JP3574252B2 - 通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線方式を用いて通信を行う通信装置に関し、特にデジタル信号である画像データを音声データと同等のアナログ信号に変換して送受信する機能を備える通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線方式を用いて通信を行う携帯型移動端末装置などの通信装置では、予め定められる手順に従って端末装置と基地局とのチャネルの確立を行い、無線方式を用いて通信を行う前記基地局を介して、端末装置間の通信を実現している。端末装置は通信中においても移動可能であり、通信中に移動して当該端末装置と基地局との間の距離が長くなり、信号レベルの低下など、受信信号の品質が劣化すると、端末装置は基地局を変更する、いわゆるハンドオーバ動作を行って、チャネルを切替える。このようなハンドオーバ動作の実行時の基地局の変更ができなかったときには、元の基地局との間にチャネル接続を戻す、いわゆる切り戻り動作が実行される。また、キャリア周波数やスロットのみを変更して同一基地局との間でチャネルを切替えることも可能である。
【0003】
このような通信装置では、音声データの送受信を行う通話機能に加えて、画像データの送受信を行うファクシミリ通信機能が付加されたものがある。この場合、通信装置は、公衆電話回線などのアナログ回線を介して画像データの送受信を行うファクシミリ装置などと同じように、画像データを見なし音声データに変換して送受信している。すなわち、デジタル信号である画像データは、モデムによって音声データと同等のアナログ信号に変換され、変換された画像データが無線方式によって送受信される。以降の説明での「画像データ」とは、上述のような「見なし音声データ」のことを意味する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した通信装置において、ハンドオーバ動作や切り戻り動作などのチャネルの切替え期間中、または同一基地局との間でのチャネルの切り替え期間中に、一時的に音声データの通信ができなくなることが知られている。通話機能の実行時では、通信が一瞬不可能となっても、受信できなかった音声を会話の流れから容易に推測し、通話を続けることができる。
【0005】
しかしながら、ファクシミリ機能の実行時では、次のような不都合が生じる。すなわち、前記チャネルの切替えは、送信側端末装置と基地局との間および受信側端末装置と基地局との間で生じる。互いの端末装置はともに、相手側の端末装置がチャネルの切替え中であるかどうかを識別して、その結果に基づいて送信あるいは受信動作を制御するようには構成されていないので、たとえば送信側が切替え中であっても、受信側はその間に受信される信号は全て画像データであると判断して受信動作を続ける。したがって、受信側端末装置は、受信した画像データではない信号を印画出力してしまうことになる。また、受信側が切替え中であっても、送信側はその間にも画像データを送信し続ける。前記切替え期間中は、画像データの送受信が不可能であるので、受信側端末装置は、一部分が抜けた画像を出力することとなる。したがって、印画出力される画像の品位は、著しく低いものとなる。またこのような不都合は、チャネルの切替え期間中のみならず、チャネル上に設定されるビットエラーレート値が予め定める閾値を越えたときにも生じる。また、前記チャネルの切替え期間やビットエラーレート値の大きい期間が長期間続くと、通信自体ができなくなるという不都合が生じる。
【0006】
本発明の目的は、画像データの欠落を低減して通信エラーの発生を低減することができる通信装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、当該基地局との間で送受信される信号レベルが劣化すると、所定の通信チャネルの切替え手順を実行し、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの送信機能を実行しているときに、チャネルの切替え手順が実行されたことを識別する送信時チャネル切替識別手段と、
前記送信時チャネル切替識別手段の出力に応答して、チャネルの切替え手順が終了するまで、当該手順の実行期間中に送信される1ライン分の画像データを連続して繰り返し送信する連続送信手段を含むことを特徴とする通信装置である。本発明に従えば、通信装置は、所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行う。基地局との間で送受信される信号レベルが劣化すると、通信装置は所定の通信チャネルの切替え手順を実行して、たとえば他の基地局との間でチャネルを確立して、当該基地局との間で無線通信を行う。あるいは、キャリア周波数やスロットのみを変更して、同じ基地局との間で無線通信を行う。デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送信機能を実行しているときに、チャネルの切替え手順が実行されると、チャネルの切替え手順が終了するまで、当該手順の実行期間中に送信される1ライン分の画像データが連続して繰り返して送信される。繰り返し送信される同じ画像データを受信した受信側端末装置は、同じ画像を繰り返して印画出力することとなるけれども、実際には画像データは受信されていないので、画像は印画出力されない。このようにして、伝送期間の時間を稼ぐようにすることによって、切替え手順実行期間中の新たな画像データの送出を少なくすることができ、画像データの欠落が低減する。
【0008】
また本発明は、所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの送信機能を実行しているときに、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合と予め定める閾値とを比較する送信時エラー発生割合比較手段と、
前記送信時エラー発生割合比較手段の出力に応答して、ビットエラーの発生割合が前記予め定める閾値を越えている期間中に送信される1ライン分の画像データの末尾に疑似信号を付加する疑似信号付加手段とを含むことを特徴とする通信装置である。
本発明に従えば、画像データの送信機能を実行しているときに、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合が予め定める閾値を越えている期間中には、当該期間中に送信される1ライン分の画像データの末尾に、FIL信号などの疑似信号が付加される。したがって、ビットエラーの発生割合が大きく、画像データの通信が不可能であるときに、送信される本来の画像データを少なくすることができる。このため、前記期間中の画像データの欠落が低減し、印画出力される画像の品位が向上する。
【0009】
また本発明は、所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの送信機能を実行しているときに、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合と予め定める閾値とを比較する送信時エラー発生割合比較手段と、
前記送信時エラー発生割合比較手段の出力に応答して、ビットエラーの発生割合が前記予め定める閾値を越えている期間中に送信される1ライン分の画像データを連続して繰り返し送信する連続送信手段を含むことを特徴とする通信装置である。
本発明に従えば、画像データの送信機能を実行しているときに、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合が予め定める閾値を越えている期間中には、当該期間中に送信される1ライン分の画像データが連続して繰り返し送信される。このようにして、伝送期間の時間を稼ぐようにすることによって、画像信号の通信が不可能な前記期間中の新たな画像データの送出を少なくすることができ、画像データの欠落が低減する。
【0010】
また本発明は、所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、当該基地局との間で送受信される信号レベルが劣化すると、所定の通信チャネルの切替え手順を実行し、画像データとして認識できる信号が、受信エラー検出用計測手段に設定される予め定められる期間中に受信されなかったときには、所定の通信の中断手順を実行し、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの受信機能を実行しているときに、チャネルの切替え手順が実行されたことを識別する受信時チャネル切替識別手段と、
前記受信時チャネル切替識別手段の出力に応答して、チャネルの切替え手順が終了するまで、前記受信エラー検出用計測手段の計測動作を無効化する無効化手段を含むことを特徴とする通信装置である。
本発明に従えば、画像データの受信機能を実行しているときに、チャネルの切替え手順が実行されると、チャネルの切替え手順が終了するまで、画像データとして認識できる信号が受信エラー検出用計測手段に設定される予め定められる期間中に受信されなかったときに、所定の通信の中断手順を実行するための前記計測手段の計測動作が無効とされる。したがって、前記期間中に受信した信号が画像データではないと判断されて通信が中断してしまうことを防止することができる。
【0011】
また本発明は、所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、当該基地局との間で送受信される信号レベルが劣化すると、所定の通信チャネルの切替え手順を実行し、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの受信機能を実行しているときに、チャネルの切替え手順が実行されたことを識別する受信時チャネル切替識別手段と、
時間軸で可変の設定値に基づいてチャネル上で発生する歪み信号を除去する適応等化器と、
前記受信時チャネル切替識別手段の出力に応答して、チャネルの切替え手順が終了するまで、前記適応等化器の設定値を固定する設定手段を含むことを特徴とする通信装置である。
本発明に従えば、画像データの受信機能を実行しているときに、チャネルの切替え手順が実行されると、チャネルの切替え手順が終了するまで、時間軸で可変の設定値に基づいてチャネル上で発生する歪み信号を除去する適応等化器の前記設定値が固定される。したがって、通信チャネルの切替えが終了して画像データの通信が可能となったときに、適応等化器は復帰した通信状況に容易に追随することができる。
【0013】
また本発明は、所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、画像データとして認識できる信号が、受信エラー検出用計測手段に設定される予め定められる期間中に受信されなかったときには、所定の通信の中断手順を実行し、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの受信機能を実行しているときに、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合と、予め定める閾値とを比較する受信時エラー発生割合比較手段と、
前記受信時エラー発生割合比較手段の出力に応答して、ビットエラーの発生割合が予め定める閾値を越えている期間中には、前記受信エラー検出用計測手段の計測動作を無効化する無効化手段を含むことを特徴とする通信装置である。
本発明に従えば、画像データの受信機能を実行しているときに、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合が予め定める閾値を越えている期間中には、前述した受信エラー検出用計測手段の計測動作が無効とされる。したがって、前記期間中に受信した信号が画像データではないと判断されて通信が中断してしまうことを防止することができる。
【0014】
また本発明は、所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの受信機能を実行しているときに、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合と、予め定める閾値とを比較する受信時エラー発生割合比較手段と、
時間軸で可変の設定値に基づいてチャネル上で発生する歪み信号を除去する適応等化器と、
前記受信時エラー発生割合比較手段の出力に応答して、ビットエラーの発生割合が予め定める閾値を越えている期間中には、前記適応等化器の設定値を固定する設定手段を含むことを特徴とする通信装置である。
本発明に従えば、画像データの受信機能を実行しているときに、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合が予め定める閾値を越えている期間中には、前述した適応等化器の設定値が固定される。したがって、ビットエラーの発生割合が前記予め定める閾値以内となったときに、適応等化器は復帰した通信状況に容易に追随することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である通信装置1aの電気的構成を示すブロック図である。通信装置1aは、無線部2、電話部3およびファクシミリ(FAX)部4aを含んで構成される。通信装置1aは、無線方式を用いて通信を行う携帯型移動端末装置などで実現され、無線部2はアンテナ5を介して基地局との間で信号の送受信を行う。通信装置1aは、後述するような予め定められる手順に従って基地局とのチャネルの確立を行い、無線方式を用いて通信を行う前記基地局を介して、端末装置間の通信を実現している。
【0018】
電話機能を実行する電話部3は、電話制御手段6、識別手段7および比較手段8を含んで構成される。識別手段7は、通信チャネルの切替え期間中であるかどうかを判断する。比較手段8は、チャネル上に設定されるビットエラーレート値と、あらかじめ定められる閾値とを比較する。電話制御手段6は、電話機能の実行動作を制御するとともに、このような識別手段7や比較手段8の出力結果をFAX部4aに与える。電話部3で実行される電話機能とは、アナログ信号である音声データや、デジタル/アナログ変換されたアナログ信号の画像データの送受信を行う機能である。
【0019】
ファクシミリ通信機能を実行するFAX部4aは、FAX制御手段9、FIL付加手段10および連続送信手段11を含んで構成される。FIL付加手段10は、FIL信号を1ライン(走査線)の画像データの末尾に付加する。連続送信手段11は、1ライン分の画像データを連続的に繰り返して送信する。FAX制御手段9は、ファクシミリ通信機能の実行動作を制御するとともに、このようなFIL付加手段10や連続送信手段11を電話部3からの受信信号に基づいて制御して、ファクシミリ送信時の動作を制御する。
【0020】
ここで、FAX部4aが実行するファクシミリ通信機能とは、デジタル信号である画像データを音声データと同等のアナログ信号に変換し、変換した画像データを見なし音声データとして、電話部3を介して送受信する機能である。このような機能は、公衆電話回線などのアナログ回線を介して画像データの送受信を行うファクシミリ装置でも同じようにして実現されている。すなわち、デジタル信号である画像データは、モデムによって音声データと同等のアナログ信号に変換され、変換された画像データが無線方式によって送受信される。したがって、FAX部4aはモデムを含んで構成される。以降の説明での「画像データ」とは、上述のような「見なし音声データ」のことを意味する。
【0021】
図2は、PHS(パーソナル ハンディホン システム)通信方式における一括発信時の手順を示す図である。前記通信装置1aは、このような手順を実行した後、画像データの送受信を行う。まず、通信装置1aに相当するユーザー(PS)が、基地局に相当する網(CS)に対して、リンクチャネル確立要求メッセージを送信する。続いて、網はユーザーにリンクチャネル割当メッセージを送信する。
【0022】
(1)発呼要求(CC)
ユーザーが呼設定メッセージ(CC)を網に転送することによって、呼設定を開始する。
(2)発呼受付(CC)
呼設定メッセージ(CC)を網が受信して呼の受付が正当であることが確認されたとき、網は呼を処理していることを表示するために呼設定受付メッセージ(CC)をユーザーに送信し、「発呼受付」状態に遷移する。
ユーザーは呼設定受付メッセージ(CC)を受けたとき、「発呼受付」状態に遷移する。
(3)定義情報要求(RT)
ユーザーが定義情報受信指示を受けている場合、ユーザーは定義情報要求メッセージ(RT)によって、定義情報を要求する。これを受けた網は、定義情報応答メッセージ(RT)によって、定義情報を通知する。
(4)RT機能要求(RT)
RT機能要求を行うことを指示されたユーザーは、機能要求メッセージ(RT)によって、RT機能を網に要求する。受け付けられたRT機能は、機能要求応答メッセージ(RT)によってユーザーに通知される。
(5)秘匿鍵設定(RT)
ユーザーは、秘匿鍵設定メッセージ(RT)によって秘匿鍵を網に伝える。 (6)MM機能要求(MM)
MM機能要求を行うことを指示されたユーザーは、機能要求メッセージ(MM)によって、MM機能を網に要求する。受け付けられたMM機能は、機能要求応答メッセージ(MM)によってユーザーに通知される。
(7)認証(MM)
ユーザーからの必要な機能要求が終わると、網は認証乱数を発生し、認証要求メッセージ(MM)をユーザーに送信して乱数を通知する。認証要求メッセージ(MM)を受信したユーザーは、乱数を自身が持つ認証鍵を用いて暗号化し、認証応答メッセージ(MM)を用いて認証演算結果を網に通知する。認証応答メッセージ(MM)を受信した網は、同様に、認証乱数とユーザーのホームメモリ内の認証鍵とを用いて得られた認証演算結果が、ユーザーから通知された結果と一致するかどうかを判定する。認証結果が一致しない場合、呼切断復旧の規定に従って呼解放手順を開始する。認証結果が一致する場合、呼接続を継続する。
(8)呼出通知(CC)
着ユーザー呼出が開始されたことの表示を網が受信した場合、網は呼出メッセージ(CC)をユーザーに送信する。
(9)応答通知(CC)
網は、呼が着ユーザーに受け付けられたことの表示を受信すると、応答メッセージ(CC)をユーザーに送信する。
(10)通話拒否(RT,MM,CC)
網または着ユーザーから呼を受け付けられないことが表示された場合、呼切断復旧の規定に従って呼解放手順を開始する。
【0023】
図3は、前記PHS通信方式における他の網への通信中チャネルの切替え手順の一例を示す図である。ここでは、ハンドオーバ動作の例を説明する。通信装置1aは、通信中においても移動可能であり、通信中に移動して当該通信装置1aと基地局との間の距離が長くなり、信号レベルの低下などによって受信信号の品質が劣化すると、通信装置1aは基地局を変更する、いわゆるハンドオーバ動作を行う。これによって通信チャネルが切替わる。なお、当該動作の実行時には、見なし音声データを含む音声データの送受信はできない状態にある。
【0024】
(1)再発呼型ハンドオーバ要求(CC)
ユーザーが呼設定メッセージ(ファシリティ:ハンドオーバ)(CC)を網に転送することによってハンドオーバを開始する。
(2)再発呼ハンドオーバ受付(CC)
呼設定メッセージ(ファシリティ:ハンドオーバ)(CC)を網が受信して呼の受付が正当であることが確認されたとき、網は呼を処理していること表示するために呼設定受付メッセージ(CC)をユーザーに送信し、「発呼受付(CC):再発呼(ファンクショナルオペレーション)」状態に遷移する。
ユーザーは呼設定受付メッセージ(CC)を受けたとき、「発呼受付(CC):再発呼(ファンクショナルオペレーション)」状態に遷移する。
呼設定メッセージ(CC)を受信した網は、ユーザーからファシリティ情報要素によって通知された認証演算結果を、ユーザーのホームメモリ内の認証鍵を用いて得られた再認証演算結果と一致するかどうかを判定する。認証結果が一致しない場合、呼切断復旧の規定に従って呼解放手順を開始する。認証結果が一致する場合、ハンドオーバを継続する。
(3)RT機能要求(RT)
RT機能要求を行うことを指示されたユーザーは、機能要求メッセージ(RT)によって、RT機能を網に要求する。受け付けられたRT機能は、機能要求応答メッセージ(RT)によってユーザーに通知される。
(4)秘匿鍵設定(RT)
ユーザーは、秘匿鍵設定メッセージ(RT)によって秘匿鍵を網に伝える。 (5)MM機能要求(MM)
MM機能要求を行うことを指示されたユーザーは、機能要求メッセージ(MM)によって、MM機能を網に要求する。受け付けられたMM機能は、機能要求応答メッセージ(MM)によってユーザーに通知される。
(6)応答通知(CC)
網は、再発呼型ハンドオーバが受け付けられたことの表示を受信すると、応答メッセージ(ファシリティ:ハンドオーバ)(CC)をユーザーに送信する。応答メッセージ(ファシリティ:ハンドオーバ)(CC)を受信したユーザーは、ハンドオーバを正常終了し、通信中に遷移する。
【0025】
また、通信装置1aは、上述したようなハンドオーバ動作の実行時の基地局の変更ができなかったときには、元の基地局との間にチャネル接続を戻す、いわゆる切り戻り動作を実行する。また、通信装置1aは、キャリア周波数やスロットのみを変更して同一基地局との間でチャネルを切替えてもかまわない。なお、PHS通信方式に関する通信手順の詳細は、たとえば「第2世代コードレス電話システム 標準規格 RCR−STD28」(財団法人 電波システム開発センター発行)に記載されている。
【0026】
また、本形態の通信装置1aでは、上述したような手順で通信を行うPHS通信方式に限らず、一般的な携帯電話システムで用いられる通信方式を採用してもかまわない。ただし本形態の通信装置1aは、ハンドオーバ動作や切り戻り動作などのチャネルの切替え動作、または同一基地局との間でのチャネルの切替え動作などの、一時的に画像データの送受信が不可能となるような通信方式を採用する場合において、優れた効果が得られる。
【0027】
(実施例1)
図4は、実施例1である通信装置1aの画像データ送信時の動作を示すフローチャートである。
【0028】
ステップa1では、FAX部4aがファクシミリ通信機能を実行し、画像データの送信が開始されたかどうかを、FAX制御手段9が判断する。画像データの送信が開始されたと判断されると、ステップa2に移る。
【0029】
ステップa2では、識別手段7が、通信中チャネルの切替え手順の実行が開始されたかどうかを判断する。データ送信中に通信装置1aが移動して、通信装置1aと基地局との間の距離が長くなり、信号レベルの低下などの受信信号の品質が劣化すると、図3で説明したようなハンドオーバ動作によって、通信装置1aは基地局を変更し、通信チャネルを切替える。たとえば、通信装置1aが呼設定メッセージ(CC)を基地局に転送することに基づいて、ハンドオーバー動作が開始されたと判断される。チャネルの切替え手順の実行が開始されたと判断されると、ステップa3に進み、開始されていないと判断されると、ステップa7に進む。ステップa7では、画像データの送信が終了したかどうかが判断される。終了したと判断されると、ステップa1に戻り、終了していないと判断されると、ステップa2に戻る。
【0030】
ステップa3では、チャネルの切替えが開始されたことを認識したFIL付加手段10が、1ライン(走査線)分の画像データの伝送時間tが予め定められる許容範囲(最大伝送時間Tm)以内であるかどうかを判断する。許容範囲以内であると判断されると、ステップa4に進み、FIL付加手段10が、1ライン分の画像データの末尾にFIL信号を付加する。さらにステップa6に進み、識別手段7が、通信中チャネルの切替え手順の実行が終了されたかどうかを判断する。たとえば、基地局が応答メッセージ(CC)を通信装置1aに送信し、当該応答メッセージ(CC)を受信することに基づいて、ハンドオーバー動作が終了されたと判断する。チャネルの切替え手順の実行が終了されたと判断すると、ステップa2に戻り、終了されていないと判断されると、ステップa3に戻る。
【0031】
FIL信号が付加されて伝送時間tが最大伝送時間Tmを越え、ステップa3で許容範囲以内ではないと判断されると、ステップa5に進み、FIL信号が付加された1ライン分の画像データが送信される。
【0032】
図5は、実施例1において送信される画像データ21の構成を示す図である。画像データ21は、複数のラインデータ25a,25bから成り、1ラインデータ25a,25bは、少なくともラインの終端を示すEOL信号22と、DATA信号23とを含んで構成される。1つのラインデータ25a,25bに関して、1ラインデータの伝送時間tは、必ず1ライン(走査線)当たりの最大伝送時間Tm、たとえば5秒以内に設定される。また一般に、前記伝送時間tが、符号化された1ライン(走査線)当たりの走査線最小伝送時間Tに満たないときには、伝送時間tが走査線最小伝送時間T以上となるように、FIL信号24が付加される。FIL信号とは、走査線最小伝送時間Tを保障するための信号であり、1ラインデータの末尾に、すなわち次のラインデータのEOL信号22の直前に付加される。画像データを受信する端末装置は、次のライン分のデータが受信可能となるまでにある程度の期間が必要であり、FIL信号はこのような次のライン分のデータが受信可能となるまでに必要な期間を形成するための疑似的な信号である。前記期間は、たとえば1ライン分のデータを印字する時間よりも1ライン分のデータを受信する時間の方が短い場合、装置内に蓄積されるデータ量が増加してゆき、印字が間に合わなくなってしまうので、必要となる。このような画像データの構成は、ファクシミリ通信に関するCCITT(国際電信電話諮問委員会)で定められたT4勧告に従うものである。
【0033】
実施例1では、通常のファクシミリ通信時にも、伝送時間tが走査線最小伝送時間T以上となるように付加される疑似的な信号であるFIL信号が、通信チャネルの切替え手順の実行期間中に1ライン分の画像データの末尾に付加されて、送信される。FIL信号は、最大伝送時間Tmとなるまで付加することが可能である。FIL信号が付加された画像データを受信した相手側端末装置は、従来技術と同じように動作し、次のライン分のデータが受信可能となるまでに必要な期間を形成する。すなわち、この間に受信側端末装置は受信動作以外何ら動作を実行しない。このように通信チャネルの切替え手順実行期間中には、FIL信号を付加して伝送時間tの時間を稼ぐようにしているので、当該期間中に送信される本来の画像データを少なくすることができる。
【0034】
したがって、画像データの送受信が不可能な前記期間中の、画像データの欠落が低減し、受信側端末装置が印画出力する画像の品位が向上する。なお実施例1の通信装置1aは、比較手段8と連続送信手段11とを除外して構成してもかまわない。
【0035】
(実施例2)
図6は、実施例2である通信装置1aの画像データ送信時の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、図4に示される実施例1のフローチャートのステップa3,a4,a5に代わって、ステップa8を追加したものであり、追加したステップa8についてのみ説明する。
【0036】
ステップa2で、識別手段7が、通信中チャネルの切替え手順の実行が開始されたかどうかを判断し、チャネルの切替え手順の実行が開始されたと判断されたステップa8では、連続送信手段11が、1ライン分前の画像データを連続して繰り返し送信する。さらにステップa6に進み、識別手段7が、通信中チャネルの切替え手順の実行が終了されたかどうかを判断する。チャネルの切替え手順の実行が終了されたと判断すると、ステップa2に戻り、終了されていないと判断されると、ステップa8に戻る。
【0037】
以上のように実施例2では、通信チャネルの切替え手順の実行期間中には、1ライン分前の画像データが連続して繰り返し送信される。このようにして繰り返し送信される同じ画像データを受信した受信側端末装置は、同じ画像データを繰り返して印画出力することとなるけれども、通信チャネルの切替手順の実行期間中はデータが相手側端末装置に届かない状況にあるので、実際には画像データは受信されておらず、画像は印画出力されない。このように、前記期間中には、同じ画像データを繰り返し送信して伝送時間tの時間を稼ぐようにしているので、前記期間中に送出される新たな画像データを少なくすることができる。
【0038】
したがって、画像データの送受信が不可能な前記期間中の、画像データの欠落が低減する。なお実施例2の通信装置1aは、比較手段8を除外して構成してもかまわない。
【0039】
(実施例3)
図7は、実施例3である通信装置1aの画像データ送信時の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、図4に示される実施例1のフローチャートのステップa2に代わって、ステップa9を追加し、ステップa6を削除したものである。
【0040】
ステップa1で画像データの送信が開始されたと判断されるとステップa9では、比較手段8が、ビットエラーレート値が予め定める閾値よりも大きいかどうかを判断する。大きいと判断されると、ステップa3に進み、大きくないと判断されると、ステップa7に進む。ステップa4,a5の処理が終了すると、ステップa9に戻る。
【0041】
実施例3では、画像データの通信が不可能な期間の判断が、チャネルの切替えに代わって、ビットエラーレート値と予め定める閾値との関係によって判断される。ビットエラーレート値とは、送受信されるデータビットの「0」/「1」が通信途中で誤って伝送される割合を示す。当該値は、予め定められる一定期間中の全ビットの内のエラービット数を求めることによって得られる。前記予め定められる一定期間は、いくらであってもよく、たとえば1秒や10秒であってもかまわない。
【0042】
したがって、チャネル上のビットエラーレート値が大きく、画像データの通信が不可能である期間中には、前記実施例1と同様にして、FIL信号が1ラインの画像データに付加されて、送信される。このようにして伝送時間tの時間を稼ぐようにしているので、ビットエラーレート値が大きい期間に送信される画像データを少なくすることができる。このため、前記期間中の、画像データの欠落が低減し、印画出力される画像データ品位が向上する。なお実施例3の通信装置1aは、識別手段7と連続送信手段11とを除外して構成してもかまわない。
【0043】
(実施例4)
図8は、実施例4である通信装置1aの画像データ送信時の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、図6に示される実施例2のフローチャートのステップa2に代わって、ステップa9を追加し、ステップa6を削除したものである。
【0044】
ステップa1で画像データの送信が開始されたと判断されるとステップa9では、比較手段8が、ビットエラーレート値が予め定める閾値よりも大きいかどうかを判断する。大きいと判断されると、ステップa8に進み、大きくないと判断されると、ステップa7に進む。ステップa8の処理が終了すると、ステップa9に戻る。
【0045】
以上のように実施例4では、画像データの通信が不可能な期間の判断が、ビットエラーレート値と予め定める閾値との関係によって判断され、チャネル上のビットエラーレート値が大きく、画像データの通信が不可能である期間中には、前記実施例2と同様にして、1ライン分前の画像データが連続して繰り返し送信される。このようにビットエラーレート値が大きい期間中には、同じ画像データを繰り返し送信して伝送時間tの時間を稼ぐようにしているので、当該期間中に送信される新たな画像データを少なくすることができる。
【0046】
したがって、ビットエラーレート値が大きく、通信が不可能な前記期間中の、画像データの欠落が低減する。なお実施例4の通信装置1aは、識別手段7を除外して構成してもかまわない。
【0047】
また、通信装置1aにおいて、実施例1と実施例3とを組合わせて、通信チャネルの切替え手順の実行期間中およびビットエラーレート値の大きい期間中に、FIL信号を付加するようにしてもかまわない。さらに、実施例2と実施例3とを組合わせて、通信チャネルの切替え手順の実行期間中およびビットエラーレート値の大きい期間中に、画像データを連続して繰り返し送信するようにしてもかまわない。
【0048】
図9は、本発明の実施の他の形態である通信装置1bの電気的構成を示すブロック図である。前記通信装置1aと同様にして構成される手段には同じ参照符を付して示す。通信装置1bは、無線部2、電話部3およびファクシミリ(FAX)部4bを含んで構成される。通信装置1bは、通信装置1aと同様に、無線方式を用いて通信を行う携帯型移動端末装置などで実現され、無線部2はアンテナ5を介して基地局との間で信号の送受信を行う。
【0049】
電話機能を実行する電話部3は、前記通信装置1aの電話部と同様に、電話制御手段6、識別手段7および比較手段8を含んで構成される。
【0050】
ファクシミリ通信機能を実行するFAX部4bは、FAX制御手段9、破棄手段12、無効化手段13および設定手段14を含んで構成される。破棄手段12は、受信した画像データを破棄する。
【0051】
無効化手段13は、受信エラー検出用タイマの計測動作を無効化する。FAX部4bが通常有する受信エラー検出用タイマには、予め定められる期間が設定されている。通信装置1bは画像データの受信時において、画像データと認識できる信号が前記期間得られなかったときには、チャネルに異常が発生したと判断して、通信を中断する手順を実行する。
【0052】
設定手段14は、モデム内に設けられる適応等化器の設定値の更新の禁止を設定する。モデムは、受信した画像データを復調し、送信する画像データを変調し、さらに通信制御手順における各種の手順信号を送出する。このようなモデムは、通常FAX部4bが有する。モデム内部には、チャネル上で発生する歪み信号を時間とともに変化する設定値に基づいて取り除くために、前記適応等化器が設けられている。
【0053】
FAX制御手段9は、ファクシミリ通信機能の実行動作を制御するとともに、このような破棄手段12、無効化手段13および設定手段14を電話部3からの受信信号に基づいて制御して、ファクシミリ受信時の動作を制御する。
【0054】
(実施例5)
図10は、実施例5である通信装置1bの画像データ受信時の動作を示すフローチャートである。
【0055】
ステップb1では、FAX部4bがファクシミリ通信機能を実行し、画像データの受信が開始されたかどうかを、FAX制御手段9が判断する。画像データの受信が開始されたと判断されると、ステップb2に移る。
【0056】
ステップb2では、識別手段7が、通信中チャネルの切替え手順の実行が開始されたかどうかを判断する。データ受信中に通信装置1bが移動して、通信装置1bと基地局との間の距離が長くなり、信号レベルの低下などの受信信号の品質が劣化すると、図3で説明したような手順のハンドオーバ動作によって、通信装置1bは基地局を変更し、通信チャネルを切替える。たとえば、通信装置1bが呼設定メッセージ(CC)を網に転送することに基づいて、ハンドオーバ動作が開始されたと判断される。チャネルの切替え手順の実行が開始されたと判断されると、ステップb3に進み、開始されていないと判断されると、ステップb5に進む。ステップb5では、画像データの受信が終了したかどうかが判断される。終了したと判断されると、ステップb1に戻り、終了していないと判断されると、ステップb2に戻る。
【0057】
ステップb3では、チャネルの切替え手順の実行が開始されたことを認識した破棄手段12が、チャネル切替え手順の実行期間中に受信した画像データを破棄する。さらにステップb4に進み、識別手段7が、通信中チャネルの切替え手順の実行が終了されたかどうかを判断する。たとえば、基地局が応答メッセージ(CC)を通信装置1bに送信し、当該応答メッセージ(CC)を受信することに基づいて、ハンドオーバ動作が終了したと判断する。チャネルの切替え手順の実行が終了されたと判断すると、ステップb2に戻り、終了されていないと判断されると、ステップb3に戻る。
【0058】
実施例5では、画像データの通信が不可能なチャネルの切替え手順の実行中に、受信した画像データを破棄するようにしているので、当該期間中に受信した画像データ以外の信号を、画像データと見なして伸長処理を行ってしまい、受信エラーが発生することを低減することができる。また、画像データ以外の信号を画像データであると見なして印画出力することがなくなり、出力される画像の品位が向上する。なお実施例5の通信装置1bは、比較手段8と無効化手段13と設定手段14とを除外して構成してもかまわない。
【0059】
(実施例6)
図11は、実施例6である通信装置1bの画像データ受信時の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、図10に示される実施例5のフローチャートのステップb3に代わって、ステップb6を追加したものであり、追加したステップb6についてのみ説明する。
【0060】
ステップb2で、識別手段7が、通信中チャネルの切替え手順の実行が開始されたと判断されたステップb6では、無効化手段13が、受信エラー検出用タイマの計測動作を無効化する。さらにステップb4に進み、識別手段7が、通信中チャネルの切替え手順の実行が終了されたかどうかを判断する。前記タイマの計測動作は、チャネルの切替え手順が実行されている期間のみ無効化される。すなわちチャネルの切替え手順の実行が終了すると、有効となる。
【0061】
以上のように実施例6では、画像データの通信が不可能なチャネルの切替え手順の実行期間中に、受信エラー検出用タイマを無効化するようにしているので、当該期間中に受信した信号が、画像データではないと判断されて通信が中断してしまうことを防止することができる。なお実施例6の通信装置1bは、比較手段8と破棄手段12と設定手段14とを除外して構成してもかまわない。
【0062】
(実施例7)
図12は、実施例7である通信装置1bの画像データ受信時の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、図10に示される実施例5のフローチャートのステップb3に代わって、ステップb7を追加したものであり、追加したステップb7についてのみ説明する。
【0063】
ステップb2で、識別手段7が、通信中チャネルの切替え手順の実行が開始されたと判断されたステップb7では、設定手段14が、FAX部4bが有するモデム内の適応等化器の設定値を固定して、設定値の更新を禁止する。さらにステップb4に進み、識別手段7が、通信中チャネルの切替え手順の実行が終了されたかどうかを判断する。
【0064】
前記適応等化器は、前記通信チャネルの切替えやチャネル状況などによって信号レベルが一時的に悪化した場合であっても、自動的にその状況にあわせて動作し、チャネル上で発生する歪み信号を除去する。前記通信チャネルの切替え中には、このような適応等化器を動作させる必要はなく、またたとえば通信チャネルの切替え手順の実行が終了して無線通信の状況が復帰したときに、復帰した状況に追随することができなくなる場合がある。
【0065】
上述した実施例7では、画像データの通信が不可能なチャネルの切替え手順の実行中には、モデム内の適応等化器の設定値の更新を禁止するようにしているので、上述したような不都合の発生が低減される。なお実施例7の通信装置1bは、比較手段8と破棄手段12と無効化手段13とを除外して構成してもかまわない。
【0066】
(実施例8)
図13は、実施例8である通信装置1bの画像データ受信時の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、図10に示される実施例5のフローチャートのステップb2に代わって、ステップb8を追加し、ステップb4を削除したものである。
【0067】
ステップb1で画像データの受信が開始されたと判断されたステップb8では、比較手段8が、ビットエラーレート値が予め定める閾値よりも大きいかどうかを判断する。大きいと判断されると、ステップb3に進み、大きくないと判断されると、ステップb5に進む。ステップb3の処理が終了すると、ステップb8に戻る。
【0068】
実施例8では、画像データの通信が不可能な期間の判断が、ビットエラーレート値と予め定める閾値との関係によって判断される。したがって、ビットエラーレート値が大きく、画像データの通信が不可能である期間中に、前記実施例5と同様にして、受信した画像データを破棄するようにしているので、当該期間中に受信した画像データ以外の信号を、画像データと見なして伸長処理を行ってしまい、受信エラーが発生することを低減することができる。また、画像データ以外の信号を画像データであると見なして、印画出力することがなくなり、出力される画像の品位が向上する。なお実施例8の通信装置1bは、識別手段7と無効化手段13と設定手段14とを除外して構成してもかまわない。
【0069】
(実施例9)
図14は、実施例9である通信装置1bの画像データ受信時の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、図11に示される実施例6のフローチャートのステップb2に代わって、ステップb8を追加し、ステップb4を削除したものである。
【0070】
ステップb1で画像データの受信が開始されたと判断されたステップb8では、比較手段8が、ビットエラーレート値が予め定める閾値よりも大きいかどうかを判断する。大きいと判断されると、ステップb6に進み、大きくないと判断されると、ステップb5に進む。ステップb6の処理が終了すると、ステップb8に戻る。
【0071】
以上のように実施例9では、画像データの通信が不可能な期間の判断が、ビットエラーレート値と予め定める閾値との関係によって判断され、ビットエラーレート値が大きく、画像データの通信が不可能である期間中に、前記実施例6と同様にして、受信エラー検出用タイマを無効化するようにしているので、当該期間中に受信した信号が、画像データではないと判断されて通信が中断してしまうことを防止することができる。なお実施例9の通信装置1bは、識別手段7と破棄手段12と設定手段14とを除外して構成してもかまわない。
【0072】
(実施例10)
図15は、実施例10である通信装置1bの画像データ受信時の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、図12に示される実施例7のフローチャートのステップb2に代わって、ステップb8を追加し、ステップb4を削除したものである。
【0073】
ステップb1で画像データの受信が開始されたと判断されたステップb8では、比較手段8が、ビットエラーレート値が予め定める閾値よりも大きいかどうかを判断する。大きいと判断されると、ステップb7に進み、大きくないと判断されると、ステップb5に進む。ステップb7の処理が終了すると、ステップb8に戻る。
【0074】
以上のように実施例10では、画像データの通信が不可能な期間の判断が、ビットエラーレート値と予め定める閾値との関係によって判断され、ビットエラーレート値が大きく、画像データの通信が不可能である期間中に、モデム内の適応等化器の設定値の更新を禁止するようにしているので、前記実施例7で説明したような不都合の発生が低減される。なお実施例10の通信装置1bは、識別手段7と破棄手段12と無効化手段13とを除外して構成してもかまわない。
【0075】
また、通信装置1bにおいて、実施例5と実施例8とを組合わせて、通信チャネルの切替え手順の実行期間中およびビットエラーレート値が大きい期間中に、画像データを破棄するようにしてもかまわない。また、実施例6と実施例9とを組合わせてもかまわない。さらに、実施例7と実施例10とを組合わせてもかまわない。さらに、通信装置1aと通信装置1bとを組合わせて実現してもかまわない。
【0077】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、チャネルの切替え手順が終了するまで、当該手順の実行期間中に送信される1ライン分の画像データを連続して繰り返して送信するようにして、伝送期間の時間を稼ぐようにしているので、前記期間中に送出される新たな画像データを少なくすることができ、画像データの欠落が低減する。
【0078】
また本発明によれば、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合が予め定める閾値を越えている期間中に送信される1ライン分の画像データの末尾には、疑似信号を付加するようにしているので、ビットエラーレート値が大きく、画像データの通信が不可能であるときに、送信される画像データを少なくすることができる。このため、前記期間中の画像データの欠落が低減し、印画出力される画像の品位が向上する。
【0079】
また本発明によれば、ビットエラーの発生割合が予め定める閾値を越えている期間中に送信される1ライン分の画像データを連続して繰り返し送信するようにして、伝送期間の時間を稼ぐようにしているので、画像データの通信が不可能な前記期間中に送出される新たな画像データを少なくすることができ、画像データの欠落が低減する。
【0081】
また本発明によれば、チャネルの切替え手順が終了するまで、所定の条件を満たさないことによって通信の中断手順を実行するための、計測手段の計測動作を無効とするようにしているので、チャネルの切替え手順の実行期間中に受信した信号が画像データではないと判断されて通信が中断してしまうことを防止することができる。
【0082】
また本発明によれば、チャネルの切替え手順が終了するまで、適応等化器の設定値を固定するようにしているので、通信チャネルの切替え手順が終了して無線通信の状況が復帰したときに、適応等化器が復帰した状況に容易に追随することができる。
【0084】
また本発明によれば、ビットエラーの発生割合が予め定める閾値を越えている期間には、受信エラー検出用計測手段の計測動作を無効とするようにしているので、前記期間中に受信した信号が画像データではないと判断されて、通信が中断してしまうことを防止することができる。
【0085】
また本発明によれば、ビットエラーの発生割合が予め定める閾値を越えている期間には、適応等化器の設定値を固定するようにしているので、無線通信の状況が復帰したときに、適応等化器が復帰した状況に容易に追随することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である通信装置1aの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】PHS通信方式における一括発信時の手順を示す図である。
【図3】PHS通信方式における他の網への通信中チャネルの切替え手順の一例であるハンドオーバ動作を示す図である。
【図4】実施例1である通信装置1aの画像データ送信時の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施例1の手順に従って送信される画像データ21の構成を示す図である。
【図6】実施例2である通信装置1aの画像データ送信時の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施例3である通信装置1aの画像データ送信時の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施例4である通信装置1aの画像データ送信時の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の他の形態である通信装置1bの電気的構成を示すブロック図である。
【図10】実施例5である通信装置1bの画像データ受信時の動作を示すフローチャートである。
【図11】実施例6である通信装置1bの画像データ受信時の動作を示すフローチャートである。
【図12】実施例7である通信装置1bの画像データ受信時の動作を示すフローチャートである。
【図13】実施例8である通信装置1bの画像データ受信時の動作を示すフローチャートである。
【図14】実施例9である通信装置1bの画像データ受信時の動作を示すフローチャートである。
【図15】実施例10である通信装置1bの画像データ受信時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1a,1b 通信装置
2 無線部
3 電話部
4a,4b ファクシミリ(FAX)部
5 アンテナ
6 電話制御手段
7 識別手段
8 比較手段
9 ファクシミリ(FAX)制御手段
10 FIL付加手段
11 連続送信手段
12 破棄手段
13 無効化手段
14 設定手段
21 画像データ
22 EOL信号
23 DATA信号
24 FIL信号
25a,25b 1ラインデータ
Claims (7)
- 所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、当該基地局との間で送受信される信号レベルが劣化すると、所定の通信チャネルの切替え手順を実行し、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの送信機能を実行しているときに、チャネルの切替え手順が実行されたことを識別する送信時チャネル切替識別手段と、
前記送信時チャネル切替識別手段の出力に応答して、チャネルの切替え手順が終了するまで、当該手順の実行期間中に送信される1ライン分の画像データを連続して繰り返し送信する連続送信手段を含むことを特徴とする通信装置。 - 所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの送信機能を実行しているときに、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合と予め定める閾値とを比較する送信時エラー発生割合比較手段と、
前記送信時エラー発生割合比較手段の出力に応答して、ビットエラーの発生割合が前記予め定める閾値を越えている期間中に送信される1ライン分の画像データの末尾に疑似信号を付加する疑似信号付加手段とを含むことを特徴とする通信装置。 - 所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの送信機能を実行しているときに、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合と予め定める閾値とを比較する送信時エラー発生割合比較手段と、
前記送信時エラー発生割合比較手段の出力に応答して、ビットエラーの発生割合が前記予め定める閾値を越えている期間中に送信される1ライン分の画像データを連続して繰り返し送信する連続送信手段を含むことを特徴とする通信装置。 - 所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、当該基地局との間で送受信される信号レベルが劣化すると、所定の通信チャネルの切替え手順を実行し、画像データとして認識できる信号が、受信エラー検出用計測手段に設定される予め定められる期間中に受信されなかったときには、所定の通信の中断手順を実行し、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの受信機能を実行しているときに、チャネルの切替え手順が実行されたことを識別する受信時チャネル切替識別手段と、
前記受信時チャネル切替識別手段の出力に応答して、チャネルの切替え手順が終了するまで、前記受信エラー検出用計測手段の計測動作を無効化する無効化手段を含むことを特徴とする通信装置。 - 所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、当該基地局との間で送受信される信号レベルが劣化すると、所定の通信チャネルの切替え手順を実行し、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの受信機能を実行しているときに、チャネルの切替え手順が実行されたことを識別する受信時チャネル切替識別手段と、
時間軸で可変の設定値に基づいてチャネル上で発生する歪み信号を除去する適応等化器と、
前記受信時チャネル切替識別手段の出力に応答して、チャネルの切替え手順が終了するまで、前記適応等化器の設定値を固定する設定手段を含むことを特徴とする通信装置。 - 所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、画像データとして認識できる信号が、受信エラー検出用計測手段に設定される予め定められる期間中に受信されなかったときには、所定の通信の中断手順を実行し、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの受信機能を実行しているときに、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合と、予め定める閾値とを比較する受信時エラー発生割合比較手段と、
前記受信時エラー発生割合比較手段の出力に応答して、ビットエラーの発生割合が予め定める閾値を越えている期間中には、前記受信エラー検出用計測手段の計測動作を無効化する無効化手段を含むことを特徴とする通信装置。 - 所定の手順に従ってチャネルを確立した基地局との間で無線通信を行い、デジタル/アナログ変換したアナログ画像データの送受信機能を備える通信装置において、
画像データの受信機能を実行しているときに、チャネル上で発生するビットエラーの発生割合と、予め定める閾値とを比較する受信時エラー発生割合比較手段と、
時間軸で可変の設定値に基づいてチャネル上で発生する歪み信号を除去する適応等化器と、
前記受信時エラー発生割合比較手段の出力に応答して、ビットエラーの発生割合が予め定める閾値を越えている期間中には、前記適応等化器の設定値を固定する設定手段を含むことを特徴とする通信装置。
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