JP3560559B2 - Ｌａｎエミュレーションにおけるｉｐサーバの負荷分散装置およびその負荷分散方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はＬＡＮエミュレーションを利用したネットワーク構成で、同一のサービスを提供する複数のＩＰサーバの負荷を均等化するＬＡＮエミュレーションにおけるＩＰサーバの負荷分散装置およびその負荷分散方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のＩＰサーバの負荷分散装置において、サービスを提供するプロバイダが独自に装置を導入してＩＰサーバの負荷を分散し、各ＩＰサーバにかかる負荷を均等化させるものが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来のＩＰサーバの負荷分散装置は、サービスを提供するプロバイダが装置を設置し、ネットワークを構築しなければならないため、プロバイダには、工数や費用など大きな負担がかかる課題がある。
また、従来のＩＰサーバの負荷分散装置は、全てのトラフィックが装置まで集中するため、ＩＰサーバの処理上の負荷分散には有効であるが、ＩＰデータのトラフィック負荷分散という点では課題がある。
この発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的はＡＴＭネットワーク内でＩＰサーバの負荷分散を行い、プロバイダの負担を低減するとともに、ＩＰデータのトラフィック負荷分散を効率的に実行できる利便性の高いＬＡＮエミュレーションにおけるＩＰサーバの負荷分散装置およびその負荷分散方法を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係るＬＡＮエミュレーションにおけるＩＰサーバの負荷分散装置は、同一のサービスを提供する複数のＩＰサーバと、各ＩＰサーバとＡＴＭネットワークを接続する複数のＬＥＣ（ＬＡＮ Ｅｍｕｌａｔｉｏｎ Ｃｌｉｅｎｔ）と、ＬＡＮエミュレーションの通信を維持・管理する複数のＬＥＳ（ＬＡＮ Ｅｍｕｌａｔｉｏｎ Ｓｅｒｖｅｒ）と、複数のＬＥＳとＶＰパスでマルチポイント−ポイント接続された負荷調整サーバとを備えたＬＡＮエミュレーションにおけるＩＰサーバの負荷分散装置であって、負荷調整サーバは、複数のＬＥＣから供給されるＩＰサーバの負荷情報を収集して負荷状況を分析し、全てのＬＥＳにＩＰサーバの代表ＭＡＣアドレスと最も負荷の少ないＩＰサーバのＡＴＭアドレスとのＡＲＰ（Ａｄｄｒｅｓｓ Ｒｅｓｏｌｕｔｉｏｎ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）情報を送信することにより、複数のＩＰサーバの負荷を均等化して分散させることを特徴とする。
この発明に係るＬＡＮエミュレーションにおけるＩＰサーバの負荷分散装置は、複数のＬＥＣから供給されるＩＰサーバの負荷情報を収集して負荷状況を分析し、全てのＬＥＳにＩＰサーバの代表ＭＡＣアドレスと最も負荷の少ないＩＰサーバのＡＴＭアドレスとのＡＲＰ（Ａｄｄｒｅｓｓ Ｒｅｓｏｌｕｔｉｏｎ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）情報を送信する負荷調整サーバを備えたので、ＡＲＰ情報により最も負荷の少ないＩＰサーバを代表サーバとして選択し、負荷を供給することができ、ＡＴＭネットワーク内でＩＰサーバの負荷分散を行い、プロバイダの負担を低減するとともに、ＩＰデータのトラフィック負荷分散を効率的に実行し、利便性の向上を図ることができる。
【０００５】
また、この発明に係る負荷分散方法は、ＬＥＣからＩＰサーバの負荷情報を受信するステップ１と、負荷情報を分析するステップ２と、負荷が閾値を超えたか否かを判定するステップ３と、最小負荷のＩＰサーバを選択するステップ４と、全ＬＥＳに選択されたＩＰサーバのＡＲＰ情報を送信するステップ５とを備え、ＩＰサーバの負荷分散を行なうことを特徴とする。
この発明に係る負荷分散方法は、ＬＥＣからＩＰサーバの負荷情報を受信するステップ１と、負荷情報を分析するステップ２と、負荷が閾値を超えたか否かを判定するステップ３と、最小負荷のＩＰサーバを選択するステップ４と、全ＬＥＳに選択されたＩＰサーバのＡＲＰ情報を送信するステップ５とを備えたので、最も負荷の少ないＩＰサーバを代表サーバとして選択し、ＡＴＭネットワーク内でＩＰサーバの負荷分散を実行することができ、プロバイダの負担を低減するとともに、ＩＰデータのトラフィック負荷分散を効率的に実行し、利便性の向上を図ることができる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図１はこの発明に係るＩＰサーバの負荷分散装置の一実施の形態構成図である。なお、本実施の形態では、ＩＰサーバＳ１，Ｓ２の２個の場合について説明するが、ＩＰサーバは３個以上でもよい。図１において、ＩＰサーバの負荷分散装置１は、ＡＴＭ網１０に接続されるＡＴＭスイッチＳＷ１〜ＳＷ３と、ＡＴＭスイッチＳＷ１〜ＳＷ３のそれぞれに接続されるＬＥＣ２，４，７およびＬＥＳ３，５，８と、ＡＴＭスイッチＳＷ２に接続されるＬＥＣＳ６と、ＡＴＭスイッチＳＷ３に接続される負荷調整サーバ９と、ＩＰサーバＳ１と、ＩＰサーバＳ２と、クライアント機器１１とから構成する。
【０００７】
ＬＥＣ（ＬＡＮ Ｅｍｕｌａｔｉｏｎ Ｃｌｉｅｎｔ）２は、イーサネット（Ｅｔｈｅｒｎｅｔ）・インタフェースの機器であるクライアント機器１１を収容し、ＬＥＣ４，ＬＥＣ７は、それぞれＩＰサーバＳ１，ＩＰサーバＳ２を収容する。
また、ＬＥＣ４，ＬＥＣ７は、それぞれＩＰサーバＳ１，ＩＰサーバＳ２の負荷状況（ＳＶＣ（Ｓｗｉｔｃｈｅｄ Ｖｉｒｔｕａｌ Ｃｈａｎｎｅｌ：交換仮想チャネル）パスの本数等）を専用のチャネルを使用したＶＣ（Ｖｉｒｔｕａｌ Ｃｈａｎｎｅｌ：仮想チャネル）パスにてポイント−ポイント接続された負荷調整サーバ９に一定期間ごとに報告する。
【０００８】
ＩＰサーバＳ１，ＩＰサーバＳ２は、インターネット・プロトコルを使用して各種サービスを端末に提供するサーバで、同一のサービスを提供する。このうち代表となるサーバをＩＰサーバＳ１とする。ＩＰサーバＳ１の負荷が高くなってくると、ＩＰサーバＳ１向けのパケットがＩＰサーバＳ２へ割り振られる。ＩＰサーバＳ２を収容するＬＥＣ７は、ＩＰサーバＳ１宛てのヘッダ情報を持ったパケットを受信すると、このパケットをＩＰサーバＳ２宛てに書き換え、さらにＩＰサーバＳ２から送信されたパケットの送り元情報をＩＰサーバＳ１のものに書き換える。
【０００９】
ＬＥＳ（ＬＡＮ Ｅｍｕｌａｔｉｏｎ Ｓｅｒｖｅｒ）３，５，８は、ＬＡＮエミュレーションの通信を維持・管理するサーバで、ＬＡＮエミュレーションＡＲＰ（Ａｄｄｒｅｓｓ ｒｅｓｏｌｕｔｉｏｎ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）情報を制御してＭＡＣ（Ｍｅｄｉａｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｃｏｎｔｒｏｌ）アドレスからＡＴＭアドレスへの対応を行なう。
なお、ＡＲＰ（Ａｄｄｒｅｓｓ ｒｅｓｏｌｕｔｉｏｎ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ：アドレス解決手順）情報は、送信先の上位アドレスをキーとして下位のアドレスを問い合わせるためのプロトコルであり、ブロードキャスト機能を用いて通信先ＩＰ（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）アドレスを全端末に通知し、通信先端末から媒体アクセス制御（Ｍｅｄｉａｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｃｏｎｔｒｏｌ、ＭＡＣ）アドレスを通知してもらうプロトコルである。
【００１０】
負荷調整サーバ９は、ＬＥＣ（ＬＡＮ Ｅｍｕｌａｔｉｏｎ Ｃｌｉｅｎｔ）４，７から、それぞれが収容しているＩＰサーバＳ１，Ｓ２の負荷情報を収集して負荷状況を分析し、現時点で最も負荷の少ないＩＰサーバ（例えば、ＩＰサーバＳ２）を収容しているＬＥＣ（例えば、ＬＥＣ７）のＡＴＭアドレスを専用のチャネルを使用したＶＣパスを介してポイント−マルチポイント接続された全てのＬＥＳ（ＬＡＮ Ｅｍｕｌａｔｉｏｎ Ｓｅｒｖｅｒ）３，５，８に送信し、ＩＰサーバの代表ＭＡＣアドレスとＡＴＭアドレスとのＡＲＰテーブルを更新させる。
このように、ＩＰサーバの負荷分散装置１は、ＭＡＣアドレスとＡＴＭアドレスとのＡＲＰテーブルをリアルタイムに変更するので、同一サービスを提供する複数のＩＰサーバにかかる負荷を均等化する。
【００１１】
続いて、図１に示すＩＰサーバの負荷分散装置の動作について説明する。ＩＰサーバＳ１とＩＰサーバＳ２は同一のサービスを提供するサーバである。このような同一のサービスを提供するサーバ群の中で代表としてＩＰアドレスを公表するサーバをＩＰサーバＳ１とする。
ＩＰサーバＳ２を収容するＬＥＣ７には、ＩＰサーバＳ２がＩＰサーバＳ１の負荷分散用サーバであることを登録する。この登録によりＬＥＣ７は送受信するＩＰパケットのヘッダ情報にＩＰサーバＳ１のものがある場合には、これをＩＰサーバＳ２の情報に載せかえる。
【００１２】
ＬＥＣ４，ＬＥＣ７は、登録されたＩＰサーバの代表ＭＡＣアドレスを、それぞれの収容するＩＰサーバのＡＴＭアドレスとともに負荷調整サーバ９に通知すし、これをサーバ登録とする。
サーバ登録をする際には、ＬＥＣ４およびＬＥＣ７から負荷調整サーバ９に対して予め設定されている専用のチャネルを使用したＶＣパスを使用する。このＶＣパスはＬＥＣ４およびＬＥＣ７から負荷調整サーバ９サーバへポイント−ポイント接続される。
なお、ＶＣ（Ｖｉｒｔｕａｌ Ｃｈａｎｎｅｌ：仮想チャネル）パスとは、ＡＴＭ（Ａｓｙｎｃｈｒｏｎａｏｕｓ Ｔｒａｎｓｆｅｒ Ｍｏｄｅ）網において、ＡＴＭレイヤが提供する論理的な最小単位の通話路であり、従来の回線交換のチャネル（データを実際に運ぶ回線）に相当する概念である。
【００１３】
負荷調整サーバ９は、ネットワーク内の全てのＬＥＳ３，ＬＥＳ５，ＬＥＳ８に対して、予め専用のチャネルを使用したＶＣパスをポイント−マルチポイント接続で設定しておく。
負荷調整サーバ９に対して最初のサーバ登録が行われた時、負荷調整サーバ９は、全ＬＥＳ（ＬＥＳ３，ＬＥＳ５，ＬＥＳ８）に対して代表ＭＡＣアドレスとＡＴＭアドレスとのＡＲＰテーブルを登録させる。
ＬＥＣ４およびＬＥＣ７は、負荷調整サーバ９にサーバ登録を行った後、一定時間毎に自身に収容するＩＰサーバ（ＩＰサーバＳ１，ＩＰサーバＳ２）の負荷状態を負荷調整サーバ９に報告する。負荷情報としては、接続ＳＶＣパス数、トラフィック量等である。
なお、ＳＶＣ（Ｓｗｉｔｃｈｅｄ Ｖｉｒｔｕａｌ Ｃｈａｎｎｅｌ：交換仮想チャネル）とは、広帯域ＩＳＤＮが提供する仮想チャネルサービスの１形態であり、通信に先立ってネットワークに対して通信相手を指定し、チャネルを確立してから通信を開始する接続形態のサービスである。
【００１４】
次に、この発明に係るＩＰサーバの負荷分散装置の別実施の形態について説明する。ＩＰサーバの負荷分散装置において、ＬＥＣから負荷調整サーバに送信するデータに障害情報を含めることで、容易にサーバの多重化システムを構築することが可能である。
また、負荷調整サーバからＬＥＳに通知するアドレス情報を、ＬＥＳの位置情報によって可変にすることでクライアントの所在地によってサーバを分散させることや、ウェルノウンアドレスサービスを行うことが可能となる。
【００１５】
このように、この発明に係るＬＡＮエミュレーションにおけるＩＰサーバの負荷分散装置１は、複数のＬＥＣ４，７から供給されるＩＰサーバＳ１，Ｓ２の負荷情報を収集して負荷状況を分析し、全てのＬＥＳ３，６，８にＩＰサーバの代表ＭＡＣアドレスと最も負荷の少ないＩＰサーバのＡＴＭアドレスとのＡＲＰ（Ａｄｄｒｅｓｓ Ｒｅｓｏｌｕｔｉｏｎ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）情報を送信する負荷調整サーバを備えたので、ＡＲＰ（Ａｄｄｒｅｓｓ Ｒｅｓｏｌｕｔｉｏｎ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）情報により最も負荷の少ないＩＰサーバを代表サーバとして選択し、負荷を供給することができ、ＡＴＭネットワーク内でＩＰサーバの負荷分散を行い、プロバイダの負担を低減するとともに、ＩＰデータのトラフィック負荷分散を効率的に実行し、利便性の向上を図ることができる。
【００１６】
続いて、この発明に係るＬＡＮエミュレーションにおけるＩＰサーバの負荷分散方法について説明する。図２はこの発明に係るＩＰサーバの負荷分散方法の一実施の形態動作フロー図である。なお、図２の動作フローは、負荷調整サーバが実行する。
図２において、ステップＰ１では、ＬＥＣからＩＰサーバの負荷情報を受信する。ステップＰ２では、受信した負荷情報を分析する。
続いて、ステップＰ３では、負荷が予め設定した閾値を超えたか否かを判定し、負荷が閾値を超えた場合にはステップＰ４に移行し、負荷が閾値以下の場合にはステップＰ６に移行する。
【００１７】
ステップＰ４で、最小負荷のＩＰサーバを選択し、ステップＰ５では、全ＬＥＳに対して選択されたＩＰサーバのＡＲＰ情報を送信する。一方、ステップＰ６では、処理を終了する。
負荷調整サーバは、ＬＥＣからの負荷情報をまとめ、現在ＬＥＳに対して登録しているＩＰサーバの負荷が高くなってきた場合、全ＬＥＳＳに対して新たなＡＲＰテーブルの登録を行う。図１において、現在ＬＥＳに登録しているＩＰサーバのＡＴＭアドレスがＩＰサーバＳ１のものだったとすると、代表ＭＡＣとともにＩＰサーバＳ２のＡＴＭアドレスを送信し、今後そのサーバグループ宛てのコネクションがＩＰサーバＳ２の方へ接続されるようにすることにより、ＩＰサーバの負荷を分散して均等化することができる。
【００１８】
このように、この発明に係る負荷分散方法は、ＬＥＣからＩＰサーバの負荷情報を受信するステップ１と、負荷情報を分析するステップ２と、負荷が閾値を超えたか否かを判定するステップ３と、最小負荷のＩＰサーバを選択するステップ４と、全ＬＥＳに選択されたＩＰサーバのＡＲＰ情報を送信するステップ５とを備えたので、最も負荷の少ないＩＰサーバを代表サーバとして選択し、ＡＴＭネットワーク内でＩＰサーバの負荷分散を実行することができ、プロバイダの負担を低減するとともに、ＩＰデータのトラフィック負荷分散を効率的に実行し、利便性の向上を図ることができる。
【００１９】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係るＬＡＮエミュレーションにおけるＩＰサーバの負荷分散装置は、複数のＬＥＣから供給されるＩＰサーバの負荷情報を収集して負荷状況を分析し、全てのＬＥＳにＩＰサーバの代表ＭＡＣアドレスと最も負荷の少ないＩＰサーバのＡＴＭアドレスとのＡＲＰ（Ａｄｄｒｅｓｓ Ｒｅｓｏｌｕｔｉｏｎ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）情報を送信する負荷調整サーバを備えたので、ＡＲＰ（Ａｄｄｒｅｓｓ Ｒｅｓｏｌｕｔｉｏｎ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）情報により最も負荷の少ないＩＰサーバを代表サーバとして選択し、負荷を供給することができ、ＡＴＭネットワーク内でＩＰサーバの負荷分散を行い、プロバイダの負担を低減するとともに、ＩＰデータのトラフィック負荷分散を効率的に実行し、利便性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る負荷分散方法は、ＬＥＣからＩＰサーバの負荷情報を受信するステップ１と、負荷情報を分析するステップ２と、負荷が閾値を超えたか否かを判定するステップ３と、最小負荷のＩＰサーバを選択するステップ４と、全ＬＥＳに選択されたＩＰサーバのＡＲＰ情報を送信するステップ５とを備えたので、最も負荷の少ないＩＰサーバを代表サーバとして選択し、ＡＴＭネットワーク内でＩＰサーバの負荷分散を実行することができ、プロバイダの負担を低減するとともに、ＩＰデータのトラフィック負荷分散を効率的に実行し、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】
この発明に係るＩＰサーバの負荷分散装置の一実施の形態構成図
【図２】
この発明に係るＩＰサーバの負荷分散方法の一実施の形態動作フロー図
【符号の説明】
１……ＩＰサーバの負荷分散装置、２、４、７……ＬＥＣ（ＬＡＮ Ｅｍｕｌａｔｉｏｎ Ｃｌｉｅｎｔ）、３、５、８……ＬＥＳ（ＬＡＮ Ｅｍｕｌａｔｉｏｎ Ｓｅｒｖｅｒ）、９……負荷調整サーバ、１０……ＡＴＭ（Ａｓｙｎｃｈｒｏｎａｏｕｓ Ｔｒａｎｓｆｅｒ Ｍｏｄｅ）網、１１……クライアント機器、Ｓ１、Ｓ２……ＩＰサーバ、ＳＷ１、ＳＷ２、ＳＷ３……ＡＴＭスイッチ。

Claims (2)

1. 同一のサービスを提供する複数のＩＰサーバと、
   前記各ＩＰサーバとＡＴＭネットワークを接続する複数のＬＥＣと、
   ＬＡＮエミュレーションの通信を維持・管理する複数のＬＥＳと、
   前記複数のＬＥＳとＶＰパスでマルチポイント−ポイント接続された負荷調整サーバと、
   を備えたＬＡＮエミュレーションにおけるＩＰサーバの負荷分散装置であって、
   前記負荷調整サーバは、前記複数のＬＥＣから供給される前記ＩＰサーバの負荷情報を収集して負荷状況を分析し、全てのＬＥＳにＩＰサーバの代表ＭＡＣアドレスと最も負荷の少ないＩＰサーバのＡＴＭアドレスとのＡＲＰ情報を送信することにより、前記複数のＩＰサーバの負荷を平均化して分散させることを特徴とするＬＡＮエミュレーションにおけるＩＰサーバの負荷分散装置。
2. ＬＡＮエミュレーションにおけるＩＰサーバの負荷分散装置に適用する負荷分散方法であって、
   ＬＥＣからＩＰサーバの負荷情報を受信するステップ１と、
   負荷情報を分析するステップ２と、
   負荷が閾値を超えたか否かを判定するステップ３と、
   最小負荷のＩＰサーバを選択するステップ４と、
   全ＬＥＳに選択されたＩＰサーバのＡＲＰ情報を送信するステップ５と、
   を備え、ＩＰサーバの負荷分散を行なうことを特徴とする負荷分散方法。

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