JP3567114B2 - 画像監視装置及び画像監視方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ITV(Intelligent Television)カメラ等の撮像手段を用いて、所望の対象物(領域)の自動監視を行う画像監視装置および画像監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ITVカメラ等の撮像手段により得られる監視領域内の映像から、不審人物や車両等の侵入を自動的に検知する画像処理技術は、これまでも主にセキュリティ分野において用いられており、監視員の長時間に及ぶ監視業務の軽減や、監視に必要な人員数を減らすといった費用削減効果があった。
【0003】
このような自動監視装置において映像中の変化を検知する画像処理手法としては、時系列的に連続して撮影された複数の画像(フレーム)間や、予め作成した背景画像と現時点の画像との間で差分を求める方法がある。
【0004】
このように複数の画面の差分を求めて画像の変化を検出した結果、監視領域内において任意の変化が見られた場合(多く場合には大きな変化があったとき)には、監視領域内に何らかの侵入あるいは異常が起こったものとして警告信号を出す、というのが従来の画像監視装置であった。
【0005】
ところが、監視領域内で大きな画像変化が発生したときに警告を出すといった単純な判定基準を用いた場合には、天候や日照などの時刻変動等による画像変化を「侵入有り、警告発」と誤って検知する場合があった。
【0006】
また、撮像装置であるカメラ自体が持つAGC(Auto Gain Control)等の自動調整機能の影響によって侵入物の位置を正しく検出することができなかった。
【0007】
また、カメラの設置条件によっては、自動車や電車等の車両がカメラの設置場所近くを通過した場合や、強い風の影響等によりカメラ自体が振動することにより画像が変化し、これを「侵入」と誤って検知する場合もあった。
【0008】
このような誤検知により本来の検知目的である人物や物体の侵入による画像変化だけを正しく検知できていなかった。
【0009】
さらに、撮影の環境条件として、晴れか曇りか雨か霧かといった天候や、昼か夜かといった日照状態があるが、これらの環境条件は自動監視装置の検知性能を大きく左右する要因である。これら要因が存在するにもかかわらず、カメラで撮影しているだけでは各種条件を判断することができなかった。
【0010】
したがって、自動監視装置の誤動作を減らして性能を高めるためには、他のセンサや人手による入力作業なる他の手段に頼って天候や日照条件に関する情報を獲得して自動監視装置の検知条件をその時間における最適様式に設定するしかなく、手間や設置等の費用が高くなるという問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたような従来の画像監視装置では、画像変化の検出方式や判定基準が単純であるため、天候や日照条件等の環境条件の変動やカメラ自体の振動や自動調整機能のために侵入物だけを正しく検知できないという問題点があった。また、検知性能を大きく左右する環境条件を他の手段に頼ってしか獲得することができないという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、画像から求められる特徴量の統計的分布から、本来の検知目的である人物や物体の侵入による画像変化と、環境条件の変動やカメラの振動や自動調整機能による画像変化とを自動的に判定し、また天候や日照状態を自動的に推定することにより、人物や物体の侵入以外による誤検知を減少させ、検知性能を大幅に向上させる画像監視装置および画像監視方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の画像監視装置は、所定の撮像装置から得られる画像が入力される画像入力部と、画像入力部により入力された画像の特徴量の分布を求める特徴分布算出部と、特徴分布算出部にて求められた特徴量の分布から背景領域による特徴量の分布のピークを求め、このピークを所定時刻毎に追跡し画像の変化状態を算出する画像変化追跡部と、画像変化追跡部により求められた変化状態の算出結果から、追跡した背景領域による特徴量の分布のピークの変動を環境条件や撮影条件の変動による画像変化と判定し、それ以外の特徴量の分布を上記画像変化とは異なる画像変化と判定する判定部とから構成される。あるいはまた、所定の撮像装置から得られる画像が入力される画像入力部と、画像入力部により入力された画像の背景領域による特徴量の分布を求める特徴分布算出部と、特徴分布算出部にて求められた背景領域による特徴量の分布の平均値と分布状態とから画像の変化状態を算出する画像変化追跡部と、画像変化追跡部により求められた変化状態の算出結果から、平均値のみが変動している場合には環境条件が変化しているものと判定し、分散のみが変動している場合には撮影条件が変化しているものと判定し、両者ともに変動している場合には画像内への侵入であると判定する結果判定部とから構成される。
【0014】
また、本発明の画像監視方法は、所定の撮像装置から得られる画像が入力される画像入力ステップと、この画像入力ステップにて入力された画像の特徴量の分布を求める特徴分布算出ステップと、この特徴分布算出ステップにて求められた特徴量の分布から背景領域による特徴量の分布のピークを求め、このピークを所定時刻毎に追跡し画像の変化状態を算出する画像変化追跡ステップと、この画像変化追跡ステップにて求められた変化状態の算出結果から、追跡した背景領域による特徴量の分布のピークの変動を環境条件や撮影条件の変動による画像変化と判定し、それ以外の特徴量の分布を上記画像変化と異なる画像変化と判定する結果判定ステップとを有する。あるいはまた、所定の撮像装置から得られる画像が入力される画像入力ステップと、この画像入力ステップにより入力された画像の背景領域による特徴量の分布を求める特徴分布算出ステップと、この特徴分布算出ステップにて求められた背景領域による特徴量の分布の平均値と分布状態とから画像の変化状態を算出する画像変化追跡ステップと、この画像変化追跡ステップにより求められた変化状態の算出結果から、平均値のみが変動している場合には環境条件が変化しているものと判定し、分散のみが変動している場合には撮影条件が変化しているものと判定し、両者ともに変動している場合には画像内への侵入であると判定する結果判定ステップとを有する。
【0015】
また、本発明のコンピュータを動作させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、任意の撮像手段から得られる画像を入力する画像入力機能と、前記画像入力手段に入力された画像の任意の特徴量の統計的分布を求める特徴分布算出機能と、前記特徴分布算出手段にて求められた特徴分布から画像の変化状態を算出する画像変化算出機能と、前記画像変化算出手段にて求められた変化状態の算出結果から検知目的の人物や物体の侵入を判定する結果判定機能とからなるプログラムを記憶し、画像から求められる特徴量の統計的分布から、環境条件や撮影条件の変動による画像変化と、検知目的の人物や物体の侵入による画像変化と区別して検出することを特徴とする。
【0016】
また、各機能において得られた種々の情報は、光ディスクや磁気記録媒体などの記録媒体に記録することができ、また適宜ディスプレイなどの表示手段に表示することもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の構成について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明の第1実施形態の画像監視装置の実施形態のブロック図であり、図2は本発明の画像監視方法の第1実施形態のフローチャートであり、図3は画像内での検知領域の設定例を示す図であり、図4は特徴分布の算出方法の説明図であり、図5は条件の異なる2つの時刻において算出された特徴分布の説明図であり、図6は撮像装置の自動調整機能が働いた場合の特徴分布算出の説明図であり、図7は画像変化算出手段からの結果を用いて画像を補正する方法の説明図であり、図8は補正後の画像において背景差分処理を行った場合の説明図である。
【0019】
画像監視装置は、画像入力部11と、特徴分布算出部12と、画像変化追跡部13(画像変化算出部)と、結果判定部14とが縦続接続されている。
【0020】
画像入力部11には、ITVカメラなどの任意の撮像装置101が接続されている。また、結果判定部14には、判定結果を表示するディスプレイなどの表示装置102と、判定結果を画像監視装置外部に出力(送信)する通信装置103とが設けられている。尚、通信装置103は、無線で情報を所定地まで送信することもオンラインで送信することもできる。
【0021】
このような構成からなる実施形態の動作について説明する。
【0022】
(1)撮像装置101によって所定の監視領域が撮像される。撮像された画像は画像入力部11に送られる(画像入力ステップ)。
【0023】
(2)撮像装置101から連続して出力される映像信号は、画像入力部11において、逐次A/D変換される。変換後の映像信号は、画像入力部11内に設けられる記憶部にディジタル画像あるいは画像列として蓄積される。また、任意時刻の画像全体の画素、あるいは任意時刻の任意領域の画素を、後段の特徴分布算出手段2に出力する(画像入力ステップ)。
【0024】
(3)画像入力部11から出力される情報から、画像入力部11に蓄積される画像あるいは画像列の任意時刻あるいは任意領域について予め設定されている特徴量を算出し、その統計的な分布を求める(特徴分布算出ステップ)。
【0025】
ここで、特徴量とは、各画素あるいは任意領域において求めることが可能な任意の情報を示す。例えば、各画素における明度や色情報といった単純なものから、空間あるいは時間による微分あるいは積分結果、任意の画像フィルタの重畳結果、平均や分散といった統計量等、さらには予め作成した背景画像との差分処理等、任意の物体検出あるいは領域分割処理を行った結果、および結果から選られる領域のフィレ径や面積、動き量等、画像から算出可能な任意のスカラー量あるいはベクトル量、さらには任意の特徴量の組み合わせを用いることが可能である。
【0026】
本実施形態では、上述した特徴量のうち、画像の各時刻・各画素での明度値と、予め作成されている背景画像での各画素での明度値との差を、特徴量として用いる。
【0027】
つまり、撮像された画像と背景画像との差分処理により、画像変化を検出する方式が基礎となっており、かつ画像は各画素での明度情報からなり(濃淡画像)、また何らかの手段により背景画像が作成されているものとする。
【0028】
背景画像の作成方式としては任意の方法が可能である。例えば、(ア)1時刻(フレーム)、あるいは特定の時刻だけ前の画像をそのまま背景画像として用いる(この場合、連続差分方式となる)、(イ)人物や物体の侵入がないと分かっている画像列から1つの画像を抜き出して用いる、(ウ)その画像列の各画素で明度、あるいは任意の特徴量の平均や重み付き和を求める等任意の演算を行って作成する、(エ)撮影した画像列(侵入があるかどうか不明な場合でも構わない)において各画素の明度、あるいは任意の特徴量の時系列に対してメディアンフィルタやカルマンフィルタを適用するといった任意の演算を行うことにより作成すること、があげられる。
【0029】
また、このようにして作成された背景画像は、時刻によって更新されても良いし、一度作られた背景画像を使用し続けて更新しなくとも良い。
【0030】
今、時刻tに撮影された画像の画素(x、y)での明度値をI(x、y、t)、その時刻における背景画像の同じ位置の画素の明度値をB(x、y、t)とする(背景画像は時間的に更新される場合、tが変化すれば背景画像の明度値Bも変化する)。
【0031】
特徴量である背景画像との差分値D(x,y,t)は、以下の式(1)にて求められる。
【0032】
【数1】
ここで、背景との差を表す値Dは、上記のような減算によって求めても良いし、背景画素の明度値Bで除算して背景との変化比として求めても良い等、任意の演算によって求めることができる。
【0033】
時刻tでの特徴分布F(t)は、画像中に設定されている検知領域Rに属する各画素(x,y)について特徴量を求め、この統計的な分布を求めることにより算出される。検知領域Rは、画像全体でも良いし、図3に示すように任意の形状に設定することができる。
【0034】
ここでは、特徴分布Fを単純に差分値D(特徴量)のヒストグラムとして求めると、図4のグラフが得られる。ヒストグラムとして特徴分布を求める場合を記述すれば、以下の通りである。
【0035】
【数2】
である。
【0036】
このようにして、任意の時刻tでの特徴分布F(t)が得られることになる。
【0037】
図4では、検知領域が矩形に設定されていて、その検知領域内に画像が図示されている。また、撮影した画像が背景画像に比べて変化がない場合であるため、特徴分布Fは単峰で平均0の正規分布に近い形となっている。
【0038】
(4)画像変化追跡部13では、特徴分布算出部12において上記のように算出された任意時刻tでの特徴分布の時間的な変化を解析し、その結果を次の結果判定部14に伝える(画像変化算出ステップ)。
【0039】
今、図5に示すように、2つの時刻t1、t2で特徴分布F(t1)、F(t2)が得られている場合を例にして、画像変化追跡部13での処理について説明する。
【0040】
図5では、時刻t1では人物や車両等の侵入物はなく、背景との変化はほとんどない。これに対して時刻t2においては、雲が晴れる等の日照強度の変動があって画面全体で明るくなるという環境変動があるとともに、人物(背景より明度が暗い)の侵入がある場合を示している。
【0041】
時刻t1では、時刻t1における撮像画像と、背景画像との差(明度差)がほとんどないため、前述した図4と同様に特徴分布F(t1)は平均0の単峰の分布となる。
【0042】
これに対して時刻t2で得られる特徴分布F(t2)は、人物以外の背景領域の各画素の明度値が一律に大きくなる(明るくなる)ため、背景部分からくる分布の平均値は0よりも大きくなり(p22)、人物領域による分布は背景よりも暗い部分に小さくできることになり(p21)、特徴分布F(t2)はこれら2つの分布を合わせた二峰性のものとして得られる。
【0043】
ここで、従来の単純な撮像画像と背景画像との差分処理によって画像変化を検出する。
【0044】
つまり各画素でのDの値の大小で変化を検出する場合では、時刻t2では背景そのものの明度変化が侵入人物による明度変化よりも大きいため、単に変化量の大きさだけで判定した場合には、侵入人物だけでなく背景全体を画像変化として誤って検出してしまう等、侵入人物だけを正しく検出できない。
【0045】
このような背景差分における弊害を避けるため、画像変化追跡部13では、背景領域による特徴分布のピーク(峰)を各時刻で算出することにより、背景変動による画像変化と物体の侵入による画像変化とを区別している。
【0046】
まず、各時刻での特徴分布のピークを求める。時刻t1では1つしかないため簡単にピークが得られるが、時刻t2ではピークが2つ(複数)あるため、各々のピークを区別する必要がある。
【0047】
ピークを区別して求める方法としては、最も単純には特徴分布での極大値となるところをピークと見做す方法がある。また、複雑な分布を複数の正規分布等の和で近似するEMアルゴリズムといった方法がある(参考文献1、2参照方)。
【0048】
[参考文献1]…A. Dempster, N. Laird, and D. Rubin, Maximum likelihood from incomplete data via the EM algorithm, Journal of the Royal Statistical Society, 39 (Series B): 1−38, 1977.
[参考文献2]…N. Friedman, S. Russell, Image Segmentation in video sequences: A probabilistic approach, Proc. Thirteenth Conf. on Uncertainty in Artificial Intelligence (UAI), 1997
この方法を用いると、平均μ、標準偏差σの正規分布p(x)を以下のように表し、
【数3】
p21、p22に相当する正規分布の平均、標準偏差、重みといったパラメータをμ21、σ21、w21と、μ22、σ22、w22とで表せば、特徴分布F(t2)は、以下のように2つの正規分布の重み付き和で近似でき、p21とp22とを区別することができる。
【0049】
【数4】
ここで、時刻t2において人物侵入領域だけを正しく検知できるようにするには、複数(この例では2つ)の分布のうちのどちらが背景領域によるものかを判定する必要がある。
【0050】
このために、以前の時刻t1での背景領域による分布(この例の場合p1しかない)との分布の近さを求め、近いもの同士が背景領域による分布であると認定して、各時刻での背景領域の分布を算出する。分布の近さSとしては、例えば各分布でのパラメータ同士のユークリッド距離を以下のように算出することができる。
【0051】
【数5】
分布の近さSとしては、パラメータ間の距離だけでなく、各分布を用いての任意の演算によって算出することが可能である。
【0052】
このようにして近さSをp21、p22で求め、p1と近い方が背景領域による分布であることがわかる(この例ではp22となる。図5右側の下向の矢印)。
【0053】
以上のようにして、画像変化追跡部13では、各時刻での背景領域の分布を追跡し、その結果を次の結果判定部14に送る。
【0054】
以上述べた実施形態では、背景での環境変動がある場合について説明したが、他にもカメラ等の撮像手段が持つAGC等の自動調整機能により画像が変化を起こす場合がある。
【0055】
図6では、各時刻t1〜t4での特徴分布列F(t1)〜F(t4)がそれぞれ撮像された画像の右側(図中)に求められ記載されているが、この例では環境変動(撮像領域の変更)がないにもかかわらず、検知領域内に白色の車両が侵入することにより、画像全体に明度変化が発生する場合を示している。
【0056】
侵入前の時刻t1では、撮影した画像と背景画像との間に大きな変化がないため、特徴分布F(t1)は、図4と同様に単峰の分布として得られている。
【0057】
続いて、時刻t2、t3、t4と経過するにつれて車両が進入してくると、車両が白色であって、その撮像される領域(車両の部分の画素)が背景に比べて明るく、かつ大きな領域として捉えられているため、特徴分布のプラスの部分にもうひとつのピーク(峰)ができ始めて徐々に大きくなり、双峰性の特徴分布が得られる。
【0058】
このとき、明るい(白色)車両領域の侵入により、カメラのAGC機能が働いて画像全体を暗くする方向に明度を補正してしまうため、本来環境変化のない背景領域においても、明度が暗くなってしまう。このようにカメラの自動調整機能が働く場合においては従来の監視装置では、画像変化から侵入する物体だけを正しく検知することができなかったが、本発明の画像変化追跡部13を用いることによって、背景が変動している場合でも特徴分布を時間的に追跡した上で(図6グラフの下向の矢印)、次の工程で詳細を説明する結果判定を行うことにより、侵入物の領域か背景領域かを区別して検出することができる。
【0059】
(5)最後に、結果判定部14では、時系列的に前の画像変化追跡部13にて求められた画像変化の追跡情報を用いて画像処理を行った後に、撮影された画像中に人物や物体等の侵入があるかどうかを判定する(判定ステップ)。
【0060】
図5(時刻t2において背景変動と人物侵入がある場合)における結果判定を説明する。
【0061】
画像変化算出手段3では、背景領域の特徴分布が追跡されているため(図5中p1→p22)、この情報を用いて時刻t2での画像を補正することにより、背景変動による明度(特徴量)変化の影響を取り除く。
【0062】
つまり、時刻t2での背景領域の分布p22の平均値μ22を用いて、この値だけ画像の各画素の明度値を減算して背景変動分を補正すると、図7下段に示すように背景部分の明度は予め作成されている背景画像と同じにすることができる。このとき背景領域の分布はp22´となり、平均値もμ22´となる。なお、補正前の時刻t2における画像は図7中段の通りである。
【0063】
ここで、画像を補正する方法としては、本実施形態に示す通り、特徴量として撮像された画像と背景画像との差Dを用いる場合には、背景分布の平均値だけ各画素の明度値から減算することもでき、また撮像された画素の明度値と背景画素の明度値との変化比など他の特徴量を用いる場合には、その特徴算出方法に応じた任意の方式により画像を補正することができる。
【0064】
画像を補正することなく背景画像との差分処理を行えば、前述したとおり、背景全体が画像変化として検出される恐れがある。しかしながら、本実施形態のように、補正した後の画像を用いて背景画像との差分処理を行えば、図8に示すように背景変動は検出されず、侵入した物体の領域のみが検出されることになる。
【0065】
このようにして、日照変化といった環境変動やカメラの自動調整機能により背景部分の画像が変化してしまった場合でも、監視装置本来の検知目的である人物や物体の侵入だけを正しく検知することができ、使用者に対して誤って警告を発する等の誤動作を大幅に減少させることができる。
【0066】
次に、本発明の画像監視方法の第2実施形態の構成、動作について図9を参照して説明する。
【0067】
第2実施形態の特徴は、差分処理の結果から環境条件や撮像条件の変化を推定することにより、検出された画像変化が検知目的であるか否かの判定を行い信頼性を向上させることである。
【0068】
図9は、種々の条件において撮像された画像から算出される特徴分布図である。
【0069】
撮像された画像と背景画像との差分処理によって画像中の変化を検出し、人物や物体の侵入を検知しようとする場合、撮影した画像が背景画像に対してほとんど変化していない時には、特徴分布(ここでは、これまでの例と同様に、背景画像との明度差を特徴量として用いる場合について説明を行う)は、平均値0の単峰の正規分布状になり(図9上段)、日照変動等の環境変動だけの影響により撮影した画像全体の明度が変わる(例えば暗くなる)場合には、特徴分布の形は保ったままで平均値が0から例えば右側にずれる(図9中段)。
【0070】
ただし、図9上段、中段の図では、侵入物はないものと考え、特徴分布は背景領域の特徴分布と等しいものとする。
【0071】
また、カメラ等の撮像手段の設置条件が悪く、自動車や電車等の車両が近くを通過した場合や、強い風の影響等によりカメラ自体が振動する場合には、画像中に撮影されている背景物体の位置がずれることにより、特徴分布の平均値は同じままで分散が大きくなる。
【0072】
これらのことから、撮影した画像において求めた特徴分布の変化から逆に、その時刻での環境条件や撮影条件の変化を特徴分布の変化から推定することができる。
【0073】
例えば、背景領域の特徴分布の平均値だけが変化した場合には日照強度の変動など環境条件が変化しており、また平均値はそのままで分散だけが変化した場合にはカメラが振動するなど撮影条件が変化していると判定することができる。
【0074】
このようにして、背景差分等の画像処理によって画像変化を検出する場合、特徴分布からその時刻での環境条件や撮影条件の変化を推定することにより、検出された画像変化が真に人物や物体の侵入によるものなのか否か、環境条件や撮影条件の変化によるものなのか否かを判断するための指標として用いることができる。
【0075】
また、環境条件や撮影条件の変化が起こっていると判定される場合には、使用者に対して警告を発しないようにするなど、画像監視装置の誤動作を大幅に減少させることができる。
【0076】
次に、本発明の画像監視方法の構成、動作について図10を参照して説明する。
【0077】
第3実施形態の特徴は、差分処理の結果から画像を撮影している時刻における天候や日照状態を推定し、真の検知目的である対象物の抽出の信頼性を向上させたことである。
【0078】
図10は、様々な天候や日照状態(時刻)において算出された特徴分布図である。
【0079】
画像変化算出手段3において、複雑な形状の特徴分布であっても複数の正規分布の和で近似できる方法があることは第1実施形態でも述べたが、このようにして特徴分布の各ピークを区別することにより、画像を撮影している時刻での天候や日照状態を推定することができる。
【0080】
図10上段図は、画像中に車両の侵入がある場合の特徴分布の例を示しているが(背景変動はないものとする)、第1実施形態でも述べたように、物体の侵入がある場合には背景領域によるピークと侵入物領域によるピークとの2つ(複数)の分布が足し合わされたような多峰性の特徴分布になる。
【0081】
この上段図では、天候が曇りである場合を想定しているが、図10中段図のように、天候が晴れである場合には、侵入物体の「影」が画像中に映り、この影の領域による分布が特徴分布内の背景による分布よりも暗いところに現れる。
【0082】
また、時刻が変わって夜間になった場合、車両がヘッドライトを点灯するため、このヘッドライトの映り込み領域の分布が他の分布よりも明るいところに現れる。
【0083】
さらに、図示しないが、雨や雪が降っているような天候であれば、雨滴等による小さな画像変化が多数現れることにより、観測される背景領域による特徴分布が晴れや曇りのときに比べて、その分散が大きく観測される等、特徴分布の性質が変化する可能性がある。
【0084】
このようにして、特定の特徴分布のピークや性質を計測することにより、画像を撮影した時刻が昼間であるか夜間であるかといった時間帯(日照条件)に関する情報や、その時刻において撮像領域が晴れているか曇っているか雨や雪が降っているか霧が出ているかといった天候状態を推定することができる。
【0085】
また、他の各種センサや人手による撮像環境などの入力作業といった手段に頼らずとも、撮影した画像から天候や日照状態を推定でき、推定結果に基づいて画像監視装置の条件を最適に設定することにより(カメラの感度の上げ下げや、検知領域の再設定等)、誤動作を大幅に減少させ検知目的対象物の検知の信頼性を向上させることができる。
【0086】
尚、本発明は上記実施形態には限定されず、その主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、撮像装置を複数設けることにより、検知対象物を特定する信頼性を向上させることができる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、画像監視装置の検知性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像監視装置の第1実施形態のブロック図。
【図2】本発明の画像監視方法の第1実施形態のフローチャート。
【図3】画像内での検知領域の設定例を示す図。
【図4】特徴分布の算出方法の説明図。
【図5】条件の異なる2つの時刻において算出された特徴分布の説明図。
【図6】撮像装置の自動調整機能が働いた場合の特徴分布の算出の説明図。
【図7】画像変化算出手段からの結果を用いて画像を補正する方法の説明図。
【図8】補正後の画像において背景差分処理を行った場合の説明図。
【図9】本発明の画像監視方法の第2実施形態を説明する種々の条件において撮像された画像から算出される特徴分布図。
【図10】本発明の画像監視方法の第3実施形態を説明する様々な天候や日照状態において算出された特徴分布図。
【符号の説明】
11 画像入力部
12 特徴分布算出部
13 画像変化追跡部(画像変化算出部)
14 結果判定部
101 撮像装置
102 表示装置
103 通信装置
Claims (8)
- 所定の撮像装置から得られる画像が入力される画像入力部と、
前記画像入力部により入力された画像の特徴量の分布を求める特徴分布算出部と、
前記特徴分布算出部にて求められた特徴量の分布から背景領域による特徴量の分布のピークを求め、このピークを所定時刻毎に追跡し画像の変化状態を算出する画像変化追跡部と、
前記画像変化追跡部により求められた変化状態の算出結果から、追跡した背景領域による特徴量の分布のピークの変動を環境条件や撮影条件の変動による画像変化と判定し、それ以外の特徴量の分布を前記画像変化とは異なる画像変化と判定する結果判定部と、
が設けられることを特徴とする画像監視装置。 - 前記画像変化追跡部において、前記背景領域の特徴量の分布のピーク位置を求め、このピーク位置に応じて画像背景変動分に応じて補正し、この補正された画像と背景画像とを差分処理を行うことを特徴とする請求項1記載の画像監視装置。
- 前記画像変化追跡部において、前記差分処理を行った画像を用いて背景画像を更新することを特徴とする請求項2記載の画像監視装置。
- 所定の撮像装置から得られる画像が入力される画像入力部と、
前記画像入力部により入力された画像の背景領域による特徴量の分布を求める特徴分布算出部と、
前記特徴分布算出部にて求められた背景領域による特徴量の分布の平均値と分布状態とから画像の変化状態を算出する画像変化追跡部と、
前記画像変化追跡部により求められた変化状態の算出結果から、平均値のみが変動している場合には環境条件が変化しているものと判定し、分散のみが変動している場合には撮影条件が変化しているものと判定し、両者ともに変動している場合には画像内への侵入であると判定する判定部と、
が設けられることを特徴とする画像監視装置。 - 所定の撮像装置から得られる画像が入力される画像入力ステップと、
前記画像入力ステップにて入力された画像の特徴量の分布を求める特徴分布算出ステップと、
前記特徴分布算出ステップにて求められた特徴量の分布から背景領域による特徴量の分布のピークを求め、このピークを所定時刻毎に追跡し画像の変化状態を算出する画像変化追跡ステップと、
前記画像変化追跡ステップにて求められた変化状態の算出結果から、追跡した背景領域による特徴量の分布のピークの変動を環境条件や撮影条件の変動による画像変化と判定し、それ以外の特徴量の分布を前記画像変化と異なる画像変化と判定する結果判定ステップと、
を有することを特徴とする画像監視方法。 - 前記画像変化追跡ステップにおいて、前記背景領域の特徴量の分布のピーク位置を求め、このピーク位置に応じて画像背景変動分に応じて補正し、この補正された画像と背景画像とを差分処理を行うことを特徴とする請求項5記載の画像監視方法。
- 前記画像変化追跡ステップにおいて、前記差分処理を行った画像を用いて背景画像を更新することを特徴とする請求項6記載の画像監視方法。
- 所定の撮像装置から得られる画像が入力される画像入力ステップと、
前記画像入力ステップにより入力された画像の背景領域による特徴量の分布を求める特徴分布算出ステップと、
前記特徴分布算出ステップにて求められた背景領域による特徴量の分布の平均値と分布状態とから画像の変化状態を算出する画像変化追跡ステップと、
前記画像変化追跡ステップにより求められた変化状態の算出結果から、平均値のみが変動している場合には環境条件が変化しているものと判定し、分散のみが変動している場合には撮影条件が変化しているものと判定し、両者ともに変動している場合には画像内への侵入であると判定する判定ステップと、
を有することを特徴とする画像監視方法。
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