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JP3573484B2 - 油圧制御弁 - Google Patents

油圧制御弁 Download PDF

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JP3573484B2
JP3573484B2 JP08170794A JP8170794A JP3573484B2 JP 3573484 B2 JP3573484 B2 JP 3573484B2 JP 08170794 A JP08170794 A JP 08170794A JP 8170794 A JP8170794 A JP 8170794A JP 3573484 B2 JP3573484 B2 JP 3573484B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、産業用機械や建設用機械等に用いられる油圧制御弁の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
射出成型機やプレス機械等の産業用機械や掘削機やクレーン等の建設用機械に用いられる従来の油圧制御弁として、例えば図5に示すようなものがある。
【0003】
これについて説明すると、油圧ポンプ11と油圧シリンダ13を結ぶ油圧通路12の途中に油圧制御弁10が介装される。この油圧制御弁10の制御装置は、ポペット弁20のストローク位置によって決まる油圧通路12の開口断面積を制御し、このときのポペット弁20の上流側と下流側の圧力差から、油圧シリンダ13に送られる作動油の流量を制御したり、あるいはポペット弁20の下流の圧力を検出しながら、目標と一致するように、ポペット弁20を制御する。
【0004】
油圧制御弁10は、筒状をしたハウジング30の内部に円柱状をしたポペット弁20が摺動可能に介装される。ハウジング30は油圧ポンプ11に連通するポート31と、油圧シリンダ13に連通するポート32とを備える。
【0005】
ポペット弁20の外周には段付き部23が形成される。ポペット弁20は、直径D1の大径部24から、環状の段付き部23を介して、直径D2の小径部27へと縮径して形成される。
【0006】
ポペット弁20の第一段付き部23とハウジング30の間に、第一パイロット室1が画成される。第一パイロット室1が拡大することにより、ポペット弁20が開弁方向に変位する。
【0007】
第一パイロット室1を油圧ポンプ11に連通する回路14が配設される。
【0008】
ポペット弁20の一端とハウジング30の間に、第二パイロット室2が画成される。第二パイロット室2が拡大することにより、ポペット弁20が閉弁方向に変位する。
【0009】
第二パイロット室2に接続した回路15は、比例電磁弁7を介して油圧ポンプ11とタンク17に選択的に連通される。比例電磁弁7は、第二パイロット室2を油圧ポンプ11に連通するポジションaと、第二パイロット室2をタンク17に連通するポジションbと、第二パイロット室2を閉塞するポジションcとを備える。
【0010】
ポペット弁20を閉方向に付勢するリターンスプリング9が介装される。
【0011】
比例電磁弁7が、第二パイロット室2を油圧ポンプ11に連通するポジションaに切換えられると、第二パイロット室2に導かれる油圧P2が上昇し、第二パイロット室2に発生する油圧力(π/4)D12×P2とリターンスプリング9の付勢力Fsの合力がポペット弁20を閉弁方向に付勢する力となる。
【0012】
このとき、ポペット弁20を開弁方向に付勢する力は、ポペット弁20の弁体部21に作用する油圧力と、第一パイロット室1に発生する油圧力の合力である。
【0013】
ポペット弁20の全開位置付近において、ポペット弁20の弁体部21に作用する油圧と、第一パイロット室1に導かれる油圧は略等しい値P1になるとすると、ポペット弁20に働く力の釣り合い式は、Fs+(π/4)D12×P2=(π/4)D12×P1 …(2)
として表される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の油圧制御弁10にあっては、ポペット弁20の全開位置付近において、ポペット弁20の弁体部21に作用する油圧と、第一パイロット室1に導かれる油圧、および第二パイロット室2に導かれる油圧が略等しくなると、第二パイロット室2に発生する油圧力(π/4)D12×P2が、ポペット弁20の弁体部21に作用する油圧力と、第一パイロット室1に発生する油圧力の合力(π/4)D12×P1によって相殺され、ポペット弁20を閉弁方向に駆動する力は、リターンスプリング9の付勢力Fsのみと小さい。
【0015】
図3はP1とP2の差圧ΔPに対する比例電磁弁7を通過する流量qの関係を示す特性図である。比例電磁弁7の励磁電流がi1,i2,i3と増大するのに伴って流量qが増加するが、この流量qの増加特性は非線形となっている。
【0016】
ポペット弁20を閉弁方向に駆動する力が、リターンスプリング9の付勢力Fsのみと小さい場合、(2)式よりP1とP2の差圧ΔPは、ΔP=P1−P2=Fsp/(π/4)D12 …(3)
として表されるから、ΔPも小さく、したがって比例電磁弁7を通過する流量qが少ないので閉方向速度が遅い。
【0017】
このため、例えばポペット弁20が開弁された状態から負荷を保持する目的でポペット弁20を全閉するときに、ポペット弁20が完全に閉弁するまでに時間がかかり、応答性が悪いという問題点が考えられる。
【0018】
本発明は上記の問題点に着目し、油圧制御弁において、閉弁作動時の応答性を高めることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ポペット弁の一端にそのストローク位置に応じて油圧源とアクチュエータを連通する通路断面積を変化させる弁体部を形成し、ポペット弁の他端によってポペット弁が閉弁方向に変位するときに拡大する第二パイロット室を画成し、第二パイロット室を油圧源とタンク側に選択的に連通する弁手段を備え、ポペット弁の外周に形成された第一段付き部によってポペット弁が開弁方向に変位するときに拡大する第一パイロット室を画成し、第一パイロット室を油圧源に連通する回路を配設し、ポペット弁を閉弁方向に付勢するリターンスプリングを介装し、ポペット弁の外周に形成された第二段付き部によってポペット弁が開弁方向に変位するときに拡大するドレン室を画成し、ドレン室をタンク側に連通する回路を配設する。
【0020】
【作用】
請求項1記載の油圧制御弁は、ポペット弁に、ポペット弁の弁体部に作用する油圧力と第一パイロット室に発生する油圧力が開方向に働くのに対して、弁手段を介して第二パイロット室に発生する油圧力とリターンスプリングの付勢力が閉方向に働く。
【0021】
弁手段が第二パイロット室をタンク側に連通させると、第二パイロット室に発生する油圧力が低下し、ポペット弁の弁体部に作用する油圧力および第一パイロット室に発生する油圧力の合力により、リターンスプリングの付勢力に対抗して、ポペット弁を開方向に速やかに変位させる。
【0022】
弁手段が第二パイロット室を油圧源に連通させると、第二パイロット室に発生する油圧力が上昇し、ポペット弁の弁体部に作用する油圧力および第一パイロット室に発生する油圧力の合力に対抗して、ポペット弁を閉方向に変位させる。
【0023】
ポペット弁の外周に形成された第二段付き部によってドレン室を画成することにより、ポペット弁の弁体部において油圧力が作用する受圧面積が削減され、その分だけポペット弁を閉弁方向に駆動する力を高められる。この結果、弁手段が第二パイロット室を油圧源に連通させて、第二パイロット室に発生する油圧力が上昇した状態において、ポペット弁が閉弁作動する速度を高められ、ポペット弁の作動応答性を高められる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
図1、図2に示すように、油圧通路12は、油圧源として設けられる油圧ポンプ11と、アクチュエータとして設けられる油圧シリンダ13を結んでいる。油圧通路12の途中に介装された油圧制御弁10は、油圧シリンダ13に導かれる作動油の圧力と流量を調節する。
【0026】
油圧制御弁10は、筒状をしたハウジング30の内部に円柱状をしたポペット弁20が摺動可能に介装される。ハウジング30は油圧ポンプ11に連通するポート31と、油圧シリンダ13に連通するポート32とを備える。ポート31はポペット弁20と同軸上に形成され、ポート32はこのポート31と直交して形成される。
【0027】
ポペット弁20は、その一端に筒状の弁体部21が形成され、弁体部21にはその先端に向けて楔状に開口した切欠き22が形成される。ポペット弁20は、その閉弁時に、図2に示すように、弁体部21がポート31に嵌合し、油圧通路12を全閉する。ポペット弁20はこの全閉位置から開方向に変位するのにしたがって、楔状の切欠き22がポート32に開口する断面積が漸次増大し、油圧通路12の開口断面積を拡大するようになっている。
【0028】
なお、弁体部21に例えば複数の穴を形成し、ポペット弁20はこの全閉位置から開方向に変位するのにしたがって、ポート32に開口する穴の数が増えるように構成していもよい。
【0029】
ポペット弁20の外周には第一段付き部23が形成される。ポペット弁20は、直径D1の大径部24から、環状の第一段付き部23を介して、直径D3の中径部25へと縮径して形成される。
【0030】
ポペット弁20の第一段付き部23とハウジング30の間に、第一パイロット室1が画成される。第一パイロット室1が拡大することにより、ポペット弁20が開弁方向に変位する。
【0031】
第一パイロット室1を油圧ポンプ11に連通する回路14が配設される。
【0032】
ポペット弁20の一端とハウジング30の間に、第二パイロット室2が画成される。第二パイロット室2が拡大することにより、ポペット弁20が閉弁方向に変位する。
【0033】
第二パイロット室2に接続した回路15は、比例電磁弁7を介して油圧ポンプ11とタンク17に選択的に連通する。比例電磁弁7は、第二パイロット室2を油圧ポンプ11に連通するポジションaと、第二パイロット室2をタンク17に連通するポジションbと、第二パイロット室2を閉塞するポジションcとを備える。
【0034】
ポペット弁20の外周には第二段付き部26が形成される。ポペット弁20は、直径D3の中径部25から、環状の第二段付き部26を介して、直径D2の小径部27へと縮径して形成される。すなわち、ポペット弁20は、大径部24、中径部25、小径部27と段階的に縮径して形成され、D1>D3>D2の寸法関係になっている。
【0035】
ポペット弁20の第二段付き部26とハウジング30の間に、ドレン室3が画成される。ドレン室3が拡大することにより、ポペット弁20が開弁方向に変位する。
【0036】
ドレン室3をタンク17に連通する回路16が配設される。
【0037】
ポペット弁20を閉方向に付勢するリターンスプリング9が介装される。リターンスプリング9の一端はポペット弁20に当接し、他端はハウジング30側に設けられるリテーナによって支持される。
【0038】
油圧ポンプ11の作動停止等により、ポンプ吐出圧が低下する場合、比例電磁弁7が第二パイロット室2を油圧ポンプ11に連通するポジションaに切換わると、ポペット弁20はリターンスプリング9の付勢力によって閉弁作動する。
【0039】
ポペット弁20のストローク位置を検出する変位センサ41が設けられる。ポペット弁20の弁体部21より上流側と下流側の圧力をそれぞれ検出する2つの圧力センサが設けられる。制御装置は、油圧制御弁により流量と圧力を選択的に制御する。
【0040】
流量制御時は、ポペット弁20のストローク位置によって決まる油圧通路12の開口断面積を制御し、ポペット弁20の上流側と下流側の検出圧力から油圧シリンダ13に送られる作動油の流量を目標値に一致させる。
【0041】
また、圧力制御時は、検出した下流圧力が目標と一致するように、ポペット弁20の位置を制御する。
【0042】
比例電磁弁7が、第二パイロット室2をタンク17に連通するポジションbに切換えられると、第二パイロット室2に導かれる圧力P2は低下し、ポペット弁20の弁体部21に作用する油圧力と、第一パイロット室1に発生する油圧力の合力により、ポペット弁20はリターンスプリング9を圧縮しながら速やかに開方向に変位する。これにより、油圧通路12の開口断面積を大きくし、油圧シリンダ13に送られる油圧力または作動油の流量を増大する。
【0043】
比例電磁弁7が、第二パイロット室2を閉塞するポジションcに切換えられると、ポペット弁20のストローク変位が停止される。
【0044】
比例電磁弁7が、第二パイロット室2を油圧ポンプ11に連通するポジションaに切換えられると、第二パイロット室2に導かれる油圧P2が上昇し、第二パイロット室2に発生する油圧力(π/4)D12×P2とリターンスプリング9の付勢力Fsの合力がポペット弁20を閉弁方向に付勢する力となる。
【0045】
このとき、ポペット弁20を開弁方向に付勢する力は、ポペット弁20の弁体部21に作用する油圧力と、第一パイロット室1に発生する油圧力と、ドレン室3の油圧力との合力である。
【0046】
ポペット弁20の全開位置付近において、ポペット弁20の弁体部21に作用する油圧と、第一パイロット室1に導かれる油圧は略等しい値P1になるものとし、またドレン室3の圧力をゲージ圧で0とすると、ポペット弁20に働く力の釣り合い式は、Fs+(π/4)D12×P2=(π/4){D12−(D32−D22)}×P1…(1)として表される。
【0047】
従来装置におけるポペット弁20に働く力の釣り合い式(2)に比べて、ポペット弁20を閉方向に付勢する力は、(π/4)(D32−D22)×P1だけ大きくなる。
【0048】
すなわち、ポペット弁20の外周に形成された第二段付き部26によってドレン室3を画成することにより、ポペット弁20の弁体部21において油圧力が作用する受圧面積は第二段付き部26に相当する分が削減され、その分だけポペット弁20を閉弁方向に駆動する力を高められる。
【0049】
図3はP1とP2の差圧ΔPに対する比例電磁弁7を通過する流量qの関係を示す特性図である。比例電磁弁7の励磁電流がi1,i2,i3と増大するのに伴って流量qが増加するが、この流量qの増加特性は非線形となっている。比例電磁弁7が、第二パイロット室2を油圧ポンプ11に連通するポジションaに切換えられた状態で、比例電磁弁7を通過する流量qが、P1とP2の差圧ΔPが大きくなることにより増大し、ポペット弁20が閉弁作動する速度を高められ、ポペット弁20の作動応答性を高められる。
【0050】
次に、図4に示す他の実施例について説明する。なお、図1との対応部分には同一符号を用いて説明する。
【0051】
ポペット弁20の外周には第一段付き部23と第二段付き部26がそれぞれ形成される。ポペット弁20は、直径D1の大径部24から、環状の第一段付き部23を介して、直径D3の中径部25へと縮径し、中径部25から、環状の第二段付き部26を介して、直径D2の小径部27へと縮径して形成される。すなわち、ポペット弁20は、大径部24、中径部25、小径部27と段階的に縮径して形成され、D1>D3>D2の寸法関係になっている。
【0052】
第一段付き部23とハウジング30の間に、ドレン室3が画成される。ドレン室3が拡大することにより、ポペット弁20が開弁方向に変位する。ドレン室3をタンク17に連通する回路16が配設される。
【0053】
第二段付き部26とハウジング30の間に、第一パイロット室1が画成される。第一パイロット室1が拡大することにより、ポペット弁20が開弁方向に変位する。第一パイロット室1を油圧ポンプ11に連通する回路14が配設される。
【0054】
この場合、ポペット弁20の外周に形成された第一段付き部23によってドレン室3を画成することにより、ポペット弁20の弁体部21において油圧力が作用する受圧面積は第二段付き部26に相当する分が削減され、その分だけポペット弁20を閉弁方向に駆動する力を高められる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明は、ポペット弁の一端にそのストローク位置に応じて油圧源とアクチュエータを連通する通路断面積を変化させる弁体部を形成し、ポペット弁の他端によってポペット弁が閉弁方向に変位するときに拡大する第二パイロット室を画成し、第二パイロット室を油圧源とタンク側に選択的に連通する弁手段を備え、ポペット弁の外周に形成された第一段付き部によってポペット弁が開弁方向に変位するときに拡大する第一パイロット室を画成し、第一パイロット室を油圧源に連通する回路を配設し、ポペット弁を閉弁方向に付勢するリターンスプリングを介装し、ポペット弁の外周に形成された第二段付き部によってポペット弁が開弁方向に変位するときに拡大するドレン室を画成し、ドレン室をタンク側に連通する回路を配設したため、段付き部によってドレン室を画成する分だけポペット弁を閉弁方向に駆動する力を高められ、ポペット弁が閉弁作動する応答性を高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す油圧制御弁の構成図。
【図2】同じく油圧制御弁の断面図。
【図3】同じく油圧制御弁の流量特性図。
【図4】他の実施例を示す油圧制御弁の構成図。
【図5】従来例を示す油圧制御弁の構成図。
【符号の説明】
1 第一パイロット室
2 第二パイロット室
3 ドレン室
7 比例電磁弁
9 リターンスプリング
11 油圧ポンプ
12 油圧通路
13 油圧シリンダ
14 回路
15 回路
17 タンク
20 ポペット弁
21 弁体部
26 第二段付き部
30 ハウジング

Claims (1)

  1. ポペット弁の一端にそのストローク位置に応じて油圧源とアクチュエータを連通する通路断面積を変化させる弁体部を形成し、ポペット弁の他端によってポペット弁が閉弁方向に変位するときに拡大する第二パイロット室を画成し、第二パイロット室を油圧源とタンク側に選択的に連通する弁手段を備え、ポペット弁の外周に形成された第一段付き部によってポペット弁が開弁方向に変位するときに拡大する第一パイロット室を画成し、第一パイロット室を油圧源に連通する回路を配設し、ポペット弁を閉弁方向に付勢するリターンスプリングを介装し、ポペット弁の外周に形成された第二段付き部によってポペット弁が開弁方向に変位するときに拡大するドレン室を画成し、ドレン室をタンク側に連通する回路を配設したことを特徴とする油圧制御弁。
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