JP3566954B2 - 合波器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合波器に係わり、特に、テレビジョン送信設備、あるいは移動通信基地局設備において、各周波数の送信電力を合成する合波器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図11に示すように、従来のテレビジョン送信設備では、各送信機(図示せず)から出力されるnチャネルの送信信号を、端子(T1〜Tn)を介して合波器10に入力し、合波器10でnチャネルの送信信号を合成してアンテナ(ANT)から放射している。
そして、従来、図11に示す合波器10としては、例えば、図12、図13、あるいは、図14に示す合波器が使用されている。
図12に示す合波器は、スターポイント形合波器と呼ばれるもので、共通端子(TC)に、帯域通過フィルタ(以下、単に、BPFという)(B1〜B4)を並列に接続したものである。
ここで、各BPF(B1〜B4)は、端子(T1〜T4)から入力される所定チャネルの送信信号を通過させる。なお、図12において、Toは出力端子である。
このスターポイント形合波器は、チャネル数が多い場合には、各チャネル間の干渉のために特性が劣化するという問題点があり、そのため、チャネル数が多い場合には、図13、あるいは、図14に示す合波器が使用される。
【0003】
図13に示す合波器は、CIB形合波器と呼ばれるものであり、出力側ハイブリッド回路(H11,H21,H31,H41)と、入力側ハイブリッド回路(H12,H22,H32,H42)と、出力側ハイブリッド回路の第1の端子(T1)と第2ハイブリッド回路の第2の端子(T2)との間に接続されるBPF(B11,B21,B31,B41)と、出力側ハイブリッド回路の第4の端子(T4)と入力側ハイブリッド回路の第3の端子(T3)との間に接続されるBPF(B12,B22,B32,B42)とから構成されるCIB(定インピーダンス帯域通過フィルタ)が縦続接続されて構成される。
ここで、一対のBPF(B11,B12)〜BPF(B41,B42)は、端子(T1〜T4)から入力される所定チャネルの送信信号を通過させる。
また、出力側ハイブリッド回路(H11,H21,H31,H41)と、入力側ハイブリッド回路(H12,H22,H32,H42)は、各出力端子(例えば、端子(T2)と端子(T3))の出力が互いに90°の位相差を有し、振幅がほぼ等しくなるように構成される。
【0004】
図13に示す回路構成において、例えば、端子(T1)から入力される所定チャネルの送信信号は、入力側ハイブリッド回路(H12)の第1の端子(T1)に入力され、第2の端子(T2)および第3の端子(T3)から出力される。
そして、BPF(B11,B12)を通って、出力側ハイブリッド回路(H11)の第1の端子(T1)および第4の端子(T4)に入力され、出力側ハイブリッド回路の第3の端子(T3)から出力され、第2の端子(T3)には出力されない。
この出力側ハイブリッド回路(H11)から出力された所定チャネルの送信波は、出力側ハイブリッド回路(H21)の第2の端子(T2)に入力され、出力側ハイブリッド回路(H21)の第1の端子(T1)および第4の端子(T4)から出力された後、BPF(B21,B22)で反射され、再度、出力側ハイブリッド回路(H21)の第1の端子(T1)および第4の端子(T4)に入力され、出力側ハイブリッド回路(H21)の第3の端子(T3)から出力される。以下、同様にして、出力端子(To)から出力される。
また、端子(T2〜T4)から入力される所定チャネルの送信信号も、同様にして、出力端子(To)から出力される。なお、図13において、Rは無反射終端器である。
【0005】
図14に示す合波器は、図12に示すスターポイント形合波器と、図13に示すCIB形合波器とを組み合わせたもので、CIB形合波器を構成する出力側ハイブリッド回路(H51)の第2の端子(T2)に、BPF(B1〜B4)を並列に接続したものである。
端子(T5〜T8)から入力される所定チャネルの送信信号は、前述した動作により、出力端子(To)から出力される。
各BPF(B1〜B4)から出力された所定チャネルの送信波は、出力側ハイブリッド回路(H51)の第2の端子(T2)に入力され、出力側ハイブリッド回路(H51)の第1の端子(T1)および第4の端子(T4)から出力された後、BPF(B51,B52)で全反射され、再度、出力側ハイブリッド回路(H51)の第1の端子(T1)および第4の端子(T4)に入力され、出力側ハイブリッド回路(H51)の第3の端子(T3)から出力される。以下、同様にして、出力端子(To)から出力される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13、図14に示すCIB形合波器は、合波するチャネル数をnとするとき、2n個のハイブリッド回路が必要であり、分波器のコストが上昇するという問題点があった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、使用するハイブリッド回路の数を低減し、コストを低減することが可能な合波器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明の合波器は、CIB形合波器にスターポイント形合波器を組み込み、使用するハイブリッド回路の数を低減したことを特徴とする。
即ち、本発明は、第1の端子に異なるチャネルの送信信号が入力されるn個の入力側ハイブリッド回路の第2の端子に接続されるn個の第1の帯域通過フィルタで、第1のスターポイント形合波器を構成し、かつ、第1の端子に異なるチャネルの送信信号が入力されるn個の入力側ハイブリッド回路の第3の端子に接続されるn個の第2の帯域通過フィルタで、第2のスターポイント形合波器を構成し、前記第1のスターポイント形合波器の共通端子を、出力側ハイブリッド回路の第1の端子に、また、前記第2のスターポイント形合波器の共通端子を、出力側ハイブリッド回路の第4の端子に接続することにより、出力側ハイブリッド回路を1個のハイブリッド回路で構成し、出力側ハイブリッド回路の数を低減した合波器である。
また、本発明は、出力側ハイブリッド回路の第2の端子に、第1および第2のスターポイント形合波器とは異なる第3のスターポイント形合波器を接続した合波器である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1の合波器の概略構成を示す回路図である。
同図に示すように、本実施の形態の合波器では、4個の入力側ハイブリッド回路(H1、H2,H3,H4)の第1の端子(T1)に、それぞれ異なるチャネルの送信信号が入力される。
4個の入力側ハイブリッド回路(H1、H2,H3,H4)の第2の端子(T2)に接続される4個の第1のBPF(B11,B21,B31,B41)を共通端子(TC1)に並列に接続し、第1のスターポイント形合波器を構成する。同様に、4個の入力側ハイブリッド回路(H1、H2,H3,H4)の第3の端子(T3)に接続される4個の第2のBPF(B12,B22,B32,B42)を共通端子(TC2)に並列に接続し、第2のスターポイント形合波器を構成する。
そして、第1のスターポイント形合波器の共通端子(TC1)を、出力側ハイブリッド回路(HC)の第1の端子(THC1)に、また、前記第2のスターポイント形合波器の共通端子(TC2)を、出力側ハイブリッド回路(HC)の第4の端子(THC4)に接続する。
なお、本実施の形態において、入力側および出力ハイブリッド回路は、出力端子間の出力電圧が互いに90°の位相差を有するとともに、振幅がほぼ等しくなるように構成されたハイブリッド回路であれば、任意のハイブリッド回路が使用可能である。
【0009】
以下、本実施の形態の合波器において、出力側ハイブリッド回路(HC)の第3の端子(THC3)から合波された送信信号が出力されることを説明する。
図2に示すハイブリッド回路において、結合係数Cが、1/√2(C=1/√2)、並びに、端子(T2)あるいは端子(T3)に信号を印加したときに、端子(T1)および端子(T4)から出力される信号の位相差(θ)が、λ/4(=90°)であるときの、ハイブリッド回路の〔S〕マトリクスは、下記(1)式で表される。
【0010】
【数1】
【0011】
図1に示す回路構成において、各入力側ハイブリッド回路(H1〜H4)の第1の端子(T1)に、Ekの電圧を印加したときに、各入力側ハイブリッド回路(H1〜H4)の第2の端子(T2)から出力される電圧(E2)は、下記(2)式で表され、各入力側ハイブリッド回路(H1〜H4)の第3の端子(T3)から出力される電圧(E3)は、下記(3)式で表される。
【数2】
E2=Ek/√2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)
E3=−jEk/√2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)
また、端子(TB11,TB21,TB31,TB41)と各入力側ハイブリッド回路(H1〜H4)の第2の端子(T2)とを接続する伝送線路の長さを、L11、L21、L31、L41とし、端子(TB12,TB22,TB32,TB42)と各入力側ハイブリッド回路(H1〜H4)の第3の端子(T3)とを接続する伝送線路の長さを、L12、L22、L32、L42とするとき、L11=L12=nλ1、L21=L22=nλ2、L31=L32=nλ3、L41=L42=nλ4とすると、前記(2)式に示す電圧が、端子(TB11,TB21,TB31,TB41)に、前記(3)式に示す電圧が、端子(TB12,TB22,TB32,TB42)に印加される。
なお、λ1は、BPF(B11,B12)を通過する送信信号の中心周波数の波長、同様に、λ2は、BPF(B21,B22)を通過する送信信号の中心周波数の波長、λ3は、BPF(B31,B32)を通過する送信信号の中心周波数の波長、λ4は、BPF(B41,B42)を通過する送信信号の中心周波数の波長である。
【0012】
端子(TB11,TB21,TB31,TB41)、および端子(TB12,TB22,TB32,TB42)に印加された電圧は、各BPF(B11〜B41,B12〜B42)を通過して、共通端子(TC1,TC2)に印加されるが、共通端子(TC1)に印加される電圧(EC1)は下記(4)式で表され、また、共通端子(TC2)に印加される電圧(EC2)は下記(5)式で表される。
【数3】
EC1=Ek×e−θ/√2 ・・・・・・・・・・・・・ (4)
EC2=−jEk×e−θ/√2 ・・・・・・・・・・・・・ (5)
なお、e−θは、各BPF(B11〜B41,B12〜B42)を通過するときの位相変動分を示す。
したがって、出力側ハイブリッド回路の第1端子から出力される電圧(EHC1)、第2の端子から出力される電圧(EHC2)、第3の端子から出力される電圧(EHC3)、並びに、第4の端子から出力される電圧(EHC4)を、前記(1)式を用いて計算すると、下記(6)式のようになる。
この(6)式から分かるように、各入力側ハイブリッド回路(H1〜H4)の第1の端子(T21)に印加される所定チャネルの送信信号は、出力側ハイブリッド回路の第3の端子(EHC3)から合波されて出力される。
【0013】
【数4】
【0014】
従来のCIB形合波器では、合波するチャネル数をnとするとき、使用するハイブリッド回路の数は、2n個必要であるの対して、本実施の形態の合波器では、使用するハイブリッド回路の数は、(n+1)個でよく、使用するハイブリッド回路数を、従来よりも、(n+1)/2n少なくすることができる。
例えば、図1に示すように、合波するチャネル数が4の場合は、従来のCIB形合波器では、ハイブリッド回路が8個必要であるのに対して、本実施の形態の合波器では、ハイブリッド回路は5個でよく、使用するハイブリッド回路数を、従来よりも、3個少なくすることができる。
また、合波するチャネル数が8の場合は、従来のCIB形合波器では、図15に示すように、ハイブリッド回路が16個必要であるのに対して、本実施の形態の合波器では、ハイブリッド回路は9個でよく、使用するハイブリッド回路数を、従来よりも、7個少なくすることができる。
したがって、本実施の形態の合波器では、従来のCIB形合波器よりも、コストを低減することができ、さらに、大きさと重量も、従来のCIB形合波器よりも、(n+1)/2nに小さくすることが可能となる。
【0015】
図3は、スターポイント形合波器の入力アドミッタンス、あるいは、出力アドミッタンスを説明するための回路図であり、図4は、図3に示す各BPF(B1〜Bn)の入力アドミッタンス、あるいは、出力アドミッタンスを説明するための図である。
図4に示すように、BPF(Bk)は、Yinkの規格化された入力アドミッタンスと、Youtkの規格化された出力アドミッタンスを有しているものとすると、図3に示す各BPF(B1〜Bn)として、図4に示すBPF(Bk)を使用する場合には、BPF(Bk)の出力アドミッタンス(Youtk)は、共振周波数(fk;BPFを通過する各チャネルの送信信号の中心周波数)においてほぼ1(Youtk≒1)で、共振周波数以外の周波数でほぼ0(Youtk≒0)である必要がある。
即ち、各BPF(B1〜Bn)の出力回路は以下の条件を満足する必要がある。
(1)共振周波数(fk)において直列共振回路であること。
(2)共振周波数(fk)において並列共振回路であるときには、λ/4線路を介して(1)と等価条件にすること。
【0016】
また、図3に示す各BPF(B1〜Bn)として、図4に示すBPF(Bk)を使用する場合に、入力アドミッタンス(Yink)は、共振周波数(fk)においてほぼ1(Yink≒1)で、共振周波数以外の周波数でほぼ0(Yink≒0)、あるいは無限大(Yink≒∞)であってもよい。
一般的には、入力アドミッタンス(Yink)は、共振周波数以外の周波数でほぼ0(Yink≒0)のものが使用される。これは、UHF〜SHF帯におけるBPFでは、Yin≒Youtの特性のものが多いからである。
図3に示す回路構成において、出力側の電圧反射係数(Γout)と、出力アドミッタンスとの関係は、下記(7)式で表され、入力側の電圧反射係数(Γin)と、入力アドミッタンスとの関係は、下記(8)式で表される。
【数5】
ここで、Yoは伝送線路の特性アドミッタンスであり、Yo=1である。
【0017】
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2の合波器の概略構成を示す回路図である。
本実施の形態の合波器は、出力側ハイブリッド回路(HC)の第2の端子(THC2)に、BPF(B1,B3,B5,B7)が並列接続されて構成される第3のスターポイント形合波器の共通端子(TC3)が接続される点で、前述の実施の形態1の合波器と相違する。
以下、本実施の形態の合波器において、各BPF(B1,B3,B5,B7)に印加される所定チャネルの送信信号が、出力側ハイブリッド回路(HC)の第3の端子(THC3)から合波されて出力されることを説明する。
図5に示す回路構成において、各BPF(B1,B3,B5,B7)を通過して、出力側ハイブリッド回路(HC)の第2の端子(THC2)に印加される電圧をEinkの電圧としたときに、出力側ハイブリッド回路(HC)の第1の端子(THC1)から出力される電圧(EHC1)は下記(9)式で表され、第4の端子(THC4)から出力される電圧(EHC1)は下記(10)式で表される。
【数6】
EHC1=Eink/√2 ・・・・・・・・・・・・・・ (9)
EHC4=−jEink/√2 ・・・・・・・・・・・・・ (10)
【0018】
前述の(9)式で表される電圧は、BPF(B21,B41,B61,B81)で反射されて、再度、出力側ハイブリッド回路(HC)の第1の端子(THC1)に印加され、その時の電圧は、[(Γout×Eink)/√2]で表される。
また、前述の(10)式で表される電圧は、BPF(B22,B42,B62,B82)で反射されて、再度、出力側ハイブリッド回路(HC)の第4の端子(THC4)に印加され、その時の電圧は、[(−jΓout×Eink)/√2]で表される。
この時に、出力側ハイブリッド回路(HC)の第1端子から出力される電圧(EHC1)、第2の端子から出力される電圧(EHC2)、第3の端子から出力される電圧(EHC3)、並びに、第4の端子から出力される電圧(EHC4)を、前記(1)式を用いて計算すると、下記(11)式のようになる。
【0019】
【数7】
【0020】
前述の(11)式から分かるように、各BPF(B1,B3,B5,B7)を通過して、出力側ハイブリッド回路(HC)の第2の端子(THC2)に印加される所定チャネルの送信信号は、出力側ハイブリッド回路の第3の端子(EHC 3)から出力される。
例えば、合波するチャネル数が8の場合は、従来のCIB形合波器では、図15に示すように、ハイブリッド回路が16個必要であるのに対して、本実施の形態の合波器では、ハイブリッド回路は5個でよく、使用するハイブリッド回路数を、従来の合波器よりも、11個少なくすることができ、また、前述の実施の形態の合波器よりも、4個少なくすることができる。
したがって、本実施の形態の合波器では、従来のCIB形合波器よりも、コストを低減することができ、さらに、大きさと重量も、従来のCIB形合波器よりも小さくすることが可能となる。
【0021】
本実施の形態において、端子(T1〜T8)に、例えば、1ないし8チャネルの連続するチャネルの送信信号が入力される場合を考える。
この場合に、隣接するチャネルの送信波を通過させる2つのBPFが、その減衰域において、伝送特性と反射特性とがオーバラップする部分(重なり部分)を有していると、出力端子(To)から出力される送信信号の挿入損失と、帯域内振幅偏差が増大する。
例えば、図5において、端子(T1)に入力される1チャネルの送信信号を通過させるBPF(B1)の伝送特性と、端子(T2)から入力される2チャネルの送信信号を通過させるBPF(B21,B22)の反射特性とが、その減衰域でオーバラップしていると、出力側ハイブリッド回路(HC)の第1の端子(THC1)と第4の端子(THC4)から出力される1チャネルの送信信号は、BPF(B21,B22)で全反射されず、一部はBPF(B21,B22)を通過し、無反射終端器(R)に吸収されることになる。
これにより、1チャネルの送信信号は挿入損失が増大するとともに、通過帯域のエッジ部分の減衰量が増大し、通過帯域内の振幅偏差が大きくなる。
【0022】
そのため、端子(T1〜T8)に、例えば、連続するチャネルの送信信号が入力される場合には、BPF(B21,B22,B41,B42,B61,B62,B81,B82)として、高選択度形のBPFを使用する必要がある。
端子(T2,T4,T6,T8)から入力される送信信号は、出力側ハイブリッド回路(HC)の第2の端子(THC2)から出力されず、端子(T2,T4,T6,T8)から入力される送信信号は、BPF(B1,B3,B5,B7)の影響を受けることはない。
そのため、端子(T1〜T8)に、連続するチャネルの送信信号が入力される場合であっても、BPF(B1,B3,B5,B7)として、低選択度形のBPFを採用することが可能である。勿論、BPF(B1,B3,B5,B7)として、高選択度形のBPFを使用しても構わない。
なお、前述の説明から明らかなように、端子(T1〜T8)に入力される送信信号が、連続するチャネルの送信信号を含まない場合には、BPF(B21,B22,B41,B42,B61,B62,B81,B82)として、低選択度形のBPFを採用することができる。
【0023】
本実施の形態のBPF(B21,B22,B41,B42,B61,B62,B81,B82)に使用される高選択度形のBPFとして、HEモード誘電体共振器を使用するBPFを使用した場合の周波数特性を図6ないし図8に示す。
図6は、減衰特性を示すグラフであり、横軸は周波数(MHz)で、メモリ間隔は2MHz、縦軸は減衰量(dB)で、メモリ間隔は5dBである。
図6において、BPFの中心周波数(fo)は581MHzであり、図6に示す減衰特性において、周波数が577.8MHz(図6のグラフの4の点)のときの減衰量は、−15.04dB、周波数が584.2MHz(図6のグラフの5の点)のときの減衰量は、−11.35dBであり、(fo±3.2MHz)で大きな減衰量を有し、立ち上がり特性、および下がり特性が急峻となっていることが分かる。
図7は、図6に示すグラフを拡大して示すグラフであり、横軸のメモリ間隔は1MHz、縦軸のメモリ間隔は1dBである。
図7に示す減衰特性において、周波数が578.2MHz(図7のグラフの2の点)のときの減衰量は、−0.43dB、周波数が583.8MHz(図7のグラフの3の点)のときの減衰量は、−0.45dBであり、(fo−2.8MHz)≦fo≦(fo+2.8MHz)の帯域内で減衰量が0.5dB以下と、帯域内振幅偏差が少ないことが分かる。
図8は、反射特性を示すグラフであり、横軸は周波数(MHz)で、メモリ間隔は2MHz、縦軸は減衰量(dB)で、メモリ間隔は5dBである。
図6に示す減衰特性において、周波数が577.8MHz(図8のグラフの4の点)のときの減衰量は、−0.66dB、周波数が578.2MHz(図8のグラフの2の点)のときの減衰量は、−33.05dB、周波数が578.2MHz(図8のグラフの3の点)のときの減衰量は、−28.67dB、周波数が584.2MHz(図8のグラフの5の点)のときの減衰量は、−0.66dB、であり、(fo±3.2MHz)から(fo±2.8MHz)までの間に大きく減衰しており、立ち上がり特性、および下がり特性が急峻となっていることが分かる。
【0024】
本実施の形態のBPF(B1,B3,B5,B7)として、低選択度形のBPFを採用したときの周波数特性を図9、図10に示す。
図9は、減衰特性を示すグラフであり、横軸は周波数(MHz)で、メモリ間隔は10MHz、縦軸は減衰量(dB)で、メモリ間隔は10dBである。
図10は、図9に示すグラフを拡大して示すグラフであり、横軸のメモリ間隔は1MHz、縦軸のメモリ間隔は1dBである。
図9、図10において、BPFの中心周波数(fo)は527MHzであり、図9、図10に示す減衰特性において、周波数が524MHz(図10のグラフの2の点)のときの減衰量は、−0.4dB、周波数が530MHz(図10のグラフの3の点)のときの減衰量は、−0.46dBであり、(fo−3MHz)≦fo≦(fo+3MHz)の帯域内で減衰量が0.5dB以下の平坦な振幅特性を有していることが分かる。
図9、図10に示すBPF(B1,B3,B5,B7)では、BPFを通過する送信信号の中心周波数をfoとするとき、(fo±3MHz)内の信号も通過するが、出力側ハイブリッド回路(HC)の第1の端子(THC1)と第4の端子(THC4)から出力され、BPF(B21,B22,B41,B42,B6 1,B62,B81,B82)反射されるときに、(fo±2.8MHz)内以外の信号は、BPF(B21,B22,B41,B42,B61,B62,B81,B82)を通過し、無反射終端器(R)に吸収される。
しかしながら、図9、図10に示すBPF(B1,B3,B5,B7)は、通過帯域内の振幅偏差がほとんど平坦な特性を得ることができるので、出力端子(To)から出力される送信信号の通過帯域内の帯域内振幅偏差を少なくすることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0025】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明の合波器によれば、使用するハイブリッド回路の数を低減し、コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の合波器の概略構成を示す回路図である。
【図2】一般のハイブリッド回路を説明するための図である。
【図3】スターポイント形合波器の入力アドミッタンス、あるいは、出力アドミッタンスを説明するための回路図である。
【図4】図3に示す各BPF(B1〜Bn)の入力アドミッタンス、あるいは、出力アドミッタンスを説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態2の合波器の概略構成を示す回路図である。
【図6】本発明の実施の形態2の帯域通過フィルタ(B21,B22,B41,B42,B61,B62,B81,B82)に使用される高選択度形の帯域通過フィルタの一例の減衰特性を示すグラフである。
【図7】図6に示すグラフを拡大して示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態2の帯域通過フィルタ(B21,B22,B41,B42,B61,B62,B81,B82)に使用される高選択度形の帯域通過フィルタの一例の反射特性を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態2の帯域通過フィルタ(B1,B3,B5,B7)に使用される低選択度形の帯域通過フィルタの一例の減衰特性を示すグラフである。
【図10】図9に示すグラフを拡大して示すグラフである。
【図11】従来のテレビジョン送信設備を説明するための模式図である。
【図12】従来の合波器の一例を示す回路図である。
【図13】従来の合波器の他の例を示す回路図である。
【図14】従来の合波器の他の例を示す回路図である。
【図15】従来の合波器の他の例を示す回路図である。
【符号の説明】
10…合波器、ANT…アンテナ、R…無反射終端器、B…帯域通過フィルタ、H…ハイブリッド回路。
Claims (2)
- 第3の端子から合波されたn(n≧2)チャネルの送信信号が出力される出力側ハイブリッド回路と、
第1の端子に、nチャネルの送信信号の中の異なるチャネルの送信信号が入力されるn個の入力側ハイブリッド回路と、
前記各入力側ハイブリッド回路の第2の端子と、前記出力側ハイブリッド回路の第1の端子との間に接続され、前記各入力側ハイブリッド回路の第1の端子に入力されるチャネルの送信信号を通過させるn個の第1の帯域通過フィルタと、
前記各入力側ハイブリッド回路の第3の端子と、前記出力側ハイブリッド回路の第4の端子との間に接続され、前記各入力側ハイブリッド回路の第1の端子に入力されるチャネルの送信信号を通過させるn個の第2の帯域通過フィルタとを備えることを特徴とする合波器。 - 第3の端子から合波された(m+n)(m≧2、n≧2)チャネルの送信信号が出力される出力側ハイブリッド回路と、
第1の端子に、nチャネルの送信信号の中の異なるチャネルの送信信号が入力されるn個の入力側ハイブリッド回路と、
前記各入力側ハイブリッド回路の第2の端子と、前記出力側ハイブリッド回路の第1の端子との間に接続され、前記各入力側ハイブリッド回路の第1の端子に入力されるチャネルの送信信号を通過させるn個の第1の帯域通過フィルタと、
前記各入力側ハイブリッド回路の第3の端子と、前記出力側ハイブリッド回路の第4の端子との間に接続され、前記各入力側ハイブリッド回路の第1の端子に入力されるチャネルの送信信号を通過させるn個の第2の帯域通過フィルタと、
前記出力側ハイブリッド回路の第2の端子に並列に接続され、mチャネルの中の異なるチャネルの送信信号を通過させるm個の第3の帯域通過フィルタを備えることを特徴とする合波器。
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