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JP3561147B2 - 発光ダイオード素子アレイの実装構造 - Google Patents

発光ダイオード素子アレイの実装構造 Download PDF

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  • Led Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種電子機器に利用される電子部品の実装構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子部品を基板上に実装するのに異方性導電接着剤が用いられている。かかる異方性導電接着剤は、電子部品と基板との電気的接続、並びに基板に対する電子部品の固定を一度に、且つ簡便に行うことができるものとして、特に接続箇所が極めて多数に及ぶ液晶表示デバイスや画像記録デバイス等の技術分野において注目されている。
【0003】
このような異方性導電接着剤を用いた従来の電子部品の実装は、例えば電子部品として半導体素子を用いる場合、図5に示す如く、複数の回路導体12を有する基板11の上面に、下面に複数の端子電極14を有した半導体素子13を、異方性導電接着剤15を介して取着した構造を有しており、異方性導電接着剤15中に添加されている導電性微粒子17によって前記回路導体12と前記端子電極14とを電気的に接続し、また異方性導電接着剤15中の樹脂材16によって基板11の上面と半導体素子13の下面とを接着するようになっている。
【0004】
尚、前記異方性導電接着剤15の樹脂材16としてはエポキシ樹脂やアクリル樹脂等の透光性樹脂が、また導電性微粒子17としては粒径3〜20μm程度のNi(ニッケル)粒子等が一般に使用されており、これらの導電性微粒子17を前記樹脂材16の前駆体に10〜90重量%の比率で添加し、これに有機溶媒等を添加・混合してペースト状になしたものが異方性導電接着剤15として用いられる。
【0005】
またこのような異方性導電接着剤15を用いた半導体素子13の実装は、まず基板11の上面の所定領域に、ペースト状の異方性導電接着剤15を従来周知のスクリーン印刷法等によって印刷・塗布し、次にペースト状異方性導電接着剤15を塗布した基板11の上面の所定領域に半導体素子13を載置させ、これを基板11に対して所定の押圧力で押圧しながら前記異方性導電接着剤15に熱を印加し、異方性導電接着剤15中の樹脂材16を加熱・硬化させることによって行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の実装構造においては、半導体素子13を基板11上に実装する際、基板11に対する半導体素子13の押圧等によって異方性導電接着剤15が大きく流動し、その一部が横にはみ出してしまうことがある。その場合、異方性導電接着剤15中に添加されている導電性微粒子17の多くも共に移動するため、回路導体12と端子電極14との間に介在される導電性微粒子17の個数が極端に少なくなり、両者の接続信頼性が低下する欠点を有していた。
【0007】
また前記半導体素子13として発光ダイオード素子アレイを適用し発光装置を構成するような場合、発光ダイオード素子アレイ13の実装工程において異方性導電接着剤15の一部が前述の如く流動して発光部である発光ダイオード素子13aの近傍まで及ぶことがある。この場合、発光ダイオード素子13の発する光の一部が異方性導電接着剤15中の不透明な導電性微粒子17に当たって四方に拡散したり、或いは光の一部が導電性微粒子17に吸収される等して光の強度を大幅に低下させてしまう。従って、このような発光装置を例えばLEDプリンタヘッド等の画像記録デバイスに使用した場合、感光体に鮮明な潜像を形成するのに十分な発光強度が得られず、画像記録を良好に行うことができないという欠点を有していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたものであり、本発明の発光ダイオード素子アレイの実装構造は、複数の回路導体を有する透光性の基板の上面に、下面に複数の発光ダイオード素子と複数の端子電極を有する発光ダイオード素子アレイを、透光性の樹脂材に多数の導電性微粒子を含有する異方性導電接着剤を介して、前記端子電極が対向する前記回路導体の表面に前記導電性微粒子の平均粒径よりも浅い深さの窪みを設けるとともに、該窪み内で前記異方性導電接着剤中の前記導電性微粒子を保持し、該導電性微粒子でもって前記回路導体と前記端子電極とを電気的に接続するようになし、かつ前記発光ダイオード素子と前記基板との間を前記異方性導電接着剤で充填しないようにして取着したことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の発光ダイオード素子アレイ(以下、LEDアレイと略記する)の実装構造により発光装置を構成する場合の一形態を示す断面図、図2は図1のX−X線断面図であり、1は基板、2は回路導体、2aは回路導体2の表面の窪み、3はLEDアレイ、4は端子電極、6は異方性導電接着剤、8は異方性導電接着剤中に添加されている導電性微粒子である。
【0010】
前記基板1は、例えばホウ珪酸ガラスや結晶質ガラス,石英等の透光性を有した電気絶縁性材料から成り、その上面で複数の回路導体2やLEDアレイ3を支持するとともに、LEDアレイ3の発する光を下方に透過させる作用を為す。
【0011】
また前記基板1の上面の回路導体2は、Au(金)やAg(銀),Al(アルミニウム),Ni(ニッケル)等の金属から成り、その一部表面、具体的には、LEDアレイ3の各端子電極4が対面し接続される部位には、断面V字状の窪み2aが多数、設けられる。
【0012】
前記回路導体2はLEDアレイ3の発光ダイオード素子3aに後述する異方性導電接着剤6等を介して所定の電力を供給する作用を為し、また回路導体2の表面の窪み2aは異方性導電接着剤6中の導電性微粒子8を窪み2a内に良好に保持し、導電性微粒子8がLEDアレイ3の実装時に異方性導電接着剤6の流動に伴って回路導体2の存在しない箇所に移動しようとするのを有効に防止する作用を為す。これら窪み2aの深さは、導電性微粒子8が窪み2a内に完全に埋没してしまわないように、導電性微粒子8の平均粒径wよりも浅く設定されており、例えば異方性導電接着剤6中に添加されている導電性微粒子8の平均粒径wが10μmの場合、窪み2aの深さは2〜9.5μmの範囲内に設定される。
【0013】
尚、前記回路導体2は、前述の金属材料をスパッタリング法やフォトリソグラフィー技術,エッチング技術等の薄膜形成技術によって所定パターンに微細加工したり、或いは所定の導電ペーストをスクリーン印刷法等の厚膜形成技術によって所定パターンに印刷・塗布し、これを高温で焼き付けたりすることによって基板1の上面に被着・形成され、回路導体2の表面の窪み2aは型材の押しつけやラッピングフィルム等を使用したラビング処理等によって所定の深さに形成される。
【0014】
そしてこのような回路導体2が被着されている基板1の上面には、LEDアレイ3が異方性導電接着剤6を介して取着・実装される。
【0015】
前記LEDアレイ3は、その下面に、一列状に並んだ複数の発光ダイオード素子3aと、これら発光ダイオード素子3aに電力を供給するための複数の端子電極4とを有し、これら端子電極4と該電極4に対応する回路導体2との間に異方性導電接着剤6中の導電性微粒子8を介在・挟持させておくことにより基板1に電気的に接続される。
【0016】
前記LEDアレイ3は、その上面に設けられるグランド端子(図示せず)と前記端子電極4との間に所定の電力を印加することによって発光ダイオード素子3aを発光させる作用を為し、かかるLEDアレイ3としてはGaAsP系やGaAlAs系の発光ダイオードが好適に使用される。
【0017】
尚、前記LEDアレイ3は、例えばGaAsP系発光ダイオードの場合、まずGaAsから成る半導体ウエハーを炉中にて高温に加熱するとともにAsHとPHとGaを適量に含むガスを接触させてウエハーの表面にn型半導体のGaAsP(ガリウム−砒素−リン)の単結晶を成長させ、次にGaAsP単結晶表面にSi(窒化シリコン)の窓付絶縁膜5を被着させ、その後、前記窓部にZn(亜鉛)のガスをさらし、GaAsP単結晶の一部にZnを拡散させてp型半導体層を形成することによってpn接合をもたせ、このような半導体ウエハーを複数の発光ダイオード素子、例えば128個の発光ダイオード素子毎にダイシングすることによって製作される。
【0018】
一方、前記LEDアレイ3と基板1とを電気的・機械的に接続する異方性導電接着剤6は、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の透光性の樹脂材7の前駆体中に、Ni(ニッケル)やAg(銀),Au(金)等の金属から成る導電性微粒子8(径3〜20μm)を例えば10〜90重量%の比率で含有させ、これに有機溶媒等を添加・混合してペースト状になしたもの等が用いられ、該異方性導電接着剤6はその中に添加した導電性微粒子8によって回路導体2と端子電極4とを電気的に接続し、またエポキシ樹脂等の樹脂材7によって基板1の上面と半導体素子3の下面とを接着する作用を為す。
【0019】
ここで前記導電性微粒子8は、回路導体2の表面に形成した複数の窪み2a内に良好に保持された状態で端子電極4と接触しており、前述した如く、LEDアレイ3の実装時等に異方性導電接着剤6中の導電性微粒子8が異方性導電接着剤6の流動に伴って回路導体2の存在しない領域に移動することは少なくなることから、回路導体2と端子電極4との間により多くの導電性微粒子を介在させておくことができ、これによって両者の接続信頼性を向上させることが可能となる。
【0020】
尚、前記LEDアレイ3の基板1への実装は、まずペースト状になした異方性導電接着剤6を準備し、これを従来周知のスクリーン印刷法等によって基板1の上面の所定領域に印刷・塗布し、次に異方性導電接着剤6を塗布した基板1の上面の所定領域にLEDアレイ3を載置し、これを基板1に対して所定の押圧力で押圧しながら異方性導電接着剤6に熱を印加し、異方性導電接着剤6中の樹脂材7を加熱・硬化させることによって行われ、これによってLEDアレイ3の各端子電極4と基板1の各回路導体2とが一度に電気的に接続され、また同時にLEDアレイ3が基板1に対して接着・固定されることとなる。
【0021】
このとき、異方性導電接着剤6の一部がLEDアレイ3の押圧等によって流動し発光ダイオード素子3aの近傍まで及んだとしても、導電性微粒子8の多くは前述した如く回路導体2の窪み2a内で良好に保持されるので、発光ダイオード素子3aの近傍まで達する導電性微粒子8の数は少なく、LEDアレイ3の発する光が導電性微粒子8に当たって四方に拡散したり、吸収されたりすることは殆どなくなる。従って、LEDアレイ3の発する光を高い強度に維持しつつ基板1の下面側まで導くことができ、このような発光装置を例えばLEDプリンタヘッド等の画像記録デバイスに使用する場合、LEDプリンタヘッドからの光の照射によって感光体に鮮明で良好な潜像を形成することが可能となる。
【0022】
かくして上述の発光装置は、外部からの電力を基板1上の回路導体2、LEDアレイ3の端子電極4等を介して発光ダイオード素子3aに供給し、発光ダイオード3aを所定波長で発光させるとともに、該発光した光を基板1の厚み方向に透過させて下方に導出し、これを所定の目的物に照射させることによって発光装置として機能する。
【0023】
尚、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0024】
例えば上述の形態においては本発明の実装構造をLEDアレイの実装に適用した形態を例に説明したが、LEDアレイ以外の半導体素子やチップコンデンサ,チップ抵抗器などの他の電子部品の実装にも適用可能であることは言うまでもない。
【0025】
また上述の形態においては回路導体2の表面に小さな窪み2aを多数設け、異方性導電接着剤6中の導電性微粒子8を各窪み2a内に個々に配置するようになしたが、これに代えて図3に示す如く、各回路導体2の表面に大きな窪み2bを1個ずつ設け、この窪み2b内に複数の導電性微粒子8を一度に配置させるようにしたり、或いは、基板1と電子部品3’との間に導電性微粒子8を介在させたくない箇所がある場合、例えば電子部品3’として用いるLEDアレイ下面の発光部以外のところにZnの拡散層3bが不所望に形成されているような場合に、拡散層3bの直下領域に導電性微粒子8の最大粒径よりも深い窪み2cを設け、この窪み2c内に導電性微粒子8を収容するようにすれば導電性微粒子8とLEDアレイ3’の拡散層3bとを非接触に保ち、両者が短絡するのを有効に防止することができる。
【0026】
更に上述の形態においては基板上の回路導体2を一層の導体で形成するようにしたが、これに代えて図4に示す如く、回路導体2を2層の導体2’,2”の積層構造になしても良い。この場合、上層の導体2”はLEDアレイ3の端子電極が対向する領域にのみカップ状をなすように形成され、この部分で異方性導電接着剤6中の導電性微粒子8を保持するための窪み2aを構成する。
【0027】
【発明の効果】
本発明の発光ダイオード素子アレイの実装構造によれば、異方性導電接着剤中の導電性微粒子は、回路導体の表面に形成した窪み内に良好に保持された状態で発光ダイオード素子アレイの端子電極と接触することから、発光ダイオード素子アレイの実装時等に導電性微粒子が異方性導電接着剤の流動に伴って回路導体の存在しない箇所に移動することは少なくなり、回路導体と端子電極との間により多くの導電性微粒子を介在させておくことができるようになる。これによって発光ダイオード素子アレイと基板との接続信頼性を向上させることが可能となる。
【0028】
また本発明のLEDアレイの実装構造によれば、発光ダイオード素子と基板との間は異方性導電接着剤で充填しないようにしてLEDアレイを取着しており、その実装時に異方性導電接着剤の一部がLEDアレイの押圧等によって流動し発光ダイオード素子の近傍まで及んだとしても、樹脂材は透光性であり、導電性微粒子の多くは前述した如く回路導体の窪み内で良好に保持されるので、発光ダイオード素子の近傍まで達する導電性微粒子は少なく、LEDアレイの発する光が導電性微粒子に当たって四方に拡散したり、吸収されたりすることは殆どなくなる。従って、LEDアレイの発する光を高い強度に維持しつつ所定の目的物に照射させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光ダイオード素子アレイの実装構造により発光装置を構成する場合の一形態を示す断面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】本発明の発光ダイオード素子アレイの実装構造により発光装置を構成する場合の他の形態を示す断面図である。
【図4】本発明の発光ダイオード素子アレイの実装構造により発光装置を構成する場合の他の形態を示す断面図である。
【図5】従来の電子部品の実装構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・基板
2・・・・・回路導体
2a・・・・窪み
3・・・・・LEDアレイ(発光ダイオード素子アレイ
3a・・・・発光ダイオード素子
4・・・・・端子電極
6・・・・・異方性導電接着剤
7・・・・・樹脂材
8・・・・・導電性微粒子

Claims (1)

  1. 複数の回路導体を有する透光性の基板の上面に、下面に複数の発光ダイオード素子と複数の端子電極を有する発光ダイオード素子アレイを、透光性の樹脂材に多数の導電性微粒子を含有する異方性導電接着剤を介して、前記端子電極が対向する前記回路導体の表面に前記導電性微粒子の平均粒径よりも浅い深さの窪みを設けるとともに、該窪み内で前記異方性導電接着剤中の前記導電性微粒子を保持し、該導電性微粒子でもって前記回路導体と前記端子電極とを電気的に接続するようになし、かつ前記発光ダイオード素子と前記基板との間を前記異方性導電接着剤で充填しないようにして取着したことを特徴とする発光ダイオード素子アレイの実装構造。
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