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JP3573969B2 - Semiconductor device manufacturing method - Google Patents

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JP3573969B2
JP3573969B2 JP20566398A JP20566398A JP3573969B2 JP 3573969 B2 JP3573969 B2 JP 3573969B2 JP 20566398 A JP20566398 A JP 20566398A JP 20566398 A JP20566398 A JP 20566398A JP 3573969 B2 JP3573969 B2 JP 3573969B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は結晶性を有する半導体を用いた半導体装置およびその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜半導体を用いた薄膜トランジスタ(以下TFTと記載する)が知られている。このTFTは、基板上に薄膜半導体を形成し、この薄膜半導体を用いて構成されるものである。このTFTは、各種集積回路に利用されているが、特に電気光学装置特にアクティブマトリックス型の液晶表示装置の各画素の設けられたスイッチング素子、さらには周辺回路部分に形成されるドライバー素子として注目されている。
【0003】
TFTに利用される薄膜半導体としては、非晶質珪素膜を用いることが簡便であるが、その電気的特性が低いという問題がある。TFTの特性向上を得るためには、結晶性を有するシリコン薄膜を利用すればよい。結晶性を有するシリコン膜は、多結晶シリコン、ポリシリコン、微結晶シリコン等と称されている。この結晶性を有するシリコン膜を得るためには、まず非晶質珪素膜を形成し、しかる後に加熱あるいはレーザー光等の照射によって結晶化さればよい。
【0004】
しかしながら、加熱による結晶化は、加熱温度が600℃以上の温度で10時間以上の時間を掛けることが必要であり、基板としてガラス基板を用いることが困難であるという問題がある。例えば一般にアクティブ型の液晶表示装置に用いられるコーニング7059ガラスはガラス歪点が593℃であり、基板の大面積化を考慮した場合、600℃以上の加熱を行うことは工業的に問題がある。
またレーザーを用いた結晶化方法は、エキシマレーザーの様な短パルスレーザーを用いることにより殆どガラス基板の熱による歪み等を無視することができる優れた方法であるが、素子を形成した際のばらつきが大きく、次世代技術の感が強い。このばらつきの原因としては、レーザー光の安定性の不足がその一因であり、これについては今後次第に解消されると考えられる。しかし、更に大きな要因として、レーザー光照射部分の温度分布を挙げることができる。
これを更に説明する。
【0005】
〔発明の背景〕
本発明者らは、上記の様な非晶質珪素の結晶化に付随する問題点を解決するために、熱結晶化を促進する方法、及びレーザー結晶化におけるばらつきの低減方法の2つの検討を行った。
そして前者に関しては、非晶質珪素膜の表面にニッケルやパラジウム、さらには鉛等の元素を微量に堆積させ、しかる後に加熱することで、550℃、4時間程度の処理時間で結晶化を行なえることを確認している。
【0006】
上記のような微量な元素(結晶化を助長する触媒元素)を導入するには、プラズマ処理や蒸着、さらにはイオン注入を利用すればよい。プラズマ処理とは、平行平板型あるいは陽光柱型のプラズマCVD装置において、電極として触媒元素を含んだ材料を用い、窒素または水素等の雰囲気でプラズマを生じさせることによって非晶質珪素膜に触媒元素の添加を行なう方法である。
【0007】
しかしながら、上記のような元素が半導体中に多量に存在していることは、これら半導体を用いた装置の信頼性や電気的安定性を阻害するものであり好ましいことではない。
【0008】
即ち、上記のニッケル等の結晶化を助長する元素(本明細書では、結晶化を助長する元素を触媒元素という)は、非晶質珪素を結晶化させる際には必要であるが、結晶化した珪素中には極力含まれないようにすることが望ましい。この目的を達成するには、触媒元素として結晶性珪素中で不活性な傾向が強いものを選ぶと同時に、結晶化に必要な触媒元素の量を極力少なくし、最低限の量で結晶化を行なう必要がある。そしてそのためには、上記触媒元素の添加量を精密に制御して導入する必要がある。
【0009】
また、ニッケルを触媒元素とした場合において、非晶質珪素膜を成膜し、ニッケル添加をプラズマ処理法によって行ない結晶性珪素膜を作製し、その結晶化過程等を詳細に検討したところ以下の事項が判明した。
(1)プラズマ処理によってニッケルを非晶質珪素膜上に導入した場合、熱処理を行なう以前に既に、ニッケルは非晶質珪素膜中のかなりの深さの部分まで侵入している。
(2)結晶の初期核発生は、ニッケルを導入した表面から発生している。
(3)蒸着法でニッケルを非晶質珪素膜上に成膜した場合であっても、プラズマ処理を行なった場合と同様に結晶化が起こる。
【0010】
上記事項から、プラズマ処理によって導入されたニッケルが全て効果的に機能していないということが結論される。即ち、多量のニッケルが導入されても十分に機能していないニッケルが存在していると考えられる。このことから、ニッケルと珪素が接している点(面)が低温結晶化の際に機能していると考えられる。そして、可能な限りニッケルは微細に原子状に分散していることが必要であることが結論される。即ち、「必要なのは非晶質珪素膜の表面近傍に低温結晶化が可能な範囲内で可能な限り低濃度のニッケルが原子状で分散して導入されればよい」ということが結論される。
【0011】
非晶質珪素膜の表面近傍のみに極微量のニッケルを導入する方法、言い換えるならば、非晶質珪素膜の表面近傍のみ結晶化を助長する触媒元素を極微量導入する方法としては、蒸着法を挙げることができるが、蒸着法は制御性が悪く、触媒元素の導入量を厳密に制御することが困難であるという問題がある。
【0012】
また、触媒元素の導入量は極力少ないことが必要とされるが、この場合、結晶性が不良となる問題が生じ、適切な量の触媒元素の制御が重要である。
【0013】
次に、レーザー結晶化の際の特性のばらつきについては、検討の結果、レーザー照射部内での温度分布に起因する結晶性の相違及び核発生が偶発的であることの2点が主たる原因であるとの認識に到った。この理由について更に詳細に説明すると、レーザー光の強度分布は一般的にガウス分布を持っており、この分布に伴い非晶質珪素膜の温度も分布を有する。その結果、溶融あるいは一部溶融を経由する結晶化過程において、温度の低いところあるいは熱の拡散の高いところから非晶質珪素膜の融点以下となり結晶化が発生する筈であるが、この部分に必ずしも結晶核が存在するとは限らず、過冷却液体が結晶核と触れたところで爆発的に結晶化が起こることが予想される。また、その結晶核自身も酸化珪素との界面の凹凸等であるため均一な結晶化が困難であると予想されるのである。
【0014】
この現象を回避するためには、溶融部分が最初に融点以下の温度に下がる部分と、結晶核が存在する部分が一致していることが望ましい。その為に発明者らはレーザー結晶化の前に予め制御された結晶核を導入し、その後レーザー結晶化を施すことを試みた。その結果、結晶核が非晶質珪素よりもレーザー光の透過率が高く、熱伝導率の高い材料を用いた場合、即ち非晶質珪素よりも早く珪素の融点以下に低下する材料を用いた場合には、そこから結晶成長が始まり、良好な結晶性珪素薄膜を得ることが可能であることを見出した。この様な材料としては多くの結晶性材料をその候補として挙げることができるが、その中でも特にエピタキシャル成長可能な材料として、結晶性珪素の微小な結晶粒、あるいは非晶質珪素にニッケル触媒を添加後加熱して得られるニッケルシリサイド等が特に望ましいことが判明した。
【0015】
そして結晶核を導入する場所であるが、非晶質珪素膜の全体に均一に導入するのではなく、基板に対して上側の界面あるいは下地との界面近傍に導入し、且つレーザー光の照射方向を結晶核が導入された界面側から照射することにより最も特性の良い結晶性珪素膜が得られることが判明した。界面に結晶核を導入すことは、結晶成長が膜厚方向に十分に可能であることによると考えられ、一つの結晶粒を大きくする効果があるものと考えられる。またレーザーの照射方向については、結晶核を通してその界面を特に加熱する効果、あるいは膜厚方向での温度勾配の効果等に起因することが考えられるが、これについては完全には機構は解明できていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はガラス上に良好な結晶性珪素膜を作製する方法を提供することを課題とする。さらにまた、固相成長法を用いたものと同様の安定性と、レーザー結晶化を用いた場合と同程度の高い結晶性を兼ね備えたものを得る方法を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
非晶質珪素膜を形成する工程と、
前記非晶質珪素膜に結晶核を導入する工程と、
前記結晶核から結晶成長せしめ結晶性珪素膜を得る工程と、
を有することを基本的な構成とする。
【0018】
非晶質珪素膜に結晶核を導入するには、ニッケル等の結晶化を助長する元素を非晶質珪素膜の表面に導入し、しかる後に加熱や光照射(赤外線の照射)によってエネルギーを供給することによって行われる。
【0019】
そしてこの結晶核から結晶成長を行うには、この結晶核が形成された面側からレーザー光を強光を照射すればよい。
【0020】
本発明は、非晶質珪素膜に接して該非晶質珪素膜の結晶化を助長するニッケルを代表とする触媒元素単体または前記触媒元素を含む化合物を保持させ、前記非晶質珪素膜に前記触媒元素単体または前記触媒元素を含む化合物が接した状態において、ガラス基板に影響を与えない程度の低温で加熱処理を施し、前記非晶質珪素膜を一部結晶化させ、結晶核を形成することを第一の特徴とする。そして、その後レーザー光または強光を照射して結晶化を施すことにより、予め形成されていた微小な結晶性珪素を結晶核とする疑エピタキシャルな結晶成長を行うことにより良好な結晶性を有する結晶性珪素薄膜を得ることを第二の特徴とする。
【0021】
結晶化を助長する触媒元素の導入方法としては、触媒元素を含む溶液を非晶質珪素膜表面に塗布することによる方法が有用である。
【0022】
特に本発明においては、非晶質珪素膜の表面に接して触媒元素が導入されることが特徴である。このことは、触媒元素の量を制御する上で極めて重要である。
【0023】
触媒元素が導入されるのは、非晶質珪素膜の上面であっても下面であってもよい。非晶質珪素膜の上面に触媒元素を導入するのであれば、非晶質珪素膜を形成した後に、触媒元素を含有した溶液を非晶質珪素膜上に塗布すればよいし、非晶質珪素膜の下面に触媒元素を導入するのであれば、非晶質珪素膜を形成する前に下地表面に触媒元素を含有した溶液を塗布し、下地表面に接して触媒元素を保持する状態とすればよい。
【0024】
本発明を利用した半導体装置において、結晶化された珪素半導体膜を用いて、PN、PI、NIその他の電気的接合を少なくとも1つ有する活性領域を構成することは有効である。半導体装置としては、薄膜トランジスタ(TFT)、ダイオード、光センサを用いることができる。
【0025】
本発明の構成を採用することによって以下に示すような基本的な有意性を得ることができる。
(a)溶液中における触媒元素濃度は、予め厳密に制御し結晶性をより高めかつその元素の量をより少なくすることが可能である。
(b)溶液と非晶質珪素膜の表面とが接触していれば、触媒元素の非晶質珪素への導入量は、溶液中における触媒元素の濃度によって決まる。
(c)非晶質珪素膜の表面に吸着する触媒元素が主に結晶化に寄与することとなるので、必要最小限度の濃度で触媒元素を導入できる。
(d)高温プロセスを必要としないで、結晶性の良好な結晶性珪素膜を得ることができる。
【0026】
非晶質珪素膜上に結晶化を助長する元素を含有させた溶液を塗布する方法としては、溶液として水溶液、有機溶媒溶液等を用いることができる。ここで含有とは、化合物として含ませるという意味と、単に分散させることにより含ませるという意味との両方を含む。
【0027】
触媒元素を含む溶媒としては、極性溶媒である水、アルコール、酸、アンモニアから選ばれたものを用いることができる。
【0028】
触媒としてニッケルを用い、このニッケルを極性溶媒に含ませる場合、ニッケルはニッケル化合物として導入される。このニッケル化合物としては、代表的には臭化ニッケル、酢酸ニッケル、蓚酸ニッケル、炭酸ニッケル、塩化ニッケル、沃化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、蟻酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトネ−ト、4−シクロヘキシル酪酸ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケルから選ばれたものが用いられる。
【0029】
また触媒元素を含む溶媒として、無極性溶媒であるベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、エーテルから選ばれたものを用いることができる。
【0030】
この場合はニッケルはニッケル化合物として導入される。このニッケル化合物としては代表的には、ニッケルアセチルアセトネ−ト、2−エチルヘキサン酸ニッケルから選ばれたものを用いることができる。
【0031】
また触媒元素を含有させた溶液に界面活性剤を添加することも有用である。これは、被塗布面に対する密着性を高め吸着性を制御するためである。この界面活性剤は予め被塗布面上に塗布するのでもよい。
【0032】
触媒元素としてニッケル単体を用いる場合には、酸に溶かして溶液とする必要がある。
【0033】
以上述べたのは、触媒元素であるニッケルが完全に溶解した溶液を用いる例であるが、ニッケルが完全に溶解していなくとも、ニッケル単体あるいはニッケルの化合物からなる粉末が分散媒中に均一に分散したエマルジョンの如き材料を用いてもよい。または酸化膜形成用の溶液を用いるのでもよい。このような溶液としては、東京応化工業株式会社のOCD(Ohka Diffusion Source)を用いることができる。このOCD溶液を用いれば、被形成面上に塗布し、200℃程度でベークすることで、簡単に酸化珪素膜を形成できる。また不純物を添加することも自由であるので、本発明に利用することができる。
【0034】
なおこれらのことは、触媒元素としてニッケル以外の材料を用いた場合であっても同様である。
【0035】
結晶化を助長する触媒元素としてニッケルを用い、このニッケルを含有させる溶液溶媒として水の如き極性溶媒を用いた場合において、非晶質珪素膜にこれら溶液を直接塗布すると、溶液が弾かれてしまうことがある。この場合は、100Å以下の薄い酸化膜をまず形成し、その上に触媒元素を含有させた溶液を塗布することで、均一に溶液を塗布することができる。また、界面活性剤の如き材料を溶液中に添加する方法により濡れを改善する方法も有効である。
【0036】
また、溶液として2−エチルヘキサン酸ニッケルのトルエン溶液の如き無極性溶媒を用いることで、非晶質珪素膜表面に直接塗布することができる。この場合にはレジスト塗布の際に使用されている密着剤の如き材料を予め塗布することは有効である。しかし塗布量が多過ぎる場合には逆に非晶質珪素中への触媒元素の添加を妨害してしまうために注意が必要である。
【0037】
溶液に含ませる触媒元素の量は、その溶液の種類にも依存するが、概略の傾向としてはニッケル量として溶液に対して200ppm〜1ppm、好ましくは50ppm〜1ppm(重量換算)とすることが望ましい。これは、結晶化終了後における膜中のニッケル濃度に鑑みて決められる値である。
【0038】
触媒元素を添加した非晶質珪素膜を加熱処理を行って結晶核を形成した後に、レーザー光の照射を行なうことによって、非晶質珪素膜全面を均一に結晶性珪素膜へと結晶化させることができる。
このレーザーによる結晶化工程においては、非常に特異的な現象が観測されている。結晶核を導入しない場合に全面結晶化を行うのに必要なレーザーパワーに比較してかなり小さなレーザーパワーで同程度の結晶化が可能なのである。一般的には、微結晶化した非晶質膜を結晶化するためには、結晶成分を含んでいない膜を結晶化させるよりも高いレーザーパワーが必要(透過率が異なる為に吸収されるレーザーパワーが小さい為)とされているのに対し、それとは逆の傾向であり、このことは今回の発明の大きなメリットの一つでもある。
ここで、触媒元素の導入量を調節することにより、結晶化して結晶核となる領域の量を制御しうる。この状態は、全体として見れば結晶性を有する成分と非晶質の成分とが混在する状態ということもできる。ここでレーザー光を照射することによって、この結晶性を有する成分に存在する結晶核から結晶成長を行なわすことができ、結晶性の高い珪素膜を得ることができる。即ち、小さな結晶粒を大きな結晶粒へと成長させることができる。そのため、結晶成長距離、それに付随する結晶粒の大きさ、また結晶粒の数等も、初期に導入する触媒元素の量及びレーザーパワーを適宜設定することにより制御可能であるという特徴をも有する。
【0039】
またレーザー光の照射の代わりに、強光特に赤外光を照射する方法を採用してもよい。赤外光はガラスには吸収されにくく、珪素薄膜に吸収されやすいので、ガラス基板上に形成された珪素薄膜を選択的に加熱することができ有用である。この赤外光を用いる方法は、ラピッド・サーマス・アニール(RTA)またはラピッド・サーマル・プロセス(RTP)と呼ばれる。
【0040】
本発明においては、触媒元素としてニッケルを用いた場合に最も顕著な効果を得ることができるが、その他利用できる触媒元素の種類としては、好ましくはNi、Pt、Cu、Ag、Au、In、Sn、Pd、P、As、Sbを利用することができる。また、VIII族元素、IIIb、IVb、Vb元素から選ばれた一種または複数種類の元素を利用することもできる。
【0041】
また、触媒元素の導入方法は、水溶液やアルコール等の溶液を用いることに限定されるものではなく、触媒元素を含んだ物質を広く用いることができる。例えば、触媒元素を含んだ金属化合物や酸化物を用いることができる。
【0042】
【実施例】
〔実施例1〕
本実施例では、結晶化を助長する触媒元素を水溶液に含有させて、非晶質珪素膜上に塗布し、しかる後に加熱により結晶化させ、さらにレーザー光の照射により結晶性を高める例である。
【0043】
図1を用いて、触媒元素(ここではニッケルを用いる)を導入するところまでを説明する。本実施例においては、基板としてコーニング7059ガラスを用いる。またその大きさは100mm×100mmとする。
【0044】
まず、非晶質珪素膜をプラズマCVD法やLPCVD法によってアモルファス状のシリコン膜を100〜1500Å形成する。ここでは、プラズマCVD法によって非晶質珪素膜12を1000Åの厚さに成膜する。(図1(A))
【0045】
そして、汚れ及び自然酸化膜を取り除くためにフッ酸処理を行い、その後酸化膜13を10〜50Åに成膜する。汚れが無視できる場合には、酸化膜13の代わりに自然酸化膜をそのまま用いれば良い。
【0046】
なお、この酸化膜13は極薄のため正確な膜厚は不明であるが、20Å程度であると考えられる。ここでは酸素雰囲気中でのUV光の照射により酸化膜13を成膜する。成膜条件は、酸素雰囲気中においてUVを5分間照射することにおって行なった。この酸化膜13の成膜方法としては、熱酸化法を用いるのでもよい。また過酸化水素による処理によるものでもよい。
【0047】
この酸化膜13は、後のニッケルを含んだ酢酸塩溶液を塗布する工程で、非晶質珪素膜の表面全体に酢酸塩溶液を行き渡らせるため、即ち濡れ性の改善の為のものである。例えば、非晶質珪素膜の表面に直接酢酸塩溶液を塗布した場合、非晶質珪素が酢酸塩溶液を弾いてしまうので、非晶質珪素膜の表面全体にニッケルを導入することができない。即ち、均一な結晶化を行うことができない。
【0048】
つぎに、酢酸塩溶液中にニッケルを添加した酢酸塩溶液を作る。ニッケルの濃度は25ppmとする。そしてこの酢酸塩溶液を非晶質珪素膜12上の酸化膜13の表面に2ml滴下し、この状態を5分間保持する。そしてスピナーを用いてスピンドライ(2000rpm、60秒)を行う。(図1(C)、(D))
【0049】
酢酸溶液中におけるニッケルの濃度は、1ppm以上好ましくは10ppm以上であれば実用になる。また、溶液として2−エチルヘキサン酸ニッケルのトルエン溶液の如き無極性溶媒を用いる場合、酸化膜13は不要であり、直接非晶質珪素膜上に触媒元素を導入することができる。
【0050】
このニッケル溶液の塗布工程を、1回〜複数回行なうことにより、スピンドライ後の非晶質珪素膜12の表面に数Å〜数百Åの平均の膜厚を有するニッケルを含む層を形成することができる。この場合、この層のニッケルがその後の加熱工程において、非晶質珪素膜に拡散し、結晶化を助長する触媒として作用する。なお、この層というのは、完全な膜になっているとは限らない。
【0051】
上記溶液の塗布の後、1分間その状態を保持させる。この保持させる時間によっても、最終的に珪素膜12中に含まれるニッケルの濃度を制御することができるが、最も大きな制御因子は溶液の濃度である。
【0052】
そして、加熱炉において、窒素雰囲気中において550度、1時間の加熱処理を行う。この結果、基板11上に形成された一部結晶性を有する珪素薄膜12を得ることができる。即ち、この工程で結晶核を導入することができる。この状態を模式的に示した図を図2(A)に示す。図2(A)には、ガラス基板11上に形成された非晶質珪素膜12の表面にニッケルの導入にとって形成された結晶核21が形成されている状態が示されている。
【0053】
上記の加熱処理は450度以上の温度で行うことができるが、温度が低いと加熱時間を長くしなけらばならず、生産効率が低下する。また、550度以上とすると基板として用いるガラス基板の耐熱性の問題が表面化してしまう。
【0054】
本実施例においては、非晶質珪素膜上に触媒元素を導入する方法を示したが、非晶質珪素膜下に触媒元素を導入する方法を採用してもよい。この場合は、非晶質珪素膜の成膜前に触媒元素を含有した溶液を用いて、下地膜上に触媒元素を導入すればよい。
【0055】
加熱処理に処理により一部結晶性を有する珪素膜12を得たら、KrFエキシマレーザ(波長248nm、パルス幅30nsec)を窒素雰囲気中において200〜350mJ/cm のパワー密度で数ショト照射し、珪素膜12を完全に結晶化せしめる。この工程は、前述した赤外光の照射によってもよい。この工程において、レーザー光を触媒元素が導入され結晶核が形成された珪素膜12の上面側から行うことは重要である。図2(A),(B)は、レーザー光20が照射されることによって、21で示される結晶核から22で示されるように結晶成長が行われていく様子が示されている。結晶化は図2(A)の矢印で示されるように結晶核21を中心として成長していく。この結晶化が進行することによって、23で示されるような多結晶構造を得ることができる。図2(A)に示す模式図に対応する珪素薄膜の断面写真を図6に示す。図6には、ガラス基板上に形成された非晶質珪素膜の表面にニッケルの導入によって結晶核が形成され、その結晶核がやや成長した状態を示している。図5においてこのやや成長した結晶成分は黒い四角で示されている。なおガラス基板表面には酸化珪素膜が形成されているが、図5に示す写真においてはガラス基板と区別できない。
【0056】
〔実施例2〕
本実施例は、実施例1において、触媒元素であるニッケル塩の濃度を10ppmとしたものである。その他の処理は全て実施例1と同様である。
熱処理後の薄膜を顕微鏡観察した結果、この様に濃度を下げた試料は、実施例1の試料よりも非晶質珪素の部分が多く、また結晶性珪素からなる結晶核の数も半数程度に低下していた。次にレーザー結晶化後の試料をセコエッチ後SEMにより観察してみた。その結果、今回の様に溶液濃度を低下することにより、一つの結晶粒の大きさを、実施例1の場合と比較して大きくすることが可能であることが判明した。
【0057】
〔実施例3〕
本実施例は、本発明の方法を利用して作製した結晶性珪素膜を用いて、TFTを得る例である。本実施例のTFTは、アクティブマトリックス型の液晶表示装置のドライバー回路や画素部分に用いることができる。なお、TFTの応用範囲としては、液晶表示装置のみではなく、一般に言われる薄膜集積回路に利用できることはいうまでもない。
【0058】
本実施例は、非晶質珪素膜の表面側に結晶核を導入し、しかる後にその結晶核が導入された側からレーザー光を照射し、結晶性珪素膜を得る技術を利用したTFTの作製方法に関する。本発明者らの知見によれば、このような構成を採用した場合には、結晶性珪素膜の表面の荒れをレーザー光単独で結晶化を行なう場合と比較して、非常に小さくできることが判明している。これは、珪素薄膜の表面側が結晶性珪素成分を多く含むため、その部分がレーザー光の吸収が小さく、溶融されにくく、その結果として表面の荒れが固相成長単独の場合とほぼ同程度であることに起因すると考えられる。この表面の荒れは、TFTにおいてはキャリアの散乱等の悪影響を及ぼす為、本実施例のような構成を採ることは極めて有用である。
【0059】
図3に本実施例の作製工程の概要を示す。まずガラス基板上に下地の酸化珪素膜(図示せず)を2000Åの厚さに成膜する。この酸化珪素膜は、ガラス基板からの不純物の拡散を防ぐために設けられる。
【0060】
そして、非晶質珪素膜を実施例1と同様な方法で500Åの厚さに成膜する。そして、自然酸化膜を取り除くためのフッ酸処理の後、薄い酸化膜を20Å程度の厚さに酸素雰囲気でのUV光の照射によって成膜する。この薄い酸化膜の作製方法は、過水処理や熱酸化による方法でもよい。
【0061】
そして10ppmのニッケルを含有した酢酸塩溶液を塗布し、5分間保持し、スピナーを用いてスピンドライを行う。その後バッファフッ酸によって酸化珪素膜20と21を取り除き、550度、1時間の加熱によって、珪素膜を一部結晶化させる。この一部結晶化した部分が後のレーザー結晶化工程における結晶核として作用する。この加熱処理を行うことによって、非晶質成分と結晶成分とが混在した珪素膜を得られる。
【0062】
そしてKrFエキシマレーザー光を表面側より200〜300mJで照射することにより、結晶性珪素膜を得る。このレーザー光の照射工程においては、基板を400℃程度に加熱する。この工程よって、結晶成分に存在している結晶核を核として結晶成長が行なわれる。
【0063】
次に、結晶化した珪素膜をパターニングして、島状の領域104を形成する。この島状の領域104はTFTの活性層を構成する。そして、厚さ200〜1500Å、ここでは1000Åの酸化珪素105を形成する。この酸化珪素膜はゲイト絶縁膜としても機能する。(図3(A))
【0064】
上記酸化珪素膜105の作製には注意が必要である。ここでは、TEOSを原料とし、酸素とともに基板温度150〜600℃、好ましくは300〜450℃で、RFプラズマCVD法で分解・堆積した。TEOSと酸素の圧力比は1:1〜1:3、また、圧力は0.05〜0.5torr、RFパワーは100〜250Wとした。あるいはTEOSを原料としてオゾンガスとともに減圧CVD法もしくは常圧CVD法によって、基板温度を350〜600℃、好ましくは400〜550℃として形成した。成膜後、酸素もしくはオゾンの雰囲気で400〜600℃で30〜60分アニールした。
【0065】
この状態でKrFエキシマーレーザー(波長248nm、パルス幅20nsec)あるいはそれと同等な強光を照射することで、シリコン領域104の結晶化を助長さえてもよい。特に、赤外光を用いたRTA(ラピットサーマルアニール)は、ガラス基板を加熱せずに、珪素のみを選択的に加熱することができ、しかも珪素と酸化珪素膜との界面における界面準位を減少させることができるので、絶縁ゲイト型電界効果半導体装置の作製においては有用である。
【0066】
その後、厚さ2000Å〜1μmのアルミニウム膜を電子ビーム蒸着法によって形成して、これをパターニングし、ゲイト電極106を形成する。アルミニウムにはスカンジウム(Sc)を0.15〜0.2重量%ドーピングしておいてもよい。次に基板をpH≒7、1〜3%の酒石酸のエチレングリコール溶液に浸し、白金を陰極、このアルミニウムのゲイト電極を陽極として、陽極酸化を行う。陽極酸化は、最初一定電流で220Vまで電圧を上げ、その状態で1時間保持して終了させる。本実施例では定電流状態では、電圧の上昇速度は2〜5V/分が適当である。このようにして、厚さ1500〜3500Å、例えば、2000Åの陽極酸化物109を形成する。(図3(B))
【0067】
その後、イオンドーピング法(プラズマドーピング法ともいう)によって、各TFTの島状シリコン膜中に、ゲイト電極部をマスクとして自己整合的に不純物(燐)を注入した。ドーピングガスとしてはフォスフィン(PH )を用いた。ドーズ量は、1〜4×1015cm−2とする。
【0068】
さらに、図3(C)に示すようにKrFエキシマーレーザー(波長248nm、パルス幅20nsec)を照射して、上記不純物領域の導入によって結晶性の劣化した部分の結晶性を改善させる。レーザーのエネルギー密度は150〜400mJ/cm 、好ましくは200〜250mJ/cm である。こうして、N型不純物(燐)領域108、109を形成する。これらの領域のシート抵抗は200〜800Ω/□であった。
【0069】
この工程において、レーザー光を用いる代わりに、フラッシュランプを使用して短時間に1000〜1200℃(シリコンモニターの温度)まで上昇させ、試料を加熱する、いわゆるRTA(ラピッド・サーマル・アニール)(RTP、ラピット・サーマル・プロセスともいう)等のいわゆるレーザー光と同等の強光を用いてもよい。
【0070】
その後、全面に層間絶縁物110として、TEOSを原料として、これと酸素とのプラズマCVD法、もしくはオゾンとの減圧CVD法あるいは常圧CVD法によって酸化珪素膜を厚さ3000Å形成する。基板温度は250〜450℃、例えば、350℃とする。成膜後、表面の平坦性を得るため、この酸化珪素膜を機械的に研磨する。(図3(D))
【0071】
そして、層間絶縁物110をエッチングして、図1(E)に示すようにTFTのソース/ドレインにコンタクトホールを形成し、クロムもしくは窒化チタンの配線112、113を形成する。
【0072】
従来、プラズマ処理を用いてニッケルを導入した結晶性珪素膜は、酸化珪素膜に比較してバッファフッ酸に対する選択性が低いので、上記コンタクトホールの形成工程において、エッチングされてしまうことが多かった。
【0073】
しかし、本実施例のように10ppmの低濃度で水溶液を用いてニッケルを導入した場合には、耐フッ酸性が高いので、上記コンタクトホールの形成が安定して再現性よく行なうことができる。
【0074】
最後に、水素中で300〜400℃で0.1〜2時間アニールして、シリコンの水素化を完了する。このようにして、TFTが完成する。そして、同時に作製した多数のTFTをマトリクス状に配列せしめてアクティブマトリクス型液晶表示装置として完成する。このTFTは、ソース/ドレイン領域108/109とチャネル形成領域114を有している。また115がNIの電気的接合部分となる。
【0075】
本実施例の構成を採用した場合、活性層中に存在するニッケルの濃度は、3×1018cm−3程度あるいはそれ以下の、1×1016atoms cm−3〜3×1018atoms cm−3であると考えられる。
【0076】
本実施例で作製されたTFTは、移動度がNチャネルで200cm /Vs以上のものが得られている。またVthも小さく良好な特性を有していることが確認されている。さらに、移動度のバラツキも±10%以内であることが確認されている。このバラツキの少なさは、加熱処理により結晶核を均一に導入し、しかる後にレーザー光の照射により、結晶化せしめたため、均一な結晶粒を形成できたことに起因するためと考えられる。レーザー光のみを利用した場合には、Nチャケル型で150cm /Vs以上のものを容易に得ることができるが、バラツキが大きく、本実施例のような均一性を得ることができない。
【0077】
〔実施例4〕
本実施例は、非晶質珪素膜の下側(基板と接する側)に結晶核を導入し、しかる後に基板下面側からレーザー光を照射し、基板上に形成されている非晶質珪素膜を結晶化させる方法を採用し、TFTを作製する例である。
【0078】
TFTの詳細は図3に示すものと同様である。本実施例においては、基板をレーザーが透過する必要がある。本実施例においては、レーザー光としてKrFエキシマレーザーを用いるので、基板としてはKrFエキシマレーザー(波長353nm)を透過する石英ガラス基板を用いる。またレーザーとしてXeFエキシマレーザー(波長353nm)やそれ以上の波長を有するレーザーを用いれば、ガラス基板(コーニング7059)を用いることができる。
【0079】
まず自然酸化膜を取り除くためのフッ酸処理を石英ガラス表面に対して行った後、薄い酸化膜を20Å程度の厚さに酸素雰囲気でのUV光の照射によって成膜する。この薄い酸化膜の作製方法は、過水処理や熱酸化による方法でもよい。
【0080】
そして10ppmのニッケルを含有した酢酸塩溶液を塗布し、5分間保持し、スピナーを用いてスピンドライを行う。その後、非晶質珪素膜をプラズマCVD法によって500Åの厚さに成膜する。非晶質珪素膜の成膜は、減圧熱CVD法によるものであってもよい。
【0081】
次に、550度、1時間の加熱によって、珪素膜を一部結晶化させる。この工程によって、非晶質珪素膜の下面(石英基板と接する面側)に結晶核が生成する。この結晶核が後のレーザー結晶化工程における結晶核として作用する。この加熱処理を行うことによって、非晶質成分と結晶成分とが混在した珪素膜を得られる。
【0082】
そしてKrFエキシマレーザー光を基板側より200〜300mJで照射することにより、結晶性珪素膜を得る。このレーザー光の照射工程においては、基板を400℃程度に赤外線ランプによって加熱する。この工程よって、結晶成分に存在している結晶核を核として結晶成長が行なわれる。
【0083】
こうして結晶性を有する珪素膜を得たら、実施例3と同様な工程を経て、図3に示すようなTFTを完成する。本実施例で得られたTFTは、実施例3で示す方法で作製したTFTと同様な特性を有するものであった。
【0084】
〔比較例〕
本比較例は、実施例4に示す構成において、レーザー光の照射方向を下面に結晶核が導入された非晶質珪素膜の上面側(表面側)からとした例である。この場合、結晶核を導入する工程の影響は殆ど観察されず、単にレーザー光を照射し結晶化を行った場合と同様の効果が得られたのみであった。本比較例から、非晶質膜の一方の面側に結晶核を導入し、他方の面からレーザー光を照射しても大きな効果は得られないことが確認される。
【0085】
〔実施例5〕
本実施例は、触媒元素を用いた結晶核の導入工程において、結晶核の生成を加熱によるのではなく、強光の照射によって行う例である。本実施例においては、実施例3に示すように、まず非晶質珪素膜を成膜し、しかるのちに触媒元素を導入し結晶核を生成させる方法について説明する。
【0086】
まず実施例3と同様にガラス基板上に非晶質珪素膜を成膜する。そして極薄い酸化珪素膜を成膜し、ニッケルを重量換算で25ppm含有した酢酸塩溶液を実施例1に示した工程と同様にして塗布する。
【0087】
その後、波長1.2μmの赤外光を非晶質珪素膜の表面側から照射することによって、非晶質珪素膜表面に結晶核を生成させる。赤外線の光源としてはハロゲンランプを用いる。赤外光の強度は、モニターの単結晶シリコンウェハー上の温度が900〜1200℃の間にあるように調整する。具体的には、シリコンウェハーに埋め込んだ熱電対の温度をモニターして、これを赤外線の光源にフィードバックさせる。本実施例では、昇温は、一定で速度は50〜200℃/秒、降温は自然冷却で20〜100℃とする。この赤外光照射は、珪素膜を選択的に加熱することになるので、ガラス基板への加熱を最小限に抑えることができる。
【0088】
この工程によって、非晶質珪素膜の表面に結晶核を生成させることができる。後の工程は実施例3と同様である。また、実施例4に示したように、非晶質珪素膜の基板と接する面側に触媒元素を導入し、しかる後に赤外光を非晶質珪素膜側、あるいは基板裏面側から照射することによって、非晶質珪素膜の基板と接する面側に結晶核を生成させることもできる。
【0089】
〔実施例6〕
図4に本実施例の作製工程の断面図を示す。まず、基板(コーニング7059)501上にスパッタリング法によって厚さ2000Åの酸化珪素の下地膜502を形成する。基板は、下地膜の成膜の前もしくは後に、歪み温度よりも高い温度でアニールをおこなった後、0.1〜1.0℃/分で歪み温度以下まで徐冷すると、その後の温度上昇を伴う工程(本発明の熱酸化工程およびその後の熱アニール工程を含む)での基板の収縮が少なく、マスク合わせが用意となる。コーニング7059基板では、620〜660℃で1〜4時間アニールした後、0.03〜1.0℃/分、好ましくは、0.1〜0.3℃/分で徐冷し、400〜500℃まで温度が低下した段階で取り出すとよい。
【0090】
次に、プラズマCVD法によって、厚さ500〜1500Å、例えば1000Åの真性(I型)の非晶質珪素膜を成膜する。そして、実施例1で示した方法により非晶質珪素膜の表面に結晶化を助長する触媒元素としてニッケルを導入する。そして窒素雰囲気(大気圧)、550℃、1時間アニールして、非晶質珪素膜の表面に結晶核を導入する。さらにKrFエキシマレーザーを照射し、結晶化せしめる。そして、珪素膜を10〜1000μm角の大きさにパターニングして、島状の珪素膜(TFTの活性層)503を形成する。(図4(A))
【0091】
その後、70〜90%の水蒸気を含む1気圧、500〜750℃、代表的には600℃の酸素雰囲気を水素/酸素=1.5〜1.9の比率でパイロジェニック反応法を用いて形成する。かかる雰囲気中において、3〜5時間放置することによって、珪素膜表面を酸化させ、厚さ500〜1500Å、例えば1000Åの酸化珪素膜504を形成する。注目すべきは、かかる酸化により、初期の珪素膜は、その表面が50Å以上減少し、結果として、珪素膜の最表面部分の汚染が、珪素−酸化珪素界面には及ばないようになることである。すなわち、清浄な珪素−酸化珪素界面が得られることである。酸化珪素膜の厚さは酸化される珪素膜の2倍であるので、1000Åの厚さの珪素膜を酸化して、厚さ1000Åの酸化珪素膜を得た場合には、残った珪素膜の厚さは500Åということになる。
【0092】
一般に酸化珪素膜(ゲイト絶縁膜)と活性層は薄ければ薄いほど移動度の向上、オフ電流の減少という良好な特性が得られる。一方、初期の非晶質珪素膜の結晶化はその膜厚が大きいほど結晶化させやすい。さらに、この熱酸化においては、再結合中心の存在しやすい非晶質成分、結晶粒界が酸化されやすく、結果的に活性層中の再結合中心を減少させるという特徴も有する。このため製品の歩留りが高まる。
【0093】
熱酸化によって酸化珪素膜504を形成したのち、基板を一酸化二窒素雰囲気(1気圧、100%)、600℃で2時間アニールする。(図4(B))
引き続いて、減圧CVD法によって、厚さ3000〜8000Å、例えば6000Åの多結晶珪素(0.01〜0.2%の燐を含む)を成膜する。そして、珪素膜をパターニングして、ゲイト電極505を形成する。さらに、この珪素膜をマスクとして自己整合的に、イオンドーピング法(プラズマドーピング法とも言う)によって、活性層領域(ソース/ドレイン、チャネルを構成する)にN導電型を付与する不純物(ここでは燐)を添加する。ドーピングガスとして、フォスフィン(PH )を用い、加速電圧を60〜90kV、例えば80kVとする。ドーズ量は1×1015〜8×1015cm−2、例えば、5×1015cm−2とする。この結果、N型の不純物領域506と507が形成される。
【0094】
その後、レーザー光の照射によってアニール行う。レーザー光としては、KrFエキシマレーザー(波長248nm、パルス幅20nsec)を用いたが、他のレーザーであってもよい。レーザー光の照射条件は、エネルギー密度が200〜400mJ/cm 、例えば250mJ/cm とし、一か所につき2〜10ショット、例えば2ショット照射する。このレーザー光の照射時に基板を200〜450℃程度に加熱することによって、効果を増大せしめてもよい。(図4(C))
【0095】
また、この工程は、近赤外光によるランプアニールによる方法でもよい。近赤外線は非晶質珪素よりも結晶化した珪素へは吸収されやすく、1000℃以上の熱アニールにも匹敵する効果的なアニールを行うことができる。その反面、ガラス基板(遠赤外光はガラス基板に吸収されるが、可視・近赤外光(波長0.5〜4μm)は吸収されにくい)へは吸収されにくいので、ガラス基板を高温に加熱することがなく、また短時間の処理ですむので、ガラス基板の縮みが問題となる工程においては最適な方法であるといえる。
【0096】
続いて、厚さ6000Åの酸化珪素膜508を層間絶縁物としてプラズマCVD法によって形成する。この層間絶縁物としてはポリイミドを利用してもよい。さらにコンタクトホールを形成して、金属材料、例えば、窒化チタンとアルミニウムの多層膜によってTFTの電極・配線509、510を形成する。最後に、1気圧の水素雰囲気で350℃、30分のアニールを行い、TFTを完成する。(図4(D))
【0097】
上記に示す方法で得られたTFTの移動度は110〜150cm /Vs、S値は0.2〜0.5V/桁であった。また、同様な方法によってソース/ドレインにホウ素をドーピングしたPチャネル型TFTも作製したところ、移動度は90〜120cm /Vs、S値は0.4〜0.6V/桁であり、公知のPVD法やCVD法によってゲイト絶縁膜を形成した場合に比較して、移動度は2割以上高く、S値は20%以上も減少した。
また、信頼性の面からも、本実施例で作製されたTFTは1000℃の高温熱酸化によって作製されたTFTにひけをとらない良好な結果を示した。
【0098】
〔実施例7〕
図7には、1枚のガラス基板上にディスプレーから、CPU、メモリーまで搭載した集積回路を用いた電気光学システムののブロック図を示す。本実施例は、本発明を利用したTFTを用いて、集積化された電気工学システム(液晶ディスプレー)を構成する例に関する。
【0099】
ここで、入力ポートとは、外部から入力された信号を読み取り、画像用信号に変換し、補正メモリーは、アクティブマトリクスパネルの特性に合わせて入力信号等を補正するためのパネルに固有のメモリーである。特に、この補正メモリーは、各画素固有の情報を不揮発性メモリーとして融資、個別に補正するためのものである。すなわち、電気光学装置の画素に点欠陥のある場合には、その点の周囲の画素にそれに合わせて補正した信号を送り、点欠陥をカバーし、欠陥を目立たなくする。または、画素が周囲の画素に比べて暗い場合には、その画素により大きな信号を送って、周囲の画素と同じ明るさとなるようにするものである。画素には、液晶73、キャパシタ72、TFT71が配置されている。
【0100】
CPUとメモリーは通常のコンピュータのものと同様で、特にメモリーは各画素に対応した画像メモリーをRAMとして持っている。また、画像情報に応じて、基板を裏面から照射するバックライトを変化させることもできる。
【0101】
【効果】
触媒元素を導入して非晶質珪素膜の表面側に結晶核を生成させ、しかる後に結晶核を導入した面側にレーザー光または強光を照射することによって、結晶性良好な結晶性珪素膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の工程を示す
【図2】実施例の工程を示す。
【図3】実施例の作製工程を示す。
【図4】実施例の作製工程を示す。
【図5】実施例の作製工程を示す。
【図6】結晶化した珪素薄膜の断面写真を示す。
【符号の説明】
11・・・・ガラス基板
12・・・・非晶質珪素膜
13・・・・酸化珪素膜
14・・・・ニッケルを含有した酢酸溶液膜
15・・・・ズピナー
11・・・・ガラス基板
104・・・活性層
105・・・酸化珪素膜
106・・・ゲイト電極
109・・・酸化物層
108・・・ソース/ドレイン領域
109・・・ドレイン/ソース領域
110・・・層間絶縁膜(酸化珪素膜)
112・・・電極
113・・・電極
[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a semiconductor device using a semiconductor having crystallinity and a manufacturing method thereof.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art A thin film transistor (hereinafter, referred to as a TFT) using a thin film semiconductor is known. This TFT is formed by forming a thin film semiconductor on a substrate and using this thin film semiconductor. This TFT is used for various integrated circuits, and is particularly noted as a switching element provided in each pixel of an electro-optical device, particularly an active matrix type liquid crystal display device, and as a driver element formed in a peripheral circuit portion. ing.
[0003]
Although it is convenient to use an amorphous silicon film as a thin film semiconductor used for a TFT, there is a problem that its electrical characteristics are low. In order to obtain an improvement in TFT characteristics, a silicon thin film having crystallinity may be used. The crystalline silicon film is called polycrystalline silicon, polysilicon, microcrystalline silicon, or the like. In order to obtain a silicon film having this crystallinity, an amorphous silicon film is first formed, and then crystallized by heating or irradiation with laser light or the like.
[0004]
However, crystallization by heating requires a heating temperature of 600 ° C. or more for 10 hours or more, and has a problem that it is difficult to use a glass substrate as a substrate. For example, Corning 7059 glass, which is generally used for an active type liquid crystal display device, has a glass strain point of 593 ° C., and there is an industrial problem in that heating at 600 ° C. or more is considered in view of an increase in substrate area.
The crystallization method using a laser is an excellent method in which a short pulse laser such as an excimer laser can be used to almost completely ignore distortion due to heat of a glass substrate. , And a strong sense of next-generation technology. One of the causes of this variation is lack of stability of the laser beam, and this is thought to be gradually resolved in the future. However, an even greater factor is the temperature distribution of the laser beam irradiated portion.
This will be further described.
[0005]
[Background of the Invention]
The present inventors have studied two methods, a method for promoting thermal crystallization and a method for reducing variations in laser crystallization, in order to solve the problems accompanying the crystallization of amorphous silicon as described above. went.
Regarding the former, a trace amount of elements such as nickel, palladium, and lead are deposited on the surface of the amorphous silicon film and then heated, whereby crystallization can be performed at 550 ° C. for about 4 hours. Make sure that.
[0006]
In order to introduce such a small amount of an element (a catalytic element that promotes crystallization), plasma treatment, vapor deposition, or ion implantation may be used. Plasma treatment refers to the use of a material containing a catalytic element as an electrode in a parallel plate type or positive column type plasma CVD apparatus and generation of plasma in an atmosphere such as nitrogen or hydrogen to form a catalytic element on an amorphous silicon film. Is a method of performing addition.
[0007]
However, the presence of a large amount of such elements in a semiconductor impairs the reliability and electrical stability of a device using such a semiconductor, and is not preferable.
[0008]
In other words, the above-described elements that promote crystallization such as nickel (in the present specification, the element that promotes crystallization is referred to as a catalyst element) are necessary when crystallizing amorphous silicon, It is desirable that the silicon should not be contained as much as possible. In order to achieve this object, select a catalyst element that has a strong tendency to be inert in crystalline silicon, and at the same time minimize the amount of the catalyst element required for crystallization, and perform crystallization with the minimum amount. I need to do it. For that purpose, it is necessary to precisely control and introduce the amount of the catalyst element.
[0009]
When nickel was used as a catalyst element, an amorphous silicon film was formed, nickel was added by a plasma treatment method to produce a crystalline silicon film, and the crystallization process and the like were examined in detail. The matter turned out.
(1) When nickel is introduced onto an amorphous silicon film by plasma treatment, nickel has already penetrated to a considerable depth in the amorphous silicon film before heat treatment.
(2) The initial nucleation of the crystal occurs from the surface into which nickel is introduced.
(3) Even when nickel is formed on an amorphous silicon film by a vapor deposition method, crystallization occurs as in the case where plasma processing is performed.
[0010]
From the above, it is concluded that all of the nickel introduced by the plasma treatment is not functioning effectively. That is, it is considered that some nickel does not function sufficiently even if a large amount of nickel is introduced. From this, it is considered that the point (plane) where nickel and silicon are in contact functions during low-temperature crystallization. It is concluded that it is necessary for nickel to be dispersed as finely as possible. That is, it is concluded that "what is necessary is to disperse and introduce as low an atomic concentration of nickel as possible in the vicinity of the surface of the amorphous silicon film in a range where low-temperature crystallization is possible".
[0011]
As a method of introducing a trace amount of nickel only near the surface of the amorphous silicon film, in other words, as a method of introducing a trace amount of a catalyst element that promotes crystallization only near the surface of the amorphous silicon film, a vapor deposition method is used. However, the vapor deposition method has a problem that controllability is poor and it is difficult to strictly control the introduction amount of the catalyst element.
[0012]
In addition, it is necessary that the amount of the catalyst element introduced be as small as possible. In this case, however, there is a problem that crystallinity becomes poor, and it is important to control an appropriate amount of the catalyst element.
[0013]
Next, as for the variation in characteristics during laser crystallization, as a result of the investigation, two main causes are the difference in crystallinity due to the temperature distribution in the laser irradiation part and the accidental nucleation. And came to the recognition. The reason for this will be described in further detail. Generally, the intensity distribution of the laser beam has a Gaussian distribution, and the temperature of the amorphous silicon film also has a distribution along with this distribution. As a result, in the crystallization process via melting or partial melting, the temperature should be lower than the melting point of the amorphous silicon film from a low temperature or a high heat diffusion, and crystallization should occur. Crystal nuclei are not always present, and crystallization is expected to occur explosively when the supercooled liquid comes into contact with the crystal nuclei. Further, it is expected that uniform crystallization is difficult because the crystal nuclei themselves are irregularities at the interface with silicon oxide.
[0014]
In order to avoid this phenomenon, it is desirable that the portion where the molten portion first drops to a temperature lower than the melting point and the portion where the crystal nucleus exists coincide. For this purpose, the inventors have tried to introduce a crystal nucleus controlled in advance before laser crystallization, and then to perform laser crystallization. As a result, when a crystal nucleus has a higher transmittance of laser light than amorphous silicon and a material having a high thermal conductivity is used, that is, a material whose temperature lowers to the melting point of silicon earlier than amorphous silicon is used. In such a case, it has been found that crystal growth starts therefrom, and that a good crystalline silicon thin film can be obtained. As such a material, many crystalline materials can be cited as candidates. Among them, particularly as a material capable of epitaxial growth, fine crystal grains of crystalline silicon or after adding a nickel catalyst to amorphous silicon It has been found that nickel silicide or the like obtained by heating is particularly desirable.
[0015]
And, where the crystal nuclei are introduced, the crystal nuclei are not uniformly introduced into the entire amorphous silicon film, but are introduced at the upper interface with the substrate or near the interface with the base, and the irradiation direction of the laser beam. Irradiation from the interface side where the crystal nuclei were introduced, it was found that a crystalline silicon film with the best characteristics could be obtained. The introduction of crystal nuclei at the interface is considered to be due to the fact that crystal growth is sufficiently possible in the film thickness direction, and is considered to have the effect of increasing one crystal grain. The direction of laser irradiation may be caused by the effect of heating the interface through the crystal nucleus, or the effect of temperature gradient in the film thickness direction, but the mechanism has not been completely elucidated. Absent.
[0016]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a method for forming a favorable crystalline silicon film on glass. It is still another object of the present invention to provide a method for obtaining a material having both the same stability as that using the solid phase growth method and the same high crystallinity as that using laser crystallization.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
The present invention
Forming an amorphous silicon film;
Introducing a crystal nucleus into the amorphous silicon film;
Obtaining a crystalline silicon film by growing crystals from the crystal nuclei;
Having a basic configuration.
[0018]
In order to introduce crystal nuclei into the amorphous silicon film, an element which promotes crystallization, such as nickel, is introduced into the surface of the amorphous silicon film, and then energy is supplied by heating or light irradiation (irradiation of infrared rays). It is done by doing.
[0019]
Then, in order to perform crystal growth from this crystal nucleus, it is sufficient to irradiate a laser beam with strong light from the side where the crystal nucleus is formed.
[0020]
The present invention holds a simple catalytic element represented by nickel or a compound containing the catalytic element in contact with the amorphous silicon film and promotes the crystallization of the amorphous silicon film. In a state where the catalyst element alone or the compound containing the catalyst element is in contact with the glass substrate, heat treatment is performed at a low temperature that does not affect the glass substrate, and the amorphous silicon film is partially crystallized to form crystal nuclei. This is the first feature. Then, a crystal having good crystallinity is obtained by performing pseudo-epitaxial crystal growth with crystal nuclei of previously formed fine crystalline silicon by irradiating laser light or strong light for crystallization. A second feature is to obtain a conductive silicon thin film.
[0021]
As a method for introducing a catalytic element that promotes crystallization, a method in which a solution containing the catalytic element is applied to the surface of the amorphous silicon film is useful.
[0022]
Particularly, the present invention is characterized in that the catalytic element is introduced in contact with the surface of the amorphous silicon film. This is extremely important in controlling the amount of the catalytic element.
[0023]
The catalyst element may be introduced on the upper surface or the lower surface of the amorphous silicon film. If the catalytic element is introduced on the upper surface of the amorphous silicon film, a solution containing the catalytic element may be applied on the amorphous silicon film after the amorphous silicon film is formed. If the catalyst element is introduced into the lower surface of the silicon film, a solution containing the catalyst element is applied to the base surface before forming the amorphous silicon film, and the catalyst element is held in contact with the base surface. Just fine.
[0024]
In a semiconductor device using the present invention, it is effective to form an active region having at least one PN, PI, NI, or other electrical junction using a crystallized silicon semiconductor film. As the semiconductor device, a thin film transistor (TFT), a diode, or an optical sensor can be used.
[0025]
By adopting the configuration of the present invention, the following basic significance can be obtained.
(A) The concentration of the catalytic element in the solution can be strictly controlled in advance to increase the crystallinity and reduce the amount of the element.
(B) If the solution is in contact with the surface of the amorphous silicon film, the amount of the catalyst element introduced into the amorphous silicon is determined by the concentration of the catalyst element in the solution.
(C) Since the catalytic element adsorbed on the surface of the amorphous silicon film mainly contributes to the crystallization, the catalytic element can be introduced at a minimum necessary concentration.
(D) A crystalline silicon film having good crystallinity can be obtained without requiring a high-temperature process.
[0026]
As a method for applying a solution containing an element that promotes crystallization on the amorphous silicon film, an aqueous solution, an organic solvent solution, or the like can be used as the solution. Here, “containing” includes both the meaning of being included as a compound and the meaning of being included simply by being dispersed.
[0027]
As the solvent containing the catalyst element, a solvent selected from polar solvents such as water, alcohol, acid, and ammonia can be used.
[0028]
When nickel is used as a catalyst and this nickel is contained in a polar solvent, nickel is introduced as a nickel compound. Typical examples of the nickel compound include nickel bromide, nickel acetate, nickel oxalate, nickel carbonate, nickel chloride, nickel iodide, nickel nitrate, nickel sulfate, nickel formate, nickel acetylacetonate, and 4-cyclohexylbutyric acid. A material selected from nickel, nickel oxide, and nickel hydroxide is used.
[0029]
As the solvent containing the catalyst element, a non-polar solvent selected from benzene, toluene, xylene, carbon tetrachloride, chloroform, and ether can be used.
[0030]
In this case, nickel is introduced as a nickel compound. As the nickel compound, a compound selected from nickel acetylacetonate and nickel 2-ethylhexanoate can be typically used.
[0031]
It is also useful to add a surfactant to the solution containing the catalyst element. This is to increase the adhesion to the surface to be coated and control the adsorption. This surfactant may be applied in advance on the surface to be coated.
[0032]
When using nickel alone as a catalyst element, it is necessary to dissolve it in an acid to make a solution.
[0033]
Although the above is an example of using a solution in which nickel as a catalyst element is completely dissolved, even if nickel is not completely dissolved, powder composed of nickel alone or a nickel compound is uniformly dispersed in a dispersion medium. Materials such as dispersed emulsions may be used. Alternatively, a solution for forming an oxide film may be used. As such a solution, OCD (Ohka Diffusion Source) of Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. can be used. When this OCD solution is used, a silicon oxide film can be easily formed by applying it on the surface to be formed and baking it at about 200 ° C. Further, since it is free to add impurities, it can be used in the present invention.
[0034]
The same applies to the case where a material other than nickel is used as the catalyst element.
[0035]
When nickel is used as a catalyst element that promotes crystallization and a polar solvent such as water is used as a solution solvent for containing the nickel, when these solutions are directly applied to the amorphous silicon film, the solution is repelled. Sometimes. In this case, a thin oxide film having a thickness of 100 ° or less is first formed, and a solution containing a catalyst element is applied thereon, whereby the solution can be applied uniformly. It is also effective to improve the wetting by adding a material such as a surfactant to the solution.
[0036]
In addition, by using a nonpolar solvent such as a toluene solution of nickel 2-ethylhexanoate as a solution, it can be directly applied to the surface of the amorphous silicon film. In this case, it is effective to apply a material such as an adhesive used in applying the resist in advance. However, care must be taken when the amount of coating is too large, since this would hinder the addition of the catalytic element to the amorphous silicon.
[0037]
The amount of the catalyst element contained in the solution depends on the type of the solution, but as a general tendency, the amount of nickel is desirably 200 ppm to 1 ppm, preferably 50 ppm to 1 ppm (in terms of weight) based on the solution. . This is a value determined in view of the nickel concentration in the film after crystallization is completed.
[0038]
After performing a heat treatment on the amorphous silicon film to which the catalytic element is added to form a crystal nucleus, laser light irradiation is performed to uniformly crystallize the entire amorphous silicon film into a crystalline silicon film. be able to.
In the laser crystallization process, a very specific phenomenon has been observed. In the case where no crystal nucleus is introduced, the same level of crystallization can be achieved with a considerably small laser power as compared with the laser power required for performing the entire crystallization. Generally, a higher laser power is required to crystallize a microcrystallized amorphous film than to crystallize a film that does not contain a crystalline component. (Because the power is small), it is the opposite trend, which is one of the great advantages of the present invention.
Here, by adjusting the introduction amount of the catalyst element, the amount of the region that is crystallized and becomes a crystal nucleus can be controlled. This state can be regarded as a state in which a component having crystallinity and an amorphous component are mixed as a whole. Here, by irradiating a laser beam, crystal growth can be performed from a crystal nucleus existing in the component having crystallinity, and a silicon film with high crystallinity can be obtained. That is, small crystal grains can be grown into large crystal grains. Therefore, the crystal growth distance, the size of the crystal grains accompanying the crystal growth, the number of crystal grains, and the like can be controlled by appropriately setting the amount of the catalyst element to be initially introduced and the laser power.
[0039]
Instead of laser light irradiation, a method of irradiating strong light, particularly infrared light, may be employed. Since infrared light is hardly absorbed by glass and easily absorbed by a silicon thin film, the silicon thin film formed on a glass substrate can be selectively heated, which is useful. This method using infrared light is called rapid thermal annealing (RTA) or rapid thermal process (RTP).
[0040]
In the present invention, the most remarkable effect can be obtained when nickel is used as the catalyst element. However, other usable catalyst elements are preferably Ni, Pt, Cu, Ag, Au, In, Sn, and Sn. , Pd, P, As, and Sb. In addition, one or more elements selected from Group VIII elements, IIIb, IVb, and Vb elements can also be used.
[0041]
In addition, the method for introducing the catalytic element is not limited to the use of an aqueous solution or a solution such as alcohol, and a substance containing the catalytic element can be widely used. For example, a metal compound or oxide containing a catalyst element can be used.
[0042]
【Example】
[Example 1]
This embodiment is an example in which a catalyst element that promotes crystallization is contained in an aqueous solution, applied to an amorphous silicon film, then crystallized by heating, and furthermore, the crystallinity is increased by laser light irradiation. .
[0043]
With reference to FIG. 1, the process up to the point where a catalytic element (here, nickel is used) is introduced will be described. In this embodiment, Corning 7059 glass is used as the substrate. The size is 100 mm × 100 mm.
[0044]
First, an amorphous silicon film is formed by a plasma CVD method or an LPCVD method to form an amorphous silicon film at 100 to 1500 degrees. Here, the amorphous silicon film 12 is formed to a thickness of 1000 ° by a plasma CVD method. (Fig. 1 (A))
[0045]
Then, a hydrofluoric acid treatment is performed to remove dirt and a natural oxide film, and then an oxide film 13 is formed to a thickness of 10 to 50 °. If the contamination can be ignored, a natural oxide film may be used as it is instead of the oxide film 13.
[0046]
The exact thickness of the oxide film 13 is unknown because it is extremely thin, but it is considered to be about 20 °. Here, the oxide film 13 is formed by irradiation with UV light in an oxygen atmosphere. The film was formed by irradiating UV in an oxygen atmosphere for 5 minutes. As a method of forming the oxide film 13, a thermal oxidation method may be used. Further, the treatment may be carried out with hydrogen peroxide.
[0047]
The oxide film 13 is used to spread the acetate solution over the entire surface of the amorphous silicon film in the subsequent step of applying an acetate solution containing nickel, that is, to improve wettability. For example, when an acetate solution is directly applied to the surface of an amorphous silicon film, nickel cannot be introduced to the entire surface of the amorphous silicon film because the amorphous silicon repels the acetate solution. That is, uniform crystallization cannot be performed.
[0048]
Next, an acetate solution is prepared by adding nickel to the acetate solution. The concentration of nickel is 25 ppm. Then, 2 ml of this acetate solution is dropped on the surface of the oxide film 13 on the amorphous silicon film 12, and this state is maintained for 5 minutes. Then, spin drying (2000 rpm, 60 seconds) is performed using a spinner. (Fig. 1 (C), (D))
[0049]
If the concentration of nickel in the acetic acid solution is 1 ppm or more, preferably 10 ppm or more, it is practical. When a nonpolar solvent such as a toluene solution of nickel 2-ethylhexanoate is used as the solution, the oxide film 13 is unnecessary, and the catalyst element can be directly introduced onto the amorphous silicon film.
[0050]
This nickel solution application step is performed once to plural times to form a layer containing nickel having an average film thickness of several to several hundreds on the surface of the amorphous silicon film 12 after spin drying. be able to. In this case, nickel in this layer diffuses into the amorphous silicon film in the subsequent heating step and acts as a catalyst for promoting crystallization. Note that this layer is not necessarily a complete film.
[0051]
After the application of the solution, the state is maintained for one minute. Although the concentration of nickel contained in the silicon film 12 can be finally controlled by the holding time, the largest control factor is the concentration of the solution.
[0052]
Then, in a heating furnace, heat treatment is performed at 550 ° C. for one hour in a nitrogen atmosphere. As a result, a partially crystalline silicon thin film 12 formed on the substrate 11 can be obtained. That is, crystal nuclei can be introduced in this step. FIG. 2A schematically shows this state. FIG. 2A shows a state in which crystal nuclei 21 formed by the introduction of nickel are formed on the surface of amorphous silicon film 12 formed on glass substrate 11.
[0053]
The above heat treatment can be performed at a temperature of 450 ° C. or higher. However, if the temperature is low, the heating time must be extended, and the production efficiency decreases. Further, if the temperature is 550 degrees or more, the problem of heat resistance of the glass substrate used as the substrate will surface.
[0054]
In the present embodiment, the method of introducing a catalytic element on the amorphous silicon film has been described, but a method of introducing a catalytic element below the amorphous silicon film may be employed. In this case, the catalyst element may be introduced onto the base film using a solution containing the catalyst element before the formation of the amorphous silicon film.
[0055]
After the silicon film 12 having partial crystallinity is obtained by the heat treatment, a KrF excimer laser (wavelength: 248 nm, pulse width: 30 nsec) is irradiated with a few shots at a power density of 200 to 350 mJ / cm 2 in a nitrogen atmosphere to obtain silicon. The film 12 is completely crystallized. This step may be performed by the above-described irradiation with infrared light. In this step, it is important to perform laser light from the upper surface side of the silicon film 12 in which the catalytic element is introduced and the crystal nuclei are formed. FIGS. 2A and 2B show a state in which the crystal growth is performed as indicated by 22 from the crystal nucleus indicated by 21 by irradiating the laser light 20. The crystallization grows around the crystal nucleus 21 as shown by the arrow in FIG. As the crystallization proceeds, a polycrystalline structure as shown by 23 can be obtained. FIG. 6 shows a cross-sectional photograph of the silicon thin film corresponding to the schematic diagram shown in FIG. FIG. 6 shows a state in which crystal nuclei are formed on the surface of the amorphous silicon film formed on the glass substrate by introducing nickel, and the crystal nuclei have grown slightly. In FIG. 5, this slightly grown crystal component is indicated by a black square. Although a silicon oxide film is formed on the surface of the glass substrate, it cannot be distinguished from the glass substrate in the photograph shown in FIG.
[0056]
[Example 2]
This embodiment is different from the first embodiment in that the concentration of the nickel salt as the catalyst element is 10 ppm. All other processing is the same as in the first embodiment.
As a result of observing the thin film after the heat treatment under a microscope, the sample in which the concentration was reduced in this manner had more amorphous silicon portions than the sample of Example 1, and the number of crystal nuclei composed of crystalline silicon was reduced to about half. Had declined. Next, the sample after laser crystallization was observed by SEM after secco etching. As a result, it was found that the size of one crystal grain can be increased as compared with the case of Example 1 by reducing the solution concentration as in this case.
[0057]
[Example 3]
This embodiment is an example in which a TFT is obtained by using a crystalline silicon film manufactured using the method of the present invention. The TFT of this embodiment can be used for a driver circuit or a pixel portion of an active matrix type liquid crystal display device. It goes without saying that TFTs can be applied not only to liquid crystal display devices but also to thin film integrated circuits generally referred to as TFTs.
[0058]
In this embodiment, a TFT is manufactured using a technique in which a crystal nucleus is introduced into the surface side of an amorphous silicon film, and then a laser beam is irradiated from the side where the crystal nucleus is introduced to obtain a crystalline silicon film. About the method. According to the findings of the present inventors, it has been found that when such a configuration is employed, the roughness of the surface of the crystalline silicon film can be made extremely small as compared with the case where crystallization is performed by laser light alone. are doing. This is because the surface side of the silicon thin film contains a large amount of crystalline silicon components, so that the portion absorbs less laser light and is less likely to be melted, and as a result, the surface roughness is almost the same as in the case of solid phase growth alone. It is thought to be due to Since the surface roughness has an adverse effect such as carrier scattering in the TFT, it is extremely useful to adopt the configuration as in this embodiment.
[0059]
FIG. 3 shows an outline of the manufacturing process of this embodiment. First, an underlying silicon oxide film (not shown) is formed to a thickness of 2000 mm on a glass substrate. This silicon oxide film is provided to prevent diffusion of impurities from the glass substrate.
[0060]
Then, an amorphous silicon film is formed to a thickness of 500 ° in the same manner as in the first embodiment. After the hydrofluoric acid treatment for removing the natural oxide film, a thin oxide film is formed to a thickness of about 20 ° by irradiation with UV light in an oxygen atmosphere. The thin oxide film may be formed by a method using a water treatment or thermal oxidation.
[0061]
Then, an acetate solution containing 10 ppm of nickel is applied, held for 5 minutes, and spin-dried using a spinner. Thereafter, the silicon oxide films 20 and 21 are removed with buffered hydrofluoric acid, and the silicon film is partially crystallized by heating at 550 ° C. for one hour. The partially crystallized portion functions as a crystal nucleus in a subsequent laser crystallization step. By performing this heat treatment, a silicon film in which an amorphous component and a crystalline component are mixed can be obtained.
[0062]
Then, a crystalline silicon film is obtained by irradiating a KrF excimer laser beam from the surface side at 200 to 300 mJ. In the laser light irradiation step, the substrate is heated to about 400 ° C. By this step, crystal growth is performed with the crystal nuclei existing in the crystal components as nuclei.
[0063]
Next, an island-shaped region 104 is formed by patterning the crystallized silicon film. This island-shaped region 104 forms an active layer of the TFT. Then, silicon oxide 105 having a thickness of 200 to 1500 °, here 1000 °, is formed. This silicon oxide film also functions as a gate insulating film. (FIG. 3 (A))
[0064]
Care must be taken in manufacturing the silicon oxide film 105. Here, TEOS was used as a raw material, and was decomposed and deposited by RF plasma CVD at a substrate temperature of 150 to 600 ° C., preferably 300 to 450 ° C. together with oxygen. The pressure ratio between TEOS and oxygen was 1: 1 to 1: 3, the pressure was 0.05 to 0.5 torr, and the RF power was 100 to 250 W. Alternatively, the substrate was formed at a substrate temperature of 350 to 600 ° C., preferably 400 to 550 ° C., using TEOS as a raw material by a low pressure CVD method or a normal pressure CVD method together with an ozone gas. After the film formation, annealing was performed at 400 to 600 ° C. for 30 to 60 minutes in an atmosphere of oxygen or ozone.
[0065]
By irradiating a KrF excimer laser (wavelength: 248 nm, pulse width: 20 nsec) or intense light equivalent thereto in this state, crystallization of the silicon region 104 may even be promoted. In particular, RTA (rapid thermal annealing) using infrared light can selectively heat only silicon without heating the glass substrate, and can reduce the interface state at the interface between silicon and the silicon oxide film. Since it can be reduced, it is useful in manufacturing an insulating gate type field effect semiconductor device.
[0066]
Thereafter, an aluminum film having a thickness of 2000 to 1 μm is formed by an electron beam evaporation method, and is patterned to form a gate electrode 106. Aluminum may be doped with scandium (Sc) by 0.15 to 0.2% by weight. Next, the substrate is immersed in an ethylene glycol solution of tartaric acid having a pH of about 7 and 1 to 3%, and anodic oxidation is performed using platinum as a cathode and the aluminum gate electrode as an anode. The anodic oxidation is performed by first increasing the voltage to 220 V with a constant current and maintaining the state for one hour to complete the process. In this embodiment, in the constant current state, the voltage rising speed is suitably 2 to 5 V / min. Thus, anodic oxide 109 having a thickness of 1500-3500 °, for example, 2000 ° is formed. (FIG. 3 (B))
[0067]
Thereafter, impurities (phosphorus) were implanted in an island-like silicon film of each TFT in a self-aligned manner by an ion doping method (also referred to as a plasma doping method) using the gate electrode portion as a mask. Phosphine (PH 3 ) was used as a doping gas. The dose is 1-4 × 10 15 cm −2 .
[0068]
Further, as shown in FIG. 3C, irradiation with a KrF excimer laser (wavelength: 248 nm, pulse width: 20 nsec) improves the crystallinity of the portion where the crystallinity is deteriorated by the introduction of the impurity region. The energy density of the laser is 150 to 400 mJ / cm 2 , preferably 200 to 250 mJ / cm 2 . Thus, N-type impurity (phosphorus) regions 108 and 109 are formed. The sheet resistance in these regions was 200 to 800 Ω / □.
[0069]
In this step, a so-called RTA (Rapid Thermal Annealing) (RTP) method is used in which a flash lamp is used to quickly raise the temperature to 1000 to 1200 ° C. (temperature of a silicon monitor) and heat the sample instead of using a laser beam. , A rapid thermal process) or the like.
[0070]
Thereafter, a silicon oxide film having a thickness of 3000 .ANG. Is formed as an interlayer insulator 110 on the entire surface by using TEOS as a raw material and plasma CVD with oxygen, reduced pressure CVD with ozone, or normal pressure CVD. The substrate temperature is 250 to 450 ° C., for example, 350 ° C. After the film formation, the silicon oxide film is mechanically polished in order to obtain a flat surface. (FIG. 3 (D))
[0071]
Then, the interlayer insulator 110 is etched to form contact holes in the source / drain of the TFT as shown in FIG. 1E, and wirings 112 and 113 of chromium or titanium nitride are formed.
[0072]
Conventionally, a crystalline silicon film into which nickel is introduced by using a plasma treatment has a low selectivity to buffered hydrofluoric acid as compared with a silicon oxide film, and thus is often etched in the step of forming the contact hole. .
[0073]
However, when nickel is introduced using an aqueous solution at a low concentration of 10 ppm as in this embodiment, the contact hole can be formed stably with good reproducibility because of its high hydrofluoric acid resistance.
[0074]
Finally, annealing in hydrogen at 300 to 400 ° C. for 0.1 to 2 hours completes the hydrogenation of silicon. Thus, the TFT is completed. Then, a large number of TFTs manufactured at the same time are arranged in a matrix to complete an active matrix type liquid crystal display device. This TFT has a source / drain region 108/109 and a channel forming region 114. Reference numeral 115 denotes an NI electrical junction.
[0075]
When the configuration of the present embodiment is adopted, the concentration of nickel present in the active layer is about 3 × 10 18 cm −3 or less, that is, 1 × 10 16 atoms cm −3 to 3 × 10 18 atoms cm −. It is considered to be 3 .
[0076]
The TFT manufactured in this embodiment has an N-channel mobility of 200 cm 2 / Vs or more. It has also been confirmed that Vth is small and has good characteristics. Further, it has been confirmed that the variation in the mobility is also within ± 10%. This small variation is considered to be due to the fact that crystal nuclei were uniformly introduced by heat treatment and then crystallized by irradiating laser light, whereby uniform crystal grains were formed. When only the laser beam is used, an N-chaquer type of 150 cm 2 / Vs or more can be easily obtained, but the variation is large and the uniformity as in this embodiment cannot be obtained.
[0077]
[Example 4]
In this embodiment, a crystal nucleus is introduced under the amorphous silicon film (on the side in contact with the substrate), and then a laser beam is irradiated from the lower surface of the substrate to form an amorphous silicon film formed on the substrate. This is an example of manufacturing a TFT by employing a method of crystallizing a TFT.
[0078]
The details of the TFT are the same as those shown in FIG. In this embodiment, it is necessary for the laser to pass through the substrate. In this embodiment, a KrF excimer laser is used as a laser beam, and thus a quartz glass substrate that transmits a KrF excimer laser (wavelength: 353 nm) is used as the substrate. When a XeF excimer laser (wavelength 353 nm) or a laser having a longer wavelength is used as the laser, a glass substrate (Corning 7059) can be used.
[0079]
First, a hydrofluoric acid treatment for removing a natural oxide film is performed on the quartz glass surface, and then a thin oxide film is formed to a thickness of about 20 ° by irradiation with UV light in an oxygen atmosphere. The thin oxide film may be formed by a method using a water treatment or thermal oxidation.
[0080]
Then, an acetate solution containing 10 ppm of nickel is applied, held for 5 minutes, and spin-dried using a spinner. Thereafter, an amorphous silicon film is formed to a thickness of 500 ° by a plasma CVD method. The amorphous silicon film may be formed by a low pressure thermal CVD method.
[0081]
Next, the silicon film is partially crystallized by heating at 550 ° C. for one hour. Through this step, crystal nuclei are generated on the lower surface of the amorphous silicon film (the surface in contact with the quartz substrate). This crystal nucleus functions as a crystal nucleus in a subsequent laser crystallization step. By performing this heat treatment, a silicon film in which an amorphous component and a crystalline component are mixed can be obtained.
[0082]
Then, a crystalline silicon film is obtained by irradiating a KrF excimer laser beam from the substrate side at 200 to 300 mJ. In the laser light irradiation step, the substrate is heated to about 400 ° C. by an infrared lamp. By this step, crystal growth is performed with the crystal nuclei existing in the crystal components as nuclei.
[0083]
After obtaining a silicon film having crystallinity in this manner, the TFT shown in FIG. 3 is completed through the same steps as in the third embodiment. The TFT obtained in this example had the same characteristics as the TFT manufactured by the method shown in Example 3.
[0084]
(Comparative example)
This comparative example is an example in which, in the configuration shown in the fourth embodiment, the irradiation direction of the laser beam is from the upper surface side (front surface side) of the amorphous silicon film having the crystal nuclei introduced into the lower surface. In this case, almost no effect of the step of introducing crystal nuclei was observed, and only the same effect as in the case where crystallization was performed by simply irradiating a laser beam was obtained. From this comparative example, it is confirmed that a large effect cannot be obtained by introducing a crystal nucleus on one side of the amorphous film and irradiating a laser beam from the other side.
[0085]
[Example 5]
This embodiment is an example in which, in the step of introducing crystal nuclei using a catalytic element, the generation of crystal nuclei is performed not by heating but by intense light irradiation. In this embodiment, a method of forming an amorphous silicon film first and then introducing a catalytic element to generate crystal nuclei as described in Embodiment 3 will be described.
[0086]
First, an amorphous silicon film is formed on a glass substrate as in the third embodiment. Then, an extremely thin silicon oxide film is formed, and an acetate solution containing 25 ppm by weight of nickel is applied in the same manner as in the process shown in Embodiment 1.
[0087]
Then, a crystal nucleus is generated on the surface of the amorphous silicon film by irradiating infrared light having a wavelength of 1.2 μm from the surface side of the amorphous silicon film. A halogen lamp is used as an infrared light source. The intensity of the infrared light is adjusted so that the temperature of the monitor on the single crystal silicon wafer is between 900 and 1200 ° C. Specifically, the temperature of the thermocouple embedded in the silicon wafer is monitored, and this is fed back to the infrared light source. In this embodiment, the temperature is raised at a constant rate of 50 to 200 ° C./sec, and the temperature is lowered by natural cooling to 20 to 100 ° C. This infrared light irradiation selectively heats the silicon film, so that the heating of the glass substrate can be minimized.
[0088]
Through this step, crystal nuclei can be generated on the surface of the amorphous silicon film. The subsequent steps are the same as in the third embodiment. Further, as shown in Example 4, a catalytic element is introduced into the surface of the amorphous silicon film which is in contact with the substrate, and then infrared light is irradiated from the amorphous silicon film side or the back surface of the substrate. Thereby, a crystal nucleus can be generated on the side of the amorphous silicon film which is in contact with the substrate.
[0089]
[Example 6]
FIG. 4 shows a cross-sectional view of the manufacturing process of this embodiment. First, a 2000-nm-thick silicon oxide base film 502 is formed on a substrate (Corning 7059) 501 by a sputtering method. The substrate is annealed at a temperature higher than the strain temperature before or after the formation of the base film, and then gradually cooled to a strain temperature or lower at 0.1 to 1.0 ° C./min. Substrate shrinkage in the accompanying steps (including the thermal oxidation step of the present invention and the subsequent thermal annealing step) is small, and mask alignment is ready. The Corning 7059 substrate is annealed at 620 to 660 ° C. for 1 to 4 hours, and then gradually cooled at 0.03 to 1.0 ° C./min, preferably 0.1 to 0.3 ° C./min. It is good to take out at the stage when the temperature has dropped to ° C.
[0090]
Next, an intrinsic (I-type) amorphous silicon film having a thickness of 500 to 1500 Å, for example, 1000 例 え ば is formed by a plasma CVD method. Then, nickel is introduced as a catalytic element for promoting crystallization to the surface of the amorphous silicon film by the method described in the first embodiment. Then, annealing is performed at 550 ° C. for 1 hour in a nitrogen atmosphere (atmospheric pressure) to introduce crystal nuclei on the surface of the amorphous silicon film. Further, a KrF excimer laser is irradiated for crystallization. Then, the silicon film is patterned into a size of 10 to 1000 μm square to form an island-shaped silicon film (TFT active layer) 503. (FIG. 4A)
[0091]
Thereafter, an oxygen atmosphere containing 70 to 90% water vapor at 1 atm, 500 to 750 ° C., typically 600 ° C. is formed using a pyrogenic reaction method in a ratio of hydrogen / oxygen = 1.5 to 1.9. I do. In this atmosphere, the surface of the silicon film is oxidized by being left for 3 to 5 hours to form a silicon oxide film 504 having a thickness of 500 to 1500 °, for example, 1000 °. It should be noted that such oxidation reduces the surface of the initial silicon film by 50 ° or more, and as a result, contamination of the outermost surface portion of the silicon film does not reach the silicon-silicon oxide interface. is there. That is, a clean silicon-silicon oxide interface is obtained. Since the thickness of the silicon oxide film is twice the thickness of the silicon film to be oxidized, when the silicon film having a thickness of 1000 mm is oxidized to obtain a silicon oxide film having a thickness of 1000 mm, the thickness of the remaining silicon film is reduced. The thickness is 500 mm.
[0092]
In general, as the silicon oxide film (gate insulating film) and the active layer are thinner, better characteristics such as improved mobility and reduced off current can be obtained. On the other hand, in the initial crystallization of the amorphous silicon film, the larger the film thickness, the easier the crystallization. Further, in this thermal oxidation, an amorphous component and a crystal grain boundary, in which recombination centers are easily present, are easily oxidized, and as a result, recombination centers in the active layer are reduced. This increases the product yield.
[0093]
After the silicon oxide film 504 is formed by thermal oxidation, the substrate is annealed at 600 ° C. for 2 hours in a dinitrogen monoxide atmosphere (1 atm, 100%). (FIG. 4 (B))
Subsequently, polycrystalline silicon (containing 0.01 to 0.2% phosphorus) having a thickness of 3000 to 8000, for example, 6000, is formed by a low pressure CVD method. Then, the gate electrode 505 is formed by patterning the silicon film. Further, using this silicon film as a mask, an impurity (here, phosphorus) imparting an N conductivity type to the active layer region (which constitutes the source / drain and channel) is self-aligned by an ion doping method (also referred to as a plasma doping method). ) Is added. Used as the doping gas, phosphine (PH 3), the acceleration voltage 60~90KV, eg, 80 kV. The dose is set to 1 × 10 15 to 8 × 10 15 cm −2 , for example, 5 × 10 15 cm −2 . As a result, N-type impurity regions 506 and 507 are formed.
[0094]
Thereafter, annealing is performed by laser light irradiation. As the laser light, a KrF excimer laser (wavelength: 248 nm, pulse width: 20 nsec) was used, but another laser may be used. The irradiation conditions of the laser beam are such that the energy density is 200 to 400 mJ / cm 2 , for example, 250 mJ / cm 2, and 2 to 10 shots, for example, 2 shots are irradiated at one place. The effect may be increased by heating the substrate to about 200 to 450 ° C. at the time of irradiation with the laser light. (FIG. 4 (C))
[0095]
In addition, this step may be a method by lamp annealing using near-infrared light. Near-infrared rays are more easily absorbed by crystallized silicon than amorphous silicon, and effective annealing comparable to thermal annealing at 1000 ° C. or higher can be performed. On the other hand, the glass substrate is hardly absorbed by the glass substrate (far-infrared light is absorbed by the glass substrate, but visible / near-infrared light (wavelength: 0.5 to 4 μm) is hardly absorbed). Since no heating is required and the treatment is performed in a short time, it can be said that the method is an optimal method in a process in which shrinkage of the glass substrate becomes a problem.
[0096]
Subsequently, a 6000 ° thick silicon oxide film 508 is formed as an interlayer insulator by a plasma CVD method. Polyimide may be used as the interlayer insulator. Further, contact holes are formed, and electrodes / wirings 509 and 510 of the TFT are formed of a metal material, for example, a multilayer film of titanium nitride and aluminum. Finally, annealing is performed at 350 ° C. for 30 minutes in a hydrogen atmosphere at 1 atm to complete the TFT. (FIG. 4 (D))
[0097]
The mobility of the TFT obtained by the method described above was 110 to 150 cm 2 / Vs, and the S value was 0.2 to 0.5 V / digit. Further, a P-channel TFT in which the source / drain is doped with boron by the same method was also manufactured. The mobility was 90 to 120 cm 2 / Vs, and the S value was 0.4 to 0.6 V / digit. As compared with the case where the gate insulating film was formed by the PVD method or the CVD method, the mobility was higher by 20% or more, and the S value was reduced by 20% or more.
Further, from the viewpoint of reliability, the TFT manufactured in this example showed a good result that is comparable to that of the TFT manufactured by high-temperature thermal oxidation at 1000 ° C.
[0098]
[Example 7]
FIG. 7 is a block diagram of an electro-optical system using an integrated circuit in which a display, a CPU, and a memory are mounted on one glass substrate. The present embodiment relates to an example in which an integrated electrical engineering system (liquid crystal display) is configured using a TFT utilizing the present invention.
[0099]
Here, the input port is a memory peculiar to the panel for reading an externally input signal, converting the signal into an image signal, and correcting an input signal or the like in accordance with the characteristics of the active matrix panel. is there. In particular, this correction memory is used to finance information unique to each pixel as a non-volatile memory and to individually correct the information. That is, when a pixel of the electro-optical device has a point defect, a signal corrected in accordance with the defect is sent to pixels around the point to cover the point defect and make the defect inconspicuous. Alternatively, when a pixel is darker than the surrounding pixels, a larger signal is sent to the pixel so that the brightness is the same as that of the surrounding pixels. In each pixel, a liquid crystal 73, a capacitor 72, and a TFT 71 are arranged.
[0100]
The CPU and the memory are the same as those of an ordinary computer. In particular, the memory has an image memory corresponding to each pixel as a RAM. Further, the backlight that irradiates the substrate from the back surface can be changed according to the image information.
[0101]
【effect】
Crystalline nuclei are generated on the surface side of the amorphous silicon film by introducing a catalytic element, and thereafter, the crystalline silicon film having good crystallinity is irradiated with laser light or strong light on the surface side on which the crystal nuclei are introduced. Can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the steps of an example. FIG. 2 shows the steps of an example.
FIG. 3 shows a manufacturing process of the example.
FIG. 4 shows a manufacturing process of an example.
FIG. 5 shows a manufacturing process of the example.
FIG. 6 shows a cross-sectional photograph of a crystallized silicon thin film.
[Explanation of symbols]
11 Glass substrate 12 Amorphous silicon film 13 Silicon oxide film 14 Acetic acid solution film containing nickel 15 Spinner 11 Glass substrate 104 active layer 105 silicon oxide film 106 gate electrode 109 oxide layer 108 source / drain region 109 drain / source region 110 interlayer insulating film ( Silicon oxide film)
112 ... electrode 113 ... electrode

Claims (5)

絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を形成し、
前記非晶質珪素膜を加熱して前記非晶質珪素膜の上面の一部およびその近傍に結晶核を形成させた後、前記非晶質珪素膜の前記上面側からレーザー光または強光を照射して前記非晶質珪素膜を結晶化させる半導体装置作製方法において、
前記非晶質珪素膜を加熱する前に、結晶化を助長する元素を含有させた溶液を用いて、前記非晶質珪素膜上に前記結晶化を助長する元素を保持させることを特徴とする半導体装置作製方法。
Forming an amorphous silicon film on a substrate having an insulating surface,
After heating the amorphous silicon film to form a crystal nucleus on a part of the upper surface of the amorphous silicon film and in the vicinity thereof, laser light or strong light is applied from the upper surface side of the amorphous silicon film. In a method for manufacturing a semiconductor device, which irradiates the amorphous silicon film to crystallize,
Prior to heating the amorphous silicon film, using a solution containing an element which promotes crystallization, characterized in that to hold the element for promoting the crystallization on the amorphous silicon film A method for manufacturing a semiconductor device.
請求項1において、前記結晶化を助長する元素はニッケルであることを特徴とする半導体装置作製方法。2. The method according to claim 1, wherein the element that promotes crystallization is nickel. 請求項1において、前記結晶化を助長する元素は、Pt、Cu、Ag、Au、In、SnまたはPdであることを特徴とする半導体装置作製方法。2. The method according to claim 1, wherein the element that promotes crystallization is Pt, Cu, Ag, Au, In, Sn, or Pd. 請求項1乃至3のいずれか一において、前記結晶化させた珪素膜中における前記結晶化を助長する元素の濃度は1×1016atoms cm-3〜3×1018atoms cm-3であることを特徴とする半導体装置作製方法。4. The method according to claim 1, wherein a concentration of the element promoting the crystallization in the crystallized silicon film is 1 × 10 16 atoms cm −3 to 3 × 10 18 atoms cm −3. A method for manufacturing a semiconductor device, comprising: 請求項1乃至4のいずれか一において、前記結晶化させた珪素膜をパターニングして島状の領域を形成し、前記島状の領域上にゲイト絶縁膜を形成し、前記ゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成し、前記ゲイト電極上に層間絶縁膜を形成し、前記層間絶縁膜をエッチングしてコンタクトホールを形成し配線を形成することを特徴とする半導体装置作製方法。The method according to claim 1, wherein the crystallized silicon film is patterned to form an island region, a gate insulating film is formed on the island region, and a gate insulating film is formed on the gate insulating film. A method for manufacturing a semiconductor device, comprising: forming a gate electrode; forming an interlayer insulating film on the gate electrode; etching the interlayer insulating film to form a contact hole; and forming a wiring.
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