JP3569738B2 - Method for producing propylene-based random copolymer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロピレン系共重合体及びそれからなるフィルムに関するものである。さらに詳しくは、プロピレンとエチレンの二元ランダム共重合体及びそれを成形したフィルムに関するもので、特にラミネートや共押出した積層フィルムの基材層として好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
結晶性ポリプロピレン二軸延伸フィルム(OPP)は、その優れた剛性、透明性及び防湿性等を生かして広く包装用フィルムとして使用されている。しかし、OPPはヒートシール性に難点があり、従来からヒートシール性に優れた樹脂をシーラント層として、その片面ないし両面にラミネートした積層フィルムとして広く使用されてきた。
【0003】
また、Tダイキャスト成形フィルムは、パンの包装などに広く使用されているが、しばしばヒートシール性に優れた樹脂をシーラント層として、その片面ないし両面にラミネート、あるいは共押出した積層フィルムにして使用することが行われている。
積層フィルムには、フィルムの巻き返し工程を支障なく行うためスリップ性及びアンチブロッキング性を発現すること、製袋及び内容物を充填した後の袋閉じ工程の生産性に直接関係している低温ヒートシール性が良好であること及び外観や透明性が良好であること等が重要である。また、近年のフィルム加工は、生産性を上げるため大型成形機による高速製膜化がなされているが、その場合においてもフィルム品質が低下したりしないことが要求される。
【0004】
さらに、最近では、シーラント層は該層用の樹脂が高価であること及び積層フィルム全体の剛性を高くする目的とから薄くされる傾向にある。ところが、非常に強いヒートシール強度が要求される場合には、シーラント層の樹脂特性だけでなく、基材層の樹脂特性もまたヒートシール性に影響してくるため、基材層に少量のエチレンもしくは1−ブテンなどを少量共重合させる試みが行なわれている。しかしながら、従来の技術においては共重合による樹脂の結晶性低下もまた大きく、剛性は不充分なものになっている。
【0005】
ところで、通常、フィルムは製膜されてから、ヒートシールにより製袋、内容物が充填され、シールされた後、さらに最終消費者が開封して内容物を取り出し、包装用基材としての役割を終えるまでにかなりの時間がある。そのため、通常考えられる時間及び温度条件下において、そのフィルムの品質、特に耐衝撃性が低下しないことが要求される。
しかしながら、従来品では、耐衝撃性の低下や透明性の低下などの不良現象の発生がみられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の発明は、非常に高い剛性等のポリプロピレンのフィルムが本来有する好ましい特性を損なうことなく、低温ヒートシール性も兼ね備え、ラミネートや共押出した積層フィルムの基材層として非常に優れたプロピレン系ランダム共重合体及びそれを用いてなるフィルムを提供することを目的とするものである。
【0007】
また、第2の発明は、上記の特性に加え、経時変化の少ない、特に耐衝撃性の経時的低下の小さい、ラミネートや共押出した積層フィルムの基材層として非常に優れたプロピレン系ランダム共重合体及びそれを用いてなるフィルムを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】
本発明者らは上記課題につき鋭意検討した結果、少量のエチレン単位を有する立体規則性(アイソタクチック)プロピレン系ランダム共重合及びそれからなるフィルムが上記課題を達成できることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、第1の発明は、以下の(I)及び(II)に示されるプロピレン系ランダム共重合体及びそれを製膜してなるフィルムであって、非常に高い剛性等のポリプロピレンのフィルムが本来有する好ましい特性を損なうことなく、低温ヒートシール性も兼ね備えた共重合体及びそれを用いてなるフィルムを提供するものである。
【0009】
(I)プロピレンとエチレンのランダム共重合体であって、下記の▲1▼〜▲5▼を満足するプロピレン系ランダム共重合体。
▲1▼ 共重合体中のエチレン単位の含有量(χ(wt%))が0.2 〜 3.5wt %である。
▲2▼ 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))が4〜12g/10minである。
▲3▼ 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E(wt%))とχが式(1)の関係を満たす。
E≦0.25χ+1.1 ・・・(1)
▲4▼ 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とχが式(2)の関係を満たす。
Tm≦165−5χ ・・・(2)
▲5▼ 13C−NMRで測定したPPP連鎖部のアイソタクチックトライアッド分率(mm(mol%))が、98.0mol%以上である。
【0010】
(II)プロピレン系ランダム共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))と周波数分散測定により得られる周波数ω0 =100 rad/sec における緩和時間τ (sec)が、式(3) の関係を満たす上記(I)に記載のプロピレン系ランダム共重合体。
τ≦ 0.65 −0.025 MI ・・・(3)
【0011】
また、第2の発明は、以下の(III)に示されるプロピレン系ランダム共重合体及びそれを製膜してなるフィルムであって、上記の特性に加え、経時変化の少ない、特に耐衝撃性の経時的低下の小さい、ラミネートや共押出した積層フィルムの基材層として非常に優れたプロピレン系ランダム共重合体及びそれを製膜してなるフィルムを提供するものである。
【0012】
(III)プロピレンとエチレンのランダム共重合体であって、下記の▲1▼〜▲5▼を満足するプロピレン系ランダム共重合体。
▲1▼ 共重合体中のエチレン単位の含有量(χ (wt%))が 1〜4 wt%である。
▲2▼ 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))が4 〜12 g/10minである。
▲3▼ 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E (wt%)) とχが式(1) の関係を満たす。
E≦ 0.25 χ+1.1 ・・・(1)
▲4▼ 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とχが式(2) の関係を満たす。
Tm ≦ 165−5 χ ・・・(2)
【0013】
▲5▼ 13C−NMRで測定したPPP連鎖部のアイソタクチックトライアッド分率(mm(mol%))が、98.0 mol% 以上である。
▲6▼プロピレン系ランダム共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))と周波数分散測定により得られる周波数ω0 =100 rad/sec における緩和時間τ (sec)が、式(3) の関係を満たす。
τ≦ 0.65 −0.025 MI ・・・(3)
【0014】
なお、上記(I)及び(III) の共重合体のうち、共重合体中のエチレン含有量が3〜4 wt%であり、示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))が 140℃以下の範囲にあるものは、低温ヒートシール性に特に優れていることから、ラミネートや共押出した積層フィルムのシーラント層としても好適に用いることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下に詳細に説明する。
本発明の内、第1の発明のプロピレン系ランダム共重合体は、プロピレンとエチレンをランダム共重合したものであって、下記の▲1▼〜▲5▼を満足するものである。
【0016】
▲1▼ プロピレン系ランダム共重合体中のエチレン単位の含有量(χ (wt%))が0.2 〜4 wt%、好ましくは0.5 〜3.5 wt%である。χが0.2 wt%未満の場合はヒートシール温度を充分に低くすることができないし、結晶性が高くなり過ぎるため、特に製膜速度を高速化した場合に耐衝撃性が低下する。χが 4 wt %を超える場合は、剛性が低下し、べとつき成分が多くなりアンチブロッキング性が低下する。
【0017】
▲2▼ プロピレン系ランダム共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))が4 〜12 g/10min、好ましくは 5〜10g/10min である。MIが4 g/10min 未満の場合は透明性、フィルムインパクトが低下する。MIが12 g/10minを超える場合は成形不良が起こりやすくなる。
【0018】
▲3▼ 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E (wt%))とχが式(1) の関係を満たす。
E≦ 0.25χ+1.1 ・・・(1)
Eがこの範囲より多くなるとアンチブロッキング性が低下する。また、ヒートシール温度を充分に低くすることができない。
好ましくは、
E≦ 0.20χ+1.1 ・・・(1) ’
である。
【0019】
▲4▼ 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とχが式(2) の関係を満たす。
Tm ≦ 165− 5χ ・・・(2)
Tm がこの範囲よりも高くなるとヒートシール温度を充分に低くすることができない。
好ましくは、
Tm ≦ 162− 5χ ・・・(2) ’
である。
【0020】
▲5▼ 13C−NMRで測定したPPP部のアイソタクチックトライアッド分率(mm(mol%))が、98.0 mol% 以上、好ましくは98.5 mol% 以上である。
mmが98.0 mol% 未満では、べとつき成分が多くなりアンチブロッキング性が低下する。また、結晶性が低下し、剛性が低くなる。さらに共重合量に対する融点降下が小さくなり、充分にヒートシール温度を低くすることができない。
【0021】
また、上記の共重合体において、そのメルトインデックス(MI)と周波数ω0 =100 rad/sec における周波数分散測定により得られる緩和時間τ(sec)が
式(3)
τ≦ 0.65 −0.025 MI ・・・(3)
、好ましくは、式(3) ’
τ≦ 0.63 −0.025 MI ・・・(3) ’
の関係を満たすものは、特に製膜速度を高速化した場合のフィルムインパクトや透明性の面でさらに好適である。
【0022】
上記のプロピレン系ランダム共重合体又はそれを用いてなるフィルムは、ポリプロピレンのフィルムが本来有する好ましい特性を損なうことなく、非常に高い剛性−低温ヒートシール性のバランスを有する。またアンチブロッキング性が極めて良好である。さらに耐衝撃性、スリップ性、透明性にも優れる。また製膜速度を高速化してもフィルム品質の低下が小さい。
【0023】
本発明の内、第2の発明のプロピレン系ランダム共重合体は、プロピレンとエチレンをランダム共重合したものであって、下記の▲1▼〜▲6▼を満足するものである。
【0024】
▲1▼ プロピレン系ランダム共重合体中のエチレン単位の含有量(χ (wt%))が1 〜4 wt%、好ましくは1.5 〜4.0 wt%である。χが1wt %未満の場合はフィルムインパクトの経時的低下が起こりやすくなる。χが 4 wt %を超える場合は、剛性が低下し、べとつき成分が多くなりアンチブロッキング性が低下する。
▲2▼ プロピレン系ランダム共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))が4 〜12 g/10min、好ましくは 5〜10g/10min である。MIが4 g/10min 未満の場合は透明性、フィルムインパクトが低下する。MIが12 g/10minを超える場合は成形不良が起こりやすくなる。
【0025】
▲3▼ 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E (wt%))とχが式(1) の関係を満たす。
E≦ 0.25χ+1.1 ・・・(1)
Eがこの範囲より多くなるとアンチブロッキング性が低下する。また、ヒートシール温度を充分に低くすることができない。
好ましくは、
E≦ 0.20χ+1.1 ・・・(1) ’
である。
【0026】
▲4▼ 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とχが式(2) の関係を満たす。
Tm ≦ 165− 5χ ・・・(2)
Tm がこの範囲よりも高くなるとヒートシール温度を充分に低くすることができない。
好ましくは、
Tm ≦ 162− 5χ ・・・(2) ’
である。
【0027】
▲5▼ 13C−NMRで測定したPPP部のアイソタクチックトライアッド分率(mm(mol%))が、98.0 mol% 以上、好ましくは98.5 mol% 以上である。
mmが98.0 mol% 未満では、べとつき成分が多くなりアンチブロッキング性が低下する。また、結晶性が低下し、剛性が低くなる。さらに共重合量に対する融点降下が小さくなり、充分にヒートシール温度を低くすることができない。
【0028】
▲6▼ 共重合体において、そのメルトインデックス(MI)と周波数ω0 =100 rad/sec における周波数分散測定により得られる緩和時間τ(sec)が式(3)
τ≦ 0.65 −0.025 MI ・・・(3)
、好ましくは、式(3)’’
τ≦ 0.60 −0.025 MI ・・・(3)’’
の関係を満たすものである。この関係を満たさないものは、製膜速度を高速化した場合にフィルムインパクトの低下が起こりやすい。
【0029】
上記のプロピレン系ランダム共重合体又はそれを用いてなるフィルムは、ポリプロピレンのフィルムが本来有する好ましい特性を損なうことなく、高い剛性−低温ヒートシール性のバランスを有する。また、アンチブロッキング性が極めて良好であり、耐衝撃性、スリップ性、透明性にも優れ、製膜速度を高速化してもフィルム品質の低下が小さい。さらに、耐衝撃性 (フィルムインパクト) の経時的低下が小さいという特長を有する。
【0030】
本発明のプロピレン系ランダム共重合体は、以下に示すようにして製造することができるが、これに限定されるものではない。
製造に使用する触媒としては、マグネシウム、チタン、及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分、有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物触媒成分、及び有機ケイ素化合物等の電子供与体化合物触媒成分から形成することができるが、代表的なものとして、以下のような触媒成分が使用できる。
固体触媒成分の好ましい担体となるものは、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物から得られる。この場合、金属マグネシウムは、顆粒状、リボン状、粉末状等のマグネシウムを用いることができる。また、この金属マグネシウムは、表面に酸化マグネシウム等の被覆が生成されていないものが好ましい。
アルコールとしては、炭素数1〜6の低級アルコールを用いるのが好ましく、特に、エタノールを用いると、触媒性能の発現を著しく向上させる上記担体が得られる。
【0031】
ハロゲンとしては、塩素、臭素、又はヨウ素が好ましく、特にヨウ素を好適に使用できる。また、ハロゲン含有化合物としては、MgCl2 、MgI2 が好適に使用できる。
アルコールの量は、金属マグネシウム1モルに対して好ましくは2〜100モル、特に好ましくは5〜50モルである。
【0032】
ハロゲン又はハロゲン含有化合物の使用量は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲン原子又はハロゲン含有化合物中のハロゲン原子が、0.0001グラム原子以上、好ましくは0.0005グラム原子以上、さらに好ましくは、0.001グラム原子以上である。ハロゲン及びハロゲン含有化合物はそれぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物との反応方法は、例えば、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/またはハロゲン含有化合物とを、還流下(約79℃)で水素ガスの発生が認められなくなるまで(通常20〜30時間)反応させて、担体を得る方法である。これは、不活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下で行うことが好ましい。
得られた担体を次の固体触媒成分の合成に用いる場合、乾燥させたものを用いてもよく、また濾別後ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよい。
【0033】
また、この担体は粒状に近く、しかも粒径分布がシャープである。さらには、粒子一つ一つをとってみても、粒形度のばらつきは非常に小さい。この場合、下記の式(4)で表される球形度(S) が 1.60 未満、特に 1.40 未満であり、かつ下記の式(5)で表される粒径分布指数(P) が 5.0 未満、特に 4.0 未満であることが好ましい。
【0034】
S=(E1 /E2 )2 ・・・ (4)
(ここで、E1 は粒子の投影の輪郭長、E2 は粒子の投影面積に等しい円の周長を示す。)
P=D90 /D10 ・・・ (5)
(ここで、D90は重量累積分率が90%に対応する粒子径をいう。すなわち、D90で表される粒子径より小さい粒子群の重量和が全粒子総重量和の90%であることを示している。D10も同様である。)
【0035】
固体触媒成分の製造のため、上記の担体に少なくともチタン化合物を接触させる。
このチタン化合物としては、一般式(6)
TiX1 n (OR1 )4−n ・・・(6)
(式中、X1 はハロゲン原子、特に塩素原子が好ましく、R1 は炭素数1〜10の炭化水素基、特に直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、R1 が複数存在する場合にはそれらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜4の整数である。)で表されるチタン化合物を用いることができる。具体的には、Ti(O−i−C3 H7 )4 、Ti(O−C4 H9 )4 、TiCl(O−C2 H5 )3 、TiCl(O−i−C3 H7 )3 、TiCl(O−C4 H9 )3 、TiCl2 (O−C4 H9 )2 、TiCl2 (O−i−C3 H7 )2 、TiCl4 等を挙げることができるが、特にTiCl4 が好ましい。
【0036】
固体触媒成分は、上記の担体にさらに電子供与性化合物を接触させて得られる。この電子供与性化合物としては、フタル酸ジ−n−ブチルを用いる。
また、上記の担体にチタン化合物と電子供与性化合物を接触させる際に、四塩化ケイ素等のハロゲン含有ケイ素化合物を接触させるとよい。
【0037】
上記の固体触媒成分は、公知の方法で調製することができる。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン又はオクテン等の不活性炭化水素を溶媒に、上記の担体、電子供与性化合物及びハロゲン含有ケイ素化合物を投入し、攪拌しながらチタン化合物を投入する方法である。通常は、マグネシウム原子換算で担体1モルに対して電子供与性化合物は、0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モルを加え、また、マグネシウム原子換算で担体1モルに対してチタン化合物は、1〜50モル、好ましくは2〜20モルを加え、0〜200℃にて、5分〜10時間の条件、好ましくは30〜150℃にて30分〜5時間の条件で接触反応を行えばよい。
なお、反応終了後は不活性炭化水素(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、生成した固体触媒成分を洗浄するのが好ましい。
【0038】
また、触媒成分の内、有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化合物を好適に用いることができる。
この有機アルミニウム化合物としては、一般式(7)
AlR2 n X2 3−n ・・・(7)
(式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、X2 はハロゲン原子であり、塩素原子または臭素原子が好ましい。nは1〜3の整数である。)で表される化合物が広く用いられる。具体的には、トリアルキルアルミニウム化合物、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムモノエトキシド、エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0039】
さらに、触媒成分の内、重合系に供する電子供与性化合物成分としては、ジシクロペンチルジメトキシシランを用いる。
上記の固体触媒成分は、前処理してから、重合に用いるとよい。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン又はオクテン等の不活性炭化水素を溶媒に、上記の固体触媒成分、有機金属化合物触媒成分及び電子供与性化合物成分を投入し、攪拌しながら、プロピレンを供給し、反応させる。また、通常、有機金属化合物触媒成分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モルを加え、電子供与性化合物成分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.01〜20モル、好ましくは0.1〜5モルを加えるとよい。プロピレンは、大気圧よりも高いプロピレンの分圧下で供給し、0〜100℃にて、0.1〜24時間前処理するとよい。なお、反応終了後は不活性炭化水素(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、前処理したものを洗浄するのが好ましい。
【0040】
重合条件は、特に制限されず、公知の方法と同様の条件を用いることができる。例えば、大気圧よりも高いプロピレンの分圧下で、−80〜150℃の温度下で、製造することができる。好ましくは、20〜150℃の温度下で、プロピレンの分圧は大気圧〜40 kg/cm2 G の範囲である。また、通常、有機金属化合物媒成分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.1〜400モル、好ましくは1〜200モルを加え、電子供与性化合物成分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.1〜100モル、好ましくは1〜50モルを加えるとよい。
【0041】
また、所望のエチレン含量及び分子量となるようにエチレン供給量及び水素供給量をそれぞれ調節する。なお、エチレン含量は重合装置内のエチレン濃度だけでなく水素濃度の影響も受ける。また、分子量も水素濃度だけでなくエチレン濃度の影響も受ける。
【0042】
本発明のプロピレン系ランダム共重合体には、常用される酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤または耐電防止剤などを必要に応じて配合することができる。
また、本発明のプロピレン系ランダム共重合体は、溶融押出成形法によりフィルムに製膜できる。例えば、Tダイキャスト製膜法において、引取速度が50 m/minまたはこれ以上の高速製膜条件においても、厚みが 10 〜500 μm のフィルムの製膜に好適に使用できる。また、前述した好ましい特性を有することから、共押出製膜法による積層フィルムの製造に際して、その少なくとも一層成分としても好適に使用できる。
製膜法は大型製膜機により高速製膜が実施されるTダイキャスト製膜法が好ましいが、特にこれに限らず、溶融押出成形法によりフィルムを製造する方法であれば、どのような製膜法においても本発明のプロピレン系ランダム共重合体は好適に使用できる。
【0043】
以上のように、本発明は、立体規則性(アイソタクチック)プロピレン重合体にエチレン単位を入れた場合とその立体規則性を乱した場合を比較すると、結晶性の低下については両者に大きな差は生じないが、融点の低下については前者の方が後者よりもかなり大きいという知見に基づき、PPP連鎖部の立体規則性を高くし、そこにエチレンをランダム共重合させることにより、高い結晶性を有し、かつ低い融点を有するプロピレン系ランダム共重合体を得ることができた。また、共重合性が良いため、少ない共重合量で効果的に融点を低くできた。
また、本発明のプロピレン系ランダム共重合体は、フィルムのブロッキング原因物質であるべとつき成分(沸騰ジエチルエーテル可溶成分として評価)が少ない。
【0044】
その結果、上記のプロピレン系ランダム共重合体を用いてなるフィルムは、ポリプロピレンのフィルムが本来有する好ましい特性を損なうことなく、非常に高い剛性−低温ヒートシール性のバランスを有する。また、アンチブロッキング性が極めて良好であり、耐衝撃性、スリップ性、透明性にも優れ、製膜速度を高速化してもフィルム品質の低下が小さい。さらに、耐衝撃性の経時変化も小さいものが得られる。
【0045】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、樹脂特性の評価方法、フィルムの製膜方法及びフィルムの品質の評価方法について、説明する。
(ア)樹脂特性の評価方法
1) 共重合体中のエチレン単位の含有量(χ(wt%))
エチレン含有量は以下の条件にて300 μm 厚のシートを作成し、日本分光製FT/IR5300を用い718 、733 cm−1の吸光度から次式により計算した。
【0046】
・シート成形条件
プレス温度:220 ℃ ; 加・冷圧時の圧締圧: 50 kg/cm2G
余熱:5 min ; 加圧:5 min ; 冷圧:3 min
・IR測定条件
積算回数: 20 回 ; 分解能:4 cm−1
エチレン含量(χ(wt%))
χ1 =0.599 ×(A733 /d・l)−0.161 ×( A718 /d・l)
χ2 =0.599 ×(A718 /d・l)−0.161 ×(A733 /d・l)
χ=0.809 ×(χ1 +χ2 )
但し、A718 :718 cm−1の吸光度、A733 :733 cm−1の吸光度、d:0.9 、l:試料の厚さ。
【0047】
2) メルトインデックス(MI(g/10min) )
JIS K7210に従い、温度230 ℃、荷重2160gで測定した。
3) 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E(wt%))
1 mmφメッシュパスの大きさに粉砕したペレットを円筒濾紙に3 g 、抽出溶剤のジエチルエーテルを平底フラスコに160 ml入れ、リフラックス頻度を1 回/5 min 程度にしてソックスレー抽出器で 10 時間抽出する。抽出後、ジエチルエーテルをエバポレーターで回収し、さらに真空乾燥器で、恒量になるまで乾燥し、その重量から沸騰ジエチルエーテル抽出量を求めた。
【0048】
4) 示差走査型熱量計で測定した共重合体の融点(Tm ( ℃))
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製 DSC7)を用いて、あらかじめ試料 10 mgを窒素雰囲気下230 ℃で3 min 溶融した後、 10 ℃/minで 40 ℃まで降温する。この温度で3 min 保持した後、 10 ℃/minで昇温させて得られた融解吸熱カーブの最大ピークのピークトップを融点とした。
【0049】
5) 13C−NMRで測定した共重合体、及びフィルムのPPP連鎖部のアイソタクチックトライアッド分率(mm (mol %))
プロピレン系共重合体のPPP連鎖部のアイソタクチックトライアッド分率は、共重合体分子鎖のPPP連鎖におけるトライアッド単位のアイソタクチック分率 であり、13C−NMRスペクトルから求めることができる。
プロピレン単独重合体の場合は、次の式(a) でそれを計算できる。
【0050】
【数1】
但し、Imm、Imr及びIrrは、13C−NMRスペクトルでメチル炭素領域をmm、mr及びrrの3領域に区分けしたときの、それぞれの領域のピーク強度を示す。mm領域は化学シフトで21.4〜22.2ppm、mr領域は化学シフトで20.6〜21.4ppm、rr領域は化学シフトで19.8〜20.6ppmである。
プロピレン系ランダム共重合体の場合は、エチレン単位に隣接するプロピレン単位のメチル炭素の吸収位置がエチレン単位により影響を受ける。具体的には、EPE連鎖中のプロピレン単位のメチル炭素の吸収ピークは、rr領域に現れ、PPE連鎖の中央のプロピレン単位のメチル炭素の吸収ピークはmr領域に現れる。
このEPE連鎖中のプロピレン単位のメチル炭素の吸収ピーク強度は、Tδδ(33.3ppm)のピーク強度で代用ができる。また、このPPE連鎖中のプロピレン単位のメチル炭素の吸収ピーク強度は、Sαγ(38.0ppm)のピーク強度で代用ができる。
【0051】
そこで、プロピレン系ランダム共重合体のPPP連鎖のアイソタクチックトライアッド分率を求めるには、次の式(b) を用いる。
【0052】
【数2】
13C−NMRスペクトルは、日本電子社製のJNM−EX400型NMR装置を用いて測定した。測定条件は、以下のとおりである。
試料濃度 : 220mg/NMR溶媒 3 ml
NMR溶媒 : 1,2,4− トリクロロベンゼン/重ベンゼン(90/10vol%)
測定温度 : 130℃
パルス幅 : 45°
パルス繰返し時間 : 4 秒
積算回数 : 4000 回
【0053】
6) 緩和時間τ
レオメトリクス社製回転型レオメーターにおいて、コーンプレート(直径25.0mm 、コーンアングル 0.10 ラジアン)を用い、温度175 ℃において周波数分散測定を行なったときの周波数ω0 =100 rad/sec における緩和時間τ (sec) であり、以下のようにして、計算した。
複素弾性率G* (iω) を応力σ* とひずみγ* によりσ* /γ* で定義したとき、G* (iω) は、
G* (iω) =σ* /γ* =G’(ω) +iG”(ω)
であり、τ (ω) は、
τ (ω) =G’(ω) /ωG”(ω)
但し、ω:周波数 (rad/sec) 、G’ :貯蔵弾性率、G” :損失弾性率
である。
【0054】
(イ)フィルムの製膜方法
以下の実施例及び比較例で得たプロピレン系ランダム共重合体及びプロピレン重合体のペレットから、三菱重工製 75 mmφ成形機を用い、膜厚 30 μm 又は 25μm のフィルムを以下の成形条件で製膜した (膜厚は押出量で調整した) 。
加工温度 :265 ℃
チルロール温度: 25 ℃
引取速度 :150 m/min
【0055】
(ウ)フィルムの品質の評価方法
フィルムの品質は全て試料を温度23±2 ℃、湿度50±10 %で、 16 時間以上状態調節した後、同じ温度、湿度条件下にて、測定を行った。
【0056】
7) ヒートシール特性
JIS K−1707に準拠して測定した。融着条件を以下に記す。なお、ヒートシールバーの温度は表面温度計により較正されている。シール後、室温で一昼夜放置し、その後室温で剥離速度を 200 mm/min にしてT型剥離法で剥離強度を測定した。ヒートシール温度は剥離強度が300 g/15mmになる温度をシール強度−剥離強度曲線から計算して求めた。
シール時間:2 sec
シール面積:15×10 mm
シール圧力:5.3 kg/cm2
シール温度:ヒートシール温度を内挿できように数点。
【0057】
8) 引張弾性率
JIS K7127に準拠した引張試験により測定した。測定条件は以下のとおりとした。また、50℃、60℃及び70℃でそれぞれ1週間保管した後の引張弾性率も同様にして測定した。
クロスヘッド速度 : 500 mm/min 測定方向 :マシン方向(MD方向)
ロードセル : 10 kg
【0058】
9) アンチブロッキング性
重ね合わせた二枚のフィルムについて以下の4つの条件で密着させた後の引剥強度により評価した。
条件1 温度:60℃ 時間: 3 hr 荷重: 36 g/cm2
条件2 温度:50℃ 時間: 1週間 荷重: 15 g/cm2
条件3 温度:60℃ 時間: 1週間 荷重: 15 g/cm2
条件4 温度:70℃ 時間: 1週間 荷重: 15 g/cm2
【0059】
引剥試験の条件は次のとおりである。
テストスピード : 20 mm/min
ロードセル : 2 kg
【0060】
10) スリップ性
フィルムを張ったスレットを、フィルムを張ったガラス板の上に静置した後、ガラス板を傾けていきスレットが滑り出したときの傾き角θのtanで評価する。東洋精機製作所製の摩擦角測定機を用い、以下の条件にて測定した。
測定面 :金属ロール面/金属ロール面
傾斜速度 :2.7 °/sec
スレッド重量 :1 kg
スレッド断面積:65 cm2
面間圧力 :15 g/cm2
【0061】
11) 透明性(ヘイズ)
JIS K7105に従い測定した。また、50℃、60℃及び70℃でそれぞれ1週間保管した後の透明性(ヘイズ)も同様にして測定した。
12) 耐衝撃性(フィルムインパクト)
東洋精機製作所製フィルムインパクトテスターにおいて1/2 インチ衝撃ヘッドを用いた衝撃破壊強度により評価した。また、50℃、60℃及び70℃でそれぞれ1週間保管した後の耐衝撃性(フィルムインパクト)も同様にして測定した。
【0062】
〔実施例1〕
(1)マグネシウム化合物の調整
攪拌機付き反応槽(内容積500 リットル) 窒素ガスで充分に置換し、エタノール 97.2 kg、ヨウ素640 g 、及び金属マグネシウム6.4 kgを投入し、攪拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生が無くなるまで反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反応液を減圧乾燥させることにより目的のマグネシウム化合物(固体触媒の担体)を得た。
(2)固体触媒成分の調整
窒素ガスで充分に置換した攪拌機付き反応槽(内容積500 リットル)に、前記マグネシウム化合物(粉砕していないもの) 30 kg、精製ヘプタン(n−ヘプタン)150 リットル、四塩化ケイ素 4.5 リットル 、及びフタル酸ジ−n−ブチル 5.4 リットル を加えた。系内を 90 ℃に保ち、攪拌しながら四塩化チタン144 リットルを投入して110 ℃で2 時間反応させた後、固体成分を分離して 80 ℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化チタン228 リットルを加え、110 ℃で2 時間反応させた後、精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成分を得た。
【0063】
(3)前処理
内容積500 リットルの攪拌機付き反応槽に精製ヘプタン230 リットルを投入し、前記の固体触媒成分を 25 kg、トリエチルアルミニウムを固体触媒成分中のチタン原子に対して1.0 mol/mol 、ジシクロペンチルジメトキシシランを1.8 mol/mol の割合で供給した。その後、プロピレンをプロピレン分圧で 0.3 kg/cm2Gになるまで導入し、 25 ℃で4 時間反応させた。反応終了後、固体触媒成分を精製ヘプタンで数回洗浄し、更に二酸化炭素を供給し 24 時間攪拌した。
(4)重合
内容積200 リットルの攪拌機付き重合装置に前記処理済の固体触媒成分を成分中のチタン原子換算で3 m mol/hrで、トリエチルアルミニウムを4 m mol/ kg−PPで、ジシクロペンチルジメトキシシランを1 m mol/ kg−PPでそれぞれ供給し、重合温度 80 ℃、重合圧力(全圧)28kg/cm2G でプロピレンとエチレンを反応させたこの時、重合装置内のエチレン濃度を、0.7 mol %、水素濃度を、3.4 mol %とし、所望のエチレン含有量及び分子量となるようにした。
【0064】
(5)添加剤処方
こうして得たプロピレン系共重合体パウダーに以下の添加剤を処方し、混練機にて押出造粒した。
こうして得たプロピレン系ランダム共重合体ペレットの樹脂特性を上記の(ア)の方法で評価した。また、上記の(イ)の方法で製膜し、そのフィルム品質は(ウ)の方法で評価した。その結果は第2表に示す。
【0065】
〔実施例2、3〕
重合時のエチレン濃度及び水素濃度を第1表のように設定して、エチレン含量及び分子量を調節した以外は全て実施例1と同様にして行なった。その結果は第2表に示す。
【0066】
〔比較例1〕
重合時にエチレンを供給せず、プロピレン単独で重合を行った以外は実施例1と同様にして行なった。その結果は第2表に示す。
【0067】
〔比較例2〕
フタル酸ジ−n−ブチルの代わりにフタル酸ジエチルを、ジシクロペンチルジメトキシシランの代わりにシクロヘキシルメチルジメトキシシランを使用し、重合装置内のエチレン濃度を 1.5 mol%、水素濃度を 3.6 mol%として行った以外は実施例1と同様にして行なった。その結果は第2表に示す。
【0068】
〔比較例3〕
フタル酸ジ−n−ブチルの代わりにフタル酸ジエチルを、ジシクロペンチルジメトキシシランの代わりにシクロヘキシルメチルジメトキシシランを使用し、重合時にシクロヘキシルメチルジメトキシシランを0.1 mmol/kg−PPで供給し、さらにエチレンを供給せず、プロピレン単独で重合を行った以外は実施例1と同様にして行なった。その結果は第2表に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
〔実施例4、5〕
重合時のエチレン濃度及び水素濃度を第1表のように設定して、エチレン含量及び分子量を調節した以外は実施例1と同様にして共重合体ペレットを得た。また、フィルム厚みを25μm とし、保管後の評価項目を追加した以外は実施例1と同様にして樹脂特性の評価、製膜及びフィルム品質の評価を行った。
その結果は第3表に示す。
【0072】
〔比較例4〕
比較例1のペレットから25μm 厚みのフィルムを製膜し、保管後の評価項目を追加した以外は比較例1と同様にして樹脂特性の評価、製膜及びフィルム品質の評価を行った。
その結果は第3表に示す。
【0073】
〔比較例5〕
フタル酸ジ−n−ブチルの代わりにフタル酸ジエチルを、ジシクロペンチルジメトキシシランの代わりにシクロヘキシルメチルジメトキシシランを使用し、重合装置内のエチレン濃度を 1.5 mol%、水素濃度を 3.5 mol%として行った以外は実施例1と同様にして共重合体ペレットを得た。また、フィルム厚みを25μm とし、保管後の評価項目を追加した以外は実施例1と同様にして樹脂特性の評価、製膜及びフィルム品質の評価を行った。
その結果は第3表に示す。
【0074】
〔比較例6〕
比較例3のペレットから25μm 厚みのフィルムを製膜し、保管後の評価項目を追加した以外は比較例3と同様にして樹脂特性の評価、製膜及びフィルム品質の評価を行った。
その結果は第3表に示す。
【0075】
【表3】
【0076】
【発明の効果】
本発明の内、第1の発明により、高い結晶性を有し、かつ低い融点を有するプロピレン系ランダム共重合体を提供することができる。また、これを用いてなるフィルムは、ポリプロピレンのフィルムが本来有する好ましい特性を損なうことなく、非常に高い剛性−低温ヒートシール性のバランスを発揮し、ラミネートや共押出した積層フィルムの基材層として非常に優れた特性を有するものである。
【0077】
また、第2の発明は、上記の特性に加え、経時的変化の少ない、特に耐衝撃性(フィルムインパクト)の経時変化が小さいという特長を有するプロピレン系ランダム共重合体を提供することができる。また、これを用いてなるフィルムも、ラミネートや共押出した積層フィルムの基材層として非常に優れた特性を有するものである。
さらに、本発明によれば、上記のような好ましい特性を有することから積層フィルムの基材層や単層フィルムとしても使用できる。
【0078】
一方、本発明によれば、1−ブテンその他の炭素数4 以上のα−オレフィンを用いる必要はなく、エチレンとプロピレンの二元ランダム共重合体にて上記の品質のフィルムを得ることができるため、モノマーコストを低減することができる。さらに共重合量が少なく、容易に製造ができる範囲においてフィルム品質に望ましい効果を加えることができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a propylene-based copolymer and a film comprising the same. More specifically, the present invention relates to a binary random copolymer of propylene and ethylene and a film obtained by molding the same, and is particularly suitably used as a base layer of a laminated or coextruded laminated film.
[0002]
[Prior art]
Crystalline polypropylene biaxially stretched film (OPP) is widely used as a packaging film because of its excellent rigidity, transparency and moisture-proof property. However, OPP has a problem in heat sealability, and heretofore has been widely used as a laminated film in which a resin having excellent heat sealability is used as a sealant layer and laminated on one or both surfaces thereof.
[0003]
Also, T-die cast film is widely used for bread packaging, etc., but it is often used as a sealant layer of a resin with excellent heat sealability, laminated on one or both sides, or as a co-extruded laminated film. That is being done.
The laminated film has a slip property and anti-blocking property in order to perform the film rewinding process without any trouble, and low-temperature heat sealing is directly related to the productivity of the bag making process and the bag closing process after filling the contents. It is important that the properties are good and that the appearance and transparency are good. Further, in recent film processing, high-speed film formation is performed by a large-sized molding machine in order to increase productivity, but even in such a case, it is required that the film quality does not deteriorate.
[0004]
Furthermore, recently, the sealant layer has tended to be thin in order to increase the cost of the resin for the layer and to increase the rigidity of the entire laminated film. However, when extremely high heat sealing strength is required, not only the resin properties of the sealant layer but also the resin properties of the base layer affect the heat sealing properties. Also, attempts have been made to copolymerize a small amount of 1-butene or the like. However, in the prior art, the resin has a large decrease in crystallinity due to copolymerization, resulting in insufficient rigidity.
[0005]
By the way, usually, after the film is formed, the bag is made by heat sealing, the contents are filled, and after being sealed, the final consumer opens and takes out the contents, thereby serving as a packaging base material. There is considerable time to finish. Therefore, it is required that the quality of the film, particularly the impact resistance, does not decrease under the time and temperature conditions that can be considered.
However, in the conventional product, defective phenomena such as a decrease in impact resistance and a decrease in transparency are observed.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The first invention of the present invention has excellent low-temperature heat-sealing properties without impairing the inherent properties of a polypropylene film having very high rigidity, and is extremely excellent as a base layer of a laminated or co-extruded laminated film. It is an object of the present invention to provide a propylene-based random copolymer and a film using the same.
[0007]
Further, in addition to the above-mentioned characteristics, the second invention provides a propylene-based random copolymer which is less likely to change with time, and in particular, has a small decrease in impact resistance with time, and is extremely excellent as a base layer of a laminated or co-extruded laminated film. An object of the present invention is to provide a polymer and a film using the same.
[0008]
[Means to solve the problem]
Means for Solving the Problems As a result of intensive studies on the above problems, the present inventors have found that a stereoregular (isotactic) propylene-based random copolymer having a small amount of ethylene units and a film comprising the same can achieve the above problems and complete the present invention. Reached.
That is, the first invention is a propylene-based random copolymer represented by the following (I) and (II) and a film obtained by forming the same, and a polypropylene film having extremely high rigidity is originally used. It is an object of the present invention to provide a copolymer having low-temperature heat sealability without impairing the preferable characteristics of the copolymer and a film using the copolymer.
[0009]
(I) A random copolymer of propylene and ethylene, which satisfies the following (1) to (5).
(1) The content of ethylene units in the copolymer (χ (wt%))0.2 ~ 3.5wt %It is.
{Circle around (2)} The melt index (MI (g / 10 min)) of the copolymer is 4 to 12 g / 10 min.
{Circle around (3)} The boiling diethyl ether extraction amount (E (wt%)) and Δ satisfy the relationship of equation (1).
E ≦ 0.25χ + 1.1 (1)
{Circle around (4)} The melting point (Tm (° C.)) measured with a differential scanning calorimeter and χ satisfy the relationship of equation (2).
Tm ≦ 165-5χ (2)
▲ 5 ▼ThirteenThe isotactic triad fraction (mm (mol%)) of the PPP chain portion measured by C-NMR is 98.0 mol% or more.
[0010]
(II) Melt index (MI (g / 10 min)) of propylene-based random copolymer and frequency ω obtained by frequency dispersion measurement0= 100The propylene random copolymer according to the above (I), wherein the relaxation time τ (sec) at rad / sec satisfies the relationship of the formula (3).
τ ≦ 0.65−0.025 MI (3)
[0011]
Further, a second invention is a propylene-based random copolymer represented by the following (III) and a film obtained by forming the same. The present invention provides a propylene-based random copolymer excellent in the base layer of a laminated or co-extruded laminated film having a small decrease with time, and a film obtained by forming the same.
[0012]
(III) A random copolymer of propylene and ethylene, which satisfies the following (1) to (5).
{Circle around (1)} The content of ethylene units (χ (wt%)) in the copolymer is 1-4 wt%.
{Circle around (2)} The melt index (MI (g / 10 min)) of the copolymer is 4 to 12 g / 10 min.
{Circle around (3)} The amount of boiling diethyl ether extracted (E (wt%)) and Δ satisfy the relationship of equation (1).
E ≦ 0.25χ + 1.1 (1)
{Circle around (4)} The melting point (Tm (° C.)) measured by a differential scanning calorimeter and χ satisfy the relationship of equation (2).
Tm ≦ 165-5χ (2)
[0013]
▲ 5 ▼ThirteenThe isotactic triad fraction (mm (mol%)) of the PPP chain portion measured by C-NMR is 98.0 mol% or more.
(6) Melt index (MI (g / 10 min)) of propylene-based random copolymer and frequency ω obtained by frequency dispersion measurement0= 100The relaxation time τ (sec) at rad / sec satisfies the relationship of Expression (3).
τ ≦ 0.65−0.025 MI (3)
[0014]
In addition, among the copolymers of the above (I) and (III), the ethylene content in the copolymer is 3 to 4 wt%, and the melting point (Tm (° C.)) measured by a differential scanning calorimeter is Those having a temperature of 140 ° C. or lower are particularly excellent in low-temperature heat sealability, and thus can be suitably used as a sealant layer of a laminated or co-extruded laminated film.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention will be described in detail below.
In the present invention, the propylene-based random copolymer of the first invention is obtained by randomly copolymerizing propylene and ethylene, and satisfies the following (1) to (5).
[0016]
{Circle around (1)} The content of ethylene units in the propylene-based random copolymer (ラ ン ダ ム (wt%)) is 0.2 to 4 wt%, preferably 0.5 to 3.5 wt%. When χ is less than 0.2 wt%, the heat sealing temperature cannot be lowered sufficiently, and the crystallinity becomes too high, so that the impact resistance is lowered particularly when the film forming speed is increased. If χ exceeds 4 wt%, the rigidity decreases, the tackiness component increases, and the antiblocking property decreases.
[0017]
{Circle around (2)} The melt index (MI (g / 10 min)) of the propylene-based random copolymer is 4 to 12 g / 10 min, preferably 5 to 10 g / 10 min. When the MI is less than 4 g / 10 min, the transparency and the film impact are reduced. If the MI exceeds 12 g / 10 min, molding failure tends to occur.
[0018]
{Circle around (3)} The amount of boiling diethyl ether extracted (E (wt%)) and Δ satisfy the relationship of equation (1).
E ≦ 0.25χ + 1.1 (1)
When E exceeds this range, the anti-blocking property decreases. Further, the heat sealing temperature cannot be sufficiently lowered.
Preferably,
E ≦ 0.20χ + 1.1 (1) ′
It is.
[0019]
{Circle around (4)} The melting point (Tm (° C.)) measured by a differential scanning calorimeter and χ satisfy the relationship of equation (2).
Tm ≦ 165−5χ (2)
If Tm is higher than this range, the heat sealing temperature cannot be sufficiently lowered.
Preferably,
Tm ≦ 162−5χ (2) ′
It is.
[0020]
▲ 5 ▼ThirteenThe isotactic triad fraction (mm (mol%)) of the PPP portion measured by C-NMR is 98.0 mol% or more, preferably 98.5 mol% or more.
If the mm is less than 98.0 mol%, the sticky component increases and the anti-blocking property decreases. Also, the crystallinity is reduced and the rigidity is reduced. Further, the decrease in the melting point relative to the copolymerization amount is small, and the heat sealing temperature cannot be sufficiently lowered.
[0021]
In the above copolymer, the melt index (MI) and the frequency ω0= 100The relaxation time τ (sec) obtained by the frequency dispersion measurement at rad / sec is
Equation (3)
τ ≦ 0.65−0.025 MI (3)
, Preferably in formula (3) ′
τ ≦ 0.63−0.025 MI (3) ′
Is more preferable in terms of film impact and transparency particularly when the film forming speed is increased.
[0022]
The above-mentioned propylene-based random copolymer or a film using the same has a very high rigidity-low-temperature heat-sealing balance without impairing the preferable properties inherent in a polypropylene film. Also, the anti-blocking property is extremely good. Furthermore, it has excellent impact resistance, slip properties and transparency. Further, even if the film forming speed is increased, the decrease in film quality is small.
[0023]
In the present invention, the propylene-based random copolymer of the second invention is obtained by randomly copolymerizing propylene and ethylene, and satisfies the following (1) to (6).
[0024]
{Circle around (1)} The content of ethylene units (χ (wt%)) in the propylene-based random copolymer is 1 to 4 wt%, preferably 1.5 to 4.0 wt%. When χ is less than 1 wt%, the film impact tends to decrease with time. When χ exceeds 4 wt%, the rigidity decreases, the tackiness component increases, and the antiblocking property decreases.
{Circle around (2)} The melt index (MI (g / 10 min)) of the propylene-based random copolymer is 4 to 12 g / 10 min, preferably 5 to 10 g / 10 min. When the MI is less than 4 g / 10 min, the transparency and the film impact are reduced. If the MI exceeds 12 g / 10 min, molding failure tends to occur.
[0025]
{Circle around (3)} The amount of boiling diethyl ether extracted (E (wt%)) and Δ satisfy the relationship of equation (1).
E ≦ 0.25χ + 1.1 (1)
When E exceeds this range, the anti-blocking property decreases. Further, the heat sealing temperature cannot be sufficiently lowered.
Preferably,
E ≦ 0.20χ + 1.1 (1) ′
It is.
[0026]
{Circle around (4)} The melting point (Tm (° C.)) measured by a differential scanning calorimeter and χ satisfy the relationship of equation (2).
Tm ≦ 165−5χ (2)
If Tm is higher than this range, the heat sealing temperature cannot be sufficiently lowered.
Preferably,
Tm ≦ 162−5χ (2) ′
It is.
[0027]
▲ 5 ▼ThirteenThe isotactic triad fraction (mm (mol%)) of the PPP portion measured by C-NMR is 98.0 mol% or more, preferably 98.5 mol% or more.
If the mm is less than 98.0 mol%, the sticky component increases and the anti-blocking property decreases. Also, the crystallinity is reduced and the rigidity is reduced. Further, the decrease in the melting point relative to the copolymerization amount is small, and the heat sealing temperature cannot be sufficiently lowered.
[0028]
(6) In the copolymer, its melt index (MI) and frequency ω0= 100The relaxation time τ (sec) obtained by the frequency dispersion measurement at rad / sec is expressed by the following equation (3).
τ ≦ 0.65−0.025 MI (3)
, Preferably the formula (3) ''
τ ≦ 0.60−0.025 MI (3) ″
It satisfies the relationship. If the relationship is not satisfied, the film impact tends to decrease when the film forming speed is increased.
[0029]
The above-mentioned propylene-based random copolymer or a film using the same has a high rigidity-low-temperature heat-sealing balance without impairing the preferable properties inherent in a polypropylene film. Further, the anti-blocking property is extremely good, the impact resistance, the slip property, and the transparency are excellent. Even if the film forming speed is increased, the deterioration of the film quality is small. Furthermore, it has the feature that the decrease in impact resistance (film impact) with time is small.
[0030]
The propylene-based random copolymer of the present invention can be produced as described below, but is not limited thereto.
The catalyst used in the production may be formed from a solid catalyst component containing magnesium, titanium, and halogen as essential components, an organometallic compound catalyst component such as an organoaluminum compound, and an electron donor compound catalyst component such as an organosilicon compound. The following catalyst components can be typically used.
Preferred supports for the solid catalyst component are obtained from metallic magnesium, alcohols, halogens and / or halogen-containing compounds. In this case, as the metallic magnesium, a granular, ribbon-like, powder-like magnesium or the like can be used. Further, it is preferable that the metal magnesium does not have a coating such as magnesium oxide on its surface.
As the alcohol, it is preferable to use a lower alcohol having 1 to 6 carbon atoms. In particular, when ethanol is used, the above-mentioned carrier which significantly improves the expression of catalytic performance can be obtained.
[0031]
As the halogen, chlorine, bromine, or iodine is preferable, and particularly, iodine can be suitably used. Further, as the halogen-containing compound, MgCl2, MgI2Can be suitably used.
The amount of alcohol is preferably from 2 to 100 mol, particularly preferably from 5 to 50 mol, per mol of metallic magnesium.
[0032]
The amount of the halogen or the halogen-containing compound to be used is such that the halogen atom or the halogen atom in the halogen-containing compound is 0.0001 g atom or more, preferably 0.0005 g atom or more, more preferably 1 g atom of metal magnesium. , 0.001 gram atom or more. The halogen and the halogen-containing compound may be used each alone or two or more of them may be used in combination.
The method of reacting magnesium metal, alcohol, and halogen and / or a halogen-containing compound is, for example, a method in which hydrogen gas is generated under reflux (about 79 ° C.) between magnesium metal, an alcohol, and a halogen and / or a halogen-containing compound. This is a method in which the carrier is obtained by reacting until it disappears (usually 20 to 30 hours). This is preferably performed in an inert gas (eg, nitrogen gas, argon gas) atmosphere.
When the obtained carrier is used for the synthesis of the next solid catalyst component, a dried one may be used, or a carrier washed with an inert solvent such as heptane after filtration may be used.
[0033]
Further, this carrier is nearly granular and has a sharp particle size distribution. Further, even if each particle is taken, the variation in the granularity is very small. In this case, the sphericity (S) represented by the following formula (4) is less than 1.60, particularly less than 1.40, and the particle size distribution index (P) represented by the following formula (5) Is preferably less than 5.0, especially less than 4.0.
[0034]
S = (E1 / E2)2 ... (4)
(Here, E1 indicates the contour length of the projection of the particle, and E2 indicates the circumference of a circle equal to the projection area of the particle.)
P = D90 / D10 (5)
(Here, D90 refers to a particle size corresponding to a cumulative weight fraction of 90%. That is, the weight sum of particles smaller than the particle size represented by D90 is 90% of the total weight of all particles. The same applies to D10.)
[0035]
For the production of the solid catalyst component, at least a titanium compound is brought into contact with the above-mentioned carrier.
As the titanium compound, the general formula (6)
TiX1 n(OR1)4-n ... (6)
(Where X1Is preferably a halogen atom, particularly a chlorine atom,1Is a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, particularly a linear or branched alkyl group;1May be the same or different from each other. n is an integer of 0-4. ) Can be used. Specifically, Ti (OiC3H7)4, Ti (OC4H9)4, TiCl (OC2H5)3, TiCl (OiC3H7)3, TiCl (OC4H9)3, TiCl2(OC4H9)2, TiCl2(OiC3H7)2, TiCl4Etc., but in particular TiCl4Is preferred.
[0036]
The solid catalyst component is obtained by further contacting the carrier with an electron-donating compound.As the electron donating compound, di-n-butyl phthalate is used.
Further, when the titanium compound and the electron donating compound are brought into contact with the above-mentioned carrier, a halogen-containing silicon compound such as silicon tetrachloride may be brought into contact.
[0037]
The above solid catalyst component can be prepared by a known method. For example, there is a method in which the above-mentioned carrier, the electron-donating compound and the halogen-containing silicon compound are charged into an inert hydrocarbon such as pentane, hexane, peptane or octene as a solvent, and the titanium compound is charged with stirring. Usually, the electron-donating compound is added in an amount of 0.01 to 10 mol, preferably 0.05 to 5 mol, per mol of the carrier in terms of magnesium atom. The compound is added in an amount of 1 to 50 mol, preferably 2 to 20 mol, and subjected to a catalytic reaction at 0 to 200 ° C. for 5 minutes to 10 hours, preferably at 30 to 150 ° C. for 30 minutes to 5 hours. Should be performed.
After the completion of the reaction, the generated solid catalyst component is preferably washed with an inert hydrocarbon (for example, n-hexane or n-heptane).
[0038]
Further, among the catalyst components, an organoaluminum compound can be suitably used as the organometallic compound catalyst component.
As this organoaluminum compound, the general formula (7)
AlR2 nX2 3-n ... (7)
(Where R2Is an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, a cycloalkyl group or an aryl group;2Is a halogen atom, preferably a chlorine atom or a bromine atom. n is an integer of 1 to 3. ) Is widely used. Specific examples include trialkylaluminum compounds such as trimethylaluminum, triethylaluminum, triisobutylaluminum, diethylaluminum monochloride, diisobutylaluminum monochloride, diethylaluminum monoethoxide, and ethylaluminum sesquichloride. These may be used alone or in combination of two or more.
[0039]
Furthermore, among the catalyst components, it is provided to the polymerization system.Dicyclopentyldimethoxysilane is used as the electron donating compound component.
The above solid catalyst component may be used for polymerization after pretreatment. For example, pentane, hexane, an inert hydrocarbon such as peptane or octene as a solvent, the solid catalyst component, the organometallic compound catalyst component and the electron donating compound component are charged, and while stirring, propylene is supplied, and the reaction is performed. Let it. Usually, the organometallic compound catalyst component is added in an amount of 0.01 to 10 mol, preferably 0.05 to 5 mol, per 1 mol of titanium atoms in the solid catalyst component. It is advisable to add 0.01 to 20 mol, preferably 0.1 to 5 mol, per 1 mol of titanium atoms in the component. Propylene is supplied under a partial pressure of propylene higher than the atmospheric pressure, and may be pretreated at 0 to 100 ° C for 0.1 to 24 hours. After completion of the reaction, it is preferable to wash the pretreated product with an inert hydrocarbon (for example, n-hexane or n-heptane).
[0040]
The polymerization conditions are not particularly limited, and the same conditions as in a known method can be used. For example, it can be produced under a partial pressure of propylene higher than the atmospheric pressure and at a temperature of -80 to 150 ° C. Preferably, at a temperature of 20 to 150 ° C., the partial pressure of propylene is from atmospheric pressure to 40 kg / cm.2G. Usually, the organometallic compound medium component is added in an amount of 0.1 to 400 mol, preferably 1 to 200 mol, per 1 mol of titanium atoms in the solid catalyst component, and the electron donating compound component is added in the solid catalyst component. 0.1 to 100 mol, preferably 1 to 50 mol, per 1 mol of titanium atom.
[0041]
Further, the ethylene supply amount and the hydrogen supply amount are respectively adjusted so as to obtain desired ethylene content and molecular weight. The ethylene content is affected not only by the ethylene concentration in the polymerization apparatus but also by the hydrogen concentration. Further, the molecular weight is affected not only by the hydrogen concentration but also by the ethylene concentration.
[0042]
An antioxidant, a neutralizing agent, a slip agent, an antiblocking agent, an antistatic agent and the like, which are commonly used, can be added to the propylene-based random copolymer of the present invention as required.
Further, the propylene random copolymer of the present invention can be formed into a film by a melt extrusion molding method. For example, in the T-die casting film forming method, it can be suitably used for forming a film having a thickness of 10 to 500 μm even under a high-speed film forming condition of a take-up speed of 50 m / min or more. Further, since it has the above-mentioned preferable characteristics, it can be suitably used as at least one layer component when producing a laminated film by a co-extrusion film forming method.
The film forming method is preferably a T-die cast film forming method in which high-speed film forming is performed by a large film forming machine, but is not particularly limited thereto. The propylene-based random copolymer of the present invention can be suitably used also in the membrane method.
[0043]
As described above, when the present invention compares the case where an ethylene unit is added to a stereoregular (isotactic) propylene polymer with the case where the stereoregularity is disturbed, the two have a large difference in crystallinity. However, based on the finding that the former is considerably larger than the latter in lowering the melting point, the stereoregularity of the PPP chain is increased, and high crystallinity is obtained by random copolymerizing ethylene therewith. Thus, a propylene-based random copolymer having a low melting point was obtained. Further, since the copolymerizability was good, the melting point could be effectively lowered with a small amount of copolymerization.
Moreover, the propylene random copolymer of the present invention has a small sticky component (evaluated as a boiling diethyl ether-soluble component) which is a blocking factor of the film.
[0044]
As a result, the film using the propylene-based random copolymer has a very high rigidity-low-temperature heat sealability balance without impairing the inherent characteristics of the polypropylene film. Further, the anti-blocking property is extremely good, the impact resistance, the slip property, and the transparency are excellent. Even if the film forming speed is increased, the deterioration of the film quality is small. Further, a change in impact resistance with time is also obtained.
[0045]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically based on examples, but the present invention is not limited to these examples.
First, a method for evaluating resin characteristics, a method for forming a film, and a method for evaluating film quality will be described.
(A) Method for evaluating resin properties
1) Content of ethylene unit in copolymer (χ (wt%))
A sheet having a thickness of 300 μm was prepared using the FT / IR5300 manufactured by JASCO under the following conditions for ethylene content of 718 cm and 733 cm.-1Was calculated from the absorbance of
[0046]
・ Sheet molding conditions
Press temperature: 220 ° C; Pressing pressure at the time of pressurized / cold pressure: 50 kg / cm2G
Preheat: 5 min; Pressurization: 5 min; Cold pressure: 3 min
・ IR measurement conditions
Number of integration: 20 times; Resolution: 4 cm-1
Ethylene content (χ (wt%))
χ1= 0.599 x (A733/Dl)-0.161 x (A718/ Dl)
χ2= 0.599 x (A718/Dl)-0.161 x (A733/ Dl)
χ = 0.809 × (χ1+ Χ2)
Where A718: 718 cm-1Absorbance of A733: 733 cm-1Absorbance, d: 0.9, l: sample thickness.
[0047]
2) Melt index (MI (g / 10min))
According to JIS K7210, the measurement was performed at a temperature of 230 ° C. and a load of 2160 g.
3) Extraction amount of boiling diethyl ether (E (wt%))
3 g of the pellets pulverized to a size of 1 mmφ mesh path are put in a cylindrical filter paper, 160 ml of diethyl ether as an extraction solvent is put in a flat-bottomed flask, and extraction is performed for 10 hours with a Soxhlet extractor at a frequency of once per 5 min. I do. After the extraction, the diethyl ether was recovered by an evaporator, further dried in a vacuum dryer until the weight became constant, and the boiling diethyl ether extraction amount was determined from the weight.
[0048]
4) Melting point of copolymer (Tm (° C)) measured by differential scanning calorimeter
Using a differential scanning calorimeter (DSC7 manufactured by PerkinElmer), 10 mg of a sample is previously melted at 230 ° C. for 3 minutes in a nitrogen atmosphere, and then the temperature is lowered to 40 ° C. at 10 ° C./min. After maintaining at this temperature for 3 min, the temperature was raised at 10 ° C./min, and the peak top of the maximum peak of the melting endothermic curve obtained was taken as the melting point.
[0049]
5)ThirteenIsotactic triad fraction (mm (mol%)) of the copolymer and the PPP chain part of the film measured by C-NMR
The isotactic triad fraction of the PPP chain of the propylene-based copolymer is the isotactic fraction of triad units in the PPP chain of the copolymer molecular chain,ThirteenIt can be determined from a C-NMR spectrum.
In the case of a propylene homopolymer, it can be calculated by the following equation (a).
[0050]
(Equation 1)
However, Imm, Imr and Irr areThirteenThe peak intensity of each region when the methyl carbon region is divided into three regions of mm, mr and rr in the C-NMR spectrum is shown. The mm region has a chemical shift of 21.4 to 22.2 ppm, the mr region has a chemical shift of 20.6 to 21.4 ppm, and the rr region has a chemical shift of 19.8 to 20.6 ppm.
In the case of a propylene-based random copolymer, the position of absorption of methyl carbon in the propylene unit adjacent to the ethylene unit is affected by the ethylene unit. Specifically, the absorption peak of methyl carbon of the propylene unit in the EPE chain appears in the rr region, and the absorption peak of methyl carbon of the propylene unit in the center of the PPE chain appears in the mr region.
The peak intensity of the methyl carbon of the propylene unit in the EPE chain can be substituted by the peak intensity of Tδδ (33.3 ppm). The peak intensity of methyl carbon of the propylene unit in the PPE chain can be substituted by the peak intensity of Sαγ (38.0 ppm).
[0051]
Therefore, the following equation (b) is used to determine the isotactic triad fraction of the PPP chain of the propylene-based random copolymer.
[0052]
(Equation 2)
ThirteenThe C-NMR spectrum was measured using a JNM-EX400 type NMR apparatus manufactured by JEOL Ltd. The measurement conditions are as follows.
Sample concentration: 220 mg / NMR solvent 3 ml
NMR solvent: 1,2,4-trichlorobenzene / deuterated benzene (90/10 vol%)
Measurement temperature: 130 ° C
Pulse width: 45 °
Pulse repetition time: 4 seconds
Total number of times: 4000
[0053]
6) Relaxation time τ
In a rotary rheometer manufactured by Rheometrics Co., Ltd., a frequency ω when frequency dispersion measurement was performed at a temperature of 175 ° C. using a cone plate (diameter 25.0 mm, cone angle 0.10 radians).0= 100is the relaxation time τ (sec) in rad / sec, and was calculated as follows.
Complex modulus G*(Iω) to stress σ*And strain γ*By σ*/ Γ*When defined by G*(Iω) is
G*(Iω) = σ*/ Γ*= G ′ (ω) + iG ″ (ω)
And τ (ω) is
τ (ω) = G ′ (ω) / ωG ″ (ω)
Where ω: frequency (rad / sec), G ′: storage elastic modulus, G ″: loss elastic modulus
It is.
[0054]
(A) Film forming method
From a pellet of the propylene-based random copolymer and propylene polymer obtained in the following Examples and Comparative Examples, a film having a thickness of 30 μm or 25 μm was formed using a 75 mmφ molding machine manufactured by Mitsubishi Heavy Industries under the following molding conditions. (The film thickness was adjusted by the amount of extrusion).
Processing temperature: 265 ° C
Chill roll temperature: 25 ° C
Take-off speed: 150 m / min
[0055]
(C) Evaluation method of film quality
The quality of each film was measured at a temperature of 23 ± 2 ° C. and a humidity of 50 ± 10% for 16 hours or more, and then measured under the same temperature and humidity conditions.
[0056]
7) Heat sealing properties
It was measured in accordance with JIS K-1707. The fusing conditions are described below. The temperature of the heat seal bar has been calibrated by a surface thermometer. After sealing, the sheet was left at room temperature for 24 hours, and then the peeling rate was measured at room temperature at a peeling rate of 200 mm / min by a T-type peeling method. The heat sealing temperature was determined by calculating the temperature at which the peel strength was 300 g / 15 mm from a seal strength-peel strength curve.
Sealing time: 2 sec
Seal area: 15 × 10 mm
Seal pressure: 5.3 kg / cm2
Seal temperature: Several points so that the heat seal temperature can be interpolated.
[0057]
8) Tensile modulus
It measured by the tensile test based on JISK7127. The measurement conditions were as follows. Further, the tensile modulus after storage at 50 ° C., 60 ° C., and 70 ° C. for one week each was measured in the same manner.
Crosshead speed: 500 mm / min Measurement direction: Machine direction (MD direction)
Load cell: 10 kg
[0058]
9) Anti-blocking properties
The two laminated films were evaluated by the peel strength after they were brought into close contact with each other under the following four conditions.
Condition 1 Temperature: 60 ° C Time: 3 hr Load: 36 g / cm2
Condition 2 Temperature: 50 ° C Time: 1 week Load: 15 g / cm2
Condition 3 Temperature: 60 ° C Time: 1 week Load: 15 g / cm2
Condition 4 Temperature: 70 ° C Time: 1 week Load: 15 g / cm2
[0059]
The conditions of the peeling test are as follows.
Test speed: 20 mm / min
Load cell: 2 kg
[0060]
10) Slip property
After the film-covered threat is allowed to stand on the film-covered glass plate, the glass plate is tilted, and the slant angle at which the threat starts to slide is evaluated by tan. Using a friction angle measuring device manufactured by Toyo Seiki Seisaku-sho, the measurement was performed under the following conditions.
Measurement surface: Metal roll surface / Metal roll surface
Tilt speed: 2.7 ° / sec
Thread weight: 1 kg
Thread cross section: 65 cm2
Inter-surface pressure: 15 g / cm2
[0061]
11) Transparency (haze)
It was measured according to JIS K7105. Moreover, the transparency (haze) after each storage at 50 degreeC, 60 degreeC, and 70 degreeC for 1 week was measured similarly.
12) Impact resistance (film impact)
It was evaluated by the impact fracture strength using a 1/2 inch impact head in a film impact tester manufactured by Toyo Seiki Seisaku-sho, Ltd. The impact resistance (film impact) after each storage at 50 ° C., 60 ° C., and 70 ° C. for one week was measured in the same manner.
[0062]
[Example 1]
(1) Adjustment of magnesium compound
Reaction vessel with stirrer (internal volume 500 liters) After sufficiently replacing with nitrogen gas, 97.2 kg of ethanol, 640 g of iodine, and 6.4 kg of metallic magnesium were charged, and hydrogen was fed from the system under reflux under stirring. The reaction was carried out until the generation of gas ceased to obtain a solid reaction product. The reaction solution containing the solid reaction product was dried under reduced pressure to obtain a target magnesium compound (a solid catalyst carrier).
(2) Adjustment of solid catalyst components
30 kg of the magnesium compound (not pulverized), 150 liters of purified heptane (n-heptane), 4.5 liters of silicon tetrachloride were placed in a reactor equipped with a stirrer (internal volume: 500 liters) sufficiently purged with nitrogen gas. And 5.4 liters of di-n-butyl phthalate. While maintaining the inside of the system at 90 ° C., 144 liters of titanium tetrachloride were added thereto with stirring, and reacted at 110 ° C. for 2 hours. The solid component was separated and washed with purified heptane at 80 ° C. Further, 228 liters of titanium tetrachloride was added and reacted at 110 ° C. for 2 hours, and then sufficiently washed with purified heptane to obtain a solid catalyst component.
[0063]
(3) Pre-processing
230 liters of purified heptane were charged into a 500 liter reaction vessel equipped with a stirrer, and 25 kg of the above solid catalyst component and 1.0 mol / mol of triethylaluminum based on titanium atoms in the solid catalyst component, dicyclopentyldimethoxy were added. Silane was supplied at a rate of 1.8 mol / mol. Then, the propylene was 0.3 kg / cm in propylene partial pressure.2G was introduced and reacted at 25 ° C. for 4 hours. After completion of the reaction, the solid catalyst component was washed several times with purified heptane, and further supplied with carbon dioxide and stirred for 24 hours.
(4) polymerization
In a polymerization apparatus having a stirrer having an internal volume of 200 liters, the treated solid catalyst component was added with 3 mmol / hr in terms of titanium atom in the component, 4 mmol / kg-PP with triethylaluminum, and 1 with dicyclopentyldimethoxysilane. at a polymerization temperature of 80 ° C. and a polymerization pressure (total pressure) of 28 kg / cm.2At this time, propylene and ethylene were reacted with each other at G. At this time, the ethylene concentration in the polymerization apparatus was 0.7 mol%, the hydrogen concentration was 3.4 mol%, and the desired ethylene content and molecular weight were obtained.
[0064]
(5) Additive formulation
The propylene-based copolymer powder thus obtained was formulated with the following additives, and extruded and granulated by a kneader.
The resin properties of the propylene-based random copolymer pellets thus obtained were evaluated by the above method (A). Further, a film was formed by the above method (a), and the film quality was evaluated by the method (c). The results are shown in Table 2.
[0065]
[Examples 2 and 3]
The procedure was carried out in the same manner as in Example 1 except that the ethylene concentration and the hydrogen concentration during the polymerization were set as shown in Table 1, and the ethylene content and the molecular weight were adjusted. The results are shown in Table 2.
[0066]
[Comparative Example 1]
The polymerization was carried out in the same manner as in Example 1 except that propylene was used alone without supplying ethylene during the polymerization. The results are shown in Table 2.
[0067]
[Comparative Example 2]
Diethyl phthalate is used in place of di-n-butyl phthalate, and cyclohexylmethyldimethoxysilane is used in place of dicyclopentyldimethoxysilane. The ethylene concentration in the polymerization apparatus is 1.5 mol%, and the hydrogen concentration is 3.6 mol. % Was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 2.
[0068]
[Comparative Example 3]
Diethyl phthalate is used in place of di-n-butyl phthalate, and cyclohexylmethyldimethoxysilane is used in place of dicyclopentyldimethoxysilane. The procedure was carried out in the same manner as in Example 1 except that polymerization was carried out with propylene alone without supplying ethylene. The results are shown in Table 2.
[0069]
[Table 1]
[0070]
[Table 2]
[0071]
[Examples 4 and 5]
Copolymer pellets were obtained in the same manner as in Example 1 except that the ethylene concentration and the hydrogen concentration during the polymerization were set as shown in Table 1 and the ethylene content and the molecular weight were adjusted. In addition, the evaluation of resin properties, film formation and film quality were performed in the same manner as in Example 1 except that the film thickness was 25 μm and the evaluation items after storage were added.
The results are shown in Table 3.
[0072]
[Comparative Example 4]
A film having a thickness of 25 μm was formed from the pellets of Comparative Example 1, and evaluation of resin properties, film formation, and film quality were performed in the same manner as in Comparative Example 1 except that evaluation items after storage were added.
The results are shown in Table 3.
[0073]
[Comparative Example 5]
Diethyl phthalate is used instead of di-n-butyl phthalate, and cyclohexylmethyldimethoxysilane is used instead of dicyclopentyldimethoxysilane. The ethylene concentration in the polymerization apparatus is 1.5 mol%, and the hydrogen concentration is 3.5 mol. %, A copolymer pellet was obtained in the same manner as in Example 1. In addition, the evaluation of resin properties, film formation and film quality were performed in the same manner as in Example 1 except that the film thickness was 25 μm and the evaluation items after storage were added.
The results are shown in Table 3.
[0074]
[Comparative Example 6]
A film having a thickness of 25 μm was formed from the pellet of Comparative Example 3, and evaluation of resin properties, film formation, and film quality were performed in the same manner as in Comparative Example 3 except that evaluation items after storage were added.
The results are shown in Table 3.
[0075]
[Table 3]
[0076]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, a propylene random copolymer having high crystallinity and a low melting point can be provided. In addition, the film using this, without impairing the inherent properties of the polypropylene film, exhibit a very high rigidity-balance of low-temperature heat sealability, as a base layer of a laminated or co-extruded laminated film It has very good properties.
[0077]
Further, the second invention can provide a propylene-based random copolymer having the characteristics of little change over time, particularly small change over time in impact resistance (film impact), in addition to the above-mentioned characteristics. Also, a film using the same has very excellent properties as a substrate layer of a laminated or co-extruded laminated film.
Further, according to the present invention, it can be used as a base layer of a laminated film or a single-layer film because it has the above-mentioned preferable characteristics.
[0078]
On the other hand, according to the present invention, it is not necessary to use 1-butene and other α-olefins having 4 or more carbon atoms, and a film of the above quality can be obtained with a binary random copolymer of ethylene and propylene. , Monomer cost can be reduced. Furthermore, a desirable effect on the film quality can be added in a range where the copolymerization amount is small and the production can be easily performed.
Claims (3)
(A)担体、チタン化合物、フタル酸ジ−n−ブチルを接触させて得られる、マグネシウム、チタン、ハロゲンを必須成分とする固体触媒成分
(B)有機アルミニウム化合物
(C)ジシクロペンチルジメトキシシラン
(i) 共重合体中のエチレン単位の含有量(χ(wt%))が0.2〜3.5wt%である
(ii) 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))が4〜12g/10minである
(iii) 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E(wt%))とχが式(1)の関係を満たす
E≦0.25χ+1.1 ・・・(1)
(iv) 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とχが式(2)の関係を満たす
Tm≦165−5χ ・・・(2)
(v) 13C−NMRで測定したPPP連鎖部のアイソタクチックトライアッド分率(mm(mol%))が、98.0mol%以上である A method for producing a propylene random copolymer satisfying the following (i) to (v), wherein propylene and ethylene are copolymerized using the following catalysts (A), (B) and (C) .
(A) A solid catalyst component containing magnesium, titanium, and halogen as essential components, obtained by contacting a carrier, a titanium compound, and di-n-butyl phthalate.
(B) Organoaluminum compound
(C) dicyclopentyldimethoxysilane
(i) The content of ethylene units (χ (wt%)) in the copolymer is 0.2 to 3.5 wt%
(ii) The melt index (MI (g / 10min)) of the copolymer is 4 to 12g / 10min
(iii) E ≦ 0.25χ + 1.1 (1) where the boiling diethyl ether extraction amount (E (wt%)) and χ satisfy the relationship of equation (1).
(iv) The melting point (Tm (° C.)) measured by a differential scanning calorimeter and Tm satisfy the relationship of the formula (2): Tm ≦ 165−5 (2)
(v) The isotactic triad fraction (mm (mol%)) of the PPP chain portion measured by 13 C-NMR is 98.0 mol% or more.
τ≦0.65−0.025MI・・・(3) The melt index of the propylene random copolymer (MI (g / 10min)) and relaxation time at a frequency ω 0 = 10 0 rad / sec obtained by frequency dispersion measurement tau (sec) is, the relationship of Equation (3) The method for producing a propylene-based random copolymer according to claim 1, which is satisfied.
τ ≦ 0.65−0.025MI ・ ・ ・ (3)
(A)担体、チタン化合物、フタル酸ジ−n−ブチルを接触させて得られる、マグネシウム、チタン、ハロゲンを必須成分とする固体触媒成分
(B)有機アルミニウム化合物
(C)ジシクロペンチルジメトキシシラン
(i) 共重合体中のエチレン単位の含有量(χ(wt%))が1〜3.5wt %である
(ii) 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))が4〜12g/10minである
(iii) 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E(wt%))とχが式(1)の関係を満たす
E≦0.25χ+1.1 ・・・(1)
(iv) 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とχが式(2)の関係を満たす
Tm≦165−5χ ・・・(2)
(v) 13C−NMRで測定したPPP連鎖部のアイソタクチックトライアッド分率(mm(mol%))が、98.0mol%以上である
(vi) 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))と周波数分散測定により得られる周波数ω0=100rad/secにおける緩和時間τ(sec)が、式(3)の関係を満たす
τ≦0.65−0.025MI・・・(3) A method for producing a propylene-based random copolymer satisfying the following (i) to (vi), wherein propylene and ethylene are copolymerized using the following catalysts (A), (B) and (C) .
(A) A solid catalyst component containing magnesium, titanium, and halogen as essential components, obtained by contacting a carrier, a titanium compound, and di-n-butyl phthalate.
(B) Organoaluminum compound
(C) dicyclopentyldimethoxysilane
(i) the content of ethylene unit in the copolymer (χ (wt%)) is. 1 to 3.5 wt%
(ii) The melt index (MI (g / 10min)) of the copolymer is 4 to 12g / 10min.
(iii) E ≦ 0.25χ + 1.1 (1) where the boiling diethyl ether extraction amount (E (wt%)) and χ satisfy the relationship of equation (1).
(iv) The melting point (Tm (° C.)) measured by a differential scanning calorimeter and Tm satisfy the relationship of the formula (2): Tm ≦ 165−5 (2)
(v) The isotactic triad fraction (mm (mol%)) of the PPP chain portion measured by 13 C-NMR is 98.0 mol% or more.
(vi) the melt index of the copolymer (MI (g / 10min)) and relaxation time at a frequency ω 0 = 10 0 rad / sec obtained by frequency dispersion measurement tau (sec), satisfies the relationship of Equation (3) τ ≦ 0.65−0.025MI ・ ・ ・ (3)
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