信号を送出し、所望の出力電圧Vintが得られるように第1遅延回路102における遅延時間を設定する回路である。なお、遅延時間制御回路103の内部構成及び動作については、後ほど詳細な説明を行う。
【0048】
図2は基準パルス信号生成回路101及び第1遅延回路102の一構成例を示す概略構成図である。まず、第1遅延回路102の内部構成について説明する。第1遅延回路102を構成する基本遅延回路部107は、基準パルス信号生成回路101から入力される前記基準パルス信号に対して所定単位時間のN倍の遅延を与える回路である。また、追加遅延回路部108は基本遅延回路部107の最終出力信号D0に対して所定単位時間のM倍の遅延を与える回路である。
【0049】
なお、本実施形態では基本遅延回路部107及び追加遅延回路部108を構成する単位時間遅延素子として、内部クロック信号ICLKのポジティブエッジをトリガとするDフリップフロップ回路を用いている。このように、基本遅延回路部107及び追加遅延回路部108をフリップフロップ回路によって構成することにより、第1遅延回路102を容易に構成することができる。もちろん、前記単位時間遅延素子はDフリップフロップ回路に限らず、どのようなフリップフロップ回路或いは遅延素子を用いても構わない。
【0050】
基本遅延回路部107は5つのDフリップフロップ回路107a〜107e(以下、FF107a〜107eと呼ぶ)が直列接続されたシフトレジスタ構造(遅延段数N=5)から成っている。従って、FF107a〜107eの各出力端子からは、前記基準パルス信号に対して所定単位時間の1倍〜5倍の遅延が与えられた出力信号DM4〜DM1及びD0がそれぞれ送出される。なお、遅延段数Nは1以上であればよい。
【0051】
また、追加遅延回路部108も5つのDフリップフロップ回路108a〜108e(以下、FF108a〜108eと呼ぶ)が直列接続されたシフトレジスタ構造(遅延段数M=5)から成っている。従って、FF108a〜108eの各出力端子からは、出力信号D0に対して所定単位時間の1倍〜5倍の遅延が与えられた出力信号D1〜D5がそれぞれ送出される。なお、遅延段数Mは1以上であればよい。
【0052】
FF107a〜107e及びFF108a〜108eの各クロック端子には、いずれも同一の内部クロック信号ICLKが入力されているが、この内部クロック信号ICLKとしては、集積回路の外部から供給された外部クロック信号や、前記外部クロック信号を分周することによって生成したクロック信号、或いは集積回路の内部に発振回路を設けることで生成したクロック信号など、どのような手段で生成されたクロック信号を用いても構わない。
【0053】
選択回路部109は遅延時間制御回路103から与えられる選択信号に基づいて、基本遅延回路部107の最終出力信号D0と追加遅延回路部108の各出力信号D1〜D5のうち、いずれか1つの出力信号を遅延パルス信号として選択出力する回路である。
【0054】
図3は選択回路部109の一構成例を示す概略構成図である。本図に示すように、選択回路部109は二入力端子を有するAND回路109a〜109fと、多入力端子を有するOR回路109gから構成されている。
【0055】
AND回路109a〜109fの一入力端子には、基本遅延回路部107の最終出力信号D0と追加遅延回路部108の各出力信号D1〜D5がそれぞれ入力されている。また、AND回路109a〜109fの他入力端子には、遅延時間制御回路103から与えられる選択信号S0〜S5がそれぞれ入力されている。
【0056】
例えば、出力信号D0を遅延パルス信号として選択する場合には、選択信号S0をHレベルとし、その他の選択信号S1〜S5を全てLレベルとすればよい。なお、追加遅延回路部108にパルス信号が流れている時間帯には、選択信号S0〜S5が変化しないように制御されている。
【0057】
一方、OR回路109gの入力端子にはAND回路109a〜109fの各出力信号がそれぞれ入力されており、それらの論理和が選択回路部109によって選択された前記遅延パルス信号となる。なお、前記遅延パルス信号は出力パルス信号Doutとしてスイッチタイミング制御回路104に送出される一方で、基準パルス信号生成回路101にも送出されている。
【0058】
続いて、図2に戻って基準パルス信号生成回路101の内部構成についての説明を行う。基準パルス信号生成回路101は多入力端子を有するNOR回路101aと、二入力端子を有するOR回路101bから構成されている。NOR回路101aの各入力端子には遅延回路102の各出力信号DM4〜DM1及びD0〜D5がそれぞれ入力されており、電圧変換回路の起動時に前記基準パルス信号の初期パルスを立ち上げる機能を有している。
【0059】
また、OR回路101bの一入力端子にはNOR回路101aの出力信号が入力されており、他入力端子には選択回路部109によって選択された前記遅延パルス信号が入力されている。なお、OR回路101bの出力信号は前記基準パルス信号として第1遅延回路102に送出される。
【0060】
続いて、上記構成から成る出力パルス生成回路100の動作について説明する。電圧変換回路の起動時、第1遅延回路102を構成するFF107a〜107e及びFF108a〜108eはリセット信号(図示せず)によって一旦リセットされるので、それらの出力信号DM4〜DM1及びD0〜D5は全てLレベルとなり、出力信号DM4〜DM1及びD0〜D5の論理和否定であるNOR回路101aの出力信号はHレベルとなる。
【0061】
これにより、NOR回路101aの出力信号と、選択回路部109から送出される前記遅延パルス信号の論理和であるOR回路101bの出力信号もHレベルとなるため、第1遅延回路102に入力される前記基準パルス信号の初期パルスが立ち上がる。
【0062】
一方、電圧変換回路の動作時には、NOR回路101aの多入力端子に入力される出力信号DM4〜DM1及びD0〜D5のいずれかがHレベルとなるため、NOR回路101aの出力信号は常にLレベルとなる。従って、OR回路101bは選択回路部109から戻ってくる前記遅延パルス信号をそのまま前記基準パルス信号として第1遅延回路102に送出することになる。
【0063】
上記動作により、基準パルス信号生成回路101では、第1遅延回路102に供給すべきパルス幅一定の基準パルス信号が生成される。なお、前記基準パルス信号と同等のパルス信号が生成可能であれば、基準パルス信号生成回路101をどのような回路構成としても構わない。
【0064】
次に、第1遅延回路102における遅延動作について説明する。図4は第1遅延回路102における遅延動作例を示す信号波形図である。図中の(a)〜(d)には第1遅延回路102から送出される出力パルス信号Doutの一例を示している。なお、ここでは出力パルス信号Doutのパルス幅を1単位時間とし、FF107a〜107e及びFF108a〜108eにおける単位遅延時間も前記パルス幅に合わせて1単位時間としている。
【0065】
まず、図中(a)には、基本遅延回路部107の出力信号D0を遅延パルス信号、すなわち出力パルス信号Doutとして選択した場合の信号波形図が示されている。この場合、第1遅延回路102に入力される前記基準パルス信号の初期パルスP0には、基本遅延回路部107を構成する5つのFF107a〜107eによって5単位時間の遅延が与えられる。従って、出力パルス信号Doutのパルスとしては、初期パルスP0に対して5単位時間の遅延が与えられたパルスP1が現れる。
【0066】
このパルスP1は再び基準パルス信号生成回路101に送出され、前記基準パルス信号として第1遅延回路102に再入力される。以後同様に、第1遅延回路102に入力されるパルスには5単位時間の遅延が与えられ、パルスP2、P3が順々に立ち上がる。従って、出力パルス信号Doutのパルス周期は5単位時間となる。ここで、出力パルス信号Doutの各パルス幅は1単位時間であるので、出力パルス信号Doutのデューティ比は1/5となる。
【0067】
また、図中(b)には、追加遅延回路部108の出力信号D1を出力パルス信号Doutとして選択した場合の信号波形図が示されている。この場合、第1遅延回路102に入力される前記基準パルス信号の初期パルスP0には、基本遅延回路部107を構成する5つのFF107a〜107eによって5単位時間の遅延が与えられた後に、追加遅延回路部108を構成する初段のFF108aによって1単位時間の遅延が与えられる。従って、出力パルス信号Doutのパルスとしては、初期パルスP0に対して(5+1)単位時間の遅延が与えられたパルスP1が現れる。
【0068】
このパルスP1は再び基準パルス信号生成回路101に送出され、前記基準パルス信号として第1遅延回路102に再入力される。以後同様に、第1遅延回路102に入力されるパルスには(5+1)単位時間の遅延が与えられ、パルスP2、P3が順々に立ち上がる。従って、出力パルス信号Doutのパルス周期は6単位時間となる。ここで、出力パルス信号Doutの各パルス幅は1単位時間であるので、出力パルス信号Doutのデューティ比は1/6となる。
【0069】
また、図中(c)には、追加遅延回路部108の出力信号D2を出力パルス信号Doutとして選択した場合の信号波形図が示されている。この場合、出力パルス信号Doutのパルス周期は7となるので、出力パルス信号Doutのデューティ比は1/7となる。同様に、出力パルス信号Doutとして追加遅延回路部108の出力信号D3、D4、D5をそれぞれ選択した場合、各出力パルス信号Doutのデューティ比はそれぞれ1/8、1/9、1/10となる。
【0070】
より一般的な例として、図中(d)には、基本遅延回路部107の遅延段数をN段とし、追加遅延回路部108におけるM段目の出力信号を出力パルス信号Doutとして選択した場合の信号波形図が示されている。この場合、出力パルス信号Doutのパルス周期は(N+M)単位時間となるので、出力パルス信号Doutのデューティ比は1/(N+M)となる。
【0071】
このとき、スイッチタイミング制御回路104において生成される第1、第2制御信号φ1、φ2が、基本的に出力パルス信号Doutを論理否定したパルス信号である場合、電圧変換回路から送出される出力電圧Vintの大きさは、次の(2)式によって求めることができる。
【数2】
Figure 0003574410
【0072】
上記した(2)式より、本実施形態の電圧変換回路に供給される外部電源電圧VDDを3Vとすると、出力パルス信号Doutとして基本遅延回路部107の出力信号D0が選択された場合の出力電圧Vintは0.6Vと算出することができる。同様に、出力パルス信号Doutとして追加遅延回路部108の各出力信号D1〜D5が選択された場合の出力電圧Vintは、順に0.5V、0.43V、0.38V、0.33V、0.3Vと算出することができる。従って、本実施形態の電圧変換回路における出力電圧Vintの可変範囲は0.3V〜0.6Vであり、その単位可変幅は平均60mVであることが分かる。
【0073】
なお、出力電圧Vintの可変上限値は基本遅延回路部107の遅延時間(第1遅延回路102の最短遅延時間)によって設定することができる。また、出力電圧Vintの可変下限値は追加遅延回路部108の最終段遅延時間(第1遅延回路102の最長遅延時間)によって設定することができる。一方、出力電圧Vintの単位可変幅は追加遅延回路部108を構成するFF108a〜108eの各単位遅延時間によって設定することができる。
【0074】
このように、パルス周期可変方式を採用した本実施形態の電圧変換回路であれば、従来のパルス幅可変方式を採用した電圧変換回路のように高速で動作するカウンタ回路等の制御回路を用いることなく、出力電圧Vintの制御を行うことが可能である。よって、従来に比べて電圧変換回路の回路規模縮小や動作周波数低減を図ることができるので、電圧変換回路自体の消費電力を大幅に低減することが可能となり、集積回路全体の低消費電力化に貢献することができる。
【0075】
また、本実施形態の電圧変換回路は、自身の出力電圧Vintをその可変範囲内において離散的に制御する構成である。このような構成とすることにより、電圧変換回路の制御回路(本実施形態の場合、遅延時間制御回路103や選択回路部109等)における制御状態数(すなわち、選択可能な出力電圧値)が削減されるため、制御回路の回路規模を縮小して消費電力の低減を図ることができる。
【0076】
なお、上記に説明した本実施形態の電圧変換回路においては、3Vの外部電源電圧VDDから0.5V駆動の内部回路に対する出力電圧Vintを生成することを想定した構成例が示されている。
【0077】
前述した通り、前記内部回路を構成するデバイスには最適な動作電圧(この場合は0.5V)が存在し、プロセスばらつきや動作環境の変化に対応するとしても、0.5V駆動の内部回路に対して外部電源電圧VDDに近い高電圧(3V付近)を出力する必要が生じることはない。従って、電圧変換を構成する制御回路の回路規模縮小の観点から、出力電圧Vintの可変上限値はできるだけ低く抑えるように構成することが望ましい。
【0078】
例えば、出力電圧Vintの可変上限値を外部電源電圧VDDの1/2以下に設定すれば、電圧変換回路の制御回路(本実施形態の場合、遅延時間制御回路103や選択回路部109等)における制御状態数を従来の半分以下に削減することが可能である。このように、出力電圧Vintの可変上限値を低く抑えることにより、制御回路の回路規模を縮小して消費電力の低減を図ることができる。
【0079】
また、0.5V駆動の内部回路においては、入力される電源電圧が0.4V以下になると動作速度の劣化が大きくなる一方で、該電源電圧が0.6V以上になると動作速度の飽和が生じる。このことから、前記内部回路に対して供給される出力電圧Vintの可変範囲は、プロセスばらつきや動作環境の変化に対応するとしても、最適動作電圧(出力電圧Vintの可変中心値)の±20%程度に制限すればよいことが分かる。
【0080】
上記の例では出力電圧Vintの可変範囲が0.2Vとなり、外部電源電圧VDDの7%弱となる。このように、出力電圧Vintの可変幅を狭く制限することにより、制御回路の回路規模を縮小して消費電力の低減を図ることができる。
【0081】
また、出力電圧Vintの可変上限値を低く抑えること、或いは可変幅を狭く制限することは、電圧変換回路自体の消費電力低減に貢献するだけでなく、パルス周期可変方式のデメリットである出力電圧Vintの変動(リップル)を低減する効果も有している。
【0082】
一般に、出力電圧Vintに生じる電圧変動をリップルと呼ぶが、ここでは便宜的に出力電圧Vintに生じる電圧変動のピーク・トゥ・ピーク値をリップル電圧ΔVと呼ぶことにする。平滑化手段としてLCフィルタ回路を用いた場合のリップル電圧ΔVは、次の(3)式によって求めることができる。
【数3】
Figure 0003574410
【0083】
なお、上記した(3)式中では、前記LCフィルタ回路に入力されるパルス状電圧信号のデューティ比をD、パルス周期をTとしている。また、前記LCフィルタ回路のインダクタンスをL、キャパシタをCとしている。
【0084】
上式より、リップル電圧ΔVの大きさは、前記LCフィルタ回路に入力されるパルス状電圧信号のパルス周期Tの2乗に比例することが分かる。ここで、パルス幅可変方式を採用した電圧変換回路ではパルス周期Tが一定であるため、出力電圧Vintに生じるリップル電圧ΔVはデューティ比Dのみに依存する。一方、パルス周期可変方式を採用した電圧変換回路ではパルス周期Tが可変であるため、出力電圧Vintに生じるリップル電圧ΔVはデューティ比D及びパルス周期Tに依存する。
【0085】
上記したように、リップル電圧ΔVはパルス周期Tの2乗に比例するため、パルス周期Tが長くなるとリップル電圧ΔVは急激に大きくなる傾向を示す。しかし、パルス周期可変方式では出力電圧Vintを下げるためにパルス周期Tを長くする必要があるため、低い出力電圧Vintを得ようとした場合にリップル電圧ΔVが大きくなってしまう。
【0086】
また、パルス周期可変方式を採用した電圧変換回路において、出力電圧Vintの可変範囲を不必要に広く設定すると、出力電圧Vintを可変上限値とした時のパルス周期と、可変下限値とした時のパルス周期との間に大きな差が生じてしまう。そのため、出力電圧Vintを変化させる際に生じるリップル電圧ΔVの変動が大きくなり、出力電圧Vintを精度良く制御することができなくなる。
【0087】
それに対して、本実施形態の電圧変換回路は、出力電圧Vintの可変上限値を低く抑えて可変幅を狭く制限した上で、パルス周期可変方式を用いる構成である。このような構成とすることにより、出力電圧Vintを可変上限値とした時のパルス周期と、可変下限値とした時のパルス周期との差を小さく抑えることができるので、リップル電圧ΔVの変動を実用上問題のないレベルに抑えることが可能となる。また、このような構成とすることにより、パルス周期Tの可変範囲全体をより周期が短くなる方向にシフトできるので、低い出力電圧Vintを得ようとした場合のリップル電圧ΔVを小さく抑えることが可能となる。
【0088】
次に、本発明に係る電圧変換回路の第2実施形態について説明する。図5は本発明に係る電圧変換回路の第2実施形態を示す概略構成図である。本図に示すように、本実施形態の電圧変換回路は、基本的に第1実施形態の電圧変換回路と同様の構成(図1参照)から成る。そこで、第1実施形態と同様の構成及び動作を有する部分については図1と同一の符号を付すことで説明を省略し、以下では本実施形態の特徴部分である出力パルス信号生成回路200について重点を置いた説明を行うことにする。
【0089】
出力パルス信号生成回路200はパルス幅が一定で、パルス周期が可変である出力パルス信号Doutを生成し、その出力パルス信号Doutをスイッチタイミング制御回路104に送出する回路である。本実施形態における出力パルス信号生成回路200は、基準パルス信号生成回路201、第1遅延回路202、遅延時間制御回路203に加えて、第2遅延回路210を有している。
【0090】
基準パルス信号生成回路201は、パルス幅一定の基準パルス信号を生成して第1遅延回路202に送出する回路である。第1遅延回路202は、前記基準パルス信号を所定時間だけ遅らせた遅延パルス信号を生成する回路であり、基本遅延回路部207、追加遅延回路部208、及び選択回路部209から成る。
【0091】
第2遅延回路210は、入力されるパルス信号と、該パルス信号を所定時間だけ遅らせた遅延パルス信号のいずれか一方を選択出力する任意遅延回路部を複数段直列接続して成り、第1遅延回路202の出力信号をさらに所定時間だけ遅らせた遅延パルス信号を生成する回路である。なお、本図では複数段設けられた前記任意遅延回路部のうち、初段(1段目)の任意遅延回路部211と最終段(n段目)の任意遅延回路部212のみを示している。初段の任意遅延回路部211は第1遅延素子213と第1選択部214から成り、最終段の任意遅延回路部212は第n遅延素子215と第n選択部216から成る。
【0092】
遅延時間制御回路203は、第1遅延回路202の選択回路部209、及び第2遅延回路210の第1〜第n選択部214、・・・、216に対してそれぞれ選択信号を送出し、所望の出力電圧Vintが得られるように第1、第2遅延回路202、210における遅延時間の設定を行う回路である。なお、遅延時間制御回路203の内部構成及び動作については、後ほど詳細な説明を行う。
【0093】
図6は基準パルス信号生成回路201、第1遅延回路202、及び第2遅延回路210の一構成例を示す概略構成図である。本図に示すように、基準パルス信号生成回路201は多入力端子を有するNOR回路201aと、二入力端子を有するOR回路201bから構成されており、その構成及び動作は前述の第1実施形態(図2参照)と同様である。そこで、以下では基準パルス信号生成回路201についての説明を省略し、第1遅延回路202及び第2遅延回路210について重点を置いた説明を行う。
【0094】
まず、第1遅延回路202について説明する。第1遅延回路202を構成する基本遅延回路部207は、基準パルス信号生成回路201から入力される前記基準パルス信号に対して所定単位時間のN倍の遅延を与える回路である。また、追加遅延回路部208は基本遅延回路部207の最終出力信号D0に対して所定単位時間のM倍の遅延を与える回路である。
【0095】
なお、本実施形態では基本遅延回路部207及び追加遅延回路部208を構成する単位時間遅延素子として、内部クロック信号ICLKのポジティブエッジをトリガとするDフリップフロップ回路を用いている。このように、基本遅延回路部207及び追加遅延回路部208をフリップフロップ回路によって構成することにより、第1遅延回路202を容易に構成することができる。もちろん、前記単位時間遅延素子はDフリップフロップ回路に限らず、どのようなフリップフロップ回路或いは遅延素子を用いても構わない。
【0096】
基本遅延回路部207は5つのDフリップフロップ回路207a〜207e(以下、FF207a〜207eと呼ぶ)が直列接続されたシフトレジスタ構造(遅延段数N=5)から成っている。従って、FF207a〜207eの各出力端子からは、前記基準パルス信号に対して所定単位時間の1倍〜5倍の遅延が与えられた出力信号DM4〜DM1及びD0がそれぞれ送出される。なお、遅延段数Nは1以上であればよい。
【0097】
また、追加遅延回路部208は2つのDフリップフロップ回路208a、208b(以下、FF208a、208bと呼ぶ)が直列接続されたシフトレジスタ構造(遅延段数M=2)から成っている。従って、FF208a、208bの各出力端子からは、出力信号D0に対して所定単位時間の1倍或いは2倍の遅延が与えられた出力信号D1、D2がそれぞれ送出される。なお、遅延段数Mは1以上であればよい。
【0098】
選択回路部209は、遅延時間制御回路203から与えられる第1選択信号S0、S1、S2に基づいて、基本遅延回路部207の最終出力信号D0と追加遅延回路部208の各出力信号D1、D2のうち、いずれか1つの出力信号を遅延パルス信号として選択出力する回路である。なお、選択回路部209によって選択された前記遅延パルス信号は、第2遅延回路210と基準パルス信号生成回路201にそれぞれ送出される。
【0099】
次に、第2遅延回路210について説明する。前述した通り、第2遅延回路210は、n段(本図ではn=2)の任意遅延回路部211、212が直列接続されて成り、その入力端は第1遅延回路202の出力端(すなわち、選択回路部209の出力端)に接続されている。また、初段(1段目)の任意遅延回路部211は第1遅延素子213と第1選択部214から成り、最終段(2段目)の任意遅延回路部212は第2遅延素子215と第2選択部216から成る。
【0100】
初段の任意遅延回路部211を構成する第1遅延素子213は、第1遅延回路202から出力される遅延パルス信号に対して、さらに所定時間の遅延を与える回路である。なお、第1遅延素子213の遅延時間は、外部からの制御信号によって設定してもよいし、内部で予め設定しておいてもよい。
【0101】
本実施形態の電圧変換回路では、第1遅延素子213として内部クロック信号ICLKのネガティブエッジをトリガとするDNフリップフロップ回路を用いている。従って、第1遅延素子213からは、選択回路部209によって選択された出力信号D0、D1、D2のいずれかに対して、内部クロック信号ICLKの半周期分(所定単位時間の0.5倍)の遅延が与えられた出力信号D01/2、D11/2、D21/2のいずれかが第1選択部214に送出される。
【0102】
初段の任意遅延回路部211を構成する第1選択部214は、遅延時間制御回路203から与えられる第2選択信号SHに基づいて、選択回路部209の出力信号と第1遅延素子213の出力信号のうち、いずれか一方を選択出力する回路である。従って、第1選択部214からは、出力信号D0、D01/2、D1、D11/2、D2、D21/2のいずれかが次段の任意遅延回路部212に送出される。
【0103】
なお、FF207a〜207e、FF208a〜208b、及び第1遅延素子213の各クロック端子には、いずれも同一の内部クロック信号ICLKが入力されているが、この内部クロック信号ICLKとしては、集積回路の外部から供給された外部クロック信号や、前記外部クロック信号を分周することによって生成したクロック信号、或いは集積回路の内部に発振回路を設けることで生成したクロック信号など、どのような手段で生成されたクロック信号を用いても構わない。また、第1遅延素子213はDNフリップフロップ回路に限らず、どのようなフリップフロップ回路或いは遅延素子を用いても構わない。
【0104】
一方、2段目の任意遅延回路部212を構成する第2遅延素子215は、初段の任意遅延回路部211から出力される遅延パルス信号に対して、さらに所定時間の遅延を与える回路である。なお、第2遅延素子215の遅延時間は、外部からの制御信号によって設定してもよいし、内部で予め設定しておいてもよい。
【0105】
本実施形態の電圧変換回路では、第2遅延素子215として内部クロック信号ICLK2のポジティブエッジをトリガとするDフリップフロップ回路を用いている。なお、内部クロック信号ICLK2は、前述した内部クロック信号ICLKの倍速クロック信号であり、その周波数は内部クロック信号ICLKの2倍である。従って、第2遅延素子215からは、第1選択部214によって選択された出力信号D0、D01/2、D1、D11/2、D2、D21/2のいずれかに対し、内部クロック信号ICLKの1/4周期分(所定単位時間の0.25倍)の遅延が与えられた出力信号D01/4、D03/4、D11/4、D13/4、D21/4、D23/4のいずれかが第2選択部216に送出される。
【0106】
2段目の任意遅延回路部212を構成する第2選択部216は、遅延時間制御回路203から与えられる第2選択信号SQに基づいて、第1選択部214の出力信号と第2遅延素子215の出力信号のうち、いずれか一方を選択出力する回路である。従って、第2選択部213からは、出力信号D0、D01/4、D01/2、D03/4、D1、D11/4、D11/2、D13/4、D2、D21/4、D21/2、D23/4のいずれかが、出力パルス信号Doutとして次段のスイッチタイミング制御回路104に送出される。
【0107】
図7は選択回路部209、第1選択部214、及び第2選択部216の一構成例を示す概略構成図である。本図に示すように、選択回路部209は二入力端子を有するAND回路209a〜209cと、多入力端子を有するOR回路209dから構成されている。一方、第1選択部214は二入力端子を有するAND回路214a、214bと、二入力端子を有するOR回路214cから構成されている。同様に、第2選択部216は二入力端子を有するAND回路216a、216bと、二入力端子を有するOR回路216cから構成されている。
【0108】
まず、選択回路部209の構成について説明する。AND回路209a〜209cの一入力端子には、基本遅延回路部207の最終出力信号D0と追加遅延回路部208の各出力信号D1、D2がそれぞれ入力されている。また、AND回路209a〜209cの他入力端子には、遅延時間制御回路203から与えられる第1選択信号S0、S1、S2がそれぞれ入力されている。なお、追加遅延回路部208にパルス信号が流れている時間帯には、第1選択信号S0、S1、S2が変化しないように制御されている。一方、OR回路209dの入力端子にはAND回路209a〜209cの各出力信号がそれぞれ入力されており、それらの論理和が選択選択部209で選択された遅延パルス信号となる。
【0109】
次に、第1選択部214の構成について説明する。AND回路214a、214bの一入力端子には、それぞれ選択回路部209の出力信号と第1遅延素子213の出力信号が入力されている。また、AND回路214a、214bの他入力端子には、遅延時間制御回路203から与えられる第2選択信号SHがそれぞれ入力されている。ただし、AND回路214aには第2選択信号SHが反転入力されている。また、追加遅延回路部208にパルス信号が流れている時間帯には、第2選択信号SHが変化しないように制御されている。一方、OR回路214cの入力端子にはAND回路214a、214bの各出力信号がそれぞれ入力されており、それらの論理和が第1選択部214で選択された遅延パルス信号となる。
【0110】
続いて、第2選択部216の構成について説明する。AND回路216a、216bの一入力端子には、それぞれ第1選択部214の出力信号と第2遅延素子215の出力信号が入力されている。また、AND回路216a、216bの他入力端子には、遅延時間制御回路203から与えられる第2選択信号SQがそれぞれ入力されている。ただし、AND回路216aには第2選択信号SQが反転入力されている。また、追加遅延回路部208にパルス信号が流れている時間帯には、第2選択信号SQが変化しないように制御されている。一方、OR回路216cの入力端子にはAND回路216a、216bの各出力信号がそれぞれ入力されており、それらの論理和が第2選択部216で選択された出力パルス信号Doutとなる。
【0111】
例えば、出力信号D0を出力パルス信号Doutとして選択する場合には、選択回路部209で出力信号D0を選択するとともに、第1、第2選択部214、216で選択回路部209から直接入力される遅延パルス信号を選択すればよい。そのためには、第1選択信号S0をHレベル、その他の第1選択信号S1、S2をLレベルとし、第2選択信号SH、SQをともにLレベルとすればよい。
【0112】
出力信号D0から内部クロック信号ICLKの1/4周期分(所定単位時間の0.25倍)だけ遅れた出力信号D01/4を出力パルス信号Doutとして選択する場合には、選択回路部209で出力信号D0を選択するとともに、第1選択部214で選択回路部209から直接入力される出力信号を選択し、第2選択部216で第2遅延素子215から入力される出力信号を選択すればよい。そのためには、第1選択信号S0をHレベル、その他の第1選択信号S1、S2をLレベルとし、第2選択信号SH、SQをそれぞれLレベル、Hレベルとすればよい。
【0113】
出力信号D0から内部クロック信号ICLKの半周期分(所定単位時間の0.5倍)だけ遅れた出力信号D01/2を出力パルス信号Doutとして選択する場合には、選択回路部209で出力信号D0を選択するとともに、第1選択部214で第1遅延素子213から入力される出力信号を選択し、第2選択部216で第1選択部214から直接入力される出力信号を選択すればよい。そのためには、第1選択信号S0をHレベル、その他の第1選択信号S1、S2をLレベルとし、第2選択信号SH、SQをそれぞれHレベル、Lレベルとすればよい。
【0114】
出力信号D0から内部クロック信号ICLKの3/4周期分(所定単位時間の0.75倍)だけ遅れた出力信号D03/4を出力パルス信号Doutとして選択する場合には、選択回路部209で出力信号D0を選択するとともに、第1選択部214で第1遅延素子213から入力される出力信号を選択し、第2選択部216で第2遅延素子215から入力される出力信号を選択すればよい。そのためには、第1選択信号S0をHレベル、その他の第1選択信号S1、S2をLレベルとし、第2選択信号SH、SQをともにHレベルとすればよい。
【0115】
上記と同様に、第1選択信号S0、S1、S2、及び第2選択信号SH、SQを制御することによって、本実施形態の電圧変換回路では出力パルス信号Doutとして12通りの出力信号D0、D01/4、D01/2、D03/4、D1、D11/4、D11/2、D13/4、D2、D21/4、D21/2、D23/4を選択出力することができる。すなわち、出力パルス信号Doutのデューティ比を1/5〜1/7.75の間で任意に変化させることが可能である。
【0116】
本実施形態の電圧変換回路に供給される外部電源電圧VDDを3Vとすると、前出の(2)式より、出力パルス信号Doutとして基本遅延回路部207の出力信号D0が選択された場合の出力電圧Vintは0.6Vと算出することができる。同様に、出力パルス信号Doutとして各出力信号D01/4〜D23/4が選択された場合の出力電圧Vintは0.55V〜0.39Vと算出することができる。従って、本実施形態の電圧変換回路における出力電圧Vintの可変範囲は0.39V〜0.6Vであり、その単位可変幅は平均19mVであることが分かる。
【0117】
以上に説明した通り、本実施形態の電圧変換回路では、第2遅延回路210の付加という僅かな回路変更により、追加遅延回路部208を構成する遅延素子の個数増大を招くことなく、出力パルス信号Doutの選択候補数を増大させ、出力電圧Vintの単位可変幅を小さくすることができる。これにより、出力電圧Vintの可変精度を大幅に向上することが可能となる。また、追加遅延回路部208を構成する遅延素子の個数を削減したことにより、基準パルス信号生成回路201を構成するNOR回路201aの入力端子数も削減されるので、ここでも回路規模の縮小を図ることができる。
【0118】
なお、本実施形態の電圧変換回路を採用することにより、従来に比べて回路規模の縮小や消費電力の低減を実現できることは言うまでもなく、また第1実施形態の電圧変換回路に比べてこれらの利点が損なわれることもない。
【0119】
続いて、上記した各実施形態の電圧変換回路に設けられるスイッチタイミング制御回路104の内部構成及び動作について説明を行う。図8はスイッチタイミング制御回路104の一構成例を示す概略構成図である。本図に示すように、スイッチタイミング制御回路104は、遅延回路104a、104bと、インバータ回路104cと、二入力端子を有するNOR回路104dとを有している。なお、遅延回路104a、104bにおける各遅延時間DTは同一とされている。
【0120】
出力パルス信号生成回路100(もしくは200)の出力端は、遅延回路104aの入力端とNOR回路104dの一入力端子にそれぞれ接続されている。遅延回路104aの出力端は、遅延回路104bの入力端とインバータ回路104cの入力端子にそれぞれ接続されている。遅延回路104bの出力端はNOR回路104dの他入力端子に接続されている。インバータ回路104cの出力端子はスイッチ回路105を構成するPMOSトランジスタM1のゲートに接続されており、NOR回路104dの出力端子はスイッチ回路105を構成するNMOSトランジスタM2のゲートに接続されている。
【0121】
上記構成から成るスイッチタイミング制御回路104では、出力パルス信号Doutを遅延回路104aで所定時間DTだけ遅らせた出力信号Daをインバータ回路104cで論理否定することにより、第1制御信号φ1が生成されている。また、遅延回路104aの出力信号Daをさらに遅延回路104bで所定時間DTだけ遅らせた出力信号Dbと、出力パルス信号生成回路100(もしくは200)から直接入力される出力パルス信号DoutとをNOR回路104dで論理和否定することにより、第2制御信号φ2が生成されている。
【0122】
図9はスイッチタイミング制御回路104における各信号波形を示すタイミングチャートである。本図からも分かるように、上記構成から成るスイッチタイミング制御回路104では、第1制御信号φ1をLレベルに立ち下げるタイミング(PMOSトランジスタM1をオンさせるタイミング)が、第2制御信号φ2をLレベルに立ち下げるタイミング(NMOSトランジスタM2をオフさせるタイミング)よりも意図的に遅らされている。また、第2制御信号φ2をHレベルに立ち上げるタイミング(NMOSトランジスタM2をオンさせるタイミング)が、第1制御信号φ1をHレベルに立ち上げるタイミング(PMOSトランジスタM1をオフさせるタイミング)よりも意図的に遅らされている。
【0123】
より具体的に言うと、PMOSトランジスタM1がオンとなるのは期間S2のみであり、その他の期間はオフとなる。一方、NMOSトランジスタM2がオンとなるのは期間S0、S0’のみであり、その他の期間はオフとなる。すなわち、期間S1、S1’においてはPMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2がいずれもオフとなっており、PMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2が同時にオンする期間は存在しない。
【0124】
このように、PMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2のオン/オフ制御に際して、一方のMOSトランジスタがオフしてから所定時間経過後に他方のMOSトランジスタをオンさせる構成とすることにより、第1、第2制御信号φ1、φ2を生成する過程でいずれかの制御信号に意図しない遅延が少々生じたとしても、PMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2が同時にオンすることはない。従って、スイッチ回路105に貫通電流が流れることを防止することができるので、余分な電力消費を抑えることが可能となる。
【0125】
次に、上記したスイッチタイミング制御回路104の遅延回路104a、104bをDフリップフロップ回路で構成した場合について説明する。図10はスイッチタイミング制御回路104の別構成例を示す概略構成図である。本図に示すスイッチタイミング制御回路104では、遅延回路104a、104bとしてDフリップフロップ回路104a、104b(以下、FF104a、FF104bと呼ぶ)が採用されている。
【0126】
FF104a、104bの各クロック端子には、それぞれ内部クロック信号ICLK2が入力されている。内部クロック信号ICLK2は、出力パルス信号生成回路100(もしくは200)を駆動する内部クロック信号ICLKの倍速クロック信号であり、その周波数は内部クロック信号ICLKの2倍である。
【0127】
上記構成から成るスイッチタイミング制御回路104では、内部クロック信号ICLKに同期した出力パルス信号DoutをFF104aで内部クロック信号ICLK2の1周期分だけ遅延させ、その出力信号をインバータ回路104cで論理否定することにより、第1制御信号φ1が生成されている。また、FF104aの出力信号をさらにFF104bで内部クロック信号ICLK2の1周期分だけ遅延させた出力信号と、出力パルス信号生成回路100(もしくは200)から直接入力される出力パルス信号DoutとをNOR回路104dで論理和否定することにより、第2制御信号φ2が生成されている。
【0128】
図11はスイッチタイミング制御回路104における各信号波形を示すタイミングチャートである。なお、図中(a)は出力パルス信号Doutが内部クロック信号ICLKのポジティブエッジに同期している場合を示している。また、図中(b)は出力パルス信号Doutが内部クロック信号ICLKのネガティブエッジに同期している場合を示している。
【0129】
本図からも分かるように、上記構成から成るスイッチタイミング制御回路104では、先程と同様、第1制御信号φ1をLレベルに立ち下げるタイミングが、第2制御信号φ2をLレベルに立ち下げるタイミングよりも意図的に遅らされている。また、第2制御信号φ2をHレベルに立ち上げるタイミングが、第1制御信号φ1をHレベルに立ち上げるタイミングよりも意図的に遅らされている。従って、PMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2が同時にオンすることはなく、スイッチ回路105の余分な電力消費を抑えることが可能となる。
【0130】
また、FF104a、104bを、内部クロック信号ICLKの倍速クロック信号である内部クロック信号ICLK2によって駆動することにより、出力パルス信号Doutが内部クロック信号ICLKのポジティブエッジ或いはネガティブエッジのいずれに同期している場合であっても、FF104a、104bにおける遅延時間を内部クロック信号ICLKの半周期分、すなわち内部クロック信号ICLK2の1周期分とすることができる。
【0131】
なお、上記の実施形態では出力パルス信号Doutに遅延を与える遅延回路104a、104bとしてDフリップフロップ回路を用いた例を挙げて説明を行ったが、遅延回路104a、104bとしてはDフリップフロップ回路に限らず、どのようなフリップフロップ回路或いは遅延素子を用いてもよい。
【0132】
続いて、上記した各実施形態の電圧変換回路に設けられる遅延時間制御回路103、203の内部構成及び動作について説明を行う。なお、遅延時間制御回路103、203の基本構成は全く同一であるため、ここでは第2実施形態の遅延時間制御回路203を例に挙げて説明を行うことにする。図12は遅延時間制御回路203の一構成例を示す概略構成図である。
【0133】
前述した通り、遅延時間制御回路203は、出力パルス信号生成回路200を構成する第1遅延回路202の選択回路部209、及び第2遅延回路210の第1〜第n選択部214、・・・、216に対してそれぞれ選択信号を送出し、所望の出力電圧Vintが得られるように第1、第2遅延回路202、210における遅延時間の設定を行う回路である。本図に示すように、遅延時間制御回路203はレプリカ回路501と選択信号生成回路502とを有している。
【0134】
まず、レプリカ回路501について説明する。レプリカ回路501は出力電圧Vintによって動作する内部回路の動作状態を示す動作状態信号を生成する回路であり、動作状態検出パルス生成回路511、クリティカルパス回路512、及びラッチ回路513から構成されている。
【0135】
動作状態検出パルス生成回路511は、出力電圧Vintによって動作する内部回路の動作クロック信号ECLKに同期した動作状態検出パルス信号RPLを生成する回路であり、その動作状態検出パルス信号RPLは次段のクリティカルパス回路512に送出される。
【0136】
クリティカルパス回路512は、前記内部回路のクリティカルパス、すなわち信号の遅延が最も大きいと考えられるパス回路と同等の遅延を行う回路であり、プロセスばらつきや動作環境変化に対応するために、前記内部回路と同一のプロセス技術を用いて作成される。また、クリティカルパス回路512には電源電圧としてフィルタ回路106の出力電圧Vintが印加されている。すなわち、電源供給の対象となる内部回路の駆動電圧がクリティカルパス回路512によってモニタされることになる。
【0137】
ラッチ回路513は、クリティカルパス回路512から出力されたパルス信号を一旦保持する回路であり、その出力信号はレプリカ回路501の動作状態信号として次段の選択信号生成回路502に送出される。
【0138】
続いて、レプリカ回路501の具体的構成及びその動作について説明する。図13はレプリカ回路501の一構成例を示す概略構成図である。まず、動作状態検出パルス生成回路511の内部構成及び動作について説明を行う。本図に示すように、動作状態検出パルス生成回路511は、フリップフロップ回路511a、511b、511c(以下、FF511a、FF511b、511cと呼ぶ)と、二入力端子を有するAND回路511d、511eから構成されている。
【0139】
なお、出力電圧Vintが供給される前記内部回路の動作状態は、出力パルス信号生成回路200を構成する第1、第2遅延回路202、210における出力選択動作の直前に検出すればよい。そこで、本実施形態における動作状態検出パルス生成回路511は、レプリカ回路501の外部から与えられるイネーブル信号Enableがオン(Hレベル)のときに動作するように構成されている。すなわち、上記したFF511a、FF511b、511cはいずれもイネーブル信号Enableがオン(Hレベル)のときに動作する。
【0140】
FF511aは動作クロック信号ECLKのポジティブエッジをトリガとして動作するDフリップフロップ回路であり、そのデータ入力端子には信号REが入力されている。従って、FF511aから出力される動作状態検出パルス信号RPLは、信号REを動作クロック信号ECLKの1周期分だけ遅延した信号となる。これにより、動作状態検出パルス信号RPLは動作クロック信号ECLKに同期するため、前記内部回路の動作状態検出動作を高精度に行うことができる。なお、FF511aに入力される信号REは、イネーブル信号Enableがオン(Hレベル)のときに所定期間だけオン(Hレベル)となる信号である。この信号REについては後ほど詳細に説明する。
【0141】
FF511aの出力端子はクリティカルパス回路512の入力端、FF511b、511cの各データ入力端子、及びAND回路511d、511eの各一入力端子にそれぞれ接続されている。
【0142】
FF511bは動作クロック信号ECLKのネガティブエッジをトリガとして動作するDNフリップフロップ回路であり、その出力信号N1はFF511aの出力信号RPLを動作クロック信号ECLKの半周期分だけ遅延して反転した信号となる。なお、FF511bの出力信号N1はAND回路511dの他入力端子に対して送出される。
【0143】
FF511cは動作クロック信号ECLKのポジティブエッジをトリガとして動作するDフリップフロップ回路であり、その出力信号N2はFF511aの出力信号RPLを動作クロック信号ECLKの1周期分だけ遅延して反転した信号となる。なお、FF511cの出力信号N2はAND回路511eの他入力端子に対して送出される。
【0144】
AND回路511dは、出力信号N1と動作状態検出パルス信号RPLとの論理積演算を行うことで評価パルス信号EV1を生成する回路である。また、AND回路511eは、出力信号N2と動作状態検出パルス信号RPLとの論理積演算を行うことで評価パルス信号EV2を生成する回路である。これらの評価パルス信号EV1、EV2はそれぞれ後段のラッチ回路513の動作を制御するトリガ信号として用いられる。
【0145】
次に、上記構成から成る動作状態検出パルス生成回路511の動作について説明する。図14は動作状態検出パルス生成回路511における各信号波形を示すタイミングチャートである。ここでは、イネーブル信号Enableが前記内部回路の動作クロック信号ECLKの16周期分だけオン(Hレベル)となる例を挙げて説明を行う。
【0146】
本図に示すように、本実施形態の信号REはイネーブル信号Enableの1/8分周信号に相当するパルス信号であり、FF511aから出力される動作状態検出パルス信号RPLは、該信号REをイネーブル信号Enableの1周期分だけ遅らせたパルス信号である。このような動作状態検出パルス信号RPLから評価パルス信号EV1、EV2を生成することにより、イネーブル信号Enableがオンしている期間に生成される評価パルス信号EV1、EV2をそれぞれ1つに限定でき、レプリカ回路501の不要な動作を抑えることができる。
【0147】
また、前述した通り、FF511bの出力信号N1は動作状態検出パルス信号RPLを動作クロック信号ECLKの半周期分だけ遅延して反転したパルス信号であり、FF511cの出力信号N2は動作状態検出パルス信号RPLを動作クロック信号ECLKの1周期分だけ遅延して反転したパルス信号である。従って、AND回路511dによって生成される評価パルス信号EV1のパルス幅は動作クロック信号ECLKの半周期分に相当し、AND回路511eによって生成される評価パルス信号EV2のパルス幅は動作クロック信号ECLKの1周期分に相当する。
【0148】
続いて、図13に戻ってクリティカルパス回路512の内部構成及び動作について説明を行う。前述した通り、クリティカルパス回路512はフィルタ回路106から送出される出力電圧Vintによって駆動される回路であり、その内部信号のHレベルは出力電圧Vintとなる。そこで、電源電圧VDDによって駆動される動作状態検出パルス生成回路511やラッチ回路513との間で入出力信号の電圧レベルを一致させるために、クリティカルパス回路512の入力段には降圧レベルシフタ514が設けられており、出力段には昇圧レベルシフタ515a、515bが設けられている。
【0149】
ここで、本図に示すレプリカ回路501は、自身を構成するクリティカルパス回路512が所定時間内(前記内部回路を駆動させる動作クロック信号ECLKの1周期分以内)にパルス信号を出力できるか否かをモニタし、そのモニタ結果に応じて前記内部回路の動作状態が「速度超過状態(以下、動作状態Fastと呼ぶ)」、「動作可能状態(以下、動作状態OKと呼ぶ)」、「危険状態(以下、動作状態Warnと呼ぶ)」、「動作不可状態(以下、動作状態NGと呼ぶ)」のいずれであるかを判断する回路である。
【0150】
上記した4つの動作状態を検出するために、クリティカルパス回路512は前半クリティカルパス回路516と後半クリティカルパス回路517の2つに分割されている。ここで、前半クリティカルパス回路516と後半クリティカルパス回路517の各遅延時間は、クリティカルパス回路512全体の遅延時間を1として、それぞれ0.5+α、0.5−αとされている。つまり、前半クリティカルパス回路516の遅延時間が後半クリティカルパス回路517の遅延時間よりも若干長くなるように分割されている。
【0151】
なお、クリティカルパス回路512を構成する回路としては、複数個のインバータ回路が直列接続されたインバータチェーンが好適であるが、インバータ回路の代わりにNAND回路やNOR回路を用いてもよい。
【0152】
動作状態検出パルス生成回路511から送出される動作状態検出パルス信号RPLは、降圧レベルシフタ514を介して前半クリティカルパス回路516に入力される。前半クリティカルパス回路516の出力信号は後半クリティカルパス回路517に送出される一方で、昇圧レベルシフタ515aを介して出力信号RAとされ、ラッチ回路513に送出される。また、後半クリティカルパス回路517の出力信号は昇圧レベルシフタ515bを介して出力信号RBとされ、ラッチ回路513に送出される。
【0153】
続いて、ラッチ回路513の内部構成及び動作について説明を行う。ラッチ回路513は、動作状態検出パルス生成回路511から送出される評価パルス信号EV1のネガティブエッジをトリガとするDNフリップフロップ回路513a、513b(以下、FF513a、FF513bと呼ぶ)と、評価パルス信号EV2のネガティブエッジをトリガとするDNフリップフロップ回路513c(以下、FF513cと呼ぶ)とを有している。なお、FF513aのデータ入力端子には昇圧レベルシフタ515aからの出力信号RAが入力されており、FF513b、FF513cの各データ入力端子には昇圧レベルシフタ515bからの出力信号RBが入力されている。
【0154】
従って、ラッチ回路513aによって出力信号RAを評価パルス信号EV1のネガティブエッジでラッチした信号LA、ラッチ回路513bによって出力信号RBを評価パルス信号EV1のネガティブエッジでラッチした信号LB、及びラッチ回路513cによって信号RBをパルス信号EV2のネガティブエッジでラッチした信号LCが、最終的にレプリカ回路501から次段の選択信号生成回路502に送出される動作状態信号LA、LB、LCとなる。
【0155】
なお、出力電圧Vintが供給される前記内部回路の動作状態は、出力パルス信号生成回路200を構成する第1、第2遅延回路202、210における出力選択動作の直前に検出すればよい。そこで、本実施形態におけるラッチ回路513は、レプリカ回路501の外部から与えられるイネーブル信号Enableがオン(Hレベル)のときに動作するように構成されている。すなわち、上記したFF513a、FF513b、513cはいずれもイネーブル信号Enableがオン(Hレベル)のときに動作する。
【0156】
上記構成から成るレプリカ回路501の動作について説明する。図15はレプリカ回路501における各信号波形を示すタイミングチャートである。なお、以下では評価パルス信号EV1のパルス幅(動作クロック信号ECLKの半周期分)を第1所定動作時間t、パルス信号EV2のパルス幅(動作クロック信号ECLKの1周期分)を第2所定動作時間tとし、また前半クリティカルパス回路516の遅延時間を第1動作時間d、クリティカルパス回路512全体の遅延時間を第2動作時間dとして説明を行うことにする。
【0157】
図中のパターンAは、出力信号RAがラッチ回路513aでHレベルにラッチされ、出力信号RBがラッチ回路513b、513cでそれぞれHレベルにラッチされた場合を示している。すなわち、第2動作時間dが第1所定動作時間tよりも短い場合を示している。この場合、クリティカルパス回路512全体は動作クロック信号ECLKの半周期分以内の遅延時間で動作しており、出力電圧Vintによって駆動する内部回路は充分過ぎるほど高速に動作している状態であると考えられる。従って、レプリカ回路501の動作状態信号LA、LB、LCが全てHレベルとなる場合を動作状態Fastと判断する。
【0158】
図中のパターンBは、出力信号RAがラッチ回路513aでHレベルにラッチされ、出力信号RBがラッチ回路513b、513cでそれぞれLレベル、Hレベルにラッチされた場合を示している。すなわち、第1動作時間dは第1所定動作時間tよりも短く、第2動作時間dは第1所定動作時間tよりも長いが第2所定動作時間tよりも短い場合を示している。この場合、前半クリティカルパス回路516は動作クロック信号ECLKの半周期分以内の遅延時間で動作しており、クリティカルパス回路512全体は動作クロック信号ECLKの半周期分より長いが1周期分より短い遅延時間で動作している。この状態は出力電圧Vintによって駆動する内部回路が適正速度で動作している状態であると考えられる。従って、レプリカ回路501の動作状態信号LA、LB、LCがそれぞれHレベル、Lレベル、Hレベルとなる場合を動作状態OKと判断する。
【0159】
図中のパターンCは、出力信号RAがラッチ回路513aでLレベルにラッチされ、出力信号RBがラッチ回路513b、513cでそれぞれLレベル、Hレベルにラッチされた場合を示している。すなわち、第1動作時間dは第1所定動作時間tよりも長いが、第2動作時間dは第2所定動作時間tよりも短い場合を示している。この場合、前半クリティカルパス回路516の遅延時間は動作クロック信号ECLKの半周期分以内に収まらないが、クリティカルパス回路512全体としては動作クロック信号ECLKの1周期分より短い遅延時間で動作している。この状態は出力電圧Vintによって駆動する内部回路の動作速度に余裕がない状態であり、わずかな環境変化等により動作しなくなる可能性が高い状態であると考えられる。従って、レプリカ回路501の動作状態信号LA、LB、LCがそれぞれLレベル、Lレベル、Hレベルとなる場合を動作状態Warnと判断する。
【0160】
図中のパターンDは、出力信号RAがラッチ回路513aでLレベルにラッチされ、出力信号RBがラッチ回路513b、513cでそれぞれLレベルにラッチされた場合を示している。すなわち、第2動作時間dが第2所定動作時間tよりも長い場合を示している。この場合、クリティカルパス回路512全体の遅延時間が動作クロック信号ECLKの1周期分を越えるので、出力電圧Vintによって駆動する内部回路は動作しない可能性が極めて高い状態であると考えられる。従って、レプリカ回路501の動作状態信号LA、LB、LCが全てLレベルとなる場合を動作状態NGと判断する。
【0161】
以上のように、レプリカ回路501の動作状態信号LA、LB、LCの組み合わせにより4つの動作状態を表すことができる。図16はレプリカ回路501における動作状態信号LA、LB、LCと内部回路の動作状態との関係を示す表である。このように、クリティカルパス回路512の動作状態を4つ(Fast、OK、Warn、NG)に分類することによって、出力電圧Vintによって駆動する内部回路の動作状態をきめ細かく検知することが可能となる。従って、いかなるプロセスばらつきや環境変化にも適切に対応でき、最適な出力電圧Vintの供給を行うことで集積回路全体の低消費電力化に貢献することができる。
【0162】
なお、図15で示されていない動作状態信号LA、LB、LCの組み合わせ(例えば、動作状態信号LA、LB、LCがそれぞれLレベル、Hレベル、Lレベル)となる場合は、クリティカルパス回路512自体が適切に動作していない可能性が極めて高い状態であると考えられる。従って、動作状態信号LA、LB、LCの組み合わせが図15で示されていない組み合わせとなる場合を動作状態(NG)と判断する。このような動作状態検出を行うことにより、前記内部回路をより安定して動作させることが可能となる。また、レプリカ回路501の故障等を早期に発見できるので、迅速な善後処置を施すことが可能となる。
【0163】
次に、選択信号生成回路502について説明を行う。選択信号生成回路502は、レプリカ回路501から入力される動作状態信号LA、LB、LCに基づいて、出力パルス信号生成回路200を構成する第1遅延回路202の選択回路部209、及び第2遅延回路210の第1〜第n選択部214、・・・、216に対する選択信号を生成する回路である。
【0164】
例えば、動作状態信号LA、LB、LCが動作状態Fastを示す場合、選択信号生成回路502は出力電圧Vintを現在値から1段階下げる、すなわち第1、第2遅延回路202、210における遅延時間を現在値から1段階長くするような選択信号を生成する。また、動作状態信号LA、LB、LCが動作状態OKを示す場合、選択信号生成回路502は出力電圧Vintを現在値に維持する、すなわち前記遅延時間を現在値に維持するような選択信号を生成する。一方、動作状態信号LA、LB、LCが動作状態Warnもしくは動作状態NGを示す場合、選択信号生成回路502は出力電圧Vintを現在値から1段階上げる、すなわち前記遅延時間を現在値から1段階短くするような選択信号を生成する。
【0165】
上記に説明した各実施形態の電圧変換回路では、第1遅延回路202或いは第2遅延回路210における遅延時間を増減することで出力電圧Vintを変化させている。このとき、出力電圧Vintの可変幅(すなわち、前記遅延時間の可変幅)が大きいと、前記遅延時間を1段階上下しただけで動作状態OKや動作状態Warnの範囲を飛び越えてしまう可能性がある。そのため、出力電圧Vintの可変幅はできるだけ小さいことが望ましい。
【0166】
一方、出力電圧Vintの可変幅が十分小さい場合、動作状態OKや動作状態Warnの範囲内には選択可能な出力電圧Vintが複数存在する可能性がある。このような場合、出力電圧Vintによって駆動される内部回路を安定動作させつつその消費電力を最小とするためには、動作状態OKとなる複数の出力電圧Vintのうち、最も低い出力電圧Vintを選択すればよい。
【0167】
そこで、本実施形態の選択信号生成回路502は、レプリカ回路501から送出される動作状態信号LA、LB、LCが動作状態OKを示す場合であっても、さらに出力電圧Vintを下げ得るか否か、すなわち前記遅延時間をさらに長くできるか否かの判定を行い、動作状態OKとなる最小の出力電圧Vintを求める構成となっている。
【0168】
以上の検討に基づいた選択信号生成回路502の具体的な構成例を図17に示す。図17は選択信号生成回路502の一構成例を示す概略構成図である。本図に示すように、選択信号生成回路502は係数生成回路601と、4ビット加算器602と、4ビットレジスタ603と、デコーダ回路604と、2ビットレジスタ605と、カウンタ回路606とを備えている。
【0169】
係数生成回路601は、レプリカ回路501から入力される動作状態信号LA、LB、LCと、第2選択信号SH、SQと、第2選択信号SH、SQを所定時間だけ遅らせた遅延信号SHD、SQDに基づいて、4ビット信号COEFを生成する回路である。また、係数生成回路601には上記信号の他にも、出力パルス信号生成回路200から送出される信号REPENBや、カウンタ回路606から送出される信号REがそれぞれ入力されている。
【0170】
なお、上記した信号REPENBは出力パルス信号生成回路200を構成する第1、第2遅延回路202、210における出力選択動作の直前に立ち上がる周期信号であり、例えば第1遅延回路202を構成する基本遅延回路部207の出力信号DM1(図6参照)を用いればよい。また、信号REは信号REPENBの分周信号に相当する。
【0171】
4ビット加算器602は、係数生成回路601で生成された4ビット信号COEFと、前回の選択信号を示す数値を記憶した4ビットレジスタ603の出力信号CNTとに基づいて、新しい選択信号を示す数値を計算する回路である。
【0172】
4ビットレジスタ603は、4ビット加算器602の出力信号を一旦保持する回路であり、信号REPENBのネガティブエッジをトリガとして動作する4個のDNフリップフロップ回路(図示せず)から構成されている。
【0173】
なお、本実施形態における電圧変換回路の起動時、4ビットレジスタ603を構成するDNフリップフロップ回路はいずれもリセット信号(図示せず)によって一旦Lレベルにリセットされる。このとき、デコーダ回路604から送出される第1選択信号S0はHレベルとなり、それ以外の第1選択信号S1、S2はともにLレベルとなる。また、第2選択信号SH、SQもともにLレベルとなる。
【0174】
つまり、本実施形態における電圧変換回路の起動時には、出力パルス信号生成回路200の出力パルス信号Doutとして、第1、第2遅延回路202、210における遅延時間を最短とする出力信号D0が選択される。その結果、出力電圧Vintは可変上限値となるので、出力電圧Vintが供給される内部回路は前記電圧変換回路の起動時にも確実に動作することができる。
【0175】
デコーダ回路604は、4ビットレジスタ603の出力信号CNTの上位2ビット(CNT[3:2])をデコードすることで第1選択信号S0、S1、S2を生成し、出力パルス信号生成回路200の選択回路部209に対して送出する回路である。このとき、デコーダ回路604は4ビットレジスタ603が保持する10進表記で「0」〜「2」を示す2ビット信号(「00」〜「10」)を、第1選択信号S0、S1、S2にそれぞれ対応する3ビット信号(「100」〜「001」)に変換する。
【0176】
一方、第2選択信号SHとしては4ビットレジスタの出力信号CNTの下から2ビット目(CNT[1])をそのまま用いることができ、第2選択信号SQとしては出力信号CNTの最下位ビット(CNT[0])をそのまま用いることができる。これらの第2選択信号SH、SQは、出力パルス信号生成回路200の第2遅延回路210を構成する第1、第2選択部214、216にそれぞれ送出される一方で、係数生成回路601や2ビットレジスタ605にも送出される。
【0177】
2ビットレジスタ605は、第2選択信号SH、SQを一旦保持する回路であり、信号REPENBのネガティブエッジをトリガとして動作する2個のDNフリップフロップ回路605a、605b(以下、FF605a、FF605bと呼ぶ)から構成されている。なお、FF605a、605bは第2選択信号SH、SQの遅延信号SHD、SQDをそれぞれ係数生成回路601に送出する。
【0178】
カウンタ回路606は、信号REPENBをカウントすることにより、信号REPENBの分周信号に相当する信号REを生成し、その信号REをレプリカ回路501及び係数生成回路601に対して送出する。
【0179】
続いて、係数生成回路601の内部構成及びその動作について説明する。図18は係数生成回路601の一構成例を示す概略構成図である。本図に示すように、係数生成回路601はフラグ信号生成回路607と、係数選択信号生成回路608と、4ビット減算器609と、インクリメンタ610と、デクリメンタ611と、セレクタ612とを備えている。
【0180】
フラグ信号生成回路607は、レプリカ回路501から入力される動作状態信号LA、LB、LCに基づいてフラグ信号WFを生成する回路である。フラグ信号生成回路607は、動作状態信号LA、LB、LCが動作状態Warnを示す場合にフラグ信号WFをEnable(Hレベル)とし、動作状態信号LA、LB、LCが動作状態Fastを示す場合にフラグ信号WFをDisable(Lレベル)とする。また、動作状態信号LA、LB、LCが動作状態Warn及び動作状態Fast以外を示す場合にはフラグ信号WFを現在値に維持する。なお、フラグ信号WFは出力パルス信号生成回路200から入力される信号REPENBに同期して決定すればよい。
【0181】
図19はフラグ信号生成回路607に実装される論理回路の真理値表である。本図に示す真理値表を論理回路としてフラグ信号生成回路607に実装することにより、上記したフラグ信号WFの生成動作を実現することができる。なお、図中のWFとは、1周期前に決定されたフラグ信号WFの値であり、フラグ信号WFを現在値に維持することを示している。
【0182】
係数選択信号生成回路608は、レプリカ回路501から入力される動作状態信号LA、LB、LCと、フラグ信号生成回路607から入力されるフラグ信号WFに基づいて、セレクタ612における係数選択動作を制御するための係数選択信号SCを生成する回路である。なお、係数選択信号SCはカウンタ回路606から入力される信号REに同期して決定すればよい。
【0183】
セレクタ612は上記した係数選択信号SCに基づいて、出力電圧Vintを現在値に維持するための係数COMP、出力電圧Vintを現在値より1段下げるための係数COMPD、及び出力電圧Vintを現在値より1段上げるための係数COMPUのいずれか1つを選択し、4ビット信号COEFとして4ビット加算器602に送出する。
【0184】
係数COMPが4ビット信号COEFとして選択された場合、出力パルス信号生成回路200を構成する第1、第2遅延回路202、210の遅延時間が現在値に維持されるため、出力電圧Vintも現在値に維持される。係数COMPDが4ビット信号COEFとして選択された場合、前記遅延時間が現在値より1段長くなるため、出力電圧Vintは現在値より1段下がる。係数COMPUが4ビット信号COEFとして選択された場合、前記遅延時間が現在値より1段短くなるため、出力電圧Vintは現在値より1段上がる。
【0185】
係数選択信号生成回路608及びセレクタ612の動作について、さらに詳細に説明する。レプリカ回路501から入力される動作状態信号LA、LB、LCが動作状態Warn、NG、(NG)のいずれかを示す場合、係数選択信号生成回路608はフラグ信号WFの値に関わらず、出力電圧Vintを現在値より1段上げるための係数選択信号SCを生成する。セレクタ612はこの係数選択信号SCに基づいて係数COMPUを選択する。
【0186】
動作状態信号LA、LB、LCが動作状態OKを示し、かつフラグ信号WFがDisable(Lレベル)である場合、係数選択信号生成回路608は出力電圧Vintを現在値より1段下げるための係数選択信号SCを生成する。セレクタ612はこの係数選択信号SCに基づいて係数COMPDを選択する。
【0187】
動作状態信号LA、LB、LCが動作状態OKを示し、かつフラグ信号WFがEnable(Hレベル)である場合、係数選択信号生成回路608は出力電圧Vintを現在値に維持するための係数選択信号SCを生成する。セレクタ612はこの係数選択信号SCに基づいて係数COMPを選択する。
【0188】
動作状態信号LA、LB、LCが動作状態Fastを示す場合、係数選択信号生成回路608はフラグ信号WFの値に関わらず、出力電圧Vintを現在値より1段下げるための係数選択信号SCを生成する。セレクタ612はこの係数選択信号SCに基づいて係数COMPDを選択する。
【0189】
図20は係数選択信号生成回路608に実装される論理回路の真理値表である。本図に示す真理値表を論理回路として係数選択信号生成回路608に実装することにより、上記した係数選択信号SCの生成動作を実現することができる。
【0190】
続いて、フラグ信号生成回路607及び係数選択信号生成回路608による出力電圧Vintの具体的な制御動作について説明する。
【0191】
今、電源電圧回路の出力電圧Vintが低すぎることにより、レプリカ回路501が動作状態NGを示している場合を考える。この場合、係数選択信号生成回路608はフラグ信号WFの値に関わらず、出力電圧Vintを現在値より1段上げるための係数選択信号SCを生成する。これにより出力電圧Vintは徐々に上昇されるため、レプリカ回路501が示す動作状態はNGからWarnを経てOKへと変遷する。ここで、動作状態OKとなった時点でのフラグ信号WFは、動作状態Warnを経ているためにEnable(Hレベル)となっている。従って、動作状態OKとなった時点で係数選択信号生成回路608は出力電圧Vintを現在値に維持するための係数選択信号SCを生成するので、それ以上不必要に出力電圧Vintが上げられることはない。
【0192】
一方、電源電圧回路の出力電圧Vintが高すぎることにより、レプリカ回路501が動作状態Fastを示している場合を考える。このとき、フラグ信号WFはDisable(Lレベル)となる。この場合、係数選択信号生成回路608はフラグ信号WFの値に関わらず、出力電圧Vintを現在値より1段下げるための係数選択信号SCを生成する。これにより出力電圧Vintは徐々に下げられていくため、レプリカ回路501が示す動作状態はFastからOKへと変遷する。ここで、動作状態OKとなった時点でのフラグ信号WFは、動作状態Warnを経ていないためにDisable(Lレベル)のままである。従って、出力電圧Vintはさらに引き下げられ、動作状態はOKからWarnへと変遷する。
【0193】
前述した通り、動作状態がWarnとなった時点で、係数選択信号生成回路608は出力電圧Vintを現在値より1段上げるための係数選択信号SCを生成する。これによりレプリカ回路501が示す動作状態は再びOKとなる。ここで、動作状態OKとなった時点でのフラグ信号WFは、動作状態Warnを経ているためにEnable(Hレベル)となっている。従って、動作状態OKとなった時点で係数選択信号生成回路608は出力電圧Vintを現在値に維持するための係数選択信号SCを生成するので、それ以上不必要に出力電圧Vintが上げられることはない。
【0194】
このような出力電圧Vintの制御を行うことにより、動作状態OKとなる複数の出力電圧Vintのうち、最も低い出力電圧Vintを選択することができるため、出力電圧Vintによって駆動される内部回路を安定動作させつつ、その消費電力を最小とすることが可能となる。
【0195】
なお、上記したフラグ信号WFによる判定を行うことなく、動作状態OKでは常に出力電圧Vintを下げようとする構成とした場合には、レプリカ回路501によって示される動作状態がWarnとOKとの間で交互に繰り返されることになる。このような構成では出力電圧Vintが上下してしまうため、内部回路の動作が不安定となるおそれがある。
【0196】
次に、4ビット減算器609、インクリメンタ610、及びデクリメンタ611にて生成される係数COMP、COMPD、COMPUについて説明する。前述した通り、これらの係数COMP、COMPD、COMPUは、出力パルス信号生成回路200を構成する第1、第2遅延回路202、210の遅延時間を現在値に維持したり、現在値から1段階ずつ上下させたりするために用いられる。
【0197】
インクリメンタ610は4ビット減算器609から送出される係数COMPの値に1を加えることで係数COMPDを生成し、デクリメンタ611は4ビット減算器609から送出される係数COMPの値から1を減じることで係数COMPUを生成する。前述した通り、出力電圧Vintを現在値より1段下げるためには係数COMPDが4ビット信号COEFとして選択され、出力電圧Vintを現在値より1段上げるためには係数COMPUが4ビット信号COEFとして選択される。
【0198】
一方、出力パルス信号生成回路200を構成する第1、第2遅延回路202、210の遅延時間を現在値に維持する場合には、4ビット減算器609から送出される係数COMPがセレクタ612によって選択される。ただし、出力パルス信号生成回路200から送出される出力パルス信号Doutのパルス周期を一定に保つためには、係数COMPに対して所定の補正を施す必要がある。
【0199】
図21は係数COMPに対する補正動作の一例を示す図である。図中(a)は内部クロック信号ICLK、ICLK2と、第1、第2遅延回路202、210の各出力パルス信号を示したタイミングチャートである。なお、本図では第2遅延回路210から出力される出力パルス信号Doutのパルス周期を内部クロック信号ICLKの5.25clk相当に維持する場合を例に挙げて説明を行う。
【0200】
また、図中(b)は4ビット信号COEF(すなわち係数COMP)の算出動作を示しており、4ビット信号COEF、信号CNT、及び信号CNTをそれぞれ2進数表現(例えば(0000)b)で記述している。なお、図中の信号CNTとは、1周期前に決定された信号CNTの値である。
【0201】
まず、図中の状態(1)について説明する。本図に示した状態(1)よりも1周期前の出力パルス信号Doutとして、第1遅延回路202の出力信号D0(図示せず)がそのまま選択されていたと仮定すると、状態(1)における信号CNTは(0000)bである。このとき、1周期前の出力パルス信号Dout(D0)と、これから出力しようとする出力パルス信号Doutとの間に内部クロック信号ICLKの5.25clkに相当する遅延を挿入するには、第1遅延回路202の出力信号D0を0.25clkだけ遅らせた遅延パルス信号D01/4を出力パルス信号Doutとして選択すればよい。つまり、4ビット信号COEFを(0001)bとすることで4ビット加算器602から送出される信号CNTを(0001)bとすればよい。
【0202】
次に、図中の状態(2)について説明する。状態(1)では出力パルス信号Doutとして遅延パルス信号D01/4が選択されていることから、状態(2)における信号CNTは(0001)bである。このとき、1周期前の出力パルス信号Dout(D01/4)と、これから出力しようとする出力パルス信号Doutとの間に内部クロック信号ICLKの5.25clkに相当する遅延を挿入するには、第1遅延回路202の出力信号D0を0.5clkだけ遅らせた遅延パルス信号D01/2を出力パルス信号Doutとして選択すればよい。この場合、信号CNTの期待値は(0010)bであるため、4ビット信号COEFとして選択される係数COMPを(0001)b、つまり+1にすればよい。
【0203】
次に、図中の状態(3)について説明する。状態(2)では出力パルス信号Doutとして遅延パルス信号D01/2が選択されていることから、状態(3)における信号CNTは(0010)bである。このとき、1周期前の出力パルス信号Dout(D01/2)と、これから出力しようとする出力パルス信号Doutとの間に内部クロック信号ICLKの5.25clkに相当する遅延を挿入するには、第1遅延回路202の出力信号D0を0.75clkだけ遅らせた遅延パルス信号D03/4を出力パルス信号Doutとして選択すればよい。この場合、信号CNTの期待値は(0011)bであるため、4ビット信号COEFとして選択される係数COMPを(0001)b、つまり+1にすればよい。
【0204】
次に、図中の状態(4)について説明する。状態(3)では出力パルス信号Doutとして遅延パルス信号D03/4が選択されていることから、状態(4)における信号CNTは(0011)bである。このとき、1周期前の出力パルス信号Dout(D03/4)と、これから出力しようとする出力パルス信号Doutとの間に内部クロック信号ICLKの5.25clkに相当する遅延を挿入するには、第1遅延回路202の出力信号D0を1clkだけ遅らせた遅延パルス信号D1を出力パルス信号Doutとして選択すればよい。この場合、信号CNTの期待値は(0100)bであるため、4ビット信号COEFとして選択される係数COMPを(0001)b、つまり+1にすればよい。
【0205】
次に、図中の状態(5)について説明する。状態(4)では出力パルス信号Doutとして遅延パルス信号D1が選択されていることから、状態(5)における信号CNTは(0100)bである。このとき、1周期前の出力パルス信号Dout(D1)と、これから出力しようとする出力パルス信号Doutとの間に内部クロック信号ICLKの5.25clkに相当する遅延を挿入するには、第1遅延回路202の出力信号D0を0.25clkだけ遅らせた遅延パルス信号D01/4を出力パルス信号Doutとして選択すればよい。この場合、信号CNTの期待値は(0001)bであるため、4ビット信号COEFとして選択される係数COMPを(1101)b、つまり−3にすればよい。
【0206】
このように、4ビット信号COEFとして選択される係数COMPを補正することにより、信号CNTの実際値を期待値と一致させることができ、出力パルス信号生成回路200から送出される出力パルス信号Doutのパルス周期を一定に保つことが可能となる。
【0207】
続いて、上記動作における係数COMPの生成について述べる。図中(b)に示される通り、ある状態における係数CNT、CNTの下位2ビットを取り出してそれぞれ4ビットに拡張し、その拡張された係数CNTから係数CNTを減じることによって、次の状態における4ビット信号COEF(すなわち係数COMP)を算出することができる。
【0208】
ここで、上記した係数CNTの下位2ビットとは、4ビットレジスタ603から送出される第2選択信号SH、SQに相当する。また、係数CNTの下位2ビットとは、2ビットレジスタ605によって第2選択信号SH、SQを所定時間だけ遅らせた遅延信号SHD、SQDに相当する。
【0209】
従って、係数生成回路601を構成する4ビット減算器609は、上位2ビットに”00”を付加することで4ビットに拡張された第2選択信号SH、SQから、同じく上位2ビットに”00”を付加することで4ビットに拡張された遅延信号SHD、SQDを減ずることにより、次の状態における4ビット信号COEF(すなわち係数COMP)を生成する。図22は第2選択信号SH、SQと、遅延信号SHD、SQDと、係数COMPとの関係を示した表である。
【0210】
なお、上記では第2実施形態の電圧変換回路に設けられる遅延時間制御回路203を例に挙げて説明を行ったが、第1実施形態の電圧変換回路でも上記と同様の構成から成る遅延時間制御回路103によって、第1選択信号S0〜S5を生成することができる。
【0211】
次に、本発明に係る電圧変換回路の第3実施形態について説明する。図23は本発明に係る電圧変換回路の第3実施形態を示す概略構成図である。本図に示すように、本実施形態の電圧変換回路は、基本的に前述した第1、第2実施形態の電圧変換回路と同様の構成(図1、図5参照)から成るが、出力パルス信号生成回路及びスイッチタイミング制御回路の電源電圧として出力電圧Vintを供給することを特徴としている。そこで、第1、第2実施形態と同様の構成及び動作を有する部分については図1と同一の符号を付すことで説明を省略する。
【0212】
本図に示すように、本実施形態の電圧変換回路は出力パルス信号生成回路300とスイッチタイミング制御回路304とを有しており、出力パルス信号生成回路300は基準パルス信号生成回路301、第1、第2遅延回路302、310、及び遅延時間制御回路303から構成されている。
【0213】
上記した基準パルス信号生成回路301、第1、第2遅延回路302、310、及び遅延時間制御回路303としては、前述した第1、第2実施形態の電圧変換回路に設けられる基準パルス信号生成回路101(201)、第1遅延回路102(202)、第2遅延回路210、及び遅延時間制御回路103(203)のいずれの構成を採用してもよい。また、スイッチタイミング制御回路304は、前述した第1、第2実施形態の電圧変換回路に設けられるスイッチタイミング制御回路104と同様の構成から成る。
【0214】
ここで、本実施形態における基準パルス信号生成回路301、第1、第2遅延回路302、310、遅延時間制御回路303、及びスイッチタイミング制御回路304には、外部電源電圧VDDではなく、フィルタ回路106の出力電圧Vintが電源電圧として供給されている。
【0215】
ただし、スイッチタイミング制御回路304をフィルタ回路106から送出される出力電圧Vintによって駆動すると、第1、第2制御信号φ1、φ2のHレベルが出力電圧Vintとなってしまい、スイッチ回路105を構成するPMOSトランジスタM1及びNMOSトランジスタM2のオン/オフ制御に不具合を生じる恐れがある。そこで、第1、第2制御信号φ1、φ2の電圧レベルを必要レベルまで上げるために、スイッチタイミング制御回路304の出力段には昇圧レベルシフタ320a、320bが設けられている。
【0216】
このようにスイッチ回路105及びフィルタ回路106を除く全ての回路部分を、外部電源電圧VDDよりも小さい出力電圧Vintで駆動することにより、電圧変換回路自体の消費電力を大幅に削減でき、集積回路全体の低消費電力化に貢献することができる。
【0217】
【発明の効果】
上記したように、本発明に係る電圧変換回路では、パルス幅が一定で、パルス周期が可変である出力パルス信号を生成する出力パルス信号生成回路と、前記出力パルス信号から第1制御信号及び第2制御信号を生成するスイッチタイミング回路と、ソースに第1電源電圧が印加され、ゲートに第1制御信号が印加されるPMOSトランジスタと、ソースに第2電源電圧が印加され、ゲートに第2制御信号が印加されるNMOSトランジスタとを有し、両トランジスタの各ドレインを共通接続した接続ノードから電圧を出力するスイッチ回路と、前記スイッチ回路から入力される電圧を平滑化して出力電圧を得るフィルタ回路と、を具備し、前記PMOSトランジスタ及び前記NMOSトランジスタのオン/オフ制御を行うことによって、前記出力電圧の大きさを変化させる電圧変換回路において、
前記出力パルス信号生成回路は、
パルス幅一定の基準パルス信号を生成する基準パルス信号生成回路と、
入力されるパルス信号を所定の単位時間だけ遅らせる遅延素子を複数個直列接続して成る遅延回路部と、該遅延回路部を構成する各遅延素子からそれぞれ送出される出力信号のいずれか一つを選択出力する選択回路部とから成り、その入力端が前記基準パルス信号生成回路の出力端に接続された第1遅延回路と、
入力されるパルス信号と、該パルス信号を所定時間だけ遅らせた遅延パルス信号のいずれか一方を選択出力する任意遅延回路部を複数段直列接続して成り、その入力端が第1遅延回路の出力端に接続された第2遅延回路と、
第1、第2遅延回路における出力選択動作を制御する遅延時間制御回路と、
を有し、第2遅延回路の出力信号を前記出力パルス信号として出力する構成としている。
【0218】
このように、前記出力パルス信号のパルス周期を適宜変化させることで、スイッチタイミング制御回路から送出される第1、第2制御信号のデューティ比(パルス幅/パルス周期)を制御し、そのデューティ比に応じて前記出力電圧の大きさを制御する電圧変換回路であれば、パルス幅可変方式を採用した従来の電圧変換回路のように高速で動作するカウンタ回路等の制御回路を用いることなく、前記出力電圧の制御を行うことが可能である。よって、従来に比べて電圧変換回路の回路規模縮小や動作周波数低減を図ることができるので、電圧変換回路自体の消費電力を大幅に低減することが可能となり、集積回路全体の低消費電力化に貢献することができる。
【0219】
特に、前記出力パルス信号生成回路に上記構成から成る第2遅延回路を付加したことにより、第1遅延回路を構成する遅延素子の個数増大を招くことなく、前記出力パルス信号の選択候補数を増大させることができる。
【0220】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、第1遅延回路の遅延回路部を構成する各遅延素子、及び第2遅延回路の任意遅延回路部を構成する各遅延素子はいずれもフリップフロップ回路であり、第2遅延回路の各遅延素子を駆動するクロック周波数或いは位相は、第1遅延回路の各遅延素子を駆動するクロック周波数或いは位相と異なる構成にするとよい。このような構成とすることにより、前記出力電圧の可変精度を大幅に向上することが可能となる。
【0221】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、前記スイッチタイミング制御回路は、前記スイッチ回路を構成するPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのオン/オフ制御に際して、一方のMOSトランジスタをオフさせてから所定時間経過後に他方のMOSトランジスタをオンさせるように、第1制御信号及び第2制御信号の電圧レベルを制御する構成にするとよい。
【0222】
このような構成とすることにより、第1、第2制御信号を生成する過程でいずれかの制御信号に意図しない遅延が少々生じたとしても、前記PMOSトランジスタと前記NMOSトランジスタが同時にオンすることはない。従って、前記スイッチ回路に貫通電流が流れることを防止することができるので、余分な電力消費を抑えることが可能となる。
【0223】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、前記遅延時間制御回路は、前記電圧変換回路の出力電圧によって駆動される内部回路の動作状態を、該内部回路を駆動するクロック信号に同期して検出するレプリカ回路と、前記レプリカ回路によって検出された前記内部回路の動作状態に応じて、第1、第2遅延回路における出力選択動作を制御するための選択信号を生成する選択信号生成回路と、を有する構成にするとよい。
【0224】
このような構成とすることにより、集積回路を構成する内部回路の動作状態を検知して該内部回路の動作に必要最低限の駆動電圧を供給できるので、前記集積回路の低消費電力化に貢献することができる。
【0225】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、前記レプリカ回路には、前半遅延段と後半遅延段とを直列接続することで構成され、入力信号に対して前記内部回路の最大遅延パスと同等の遅延を行うクリティカルパス回路を設け、前記前半遅延段における遅延時間を第1動作時間、前記クリティカルパス回路全体における遅延時間を第2動作時間とし、前記第1動作時間及び第2動作時間と、第1所定動作時間及び第1所定動作時間より長い第2所定動作時間とをそれぞれ比較することで前記内部回路の動作状態を判断し、その判断に基づいて前記選択信号生成回路を制御する構成にするとよい。
【0226】
このような構成とすることにより、前記クリティカルパス回路の動作状態を4つに分類することができるので、前記内部回路の動作状態をきめ細かく検知することが可能となる。従って、いかなるプロセスばらつきや環境変化にも適切に対応でき、最適な出力電圧の供給を行うことで集積回路全体の低消費電力化に貢献することができる。
【0227】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、前記レプリカ回路は、前記クリティカルパス回路を構成する前半遅延段の出力信号を第1所定動作時間でラッチする第1ラッチ回路と、前記クリティカルパス回路を構成する後半遅延段の出力信号を第1所定動作時間でラッチする第2ラッチ回路と、前記クリティカルパス回路を構成する後半遅延段の出力信号を第2所定動作時間でラッチする第3ラッチ回路とを有し、各ラッチ回路の出力信号に基づいて前記内部回路の動作状態を検出する構成にするとよい。
【0228】
このような構成とすることにより、前記クリティカルパス回路自体が適切に動作していない状態も検出することができるので、前記内部回路をより安定して動作させることが可能となる。また、前記レプリカ回路の故障等を早期に発見できるので、迅速な善後処置を施すことが可能となる。
【0229】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、前記選択信号生成回路は、前記レプリカ回路によって前記内部回路の動作速度が適切であると判断された場合であっても、第1、第2遅延回路の遅延時間をさらに長くすることができるか否かを判断する手段を有する構成にするとよい。
【0230】
このような構成とすることにより、前記内部回路の動作速度が適切であると判断される複数の出力電圧のうち、最も低い出力電圧を選択することができるため、該出力電圧によって駆動される内部回路を安定動作させつつ、その消費電力を最小とすることが可能となる。
【0231】
また、上記構成から成る電圧変換回路において、前記出力パルス信号生成回路及び前記スイッチタイミング制御回路の電源電圧として前記フィルタ回路の出力電圧を供給するとともに、前記スイッチタイミング制御回路から送出される第1、第2制御信号をそれぞれ昇圧して前記スイッチ回路を構成するPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタの各ゲートに送出する昇圧レベルシフタを設けた構成としてもよい。
【0232】
このように前記スイッチ回路及び前記フィルタ回路を除く全ての回路部分を、外部電源電圧よりも小さい前記フィルタ回路の出力電圧で駆動することにより、電圧変換回路自体の消費電力を大幅に削減でき、集積回路全体の低消費電力化に貢献することができる。
【0233】
また、上記構成から成る電圧変換回路は、外部電源電圧から半導体集積回路装置の駆動電圧を生成する降圧回路として用いるとよい。近年、前記半導体集積回路装置を構成する内部回路の消費電力低減に伴って、集積回路全体の消費電力に占める前記降圧回路の消費電力比率が相対的に増大している。そこで、本発明に係る電圧変換回路を前記降圧回路として採用することにより、前記降圧回路自体の消費電力を低減できるので、前記内部回路の低消費電力性を損なうことがなく、前記半導体集積回路装置全体の低消費電力化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電圧変換回路の第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】基準パルス信号生成回路101及び第1遅延回路102の一構成例を示す概略構成図である。
【図3】選択回路部109の一構成例を示す概略構成図である。
【図4】第1遅延回路102における遅延動作例を示す信号波形図である。
【図5】本発明に係る電圧変換回路の第2実施形態を示す概略構成図である。
【図6】基準パルス信号生成回路201、第1遅延回路202、及び第2遅延回路210の一構成例を示す概略構成図である。
【図7】選択回路部209、第1選択部214、及び第2選択部216の一構成例を示す概略構成図である。
【図8】スイッチタイミング制御回路104の一構成例を示す概略構成図である。
【図9】スイッチタイミング制御回路104における各信号波形を示すタイミングチャートである。
【図10】スイッチタイミング制御回路104の別構成例を示す概略構成図である。
【図11】スイッチタイミング制御回路104における各信号波形を示すタイミングチャートである。
【図12】遅延時間制御回路203の一構成例を示す概略構成図である。
【図13】レプリカ回路501の一構成例を示す概略構成図である。
【図14】動作状態検出パルス生成回路511における各信号波形を示すタイミングチャートである。
【図15】レプリカ回路501における各信号波形を示すタイミングチャートである。
【図16】レプリカ回路501における動作状態信号LA、LB、LCと内部回路の動作状態との関係を示す表である。
【図17】選択信号生成回路502の一構成例を示す概略構成図である。
【図18】係数生成回路601の一構成例を示す概略構成図である。
【図19】フラグ信号生成回路607に実装する論理回路の真理値表である。
【図20】係数選択信号生成回路608に実装される論理回路の真理値表である。
【図21】係数COMPに対する補正動作の一例を示す図である。
【図22】第2選択信号SH、SQと、遅延信号SHD、SQDと、係数COMPとの関係を示した表である。
【図23】本発明の電圧変換回路の第3実施形態を示す概略構成図である。
【図24】従来の電圧変換回路の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
100、200、300 出力パルス信号生成回路
101、201、301 基準パルス信号生成回路
102、202、302 第1遅延回路
103、203、303 遅延時間制御回路
104、304 スイッチタイミング制御回路
105 スイッチ回路
106 フィルタ回路
107、207 基本遅延回路部
107a〜e、207a〜e フリップフロップ回路
108、208 追加遅延回路部
108a〜e、208a〜b フリップフロップ回路
109、209 選択回路部
210、310 第2遅延回路
211、212 任意遅延回路部
213 第1遅延素子
214 第1選択部
215 第n遅延素子(第2遅延素子)
216 第n選択部(第2選択部)
320a、320b 昇圧レベルシフタ
501 レプリカ回路
502 選択信号生成回路
511 動作状態検出パルス生成回路
512 クリティカルパス回路
513 ラッチ回路
514 降圧レベルシフタ
515a、515b 昇圧レベルシフタ
516 前半クリティカルパス回路
517 後半クリティカルパス回路
601 係数生成回路
602 4ビット加算器
603 4ビットレジスタ
604 デコーダ回路
605 2ビットレジスタ
606 カウンタ回路
607 フラグ信号生成回路
608 係数選択信号生成回路
609 4ビット減算器
610 インクリメンタ
611 デクリメンタ
612 セレクタ

Claims (9)

  1. パルス幅が一定で、パルス周期が可変である出力パルス信号を生成する出力パルス信号生成回路と、
    前記出力パルス信号から第1制御信号及び第2制御信号を生成するスイッチタイミング回路と、
    ソースに第1電源電圧が印加され、ゲートに第1制御信号が印加されるPMOSトランジスタと、ソースに第2電源電圧が印加され、ゲートに第2制御信号が印加されるNMOSトランジスタとを有し、両トランジスタの各ドレインを共通接続した接続ノードから電圧を出力するスイッチ回路と、
    前記スイッチ回路から入力される電圧を平滑化して出力電圧を得るフィルタ回路と、
    を具備し、前記PMOSトランジスタ及び前記NMOSトランジスタのオン/オフ制御を行うことによって、前記出力電圧の大きさを変化させる電圧変換回路において、
    前記出力パルス信号生成回路は、
    パルス幅一定の基準パルス信号を生成する基準パルス信号生成回路と、
    入力されるパルス信号を所定の単位時間だけ遅らせる遅延素子を複数個直列接続して成る遅延回路部と、該遅延回路部を構成する各遅延素子からそれぞれ送出される出力信号のいずれか一つを選択出力する選択回路部とから成り、その入力端が前記基準パルス信号生成回路の出力端に接続された第1遅延回路と、
    入力されるパルス信号と、該パルス信号を所定時間だけ遅らせた遅延パルス信号のいずれか一方を選択出力する任意遅延回路部を複数段直列接続して成り、その入力端が第1遅延回路の出力端に接続された第2遅延回路と、
    第1、第2遅延回路における出力選択動作を制御する遅延時間制御回路と、
    を有し、第2遅延回路の出力信号を前記出力パルス信号として前記スイッチタイミング制御回路に送出することを特徴とする電圧変換回路。
  2. 第1遅延回路の遅延回路部を構成する各遅延素子、及び第2遅延回路の任意遅延回路部を構成する各遅延素子はいずれもフリップフロップ回路であり、第2遅延回路の各遅延素子を駆動するクロック周波数或いは位相は、第1遅延回路の各遅延素子を駆動するクロック周波数或いは位相と異なることを特徴とする請求項1に記載の電圧変換回路。
  3. 前記スイッチタイミング制御回路は、前記スイッチ回路を構成するPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのオン/オフ制御に際して、一方のMOSトランジスタをオフさせてから所定時間経過後に他方のMOSトランジスタをオンさせるように、第1制御信号及び第2制御信号の電圧レベルを制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電圧変換回路。
  4. 前記遅延時間制御回路は、前記電圧変換回路の出力電圧によって駆動される内部回路の動作状態を、該内部回路を駆動するクロック信号に同期して検出するレプリカ回路と、前記レプリカ回路によって検出された前記内部回路の動作状態に応じて、第1、第2遅延回路における出力選択動作を制御するための選択信号を生成する選択信号生成回路と、を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電圧変換回路。
  5. 前記レプリカ回路には、前半遅延段と後半遅延段とを直列接続することで構成され、入力信号に対して前記内部回路の最大遅延パスと同等の遅延を行うクリティカルパス回路が設けられており、
    前記前半遅延段における遅延時間を第1動作時間、前記クリティカルパス回路全体における遅延時間を第2動作時間とし、
    前記第1動作時間及び第2動作時間と、第1所定動作時間及び第1所定動作時間より長い第2所定動作時間とをそれぞれ比較して、
    第2動作時間が第1所定動作時間より短い場合は前記内部回路の動作速度が速過ぎると判断し、前記選択信号生成回路に対して第1、第2遅延回路における遅延時間を長くする要求を行い、
    第1動作時間が第1所定動作時間より短く、第2動作時間が第1所定動作時間よりも長いが第2所定動作時間よりも短い場合は前記内部回路の動作速度が適切であると判断し、前記選択信号生成回路に対して第1、第2遅延回路における遅延時間を維持する要求を行い、
    第1動作時間が第1所定動作時間よりも長いが、第2動作時間が第2所定動作時間よりも短い場合、或いは第2動作時間が第2所定動作時間よりも長い場合は前記内部回路の動作速度に余裕がない、或いは該動作速度が遅過ぎると判断し、前記選択信号生成回路に対して第1、第2遅延回路における遅延時間を短くする要求を行うことを特徴とする請求項4に記載の電圧変換回路。
  6. 前記レプリカ回路は、
    前記クリティカルパス回路を構成する前半遅延段の出力信号を第1所定動作時間でラッチする第1ラッチ回路と、
    前記クリティカルパス回路を構成する後半遅延段の出力信号を第1所定動作時間でラッチする第2ラッチ回路と、
    前記クリティカルパス回路を構成する後半遅延段の出力信号を第2所定動作時間でラッチする第3ラッチ回路と、
    を有しており、各ラッチ回路の出力信号に基づいて前記内部回路の動作状態を検出することを特徴とする請求項5に記載の電圧変換回路。
  7. 前記選択信号生成回路は、前記レプリカ回路によって前記内部回路の動作速度が適切であると判断された場合であっても、第1、第2遅延回路の遅延時間をさらに長くすることができるか否かを判断する手段を有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電圧変換回路。
  8. 前記出力パルス信号生成回路及び前記スイッチタイミング制御回路の電源電圧として前記フィルタ回路の出力電圧を供給するとともに、前記スイッチタイミング制御回路から送出される第1、第2制御信号をそれぞれ昇圧して前記スイッチ回路を構成するPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタの各ゲートに送出する昇圧レベルシフタを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電圧変換回路。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の電圧変換回路を備えた半導体集積回路装置。
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