JP3557701B2 - ディスク装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばフロッピィーディスク等のディスクを記録・再生するディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばフロッピィーディスク装置等のディスク装置は、パーソナルコンピュータを始めとしてオフィスコンピュータやワードプロセッサ等に広く用いられており、その普及は目覚ましい。
【0003】
一般に、この種のディスク装置には、ディスクカートリッジを挿抜自在に保持するカートリッジホルダーと、このカートリッジホルダーに昇降動作を付与するスライド板と、このスライド板の移動方向にヘッドキャリッジを移送するヘッドキャリッジ駆動装置とを備えたものが知られている。
【0004】
このように構成されたディスク装置においては、カートリッジホルダー内にディスクカートリッジを挿入すると、スライド板のカートリッジ引き抜き方向の移動によるカートリッジホルダーの下降動作によってディスクカートリッジがアンローディング位置からローディング位置まで移送され、またエジェクト釦をカートリッジ挿入方向に押圧すると、スライド板のカートリッジ挿入方向の移動によるカートリッジホルダーの上昇動作によってディスクカートリッジがローディング位置からアンローディング位置まで移送される。
【0005】
そして、ヘッドキャリッジ駆動装置が駆動することによりヘッドキャリッジをカートリッジ挿抜方向に移送して記録・再生が行われる。
【0006】
ところで、この種のディスク装置においては、移動型仕様とするものが出現しており、ユーザーがコンピュータ内からコンピュータ外に直接取り出すことが想定される。
【0007】
この際、ディスク装置内の各種機構を保護するトップカバーにユーザーの押圧力が作用してトップカバーが変形し、このカバー変形によってヘッドアームが押し下げられることがある。
【0008】
このヘッドアームが押し下げられた状態において、ディスクカートリッジがディスク装置内に挿入されると、ディスクカートリッジの押圧によってヘッドが破壊するという不具合がある。
【0009】
このため、トップカバーの厚さを大きい寸法に設定することにより剛性を高くしてカバー変形の発生を防止することが考えられるが、近年におけるディスク装置の薄型化に伴い、各部品厚さ方向の寸法規制が厳しくなり、現状のカバー厚さより小さい寸法に設定することが困難になってきている。
【0010】
そこで、この種のディスク装置においては、ヘッドの破壊発生を防止する機構としてトップカバーにカートリッジ挿入防止用の突部を一体化してなるものが従来より採用されている。
【0011】
このように構成されたディスク装置においては、トップカバーの変形時にヘッドアームが押し下げられると、トップカバーの変形と共に変位する突部によってカートリッジ挿抜空間に対するディスクカートリッジの挿入が防止される。
【0012】
また、従来のディスク装置においては、シャーシの両側板にトップカバーの撓みを防止するための梁を支架してなるものも採用されている。
【0013】
このように構成されたディスク装置においては、トップカバーが押し下げられようとすると、この押圧力を梁が受けることによりトップカバーのヘッドアーム側への撓み変形が防止される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前者にあっては、トップカバーのヘッドアーム側への変形によってカートリッジ挿入防止用の突部が変位するものであるため、この突部の変位状態においてユーザーがディスクカートリッジをカートリッジ挿抜空間内に強引に挿入すると、このディスクカートリッジが上下両ヘッドのうち下方のヘッド側に押し下げられることから、下方ヘッドのディスクカートリッジとの干渉による破壊発生を防止するための構成部品およびこの構成部品をディスクローディング・アンローディング時に進退操作する機構を必要としていた。
【0015】
この結果、部品点数および組立工数が嵩み、構造が複雑になるばかりか、コスト高になるという問題があった。
【0016】
一方、後者にあっては、トップカバーの撓みを防止する梁を単純支持する構造であるため、梁の絶対的な剛性が不足していた。
【0017】
この結果、トップカバーがユーザーによる押圧時にヘッドアーム側に大きく撓むことがあり、梁がヘッドアームに衝突してヘッドが破壊してしまうという問題があった。
【0018】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、構造の簡素化およびコストの低廉化を図ることができると共に、ヘッドの破壊発生を確実に防止することができるディスク装置を提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るディスク装置は、各々が互いに対向する2つの側板およびこれら両側板を連結する底板を有しカートリッジ挿抜方向に進退するヘッドアームを保持するシャーシと、このシャーシの両側板に装着され前記底板に前記ヘッドアームを介して対向する天井面を有するトップカバーとを備えたディスク装置において、前記トップカバーの裏側に、前記シャーシに多数点保持してなり、前記シャーシの各側板に支架された第1アーム片と、この第1アーム片の中間部に連設され前記シャーシの底板に当接するアーム保持部を有する第2アーム片とによって構成されたカバー撓み防止アームを設けたことを特徴とする。
【0020】
【作用】
本発明においては、トップカバーにユーザーの押圧力が作用してトップカバーがヘッドアーム側に変形しようとすると、この変形力がカバー撓み防止アームを介してシャーシの多数の部位に作用する。したがって、カバー撓み防止アームによりトップカバーのヘッドアーム側への撓み変形が防止される。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の構成等を図に示す実施例によって詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明に係るディスク装置の要部を示す分解斜視図、図2は同じく本発明におけるディスク装置の全体を示す分解斜視図、図3は本発明におけるディスク装置のカートリッジホルダーを示す平面図、図4は本発明におけるディスク装置のヘッドアームとトップカバーの位置関係を説明するために示す断面図、図5および図6は本発明におけるディスク装置のカートリッジホルダーのディスクローディング前状態とディスクローディング後状態を示す平面図、図7(A)および(B)は本発明におけるディスク装置のスライド板からカートリッジホルダーが受けるローディング力とアンローディング力を説明するために示す側面図である。
【0023】
同図において、符号1で示すものはディスク回転中心としてのスピンドルモータ軸2およびこのスピンドルモータ軸2の駆動によって回転するディスクテーブル3を内蔵するシャーシで、各々が互いに対向する2つの側板4,5およびこれら両側板4,5を連結する底板6からなり、例えばパーソナルコンピュータ等の機器筐体(図示せず)内に収納されている。
【0024】
このうち各側板4,5の前後方向略中央部には上方端縁にアーム位置決め部として凹部(切り欠き)4a,5aを形成することにより凸部4b,5bが設けられおり、これら凹凸部の前方には上方に開口しかつ上下方向に延在する第1ガイド溝7が設けられている。
【0025】
また、これら各側板4,5には、ディスクカートリッジDの挿抜方向に延在するピン移動用の水平溝8aおよびこの水平溝8aに連通するピン着脱用の垂直溝8bからなる第2ガイド溝8が設けられている。
【0026】
一方、シャーシ1の底板6の後方端縁左側部には、内外に開口するアーム位置決め用の角孔6aが設けられている。
【0027】
この底板6の後方端縁右側部には各々が互いに対向する前後2つの側部9a,9bおよびこれら両側部9a,9bを連結する底部9cからなる断面視略コ字状の保持板9が取り付けられており、この保持板9の両側部9a,9bには前後方向に開口する貫通孔9d,9eが設けられている。
【0028】
また、この底板6の後方端部両側縁には、ディスクローディング状態においてディスクカートリッジDを位置決めするピン6b,6cが突設されている。
【0029】
10はヘッドキャリッジ送り用のステッピングモータで、前記保持板9の後方に設けられ、かつ前記前後両側部9a,9bのうち後方の側部9bに固定されている。
【0030】
このステッピングモータ10の出力軸11は、前後方向に延在し螺旋状のV字溝11aを有するリードスクリュー軸によって形成されており、先端部が前記保持体9の貫通孔9d,9e内に軸受(図示せず)を介して支承されている。
【0031】
12は前記出力軸11に平行するガイド軸で、前記シャーシ1の後方端縁左側部に保持されており、後述するヘッドキャリッジを前後方向に案内し得るように構成されている。
【0032】
13は記録・再生を行う第1ヘッド14をその先端部上面に有するヘッドキャリッジで、前記底板6の上方に進退自在に保持されており、前記ステッピングモータ10の駆動によって前後方向に移動し得るように構成されている。
【0033】
このヘッドキャリッジ13の後方端縁には、上方に突出する立ち上がりブロック15が取り付けられている。
【0034】
この立ち上がりブロック15の右側側部には斜め後方に突出するニードルピン16およびこのニードルピン16を前記出力軸11のV字溝11a内の溝壁に圧接する板ばね17が取り付けられており、左側側部には前記ガイド軸12がブシュ(図示せず)を介して挿通する保持孔(図示せず)を有する軸受18が取り付けられている。
【0035】
19は前記第1ヘッド14に対応する第2ヘッド20をその先端部下面に有するヘッドアームで、前記立ち上がりブロック15に弾性片21を介して揺動自在に取り付けられており、アーム左側側縁には片側側方に突出するアーム揺動規制子22が一体に設けられている。
【0036】
このヘッドアーム19は、前記ヘッドキャリッジ13と共にカートリッジ挿抜方向に移動し得るように構成されている。
【0037】
なお、このヘッドアーム19は、ディスクローディング状態において図4に2点鎖線で示すようにトップカバー(後述)の裏面から離間し、またディスクアンローディング状態において同図に実線で示すようにトップカバー(後述)の裏面に接触する。
【0038】
110は薄板製のトップカバーで、前記両側板4,5の外側面に圧接する2つの側部片110a,110bと、これら各側部片110a,110bを連結し前記底板6に前記ヘッドアーム19を含むディスク装置用構成部品を介して対向する天井部片110cと、この天井部片110cに連接する背部片110dとからなり、前記シャーシ1に着脱自在に設けられている。
【0039】
111は断面視略コ字状のカバー撓み防止アームで、前記トップカバー110の裏側に着脱自在に設けられ、かつ前記シャーシ1の両側板4,5および底板6の3部位に保持されており、カバー側の上面には絞り加工によって補強用の凹凸部111aが形成されている。
【0040】
このカバー撓み防止アーム111は、前記シャーシ1の各側板4,5に支架されその各アーム片端縁中央部に位置決め用の凹部(切り欠き)112aを形成することにより位置決め用の凸部112bを有する平面視略I字状の第1アーム片112と、この第1アーム片112の中間部に連設され前記底板6の角孔6a内に先端部113Aを臨ませかつこの角孔6aの開口縁部に当接するアーム保持部113aを有する側面視略L字状の第2アーム片113とからなり、前記シャーシ1に対して前記保持板9の前後両側部9a,9bのうち前方の側部9aと共に前記トップカバー110を保持しこのトップカバー110のヘッドアーム側への撓み変形発生を防止し得るように構成されている。
【0041】
また、このカバー撓み防止アーム111は、前記第1アーム片112の前記各凹部112a内に前記側板4,5の凸部4b,5bが臨むような位置に保持されており、これら凸部4b,5bに前記トップカバー110の各側部片110a,110bから圧接力を受けた時に前記凹部112aの底面112Aが当接し得るように構成されている。
【0042】
さらに、このカバー撓み防止アーム111は、前記第2アーム片113が前記ヘッドキャリッジ13の進退方向に延在し前記ヘッドアーム19の近傍に位置付けられており、前記トップカバー110におけるヘッドアーム近傍部分のヘッドアーム側への撓み変形発生を防止し得るように構成されている。
【0043】
23は下方に開口する断面視略コ字状のスライド板で、左右方向に延在する前面片24および各々が互いに補強片25によって連結され前後方向に延在する2つの側片26を有する天井板27と、この天井板27の各側片26に折り曲げることにより形成され前後方向に延在する2つの側板28とからなり、前記シャーシ1上に進退自在に設けられている。
【0044】
このうち天井板27の前面片24の前方端縁右側部には、一部を切り起こし形成することにより前方から後方に向かって下る舌片状の傾斜突子29をその下面に有する平面視略矩形状の取付片30が一体に設けられている。
【0045】
この前面片24のエジェクト釦取付位置近傍には前後方向(ディスクカートリッジDの挿抜方向)に延在する長孔31が前記取付片30の一部に跨って設けられており、この長孔31の表側開口周縁長手方向部には同じく前後方向に延在する2つの補強用の突部32が一体に設けられている。
【0046】
また、天井板27の各側片26には前後方向に延在する長孔33が前記前面片24の一部に跨って設けられており、これら長孔33の開口周縁後方部には上下方向に開口するスプリング係止孔34が設けられている。
【0047】
これら各側片26の後方端縁には、下方に折り曲げることによりスライダー押圧片35とアームロック片36が一体に形成されている。
【0048】
一方、スライド板23の各側板28には、前後方向に延在する水平溝37a,38a,100aおよびこれら各水平溝37a,38a,100aに連通し前方から後方に向かって下る勾配をもつ傾斜溝37b,38b,100bからなる3つのカム溝37,38,100が形成されている。
【0049】
これら各側板28には、前記第2ガイド溝8(水平溝8a)内に臨むスライドピン39が設けられている。
【0050】
また、これら両側板28のうち右側側板28の後方端縁には、前後方向に延在する歯部101aを有するラック板101が一体に設けられている。
【0051】
40はカートリッジ排出用のエジェクト釦で、前方から後方に向かって拡がる幅寸法をもつ平面視略台形状の操作片41と、この操作片41の後方端縁両側部に一体に形成され前記天井板27の前方端面にエジェクト釦装着状態において当接する先端部42aを有する2つの案内子42とを有し、前記スライド板23の天井板27に着脱自在に取り付けられている。
【0052】
このエジェクト釦40の後方端縁中央部には、後述するストッパに前記スライドピン39が前記水平溝8aに沿って移動するストローク内において当接可能な接触子47が突設されている。
【0053】
48はディスクカートリッジDの両側縁を挿抜自在に保持するカートリッジホルダーで、前記ヘッドアーム19の第2ヘッド20が臨む平面視略矩形状の切り欠き49aおよび後述するシャッター開放用の押圧片が臨む平面視円弧状のガイド孔49bを有し下方に開口する断面視略コ字状のホルダー本体49と、このホルダー本体49の両側部下方端縁に折り曲げ形成されカートリッジ挿入案内用の傾斜部50aをその先端部に有するカートリッジ載置片50とからなり、前記スライド板23と前記シャーシ1との間に昇降自在に設けられている。
【0054】
このうちホルダー本体49の両側側端部にはカートリッジ挿抜方向に所定の間隔をもって並列しかつホルダー側方に突出し前記第1ガイド溝7および前記カム溝37,38,100内に臨む第1ホルダーピン51と第2ホルダーピン52a〜52cが設けられており、ホルダー天井面部各側縁にはカートリッジ挿抜方向に所定の間隔をもって並列しかつカートリッジ収納部側に突出するカートリッジ押圧部52A,52Bが設けられている。
【0055】
このホルダー本体49の側方に突出する第2ホルダーピン52a〜52cのうち前方の第2ホルダーピン52aおよび中間の第2ホルダーピン52bは前記カートリッジホルダー48が前記スライド板23からローディング力(下降力)を受ける力点P1,P2となり、ディスクローディング時に下降し得るように構成されており、前方の第2ホルダーピン52aおよび後方の第2ホルダーピン52cは前記カートリッジホルダー48が前記スライド板23からアンローディング力(上昇力)を受ける力点P3(=P1),P4となり、ディスクアンローディング時に上昇し得るように構成されている。
【0056】
このホルダー本体49の側方に突出する第2ホルダーピン52a〜52cのうち最後方の第2ホルダーピン52cは、前記ヘッドアーム19の側方に位置付けられている。
【0057】
また、このホルダー本体49のカートリッジ収納側に突出するカートリッジ押圧部52A,52Bは、前記カートリッジホルダー48がローディング位置におけるディスクカートリッジDにローディング力を付与する力点Q1,Q2となり、ディスクローディング状態において前記シャーシ1に対してディスクカートリッジDを位置決めすると共に、後述する書き込み可否検出用のスイッチ,ディスクカートリッジ有無検出用のスイッチおよびディスク種類検出用のスイッチを押圧し得るように構成されている。
【0058】
この場合、力点P1,P2,Q1,Q2のうち2つの力点P1,P2を結ぶ線分(寸法b)を2等分する線分を仮想基準線Hとすると、この仮想基準線Hとカートリッジ挿入側の力点Q2との間の寸法L2(L2=2n)はカートリッジ引き抜き側の力点Q1と仮想基準線Hとの間の寸法L1(L1=n)より大きい寸法に設定されている。
【0059】
これにより、各第2ホルダーピン52a,52bが受けるローディング力をFとすると、カートリッジ引き抜き側の力点Q1に加わる押圧力はカートリッジ挿入側の力点Q2に加わる押圧力の2倍となる。
【0060】
このことは、図8および図3を用い、次に示すようにして説明することができる。
【0061】
同図において、ディスクカートリッジDがカートリッジホルダー48から受けるローディング力によるカートリッジ引き抜き側の反力およびカートリッジ挿入側の反力を各々RA,RBとし、このうち反力RAのカートリッジ引き抜き側の力点Q1とカートリッジホルダー48が受けるローディング力の力点P1,P2のうちカートリッジ引き抜き側の力点P1との間の寸法をaとし、力点P1と力点Q2との間の寸法をcとすると、
垂直方向の力の釣り合いから、2F=RA+RB …(1)
力点P1の回りのモーメントの釣り合いから、
−RAa+Fb−RBc=0 …(2)
となる。
【0062】
(1)より、F=(RA+RB)/2 …(3)
この(3)式を(2)式に代入すると、
−RAa+(RA+RB)b/2−RBc=0
となる。
【0063】
これを整理して
となる。
【0064】
ここで、
b/2−a=L1
c−b/2=L2
であるから、
L1:L2=1:2
とすると、
(4)式より、RA/RB=2
となる。
【0065】
さらに、ホルダー本体49の前方端部両側縁には前記各スプリング係止孔34に対応する左右2つのスプリング係止片53が切り起こし形成されており、前方端縁右側部には前記長孔31にディスクアンローディング状態において挿通し前記スライド板23をディスクカートリッジDの挿入方向に移動規制する側面視略台形状のストッパ54が一体に設けられている。
【0066】
また、このホルダー本体49には前記両スプリング係止片53のうち左側のスプリング係止片近傍および前記切り欠き49aの左側縁部に各々位置するスライダー復帰用のスプリング係止片55とカム板案内用のガイド片56が切り起こし形成されており、このガイド片56の右側方には前記切り欠き49aと前記ガイド孔49bとの間に位置するスプリング装着片57とスプリング係止片58が切り起こし形成されている。
【0067】
そして、このホルダー本体49には各々が前後方向に互いに所定の間隔をもって対向する2つのアーム保持片59が折り曲げ形成されており、これらアーム保持片59の左側方には上下方向に開口する逃がし孔60が設けられている。
【0068】
この他、このホルダー本体49には、前記スプリング係止片55の後方に位置し各々が互いに前後方向に所定の間隔をもって対向する2つのスライダーガイド61が折り曲げ形成されている。
【0069】
また、このホルダー本体49には前記切り欠き49aの開口縁部に沿って延在し前記ヘッドアーム19をディスクアンローディング状態において保持する立ち上がり突部49Aが設けられており、この立ち上がり突部49Aの各自由端部から後方に延在するアーム保持部49A1が一体に設けられている。
【0070】
62は前記スライド板23を前方に付勢する引張コイルスプリングで、両端部が前記スプリング係止孔34と前記スプリング係止片53に係止されている。
【0071】
63は前記スライダー押圧片35が当接するスライダー操作片64をその後方端部左側側縁に有するロードスライダーで、前記カートリッジホルダー48のホルダー本体49に進退自在に保持されており、長手方向両端部には前後方向に延在し前記各スライダーガイド61が挿通する長孔65が設けられている。
【0072】
このロードスライダー63の前方端縁には前記スプリング係止片55に対応するスプリング係止片66が折り曲げ形成されており、後方端縁には前後方向に延在する歯部67aを有するラック板67が取り付けられている。
【0073】
また、このロードスライダー63の右側側縁には、前方から後方に向かって上る勾配をもつ傾斜面68aおよび前後方向に延在する水平面68bを有するカム板68が取り付けられている。
【0074】
69は前記ロードスライダー63を前方に付勢する引張コイルスプリングで、両端部が前記スプリング係止片66と前記スプリング係止片55に係止されている。
【0075】
70は前記アーム揺動規制子22が当接するヘッドアーム保持用のロードアームで、前記両アーム保持片59に支持ピン71を介して回動自在に枢支されており、板ばね72によってアーム先端部が前記切り欠き49a内に臨むような方向に回動付勢されている。
【0076】
このロードアーム70の板ばね反付勢側端縁には、前記スライド板23の進退位置によって前記カム板68の傾斜面68aと水平面68bが当接するカム受部片73が一体に設けられている。
【0077】
74はシャッター開閉アームを兼用するトリガーアームで、前記アームロック片36に対応する第1係合面75aと第2係合面75bを有する平面視略扇形状の第1アーム75と、この第1アーム75に一体に形成され前記ガイド孔49b内に臨むシャッター押圧片76aおよび前記スプリング係止片58に対応するスプリング係止片76bを有する平面視略短冊状の第2アーム76とからなり、前記ホルダー本体49に支軸77を介して回動自在に保持されている。
【0078】
78はディスクカートリッジDのシャッターdを閉塞する方向に前記トリガーアーム74を回動付勢するトーションスプリングで、巻線部が前記スプリング装着片57に装着され、かつ両端部が各々前記スプリング係止片58,76bに係止されている。
【0079】
79および102は前記ラック板67,101の歯部67a,101aに噛合するピニオン80,103を有する第1ロータリーダンパ装置と第2ロータリーダンパ装置で、前記シャーシ1の各側板4,5の後方端部に装着されている。
【0080】
81〜83は各々ディスク(図示せず)の書き込み可否を検出する第1スイッチとディスクカートリッジDの有無を検出する第2スイッチとディスク種類(2DD,2HD,2FD)を検出する第3スイッチで、前記シャーシ1上の回路基板(図示せず)上に実装されている。
【0081】
なお、図中符号a1およびa2は各々ディスクカートリッジDの挿入方向と引き抜き方向を示す。
【0082】
また、符号b1,b2およびc1,c2は各々トリガーアーム74の回動方向とカートリッジホルダー48の昇降方向を示す。
【0083】
このように構成されたディスク装置においては、トップカバー110にユーザーの押圧力が作用してトップカバー110がヘッドアーム側に変形しようとすると、この変形力がカバー撓み防止アーム111を介してシャーシ1の側板4,5および底板6に作用する。
【0084】
すなわち、トップカバー110に加わるヘッドアーム側への撓み変形力がカバー撓み防止アーム111に作用すると、この作用力が第1アーム片112の凸部112bから各側板4,5の凹部4a,5aの底面に伝達されると共に、第2アーム片113のアーム保持部113aから角孔6aの開口縁部に伝達される。
【0085】
したがって、本実施例においては、カバー撓み防止アーム111の剛性を高めてトップカバー110のヘッドアーム側への撓み変形を防止することができるから、従来必要としたヘッド破壊発生防止用の構成部品等が不要になり、部品点数を削減することができる。
【0086】
また、本実施例において、カバー撓み防止アーム111の剛性が高められることは、カバー撓み防止アーム111のヘッドアーム側への撓み変形を防止することができるから、ヘッドアーム19とカバー撓み防止アーム111の衝突を回避することができる。
【0087】
さらに、本実施例において、第1アーム片112の各アーム片端縁中央部に各側板4,5の凸部4b,5bに嵌合する凹部112aを形成することにより各側板4,5の凹部4a,5aに嵌合する凸部112bを設けたことは、各側板4,5の凸部4b,5bにトップカバー110の各側部片110a,110bから圧接力を受けた時に凹部112aの底面112Aが当接し、この作用力をカバー撓み防止アーム111が受けることになるから、各側板4,5の変形発生を防止することができる。
【0088】
次に、本実施例におけるディスク装置によるディスクローディングおよびディスクアンローディングにつき、図2および図7を用いて説明する。
【0089】
先ずディスクローディングは、カートリッジホルダー48内にディスクカートリッジDを図2に矢印a1で示す方向に挿入することにより行う。
【0090】
このとき、トリガーアーム74が支軸77を中心にしてトーションスプリング78の弾撥力に抗してディスクカートリッジDのシャッターdを開放するような方向すなわち図2に矢印b1で示す方向に回動し、アームロック片36が第1係合面75aとの係合状態を解除して第2係合面75bに係合するため、スライド板23が引張コイルスプリング62の弾撥力によって同図に矢印a2で示す方向(カートリッジ引き抜き方向)に前進する。
【0091】
また、第1ホルダーピン51および第2ホルダーピン52a,52bがスライド板23からローディング力を受けて第1ガイド溝7とカム溝37,38内を図2および図7(A)に矢印c2で示す下方に移動するため、カートリッジホルダー48が同方向に移動してディスクカートリッジDがシャーシ1に対して位置決めされる。
【0092】
この場合、スライド板23からカートリッジホルダー48が受けるローディング力の力点のうちカートリッジ挿抜方向に所定の間隔をもって並列する2つの力点P1,P2を結ぶ線分を2等分する仮想基準線Hと、カートリッジホルダー48からディスクカートリッジDが受けるローディング力の力点のうちカートリッジ挿抜方向に所定の間隔をもって並列する2つの力点Q1,Q2との間の各カートリッジ挿抜方向寸法L1,L2が互いに異なる寸法(L1<L2)に設定されているので、ローディング時にディスクカートリッジDがカートリッジホルダー48から受けるローディング力のうち力点Q1,Q2において受ける各ローディング力を互いに異なる作用力に設定することができ、スライド板23の進退動作に必要な作用力を小さくすることができる。
【0093】
一方、ディスクアンローディングは、エジェクト釦40をディスクカートリッジDの挿入方向すなわち図2に矢印a1で示す方向に押圧することにより行う。
【0094】
このとき、スライド板23が引張コイルスプリング62の弾撥力に抗し図2に矢印a1で示す方向(カートリッジ挿入方向)に後退すると共に、アームロック片36が第2係合面75bとの係合状態を解除して第1係合面75aに係合するため、トリガーアーム74がトーションスプリング78の弾撥力によってディスクカートリッジDのシャッターdを閉塞するような方向すなわち同図に矢印b2で示す方向に回動すると共に、ディスクカートリッジDが同図に矢印a2で示す方向に移動する。
【0095】
また、第1ホルダーピン51および第2ホルダーピン52a,52cがスライド板23からアンローディング力を受けて第1ガイド溝7とカム溝37,100内を図1および図7(B)に矢印c1で示す上方に移動するため、カートリッジホルダー48が同方向に移動する。
【0096】
この場合、カートリッジホルダー48が受けるアンローディング力の力点のうちカートリッジ挿抜方向に所定の間隔をもって並列する2つの力点P3,P4は、カートリッジホルダー48が受けるローディング力の両力点P1,P2のうちカートリッジ引き抜き側の力点P1に設定されていると共に、カートリッジ挿入側において進退するヘッドアーム19の側方に設定されているので、カートリッジホルダー48がスライド板23から受けるアンローディング力の力点のうちカートリッジ挿抜方向に並列する力点P3,P4のバランスが良好になる。
【0097】
このようにして、ディスクローディングおよびディスクアンローディングが行われる。
【0098】
なお、本実施例においては、フロッピィーディスク装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限定適用されるものではなく、各種のディスクを記録・再生する他のディスク装置にも実施例と同様に適用可能である。
【0099】
また、本実施例においては、シャーシ1の3部位(各側板4,5と底板6)にカバー撓み防止アーム111を保持する例を示したが、本発明はシャーシ1に対してカバー撓み防止アーム111を4点,5点,・・・保持しても何等差し支えない。
【0100】
この他、本発明におけるカバー撓み防止アームの形状は、前述した実施例に限定されず、他の形状に適宜変更できることは勿論である。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、トップカバーの裏側にシャーシに多数点保持してなるシャーシの各側板に支架された第1アーム片と、この第1アーム片の中間部に連設され前記シャーシの底板に当接するアーム保持部を有する第2アーム片とによって構成された撓み防止アームを設けたので、トップカバーにユーザーの押圧力が作用してトップカバーがヘッドアーム側に変形しようとすると、この変形力がカバー撓み防止アームを介してシャーシの多数の部位に作用する。
【0102】
したがって、カバー撓み防止アームの剛性を高めてトップカバーのヘッドアーム側への撓み変形を防止することができるから、従来必要としたヘッド破壊発生防止用の構成部品等が不要になり、部品点数を削減して構造の簡素化およびコストの低廉化を図ることができる。
【0103】
また、カバー撓み防止アームの剛性が高められることは、カバー撓み防止アームのヘッドアーム側への撓み変形を防止することができるから、ヘッドアームとカバー撓み防止アームの衝突を回避することができ、ヘッド破壊の発生を確実に防止することができる。
【0104】
請求項3において、第1アーム片の両端部にアーム片端縁を切り欠くことにより位置決め用の凹凸部を設け、これら各位置決め用の凹凸部に嵌合する位置決め用の凹凸部を各側板のカバー側端縁に設けたことは、各側板の凸部にトップカバーから圧接力を受けた時に第1アーム片の凹部の底面が当接し、この作用力をカバー撓み防止アームが受けることになるから、各側板の変形発生を防止することができ、位置調整済み構成部品の調整変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスク装置の要部を示す分解斜視図。
【図2】同じく本発明におけるディスク装置の全体を示す分解斜視図。
【図3】本発明におけるディスク装置のカートリッジホルダーを示す平面図。
【図4】本発明におけるディスク装置のヘッドアームとトップカバーの位置関係を説明するために示す断面図。
【図5】本発明におけるディスク装置のカートリッジホルダーのディスクローディング前状態を示す平面図。
【図6】本発明におけるディスク装置のカートリッジホルダーのディスクローディング後状態を示す平面図。
【図7】(A)および(B)は本発明におけるディスク装置のスライド板からカートリッジホルダーが受けるローディング力とアンローディング力を説明するために示す側面図。
【図8】本発明におけるディスク装置のカートリッジホルダーがスライド板から受けるローディング力とシャーシ側から受ける作用力(反力)の関係を示す図。
【符号の説明】
1…シャーシ
4,5…側板
6…底板
19…ヘッドアーム
110…トップカバー
110a,110b…側部片
110c…天井部片
111…カバー撓み防止アーム
112…第1アーム片
113…第2アーム片
113a…アーム保持部
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばフロッピィーディスク等のディスクを記録・再生するディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばフロッピィーディスク装置等のディスク装置は、パーソナルコンピュータを始めとしてオフィスコンピュータやワードプロセッサ等に広く用いられており、その普及は目覚ましい。
【0003】
一般に、この種のディスク装置には、ディスクカートリッジを挿抜自在に保持するカートリッジホルダーと、このカートリッジホルダーに昇降動作を付与するスライド板と、このスライド板の移動方向にヘッドキャリッジを移送するヘッドキャリッジ駆動装置とを備えたものが知られている。
【0004】
このように構成されたディスク装置においては、カートリッジホルダー内にディスクカートリッジを挿入すると、スライド板のカートリッジ引き抜き方向の移動によるカートリッジホルダーの下降動作によってディスクカートリッジがアンローディング位置からローディング位置まで移送され、またエジェクト釦をカートリッジ挿入方向に押圧すると、スライド板のカートリッジ挿入方向の移動によるカートリッジホルダーの上昇動作によってディスクカートリッジがローディング位置からアンローディング位置まで移送される。
【0005】
そして、ヘッドキャリッジ駆動装置が駆動することによりヘッドキャリッジをカートリッジ挿抜方向に移送して記録・再生が行われる。
【0006】
ところで、この種のディスク装置においては、移動型仕様とするものが出現しており、ユーザーがコンピュータ内からコンピュータ外に直接取り出すことが想定される。
【0007】
この際、ディスク装置内の各種機構を保護するトップカバーにユーザーの押圧力が作用してトップカバーが変形し、このカバー変形によってヘッドアームが押し下げられることがある。
【0008】
このヘッドアームが押し下げられた状態において、ディスクカートリッジがディスク装置内に挿入されると、ディスクカートリッジの押圧によってヘッドが破壊するという不具合がある。
【0009】
このため、トップカバーの厚さを大きい寸法に設定することにより剛性を高くしてカバー変形の発生を防止することが考えられるが、近年におけるディスク装置の薄型化に伴い、各部品厚さ方向の寸法規制が厳しくなり、現状のカバー厚さより小さい寸法に設定することが困難になってきている。
【0010】
そこで、この種のディスク装置においては、ヘッドの破壊発生を防止する機構としてトップカバーにカートリッジ挿入防止用の突部を一体化してなるものが従来より採用されている。
【0011】
このように構成されたディスク装置においては、トップカバーの変形時にヘッドアームが押し下げられると、トップカバーの変形と共に変位する突部によってカートリッジ挿抜空間に対するディスクカートリッジの挿入が防止される。
【0012】
また、従来のディスク装置においては、シャーシの両側板にトップカバーの撓みを防止するための梁を支架してなるものも採用されている。
【0013】
このように構成されたディスク装置においては、トップカバーが押し下げられようとすると、この押圧力を梁が受けることによりトップカバーのヘッドアーム側への撓み変形が防止される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前者にあっては、トップカバーのヘッドアーム側への変形によってカートリッジ挿入防止用の突部が変位するものであるため、この突部の変位状態においてユーザーがディスクカートリッジをカートリッジ挿抜空間内に強引に挿入すると、このディスクカートリッジが上下両ヘッドのうち下方のヘッド側に押し下げられることから、下方ヘッドのディスクカートリッジとの干渉による破壊発生を防止するための構成部品およびこの構成部品をディスクローディング・アンローディング時に進退操作する機構を必要としていた。
【0015】
この結果、部品点数および組立工数が嵩み、構造が複雑になるばかりか、コスト高になるという問題があった。
【0016】
一方、後者にあっては、トップカバーの撓みを防止する梁を単純支持する構造であるため、梁の絶対的な剛性が不足していた。
【0017】
この結果、トップカバーがユーザーによる押圧時にヘッドアーム側に大きく撓むことがあり、梁がヘッドアームに衝突してヘッドが破壊してしまうという問題があった。
【0018】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、構造の簡素化およびコストの低廉化を図ることができると共に、ヘッドの破壊発生を確実に防止することができるディスク装置を提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るディスク装置は、各々が互いに対向する2つの側板およびこれら両側板を連結する底板を有しカートリッジ挿抜方向に進退するヘッドアームを保持するシャーシと、このシャーシの両側板に装着され前記底板に前記ヘッドアームを介して対向する天井面を有するトップカバーとを備えたディスク装置において、前記トップカバーの裏側に、前記シャーシに多数点保持してなり、前記シャーシの各側板に支架された第1アーム片と、この第1アーム片の中間部に連設され前記シャーシの底板に当接するアーム保持部を有する第2アーム片とによって構成されたカバー撓み防止アームを設けたことを特徴とする。
【0020】
【作用】
本発明においては、トップカバーにユーザーの押圧力が作用してトップカバーがヘッドアーム側に変形しようとすると、この変形力がカバー撓み防止アームを介してシャーシの多数の部位に作用する。したがって、カバー撓み防止アームによりトップカバーのヘッドアーム側への撓み変形が防止される。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の構成等を図に示す実施例によって詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明に係るディスク装置の要部を示す分解斜視図、図2は同じく本発明におけるディスク装置の全体を示す分解斜視図、図3は本発明におけるディスク装置のカートリッジホルダーを示す平面図、図4は本発明におけるディスク装置のヘッドアームとトップカバーの位置関係を説明するために示す断面図、図5および図6は本発明におけるディスク装置のカートリッジホルダーのディスクローディング前状態とディスクローディング後状態を示す平面図、図7(A)および(B)は本発明におけるディスク装置のスライド板からカートリッジホルダーが受けるローディング力とアンローディング力を説明するために示す側面図である。
【0023】
同図において、符号1で示すものはディスク回転中心としてのスピンドルモータ軸2およびこのスピンドルモータ軸2の駆動によって回転するディスクテーブル3を内蔵するシャーシで、各々が互いに対向する2つの側板4,5およびこれら両側板4,5を連結する底板6からなり、例えばパーソナルコンピュータ等の機器筐体(図示せず)内に収納されている。
【0024】
このうち各側板4,5の前後方向略中央部には上方端縁にアーム位置決め部として凹部(切り欠き)4a,5aを形成することにより凸部4b,5bが設けられおり、これら凹凸部の前方には上方に開口しかつ上下方向に延在する第1ガイド溝7が設けられている。
【0025】
また、これら各側板4,5には、ディスクカートリッジDの挿抜方向に延在するピン移動用の水平溝8aおよびこの水平溝8aに連通するピン着脱用の垂直溝8bからなる第2ガイド溝8が設けられている。
【0026】
一方、シャーシ1の底板6の後方端縁左側部には、内外に開口するアーム位置決め用の角孔6aが設けられている。
【0027】
この底板6の後方端縁右側部には各々が互いに対向する前後2つの側部9a,9bおよびこれら両側部9a,9bを連結する底部9cからなる断面視略コ字状の保持板9が取り付けられており、この保持板9の両側部9a,9bには前後方向に開口する貫通孔9d,9eが設けられている。
【0028】
また、この底板6の後方端部両側縁には、ディスクローディング状態においてディスクカートリッジDを位置決めするピン6b,6cが突設されている。
【0029】
10はヘッドキャリッジ送り用のステッピングモータで、前記保持板9の後方に設けられ、かつ前記前後両側部9a,9bのうち後方の側部9bに固定されている。
【0030】
このステッピングモータ10の出力軸11は、前後方向に延在し螺旋状のV字溝11aを有するリードスクリュー軸によって形成されており、先端部が前記保持体9の貫通孔9d,9e内に軸受(図示せず)を介して支承されている。
【0031】
12は前記出力軸11に平行するガイド軸で、前記シャーシ1の後方端縁左側部に保持されており、後述するヘッドキャリッジを前後方向に案内し得るように構成されている。
【0032】
13は記録・再生を行う第1ヘッド14をその先端部上面に有するヘッドキャリッジで、前記底板6の上方に進退自在に保持されており、前記ステッピングモータ10の駆動によって前後方向に移動し得るように構成されている。
【0033】
このヘッドキャリッジ13の後方端縁には、上方に突出する立ち上がりブロック15が取り付けられている。
【0034】
この立ち上がりブロック15の右側側部には斜め後方に突出するニードルピン16およびこのニードルピン16を前記出力軸11のV字溝11a内の溝壁に圧接する板ばね17が取り付けられており、左側側部には前記ガイド軸12がブシュ(図示せず)を介して挿通する保持孔(図示せず)を有する軸受18が取り付けられている。
【0035】
19は前記第1ヘッド14に対応する第2ヘッド20をその先端部下面に有するヘッドアームで、前記立ち上がりブロック15に弾性片21を介して揺動自在に取り付けられており、アーム左側側縁には片側側方に突出するアーム揺動規制子22が一体に設けられている。
【0036】
このヘッドアーム19は、前記ヘッドキャリッジ13と共にカートリッジ挿抜方向に移動し得るように構成されている。
【0037】
なお、このヘッドアーム19は、ディスクローディング状態において図4に2点鎖線で示すようにトップカバー(後述)の裏面から離間し、またディスクアンローディング状態において同図に実線で示すようにトップカバー(後述)の裏面に接触する。
【0038】
110は薄板製のトップカバーで、前記両側板4,5の外側面に圧接する2つの側部片110a,110bと、これら各側部片110a,110bを連結し前記底板6に前記ヘッドアーム19を含むディスク装置用構成部品を介して対向する天井部片110cと、この天井部片110cに連接する背部片110dとからなり、前記シャーシ1に着脱自在に設けられている。
【0039】
111は断面視略コ字状のカバー撓み防止アームで、前記トップカバー110の裏側に着脱自在に設けられ、かつ前記シャーシ1の両側板4,5および底板6の3部位に保持されており、カバー側の上面には絞り加工によって補強用の凹凸部111aが形成されている。
【0040】
このカバー撓み防止アーム111は、前記シャーシ1の各側板4,5に支架されその各アーム片端縁中央部に位置決め用の凹部(切り欠き)112aを形成することにより位置決め用の凸部112bを有する平面視略I字状の第1アーム片112と、この第1アーム片112の中間部に連設され前記底板6の角孔6a内に先端部113Aを臨ませかつこの角孔6aの開口縁部に当接するアーム保持部113aを有する側面視略L字状の第2アーム片113とからなり、前記シャーシ1に対して前記保持板9の前後両側部9a,9bのうち前方の側部9aと共に前記トップカバー110を保持しこのトップカバー110のヘッドアーム側への撓み変形発生を防止し得るように構成されている。
【0041】
また、このカバー撓み防止アーム111は、前記第1アーム片112の前記各凹部112a内に前記側板4,5の凸部4b,5bが臨むような位置に保持されており、これら凸部4b,5bに前記トップカバー110の各側部片110a,110bから圧接力を受けた時に前記凹部112aの底面112Aが当接し得るように構成されている。
【0042】
さらに、このカバー撓み防止アーム111は、前記第2アーム片113が前記ヘッドキャリッジ13の進退方向に延在し前記ヘッドアーム19の近傍に位置付けられており、前記トップカバー110におけるヘッドアーム近傍部分のヘッドアーム側への撓み変形発生を防止し得るように構成されている。
【0043】
23は下方に開口する断面視略コ字状のスライド板で、左右方向に延在する前面片24および各々が互いに補強片25によって連結され前後方向に延在する2つの側片26を有する天井板27と、この天井板27の各側片26に折り曲げることにより形成され前後方向に延在する2つの側板28とからなり、前記シャーシ1上に進退自在に設けられている。
【0044】
このうち天井板27の前面片24の前方端縁右側部には、一部を切り起こし形成することにより前方から後方に向かって下る舌片状の傾斜突子29をその下面に有する平面視略矩形状の取付片30が一体に設けられている。
【0045】
この前面片24のエジェクト釦取付位置近傍には前後方向(ディスクカートリッジDの挿抜方向)に延在する長孔31が前記取付片30の一部に跨って設けられており、この長孔31の表側開口周縁長手方向部には同じく前後方向に延在する2つの補強用の突部32が一体に設けられている。
【0046】
また、天井板27の各側片26には前後方向に延在する長孔33が前記前面片24の一部に跨って設けられており、これら長孔33の開口周縁後方部には上下方向に開口するスプリング係止孔34が設けられている。
【0047】
これら各側片26の後方端縁には、下方に折り曲げることによりスライダー押圧片35とアームロック片36が一体に形成されている。
【0048】
一方、スライド板23の各側板28には、前後方向に延在する水平溝37a,38a,100aおよびこれら各水平溝37a,38a,100aに連通し前方から後方に向かって下る勾配をもつ傾斜溝37b,38b,100bからなる3つのカム溝37,38,100が形成されている。
【0049】
これら各側板28には、前記第2ガイド溝8(水平溝8a)内に臨むスライドピン39が設けられている。
【0050】
また、これら両側板28のうち右側側板28の後方端縁には、前後方向に延在する歯部101aを有するラック板101が一体に設けられている。
【0051】
40はカートリッジ排出用のエジェクト釦で、前方から後方に向かって拡がる幅寸法をもつ平面視略台形状の操作片41と、この操作片41の後方端縁両側部に一体に形成され前記天井板27の前方端面にエジェクト釦装着状態において当接する先端部42aを有する2つの案内子42とを有し、前記スライド板23の天井板27に着脱自在に取り付けられている。
【0052】
このエジェクト釦40の後方端縁中央部には、後述するストッパに前記スライドピン39が前記水平溝8aに沿って移動するストローク内において当接可能な接触子47が突設されている。
【0053】
48はディスクカートリッジDの両側縁を挿抜自在に保持するカートリッジホルダーで、前記ヘッドアーム19の第2ヘッド20が臨む平面視略矩形状の切り欠き49aおよび後述するシャッター開放用の押圧片が臨む平面視円弧状のガイド孔49bを有し下方に開口する断面視略コ字状のホルダー本体49と、このホルダー本体49の両側部下方端縁に折り曲げ形成されカートリッジ挿入案内用の傾斜部50aをその先端部に有するカートリッジ載置片50とからなり、前記スライド板23と前記シャーシ1との間に昇降自在に設けられている。
【0054】
このうちホルダー本体49の両側側端部にはカートリッジ挿抜方向に所定の間隔をもって並列しかつホルダー側方に突出し前記第1ガイド溝7および前記カム溝37,38,100内に臨む第1ホルダーピン51と第2ホルダーピン52a〜52cが設けられており、ホルダー天井面部各側縁にはカートリッジ挿抜方向に所定の間隔をもって並列しかつカートリッジ収納部側に突出するカートリッジ押圧部52A,52Bが設けられている。
【0055】
このホルダー本体49の側方に突出する第2ホルダーピン52a〜52cのうち前方の第2ホルダーピン52aおよび中間の第2ホルダーピン52bは前記カートリッジホルダー48が前記スライド板23からローディング力(下降力)を受ける力点P1,P2となり、ディスクローディング時に下降し得るように構成されており、前方の第2ホルダーピン52aおよび後方の第2ホルダーピン52cは前記カートリッジホルダー48が前記スライド板23からアンローディング力(上昇力)を受ける力点P3(=P1),P4となり、ディスクアンローディング時に上昇し得るように構成されている。
【0056】
このホルダー本体49の側方に突出する第2ホルダーピン52a〜52cのうち最後方の第2ホルダーピン52cは、前記ヘッドアーム19の側方に位置付けられている。
【0057】
また、このホルダー本体49のカートリッジ収納側に突出するカートリッジ押圧部52A,52Bは、前記カートリッジホルダー48がローディング位置におけるディスクカートリッジDにローディング力を付与する力点Q1,Q2となり、ディスクローディング状態において前記シャーシ1に対してディスクカートリッジDを位置決めすると共に、後述する書き込み可否検出用のスイッチ,ディスクカートリッジ有無検出用のスイッチおよびディスク種類検出用のスイッチを押圧し得るように構成されている。
【0058】
この場合、力点P1,P2,Q1,Q2のうち2つの力点P1,P2を結ぶ線分(寸法b)を2等分する線分を仮想基準線Hとすると、この仮想基準線Hとカートリッジ挿入側の力点Q2との間の寸法L2(L2=2n)はカートリッジ引き抜き側の力点Q1と仮想基準線Hとの間の寸法L1(L1=n)より大きい寸法に設定されている。
【0059】
これにより、各第2ホルダーピン52a,52bが受けるローディング力をFとすると、カートリッジ引き抜き側の力点Q1に加わる押圧力はカートリッジ挿入側の力点Q2に加わる押圧力の2倍となる。
【0060】
このことは、図8および図3を用い、次に示すようにして説明することができる。
【0061】
同図において、ディスクカートリッジDがカートリッジホルダー48から受けるローディング力によるカートリッジ引き抜き側の反力およびカートリッジ挿入側の反力を各々RA,RBとし、このうち反力RAのカートリッジ引き抜き側の力点Q1とカートリッジホルダー48が受けるローディング力の力点P1,P2のうちカートリッジ引き抜き側の力点P1との間の寸法をaとし、力点P1と力点Q2との間の寸法をcとすると、
垂直方向の力の釣り合いから、2F=RA+RB …(1)
力点P1の回りのモーメントの釣り合いから、
−RAa+Fb−RBc=0 …(2)
となる。
【0062】
(1)より、F=(RA+RB)/2 …(3)
この(3)式を(2)式に代入すると、
−RAa+(RA+RB)b/2−RBc=0
となる。
【0063】
これを整理して
となる。
【0064】
ここで、
b/2−a=L1
c−b/2=L2
であるから、
L1:L2=1:2
とすると、
(4)式より、RA/RB=2
となる。
【0065】
さらに、ホルダー本体49の前方端部両側縁には前記各スプリング係止孔34に対応する左右2つのスプリング係止片53が切り起こし形成されており、前方端縁右側部には前記長孔31にディスクアンローディング状態において挿通し前記スライド板23をディスクカートリッジDの挿入方向に移動規制する側面視略台形状のストッパ54が一体に設けられている。
【0066】
また、このホルダー本体49には前記両スプリング係止片53のうち左側のスプリング係止片近傍および前記切り欠き49aの左側縁部に各々位置するスライダー復帰用のスプリング係止片55とカム板案内用のガイド片56が切り起こし形成されており、このガイド片56の右側方には前記切り欠き49aと前記ガイド孔49bとの間に位置するスプリング装着片57とスプリング係止片58が切り起こし形成されている。
【0067】
そして、このホルダー本体49には各々が前後方向に互いに所定の間隔をもって対向する2つのアーム保持片59が折り曲げ形成されており、これらアーム保持片59の左側方には上下方向に開口する逃がし孔60が設けられている。
【0068】
この他、このホルダー本体49には、前記スプリング係止片55の後方に位置し各々が互いに前後方向に所定の間隔をもって対向する2つのスライダーガイド61が折り曲げ形成されている。
【0069】
また、このホルダー本体49には前記切り欠き49aの開口縁部に沿って延在し前記ヘッドアーム19をディスクアンローディング状態において保持する立ち上がり突部49Aが設けられており、この立ち上がり突部49Aの各自由端部から後方に延在するアーム保持部49A1が一体に設けられている。
【0070】
62は前記スライド板23を前方に付勢する引張コイルスプリングで、両端部が前記スプリング係止孔34と前記スプリング係止片53に係止されている。
【0071】
63は前記スライダー押圧片35が当接するスライダー操作片64をその後方端部左側側縁に有するロードスライダーで、前記カートリッジホルダー48のホルダー本体49に進退自在に保持されており、長手方向両端部には前後方向に延在し前記各スライダーガイド61が挿通する長孔65が設けられている。
【0072】
このロードスライダー63の前方端縁には前記スプリング係止片55に対応するスプリング係止片66が折り曲げ形成されており、後方端縁には前後方向に延在する歯部67aを有するラック板67が取り付けられている。
【0073】
また、このロードスライダー63の右側側縁には、前方から後方に向かって上る勾配をもつ傾斜面68aおよび前後方向に延在する水平面68bを有するカム板68が取り付けられている。
【0074】
69は前記ロードスライダー63を前方に付勢する引張コイルスプリングで、両端部が前記スプリング係止片66と前記スプリング係止片55に係止されている。
【0075】
70は前記アーム揺動規制子22が当接するヘッドアーム保持用のロードアームで、前記両アーム保持片59に支持ピン71を介して回動自在に枢支されており、板ばね72によってアーム先端部が前記切り欠き49a内に臨むような方向に回動付勢されている。
【0076】
このロードアーム70の板ばね反付勢側端縁には、前記スライド板23の進退位置によって前記カム板68の傾斜面68aと水平面68bが当接するカム受部片73が一体に設けられている。
【0077】
74はシャッター開閉アームを兼用するトリガーアームで、前記アームロック片36に対応する第1係合面75aと第2係合面75bを有する平面視略扇形状の第1アーム75と、この第1アーム75に一体に形成され前記ガイド孔49b内に臨むシャッター押圧片76aおよび前記スプリング係止片58に対応するスプリング係止片76bを有する平面視略短冊状の第2アーム76とからなり、前記ホルダー本体49に支軸77を介して回動自在に保持されている。
【0078】
78はディスクカートリッジDのシャッターdを閉塞する方向に前記トリガーアーム74を回動付勢するトーションスプリングで、巻線部が前記スプリング装着片57に装着され、かつ両端部が各々前記スプリング係止片58,76bに係止されている。
【0079】
79および102は前記ラック板67,101の歯部67a,101aに噛合するピニオン80,103を有する第1ロータリーダンパ装置と第2ロータリーダンパ装置で、前記シャーシ1の各側板4,5の後方端部に装着されている。
【0080】
81〜83は各々ディスク(図示せず)の書き込み可否を検出する第1スイッチとディスクカートリッジDの有無を検出する第2スイッチとディスク種類(2DD,2HD,2FD)を検出する第3スイッチで、前記シャーシ1上の回路基板(図示せず)上に実装されている。
【0081】
なお、図中符号a1およびa2は各々ディスクカートリッジDの挿入方向と引き抜き方向を示す。
【0082】
また、符号b1,b2およびc1,c2は各々トリガーアーム74の回動方向とカートリッジホルダー48の昇降方向を示す。
【0083】
このように構成されたディスク装置においては、トップカバー110にユーザーの押圧力が作用してトップカバー110がヘッドアーム側に変形しようとすると、この変形力がカバー撓み防止アーム111を介してシャーシ1の側板4,5および底板6に作用する。
【0084】
すなわち、トップカバー110に加わるヘッドアーム側への撓み変形力がカバー撓み防止アーム111に作用すると、この作用力が第1アーム片112の凸部112bから各側板4,5の凹部4a,5aの底面に伝達されると共に、第2アーム片113のアーム保持部113aから角孔6aの開口縁部に伝達される。
【0085】
したがって、本実施例においては、カバー撓み防止アーム111の剛性を高めてトップカバー110のヘッドアーム側への撓み変形を防止することができるから、従来必要としたヘッド破壊発生防止用の構成部品等が不要になり、部品点数を削減することができる。
【0086】
また、本実施例において、カバー撓み防止アーム111の剛性が高められることは、カバー撓み防止アーム111のヘッドアーム側への撓み変形を防止することができるから、ヘッドアーム19とカバー撓み防止アーム111の衝突を回避することができる。
【0087】
さらに、本実施例において、第1アーム片112の各アーム片端縁中央部に各側板4,5の凸部4b,5bに嵌合する凹部112aを形成することにより各側板4,5の凹部4a,5aに嵌合する凸部112bを設けたことは、各側板4,5の凸部4b,5bにトップカバー110の各側部片110a,110bから圧接力を受けた時に凹部112aの底面112Aが当接し、この作用力をカバー撓み防止アーム111が受けることになるから、各側板4,5の変形発生を防止することができる。
【0088】
次に、本実施例におけるディスク装置によるディスクローディングおよびディスクアンローディングにつき、図2および図7を用いて説明する。
【0089】
先ずディスクローディングは、カートリッジホルダー48内にディスクカートリッジDを図2に矢印a1で示す方向に挿入することにより行う。
【0090】
このとき、トリガーアーム74が支軸77を中心にしてトーションスプリング78の弾撥力に抗してディスクカートリッジDのシャッターdを開放するような方向すなわち図2に矢印b1で示す方向に回動し、アームロック片36が第1係合面75aとの係合状態を解除して第2係合面75bに係合するため、スライド板23が引張コイルスプリング62の弾撥力によって同図に矢印a2で示す方向(カートリッジ引き抜き方向)に前進する。
【0091】
また、第1ホルダーピン51および第2ホルダーピン52a,52bがスライド板23からローディング力を受けて第1ガイド溝7とカム溝37,38内を図2および図7(A)に矢印c2で示す下方に移動するため、カートリッジホルダー48が同方向に移動してディスクカートリッジDがシャーシ1に対して位置決めされる。
【0092】
この場合、スライド板23からカートリッジホルダー48が受けるローディング力の力点のうちカートリッジ挿抜方向に所定の間隔をもって並列する2つの力点P1,P2を結ぶ線分を2等分する仮想基準線Hと、カートリッジホルダー48からディスクカートリッジDが受けるローディング力の力点のうちカートリッジ挿抜方向に所定の間隔をもって並列する2つの力点Q1,Q2との間の各カートリッジ挿抜方向寸法L1,L2が互いに異なる寸法(L1<L2)に設定されているので、ローディング時にディスクカートリッジDがカートリッジホルダー48から受けるローディング力のうち力点Q1,Q2において受ける各ローディング力を互いに異なる作用力に設定することができ、スライド板23の進退動作に必要な作用力を小さくすることができる。
【0093】
一方、ディスクアンローディングは、エジェクト釦40をディスクカートリッジDの挿入方向すなわち図2に矢印a1で示す方向に押圧することにより行う。
【0094】
このとき、スライド板23が引張コイルスプリング62の弾撥力に抗し図2に矢印a1で示す方向(カートリッジ挿入方向)に後退すると共に、アームロック片36が第2係合面75bとの係合状態を解除して第1係合面75aに係合するため、トリガーアーム74がトーションスプリング78の弾撥力によってディスクカートリッジDのシャッターdを閉塞するような方向すなわち同図に矢印b2で示す方向に回動すると共に、ディスクカートリッジDが同図に矢印a2で示す方向に移動する。
【0095】
また、第1ホルダーピン51および第2ホルダーピン52a,52cがスライド板23からアンローディング力を受けて第1ガイド溝7とカム溝37,100内を図1および図7(B)に矢印c1で示す上方に移動するため、カートリッジホルダー48が同方向に移動する。
【0096】
この場合、カートリッジホルダー48が受けるアンローディング力の力点のうちカートリッジ挿抜方向に所定の間隔をもって並列する2つの力点P3,P4は、カートリッジホルダー48が受けるローディング力の両力点P1,P2のうちカートリッジ引き抜き側の力点P1に設定されていると共に、カートリッジ挿入側において進退するヘッドアーム19の側方に設定されているので、カートリッジホルダー48がスライド板23から受けるアンローディング力の力点のうちカートリッジ挿抜方向に並列する力点P3,P4のバランスが良好になる。
【0097】
このようにして、ディスクローディングおよびディスクアンローディングが行われる。
【0098】
なお、本実施例においては、フロッピィーディスク装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限定適用されるものではなく、各種のディスクを記録・再生する他のディスク装置にも実施例と同様に適用可能である。
【0099】
また、本実施例においては、シャーシ1の3部位(各側板4,5と底板6)にカバー撓み防止アーム111を保持する例を示したが、本発明はシャーシ1に対してカバー撓み防止アーム111を4点,5点,・・・保持しても何等差し支えない。
【0100】
この他、本発明におけるカバー撓み防止アームの形状は、前述した実施例に限定されず、他の形状に適宜変更できることは勿論である。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、トップカバーの裏側にシャーシに多数点保持してなるシャーシの各側板に支架された第1アーム片と、この第1アーム片の中間部に連設され前記シャーシの底板に当接するアーム保持部を有する第2アーム片とによって構成された撓み防止アームを設けたので、トップカバーにユーザーの押圧力が作用してトップカバーがヘッドアーム側に変形しようとすると、この変形力がカバー撓み防止アームを介してシャーシの多数の部位に作用する。
【0102】
したがって、カバー撓み防止アームの剛性を高めてトップカバーのヘッドアーム側への撓み変形を防止することができるから、従来必要としたヘッド破壊発生防止用の構成部品等が不要になり、部品点数を削減して構造の簡素化およびコストの低廉化を図ることができる。
【0103】
また、カバー撓み防止アームの剛性が高められることは、カバー撓み防止アームのヘッドアーム側への撓み変形を防止することができるから、ヘッドアームとカバー撓み防止アームの衝突を回避することができ、ヘッド破壊の発生を確実に防止することができる。
【0104】
請求項3において、第1アーム片の両端部にアーム片端縁を切り欠くことにより位置決め用の凹凸部を設け、これら各位置決め用の凹凸部に嵌合する位置決め用の凹凸部を各側板のカバー側端縁に設けたことは、各側板の凸部にトップカバーから圧接力を受けた時に第1アーム片の凹部の底面が当接し、この作用力をカバー撓み防止アームが受けることになるから、各側板の変形発生を防止することができ、位置調整済み構成部品の調整変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスク装置の要部を示す分解斜視図。
【図2】同じく本発明におけるディスク装置の全体を示す分解斜視図。
【図3】本発明におけるディスク装置のカートリッジホルダーを示す平面図。
【図4】本発明におけるディスク装置のヘッドアームとトップカバーの位置関係を説明するために示す断面図。
【図5】本発明におけるディスク装置のカートリッジホルダーのディスクローディング前状態を示す平面図。
【図6】本発明におけるディスク装置のカートリッジホルダーのディスクローディング後状態を示す平面図。
【図7】(A)および(B)は本発明におけるディスク装置のスライド板からカートリッジホルダーが受けるローディング力とアンローディング力を説明するために示す側面図。
【図8】本発明におけるディスク装置のカートリッジホルダーがスライド板から受けるローディング力とシャーシ側から受ける作用力(反力)の関係を示す図。
【符号の説明】
1…シャーシ
4,5…側板
6…底板
19…ヘッドアーム
110…トップカバー
110a,110b…側部片
110c…天井部片
111…カバー撓み防止アーム
112…第1アーム片
113…第2アーム片
113a…アーム保持部
Claims (3)
- 各々が互いに対向する2つの側板およびこれら両側板を連結する底板を有しカートリッジ挿抜方向に進退するヘッドアームを保持するシャーシと、このシャーシの両側板に装着され前記底板に前記ヘッドアームを介して対向する天井面を有するトップカバーとを備えたディスク装置において、
前記トップカバーの裏側に、前記シャーシに多数点保持にしてなり、前記シャーシの各側板に支架された第1アーム片と、この第1アーム片の中間部に連設され前記シャーシの底板に当接するアーム保持部を有する第2アーム片とによって構成されたカバー撓み防止アームを設けたことを特徴とするディスク装置。 - 前記第2アーム片を前記ヘッドアームの近傍に位置付けたことを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
- 前記第1アーム片の両端部にアーム片端縁を切り欠くことにより位置決め用の凹凸部を設け、これら各位置決め用の凹凸部に嵌合する位置決め用の凹凸部を前記各側板のカバー側端縁に設けたことを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
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