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JP3565274B2 - バイポーラトランジスタ - Google Patents

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JP3565274B2 JP2002048498A JP2002048498A JP3565274B2 JP 3565274 B2 JP3565274 B2 JP 3565274B2 JP 2002048498 A JP2002048498 A JP 2002048498A JP 2002048498 A JP2002048498 A JP 2002048498A JP 3565274 B2 JP3565274 B2 JP 3565274B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、III−V族化合物半導体で形成されたバイポーラトランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
III−V族化合物半導体で形成されるバイポーラトランジスタの一つに、トンネリング・エミッタ・バイポーラ・トランジスタ(Tunneling Emitter Bipolar Transistor:TEBT)がある。これは、例えば、文献(1)IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS, Vol. EDL−7, No.7, July 1986、或いは文献(2)Appl. Phys. Lett. 50(26), 29 June 1987に報告されている。文献(1)に記載されるTEBTにおいては、ベース層とエミッタ層はGaAsから形成される。これらの層の間には、GaAsよりエネルギーバンドギャップが大きいAlGaAsからなる挿入層が設けられている。また、このAlGaAs挿入層の厚さは3nmから20nmとされている。このような構成においては、電子は、挿入層をトンネル現象により通過し、エミッタ層からベース層に効率よく注入されるが、正孔は電子に比べてトンネル確率が小さいため、ベース層からエミッタ層への正孔の注入は抑制される。しかも、TEBTの高周波特性を改善するため、ベース抵抗を下げた場合においても、正孔の注入は抑制されることができる。このため、上記の構成とすることにより、電流増幅率の向上と高周波特性の改善とが両立されたバイポーラトランジスタが得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らは、TEBTの電気的特性を更に改善するために鋭意研究を重ね、以下の課題を見出した。上述のAlGaAs層のように、ベース層に比べてエネルギーバンドギャップが大きい半導体で構成される挿入層は、電子がトンネルできる程度薄い。しかも、ベース抵抗を下げるため、ベース層には高濃度に不純物が添加されている。このため、エミッタコンタクト層の伝導帯とベース層の価電子帯との間で生じる再結合電流が増大してしまう。再結合電流が増加するとベース電流が増加し、電流増幅率が低下する事態となっていた。
【0004】
そこで、本発明は、ベース電流の増加を引き起こす再結合電流が抑制され、電流増幅率の低下が防止されるバイポーラトランジスタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面に係るバイポーラトランジスタは、半導体基板と、半導体基板上に設けられたコレクタ層と、コレクタ層上に設けられたベース層と、ベース層上に設けられたエミッタ層と、エミッタ層上に設けられたエミッタコンタクト層と、エミッタコンタクト層とエミッタ層との間に設けられた半導体層と、を備える。エミッタ層は、ベース層よりも大きいエネルギーバンドギャップを有する。半導体層は、エミッタ層よりも小さいエネルギーバンドギャップを有する。半導体層は、エミッタコンタクト層よりも低いキャリア濃度を有する。キャリア濃度は、エミッタ層からエミッタコンタクト層へ向かう方向に沿って増加する。半導体層のキャリア濃度は1×10 18 cm −3 以下である。エミッタ層の厚さは2nm以上30nm以下である。
【0006】
この構成においては、半導体層のキャリア濃度が上記の通りとされ、空乏層がエミッタキャップ層まで広がる。そのため、エミッタコンタクト層の伝導帯とベース層の価電子帯との間で生じる再結合電流が十分に防止される。したがって、電流増幅率の低下が防止される。また、上記構成のバイポーラトランジスタのエミッタ層は、ベース層およびエミッタコンタクト層よりも大きいエネルギーバンドギャップを有し、且つ、電子がトンネルできる程度の厚さを有する。このため、電子がエミッタキャップ層からベース層へ容易に注入される。
【0008】
また、空乏層がエミッタ層から半導体層内まで広がることができる。そのため、エミッタキャップ層の伝導帯とベース層の価電子帯との間で生じる再結合電流を十分に防止することができる。したがって、電流増幅率の低下が防止されることができる。
【0009】
半導体層のキャリア濃度は1×1018cm−3以下である。このようにすれば、空乏層がエミッタ層から半導体層へ確実に広がることができる。
【0010】
エミッタ層の厚さは2nm以上30nm以下である。エミッタ層の厚さがこの程度であれば、正孔がエミッタ層をトンネルするのを阻害できると共に、電子はエミッタ層を確実にトンネルできる。また、この程度の厚さであれば、正孔のトンネルが阻害されるため、ベース電流が不要に増加されるのが防止され、電流増幅率が向上される。
【0011】
さらに、ベース層のキャリア濃度は、2.5×1019cm−3以上であると好適である。このようにすれば、ベース抵抗を低減できるため、電流増幅率を増加できる。しかも、エミッタ層が上述の通りの構成を有しているため、ベース層のキャリア濃度をこのように高くしても、エミッタキャップ層とベース層との間の再結合電流を抑制できる。
【0012】
また、上記の構成のバイポーラトランジスタは、半導体基板およびコレクタ層の間にサブコレクタ層を更に備え、サブコレクタ層は、コレクタ層よりもキャリア濃度が高く、コレクタ層よりも面積が小さいと好適である。このようにすれば、サブコレクタ層により実効的なコレクタ領域が画定される。そのため、ベース・コレクタ間の静電容量が低減される。すなわち、当該バイポーラトランジスタにおいては、上述の通り電流増幅率の低下が防止されると共に、高周波特性が向上される。
【0013】
上記エミッタ層はInPから形成され、上記ベース層はInGaAsから形成されると好ましい。また、エミッタ層はInAlAsから形成され、ベース層はInGaAsから形成されることもできる。これらいずれの場合にも、本発明に係るバイポーラトランジスタが好適に構成されることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るバイポーラトランジスタの好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、InP基板を用いて製造されるHBTについて説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面においては、InP基板上に成長される各エピタキシャル層の層厚の比率など、寸法比率は説明のものとは必ずしも一致していない。また、結晶面方位および結晶軸方向は、例示的に示されたものであり、結晶学的に等価な面方位および軸方向を含む。
【0015】
一形態のバイポーラトランジスタ)初めに、HBTの構成について説明する。図1(A)は、HBTの平面図である。図1(B)は、図1(A)のI−I線に沿った断面図である。図1(C)は、図1(A)のII−II線に沿った断面図である。図1(A)において、I−I線は半導体結晶の結晶方位の〔01−1〕方向に沿った線であり、II−II線は半導体結晶の結晶方位の〔011〕方向に沿った線である。
【0016】
図1(B)において、HBT1は、半絶縁性InP基板2と、同基板2の(100)面上に形成されたバッファ層30と、バッファ層30上に形成されたサブコレクタ層40と、バッファ層30およびサブコレクタ層40の上に形成されたコレクタ層50と、コレクタ層50上のベース層60と、ベース層60上のエミッタ層70と、エミッタ層70の上方に形成されたエミッタコンタクト層80とを有する。エミッタ層70とエミッタコンタクト層80との間には、半導体層90が設けられている。
【0017】
バッファ層30は、アンドープInGa1−xAs(以下、InGaAs)から構成され、膜厚は300〜500nm程度である。サブコレクタ層40は、n型InGaAsより構成され、膜厚は300〜500nm程度である。サブコレクタ層40は、図1(A)〜(C)に図示の通り、平面形状は略長方形に形成されており、その長辺が結晶方位の〔011〕方向に沿って延びている。また、サブコレクタ層40の側面は、図1(B),(C)に示す通り、いずれも順メサ状に形成される。また、サブコレクタ層40にはSiが高濃度に添加されている。サブコレクタ層40の電子濃度の範囲は、0.5×1019〜2.0×1019−3である。
【0018】
コレクタ層50は、n型InGaAsより構成され、膜厚は300〜500nm程度である。コレクタ層50は、平面形状が略長方形であり、一対の辺は結晶方位の〔011〕方向に沿い、他の一対の辺は〔01−1〕方向に沿う。コレクタ層50にはSiが添加されており、これによりコレクタ層50の電子濃度は1×1016〜5×1016−3の範囲となっている。ベース層60は、p型InGaAsより構成され、膜厚は約50nmである。ベース層60にはZnまたは炭素(C)が高濃度に添加されており、ベース層60の正孔濃度は1×1019〜3×1019cm−3の範囲である。
【0019】
エミッタ層70は、n型InPより構成され、その膜厚は10nm程度である。エミッタ層70は、ベース層60と同一の平面形状を有する。エミッタ層70にはSiが添加されている。エミッタ層70の電子濃度は4×1018cm−3程度である。また、エミッタ層70の厚さは、電子がエミッタ層70をトンネルできる程度とされる。このようにすれば、電子はエミッタコンタクト層80からベース層60へ注入されることができる。具体的には、エミッタ層70の厚さは、2nm以上30nm以下が好ましい。エミッタ層70の膜厚が2nmより薄いと、電子ばかりでなく正孔もまたエミッタ層70をトンネルしてしまう。すなわち、正孔がベース層60からエミッタコンタクト層80へ注入されてしまう。そのため、ベース電流が増加し、電流増幅率が低下してしまう。また、エミッタ層70の膜厚が30nmより厚いと、電子はエミッタ層70をトンネルし難くなってしまう。また、後述の通り、エミッタ層70上にはベース電極16が形成され、エミッタ層70をトンネルしてベース電流が流れる。ここで、エミッタ層70が30nmより厚いと、ベース電流が流れ難くなり、トランジスタの動作が劣化してしまうこととなる。
【0020】
図1(B)を参照すると、HBT1は、エミッタ層70上に設けられた半導体層90と、半導体層90上に設けられたエミッタコンタクト層80とを有する。エミッタコンタクト層80および半導体層90は、エミッタ層70上においてサブコレクタ層40と重なり合うよう形成されている。ここで、エミッタコンタクト層80および半導体層90は、結晶方位〔011〕方向に沿って形成される側面に逆メサ形状を有している。また、同〔01−1〕方向に沿って形成される側面に順メサ形状を有している。
エミッタコンタクト層80および半導体層90は、Siが添加されたn型InGaAsから形成されている。エミッタコンタクト層80および半導体層90の厚さおよび電子濃度を例示すると、以下の通りである。
・エミッタコンタクト層80: 190nm、2×1019cm−3
・半導体層90: 20nm、4×1017cm−3
【0021】
エミッタコンタクト層80および半導体層90のいずれについても、電子濃度は各層内においてほぼ均一に分布している。上記の通り、半導体層90の電子濃度は、エミッタコンタクト層80の電子濃度よりも約2桁低い。エミッタ層70に接する半導体層90の電子濃度がこの程度低いと、ベース層60とエミッタ層70とがpn接合されて生じる空乏層は半導体層90まで広がることができる。そのため、半導体層90内は概ね空乏化されることとなる。
【0022】
なお、上述の通り、エミッタ層70(InP)を除く他の層は、InGa1−xAs半導体から成る。そして、この半導体のIn組成比xはInP基板に対して格子整合するように選択され、好ましくはx=0.53である。ここで、格子整合とは半導体層の格子定数と基板の格子定数との差が概ね−0.1〜+0.1%の場合を意味する。
【0023】
図1(C)を参照すると、HBT1は、サブコレクタ層40上にコレクタ電極15を有する。コレクタ電極15上には引き出し配線25が設けられている。また、図1(B)を参照すると、エミッタ層70上にベース電極16を有し、エミッタコンタクト層80上にエミッタ電極18を有する。エミッタコンタクト層80のキャリア濃度は2×1019cm−3程度であるため、エミッタコンタクト層80とエミッタ電極18とのオーム性接触が容易に実現される。ベース電極16上には引き出し配線26が設けられ、エミッタ電極18上には引き出し配線28が設けられている。
【0024】
これらの電極15,16,18は、チタン(Ti)、白金(Pt)、および金(Au)といった金属から構成される。また、引き出し配線25,26,28は、アルミニウム(Al)により構成される。サブコレクタ層40の周囲は順メサ形状を有しているため、図1(B)に示す通り、ベース電極16はサブコレクタ層40のエッジで鈍角状に折れ曲がることとなる。そのため、ベース電極16に加わる応力が低減される。よって、引き出し配線26の信頼性を向上でき、スクリーニング検査といった検査工程が簡略化されることができる。
【0025】
さらに、HBT1は、各電極15,16,18の間の絶縁と半導体層の保護のために、絶縁膜31、32を備える。絶縁膜31,32は窒化ケイ素(Si、以下SiN)から成ることができる。
【0026】
次に、HBT1の動作について説明する。今、エミッタ接地回路においてHBT1を動作させる場合を考えると、ベース・エミッタ電流は以下の経路を通って流れる。すなわち、ベース・エミッタ電流は、ベース−エミッタ間に印加される順バイアス電圧により、ベース電極16からエミッタ層70をトンネルしてベース層60へ流れ、さらにベース層60中を流れエミッタ領域に達する。この電流は、再び、エミッタ層70のエミッタ領域を通過してエミッタコンタクト層80へと流れ、エミッタ電極18に至る。
【0027】
ベース・エミッタ電流がこのように流れるとともに、コレクタ・エミッタ電流が以下のように流れる。すなわち、コレクタ−エミッタ間に印加される電圧によって、コレクタ・エミッタ電流は、コレクタ電極15から、サブコレクタ層40、コレクタ層50、ベース層60、エミッタ層70、およびエミッタコンタクト層80を順次経てエミッタ電極18へと流れる。
【0028】
HBT1においては、サブコレクタ層40の電子濃度はコレクタ層50の電子濃度よりも約3桁高いため、サブコレクタ層40の上面全面からコレクタ層50へと電流が流れる。この電流はベース層60へと流れる。すなわち、コレクタ層50の電流通過部が電流増幅に寄与する実効的なコレクタ領域としての役割を有している。言い換えると、サブコレクタ層40により、コレクタ層50内に実効的なコレクタ領域が画定されている。
【0029】
さらに、コレクタ・エミッタ電流は、コレクタ領域からベース層60を介してエミッタ層70に流れる。このとき、この電流は、エミッタコンタクト層80に流れ込むようにエミッタ層70の一部分を流れる。すなわち、エミッタ層70のこの部分が電流増幅に寄与する実効的なエミッタ領域として機能する。また、ベース電極16が形成されているエミッタ層70の部分は、電流増幅に寄与するエミッタ領域としてではなく、ベース・エミッタ電流の経路として働く。
【0030】
次に、図2(A),(B)および図3(A),(B)を参照しながら、HBT1が有する効果について説明する。図2は比較のためのHBT(以下、HBT50)の構造を説明する図であり、図2(A)はHBT50の断面を示し、図2(B)は、HBT50の半導体層の電子濃度分布を示す。図3は、HBT1の効果をHBT50と対比して説明する図であり、図3(A)はHBT50のゼロバイアス時のエネルギーバンド構造を示し、図3(B)はHBT1のゼロバイアス時のエネルギーバンド構造を示す。これらのエネルギーバンド構造は、各層のバンドギャップエネルギーおよびキャリア濃度に基づいて数値計算により得られたものである。図3(A),(B)において、線ECは伝導帯の最小エネルギーレベルを示し、線EVは価電子帯の最大エネルギーレベルを示す。また、同図において、横軸はエミッタコンタクト層80の表面(エミッタ電極18との界面)からの深さを示す。
【0031】
HBT1の効果を理解し易くするため、先ず、比較のためのHBT50について説明する。図2(A)を参照すると、HBT50は、エミッタ層70とエミッタコンタクト層800との間に半導体層を有していない。このエミッタコンタクト層800の厚さは210nm程度である。しかも、エミッタコンタクト層800の電子濃度は、図2(B)に示す通り、2×1019cm−3程度であり、エミッタ層70との界面からエミッタコンタクト層800の表面(エミッタ電極18との界面)に向かう方向に略均一に分布している。半導体層を有していない点、およびエミッタコンタクト層800の厚さが異なる点を除き、HBT50は、HBT1と同一の構成を有するよう作製されている。
【0032】
図3(A)において、EC,E,B,C,およびSCで示す領域は、順にエミッタコンタクト層800、エミッタ層70、ベース層60、コレクタ層50、およびサブコレクタ層40に対応する。図3(A)を参照すると、ベース層の価電子帯の最大エネルギーレベルEは、半導体層の伝導帯の最小エネルギーレベルEよりも高くなっている。しかも、エミッタ層の厚さは10nm程度である。このため、図中に矢印で示すように、再結合電流Iが流れてしまう。このような再結合電流がHBT50の動作時に発生すれば、ベース電流が増加することとなるため、エミッタ接地電流増幅率βが低下してしまう可能性がある。
【0033】
図3(B)において、EC,EC,E,B,C,およびSCで示す領域は、順にエミッタコンタクト層80、半導体層90、エミッタ層70、ベース層60、コレクタ層50、およびサブコレクタ層40に対応する。図3(B)を参照すると、ベース層の価電子帯の最大エネルギーレベルEは、エミッタコンタクト層80の伝導帯の最小エネルギーレベルEよりも高くなっている。しかしながら、図3(A)と比較すると分かるように、エミッタコンタクト層80の伝導帯とベース層の価電子帯との間隔Dは、HBT50に比べて大きい。このような比較的大きな間隔Dは、エミッタ層70とエミッタコンタクト層80との間に、厚さが20nm程度である半導体層90が設けられているために生じる。すなわち、半導体層90のキャリア濃度は4×1017cm−3であるため、半導体層90が概ね空乏化されるためである。具体的には、この間隔Dは30nm程度である。この程度の間隔Dがあれば、エミッタコンタクト層80の伝導帯とベース層60の価電子帯との間で生じる再結合電流Iが十分に防止される。すなわち、HBT1は、エミッタ接地電流増幅率βの低下を防止できるという利点を有している。
【0034】
次に、HBT1が有する他の利点について説明する。HBT1においては、ベース層60がエミッタ層70に覆われていることから、ベース層60の表面が保護されるといった効果が得られる。例えば、ベース層の表面が露出される場合には、ベース層表面には表面準位が形成されてしまい、この表面準位を介したリーク電流が増加する可能性がある。しかしながら、HBT1においては、ベース層60上はエミッタ層で覆われており、しかも、このエミッタ層70はベース層60上にMOCVDにより連続して成長されることもできるため、ベース層60表面の表面準位の数は低減される。その結果、この準位に起因するリーク電流が低減される。
【0035】
また、HBT1が有する更に他の利点としては、ベース・コレクタ間容量の低減による高周波動作特性の改善を挙げることができる。すなわち、サブコレクタ層40がコレクタ層50に覆われているため、ベース・コレクタ間の容量に寄与する面積がサブコレクタ層40で制限される。そのため、ベース・コレクタ間の容量の低減が可能となり、高周波特性が改善される。
【0036】
(HBT1の製造方法)続いて、HBT1の製造方法を説明する。図4(A)〜(C)、図5(A)〜(C)、図6(A)〜(C)、図7(A)〜(C)、図8(A)〜(C)、および図9(A)〜(C)は、HBTの製造方法の各主要工程におけるHBTの断面図である。ここで、図4(A)〜(C)、図5(A)〜(C)、および図6(A)〜(C)は、HBTを半導体結晶方位の〔01−1〕方向に沿って切断した面を示す。また、図7(A)〜(C)、図8(A)〜(C)、および図9(A)〜(C)は、同〔011〕方向に沿って切断した面を示す。図4(A)と図7(A)とが、図4(B)と図7(B)とが、さらに図4(C)と図7(C)とが同一の工程終了時の断面図を示す。図5(A)と図8(A)とが、図5(B)と図8(B)とが、さらに図5(C)と図8(C)とが同一の工程終了時の断面図を示す。図6(A)と図9(A)とが、図6(B)と図9(B)とが、さらに図6(C)と図9(C)とが同一の工程終了時の断面図を示す。
【0037】
上記HBT1の製造方法は、サブコレクタ形成工程と、主要メサ部形成工程と、電極形成工程とに大きく分けられ、これらの工程が順次実施される。
【0038】
サブコレクタ形成工程と、主要メサ部形成工程とにおけるエピタキシャル成長には、有機金属化学気相堆積(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法が用いられる。MOCVD装置では、原料として、トリエチルガリウム(Triethyl Gallium:TEGa)、トリメチルインジウム(Trimethyl Indium:TMIn)、アルシン(AsH)、およびホスフィン(PH)を用いることができる。また、エピタキシャル成長される半導体層の導電型およびキャリア濃度の制御のため、n型不純物ドーピング原料としてシラン(SiH)を、p型不純物ドーピング原料としてジエチル亜鉛(Diethyl Zinc:DEZn)または四臭化炭素(CBr)を用いることができる。
【0039】
これらの原料を適宜組み合わせてMOCVD装置のチャンバに供給し、さらに原料の供給量を適宜調整することによって、所定の組成比およびキャリア濃度を有する半導体層が得られる。各半導体層の成長温度は適宜設定されて良いが、結晶性を考慮すれば、いずれの層についても600℃〜750℃が好ましい。
【0040】
(第1エピタキシャル成長工程)
第1エピタキシャル成長工程について説明する。この工程では、先ず、図4(A)および図7(A)に示す通り、半絶縁性InP基板2の(100)面上に、バッファ膜3とサブコレクタ膜4とをこの順にMOCVD装置によりエピタキシャル成長する。バッファ膜3はノンドープInGaAsより構成され、その厚さは300〜500nm程度である。サブコレクタ膜4はn型InGaAsより構成され、その厚さは300〜500nm程度である。また、サブコレクタ膜4にはSiが高濃度に添加されており、その電子濃度は1×1019−3である。
【0041】
(サブコレクタ形成工程)
次に、サブコレクタ膜4上にレジスト膜を形成する。所定のパターンを有するフォトマスクを用いたフォトリソグラフィにより、レジスト膜に所定のパターンを転写しマスク層を形成する。このマスク層は略矩形の島状のレジスト領域を有し、その矩形の一対の辺の方向は結晶方位〔011〕に沿って延びる。このマスク層をマスクとしてエッチングを行うことにより、図4(B)および図7(B)に示す通り、所望の形状のサブコレクタ層40が形成される。
【0042】
サブコレクタ層40の形成に使用されるエッチング液は、硫酸(HSO)と過酸化水素水(H)と純水(HO)とが、HSO:H:HO=1:1:500の比率で混合された混合液である。このような比率の混合液を用いることにより、図4(B)および図7(B)に示す通り、サブコレクタ層40のいずれの辺においても、その側面は順メサとなる。また、エッチング量(深さ)は、エッチング時間により決定される。このエッチング時間は、予備実験等から求めておくと好ましい。また、バッファ膜3の上層部を100nm程度エッチングすると好適である。このオーバーエッチングにより、エッチングされるべきサブコレクタ膜4が確実に除去される。これまでの工程により、サブコレクタ層40の形成が終了する(図4(B)および図7(B))。
【0043】
(第2エピタキシャル成長工程)
この後、第2エピタキシャル成長工程が以下のように実施される。サブコレクタ層40が形成されたInP基板2をMOCVD装置のチャンバ内に載置し、同基板2上にコレクタ膜5、ベース膜6、エミッタ膜7をこの順にエピタキシャル成長する。更に続けて、エミッタ膜7上に半導体層90となるべき第1半導体膜9およびエミッタコンタクト層80となるべき第2半導体膜8をこの順にエピタキシャル成長する。
【0044】
第1半導体膜9は、n型InGaAsから成り、20nm程度の厚さと、1×1018cm−3程度の電子濃度を有する。第2半導体膜8は、n型InGaAsから成り、190nm程度の厚さと、2×1019cm−3程度の電子濃度を有する。これまでの工程により、各膜のエピタキシャル成長が終了する(図4(C)および図7(C))。
【0045】
(第1のメサ形成工程)
次いで、メサ形状のエミッタコンタクト層80および半導体層90を以下のように形成する。先ず、第2半導体膜8上にレジスト膜を形成する。所定のパターンを有するフォトマスクを用いたフォトリソグラフィにより、レジスト膜に所定のパターンを形成しマスク層を得る。このマスク層は、平面形状が略矩形の島状のレジスト領域を有し、その矩形の一対の辺が〔011〕方向に沿って延びている。
【0046】
次に、上記のマスク層が形成されたInP基板2をエッチング液に浸し、半導体膜80a,80bの所定の部分を除去する。このとき、エッチング液としてはリン酸(HPO)と過酸化水素水(H)と純水(HO)とがHPO:H:HO=5:1:10の比率で混合された混合液を用いると好ましい。この混合液は、いわゆるエッチング選択性を有している。すなわち、InPより成るエミッタ膜7に対するエッチング速度は、InGaAsより成る半導体膜80a,80bに対するエッチング速度よりも十分に小さい。そのため、半導体膜80a,80bがエッチングされてエミッタ膜7が露出した後には、エッチングの進行が非常に遅くなる。これにより、エッチングが実質上停止される。また、エッチング選択性の無いエッチング液を用いても構わない。この場合には、予備的な実験により予め決定されたエッチング時間でエッチングを終了させる。これによって、半導体膜80a,80bの所定の部分が除去される。以上のエッチングにより、図5(A)および図8(A)に示す通り、半導体層90およびエミッタコンタクト層80が形成される。これまでの工程により、エミッタコンタクト層80および半導体層90からなる第1のメサ形成工程が終了する(図5(A)および図8(A))。
【0047】
(第2のメサ形成工程)
次に、エミッタ膜7、ベース膜6、コレクタ膜5、およびバッファ膜3を加工してメサを形成する。すなわち、エミッタコンタクト層80が設けられたエミッタ膜7上にレジスト膜を形成する。次に、フォトリソグラフィにより、レジスト膜に所定パターンを形成しマスク層を得る。このマスク層は、エミッタコンタクト層80を覆うように形成される。このマスク層は、略矩形形状であり、その矩形の一対の辺が〔011〕方位に沿って延びる。
【0048】
その後、上記のエッチング用マスクを用いてエッチングを行う。このエッチングは2段階に行なわれる。先ず、塩酸と純水との混合液をエッチング液として、エッチング用マスクで覆われていない部分のエミッタ膜7(n型InP)を除去する。このエッチング液は選択性を有しているので、エミッタ膜7がエッチングされてベース膜6(InGaAs)が露出した後には、エッチングの進行が非常に遅くなる。これにより、先ず、エミッタ層70が得られる。その後、硫酸(HSO)と過酸化水素水(H)と純水(HO)とが、HSO:H:HO=1:1:500の比率で混合された混合液をエッチング液として用いることにより、ベース膜6、コレクタ膜5、およびバッファ膜3の所定の部分を除去する。このエッチング液もまた選択性を有するため、いずれもInGaAsからなるベース膜6、コレクタ膜5、およびバッファ膜3がエッチングされてInP基板2が露出した後には、エッチングの進行が非常に遅くなる。このエッチングにより、ベース層60、コレクタ層50、およびバッファ層30が得られる。これまでの工程により、InP基板2上にメサ部10が形成される(図5(B)および8(B))。メサ部10は、エミッタコンタクト層80、半導体層90、エミッタ層70、ベース層60、コレクタ層50、サブコレクタ層40、およびバッファ層30を含む。
【0049】
なお、上述の通り、メサ部10にはHBT1の主要部が含まれており、その周囲ではInP基板2の表面が露出している。つまり、上述のメサ部10の形成により、InP基板2上に形成され得る複数個のHBTは電気的に互いに分離される。すなわち、メサ部10の形成工程は、アイソレーション工程を兼ねる。
【0050】
(電極形成工程)
第2のメサ形成工程が終了した後に、電極形成工程を実施する。始めに、ベース電極16とエミッタ電極18とがセルフアラインメントプロセスにより形成される。先ず、InP基板2上に絶縁膜31として、SiN膜をCVD(Chemical Vapor Deposition:CVD)法により形成する。この後に、レジストのエッチング用マスクを絶縁膜31上に形成する。エッチング用マスクは、エミッタ層70およびエミッタコンタクト層80上に所定の形状の開口部を有する。次に、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)を行うと、レジスト開口部の絶縁膜31が除去され、レジストの開口部にエミッタ層70とエミッタコンタクト層80とが露出する。
【0051】
次に、リフトオフ法により、電極16,18を形成する。プラズマエッチング終了後、マスクのレジストを除去することなく、真空蒸着法を用いて、チタン(Ti)、白金(Pt)、および金(Au)といった金属膜をInP基板2上に順に堆積する。ここでは、エミッタコンタクト層80の〔011〕方向に伸びる縁は逆メサ構造であるため、エミッタ層70上のエミッタ縁に沿った部分には、金属膜が堆積されない。金属膜が堆積されない部分により、エミッタ電極18とベース電極16とは確実に分離され得る。このようなセルフアラインメントプロセスを用いることにより、電極16,18はエッチング等を行うことなく容易に形成される。また、このプロセスによれば、電極16,18との分離が確保されるとともに、ベース電極16をエミッタ領域に近接する位置に設けることができる。よって、ベース電極16からベース領域(ベース層のエミッタ領域下の部分)へと流れる電流の経路を短くすることができる。そのため、ベース抵抗が減少し、HBTの高周波特性が向上される。
【0052】
レジスト膜を除去することなく金属膜を堆積したため、レジスト膜上にも金属膜は形成されている。レジスト膜を剥離することにより、レジスト膜上の金属膜が除去され、これにより、エミッタ電極18およびベース電極16が完成する(図5(C)および図8(C))。高純度窒素ガス雰囲気下で400℃、約1分間熱処理を行うと、電極金属がエミッタ層70およびベース層60と反応し、ベース電極16のオーム性接触が実現される。
【0053】
その後、エミッタ電極18とベース電極16とが形成されたInP基板2上にレジスト膜を形成する。次に、通常のフォトリソグラフィにより、レジスト膜にパターンを形成しマスク層を得る。このパターンは、コレクタ電極15が形成されるべき部分に所定の開口部を有する。そして、このマスクを用いて、レジスト開口部の絶縁膜31をRIEにより除去する。さらに、塩酸と純水との混合液、および硫酸(HSO)と過酸化水素水(H)と純水(HO)とがHSO:H:HO=1:1:500の比率で混合された混合液をエッチング液として用いることにより、エミッタ層70と、ベース層60と、コレクタ層50とをエッチングする。これにより、レジスト膜の開口部にサブコレクタ層40が露出する。この後、リフトオフ法により、コレクタ電極15を形成する。レジスト膜をInP基板2上に残したまま、Ti,Pt,およびAuからなる金属膜を真空蒸着法により堆積する。絶縁膜31上に残留するレジスト膜を剥離し、不要な金属膜を取り除く。以上の手順により、コレクタ電極15が形成される(図6(A)および図9(A))。
【0054】
次に、InP基板2上に、各電極15,16,18を覆うように、SiNといった絶縁膜32をCVD法により堆積する。そして、この絶縁膜32上に、レジスト/酸化ケイ素(SiO) /レジストからなる3層の多層膜を形成した後、この多層膜に所定の開口部を形成し、多層膜マスクを得る。この開口部は、コレクタ電極15に接続する引き出し配線25、およびベース電極16に接続する引き出し配線26が形成される部分に設けられる。続けて、多層膜マスクを用いて絶縁膜32のエッチングを行ない、引き出し配線25,26用のスルーホールを形成する。さらに、Al膜といった金属膜を形成する。この後、絶縁膜32上に残しておいた多層膜を剥離することにより、このレジスト膜上の金属膜が除去される。これにより、引き出し配線25,26が形成される(図6(B)および図6(B))。
【0055】
この後、引き出し配線25,26を形成した手順と同様の方法により、エミッタ電極に接続される引き出し配線28のためのスルーホールを絶縁膜32に形成する。そして、Al膜といった金属膜を形成し、リフトオフ法により引き出し配線28を形成する(図6(C)および図9(C))。これまでの工程により、HBT1が完成する。上記の製造方法によれば、半導体層90およびエミッタコンタクト層80とが所望の厚さおよび電子濃度で形成される。よって、所望の特性を有するHBT1を得ることができる。
【0056】
実施形態)続いて、実施形態によるHBTについて説明する。実施形態のHBTは、エミッタコンタクト層および半導体層の電子濃度分布が異なる点を除き、HBT1と同一の構成を有する。以下、HBT1との相違点を中心に、実施形態によるHBTの構成および製造方法について説明する。
【0057】
図10(A)は、実施形態によるHBT100の平面図である。図10(B)は、図10(A)のI−I線に沿う断面図である。図1と同様、I−I線は半導体結晶の結晶方位の〔01−1〕方向に沿う線である。
【0058】
図11(A)は、HBT100のエミッタコンタクト層81および半導体層91の電子濃度分布の一例を示す図である。同図から分かる通り、半導体層91は、エミッタコンタクト層81よりも低い電子濃度を有する。また、半導体層91のキャリア濃度は、1×1018cm−3以下であり、エミッタ層70からエミッタコンタクト層81へ向かう方向に沿って単調に増加している。半導体層91のキャリア濃度の最小値は4×1017cm−3程度である。また、エミッタコンタクト層81において、電子濃度は、半導体層91からエミッタ電極18に向かう方向に沿って単調に増加している。エミッタコンタクト層81の表面での電子濃度は、2×1019cm−3程度である。
【0059】
半導体層91の電子濃度は、1×1018cm−3以下であり、上述の通り分布しているため、ベース層60とエミッタ層70とがpn接合されて生じる空乏層は、例えば、上述のHBT50に比べ、エミッタコンタクト層81内部深くまで広がることとなる。そのため、エミッタコンタクト層81の伝導帯とベース層60の価電子帯との間隔が広がり、その結果、再結合電流Iが低減される。したがって、エミッタ接地電流増幅率βの低下が防止される。
【0060】
上述の構成を有するHBT100は、上記の製造方法を以下のように変更することにより、製造されることができる。すなわち、HBT100を製造する際には、第2エピタキシャル成長工程において、第1半導体膜9および第2半導体膜8を成長する際、ドーピング原料SiHの流量は、半導体層91およびエミッタコンタクト層81の電子濃度分布が図11(A)となるように増加される。このようにすれば、第1半導体膜9から半導体層91を形成でき、第2半導体膜8からエミッタコンタクト層81を形成できる。よって、実施形態の製造方法をこのように変更した製造方法により、HBT100を製造することができる。
【0061】
なお、半導体層91およびエミッタコンタクト層81の電子濃度は、図11(A)に示すように直線的に増加するに限らず、例えば、図11(B)に曲線11,13で示すように、指数関数および対数関数に従って増加してもよい。また、図11(B)中の曲線12のような2つの変曲点を有する関数に従って電子濃度が変化してもよい。これらのいずれの場合であっても、上記の第1半導体膜9および第2半導体膜8の成長中にドーピング原料の供給量を適宜変化することにより、所望の不純物分布が得られる。
【0062】
以下、一形態のバイポーラトランジスタの一例と比較例とを参照しながら、本発明に係るバイポーラトランジスタを更に詳しく説明する。
【0063】
一形態のバイポーラトランジスタの一例)先ず、この例について説明する。このにおいては、上記において説明した製造方法に従い、HBT1を作製した。例示のHBT1の各層の材料、導電型、厚さ、およびキャリア濃度を表1に示す。なお、例示のHBT1を作製する際、p型ベース層にドーパントとして炭素を添加した。
【0064】
【表1】
Figure 0003565274
【0065】
(比較例)比較例として、上記において比較のために説明したHBT50を作製した。比較例のHBT50の各層の材料、導電型、厚さ、およびキャリア濃度を表2に示す。比較例のHBT50を作製する際にも、p型ベース層に炭素を添加した。
【0066】
【表2】
Figure 0003565274
【0067】
一形態のバイポーラトランジスタの一例および比較例の評価結果)図12(A)は、比較例のHBT50のコレクタ電流、ベース電流、およびエミッタ接地電流増幅率のベース−コレクタ電圧依存性を示す特性図である。図12(B)は、例示のHBT1のコレクタ電流、ベース電流、およびエミッタ接地電流増幅率のベース−コレクタ電圧依存性を示す特性図である。図12(A),(B)中、曲線35はベース電流Iを示し、曲線36はコレクタ電流Iを示し、曲線37はエミッタ接地電流増幅率βを示す。また、図12(C)は、図12(A),(B)に示す特性を測定する際に使用した測定回路を示す回路図である。
【0068】
先ず、図12(A),(B)に示す特性の測定方法について説明する。初めに、例示のHBT1または比較例のHBTを図12(C)に示す通り接続した。すなわち、エミッタが接地され、エミッタ・ベース間に順バイアスの電圧Vbeが印加されると共に、ベース・コレクタ間が短絡される。このように接続された後、順バイアスの電圧Vbeの電圧値を変化させてベース電流Iおよびコレクタ電流Iの電流値を求めた。また、測定した電流値に基づいて、エミッタ接地電流増幅率β(=I/I)を算出した。このようして測定した結果をガンメルプロットし、図12(A),(B)を得た。
【0069】
図12(A)および図12(B)を比較すると、以下のことが分かる。すなわち、コレクタ電流Iには大きな相違は認められない一方で、ベース電流Iには大きな差が認められる。例示のHBT1では、ベース電流Iは、電圧Vbeが0.2Vのときに1×10−9A以下であり、電圧Vbeが約4.8Vでも1×10−7以下に抑えられている。これに対し、比較例のHBT50では、電圧Vbeが0.2Vのときに既に4×10−8A程度のベース電流Iが認められ、電圧Vbeが約0.4Vで1×10−7Aを超えている。また、ベース電流のこのような相違のため、電流増幅率βについても、例示のHBT1では、特に電圧Vbeが0.5V以下の場合に、比較例のHBT50に比べて高くなっている。
【0070】
上述の相違は以下のことから生じると考えることができる。図3(A)を参照しながら説明した通り、比較例のHBT50においては再結合電流Iが流れてしまうため、ベース電流が大きくなる。そのため、電流増幅率β(=I/I)が低下することとなる。これに対して、例示のHBT1においては、エミッタコンタクト層80は、半導体層90およびエミッタコンタクト層80からなり、しかも、半導体層90のキャリア濃度が4×1017cm−3程度であるため、再結合電流Iが低減される。以上の結果から、例示のHBT1の効果が理解される。
【0071】
また、例示のHBT1と比較例との比較から、例示のHBT1は以下の利点を有することが分かる。上述の通り、HBT1では、特に電圧Vbeの低い範囲において、ベース電流Iが低減され、電流増幅率βが向上される。すなわち、HBT1は低い駆動電圧での動作に適している。HBT1を複数個有する半導体集積回路を製造すれば、この集積回路においては、消費電力が大幅に低減されることとなる。
【0072】
以上、実施形態を参照しながら、本発明に係るバイポーラトランジスタを説明したが、本発明は、これらに限られることなく様々な変形が可能である。例えば、HBT1,100における各層30、40、50、60、70、80の厚さは、例示的に示されたものであり、適宜変更されてよい。また、HBT1の半導体層90およびエミッタコンタクト層80の厚さもまた上述の値に限定されることはなく適宜最適化されてよい。さらに、半導体層90とエミッタコンタクト層80とは、必ずしも同一の半導体から形成されていなくてよい。例えば、半導体層90をGaInAsPから形成し、エミッタコンタクト層をInGaAsから形成しても構わない。また、半導体層90をGaInAsPから形成する場合、このGaInAsPの組成は一様である必要はない。例えば、エネルギーバンドギャップがエミッタコンタクト層80からエミッタ層70に向かう方向に大きくなるよう組成が変化していてよい。
【0073】
さらに、エミッタ層70は、InPに替わりInAlAsから形成されることができる。InP基板に格子整合するInAlAsはInGaAsよりも大きなエネルギーバンドギャップを有するため、エミッタ層70がInAlAsから形成されるHBTもまた、エミッタ層70がInPから構成されるHBT1,100と同様の効果を有する。
【0074】
また、HBT1,100においては、コレクタ層50は、InGaAsから構成されたが、エネルギーバンドギャップがより大きい材料、例えば、InP、GaInAsP、またはInAlAsから構成されてもよい。
【0075】
実施形態および比較例では、InP基板を用いたHBTを説明したが、本発明に係るバイポーラトランジスタはGaAs基板を用いて作製されるHBTであることができる。このようなHBTとしては、例えば、GaAsから形成されるコレクタ層、ベース層、および半導体層と、AlGaAsまたはInGaPから形成されるエミッタ層とを含むことができる。
【0076】
【発明の効果】
以上詳細に説明した通り、本発明によれば、ベース電流の増加を引き起こす再結合電流が抑制され、電流増幅率の低下が防止されるバイポーラトランジスタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、HBTの平面図である。図1(B)は、図1(A)のI−I線に沿った断面図である。図1(C)は、図1(A)のII−II線に沿った断面図である。
【図2】図2(A)は、比較のためのHBTの構造を示す断面図である。図2(B)は、図2(A)に示すHBTの半導体層の電子濃度分布を示す図である。
【図3】図3(A)は、比較のためのHBTのゼロバイアス時のエネルギーバンド構造を示す図である。図3(B)は、HBTのゼロバイアス時のエネルギーバンド構造を示す図である。
【図4】図4(A)〜(C)は、HBTの製造方法の各主要工程におけるHBTの断面図である。
【図5】図5(A)〜(C)は、HBTの製造方法の各主要工程におけるHBTの断面図である。
【図6】図6(A)〜(C)は、HBTの製造方法の各主要工程におけるHBTの断面図である。
【図7】図7(A)〜(C)は、HBTの製造方法の各主要工程におけるHBTの断面図である。
【図8】図8(A)〜(C)は、HBTの製造方法の各主要工程におけるHBTの断面図である。
【図9】図9(A)〜(C)は、HBTの製造方法の各主要工程におけるHBTの断面図である。
【図10】図10(A)は、実施形態によるHBTの平面図である。図10(B)は、図10(A)のHBTのI−I線に沿う断面図である。
【図11】図11(A)は、実施形態によるHBTにおける半導体層の電子濃度分布の一例を示す図である。図11(B)は、実施形態によるHBTにおける半導体層の電子濃度分布の他の例を示す図である。
【図12】図12(A)は、比較例のHBTのコレクタ電流、ベース電流、およびエミッタ接地電流増幅率のベース−コレクタ電圧依存性を示す特性図である。図12(B)は、HBTのコレクタ電流、ベース電流、およびエミッタ接地電流増幅率のベース−コレクタ電圧依存性を示す特性図である。図12(C)は、図12(A)および(B)の特性を測定するのに用いた回路を示す回路図である。
【符号の説明】
1,100…HBT、2…基板、3…バッファ膜、4…サブコレクタ膜、5…コレクタ膜、6…ベース膜、7…エミッタ膜、80…第2半導体膜、90…第1半導体膜、10…メサ部、15…コレクタ電極、16…ベース電極、18…エミッタ電極、25,26,28…引き出し配線、30…バッファ層、31,32…絶縁膜、40…サブコレクタ層、50…コレクタ層、60…ベース層、70…エミッタ層、80,81…エミッタコンタクト層、90,91…半導体層。

Claims (4)

  1. 半導体基板と、該半導体基板上に設けられたコレクタ層と、該コレクタ層上に設けられたベース層と、該ベース層上に設けられたエミッタ層と、該エミッタ層上に設けられたエミッタコンタクト層と、前記エミッタコンタクト層と前記エミッタ層との間に設けられた半導体層と、を備え、
    前記エミッタ層は、前記ベース層よりも大きいエネルギーバンドギャップを有し、
    前記半導体層は、前記エミッタ層よりも小さいエネルギーバンドギャップを有し、
    前記半導体層は、前記エミッタコンタクト層よりも低いキャリア濃度を有し、
    前記キャリア濃度は、前記エミッタ層から前記エミッタコンタクト層へ向かう方向に沿って増加し、
    前記半導体層のキャリア濃度は1×10 18 cm −3 以下であり、
    前記エミッタ層の厚さは2nm以上30nm以下である、バイポーラトランジスタ。
  2. 前記ベース層のキャリア濃度は、2.5×1019cm−3以上である請求項に記載のバイポーラトランジスタ。
  3. 前記エミッタ層はInPから形成され、前記ベース層はInGaAsから形成される請求項1又は2に記載のバイポーラトランジスタ。
  4. 前記エミッタ層はInAlAsから形成され、前記ベース層はInGaAsから形成される請求項1又は2に記載のバイポーラトランジスタ。
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