JP3561369B2 - 折り畳み式テーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天板を側面視で水平状態から起立状態に跳ね上げ回動させ得る折り畳み式テーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
天板を起倒自在に構成した折り畳み式テーブルのロック装置は、例えば実開昭57−129428号公報や実公平1−16419号公報、実開平7−1826号公報、実公平5−37775号公報等に記載されている。
【0003】
このうち実開昭57−129428号公報や実公平1−16419号公報、実開平7−1826号公報に記載されているのは、脚体のうち天板の回動中心の近傍に横向きのロックピンを設ける一方、天板の下面に、水平状態と起立状態とで前記ロックピンが選択的に嵌まる一対の係合溝を備えたレバーを回動自在に設け、このレバーを、前記ロックピンに係合する方向にばねで付勢した構成になっており、ばねに抗してレバーを回動させて、ロックピンと係合溝との係合を解除することによって天板を回動させるようにしている。
【0004】
他方、実公平5−37775号公報に記載されたロック装置は、天板の下面に1本のロックピンを設ける一方、脚体には、天板の起倒動によって前記ロックピンが選択的に嵌まる係合溝を備えたレバーを回動自在に枢着し、このレバーを、その係合溝にロックピンが嵌まった姿勢に保持されるようばねで付勢したもので、ばねに抗してレバーを回動させてロックピンと係合溝との係合を解除すると、天板を回動操作することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の折り畳み式テーブルは、天板の回動中心を、当該天板の背面(使用者と反対側の部位)寄りに位置させて、天板を水平状の姿勢にした状態では天板を脚体等で支持すると共に、ロック装置でその水平状態を保持し、且つ、天板を、その背面を下向きにした状態に跳ね上げ回動するようにしている。
【0006】
そして、前記各先行技術とも、レバーの係合溝の個所を鉤状に形成し、これをロックピンに嵌めることによって水平状態及び起立状態を保持しているが、実公平1−16419号公報、実開平7−1826号公報、実公平5−37775号公報のものは、天板を水平に倒した状態で、係合溝が、天板を起立回動させるとロックピンから逃げ勝手となるような方向に開口しているため、水平状に倒した天板の背面寄りの縁部に下向きの大きな力が作用すると、ロックピンが係合溝から離脱して天板が起立方向に回動してしまう虞があると言う問題があった。
【0007】
他方、実公平5−37775号公報のものでは上記の問題はないが、起立状態でレバーとロックピンとの係合が浅いため、天板を起立状態に保持することの確実性に問題があった。
【0008】
本発明は、天板を水平状態と起立状態とに確実に保持できるロック装置が備えられた折り畳み式テーブルを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、左右に配置した脚体を横梁で一体的に連結し、前記横梁又は脚体に、天板を水平状の姿勢と跳ね上げた姿勢とに起倒自在に枢着した折り畳み式テーブルにおいて、前記横梁又は脚体に、外周部に天板の回動中心から放射方向に開口した一対の係合溝が形成されたロック部材を設けている。
【0010】
一方、前記天板の下面のうち前記ロック部材の近傍に、前記係合溝に嵌まることによって天板を起倒いずれかの姿勢に保持するロックピンを、天板の下面に固着された補強部材の内部に摺動自在に装着したハンドルの引っ張り操作によって係合溝から離脱するように設けている。更に、前記ロックピンを前記係合溝に嵌まる状態に付勢するばね手段を設けている。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1おいて、前記ロック部材をカバーで覆っている。
【0012】
【発明の奏する効果】
このように、ロック部材の係合溝を、天板の回動中心から放射方向に延びるように形成すると、ロックピンが係合溝から離脱する方向とロックピンの回動方向とがほぼ直交するため、ハンドル操作してロックピンをばね手段に抗して係合溝から離脱させない限り、天板を回動させることはできない。
【0013】
換言すると、水平状態で天板のどの部位に大きな荷重が作用しても天板が起立方向に回動することはないし、起立状態の天板が外力によって不測に倒れ回動したりすることもなく、天板のロック機能を格段に向上できるのである。
【0014】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1のうち(A)はテーブル1の部分斜視図、(B)は(A)のB−B視平断面図、図2は要部の分離斜視図、図3は図1(B)の III−III視断面図、図4及び図5は作用を示す図である。
【0015】
テーブル1は、前後にキャスター3を設けた左右一対の脚体2と、左右両脚体2の上部間に連結した中空状の横梁4と、両脚体2で支持された天板5とを備えている。天板5の左右両端部寄りの下面には前後方向に延びる補強部材6を固着している。図2に明示するように、補強部材6は断面上向き開口の樋状に形成されており、上面には翼状のフランジを設けている。
【0016】
図2や図3に示すように、前記補強部材6の側面に、横梁4の背面に沿って延びるブラケット7を溶接等にて固着する一方、横梁4には、当該横梁4に上方から嵌まる形状のロック部材8を溶接にて固着し、このロック部材8と前記ブラケット7とを、横梁4と平行に延びる枢軸9で枢着している。
【0017】
従って、天板5は前記枢軸9を中心にして水平状態から起立状態まで回動させることができる。天板5を水平にした状態では、前記補強部材6は横梁4の上面で支持されている。
【0018】
前記ロック部材8のうちテーブル1の背面方向に突出した部位には、上向きに開口したU字状の第1係合溝10と、水平方向に開口したU字状の第2係合溝11とを切り開き形成している。これら両係合溝10,11は、前記枢軸9の軸心から放射方向に開口するように設定されていると共に、枢軸9の軸心から両係合溝10,11の中心までの距離が同じになるように設定している。
【0019】
更に、ロック部材8のうち両係合溝10,11の個所は、枢軸9を中心とした円弧状のガイド面8aに形成されている。
【0020】
前記ブラケット7とこれが取付く補強部材6の側板とには、ロックピン12が上下動自在に嵌まる上下長手の長穴13を穿設している。天板5を水平に倒した状態では長穴13の下部と第1係合溝10とが重複し、天板5を起立させた状態では長穴13の下部と第2係合溝11とが重複するように設定している。従って、ロックピン12は長穴13を介して両係合溝10,11に選択的に嵌まり係合し得る。
【0021】
前記ロックピン12は、補強部材6に内蔵したレバー14の先端に溶接等にて固着されている。また、レバー14は上向き開口の断面コ字状に形成されており、ロックピン12と反対側の基端部を、補強部材6の両側板に貫通したピン15で枢着している。また、レバー14の内部には、前記ピン15に被嵌したねじりばね16を配置し、このねじりばね16により、レバー14を補強部材6の底面に密着した姿勢に付勢している。
【0022】
更に、前記レバー14における基端部の上端に、補強部材6の内部に配置した連杆17の一端を係止し、連杆17の他端を、補強部材6の端部から露出させたハンドル18に係止している。ハンドル18は、補強部材6の内部に摺動自在に装着している。
【0023】
従って、天板の前端部の方向からハンドル18を引くと、図4(A)に示すようにレバー14がばね16に抗して回動する。すると、ロックピン12は係合溝10,11から離脱するように逃げ回動する。図1(B)や図3に示すように、ロック部材8はカバー19で覆われている。
【0024】
以上の構成において、天板5を水平状に倒した姿勢では、図3に示すように、天板5が横梁4で支持された状態でロックピン12が第1係合溝10に嵌り係合しているため、天板5は跳ね上げ回動不能に保持されている。そして、ハンドル18を引くと、図4(A)に示すようにロックピン12が第1係合溝10から離脱して、天板5のロックが解除される。
【0025】
そして、天板5のロックを解除してから天板5を若干起こしてハンドル18から手を離すと、ロックピン12はロック部材8のガイド面に当たり、天板5を起立位置まで回動させて長穴13と第2係合溝11とが一致すると、ロックピン12はねじりばね16の弾性復元力によって第2係合溝11に自動的に嵌り係合し、これにより、天板5は起立状態にロックされる。
【0026】
しかして、両係合溝10,11が天板5の回動中心から放射方向に延びているから、ロックピン15の抜け方向と天板3の回動方向とがほぼ直交することになる。従って、ロックピン12が両係合溝10,11に嵌まった状態で、天板5はいずれの方向にも回動不能に阻止され、その結果、天板5を水平状態は起立状態とに確実にロックできるのである。
【0027】
この実施形態のように、ロック部材8の円弧状のガイド面8aを設けると、天板5を起倒させるに際して、ロックピン12をいわゆる蹴り込み係合によって係合溝10,11を対して自動的に且つ確実に係合させることができるので、より好適である。
【0028】
なお、ロック装置は一方の補強部材6の個所だけに設けても良いし、両方の補強部材の個所に設けても良い。また、天板5の左右中央部に補強部材6を設けて、その部位に1つのロック装置を設けてもよい。天板5の左右両側部にロック装置を設ける場合は、一つのハンドルで二つのレバー14を同時に回動操作するように構成しても良い。
【0029】
ところで、テーブル1は、使用に際しては床面上をずれ動かないように保持されいるのが好ましく、収納場所等への移動に際しては容易に移動させ得るようにすることが望ましい。そこで上記のテーブル1は、天板5の起倒操作に連動して一方のキャスター3と接地体21とを選択的に床面に接地させることにより、テーブル1を床面に対して固定したり移動自在と成したりしている。この点を次に図6〜8に基づいて説明する。
【0030】
図7の分離斜視図に示すように、脚体2は、断面小判型の中空状支柱2aと、その下端に溶接等にて固着した下向き開口の水平杆2bとで略T字状に形成されており、水平杆2bの内部には、その全長にわたって延びる底板22を溶接等にて固着している。
【0031】
前記水平杆2bの内部には、支柱2aの下方の部位から水平杆2bの後端に向けて延びるシーソー体23を配置し、このシーソー体23の前後中途部を、前記底板22に突設したブラケット片24にピン25で枢着している。また、ピン25にはねじりばね26が被嵌しており、図8(B)に示すように、ねじりばね26により、シーソー体23を、その後端が下向きとなる姿勢に付勢している。
【0032】
そして、前記底板22の先端部に穿設した透穴27を介して、後部のキャスター3を前記シーソー体23の後端に取付けている。従って、シーソー体23がねじりばね26に抗して回動すると、後部のキャスター3は上下動する。前部のキャスター3は底板22の前端に上下動不能に固定されている。
【0033】
また、底板22の後端寄り部位のうちキャスター3に接触しない個所に、前記接地体21を固着している。この接地体21は、後部のキャスター3が上昇すると床面Aに接地するように設定している。
【0034】
更に、脚体の支柱2aに、下端を前記シーソー体23の先端に係合させたロッド28を配置し、このロッド28を支柱2aの上方に突設させている。ロッド28は、支柱2aの上端に装着したキャップ29にて摺動自在に保持されている。
【0035】
そして、図6に示し且つ図8(B)に一点鎖線で示すように天板5が水平状に倒されると、ロッド28が下向きに押圧されてシーソー体23がねじりばね26に抗して回動し、後部のキャスター3が上昇して接地体21が床面Aに載るように設定している。
【0036】
このように、天板5を水平状に倒すと接地体21が接地するため、テーブル1のずれ動きが阻止される一方、天板5を起立状態に起こすと、ねじりばね26によって後部のキャスター3が接地するため、テーブル1を簡単に移動することができる。
【0037】
なお、接地体21を高さ調節自在できるようにしても良い。また、本発明では、ロック部材は脚体に取り付けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係るテーブルの部分斜視図、 (B)は (A)の B−B視断面図である。
【図2】要部の分離斜視図である。
【図3】図1の III−III視断面図である。
【図4】作用を示す図である。
【図5】作用を示す図である。
【図6】テーブルの部分正面図である。
【図7】脚体の内部の分離斜視図である。
【図8】(A)は脚体の上部の分離斜視図、 (B)は脚体の一部破断左側面図である。
【符号の説明】
1 テーブル
2 脚体
4 横梁
5 天板
6 補強部材
8 ロック部材
9 支軸
10,11 係合溝
12 ロックピン
14 レバー
16 ねじりばね
18 ハンドル
Claims (2)
- 左右に配置した脚体を横梁で一体的に連結し、前記横梁又は脚体に、天板を水平状の姿勢と跳ね上げた姿勢とに起倒自在に枢着している折り畳み式テーブルであって、
前記横梁又は脚体に、外周部に天板の回動中心から放射方向に開口した一対の係合溝が形成されたロック部材を設ける一方、
前記天板の下面のうち前記ロック部材の近傍に、前記係合溝に嵌まることによって天板を起倒いずれかの姿勢に保持するロックピンを、天板の下面に固着された補強部材の内部に摺動自在に装着したハンドルの引っ張り操作によって係合溝から離脱するように設けており、
更に、前記ロックピンを前記係合溝に嵌まる状態に付勢するばね手段を設けている、
折り畳み式テーブル。 - 前記ロック部材をカバーで覆っている、
請求項1に記載した折り畳み式テーブル。
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