JP3567634B2 - Braking pressure control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制動圧力制御装置に係り、特に、自動車用制動装置によって発生される制動力を制御する制動圧力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平4−121260号に開示される如く、所定値を超える操作速度でブレーキペダルが操作された場合に、緊急ブレーキが要求されたと判断して、ブレーキ踏力に対する制動液圧の倍力比を通常時に比して高める装置が知られている。制動液圧の倍力比が高められると、単位時間当たりにホイルシリンダに流入するブレーキフルードの流量が増加する。このため、上記従来の装置によれば、緊急ブレーキを意図する制動操作が行われた後に、急激にホイルシリンダ圧の昇圧を図ること、すなわち、急激に制動力を立ち上げることができる。以下、上述の如く、緊急ブレーキの要求時に制動液圧の倍力比を高める制御をブレーキアシスト制御(BA制御)と称す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の装置は、BA制御の開始を、ブレーキペダルの操作速度のみに依存させている。車両の運転中には、大きな制動力を発生させる意図なく、ブレーキペダルが軽く、かつ、高速に踏み込まれる場合がある。上記従来の装置によれば、このような操作が行われた場合にBA制御が開始される可能性がある。車両の運転者が、大きな制動力を発生させる意図なくブレーキ操作を操作した際にBA制御が開始され、その結果大きな制動力が発生すると、運転者の制動フィーリングが悪化する。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、制動操作の状態から運転者の意図を精度良く判断することのできる制動圧力制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、制動操作が開始された後、複数の時点で制動操作の状態に対応する特性値を検出する制動特性値検出手段と、
前記複数の時点で検出された複数の特性値のそれぞれが、前記複数の時点のそれぞれに対応して設定された判定条件を満たすか否かを判別する条件成否判別手段と、
前記複数の時点で各判定条件が全て満たされた場合に、制動圧力制御を開始すべきであると判断する制御内容変更手段と、を備え、
前記各判定条件には、マスタシリンダの圧力が所定値以下である場合に満たされるとする条件は含まれていないことを特徴とする制動圧力制御装置により達成される。
【0006】
本発明において、制動操作が開始されると、複数の時点で制動操作の状態に対応する特性値が検出される。複数の時点で検出された特性値は、それぞれ所定の判定条件を満たしているか否かの判断に付される。これら複数の判断結果によれば、各時点での制動操作の状態が検知できると共に、各時点間の制動操作の状態変化が検知できる。本発明においては、各時点での制動操作の状態、および、各時点間の制動操作の状態変化に基づいて運転者の意図が推定され、その意図に対応した制動圧力制御の開始の可否判断が実現される。
【0007】
上記の目的は、請求項2に記載する如く、請求項1記載の制動圧力制御装置において、前記複数の時点の少なくとも何れかの時点で、制動操作が維持若しくは増加されている状態か、又は、制動操作が減少されている状態かが判別され、制動操作が減少されている状態であると判別された場合に、当該時点での判定条件が不成立とされることを特徴とする制動圧力制御装置により達成される。
【0008】
本発明において、制動操作が開始されると、操作変化方向判断手段によって、その操作が維持若しくは増加されている状態と、その操作が減少されている状態とが判別される。制動操作が維持若しくは増加されている場合は、運転者が大きな制動力の発生を意図していると推定できる。一方、制動操作が減少されている場合は、運転者がもはや大きな制動力の発生を意図していないと推定できる。本発明においては、かかる推定結果を考慮したうえで、制動圧力制御の開始の可否判断が行われる。
【0009】
また、上記の目的は、請求項3に記載する如く、上記請求項1記載の制動圧力制御装置において、
前記制動特性値検出手段が、少なくとも前記複数の時点の最後となる時点では、制動操作速度を前記特性値として検出すると共に、
前記条件成否判別手段が、制動操作速度が所定値を超えているか否かに基づいて、前記最後となる時点に対応する設定条件の成否を判断する制動圧力制御装置により達成される。
【0010】
本発明において、複数の時点の最後となる時点では、制動操作速度が所定値を超えているか否かに基づいて制動操作の状態が判断される。制動操作速度は、制動操作が維持されている状態、増加されている状態、および、減少されている状態を端的に表している。従って、制動操作速度が所定値を超えているか否かの判断によれば、運転者がより大きな制動力の発生を意図しているのか、或いは、もはや大きな制動力の発生を意図していないのかが精度良く推定できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例のシステム構成図を示す。図1に示す制動圧力制御装置は、電子制御ユニット10(以下、ECU10と称す)により制御されている。制動圧力制御装置は、ポンプ12を備えている。ポンプ12は、その動力源としてモータ14を備えている。ポンプ12の吸入口12aはリザーバタンク16に連通している。また、ポンプ12の吐出口12bには、逆止弁18を介してアキュムレータ20が連通している。ポンプ12は、アキュムレータ20内に、常に所定の液圧が蓄圧されるように、リザーバタンク16内のブレーキフルードを、その吐出口12bから圧送する。
【0012】
アキュムレータ20は、高圧通路22を介してレギュレータ24の高圧ポート24a、およびレギュレータ切り換えソレノイド26(以下、STR26と称す)に連通している。レギュレータ24は、低圧通路28を介してリザーバタンク16に連通する低圧ポート24bと、制御液圧通路29を介してSTR26に連通する制御液圧ポート24cを備えている。STR26は、制御液圧通路29および高圧通路22の一方を選択的に導通状態とする2位置の電磁弁であり、常態では、制御液圧通路29を導通状態とし、かつ、高圧通路22を遮断状態とする。
【0013】
レギュレータ24には、ブレーキペダル30が連結されていると共に、マスタシリンダ32が固定されている。レギュレータ24は、その内部に液圧室を備えている。液圧室は、常に制御液圧ポート24cに連通されていると共に、ブレーキペダル30の操作状態に応じて、選択的に高圧ポート24aまたは低圧ポート24bに連通される。レギュレータ24は、液圧室の内圧が、ブレーキペダル30に作用するブレーキ踏力FP に応じた液圧に調整されるように構成されている。このため、レギュレータ24の制御液圧ポート24cには、常に、ブレーキ踏力FP に応じた液圧が表れる。以下、この液圧をレギュレータ圧PREと称す。
【0014】
ブレーキペダル30に作用するブレーキ踏力FP は、レギュレータ24を介して機械的にマスタシリンダ32に伝達される。また、マスタシリンダ32には、レギュレータ24の液圧室の液圧に応じた、すなわちレギュレータ圧PREに応じた力が伝達される。以下、この力をブレーキアシスト力FA と称す。従って、ブレーキペダル30が踏み込まれると、マスタシリンダ32には、ブレーキ踏力FP とブレーキアシスト力FA との合力が伝達される。
【0015】
マスタシリンダ32は、その内部に第1液圧室32aと第2液圧室32bとを備えている。第1液圧室32aおよび第2液圧室32bには、ブレーキ踏力FP とブレーキアシスト力FA との合力に応じたマスタシリンダ圧PM/C が発生する。第1液圧室32aに発生するマスタシリンダ圧PM/C および第2液圧室32bに発生するマスタシリンダ圧PM/C は、共にプロポーショニングバルブ34(以下、Pバルブ34と称す)に連通している。
【0016】
Pバルブ34には、第1液圧通路36と第2液圧通路38とが連通している。Pバルブ34は、マスタシリンダ圧PM/C が所定値に満たない領域では、第1液圧通路36および第2液圧通路38に対して、マスタシリンダ圧PM/C をそのまま供給する。また、Pバルブ34は、マスタシリンダ圧PM/C が所定値を超える領域では、第1液圧通路36に対してマスタシリンダ圧PM/C をそのまま供給すると共に、第2液圧通路に対してマスタシリンダ圧PM/C を所定の比率で減圧した液圧を供給する。
【0017】
第2液圧通路38には、マスタシリンダ圧PM/C に比例した電気信号を出力する油圧センサ40が加設されている。油圧センサ40の出力信号はECU10に供給されている。ECU10は、油圧センサ40の出力信号に基づいて、マスタシリンダ32に生じているマスタシリンダ圧PM/C を検出する。
【0018】
上述したSTR26には、第3液圧通路42が連通している。第3液圧通路42は、STR26の状態に応じて、制御液圧通路29または高圧通路22の一方と連通状態とされる。本実施例において、左右前輪FL,FRに配設されるホイルシリンダ44FL,44FRには、Pバルブ34に連通する第1液圧通路36、または、STR26に連通する第3液圧通路42から制動液圧が供給される。また、左右後輪RL,RRに配設されるホイルシリンダ44RL,44RRには、Pバルブ34に連通する第2液圧通路38、または、STR26に連通する第3液圧通路42から制動液圧が供給される。
【0019】
第1液圧通路36には、第1アシストソレノイド46(以下、SA−146と称す)、および、第2アシストソレノイド48(以下、SA−248と称す)が連通している。また、第3液圧通路42には、右前輪保持ソレノイド50(以下、SFRH50と称す)、左前輪保持ソレノイド52(以下、SFLH52と称す)、および、第3アシストソレノイド54(以下、SA−354と称す)が連通している。
【0020】
SFRH50は、常態では開弁状態を維持する2位置の電磁開閉弁である。SFRH50は、調圧用液圧通路56を介して、SA−146および右前輪減圧ソレノイド58(以下、SFRR58と称す)に連通している。第3液圧通路42と調圧用液圧通路56との間には、調圧用液圧通路56側から第3通路42側へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁60が並設されている。
【0021】
SA−146は、第1液圧通路36および調圧用液圧通路56の一方を選択的にホイルシリンダ44FRに導通させる2位置の電磁弁であり、常態(オフ状態)では、第1液圧通路36とホイルシリンダ44FRとを導通状態とする。一方、SFRR58は、調圧用液圧通路56とリザーバタンク16とを導通状態または遮断状態とする2位置の電磁開閉弁である。SFRR58は、常態(オフ状態)では調圧用液圧通路56とリザーバタンク16とを遮断状態とする。
【0022】
SFLH52は、常態では開弁状態を維持する2位置の電磁開閉弁である。SFLH52は、調圧用液圧通路62を介して、SA−248および左前輪減圧ソレノイド64(以下、SFLR64と称す)に連通している。第3液圧通路42と調圧用液圧通路62との間には、調圧用液圧通路62側から第3通路42側へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁66が並設されている。
【0023】
SA−248は、第1液圧通路36および調圧用液圧通路62の一方を、選択的にホイルシリンダ44FLに導通させる2位置の電磁弁であり、常態(オフ状態)では、第1液圧通路36とホイルシリンダ44FLとを導通状態とする。一方、SFLR64は、調圧用液圧通路62とリザーバタンク16とを導通状態または遮断状態とする2位置の電磁開閉弁である。SFLR64は、常態(オフ状態)では調圧用液圧通路62とリザーバタンク16とを遮断状態とする。
【0024】
第2液圧通路38は、上述したSA−354に連通している。SA−354の下流側には、右後輪RRのホイルシリンダ44RRに対応して設けられた右後輪保持ソレノイド68(以下、SRRH68と称す)、および、左後輪RLのホイルシリンダ44RLに対応して設けられた左後輪保持ソレノイド70(以下、SRLR70と称す)が連通している。SA−354は、第2液圧通路38および第3液圧通路42の一方を、選択的にSRRH68およびSRLR70に連通させる2位置の電磁弁であり、常態(オフ状態)では、第2液圧通路38とSRRH68およびSRLR70とを連通状態とする。
【0025】
SRRH68の下流側には、調圧用液圧通路72を介して、ホイルシリンダ44RR、および、右後輪減圧ソレノイド74(以下、SRRR74と称す)が連通している。SRRR74は、調圧用液圧通路72とリザーバタンク16とを導通状態または遮断状態とする2位置の電磁開閉弁であり、常態(オフ状態)では調圧用液圧通路72とリザーバタンク16とを遮断状態とする。また、SA−354と調圧用液圧通路72との間には、調圧用液圧通路72側からSA−354側へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁76が並設されている。
【0026】
同様に、SRLH70の下流側には、調圧用液圧通路78を介して、ホイルシリンダ44RL、および、左後輪減圧ソレノイド80(以下、SRLR80と称す)が連通している。SRLR80は、調圧用液圧通路78とリザーバタンク16とを導通状態または遮断状態とする2位置の電磁開閉弁であり、常態(オフ状態)では調圧用液圧通路78とリザーバタンク16とを遮断状態とする。また、SA−354と調圧用液圧通路78との間には、調圧用液圧通路78側からSA−354側へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁82が並設されている。
【0027】
本実施例のシステムにおいて、ブレーキペダル30の近傍には、ブレーキスイッチ84が配設されている。ブレーキスイッチ84は、ブレーキペダル30が踏み込まれている場合にオン出力を発するスイッチである。ブレーキスイッチ84の出力信号はECU10に供給されている。ECU10は、ブレーキスイッチ84の出力信号に基づいて、運転者によって制動操作がなされているか否かを判別する。
【0028】
また、本実施例のシステムにおいて、左右前輪FL,FRおよび左右後輪RL,RRの近傍には、それぞれ各車輪が所定回転角回転する毎にパルス信号を発する車輪速センサ86FL,86FR,86RL,86RR(以下、これらを総称する場合は符号86**を付して表す)が配設されている。車輪速センサ86**の出力信号はECU10に供給されている。ECU10は、車輪速センサ86**の出力信号に基づいて、各車輪FL,FR,RL,RRの回転速度、すなわち、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度を検出する。
【0029】
ECU10は、油圧センサ40、ブレーキスイッチ84、および、車輪速センサ86**の出力信号に基づいて、上述したSTR26、SA−146、SA−248、SA−354、SFRH50、SFLH52、SFRR58、SFLR64、SRRH68、SRLH70、SRRR74、および、SRLR80に対して適宜駆動信号を供給する。
【0030】
以下、本実施例の制動圧力制御装置の動作を説明する。本実施例の制動圧力制御装置は、車両状態が安定している場合は、ブレーキペダル30に作用するブレーキ踏力FP に応じた制動力を発生させる通常制御を実行する。通常制御は、図1に示す如く、STR26、SA−146、SA−248、SA−354、SFRH50、SFLH52、SFRR58、SFLR64、SRRH68、SRLH70、SRRR74、および、SRLR80を全てオフ状態とすることで実現される。
【0031】
すなわち、図1に示す状態においては、ホイルシリンダ44FRおよび44FLは第1液圧通路36に、また、ホイルシリンダ44RRおよび44RLは第2液圧通路38にそれぞれ連通される。この場合、ブレーキフルードは、マスタシリンダ32とホイルシリンダ44FR,44FL,44RL,44RR(以下、これらを総称する場合は符号44**を付して表す)との間で授受されることとなり、各車輪FL,FR,RL,RRにおいて、ブレーキ踏力FP に応じた制動力が発生される。
【0032】
本実施例において、何れかの車輪についてロック状態へ移行する可能性が検出されると、その車輪についてアンチロックブレーキ制御(以後、ABS制御と称す)の実行条件が成立したと判別され、以後、ABS制御が開始される。ECU10は、車輪速センサ86**の出力信号に基づいて各車輪の車輪速度VwFL,VwFR,VwRL,VwRR(以下、これらを総称する場合は符号Vw**を付して表す)を演算し、それらの車輪速度Vw**に基づいて、公知の手法により車体速度の推定値VS0(以下、推定車体速度VSOと称す)を演算する。そして、車両が制動状態にある場合に、次式に従って個々の車輪のスリップ率Slipを演算し、Slipが所定値を超えている場合に、その車輪がロック状態に移行する可能性があると判断する。
【0033】
Slip=(VSO−Vw**)・100/VS0 ・・・(1)
ECU10は、右前輪FRについてABS制御の実行条件が成立すると判断した場合はSA−146に対して駆動信号を出力する。また、ECU10は、左前輪FRについてABS制御の実行条件が成立すると判断した場合はSA−248に対して駆動信号を出力する。そして、ECU10は、左右後輪RL,RRの何れかについてABS制御の実行条件が成立すると判断した場合はSA−354に対して駆動信号を出力する。
【0034】
SA−146がオン状態とされると、ホイルシリンダ44FRが、第1液圧通路36から遮断されて調圧用液圧通路56に連通される。また、SA−248がオン状態とされると、ホイルシリンダ44FLが、第1液圧通路36から遮断されて調圧用液圧通路62に連通される。更に、SA−354がオン状態とされると、SRRH68およびSRLH70が第2液圧通路38から遮断されて第3液圧通路42に連通される。
【0035】
上記の如くSA−146、SA−2およびSA−3がオン状態とされると、ホイルシリンダ44**が、対応する保持ソレノイドSFRH50,SFLH52,SRRH68,SRLH70(以下、これらを総称する場合は、保持ソレノイドS**Hと称す)、および、対応する減圧ソレノイドSFRR58,SFLR64,SRRR74,SRLR80(以下、これらを総称する場合は、減圧ソレノイドS**Rと称す)に連通し、かつ、保持ソレノイドS**Hに、第3液圧通路42およびSTR26を介して、レギュレータ圧PREが導かれる状態が形成される。
【0036】
上記の状況下で、保持ソレノイドS**Hが開弁状態とされ、かつ、減圧ソレノイドS**Rが閉弁状態とされると、対応するホイルシリンダ44**のホイルシリンダ圧PW/C が、レギュレータ圧PREを上限値として増圧される。以下、この状態を▲1▼増圧モードと称す。また、上記の状況下で保持ソレノイドS**Hが閉弁状態とされ、かつ、減圧ソレノイドS**Rが閉弁状態とされると、対応するホイルシリンダ44**のホイルシリンダ圧PW/C が増減されることなく保持される。以下、この状態を▲2▼保持モードと称す。更に、上記の状況下で保持ソレノイドS**Hが閉弁状態とされ、かつ、減圧ソレノイドS**Rが開弁状態とされると、対応するホイルシリンダ44**のホイルシリンダ圧PW/C が減圧される。以下、この状態を▲3▼減圧モードと称す。
【0037】
ECU10は、制動時における各車輪のスリップ率Slipが適当な値に収まるように、すなわち、各車輪がロック状態に移行しないように、適宜上述した▲1▼増圧モード、▲2▼保持モードおよび▲3▼減圧モードを実現する。
ABS制御の実行中に、運転者によってブレーキペダル30の踏み込みが解除された後は、速やかにホイルシリンダ圧PW/C が減圧される必要がある。本実施例のシステムにおいて、各ホイルシリンダ44**に対応する油圧経路中には、ホイルシリンダ44**側から第3液圧通路42側へ向かう流体の流れを許容する逆止弁60,66,76,82が配設されている。このため、本実施例のシステムによれば、ブレーキペダル30の踏み込みが解除された後に、速やかに全てのホイルシリンダ44**のホイルシリンダ圧PW/C を減圧させることができる。
【0038】
本実施例のシステムにおいてABS制御が実行されている場合、ホイルシリンダ圧PW/C は、ホイルシリンダ44**に対してレギュレータ24からブレーキフルードが供給されることにより、すなわち、ホイルシリンダ44**に対してポンプ12からブレーキフルードが供給されることにより増圧される。また、ホイルシリンダ圧PW/C は、ホイルシリンダ44**内のブレーキフルードがリザーバタンク16に流出されることにより減圧される。ホイルシリンダ圧PW/C の増圧が、マスタシリンダ32を液圧源として行われるとすれば、増圧モードと減圧モードとが繰り返し行われた場合に、マスタシリンダ32内のブレーキフルードが徐々に減少し、いわゆるマスタシリンダの床付きが生ずる場合がある。
【0039】
これに対して、本実施例のシステムの如く、ポンプ12を液圧源としてホイルシリンダ圧PW/C の昇圧を図ることとすれば、かかる床付きを防止することができる。このため、本実施例のシステムによれば、長期間にわたってABS制御が続行される場合においても、安定した作動状態を維持することができる。
【0040】
ところで、本実施例のシステムにおいて、ABS制御は、何れかの車輪について、ロック状態に移行する可能性が検出された場合に開始される。従って、ABS制御が開始させるためには、その前提として、何れかの車輪に大きなスリップ率Slipが生ずる程度の制動操作がなされる必要がある。
【0041】
車両の運転者が上級者である場合は、緊急ブレーキが必要とされる状況が生じた後、速やかにブレーキ踏力FP を急上昇させ、かつ、大きなブレーキ踏力FP を長期間にわたって維持することができる。ブレーキペダル30に対してかかるブレーキ踏力FP が作用すれば、マスタシリンダ32から各ホイルシリンダ44**に対して十分に高圧の制動液圧を供給することができ、ABS制御を開始させることができる。
【0042】
しかしながら、車両の運転者が初級者である場合は、緊急ブレーキが必要とされる状況が生じた後、ブレーキ踏力FP が十分に大きな値にまで上昇されない場合がある。ブレーキペダル30に作用するブレーキ踏力FP が、緊急ブレーキが必要となった後十分に上昇されない場合には、各ホイルシリンダ44**のホイルシリンダ圧PW/C が十分に昇圧されず、ABS制御が開始されない可能性がある。
【0043】
このように、車両の運転者が初級者であると、車両が優れた制動能力を有しているにも関わらず、緊急ブレーキを要求する制動操作(以下、緊急制動操作と称す)が実行された時でさえ、その能力が十分に発揮されない場合がある。そこで、本実施例のシステムにおいては、ブレーキペダル30が緊急ブレーキを意図して操作され、かつ、ブレーキ踏力FP が十分に上昇されない場合に、強制的にホイルシリンダ圧PW/C を昇圧させる制御を実行することとしている。以下、この制御をブレーキアシスト制御(BA制御)と称す。
【0044】
すなわち、本実施例の制動圧力制御装置を搭載する車両において、運転者によって緊急制動操作が実行されると、ECU10によりBA制御の開始条件が成立したと判断される。ECU10は、BA制御の開始条件が成立すると判断した後、アキュムレータ20を液圧源とする方が、マスタシリンダ圧PM/C が液圧源とするよりもホイルシリンダ圧PW/C を急昇圧するうえで有利となる状況が形成されているか否かを判別する。その結果、アキュムレータ20を液圧源とする方が有利な状況が形成されている場合は、BA制御の開始タイミングが到来したと判断される。
【0045】
ECU10は、BA制御の開始タイミングが到来したと判断すると、STR26、SA−146、SA−248およびSA−354に対して駆動信号を出力する。上記の駆動信号を受けてSTR26がオン状態となると、第3液圧通路42と高圧通路22とが直結状態となる。この場合、第3液圧通路42には、アキュムレータ圧PACC が導かれる。また、上記の駆動信号を受けてSA−146およびSA−248がオン状態となると、ホイルシリンダ44FRおよび44FLが、それぞれ調圧用液圧通路56および62に連通される。更に、上記の駆動信号を受けてSA−354がオン状態となると、SRRH68およびSRLH70の上流側が第3液圧通路42に連通される。この場合、全てのホイルシリンダ44**が、それぞれの保持ソレノイドS**H、および、それぞれの減圧ソレノイドS**Rに連通し、かつ、全ての保持ソレノイドS**Hの上流に、アキュムレータ圧PACC が導かれる状態が形成される。
【0046】
BA制御の開始タイミングが到来したと判断される時点で、ABS制御等の他の制動力制御が実行されていない場合は、その時点で全ての保持ソレノイドS**H、および、全ての減圧ソレノイドS**Rがオフ状態に維持されている。従って、上記の如く、保持ソレノイドS**Hの上流にアキュムレータ圧PACC が導かれると、その液圧はそのままホイルシリンダ44**に供給される。その結果、全てのホイルシリンダ44**のホイルシリンダ圧PW/C は、アキュムレータ圧PACC に向けて昇圧される。
【0047】
このように、本実施例のシステムによれば、緊急制動操作が実行された場合に、ブレーキ踏力FP の大きさとは無関係に、全てのホイルシリンダ44**のホイルシリンダ圧PW/C を速やかに急昇圧させることができる。従って、本実施例のシステムによれば、運転者が初級者であっても、緊急ブレーキが必要とされる状況が生じた後に、速やかに大きな制動力を発生させることができる。
【0048】
緊急制動操作が行われることにより、上記の如くBA制御が開始された場合、ブレーキペダル30の踏み込みが解除された時点で、BA制御を終了させる必要がある。本実施例のシステムにおいて、BA制御が実行されている間は、上述の如くSTR26、SA−146、SA−248、およびSA−354がオン状態に維持される。STR26、SA−146、SA−248、およびSA−354がオン状態である場合、レギュレータ24内部の液圧室、およびマスタシリンダ32が備える第1および第2液圧室32a,32bが、実質的には何れも閉空間となる。
【0049】
かかる状況下では、マスタシリンダ圧PM/C は、ブレーキ踏力FP に応じた値となる。従って、ECU10は、油圧センサ40により検出されるマスタシリンダ圧PM/C の出力信号を監視することにより、容易にブレーキペダル30の踏み込みが解除されたか否かを判断することができる。ブレーキペダル30の踏み込みの解除を検出すると、ECU10は、STR26、SA−146、SA−248、およびSA−354に対する駆動信号の供給を停止して、通常制御の実行状態を実現する。このように、本実施例のシステムによれば、制動操作の終了と共に確実にBA制御を終了させることができる。
【0050】
ホイルシリンダ44**に対して、上記の如くアキュムレータ圧PACC が供給され始めると、その後、各車輪FL,FR,RL,RRのスリップ率Slipが急激に増大され、やがてABS制御の実行条件が成立する。ABS制御の実行条件が成立すると、ECU10は、全ての車輪のスリップ率Slipが適当な値に収まるように、すなわち、各車輪がロック状態に移行しないように、適宜上述した▲1▼増圧モード、▲2▼保持モード、および、▲3▼減圧モードを組み合わせてなるABS制御を実行する。
【0051】
尚、BA制御が開始された後にABS制御が実行される場合、ホイルシリンダ圧PW/C は、ポンプ12およびアキュムレータ20からホイルシリンダ44**にブレーキフルードが供給されることにより増圧されると共に、ホイルシリンダ44**内のブレーキフルードがリザーバタンク16に流出することにより減圧される。従って、増圧モードと減圧モードとが繰り返し行われても、いわゆるマスタシリンダ32の床付きが生ずることはない。
【0052】
ところで、本実施例の制動圧力制御装置のようにBA制御を実行する装置においては、運転者によって行われた制動操作が緊急制動操作を意図したものであるのか、或いは、緊急制動操作を意図しないものであるのかを正確に判別し得ることが重要である。本実施例の制動圧力制御装置は、制動操作が開始された後、複数の時点で制動状態を表す特性値を検出し、それら複数の特性値に緊急制動操作の意図が反映されているか否かに基づいて、正確に運転者の意図を判断する点に特徴を有している。
【0053】
以下、図1と共に図2乃至図4を参照して、本実施例の制動圧力制御装置の特徴部について説明する。本実施例のシステムにおいて、ブレーキペダル30にブレーキ踏力FP が付与されると、マスタシリンダ32には、ブレーキ踏力FP に応じたマスタシリンダ圧PM/C が発生する。運転者によって緊急制動操作が行われた場合は、通常のブレーキ操作(以下、通常制動操作と称す)が行われた場合に比してマスタシリンダ圧PM/C が高速で、かつ、高圧に昇圧される。このように、マスタシリンダ圧PM/C およびその変化率 dPM/C /dt は、制動操作が開始された後、制動操作の状態に応じた変化を示す。
【0054】
本実施例において油圧センサ40は、マスタシリンダ圧PM/C に応じた信号を出力する。従って、油圧センサ40の検出値SPM/C およびその変化率 dSPM/C /dt は、制動操作が開始された後、制動操作の状態に応じた変化を示す。この点、検出値SPM/C およびその変化率 dSPM/C /dt は、本実施例のシステムにおいて、制動操作の状態を表す特性値として扱うことができる。そこで、ECU10は、検出値SPM/C およびその変化率 dSPM/C /dt に基づいて、BA制御の開始条件の成否を、すなわち、運転者による制動操作が緊急制動操作を意図するものであるか、あるいは、緊急制動操作を意図しないものであるかを判断する。
【0055】
図2は、BA制御の実行条件の成否を判断すべくECU10が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図2に示すルーチンは、所定時間毎に起動される定時割り込みルーチンである。図2に示すルーチンが起動されると、先ずステップ100の処理が実行される。
【0056】
ステップ100では、ブレーキスイッチ84からオン信号が出力されているか、すなわち、運転者によって制動操作が行われているか否かが判別される。その結果、ブレーキスイッチ84からオン信号が出力されていない、すなわち、制動操作が実行されていないと判別された場合は、次にステップ102の処理が実行される。
【0057】
ステップ102では、カウンタC1 の計数値をリセットすると共に、カウンタC1 の作動を停止させるための処理が実行される。尚、カウンタC1 の用途については後述する。本ステップ102の処理が終了すると、次にステップ104の処理が実行される。
【0058】
ステップ104では、フラグFCASE1を“0”にリセットする処理が実行される。尚、フラグFCASE1の用途については後述する。本ステップ104の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
図2に示すルーチンは、運転者の制動操作が緊急制動操作を意図するものであるか否かを判別するためのルーチンである。従って、運転者によって制動操作が行われていない場合は、本ルーチンの処理を進める実益がない。このため、上記ステップ100でブレーキスイッチ84からオン信号が出力されていないと判別される場合は、上述の如く、以後、実質的な処理が進められることなくルーチンが終了される。一方、上記ステップ100で、ブレーキスイッチ84からオン信号が出力されていると判別される場合は、実質的な処理を進めるべく、次にステップ106の処理が実行される。
【0059】
ステップ106では、カウンタC1 の作動を開始させるための処理が実行される。カウンタC1 は、上記の如く作動の開始が指令されると、その後、時間の経過と共に計数値を自動的にインクリメントするカウンタである。上記の如く、ブレーキスイッチ84からオン信号が出力されていない間は、カウンタC1 の計数値が“0”に維持される。このため、カウンタC1 の計数値は、運転者による制動操作が開始された後の経過時間に一致する。本ステップ106の処理が終了すると、次にステップ108の処理が実行される。
【0060】
ステップ108では、油圧センサ40の検出値SPM/C が読み込まれる。検出値SPM/C の読み込みが終わると、次にステップ110の処理が実行される。
ステップ110では、フラグFCASE1に“1”がセットされているか否かが判別される。上述の如く、フラグFCASE1は、ブレーキスイッチ84からオン信号が出力されていない間は“0”にリセットされている。このため、運転者により制動操作が開始された直後は、本ステップ110において、FCASE1=1が成立しないと判別される。かかる判別がなされた場合は、次にステップ112の処理が実行される。
【0061】
ステップ112では、カウンタC1 の計数値C1 が所定時間T1 と一致しているか否かが判別される。所定時間T1 は、運転者によって緊急制動操作が行われた場合に、マスタシリンダ圧PM/C がある程度大きな所定圧力に達するのに要する時間である。上記の判別の結果、C1 =T1 が成立しないと判別された場合は、以後、何ら処理が進められることなく今回のルーチンが終了される。一方、C1 =T1 が成立すると判別された場合は、次にステップ114の処理が実行される。以下、C1 =T1 が成立する時点を時刻T1 の時点と称す。
【0062】
ステップ114では、油圧センサ40の検出値SPM/C が所定のしきい値Th1 以上であるか否かが判別される。しきい値Th1 は、運転者によって行われた制動操作が緊急制動操作である場合に、時刻T1 の時点でマスタシリンダ圧PM/C が到達する圧力に比して僅かに小さな値に設定されている。従って、本ステップ114で、SPM/C ≧Th1 が成立すると判別される場合は、時刻T1 の時点で、制動操作の状態が緊急制動操作の条件を満たしていると判断することができる。この場合、次にステップ116の処理が実行される。一方、本ステップ114で、SPM/C ≧Th1 が成立しないと判別される場合は、時刻T1 の時点で、制動操作の状態が緊急制動操作の条件を満たしていないと判断することができる。この場合、次にステップ116の処理が実行される。
【0063】
本実施例において、ECU10は、上記ステップ114で用いられるしきい値Th1 を、車速Vに応じて異なる値に変更する。図3は、しきい値Th1 の設定に当たって参照されるマップの一例を示す。図3に示す如く、しきい値Th1は、車速Vが高速になるに連れて大きな値に変更される。しきい値Th1がこのように設定されると、車速Vが高速になるほどステップ114の条件が成立し難く、すなわち、時刻T1 の時点で緊急制動操作の条件が満たされていると判定され難くなる。
【0064】
本実施例の制動圧力制御装置によれば、時刻T1 の時点で緊急制動操作の条件が満たされていないと判定される場合は、以後、BA制御が実行されることはない。従って、本実施例においては、車速Vが高速であるほど、BA制御が開始され難くなる。
運転者が緊急制動操作を意図しない状況下でBA制御が実行された場合、運転者が感ずる違和感は、車速Vが高速であるほど大きなものとなる。このため、運転者に違和感を与えないためには、車速Vが高速であるほど、不要なBA制御の実行をより正確に防止する必要がある。
【0065】
上述の如く、本実施例の制動圧力制御装置は、車速Vが高速であるほどBA制御が開始され難い特性を有している。BA制御が開始され難い状況下では、誤ってBA制御が開始される可能性が少ない。このため、本実施例の制動圧力制御装置によれば、高速走行中に不要なBA制御が実行される頻度を下げることができ、運転者に与える違和感を小さく抑制することができる。
【0066】
ステップ116では、フラグFCASE1に“1”をセットする処理が実行される。フラグFCASE1は、時刻T1 の時点で緊急制動操作の条件が成立していたことを表すためのフラグである。フラグFCASE1の値は、以後、制動操作が終了されるまで“1”に維持される。本ステップ116の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0067】
フラグFCASE1に“1”がセットされた後、制動操作が終了されることなく再び本ルーチンが起動されると、今度は、ステップ110において、FCASE1=1が成立すると判別される。この場合、ステップ110に次いで、ステップ118の処理が実行される。
【0068】
ステップ118では、カウンタC1 の計数値C1 が所定時間T2 (>T1 )に一致しているか否かが判別される。所定時間T2 は、運転者による制動操作が緊急制動操作である場合には未だ制動操作が維持または増加されており、かつ、運転者による制動操作が緊急制動操作でない場合には、既に制動操作が減少されているべき時間である。上記の判別の結果、C1 =T2 が成立しないと判別された場合は、以後、何ら処理が進められることなく今回のルーチンが終了される。一方、C1 =T2 が成立すると判別された場合は、次にステップ120の処理が実行される。以下、C1 =T2 が成立する時点を時刻T2 の時点と称す。
【0069】
ステップ120では、その時点での、すなわち、時刻T2 の時点での検出値SPM/C の変化率 dSPM/C /dt が“0”または正の値であるか否かが判別される。上記の如く、運転者による制動操作が緊急制動操作である場合は、時刻T2 の時点で制動操作は維持または増加しているはず、すなわち、変化率 dSPM/C /dt が“0”または正の値となっているはずである。また、運転者による制動操作が緊急制動操作でない場合は、時刻T2 の時点で制動操作が減少しているはず、すなわち、変化率 dSPM/C /dt が負の値となっているはずである。このため、本ステップ120で dSPM/C /dt ≧0が成立すると判別される場合は、時刻T2 の時点で緊急制動条件が成立していると判断することができる。この場合、次にステップ122の処理が実行される。一方、 dSPM/C /dt ≧0が不成立であると判別される場合は、時刻T2 の時点で緊急制動条件が成立していないと判断することができる。この場合、以後、なんら処理が進められることなく今回のルーチンが終了される。
【0070】
ステップ122では、BA制御の開始条件が成立したことを表す処理が実行される。本ステップ122の処理が実行されると、以後、ECU10によりBA制御が開始される。上記の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
図4は、緊急制動操作を意図する制動操作が行われた場合に実現される検出値SPM/C の変化(図4中に▲1▼を付して表す曲線)と、緊急制動条件を意図せずにブレーキペダル30が軽くかつ高速に踏み込まれた場合に実現される検出値SPM/C の変化(図4中に▲2▼を付して表す曲線)とを示す。
【0071】
上記の処理によれば、時刻T1 の時点で検出値SPM/C が“SPM/C ≧Th1”なる判定条件を満たし、かつ、時刻T2 の時点で変化率 dSPM/C /dt が“ dSPM/C /dt ≧0”なる条件を満たす場合にのみBA制御が開始される。従って、検出値SPM/C が曲線▲1▼の如く変化する場合にはBA制御が実行されるが、検出値SPM/C が曲線▲2▼の如く変化する場合にはBA制御が実行されない。
【0072】
このように、本実施例の制動圧力制御装置においては、所定間隔をあけて設定された2つの時点で、共に所定の判定条件が満たされない限りBA制御が実行されることがない。従って、本実施例の制動圧力制御装置によれば、ブレーキペダル30が軽く、かつ、高速で軽く踏み込まれたような場合に、不要なBA制御が実行されることがない。
【0073】
ところで、上記の実施例においては、時刻T1 の時点と時刻T2 の時点とで、それぞれ異なる判定条件の成否を判別することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、2つの時点で同じ判定条件の成否判別を行うこととしてもよい。また、上記の実施例においては、判定条件の成否判定を2つの時点で行うこととしているが、判定条件の成否判定を行う時点の数は2つに限られるものではなく、3つ以上の時点で成否判定を行うこととしてもよい。
【0074】
上記の実施例において、時刻T1 の時点に対応する判定条件および時刻T2 の時点に対応する判定条件は、それぞれ、大きな制動操作量が発生しているか、および、制動操作量が維持または増加しているか、が判断できる内容とされている。かかる判定条件によれば、運転者が、大きな制動力を要求しているか否かを精度良く判断することができる。このため、本実施例の制動圧力制御装置によれば、制動圧力制御の内容を、運転者の意図を正確に反映した内容に維持することができる。
【0075】
上記の実施例において、最後の成否判定を行う時刻T2 の時点では、制動操作の速度に相当する変化率 dSPM/C /dt が所定の判定条件を満たすか否かを判別することとしている。変化率 dSPM/C /dt は、制動操作が維持または増加している状態と、制動操作が減少している状態とを端的に表している。このため、本実施例の制動圧力制御装置によれば、運転者の意図を正確に推定することができる。
【0076】
また、上記の実施例においては、マスタシリンダ圧PM/C に相当する検出値SPM/C 、および、その変化率 dSPM/C /dt を制動操作の状態を表す特性値としているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、制動操作の状態は、例えば、ブレーキペダル30に生ずるストローク量Sおよびその変化率 dS/dt 、または、ブレーキペダル30に加わるブレーキ踏力FP およびその変化率 dFP /dt によっても把握することができる。従って、これらの値を特性値とすることによっても、上述した機能を実現することができる。
【0077】
更に、上記の実施例においては、制動操作の状態に基づいて推定した運転者の意図を、BA制御の実行可否に反映させることとしているが、運転者の意図を反映する内容は、これに限定されるものではない。すなわち、制動操作の状態に基づいて推定した運転者の意図を、他の制動圧力制御の実行可否、または、実行すべき制動圧力制御の選択、等に反映させることとしてもよい。
【0078】
尚、上記の実施例においては、時刻T1 の時点および時刻T2 の時点が前記請求項1記載の「複数の時点」に、検出値SPM/C およびその変化率 dSPM/C /dt が前記請求項1記載の「特性値」に、SPM/C ≧Th1 および dSPM/C /dt ≧0が前記請求項1記載の「判定条件」に、それぞれ相当していると共に、ECU10が上記ステップ108,112,114,118,120の処理を実行することにより前記請求項1記載の「制動特性値検出手段」および「条件成否判別手段」が、また、ECU10が上記ステップ110,116,120,122の処理を実行することにより前記請求項1記載の「制御内容変更手段」が、それぞれ実現されている。
【0079】
また、上記の実施例においては、ECU10が上記ステップ118および120の処理を実行することにより前記請求項2記載の「操作変化方向判断手段」が実現されている。更に、上記の実施例においては、時刻T2 の時点が前記請求項3記載の「最後となる時点」に、変化率 dSPM/C /dt が前記請求項3記載の「制動操作速度」に、それぞれ相当している。
【0080】
次に、図5乃至図7を参照して、本発明の第2実施例について説明する。本実施例の制動圧力制御装置は、上記図1に示すシステムにおいて、ECU10に、上記図2に示すルーチンに代えて図5および図6に示すルーチンを実行させることにより実現される。
【0081】
図5および図6は、本実施例においてECU10に実行される制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。本ルーチンは、所定時間毎に起動される定時割り込みルーチンである。尚、本ルーチンにおいて、上記図2に示すルーチンと同一の処理を実行するステップには同一の符号を付して、その説明を省略または簡略する。
【0082】
ブレーキスイッチ84からオン信号が出力されていない場合に、すなわち、制動操作が実行されていない場合に本ルーチンが起動されると、ステップ100〜104を経て、ステップ130の処理が実行される。
ステップ130では、フラグFCASE2を“0”にリセットする処理が実行される。尚、フラグFCASE2の用途については後述する。本ステップ130の処理が終了すると、次にステップ131の処理が実行される。
【0083】
ステップ131では、カウンタC2 の計数値C2 をリセットすると共に、カウンタC2 の作動を停止させるための処理が実行される。尚、カウンタC2 の用途については後述する。本ステップ131の処理が終了すると、次にステップ132の処理が実行される。
【0084】
ステップ132では、フラグFCASE3を“0”にリセットする処理が実行される。尚、フラグFCASE3の用途については後述する。本ステップ132の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
制動操作の実行中に本ルーチンが起動されると、ステップ100,106および108を経てステップ110の処理が実行される。本ルーチンでは、ステップ110でFCASE1=1が成立しないと判別された場合に、次いでステップ134の処理が実行される。
【0085】
ステップ134では、フラグFCASE2に“1”がセットされているか否かが判別される。上述の如く、フラグFCASE2は、ブレーキスイッチ84からオン信号が出力されていない間は“0”にリセットされている。このため、運転者により制動操作が開始された直後は、本ステップ134において、FCASE2=1が成立しないと判別される。この場合、次にステップ112の処理が実行される。
【0086】
ステップ112で、C1 =T1 が成立すると判別されると、次にステップ114で、SPM/C ≧Th1 なる条件が成立するか、すなわち、時刻T1 の時点で緊急制動操作の条件が満たされているか否かが判別される。その結果、SPM/C ≧Th1 が成立すると判別される場合は、上記第1実施例の場合と同様に、次にステップ116の処理が実行される。一方、SPM/C ≧Th1 が成立しないと判別される場合は、次にステップ136の処理が実行される。
【0087】
ステップ136では、フラグFCASE2に“1”をセットする処理が実行される。フラグFCASE2は、時刻T1 の時点で緊急制動操作の条件が成立していなかったことを表すためのフラグである。フラグFCASE2の値は、以後、制動操作が終了されるまで“1”に維持される。本ステップ136の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0088】
フラグFCASE2に“1”がセットされた後、制動操作が終了されることなく再び本ルーチンが起動されると、今度は、ステップ134において、FCASE2=1が成立すると判別される。この場合、ステップ134に次いで、図6に示すステップ137の処理が実行される。
【0089】
ステップ137では、フラグFCASE3に“1”がセットされているか否かが判別される。上述の如く、フラグFCASE3は、ブレーキスイッチ84からオン信号が出力されていない間は“0”にリセットされている。このため、運転者により制動操作が開始された直後は、本ステップ137において、FCASE3=1が成立しないと判別される。この場合、次にステップ138の処理が実行される。
【0090】
ステップ138では、検出値SPM/C に、所定のしきい値Th2 以上の変化率 dSPM/C /dt が生じているか否かが判別される。しきい値Th2 は、通常のブレーキ操作に伴って生ずる変化率 dSPM/C /dt に比して大きな値に設定されている。従って、 dSPM/C /dt ≧Th2 が成立すると判別される場合は、時刻T1 の時点では緊急制動操作が意図されていなかったが、その後、緊急制動操作を意図する操作が行われた可能性があると判断することができる。この場合、次にステップ140の処理が実行される。一方、 dSPM/C /dt ≧Th2 が成立しないと判別される場合は、時刻T1 の後にも緊急制動操作を意図する操作が行われていないと判断することができる。この場合、以後、何ら処理が進められることなく今回のルーチンが終了される。
【0091】
ステップ140では、カウンタC2 の作動を開始させるための処理が実行される。カウンタC2 は、上記の如く作動の開始が指令されると、その後、時間の経過と共に計数値を自動的にインクリメントするカウンタである。上記の如く、ブレーキスイッチ84からオン信号が出力されていない間は、カウンタC2 の計数値が“0”に維持される。このため、カウンタC2 の計数値は、上記ステップ138の条件が成立した時点(以下、時刻TSTA の時点と称す)からの経過時間に一致する。本ステップ140の処理が終了すると、次にステップ141の処理が実行される。
【0092】
ステップ141では、フラグFCASE3に“1”をセットする処理が実行される。フラグFCASE3は、時刻T1 の時点では緊急制動操作の条件が成立していなかったが、その後、緊急制動操作の可能性を有する操作が行われたことを表すためのフラグである。本ステップ141の処理が終了すると、次にステップ142の処理が実行される。
【0093】
ステップ142では、カウンタC2 の計数値C2 が所定時間ΔTに達しているか否かが判別される。所定時間ΔTは、運転者による制動操作が緊急制動操作である場合には、変化率 dSPM/C /dt が継続してしきい値Th2 を超えると想定される時間である。上記の判別の結果、C2 ≧ΔTが成立しないと判別された場合は、以後、何ら処理が進められることなく今回のルーチンが終了される。
【0094】
このようにしてルーチンが終了された後、制動操作が終了されることなく再び本ルーチンが起動されると、今度は、ステップ137でFCASE3=1が成立すると判別される。この場合、ステップ138〜141がジャンプされ、ステップ137に次いで即座にステップ142の処理が実行される。上記の処理が繰り返された結果、ステップ142でC2 ≧ΔTが成立すると判別されると、次にステップ144の処理が実行される。以下、C2 ≧ΔTが成立する時点を時刻ΔTの時点と称す。
【0095】
ステップ144では、上記ステップ138と同様に、 dSPM/C /dt ≧Th2 が成立するか否かが判別される。その結果、 dSPM/C /dt ≧Th2 が成立しないと判別される場合は、時刻TSTA の時点では緊急制動操作の条件が成立していたが、その条件がΔTの時間継続されなかったと、すなわち、運転者による制動操作は緊急制動操作ではなかったと判断することができる。この場合、上記ステップ131および132で、カウンタC2 がリセット・停止され、かつ、フラグFCASE3が“0”にリセットされた後、今回のルーチンが終了される。
【0096】
上述の如く、カウンタC2 およびフラグFCASE3は、ブレーキスイッチ84からオン信号が出力されていない場合に加え、フラグFCASE3に“1”をセットする起因となった変化率 dSPM/C /dt について、緊急制動操作の可能性が否定されたときに“0”にリセットされる。このため、上記ステップ144で、 dSPM/C /dt ≧Th2 が成立しないと判別された後、制動操作が終了されることなく本ルーチンが起動されると、今度は、ステップ137でFCASE3=1が成立しないと判別され、再びステップ138以降の繰り返される。
【0097】
上記ステップ144で dSPM/C /dt ≧Th2 が成立すると判別される場合は、時刻TSTA の時点から時刻ΔTの時点まで、緊急制動操作の条件が継続的に成立していたと認めることができる。この場合、時刻T1 の時点では緊急制動操作が実行されていなかったが、その後、運転者によって緊急制動操作が実行されたと判断することができる。このため、かかる判別がなされた場合は、ステップ144に次いで、BA制御の開始条件の成立を認める上記ステップ122の処理が実行される。
【0098】
図7(A)は、緊急制動操作を意図せずに制動操作が開始された後、緊急制動操作を意図する操作が行われた場合に実現される検出値SPM/C の変化(図7(A)中に▲1▼を付して表す曲線)と、緊急制動条件を意図せずにブレーキペダル30が軽くかつ高速に踏み込まれた場合に実現される検出値SPM/C の変化(図7(A)中に▲2▼を付して表す曲線)とを示す。また、図7(B)は、図7(A)中に示す曲線▲1▼の変化率 dSPM/C /dt (図7(B)中に▲1▼を付して表す曲線)と、図7(A)中に示す曲線▲2▼の変化率 dSPM/C /dt (図7(B)中に▲1▼を付して表す曲線)とを示す。
【0099】
上記の処理によれば、時刻T1 の時点で検出値SPM/C が“SPM/C ≧Th1”なる判定条件を満たしていなくても、時刻TSTA の時点で dSPM/C /dt ≧Th2 が成立し、かつ、時刻ΔTの時点で dSPM/C /dt ≧Th2 が成立する場合には、BA制御を開始させることができる。また、時刻TSTA の時点で dSPM/C /dt ≧Th2 が成立していても、時刻ΔTの時点で dSPM/C /dt ≧Th2 が成立していなければ、BA制御の開始を禁止することができる。
【0100】
このように、本実施例の制動圧力制御装置においては、運転者の制動操作が当初から緊急制動操作を意図するものでなくてもBA制御の開始が可能であると共に、所定間隔をあけて設定された2つの時点で、共に所定の判定条件が満たされない限りはBA制御が実行されることがない。従って、本実施例の制動圧力制御装置によれば、ブレーキペダル30の追い込みによる緊急制動操作に対処し得ると共に、ブレーキペダル30が軽く、かつ、高速で軽く踏み込まれたような場合に、不要にBA制御が実行されるのを確実に防止することができる。
【0101】
ところで、上記の実施例においては、時刻T1 の時点と、時刻TSTA の時点および時刻ΔTの時点とで、それぞれ異なる判定条件の成否を判別することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの時点で同じ判定条件の成否判別を行うこととしてもよい。また、上記の実施例においては、時刻TSTA の時点と時刻ΔTの時点とで、同じ判定条件の成否を判別することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの時点で異なる判定条件の成否判別を行うこととしてもよい。
【0102】
更に、上記の実施例においては、時刻T1 の時点で緊急制動条件の成立性が否定された場合に、その後、2つの時点で判定条件の成否判定を行うこととしているが、判定条件の成否判定を行う時点の数は2つに限られるものではなく、3つ以上の時点で成否判定を行うこととしてもよい。
【0103】
上記の実施例において、時刻TSTA の時点に対応する判定条件および時刻ΔTの時点に対応する判定条件は、共に制動操作量が維持または増加しているか、が判断できる内容とされている。かかる判定条件によれば、運転者が、より大きな制動力を要求しているのか否かを精度良く判断することができる。このため、本実施例の制動圧力制御装置によれば、制動圧力制御の内容を、運転者の意図を正確に反映した内容に維持することができる。
【0104】
上記の実施例において、最後の成否判定を行う時刻ΔTの時点では、制動操作の速度に相当する変化率 dSPM/C /dt が所定の判定条件を満たすか否かを判別することとしている。変化率 dSPM/C /dt は、制動操作が維持または増加している状態と、制動操作が減少している状態とを端的に表している。このため、本実施例の制動圧力制御装置によれば、運転者の意図を正確に推定することができる。
【0105】
また、上記の実施例は、ブレーキペダル30に生ずるストローク量Sおよびその変化率 dS/dt 、または、ブレーキペダル30に加わるブレーキ踏力FP およびその変化率 dFP /dt を制動操作の状態を表す特性値としても成立する点、および、BA制御に限定されず、広く他の制動圧力制御と組み合わせることができる点において、上述した第1実施例と同様である。
【0106】
尚、上記の実施例においては、時刻T1 の時点、時刻T2 の時点、時刻TSTA の時点、および時刻ΔTの時点が前記請求項1記載の「複数の時点」に、検出値SPM/C およびその変化率 dSPM/C /dt が前記請求項1記載の「特性値」に、SPM/C ≧Th1 、 dSPM/C /dt ≧0および dSPM/C /dt ≧Th2 が前記請求項1記載の「判定条件」に、それぞれ相当していると共に、ECU10が上記ステップ108,112,114,118,120の処理およびステップ138,142,144の処理を実行することにより前記請求項1記載の「制動特性値検出手段」および「条件成否判別手段」が、また、ECU10が上記ステップ110,116,120,122の処理、および、ステップ141,144の処理を実行することにより前記請求項1記載の「制御内容変更手段」が、それぞれ実現されている。
【0107】
また、上記の実施例においては、ECU10が上記ステップ118,120の処理、および、ステップ138,142,144の処理を実行することにより前記請求項2記載の「操作変化方向判断手段」が実現されている。更に、上記の実施例においては、時刻T2 の時点および時刻ΔTの時点が前記請求項3記載の「最後となる時点」に、変化率 dSPM/C /dt が前記請求項3記載の「制動操作速度」に、それぞれ相当している。
【0108】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1乃至3記載の発明によれば、複数の時点での制動操作の状態に基づいて、精度良く運転者の意図を推定することができる。従って、本発明に係る制動圧力制御装置によれば、常に良好な制動フィーリングを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である制動圧力制御装置のシステム構成図である。
【図2】本発明の第1実施例において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図3】図2に示す制御ルーチン中で用いられるしきい値Th1のマップの一例である。
【図4】緊急制動操作が意図された場合の検出値SPM/C の変化の一例と緊急制動操作を意図せず高速で軽くブレーキペダルが踏み込まれた場合の検出値SPM/C の変化の一例とを対比して表す図である。
【図5】本発明の第2実施例において実行される制御ルーチンの一例のフローチャート(その1)である。
【図6】本発明の第2実施例において実行される制御ルーチンの一例のフローチャート(その2)である。
【図7】図7(A)は緊急制動操作が意図された場合の検出値SPM/C の変化の他の例と緊急制動操作を意図せず高速で軽くブレーキペダルが踏み込まれた場合の検出値SPM/C の変化の他の例とを対比して表す図である。
図7(B)は図7(A)に示す検出値SPM/C の変化率 dSPM/C /dt を対比して表す図である。
【符号の説明】
10 電子制御ユニット(ECU)
26 レギュレータ切り換えソレノイド(STR)
30 ブレーキペダル
32 マスタシリンダ
40,88 油圧センサ
44FL,44FR,44RL,44RR,44** ホイルシリンダ
46 第1アシストソレノイド(SA−1)
48 第2アシストソレノイド(SA−2)
50 右前輪保持ソレノイド(SFRH)
52 左前輪保持ソレノイド(SFLH)
54 第3アシストソレノイド(SA−3)
58 右前輪減圧ソレノイド(SFRR)
64 左前輪保持ソレノイド(SFLR)
68 右後輪保持ソレノイド(SRRH)
70 左後輪保持ソレノイド(SRLH)
74 右後輪減圧ソレノイド(SRRR)
80 左後輪保持ソレノイド(SRLR)
PW/C ホイルシリンダ圧
PACC アキュムレータ圧
PRE レギュレータ圧
SPM/C 油圧センサ40の検出値
dSPM/C /dt 検出値SPM/C の変化率[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a braking pressure control device, and more particularly to a braking pressure control device that controls a braking force generated by a vehicle braking device.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when a brake pedal is operated at an operation speed exceeding a predetermined value, as disclosed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 4-121260, it is determined that emergency braking has been requested, and the brake fluid pressure is doubled with respect to the brake depression force. A device that raises a power ratio as compared with a normal time is known. When the boosting ratio of the brake fluid pressure is increased, the flow rate of the brake fluid flowing into the wheel cylinder per unit time increases. For this reason, according to the above-mentioned conventional apparatus, it is possible to rapidly increase the wheel cylinder pressure after the braking operation intended for emergency braking is performed, that is, to rapidly increase the braking force. Hereinafter, as described above, the control for increasing the boosting ratio of the brake fluid pressure when an emergency brake is requested is referred to as brake assist control (BA control).
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described conventional device, the start of the BA control depends only on the operation speed of the brake pedal. During operation of the vehicle, the brake pedal may be depressed lightly and at a high speed without intention of generating a large braking force. According to the above-described conventional device, there is a possibility that the BA control is started when such an operation is performed. When the driver of the vehicle operates the brake operation without intending to generate a large braking force, the BA control is started. If a large braking force is generated as a result, the driver's braking feeling deteriorates.
[0004]
The present invention has been made in view of the above points, and has as its object to provide a braking pressure control device that can accurately determine a driver's intention from the state of a braking operation.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The above object is achieved by a braking characteristic value detecting unit that detects a characteristic value corresponding to a state of the braking operation at a plurality of time points after the braking operation is started, as described in
Condition satisfaction determination means for determining whether each of the plurality of characteristic values detected at the plurality of time points satisfies a determination condition set corresponding to each of the plurality of time points,
When all of the determination conditions are satisfied at the plurality of times, it is determined that the braking pressure control should be startedControl content changing means;With
SaidEach determination condition does not include a condition that is satisfied when the pressure of the master cylinder is equal to or less than a predetermined value.This is achieved by a braking pressure control.
[0006]
In the present invention, when the braking operation is started, characteristic values corresponding to the state of the braking operation are detected at a plurality of times. The characteristic values detected at a plurality of time points are each used to determine whether or not a predetermined determination condition is satisfied. According to the plurality of determination results, the state of the braking operation at each time point can be detected, and the change in the state of the braking operation between each time point can be detected. In the present invention, the driver's intention is estimated based on the state of the braking operation at each time point and the change in the state of the braking operation at each time point.Of start of braking pressure control corresponding toIs realized.
[0007]
According to a second aspect of the present invention, there is provided a brake pressure control device according to the first aspect,At least at any one of the plurality of times, it is determined whether the braking operation is being maintained or increased, or whether the braking operation is being reduced. If it is determined, the determination condition at that time is not satisfiedThis is achieved by a braking pressure control device characterized in that:
[0008]
In the present invention, when the braking operation is started, the operation change direction determining means determines a state in which the operation is maintained or increased and a state in which the operation is reduced. When the braking operation is maintained or increased, it can be estimated that the driver intends to generate a large braking force. On the other hand, when the braking operation is reduced, it can be estimated that the driver no longer intends to generate a large braking force. In the present invention, in consideration of such estimation results,Judgment of whether to start braking pressure control is performed.
[0009]
Further, the above object is achieved by a braking pressure control device according to
At least the last time point of the plurality of time points, the braking characteristic value detecting means detects a braking operation speed as the characteristic value,
The condition satisfaction determination means is achieved by a braking pressure control device that determines whether a setting condition corresponding to the last time point is satisfied based on whether a braking operation speed exceeds a predetermined value.
[0010]
In the present invention, at the last time point among the plurality of time points, the state of the braking operation is determined based on whether or not the braking operation speed exceeds a predetermined value. The braking operation speed simply indicates a state in which the braking operation is maintained, an increased state, and a reduced state. Therefore, according to the determination as to whether or not the braking operation speed exceeds the predetermined value, whether the driver intends to generate a larger braking force or no longer intends to generate a larger braking force Can be accurately estimated.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 shows a system configuration diagram of an embodiment of the present invention. The braking pressure control device shown in FIG. 1 is controlled by an electronic control unit 10 (hereinafter, referred to as ECU 10). The braking pressure control device includes a
[0012]
The
[0013]
The
[0014]
Brake depression force F acting on
[0015]
The
[0016]
A first
[0017]
The second hydraulic passage 38 has a master cylinder pressure PM / CAnd a hydraulic pressure sensor 40 that outputs an electric signal proportional to the pressure. The output signal of the oil pressure sensor 40 is supplied to the
[0018]
A third
[0019]
The first
[0020]
The SFRH 50 is a two-position solenoid valve that normally keeps the valve open. The SFRH 50 is connected to the SA via the pressure regulating hydraulic passage 56.-146 and a right front wheel pressure reducing solenoid 58 (hereinafter, referred to as SFRR 58). A
[0021]
SA-1A two-
[0022]
The SFLH 52 is a two-position solenoid valve that normally keeps the valve open. The SFLH 52 is connected to the SA through the pressure adjusting hydraulic passage 62.-248 and a left front wheel pressure reducing solenoid 64 (hereinafter, referred to as SFLR64). A
[0023]
SA-2Reference numeral 48 denotes a two-position solenoid valve for selectively connecting one of the first
[0024]
The second hydraulic passage 38 is provided with the above-described SA.-3And 54. SA-3On the downstream side of 54, a right rear wheel holding solenoid 68 (hereinafter referred to as SRRH 68) provided corresponding to the wheel cylinder 44RR of the right rear wheel RR, and a wheel cylinder 44RL of the left rear wheel RL. The provided left rear wheel holding solenoid 70 (hereinafter, referred to as SRLR 70) communicates therewith. SA-3Numeral 54 is a two-position solenoid valve for selectively communicating one of the second hydraulic passage 38 and the third
[0025]
A wheel cylinder 44RR and a right rear wheel pressure reducing solenoid 74 (hereinafter, referred to as SRRR 74) communicate with a downstream side of the SRRH 68 via a pressure adjusting
[0026]
Similarly, a wheel cylinder 44RL and a left rear wheel pressure reducing solenoid 80 (hereinafter, referred to as SRLR80) communicate with a downstream side of the SRLH 70 via a pressure adjusting
[0027]
In the system of the present embodiment, a
[0028]
Further, in the system of the present embodiment, wheel speed sensors 86FL, 86FR, 86RL, which emit a pulse signal each time each wheel rotates by a predetermined rotation angle are provided near the left and right front wheels FL, FR and the left and right rear wheels RL, RR. 86RR (hereinafter collectively referred to as 86RR)**).
[0029]
The
[0030]
Hereinafter, the operation of the braking pressure control device of the present embodiment will be described. When the vehicle condition is stable, the braking pressure control device of the present embodiment operates with the brake pedal force F acting on the brake pedal 30.PThe normal control for generating the braking force according to is performed. In the normal control, as shown in FIG.-146, SA-248, SA-354, SFRH50, SFLH52, SFRR58, SFLR64, SRRH68, SRLH70, SRRR74, and SRLR80 are all turned off.
[0031]
That is, in the state shown in FIG. 1, wheel cylinders 44FR and 44FL are connected to first
[0032]
In this embodiment, when the possibility of shifting to the locked state is detected for any of the wheels, it is determined that the execution condition of the anti-lock brake control (hereinafter referred to as ABS control) has been satisfied for that wheel. ABS control is started. The
[0033]
Slip = (VSO-Vw**) ・ 100 / VS0 ... (1)
If the
[0034]
SA-1When the 46 is turned on, the wheel cylinder 44FR is disconnected from the first
[0035]
SA as described above-146, SA-2And SA-3Is turned on, the wheel cylinder 44**However, the corresponding holding solenoids SFRH50, SFLH52, SRRH68, SRLH70 (hereinafter collectively referred to as holding solenoids S**H) and corresponding depressurizing solenoids SFRR58, SFLR64, SRRR74, SRLR80 (hereinafter collectively referred to as depressurizing solenoid S**R) and holding solenoid S**H through the third
[0036]
Under the above situation, the holding solenoid S**H is opened and the pressure reducing solenoid S**When R is closed, the corresponding wheel cylinder 44**Wheel cylinder pressure PW / CIs the regulator pressure PREIs increased up to the upper limit. Hereinafter, this state is referred to as (1) pressure increase mode. Further, under the above situation, the holding solenoid S**H is closed and the pressure reducing solenoid S**When R is closed, the corresponding wheel cylinder 44**Wheel cylinder pressure PW / CIs maintained without being increased or decreased. Hereinafter, this state is referred to as (2) holding mode. Further, under the above situation, the holding solenoid S**H is closed and the pressure reducing solenoid S**When R is opened, the corresponding wheel cylinder 44**Wheel cylinder pressure PW / CIs decompressed. Hereinafter, this state is referred to as (3) decompression mode.
[0037]
The
After the driver releases the
[0038]
When the ABS control is executed in the system of the present embodiment, the wheel cylinder pressure PW / CIs a wheel cylinder 44**Brake fluid is supplied from the
[0039]
On the other hand, as in the system of this embodiment, the wheel cylinder pressure PW / CIf the pressure is increased, such flooring can be prevented. Therefore, according to the system of the present embodiment, a stable operation state can be maintained even when the ABS control is continued for a long time.
[0040]
By the way, in the system of the present embodiment, the ABS control is started when the possibility of shifting to the locked state is detected for any of the wheels. Therefore, in order to start the ABS control, it is necessary to perform a braking operation to such an extent that a large slip ratio Slip is generated in any of the wheels.
[0041]
If the driver of the vehicle is an advanced driver, immediately after the situation where emergency braking is required occurs, the braking force FPAnd a large brake depression force FPCan be maintained over a long period of time. Brake depression force F applied to brake
[0042]
However, if the driver of the vehicle is a beginner, after a situation in which emergency braking is required occurs, the brake depression force FPMay not be raised to a sufficiently large value. Brake depression force F acting on
[0043]
As described above, when the driver of the vehicle is a beginner, a braking operation requesting emergency braking (hereinafter referred to as emergency braking operation) is executed even though the vehicle has excellent braking ability. Even when it is, the ability may not be fully exhibited. Therefore, in the system of the present embodiment, the
[0044]
That is, when the driver performs the emergency braking operation in the vehicle equipped with the braking pressure control device of the present embodiment, the
[0045]
When the
[0046]
At the time when it is determined that the start timing of the BA control has arrived, if no other braking force control such as the ABS control is being executed, all the holding solenoids S at that time are not executed.**H and all decompression solenoids S**R is kept off. Therefore, as described above, the holding solenoid S**Accumulator pressure P upstream of HACCIs guided to the wheel cylinder 44 as it is.**Supplied to As a result, all the wheel cylinders 44**Wheel cylinder pressure PW / CIs the accumulator pressure PACCIt is boosted toward.
[0047]
As described above, according to the system of the present embodiment, when the emergency braking operation is performed, the brake depression force FPRegardless of the size of the wheel cylinders 44**Wheel cylinder pressure PW / CCan be rapidly increased. Therefore, according to the system of this embodiment, even if the driver is a beginner, a large braking force can be quickly generated after a situation in which emergency braking is required occurs.
[0048]
When the BA control is started as described above by performing the emergency braking operation, it is necessary to end the BA control when the depression of the
[0049]
Under such circumstances, the master cylinder pressure PM / CIs the brake depression force FPWill be a value corresponding to. Therefore, the
[0050]
Wheel cylinder 44**, The accumulator pressure PACCIs started to be supplied, the slip ratio Slip of each of the wheels FL, FR, RL, RR is then sharply increased, and eventually the execution condition of the ABS control is satisfied. When the execution condition of the ABS control is satisfied, the
[0051]
When the ABS control is executed after the BA control is started, the wheel cylinder pressure PW / CIs connected to the wheel cylinder 44 from the
[0052]
By the way, in a device that performs BA control, such as the braking pressure control device of the present embodiment, whether the braking operation performed by the driver is intended for an emergency braking operation, or not intended for an emergency braking operation. It is important to be able to accurately determine whether they are the same. The braking pressure control device of the present embodiment detects characteristic values representing the braking state at a plurality of times after the braking operation is started, and determines whether the intention of the emergency braking operation is reflected in the plurality of characteristic values. Is characterized in that the driver's intention is accurately determined based on the
[0053]
Hereinafter, a characteristic portion of the braking pressure control device according to the present embodiment will be described with reference to FIGS. In the system of the present embodiment, the
[0054]
In the present embodiment, the oil pressure sensor 40 detects the master cylinder pressure PM / CAnd outputs a signal corresponding to. Therefore, the detection value SP of the hydraulic pressure sensor 40M / CAnd its rate of change dSPM / C/ Dt indicates a change according to the state of the braking operation after the braking operation is started. This point, the detection value SPM / CAnd its rate of change dSPM / C/ Dt can be treated as a characteristic value representing the state of the braking operation in the system of the present embodiment. Therefore, the
[0055]
FIG. 2 is a flowchart illustrating an example of a control routine executed by the
[0056]
In
[0057]
In step 102, the counter C1Is reset and the counter C is reset.1Is performed to stop the operation of the. The counter C1The use of will be described later. When the process of step 102 is completed, the process of
[0058]
In
The routine shown in FIG. 2 is a routine for determining whether the driver's braking operation is intended for an emergency braking operation. Therefore, when the braking operation is not performed by the driver, there is no benefit in performing the processing of this routine. Therefore, if it is determined in
[0059]
In step 106, the counter C1A process for starting the operation of is performed. Counter C1Is a counter that automatically increments the count value with the passage of time after the start of operation is commanded as described above. As described above, while the ON signal is not being output from the
[0060]
In step 108, the detection value SP of the hydraulic pressure sensor 40M / CIs read. Detection value SPM / CIs completed, the process of step 110 is executed next.
In step 110, it is determined whether or not "1" is set in the flag FCASE1. As described above, the flag FCASE1 is reset to “0” while the
[0061]
In
[0062]
In step 114, the detection value SP of the hydraulic pressure sensor 40M / CIs a predetermined threshold Th1It is determined whether or not this is the case. Threshold value Th1Is the time T when the braking operation performed by the driver is an emergency braking operation.1At the time of master cylinder pressure PM / CIs set to a value slightly smaller than the pressure reached. Therefore, in this step 114, SPM / C≧ Th1Is satisfied, the time T1At this point, it can be determined that the state of the braking operation satisfies the condition of the emergency braking operation. In this case, the process of step 116 is executed next. On the other hand, in this step 114, SPM / C≧ Th1Is not established, the time T1At this point, it can be determined that the state of the braking operation does not satisfy the condition of the emergency braking operation. In this case, the process of step 116 is executed next.
[0063]
In this embodiment, the
[0064]
According to the braking pressure control device of the present embodiment, the time T1If it is determined that the condition of the emergency braking operation is not satisfied at the time point of, the BA control is not executed thereafter. Therefore, in this embodiment, the higher the vehicle speed V, the more difficult it is to start the BA control.
When the BA control is executed in a situation where the driver does not intend the emergency braking operation, the uncomfortable feeling felt by the driver increases as the vehicle speed V increases. Therefore, in order to prevent the driver from feeling uncomfortable, it is necessary to more accurately prevent unnecessary BA control from being executed as the vehicle speed V increases.
[0065]
As described above, the braking pressure control device of the present embodiment has a characteristic that the higher the vehicle speed V, the more difficult the BA control is to start. In a situation where the BA control is difficult to start, there is little possibility that the BA control is started by mistake. For this reason, according to the braking pressure control device of the present embodiment, it is possible to reduce the frequency at which unnecessary BA control is executed during high-speed running, and to reduce the sense of discomfort given to the driver.
[0066]
In step 116, a process of setting the flag FCASE1 to "1" is executed. The flag FCASE1 indicates the time T1Is a flag indicating that the condition of the emergency braking operation has been satisfied at the time of. Thereafter, the value of the flag FCASE1 is maintained at "1" until the braking operation is completed. When the process of step 116 ends, the current routine ends.
[0067]
If this routine is started again after the flag FCASE1 is set to "1" without terminating the braking operation, it is determined in step 110 that FCASE1 = 1 is established. In this case, the process of
[0068]
In
[0069]
In
[0070]
In
FIG. 4 shows a detection value SP realized when a braking operation intended for an emergency braking operation is performed.M / C(The curve denoted by {1} in FIG. 4) and the detection value SP realized when the
[0071]
According to the above processing, the time T1At the point of time SPM / CIs "SPM / C≧ Th1 ″ is satisfied and the time T2At the time of change dSPM / C/ Dt is "dSPM / CBA control is started only when the condition of / dt ≧ 0 ”is satisfied.M / CIs changed as shown by the curve (1), the BA control is executed.M / CIs changed as indicated by the curve (2), the BA control is not executed.
[0072]
As described above, in the braking pressure control device of the present embodiment, the BA control is not executed at the two time points set at a predetermined interval unless both the predetermined determination conditions are satisfied. Therefore, according to the braking pressure control device of the present embodiment, when the
[0073]
By the way, in the above embodiment, the time T1Time and time T2It is determined whether the different determination conditions are satisfied at the time point. However, the present invention is not limited to this, and the determination whether the same determination condition is satisfied at the two time points may be performed. Further, in the above embodiment, the determination of the success / failure of the determination condition is performed at two time points. However, the number of time points for determining the success / failure of the determination condition is not limited to two. May be determined.
[0074]
In the above embodiment, the time T1Condition and time T corresponding to the time2The determination conditions corresponding to the time point are such that it is possible to determine whether a large amount of braking operation has occurred and whether the amount of braking operation has been maintained or increased. According to such determination conditions, it is possible to accurately determine whether or not the driver is requesting a large braking force. For this reason, according to the braking pressure control device of the present embodiment, the content of the braking pressure control can be maintained at a content that accurately reflects the driver's intention.
[0075]
In the above embodiment, the time T at which the last success / failure determination is made2At the time of the change rate dSP corresponding to the speed of the braking operationM / CIt is determined whether or not / dt satisfies a predetermined determination condition. Change rate dSPM / C/ Dt simply represents a state in which the braking operation is maintained or increased, and a state in which the braking operation is decreasing. Therefore, according to the braking pressure control device of the present embodiment, the intention of the driver can be accurately estimated.
[0076]
In the above embodiment, the master cylinder pressure PM / CDetection value SP corresponding toM / CAnd its rate of change dSPM / CAlthough / dt is a characteristic value representing the state of the braking operation, the present invention is not limited to this. That is, the state of the braking operation is, for example, the stroke amount S generated at the
[0077]
Further, in the above embodiment, the driver's intention estimated based on the state of the braking operation is reflected in the availability of the BA control. However, the content reflecting the driver's intention is not limited to this. It is not done. That is, the intention of the driver estimated based on the state of the braking operation may be reflected in the possibility of execution of another braking pressure control, selection of the braking pressure control to be executed, and the like.
[0078]
In the above embodiment, the time T1Time and time T2The detected value SP corresponds to the “plurality of time points” of
[0079]
In the above embodiment, the "operation change direction judging means" is realized by the
[0080]
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. The brake pressure control device of the present embodiment is realized by causing the
[0081]
5 and 6 show a flowchart of an example of a control routine executed by the
[0082]
When this routine is started when the ON signal is not output from the
In
[0083]
In step 131, the counter C2Count value C2And reset the counter C2Is performed to stop the operation of the. The counter C2The use of will be described later. When the process of step 131 ends, the process of
[0084]
In
When this routine is started during the execution of the braking operation, the processing of step 110 is executed via
[0085]
In step 134, it is determined whether or not the flag FCASE2 is set to "1". As described above, the flag FCASE2 is reset to “0” while no ON signal is output from the
[0086]
At
[0087]
In step 136, a process of setting the flag FCASE2 to "1" is executed. The flag FCASE2 indicates the time T1Is a flag for indicating that the condition of the emergency braking operation was not satisfied at the time of. Thereafter, the value of the flag FCASE2 is maintained at "1" until the braking operation is completed. When the process of step 136 ends, the current routine ends.
[0088]
After the flag FCASE2 is set to "1" and the routine is started again without terminating the braking operation, it is determined in step 134 that FCASE2 = 1 is established. In this case, following step 134, the process of step 137 shown in FIG. 6 is executed.
[0089]
In step 137, it is determined whether or not “1” is set in the flag FCASE3. As described above, the flag FCASE3 is reset to “0” while the ON signal is not output from the
[0090]
In step 138, the detection value SPM / CAnd a predetermined threshold Th2The above change rate dSPM / CIt is determined whether or not / dt has occurred. Threshold value Th2Is the rate of change dSP caused by normal brakingM / CThe value is set to a value larger than / dt. Therefore, dSPM / C/ Dt ≧ Th2Is satisfied, the time T1Although the emergency braking operation was not intended at the point of, it can be determined that there is a possibility that an operation intended for the emergency braking operation has been performed. In this case, the process of step 140 is performed next. On the other hand, dSPM / C/ Dt ≧ Th2Is not established, the time T1After that, it can be determined that the operation intended for the emergency braking operation is not performed. In this case, the current routine is terminated without any further processing.
[0091]
In step 140, the counter C2A process for starting the operation of is performed. Counter C2Is a counter that automatically increments the count value with the passage of time after the start of operation is commanded as described above. As described above, while the ON signal is not being output from the
[0092]
In step 141, a process of setting the flag FCASE3 to "1" is executed. The flag FCASE3 indicates the time T1Although the condition of the emergency braking operation was not satisfied at the time of, this flag indicates that an operation having a possibility of the emergency braking operation has been performed thereafter. When the process of step 141 ends, the process of step 142 is executed next.
[0093]
In step 142, the counter C2Count value C2Is determined to have reached the predetermined time ΔT. The predetermined time ΔT is the change rate dSP when the braking operation by the driver is an emergency braking operation.M / C/ Dt continues to be the threshold Th2Is the time that is expected to exceed. As a result of the above determination, C2If it is determined that ≧ ΔT is not established, the current routine is terminated without any further processing.
[0094]
After the routine is terminated in this way, if the routine is started again without terminating the braking operation, it is determined in step 137 that FCASE3 = 1 is established. In this case, steps 138 to 141 are jumped, and immediately after step 137, the processing of step 142 is executed. As a result of the above processing being repeated, step 1422If it is determined that ≧ ΔT is satisfied, the process of step 144 is performed next. Hereinafter, C2The time when ≧ ΔT holds is referred to as the time ΔT.
[0095]
In step 144, as in step 138, the dSPM / C/ Dt ≧ Th2Is determined. As a result, dSPM / C/ Dt ≧ Th2Is not established, the time TSTAAt this point, the condition of the emergency braking operation was satisfied, but it can be determined that the condition was not continued for ΔT, that is, the braking operation by the driver was not an emergency braking operation. In this case, in
[0096]
As described above, the counter C2And the flag FCASE3 is a change rate dSP that causes the flag FCASE3 to be set to “1” in addition to the case where the ON signal is not output from the
[0097]
In the above step 144, dSPM / C/ Dt ≧ Th2Is satisfied, the time TSTAIt can be recognized that the condition of the emergency braking operation has been continuously satisfied from the time point to the time point ΔT. In this case, the time T1Although the emergency braking operation has not been performed at the time point of, it can be determined that the driver has performed the emergency braking operation. For this reason, when such a determination is made, the process of
[0098]
FIG. 7A shows a detection value SP realized when an operation intended for an emergency braking operation is performed after the braking operation is started without intending the emergency braking operation.M / C(Curve indicated by (1) in FIG. 7 (A)) and the detection value SP realized when the
[0099]
According to the above processing, the time T1At the point of time SPM / CIs "SPM / CEven if the determination condition of ≧ Th1 ″ is not satisfied, the time TSTAAt the time of dSPM / C/ Dt ≧ Th2Holds, and at the time ΔT, dSPM / C/ Dt ≧ Th2Is established, the BA control can be started. Time TSTAAt the time of dSPM / C/ Dt ≧ Th2Holds at the time ΔT even ifM / C/ Dt ≧ Th2If is not established, the start of the BA control can be prohibited.
[0100]
As described above, in the braking pressure control device of the present embodiment, the BA control can be started even if the driver's braking operation is not intended to be an emergency braking operation from the beginning, and the braking operation can be set at predetermined intervals. At the two time points, the BA control is not executed unless both the predetermined determination conditions are satisfied. Therefore, according to the braking pressure control device of the present embodiment, it is possible to cope with the emergency braking operation by pushing the
[0101]
By the way, in the above embodiment, the time T1And the time TSTAAnd the time ΔT, it is determined whether or not the different determination conditions are satisfied. However, the present invention is not limited to this. Is also good. In the above embodiment, the time TSTAAnd the time ΔT, it is determined whether the same determination condition is satisfied. However, the present invention is not limited to this, and it is also possible to determine whether different determination conditions are satisfied at these time points. Good.
[0102]
Further, in the above embodiment, the time T1If the establishment of the emergency braking condition is denied at the time point of, the determination of the success or failure of the determination condition is to be performed at two time points later, but the number of time points at which the determination condition is satisfied is limited to two. Instead, the success / failure determination may be performed at three or more points.
[0103]
In the above embodiment, the time TSTAThe determination condition corresponding to the time point and the determination condition corresponding to the time point ΔT are both contents that can determine whether the braking operation amount is maintained or increased. According to such determination conditions, it is possible to accurately determine whether or not the driver is requesting a larger braking force. For this reason, according to the braking pressure control device of the present embodiment, the content of the braking pressure control can be maintained at a content that accurately reflects the driver's intention.
[0104]
In the above embodiment, at the time ΔT at which the last success / failure determination is made, the change rate dSP corresponding to the speed of the braking operationM / CIt is determined whether or not / dt satisfies a predetermined determination condition. Change rate dSPM / C/ Dt simply represents a state in which the braking operation is maintained or increased, and a state in which the braking operation is decreasing. Therefore, according to the braking pressure control device of the present embodiment, the intention of the driver can be accurately estimated.
[0105]
In the above embodiment, the stroke amount S generated on the
[0106]
In the above embodiment, the time T1At time T2At time TSTAAnd the time point of time ΔT corresponds to the “plurality of time points” in the above-described “1.M / CAnd its rate of change dSPM / C/ Dt is the “characteristic value” according to
[0107]
In the above embodiment, the "operation change direction judging means" is realized by the
[0108]
【The invention's effect】
As described above, according to the first to third aspects of the present invention, it is possible to accurately estimate the driver's intention based on the state of the braking operation at a plurality of time points. Therefore, according to the braking pressure control device of the present invention, a favorable braking feeling can be always maintained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a system configuration diagram of a braking pressure control device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a flowchart of an example of a control routine executed in the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is an example of a map of a threshold value Th1 used in the control routine shown in FIG. 2;
FIG. 4 is a detection value SP when an emergency braking operation is intended;M / CAnd the detected value SP when the brake pedal is depressed at high speed and lightly without intending the emergency braking operationM / CFIG. 7 is a diagram showing an example of a change in the comparison.
FIG. 5 is a flowchart (part 1) of an example of a control routine executed in a second embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a flowchart (part 2) of an example of a control routine executed in a second embodiment of the present invention.
FIG. 7A is a detection value SP when an emergency braking operation is intended;M / CValue SP when the brake pedal is depressed lightly at high speed without intention of emergency braking operationM / CFIG. 9 is a diagram showing a comparison with another example of the change of the image.
FIG. 7B shows the detection value SP shown in FIG.M / CRate of change dSPM / CFIG. 5 is a diagram showing / dt in comparison.
[Explanation of symbols]
10 Electronic control unit (ECU)
26 Regulator switching solenoid (STR)
30 brake pedal
32 master cylinder
40,88 Oil pressure sensor
44FL, 44FR, 44RL, 44RR, 44** Wheel cylinder
46 First assist solenoid (SA-1)
48 2nd assist solenoid (SA-2)
50 Right front wheel holding solenoid (SFRH)
52 Left front wheel holding solenoid (SFLH)
54 3rd assist solenoid (SA-3)
58 Right front wheel pressure reducing solenoid (SFRR)
64 Front left wheel holding solenoid (SFLR)
68 Right rear wheel holding solenoid (SRRH)
70 Left rear wheel holding solenoid (SRLH)
74 Right rear wheel pressure reducing solenoid (SRRR)
80 Left rear wheel holding solenoid (SRLR)
PW / C Wheel cylinder pressure
PACC Accumulator pressure
PRE Regulator pressure
SPM / C Detection value of oil pressure sensor 40
dSPM / C/ Dt detection value SPM / CRate of change
Claims (3)
前記複数の時点で検出された複数の特性値のそれぞれが、前記複数の時点のそれぞれに対応して設定された判定条件を満たすか否かを判別する条件成否判別手段と、
前記複数の時点で各判定条件が全て満たされた場合に、制動圧力制御を開始すべきであると判断する制御内容変更手段と、を備え、
前記各判定条件の何れにも、前記特性値として検出されたマスタシリンダの圧力が所定値以下である場合に満たされるとする条件は含まれていないことを特徴とする制動圧力制御装置。After the braking operation is started, braking characteristic value detecting means for detecting a characteristic value corresponding to the state of the braking operation at a plurality of times,
Condition satisfaction determination means for determining whether each of the plurality of characteristic values detected at the plurality of time points satisfies a determination condition set corresponding to each of the plurality of time points,
When all of the determination conditions are satisfied at the plurality of times, a control content changing unit that determines that the braking pressure control should be started ,
The braking pressure control device according to any one of the preceding claims, wherein any of the determination conditions does not include a condition that is satisfied when the pressure of the master cylinder detected as the characteristic value is equal to or less than a predetermined value .
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