JP3558112B2 - 高所作業車の安全装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業台のレベリング調整時において、作業台が高所作業車における他の部材と干渉することを防止する安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高所作業車は、トラックをベースに構成され、車体上に起伏作動等が自在に設けられたブームと、このブームの先端に揺動自在に取り付けられた作業者搭乗用の作業台とを有しており、ブームを作動させて作業台を所望高所に移動させ、作業台に搭乗した作業者により高所作業を行わせるように構成されている。概してこのような高所作業車は、安定して作業が行えるように作業台を常時水平に保持するレベリング装置を有している。このレベリング装置は、作業台とブーム先端との間に設けられブームの起伏作動に応じて伸縮作動するレベリングシリンダを有して構成され、ブームの起伏作動に応じて作業台を揺動させ、作業台を水平に保持する。
【0003】
ところで、作業台の自重や作業台上の荷の重さにより、レベリングシリンダには圧縮荷重または引っ張り荷重が作用し、その油室内および油室に繋がった配管内には油圧が生じているため、配管等が経時変化するなどして作業台が水平位置から徐々に傾くことがある。このため、高所作業車には通常はレベリング調整装置が設けられており、レベリングシリンダのボトム側油室またはロッド側油室に作動油を補給してレベリングシリンダの伸長量を調整し、傾斜角が小さくなる方向に作業台を揺動させてレベリング調整(その姿勢の修正)を行うことができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えばブームを格納状態、すなわち最大まで倒伏させた状態にしてレベリング調整を行うような場合等においては、誤って傾斜角が大きくなる方向に作業台を揺動させてしまうと、作業台が高所作業車における他の部材と干渉するおそれがあるという問題があった。
【0005】
特に、重荷重型高所作業車のように、作業台に大型のものが用いられるような場合にこの干渉問題が生じる。重荷重型高所作業車の場合、ブームの先端に前後に揺動自在に取り付けられたポストの上端に大型の作業台が前後に延びて取り付けられており、作業台の後端側がブーム上に位置し、前端側が運転キャビン上に位置している。このため、ブーム格納状態においては、後端側がブームに、前端側が運転キャビンにそれぞれ近接しており、後方に揺動させすぎると後端側がブームに干渉し、前方に揺動させすぎると前端側が運転キャビンに干渉する。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、レベリング調整時において作業台と高所作業車における他の部材との干渉を防止することのできる安全装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の安全装置は、車体に起伏自在に取り付けられたブームと、このブームの先端に前後に揺動自在に取り付けられたポストと、このポストに取り付けられた作業台と、ポストを揺動させるレベリングシリンダと、ブームの起伏に対応してレベリングシリンダを作動させてポストを揺動させ、作業台を常時水平に保持するレベリング機構と、作業台が水平より傾斜した場合に手動操作によりレベリングシリンダを作動させ、ブームに対するポストの交差角を調整して作業台を水平にするレベリング調整を行うレベリング調整手段とを備えた高所作業車に用いられるものであり、交差角が許容交差角範囲内にあるか否かを検出する作業台状態検出手段と、レベリング調整を行うときに、作業台状態検出手段により交差角が許容交差角範囲外になったことが検出されると警報作動を行う警報手段とから構成される。なお、警報作動とは、警報ブザーによる警報作動のみならず、作業台の揺動作動を規制するような警報作動も含む。
【0008】
このような構成によれば、レベリング調整を行う場合に、作業台を揺動させすぎて交差角が許容交差角範囲を超えると、警報手段により警報作動を行うので、作業台と高所作業車における他の部材との干渉を防止することができる。
【0009】
本発明の安全装置は、例えばブームが車体の後端側から前端側に延びて取り付けられ、車体がトラックをベースに構成されて車体前部に運転キャビンを有し、作業台は、格納状態でポストの上端から車体の前後に延びて取り付けられ、後端側がブーム上に位置し、前端側が運転キャビン上に位置しており、交差角が小さくなる方向にポストを揺動させると後端側がブームに接近し、交差角が大きくなる方向にポストを揺動させると前端側が運転キャビンに接近するように構成された高所作業車用に特に適している。この場合、上記警報作動により干渉防止がなされるのは、作業台後端側とブームとの干渉および作業台前端側と運転キャビンとの干渉となる。
【0010】
さらに、本発明の安全装置は、ブームが格納状態となっているか否かを検出するブーム格納検出器が設けられるとともに、作業台状態検出手段が、交差角が許容最小交差角以上となっているか否かを検出する最小交差角検出器と、交差角が許容最大交差角以下となっているか否かを検出する最大交差角検出器とから構成される。
【0011】
そして、本発明の安全装置における警報手段は、ブーム格納検出器により、ブームが格納状態となっていることが検出された場合には、レベリング調整を行うことが許容され、且つこのレベリング調整時に、最小交差角検出器により交差角が許容最小交差角よりも小さいことが検出されるか、最大交差角検出器により交差角が許容最大交差角よりも大きいことが検出されると警報作動を行う。あるいは、ブーム格納検出器により、ブームが格納状態にないことが検出された場合には、レベリング調整を行うことを規制する。そのため、作業台と高所作業車における他の部材との干渉を確実に防止することができる。
【0012】
このような構成によれば、ブームが格納状態にある場合には、レベリング調整を行うことが可能であり、且つこのレベリング調整中においては、交差角が許容最小交差角よりも小さくなるか、許容最大交差角よりも大きくなるかすると警報作動が行われて、作業台と高所作業車における他の部材との干渉が防止される。この場合、許容交差角範囲は、許容最小交差角以上許容最大交差角以下となる範囲となっており、ブーム格納状態以外には対応していないが、ブームが格納状態にない場合には、レベリング調整を行うことが規制されるため、確実に干渉が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図を参照して説明する。図1には、本発明の安全装置を有する重荷重型高所作業車(以下、単に高所作業車という)1の構成を示している。この高所作業車1は、車体11上に旋回モータ(図示せず)により旋回作動自在な旋回台12を有しており、この旋回台12には、ブーム13が起伏作動自在に取り付けられている。ブーム13は複数のブーム部材からなり、これらブーム部材は入れ子式に伸縮自在に構成されている。このブーム13は、内部に配設された伸縮シリンダ(図示せず)の伸縮作動により伸縮作動し、旋回台12とブーム13との間に配設された起伏シリンダ14の伸縮作動により起伏作動するようになっている。
【0015】
ブーム13の先端には、ポスト15aが前後方向に揺動自在に取り付けられている。このポスト15aには大型の作業台15が取り付けられており、この作業台15には、複数の作業車が搭乗可能となっている。この作業台15は、ポスト15a上端から前後方向に延びて取り付けられており、図に示すように、ブーム13がブーム受け19上に載置されて格納状態とされる場合には、後端側がブーム13上に位置するとともにこのブーム13に近接しており、前端側が運転キャビン10上に位置するとともにこの運転キャビン10に近接している。
【0016】
この作業台15上には上部操作装置17が、車体11側には下部操作装置18がそれぞれ設けられており、これら操作装置17,18の操作により旋回モータ、起伏シリンダ14、伸縮シリンダへの作動油の給排が制御され、ブーム13の旋回、起伏、伸縮作動が制御されるようになっている。
【0017】
これにより、上部操作装置17または下部操作装置18を操作してブーム13の作動制御を行い、作業台15を所望高所に移動して作業台15に搭乗した作業者により高所作業を行わせることができるようになっている。なお、作業を行わないときには、ブーム13は、ブーム受け19上に載置されて格納状態とされる。
【0018】
作業台15の底部とブーム13先端部との間には、レベリングシリンダ16が設けられている。このレベリングシリンダ16は、そのボトム側油室が起伏シリンダ14のロッド側油室に繋げられており、起伏シリンダ14の伸縮作動に連動して伸縮作動するようになっている。すなわち、ブーム13を起仰作動させる場合には、起伏シリンダ14のボトム側油室に作動油が供給されるとともに起伏シリンダ14のロッド側油室内の作動油がレベリングシリンダ16のボトム側油室内に流入し、起伏シリンダ14の伸長作動に連動して起伏シリンダ16が伸長作動する。
【0019】
ブーム13を倒伏作動させる場合には、レベリングシリンダ16のロッド側油室に作動油が供給されるとともにレベリングシリンダ16のボトム側油室内の作動油が起伏シリンダ14のロッド側油室内に流入し、レベリングシリンダ16の縮小作動に連動して起伏シリンダ14が縮小作動する。
【0020】
このため、このような起伏シリンダ14の伸縮作動に連動したレベリングシリンダ16の伸縮作動により、ブーム13の起伏作動に連動してポスト15aが前後方向に揺動作動し、ポスト15aが常時垂直に保持されて作業台15を常時水平に保持するレベリングがなされるようになっている。
【0021】
ところで、この作業台15は大きいため、荷が作業台15の縁部上に載置される等すると、大きな引っ張り荷重または圧縮荷重がレベリングシリンダ16に作用し、その油室内および油室に繋がった配管内の油圧が高圧になる。このようなことから、配管等が経時変化するなどしてレベリングがずれる、すなわち作業台15が水平位置から徐々に傾くことがある。
【0022】
このため、このように作業台15が傾いた場合に、その傾斜角が小さくなる方向にポスト15aを揺動させてレベリング調整(その姿勢の修正)が行えるように、レベリング調整装置が設けられている。このレベリング調整装置は、上部および下部操作装置17,18に設けられ、操作に応じてレベリング調整用操作信号を出力するレベリング調整用操作装置17a,18aと、このレベリング調整用操作信号に基づき作動信号を出力するコントローラ20と、レベリング調整バルブ21とを有して構成される(図2参照)。レベリング調整バルブ21は、レベリングシリンダ16への作動油の補給制御を行うものであり、コントローラ20から出力される作動信号に応じて作動する。
【0023】
このような構成によれば、レベリング調整用操作装置17a,18aを操作すると、レベリングシリンダ16へ作動油が補給され、レベリングシリンダ16が伸縮作動する。このため、レベリング調整用操作装置17a,18aを操作して、作業台15の傾斜角が小さくなる方向にポスト15aを揺動作動させてレベリング調整を行うことができるようになっている。
【0024】
しかしながら、このレベリング調整をブーム13を倒伏させた状態、特に図1に示すように格納させた状態において行う場合、作業台15の後端側がブーム13に近接しており、前端側が運転キャビン10に近接している。このため、誤って作業台15の傾斜角が大きくなる方向へポスト15aを揺動させてしまった場合、作業台15が後方(図のR方向)に傾斜しすぎると、作業台15の後端側とブーム13との間の間隔Crが零となり作業台15がブーム13に干渉するおそれがある。
【0025】
また、作業台15が前方(図のF方向)に傾斜しすぎると、作業台15の前端側とキャビン10との間の間隔Cfが零となり作業台15が運転キャビン10に干渉するおそれがある。このため、高所作業車1には、このような干渉を防止する本発明の安全装置が設けられている。
【0026】
この安全装置の構成を図2に示しており、これはブーム受け側リミットスイッチ31と、第1ポスト側リミットスイッチ32と、第2ポスト側リミットスイッチ33とを有している。また上記のコントローラ20も含んでおり、これらリミットスイッチ(以下、L/Sという)31〜33からの検出信号は、コントローラ20に入力される。
【0027】
ブーム受け側L/S31は、ブーム13が格納状態にあるか否かを検出する。このブーム受け側L/S31は、図1に示すようにブーム受け19に設けられており、ブーム13が格納状態となると、ブーム13によりスイッチが押し込められてオン状態となるようになっている。
【0028】
第1および第2ポスト側L/S32,33は、ブーム13に対するポスト15aの交差角αが許容交差角範囲内にあるか否かを検出するために設けられるものであり、図1に示すようにポスト15aに取り付けられている。ここで、本安全装置は、ブーム13の格納状態においてレベリング調整を行った場合の干渉防止を行うものであり、この許容交差角範囲には、ブーム13を格納させた状態において、作業台15をブーム13または運転キャビン10に干渉させることなくポスト15aを揺動させることが可能な交差角αの範囲が設定される。
【0029】
すなわち、図1において、αmin以上αmax以下となる交差角αの範囲が設定される。αminは、作業台15をブーム13に干渉させることなくポスト15aを揺動させることが可能な交差角αの最小値(許容最小交差角)であり、αmaxは、ブーム13の格納状態において、作業台15を運転キャビン10に干渉させることなくポスト15aを揺動させることが可能な交差角αの最大値(許容最大交差角)である。
【0030】
第1ポスト側L/S32は、ポスト15aを後方に揺動させすぎて交差角αが許容最小交差角αminよりも小さくなったか否かを検出するものであり、作業台15があまり傾斜しておらず交差角αがαminより大きいときには、図3(A)に示すようにスイッチが解放されてオフ状態となっている。ポスト15aを後方に揺動させすぎて交差角αがαminより小さくなると、図3(B)に示すようにブーム13によりスイッチが押し込められてオン状態となる。
【0031】
第2ポスト側L/S33は、ポスト15aを前方に揺動させすぎて交差角αが許容最大交差角αmaxよりも大きくなったか否かを検出するものであり、作業台15があまり傾斜しておらず交差角αがαmaxより小さいときには、図4(A)に示すようにブーム13によりスイッチが押し込められてオン状態となっている。ポスト15aを前方に揺動させすぎて交差角αがαmaxより大きくなると、図4(B)に示すようにスイッチが解放されてオフ状態となる。
【0032】
コントローラ20は、ブーム13が格納状態にありブーム受け側L/S31からオン信号が入力されている状態においては、上述したようにレベリング調整用操作装置17a,18aからのレベリング調整用操作信号に基づき、レベリング調整バルブ21に作動信号を出力してレベリング調整を行わせる。そして、このレベリング調整時に、交差角αが許容最小交差角αminよりも小さくなり、第1ポスト側L/S32からオン信号が入力されるか、交差角αが許容最大交差角αmaxよりも大きくなり、第2ポスト側L/S33からオフ信号が入力されるかすると警報作動を行う。
【0033】
ここで、警報作動は、レベリング調整バルブ21への作動信号の出力を停止して作業台15の傾斜角が大きくなる方向へのポスト15aの揺動作動を規制すること、警報ブザー22を鳴らすこと等を意味する。なお、この後、作業台15の傾斜角が小さくなる方向へポスト15aを揺動作動させるレベリング調整用操作信号が入力された場合には、その操作信号に応じてレベリング調整バルブ21へ作動信号を出力し、ポスト15aを揺動作動させる。
【0034】
ブーム13が起仰して格納状態でなくなり、ブーム受け側L/S31からオフ信号が入力されている状態においては、レベリング調整を行おうとしてレベリング調整用操作装置17a,18aが操作され、レベリング調整用操作信号が入力されると警報作動を行い、レベリング調整を行わせない。
【0035】
このような警報作動によれば、ブーム13が格納された状態において、レベリング調整が行われた場合に、作業台15がブーム13または運転キャビン10と干渉することを防止することができるとともに、ブーム13が格納されてない状態でのレベリング調整を規制することができる。
【0036】
以上説明したように、本安全装置では、ブーム13が格納状態にあるか否かを検出するためにブーム受け側L/S31を、交差角αが許容交差角範囲内にあるか否かを検出するために第1および第2ポスト側L/S32,33をそれぞれ用いている。これらL/S31〜33は安価であるため、本安全装置は、レベリング調整がブーム格納状態に限定されるというデメリットはあるが、コスト的にメリットがある。
【0037】
以上、ブーム13が格納状態にある場合においてのみ干渉を防止することが可能な安全装置について説明したが、次に、ブーム13の起伏状態に関係なく干渉防止を行うことが可能な第2例の安全装置について説明する。図5には、このような安全装置の構成を示している。この安全装置は、ブーム13の起伏角を検出する起伏角検出器41と、交差角αを検出する交差角検出器42(ともに図1参照)と、コントローラ30とを有しており、各検出器41,42からの検出信号は、コントローラ30に入力される。
【0038】
コントローラ30は、ブーム13の起伏状態に関係なく、レベリング調整用操作装置17a,18aからのレベリング調整用操作信号に基づき、レベリング調整バルブ21へ作動信号を出力して上記例と同様にレベリング調整を行わせる。一方で、起伏角検出器41により検出された起伏角における許容交差角範囲を算出する。そして、このレベリング調整時に、交差角検出器42により検出された交差角αが算出された許容交差角範囲外にあるときに、上記例と同様に警報作動を行う。
【0039】
ここで、この許容交差角範囲は、その起伏角において、作業台15をブーム13に干渉させることなく揺動させることが可能な許容最小交差角(上記例の許容最小交差角αminと同一)以上で、作業台15を運転キャビン10に干渉させることなく揺動させることが可能な許容最大交差角以下となる交差角αの範囲である。なお、この場合、許容最大交差角は起伏角に応じて変化する。
【0040】
このような構成によれば、起伏角に応じた許容交差角範囲が設定され、警報作動は、交差角αがこの許容交差角範囲を超えた場合に行われるので、ブーム13をどのような起伏状態にしてレベリング調整を行っても干渉防止を行うことができる。
【0041】
なお、交差角αは、上記のように交差角検出器42により直接検出するのでなく、例えば、レベリングシリンダ16にストロークセンサを設け、このストロークセンサにより検出されたレベリングシリンダ16の伸長量から算出するようにして検出することもできる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明の安全装置によれば、レベリング調整を行う場合に、作業台を揺動させすぎて交差角が許容交差角範囲を超えると、警報手段により警報作動が行われるので、作業台と高所作業車における他の部材との干渉を防止することができる。このため、干渉を気にせずレベリング調整作業を行うことができる。
【0043】
なお、ブームが格納状態となっているか否かを検出するブーム格納検出器を設け、作業台状態検出手段を、交差角が許容最小交差角以上となっているか否かを検出する最小交差角検出器と、交差角が許容最大交差角以下となっているか否かを検出する最大交差角検出器とから構成し、ブームが格納状態となっている場合には、レベリング調整を行うことを許容するとともにこのレベリング調整時に、交差角が許容最小交差角よりも小さくなるか、許容最大交差角よりも大きくなるかしたときに警報作動を行い、ブームが格納状態になり場合には、レベリング調整を行うことを規制するように構成すれば、レベリング調整はブーム格納状態に限定されるが、ブーム格納検出器、最小交差角検出器および最大交差角検出器は機能が単純であり、これらに、構成が簡単で安価なものを用いることができるため、コスト的にメリットがある。
【0044】
また、ブームの起伏角を検出する起伏角検出器を設け、作業台状態検出手段により、起伏角検出器によって検出された起伏角における許容交差角範囲を算出させ、起伏角に応じた許容交差角範囲を設定させるように構成すれば、起伏角に応じた許容交差角範囲が設定されるので、ブームをどのような起伏状態にしてレベリング調整を行っても干渉防止を行うことができるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の安全装置を備える高所作業車1の構成を示す側面図である。
【図2】本発明の安全装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第1ポスト側L/S32のオン・オフ作動を説明する概略図であり、図(A)はオフ状態を示し、図(B)はオン状態を示す。
【図4】第2ポスト側L/S33のオン・オフ作動を説明する概略図であり、図(A)はオン状態を示し、図(B)はオフ状態を示す。
【図5】第2例の安全装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 運転キャビン
11 車体
13 ブーム
15 作業台
15a ポスト
20 コントローラ
22 警報ブザー
31 ブーム受け側検出器(ブーム格納検出器)
32 第1ポスト側L/S(最小交差角検出器)
33 第2ポスト側L/S(最大交差角検出器)
α 交差角
αmax 許容最大交差角
αmin 許容最小交差角
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業台のレベリング調整時において、作業台が高所作業車における他の部材と干渉することを防止する安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高所作業車は、トラックをベースに構成され、車体上に起伏作動等が自在に設けられたブームと、このブームの先端に揺動自在に取り付けられた作業者搭乗用の作業台とを有しており、ブームを作動させて作業台を所望高所に移動させ、作業台に搭乗した作業者により高所作業を行わせるように構成されている。概してこのような高所作業車は、安定して作業が行えるように作業台を常時水平に保持するレベリング装置を有している。このレベリング装置は、作業台とブーム先端との間に設けられブームの起伏作動に応じて伸縮作動するレベリングシリンダを有して構成され、ブームの起伏作動に応じて作業台を揺動させ、作業台を水平に保持する。
【0003】
ところで、作業台の自重や作業台上の荷の重さにより、レベリングシリンダには圧縮荷重または引っ張り荷重が作用し、その油室内および油室に繋がった配管内には油圧が生じているため、配管等が経時変化するなどして作業台が水平位置から徐々に傾くことがある。このため、高所作業車には通常はレベリング調整装置が設けられており、レベリングシリンダのボトム側油室またはロッド側油室に作動油を補給してレベリングシリンダの伸長量を調整し、傾斜角が小さくなる方向に作業台を揺動させてレベリング調整(その姿勢の修正)を行うことができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えばブームを格納状態、すなわち最大まで倒伏させた状態にしてレベリング調整を行うような場合等においては、誤って傾斜角が大きくなる方向に作業台を揺動させてしまうと、作業台が高所作業車における他の部材と干渉するおそれがあるという問題があった。
【0005】
特に、重荷重型高所作業車のように、作業台に大型のものが用いられるような場合にこの干渉問題が生じる。重荷重型高所作業車の場合、ブームの先端に前後に揺動自在に取り付けられたポストの上端に大型の作業台が前後に延びて取り付けられており、作業台の後端側がブーム上に位置し、前端側が運転キャビン上に位置している。このため、ブーム格納状態においては、後端側がブームに、前端側が運転キャビンにそれぞれ近接しており、後方に揺動させすぎると後端側がブームに干渉し、前方に揺動させすぎると前端側が運転キャビンに干渉する。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、レベリング調整時において作業台と高所作業車における他の部材との干渉を防止することのできる安全装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の安全装置は、車体に起伏自在に取り付けられたブームと、このブームの先端に前後に揺動自在に取り付けられたポストと、このポストに取り付けられた作業台と、ポストを揺動させるレベリングシリンダと、ブームの起伏に対応してレベリングシリンダを作動させてポストを揺動させ、作業台を常時水平に保持するレベリング機構と、作業台が水平より傾斜した場合に手動操作によりレベリングシリンダを作動させ、ブームに対するポストの交差角を調整して作業台を水平にするレベリング調整を行うレベリング調整手段とを備えた高所作業車に用いられるものであり、交差角が許容交差角範囲内にあるか否かを検出する作業台状態検出手段と、レベリング調整を行うときに、作業台状態検出手段により交差角が許容交差角範囲外になったことが検出されると警報作動を行う警報手段とから構成される。なお、警報作動とは、警報ブザーによる警報作動のみならず、作業台の揺動作動を規制するような警報作動も含む。
【0008】
このような構成によれば、レベリング調整を行う場合に、作業台を揺動させすぎて交差角が許容交差角範囲を超えると、警報手段により警報作動を行うので、作業台と高所作業車における他の部材との干渉を防止することができる。
【0009】
本発明の安全装置は、例えばブームが車体の後端側から前端側に延びて取り付けられ、車体がトラックをベースに構成されて車体前部に運転キャビンを有し、作業台は、格納状態でポストの上端から車体の前後に延びて取り付けられ、後端側がブーム上に位置し、前端側が運転キャビン上に位置しており、交差角が小さくなる方向にポストを揺動させると後端側がブームに接近し、交差角が大きくなる方向にポストを揺動させると前端側が運転キャビンに接近するように構成された高所作業車用に特に適している。この場合、上記警報作動により干渉防止がなされるのは、作業台後端側とブームとの干渉および作業台前端側と運転キャビンとの干渉となる。
【0010】
さらに、本発明の安全装置は、ブームが格納状態となっているか否かを検出するブーム格納検出器が設けられるとともに、作業台状態検出手段が、交差角が許容最小交差角以上となっているか否かを検出する最小交差角検出器と、交差角が許容最大交差角以下となっているか否かを検出する最大交差角検出器とから構成される。
【0011】
そして、本発明の安全装置における警報手段は、ブーム格納検出器により、ブームが格納状態となっていることが検出された場合には、レベリング調整を行うことが許容され、且つこのレベリング調整時に、最小交差角検出器により交差角が許容最小交差角よりも小さいことが検出されるか、最大交差角検出器により交差角が許容最大交差角よりも大きいことが検出されると警報作動を行う。あるいは、ブーム格納検出器により、ブームが格納状態にないことが検出された場合には、レベリング調整を行うことを規制する。そのため、作業台と高所作業車における他の部材との干渉を確実に防止することができる。
【0012】
このような構成によれば、ブームが格納状態にある場合には、レベリング調整を行うことが可能であり、且つこのレベリング調整中においては、交差角が許容最小交差角よりも小さくなるか、許容最大交差角よりも大きくなるかすると警報作動が行われて、作業台と高所作業車における他の部材との干渉が防止される。この場合、許容交差角範囲は、許容最小交差角以上許容最大交差角以下となる範囲となっており、ブーム格納状態以外には対応していないが、ブームが格納状態にない場合には、レベリング調整を行うことが規制されるため、確実に干渉が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図を参照して説明する。図1には、本発明の安全装置を有する重荷重型高所作業車(以下、単に高所作業車という)1の構成を示している。この高所作業車1は、車体11上に旋回モータ(図示せず)により旋回作動自在な旋回台12を有しており、この旋回台12には、ブーム13が起伏作動自在に取り付けられている。ブーム13は複数のブーム部材からなり、これらブーム部材は入れ子式に伸縮自在に構成されている。このブーム13は、内部に配設された伸縮シリンダ(図示せず)の伸縮作動により伸縮作動し、旋回台12とブーム13との間に配設された起伏シリンダ14の伸縮作動により起伏作動するようになっている。
【0015】
ブーム13の先端には、ポスト15aが前後方向に揺動自在に取り付けられている。このポスト15aには大型の作業台15が取り付けられており、この作業台15には、複数の作業車が搭乗可能となっている。この作業台15は、ポスト15a上端から前後方向に延びて取り付けられており、図に示すように、ブーム13がブーム受け19上に載置されて格納状態とされる場合には、後端側がブーム13上に位置するとともにこのブーム13に近接しており、前端側が運転キャビン10上に位置するとともにこの運転キャビン10に近接している。
【0016】
この作業台15上には上部操作装置17が、車体11側には下部操作装置18がそれぞれ設けられており、これら操作装置17,18の操作により旋回モータ、起伏シリンダ14、伸縮シリンダへの作動油の給排が制御され、ブーム13の旋回、起伏、伸縮作動が制御されるようになっている。
【0017】
これにより、上部操作装置17または下部操作装置18を操作してブーム13の作動制御を行い、作業台15を所望高所に移動して作業台15に搭乗した作業者により高所作業を行わせることができるようになっている。なお、作業を行わないときには、ブーム13は、ブーム受け19上に載置されて格納状態とされる。
【0018】
作業台15の底部とブーム13先端部との間には、レベリングシリンダ16が設けられている。このレベリングシリンダ16は、そのボトム側油室が起伏シリンダ14のロッド側油室に繋げられており、起伏シリンダ14の伸縮作動に連動して伸縮作動するようになっている。すなわち、ブーム13を起仰作動させる場合には、起伏シリンダ14のボトム側油室に作動油が供給されるとともに起伏シリンダ14のロッド側油室内の作動油がレベリングシリンダ16のボトム側油室内に流入し、起伏シリンダ14の伸長作動に連動して起伏シリンダ16が伸長作動する。
【0019】
ブーム13を倒伏作動させる場合には、レベリングシリンダ16のロッド側油室に作動油が供給されるとともにレベリングシリンダ16のボトム側油室内の作動油が起伏シリンダ14のロッド側油室内に流入し、レベリングシリンダ16の縮小作動に連動して起伏シリンダ14が縮小作動する。
【0020】
このため、このような起伏シリンダ14の伸縮作動に連動したレベリングシリンダ16の伸縮作動により、ブーム13の起伏作動に連動してポスト15aが前後方向に揺動作動し、ポスト15aが常時垂直に保持されて作業台15を常時水平に保持するレベリングがなされるようになっている。
【0021】
ところで、この作業台15は大きいため、荷が作業台15の縁部上に載置される等すると、大きな引っ張り荷重または圧縮荷重がレベリングシリンダ16に作用し、その油室内および油室に繋がった配管内の油圧が高圧になる。このようなことから、配管等が経時変化するなどしてレベリングがずれる、すなわち作業台15が水平位置から徐々に傾くことがある。
【0022】
このため、このように作業台15が傾いた場合に、その傾斜角が小さくなる方向にポスト15aを揺動させてレベリング調整(その姿勢の修正)が行えるように、レベリング調整装置が設けられている。このレベリング調整装置は、上部および下部操作装置17,18に設けられ、操作に応じてレベリング調整用操作信号を出力するレベリング調整用操作装置17a,18aと、このレベリング調整用操作信号に基づき作動信号を出力するコントローラ20と、レベリング調整バルブ21とを有して構成される(図2参照)。レベリング調整バルブ21は、レベリングシリンダ16への作動油の補給制御を行うものであり、コントローラ20から出力される作動信号に応じて作動する。
【0023】
このような構成によれば、レベリング調整用操作装置17a,18aを操作すると、レベリングシリンダ16へ作動油が補給され、レベリングシリンダ16が伸縮作動する。このため、レベリング調整用操作装置17a,18aを操作して、作業台15の傾斜角が小さくなる方向にポスト15aを揺動作動させてレベリング調整を行うことができるようになっている。
【0024】
しかしながら、このレベリング調整をブーム13を倒伏させた状態、特に図1に示すように格納させた状態において行う場合、作業台15の後端側がブーム13に近接しており、前端側が運転キャビン10に近接している。このため、誤って作業台15の傾斜角が大きくなる方向へポスト15aを揺動させてしまった場合、作業台15が後方(図のR方向)に傾斜しすぎると、作業台15の後端側とブーム13との間の間隔Crが零となり作業台15がブーム13に干渉するおそれがある。
【0025】
また、作業台15が前方(図のF方向)に傾斜しすぎると、作業台15の前端側とキャビン10との間の間隔Cfが零となり作業台15が運転キャビン10に干渉するおそれがある。このため、高所作業車1には、このような干渉を防止する本発明の安全装置が設けられている。
【0026】
この安全装置の構成を図2に示しており、これはブーム受け側リミットスイッチ31と、第1ポスト側リミットスイッチ32と、第2ポスト側リミットスイッチ33とを有している。また上記のコントローラ20も含んでおり、これらリミットスイッチ(以下、L/Sという)31〜33からの検出信号は、コントローラ20に入力される。
【0027】
ブーム受け側L/S31は、ブーム13が格納状態にあるか否かを検出する。このブーム受け側L/S31は、図1に示すようにブーム受け19に設けられており、ブーム13が格納状態となると、ブーム13によりスイッチが押し込められてオン状態となるようになっている。
【0028】
第1および第2ポスト側L/S32,33は、ブーム13に対するポスト15aの交差角αが許容交差角範囲内にあるか否かを検出するために設けられるものであり、図1に示すようにポスト15aに取り付けられている。ここで、本安全装置は、ブーム13の格納状態においてレベリング調整を行った場合の干渉防止を行うものであり、この許容交差角範囲には、ブーム13を格納させた状態において、作業台15をブーム13または運転キャビン10に干渉させることなくポスト15aを揺動させることが可能な交差角αの範囲が設定される。
【0029】
すなわち、図1において、αmin以上αmax以下となる交差角αの範囲が設定される。αminは、作業台15をブーム13に干渉させることなくポスト15aを揺動させることが可能な交差角αの最小値(許容最小交差角)であり、αmaxは、ブーム13の格納状態において、作業台15を運転キャビン10に干渉させることなくポスト15aを揺動させることが可能な交差角αの最大値(許容最大交差角)である。
【0030】
第1ポスト側L/S32は、ポスト15aを後方に揺動させすぎて交差角αが許容最小交差角αminよりも小さくなったか否かを検出するものであり、作業台15があまり傾斜しておらず交差角αがαminより大きいときには、図3(A)に示すようにスイッチが解放されてオフ状態となっている。ポスト15aを後方に揺動させすぎて交差角αがαminより小さくなると、図3(B)に示すようにブーム13によりスイッチが押し込められてオン状態となる。
【0031】
第2ポスト側L/S33は、ポスト15aを前方に揺動させすぎて交差角αが許容最大交差角αmaxよりも大きくなったか否かを検出するものであり、作業台15があまり傾斜しておらず交差角αがαmaxより小さいときには、図4(A)に示すようにブーム13によりスイッチが押し込められてオン状態となっている。ポスト15aを前方に揺動させすぎて交差角αがαmaxより大きくなると、図4(B)に示すようにスイッチが解放されてオフ状態となる。
【0032】
コントローラ20は、ブーム13が格納状態にありブーム受け側L/S31からオン信号が入力されている状態においては、上述したようにレベリング調整用操作装置17a,18aからのレベリング調整用操作信号に基づき、レベリング調整バルブ21に作動信号を出力してレベリング調整を行わせる。そして、このレベリング調整時に、交差角αが許容最小交差角αminよりも小さくなり、第1ポスト側L/S32からオン信号が入力されるか、交差角αが許容最大交差角αmaxよりも大きくなり、第2ポスト側L/S33からオフ信号が入力されるかすると警報作動を行う。
【0033】
ここで、警報作動は、レベリング調整バルブ21への作動信号の出力を停止して作業台15の傾斜角が大きくなる方向へのポスト15aの揺動作動を規制すること、警報ブザー22を鳴らすこと等を意味する。なお、この後、作業台15の傾斜角が小さくなる方向へポスト15aを揺動作動させるレベリング調整用操作信号が入力された場合には、その操作信号に応じてレベリング調整バルブ21へ作動信号を出力し、ポスト15aを揺動作動させる。
【0034】
ブーム13が起仰して格納状態でなくなり、ブーム受け側L/S31からオフ信号が入力されている状態においては、レベリング調整を行おうとしてレベリング調整用操作装置17a,18aが操作され、レベリング調整用操作信号が入力されると警報作動を行い、レベリング調整を行わせない。
【0035】
このような警報作動によれば、ブーム13が格納された状態において、レベリング調整が行われた場合に、作業台15がブーム13または運転キャビン10と干渉することを防止することができるとともに、ブーム13が格納されてない状態でのレベリング調整を規制することができる。
【0036】
以上説明したように、本安全装置では、ブーム13が格納状態にあるか否かを検出するためにブーム受け側L/S31を、交差角αが許容交差角範囲内にあるか否かを検出するために第1および第2ポスト側L/S32,33をそれぞれ用いている。これらL/S31〜33は安価であるため、本安全装置は、レベリング調整がブーム格納状態に限定されるというデメリットはあるが、コスト的にメリットがある。
【0037】
以上、ブーム13が格納状態にある場合においてのみ干渉を防止することが可能な安全装置について説明したが、次に、ブーム13の起伏状態に関係なく干渉防止を行うことが可能な第2例の安全装置について説明する。図5には、このような安全装置の構成を示している。この安全装置は、ブーム13の起伏角を検出する起伏角検出器41と、交差角αを検出する交差角検出器42(ともに図1参照)と、コントローラ30とを有しており、各検出器41,42からの検出信号は、コントローラ30に入力される。
【0038】
コントローラ30は、ブーム13の起伏状態に関係なく、レベリング調整用操作装置17a,18aからのレベリング調整用操作信号に基づき、レベリング調整バルブ21へ作動信号を出力して上記例と同様にレベリング調整を行わせる。一方で、起伏角検出器41により検出された起伏角における許容交差角範囲を算出する。そして、このレベリング調整時に、交差角検出器42により検出された交差角αが算出された許容交差角範囲外にあるときに、上記例と同様に警報作動を行う。
【0039】
ここで、この許容交差角範囲は、その起伏角において、作業台15をブーム13に干渉させることなく揺動させることが可能な許容最小交差角(上記例の許容最小交差角αminと同一)以上で、作業台15を運転キャビン10に干渉させることなく揺動させることが可能な許容最大交差角以下となる交差角αの範囲である。なお、この場合、許容最大交差角は起伏角に応じて変化する。
【0040】
このような構成によれば、起伏角に応じた許容交差角範囲が設定され、警報作動は、交差角αがこの許容交差角範囲を超えた場合に行われるので、ブーム13をどのような起伏状態にしてレベリング調整を行っても干渉防止を行うことができる。
【0041】
なお、交差角αは、上記のように交差角検出器42により直接検出するのでなく、例えば、レベリングシリンダ16にストロークセンサを設け、このストロークセンサにより検出されたレベリングシリンダ16の伸長量から算出するようにして検出することもできる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明の安全装置によれば、レベリング調整を行う場合に、作業台を揺動させすぎて交差角が許容交差角範囲を超えると、警報手段により警報作動が行われるので、作業台と高所作業車における他の部材との干渉を防止することができる。このため、干渉を気にせずレベリング調整作業を行うことができる。
【0043】
なお、ブームが格納状態となっているか否かを検出するブーム格納検出器を設け、作業台状態検出手段を、交差角が許容最小交差角以上となっているか否かを検出する最小交差角検出器と、交差角が許容最大交差角以下となっているか否かを検出する最大交差角検出器とから構成し、ブームが格納状態となっている場合には、レベリング調整を行うことを許容するとともにこのレベリング調整時に、交差角が許容最小交差角よりも小さくなるか、許容最大交差角よりも大きくなるかしたときに警報作動を行い、ブームが格納状態になり場合には、レベリング調整を行うことを規制するように構成すれば、レベリング調整はブーム格納状態に限定されるが、ブーム格納検出器、最小交差角検出器および最大交差角検出器は機能が単純であり、これらに、構成が簡単で安価なものを用いることができるため、コスト的にメリットがある。
【0044】
また、ブームの起伏角を検出する起伏角検出器を設け、作業台状態検出手段により、起伏角検出器によって検出された起伏角における許容交差角範囲を算出させ、起伏角に応じた許容交差角範囲を設定させるように構成すれば、起伏角に応じた許容交差角範囲が設定されるので、ブームをどのような起伏状態にしてレベリング調整を行っても干渉防止を行うことができるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の安全装置を備える高所作業車1の構成を示す側面図である。
【図2】本発明の安全装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第1ポスト側L/S32のオン・オフ作動を説明する概略図であり、図(A)はオフ状態を示し、図(B)はオン状態を示す。
【図4】第2ポスト側L/S33のオン・オフ作動を説明する概略図であり、図(A)はオン状態を示し、図(B)はオフ状態を示す。
【図5】第2例の安全装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 運転キャビン
11 車体
13 ブーム
15 作業台
15a ポスト
20 コントローラ
22 警報ブザー
31 ブーム受け側検出器(ブーム格納検出器)
32 第1ポスト側L/S(最小交差角検出器)
33 第2ポスト側L/S(最大交差角検出器)
α 交差角
αmax 許容最大交差角
αmin 許容最小交差角
Claims (2)
- 車体に起伏自在に取り付けられたブームと、前記ブームの先端に前後に揺動自在に取り付けられたポストと、前記ポストに取り付けられた作業台と、前記ポストを揺動させるレベリングシリンダと、前記ブームの起伏に対応して前記レベリングシリンダを作動させて前記ポストを揺動させ、前記作業台を常時水平に保持するレベリング機構と、前記作業台が水平より傾斜した場合に手動操作により前記レベリングシリンダを作動させ、前記ブームに対する前記ポストの交差角を調整して前記作業台を水平にするレベリング調整を行なうレベリング調整手段とを備えた高所作業車の安全装置であって、
前記交差角が許容最小交差角以上となっているか否かを検出する最小交差角検出器及び前記交差角が許容最大交差角以下となっているか否かを検出する最大交差角検出器からなり、前記交差角が許容交差角範囲内にあるか否かを検出する作業台状態検出手段と、
前記ブームが格納状態となっているか否かを検出するブーム格納検出器と、
手動操作により前記レベリング調整を行うときに、前記作業台状態検出手段により前記交差角が前記許容交差角範囲外になったことが検出されると警報作動を行う警報手段とから構成され、
前記警報手段は、
前記ブーム格納検出器により、前記ブームが格納状態となっていることが検出された場合には、前記レベリング調整を行うことを許容し、且つこのレベリング調整時に、前記最小交差角検出器により前記交差角が前記許容最小交差角よりも小さいことが検出されるか、前記最大交差角検出器により前記交差角が前記許容最大交差角よりも大きいことが検出されると前記警報作動を行い、
前記ブーム格納検出器により、前記ブームが格納状態となっていないことが検出された場合には、前記レベリング調整を行うことを規制することを特徴とする高所作業車の安全装置。 - 前記ブームが前記車体の後端側から前端側に延びて取り付けられており、
前記車体がトラックをベースに構成されて車体前部に運転キャビンを有しており、
前記作業台は、格納状態で前記ポストの上端から前記車体の前後に延びて取り付けられ、後端側が前記ブーム上に位置し、前端側が前記運転キャビン上に位置しており、前記交差角が小さくなる方向に前記ポストを揺動させると前記後端側が前記ブームに接近し、前記交差角が大きくなる方向に前記ポストを揺動させると前記前端側が前記運転キャビンに接近する位置にあることを特徴とする請求項1に記載の高所作業車の安全装置。
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