JP3562659B2 - 藻類含有水の浄化処理装置及び浄化処理方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、藻類含有水の浄化処理装置及び浄化処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、藻類含有水に紫外線を照射したのち、凝集、加圧浮上及びろ過を行うことにより、凝集性の乏しい珪藻類にもフロックを形成せしめ、加圧浮上により除去することにより、ろ過器の閉塞を防止することができる藻類含有水の浄化処理装置及び浄化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、工業の発展、生活水準の向上、人口の都市集中が進む中で、用水に対する需要が増大する一方、自然的条件としての降水量の変動による渇水のための取水制限や、地盤沈下や塩水の混入を防ぐための地下水の採取の規制が行われ、水質の劣る湖沼水を利用する必要性が高まっている。一方、湖沼においては、湖沼周辺における都市化の進行により、家庭排水などに起因する多量の窒素やりんなどの栄養源が供給され、湖沼の富栄養化が急速に進み、藻類の繁殖が盛んになっている。
従来、藻類を含有する原水は、硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウムなどの凝集剤を加えてフロックを形成せしめ、加圧浮上によりフロックを浮上分離したのち、処理水のろ過が行われていた。しかし、藻類の中で藍藻類(Myxophyceae又はCyanophyceae)や緑藻類(Chlorophyceae)などは、凝集反応槽で凝集剤を注入することによりフロックを形成し、加圧浮上装置で除去することができるが、珪藻類(Bacillariophyceae)、特にシネドラアクス(Synedra Acus)などは酸質からなる外殻を有し、また殻長200μm以上の針状であるため、凝集反応槽でのフロック形成が困難である。そのため、シネドラアクスは加圧浮上装置では除去されず、ろ過器で除去されるが、その負荷は大きく、しばしばろ過器差圧の上昇を引き起こし、ろ過閉塞の主原因となっていた。
シネドラアクスなどの外殻を破壊する方法として、従来、硫酸強熱法、硫酸−重クロム酸カリウム法などが試みられているが、薬品を用いることから、薬品タンク、ポンプ、配管などを要し、強酸を使用することから、これらの装置の材質にも制限を受け、さらに硫酸やクロムを含む排水の処理が必要となる。そのため、このような繁雑な作業や設備を必要としない方法、装置の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、藻類、特にシネドラアクスなどの珪藻類を含有する湖沼水を、簡便な方法で処理し、ろ過器の閉塞を起こすことなく、経済的に浄化することができる浄化処理装置及び浄化処理方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ろ過閉塞を起こすことのない簡便な藻類含有水の浄化処理方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、藻類含有水に紫外線を照射することにより、珪藻類の外殻が破壊され、凝集工程におけるフロックの形成が容易になることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)藻類の外殻を破壊するための紫外線照射装置、凝集反応槽、加圧浮上装置及びろ過器を直列に連結してなることを特徴とする藻類含有水の浄化処理装置、及び、
(2)藻類含有水に紫外線を照射して藻類の外殻を破壊し、凝集剤を添加して藻類の凝集によりフロックを形成せしめ、加圧浮上によりフロック分離除去したのち、処理水をろ過することを特徴とする藻類含有水の浄化処理方法、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(3)紫外線照射に先立って藻類含有水にオゾン1〜5ppmを添加する第(2)項記載の藻類含有水の浄化処理方法、及び、
(4)紫外線源が低圧水銀灯である第(1)項の浄化処理装置又は第(2)項若しくは第(3)項記載の浄化処理方法、
を挙げることができる。
【0005】
本発明の装置及び方法を適用する原水には特に制限はなく、藻類を含有する湖沼水などを浄化処理することができるが、1ミリリットル当たり10,000〜50,000個の藻類を含有する原水を効率的に処理することができ、特にシネドラアクスなどの珪藻類を含有する原水に対して効果が大きい。
本発明に用いる紫外線照射装置には特に制限はなく、低圧水銀灯、高圧水銀灯、水素放電灯、カーボンアーク、キセノン放電灯など公知の紫外線源を使用することができるが、特に260nm付近の波長の紫外線がシネドラアクスなどの珪藻類の外殻の破壊に有効であり、低圧水銀灯を好適に使用することができる。照射する紫外線の強度は、原水の濁度や通水速度などに応じて適当に選択することができるが、通常、5,000〜30,000μW・sec/cm2の範囲の強度が適当である。通水条件は、通常LV=5〜10m/hrが好適である。
本発明において、紫外線照射装置において紫外線を照射した処理水は、次いで凝集反応槽へ送り、凝集剤を添加する。添加する凝集剤に特に制限はなく、例えば、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄などの無機凝集剤や、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリルアミド部分加水分解物などの高分子凝集剤を使用することができる。凝集反応槽において、処理水のpHを使用する凝集剤に応じた最適pH範囲に調節する。上記の凝集剤の中でポリ塩化アルミニウムを特に好適に使用することができ、処理水のpHを5〜7に調節し、ポリ塩化アルミニウムをアルミニウム含量として2.0〜4.0ppm添加することにより、外殻が破壊されたシネドラアクスなどを含め、藻類をフロック状に凝集することができる。凝集反応槽の滞留時間には特に制限はないが、通常10〜15分で十分である。
【0006】
本発明において、含有する藻類をフロック状に凝集せしめた処理水は、次いで加圧浮上装置へ送られる。使用する加圧浮上装置には特に限定はなく、公知の加圧浮上装置を使用することができる。加圧浮上分離は沈降分離に比較して一般に分離時間が短い上に、藻類から形成されるフロックは浮上性を有するので、加圧浮上分離が有利である。凝集反応槽において凝集処理を行った処理水に、空気を2〜4kg/cm2の圧力で加圧して十分溶解させたのち、減圧弁を通して浮上槽に導き気泡を発生させる。気泡がフロックに付着した後は、浮上作用を乱さないようにし、浮上したフロックをスキマーなどで掻きとり、除去する。
加圧浮上装置でフロックを分離した処理水は、次いでろ過器へ送り、浮上分離で除去されなかった微細な懸濁物質を除去する。使用するろ過器には特に制限はなく、公知のろ過器を使用することができるが、砂利、砂、無煙炭、その他の安定な固体粒子からなるろ材を用いる清澄ろ過や、限外ろ過膜、精密ろ過膜などを用いる膜分離を好適に使用することができ、これらの中で2層ろ過器が特に好適である。2層ろ過器としては、例えば、層高300〜500mm、粒径0.4〜0.5mmの砂層と、層高300〜500mm、粒径0.7〜1.0mmのアンスラサイト層を組み合わせたものなどを挙げることができる。ろ過方式は、重力式であっても、圧力式であってもよい。
図1は、本発明の浄化処理装置及び浄化処理方法の工程系統図である。本発明によれば、藻類、特に珪藻類を含有する原水に紫外線を照射することにより、シネドラアクスなどの外殻が破壊され、凝集反応槽において効率よくフロックを形成することが可能となり、加圧浮上装置において除去することができるので、ろ過器への負荷が減少し、ろ過閉塞を防止することができ、ろ過器でのろ過継続時間が長くなる。さらに、本発明によれば、紫外線照射により植物組織が破壊されるので、加圧浮上装置及びろ過器における植物プランクトンの繁殖を防ぐことができる。
本発明において、紫外線照射に先立って原水に1〜5ppmのオゾン又は過酸化水素を添加することにより、藻類、特にシネドラアクスなどの珪藻類の外殻の破壊がより完全に行われ、ろ過器でのろ過継続時間はさらに延長される。
【0007】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
藻類が懸濁している濁度14度の湖沼水を原水として、図1に示した工程にしたがって処理を行った。
紫外線照射装置は、波長253.7nmに最大強度をもつ紫外線を発する低圧水銀灯[(株)日本ホトサイエンス製、NTX型]を光源とし、紫外線強度10,000μW・sec/cm2で照射した。凝集反応は、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムを用い、アルミニウム含量が3.5ppmになるよう添加し、pH6.5、凝集反応槽滞留時間12分で行った。加圧浮上装置は、丸型加圧浮上装置を使用した。ろ過器は、層高350mm、粒径0.45mmの砂層と、層高400mm、粒径0.9mmのアンスラサイト層を組み合わせた重力式2層ろ過器を使用した。なお通水条件は、LV=7m/hrとした。
上記の条件で通水したところ、ろ過処理された水は濁度1度以下の清澄な水となった。通水を開始してからろ過器の差圧を観測し、ろ過器差圧が3mAqに達した点を終点としてろ過継続時間を求めた。結果を図2に示す。
比較例1
実施例1に使用したものと同じ装置を用い、低圧水銀灯を点灯しない以外は実施例1と全く同じ操作を繰り返した。
ろ過処理された水は濁度1度以下の清澄な水となった。通水を開始してからろ過器の差圧を観測し、ろ過器差圧が3mAqに達した点を終点としてろ過継続時間を求めた。結果を図2に示す。
原水に紫外線を照射した実施例1においては、ろ過器差圧は通水開始後32時間を過ぎる頃から上昇を始め、40時間後に3mAqに達した。これに対して、原水に紫外線を照射しない比較例1においては、ろ過器差圧は通水開始後18時間頃から上昇を始め、28時間後に3mAqに達した。実施例1及び比較例1の比較により、原水へ紫外線を照射することにより、ろ過器への負荷が軽減し、ろ過継続時間が長くなることが分かる。
【0008】
【発明の効果】
本発明の浄化処理装置及び浄化処理方法によれば、藻類、特にシネドラアクスなどの珪藻類を含有する原水に紫外線を照射することにより、藻類の凝集によるフロック形成が可能になり、加圧浮上で分離除去することができるので、ろ過器への負荷が軽減し、ろ過器のろ過継続時間が長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の浄化処理装置及び浄化処理方法の工程系統図である。
【図2】図2は、ろ過器の通水時間と差圧の関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 藻類の外殻を破壊するための紫外線照射装置、凝集反応槽、加圧浮上装置及びろ過器を直列に連結してなることを特徴とする藻類含有水の浄化処理装置。
- 藻類含有水に紫外線を照射して藻類の外殻を破壊し、凝集剤を添加して藻類の凝集によりフロックを形成せしめ、加圧浮上によりフロック分離除去したのち、処理水をろ過することを特徴とする藻類含有水の浄化処理方法。
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JP25942794A JP3562659B2 (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 藻類含有水の浄化処理装置及び浄化処理方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0899083A JPH0899083A (ja) | 1996-04-16 |
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