【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、自動車トリム等の樹脂製部品を車体パネル側にクリップを介して取り付ける取付構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のトリムをクリップを介して車体パネルに取り付ける場合には、トリムの裏面側に一側が開口する箱形状の台座部を一体に形成し、パネル側に該台座部と対応する取付孔を穿設して、クリップの頭部で上記トリムの台座部を保持しながら、当該クリップの脚部をパネルの取付孔に係着することにより、トリムをパネルに取り付けている。尚、クリップの頭部に対しては、通常、少なくとも、上記台座部の座面を内外側から挾持する2個のフランジが設けられている。
【0003】
しかし、斯る取付構造の下では、クリップ自体をトリムの台座部にセンタリングできる機能を有していないと、クリップの脚部とパネルの取付孔の中心がズレて、トリムの取付作業が大変となると共に、トリムの取り付け後は、トリムの熱膨張を吸収できる機能を有していないと、トリムとパネル間に相対的な位置ズレが生じて、トリム側が変形して外観を害する恐れがある。
【0004】
そこで、斯る要請に応えるために、以下の如き種々の提案がなされている。
第一の提案は、実公平3−43449号公報に示す如く、トリムの裏面に形成される台座部の座面に開口と連通する長孔状のスリットを開設すると共に、該長孔状スリットの両側縁に仮止め用の位置決め凸部を対の関係をもって形成して、当該位置決め凸部で、上記スリット内に挿入されるクリップの首部を規制することにより、クリップの台座部に対するセンタリングを保障し、且つ、スリットの長孔形状内でのクリップの首部の移動を許容することにより、熱膨張に伴うトリムとパネルの相対的な位置ズレを吸収せんとするものである。
【0005】
第二の提案は、実開昭52−16472号公報・実開昭58−130108号公報・実開昭62−44120号公報・実開昭62−137158号公報・実開昭62−137743号公報に示す如く、クリップの頭部又は首部側に対して、台座部の内壁面又は座面に形成されたスリットの側縁に弾接する複数の弾性片を一体に形成して、該各弾性片の弾接作用により、クリップの台座部に対するセンタリングを保障し、各弾性片の変形で、スリット内でのクリップの移動を許容することにより、熱膨張に伴うトリムとパネルの相対的な位置ズレを吸収せんとするものである。
【0006】
第三の提案は、実開昭62−114208号公報や実開昭62−163612号公報に示す如く、上記第二の提案とは逆に、トリムの台座部の座面に開設されるスリット側にクリップの首部に弾接する複数の弾性片を一体に形成して、該各弾性片の弾接作用により、クリップの台座部に対するセンタリングを保障し、各弾性片の変形で、スリット内でのクリップの首部の移動を許容することにより、熱膨張に伴うトリムとパネルの相対的な位置ズレを吸収せんとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、上記した各提案のうち、第一の提案にあっては、単に、長孔状スリットの側縁に形成された位置決め凸部で、クリップをトリムの台座部に仮止め状態をもってセンタリングする関係で、自ずと、クリップに対するセンタリング力が弱くなって、トリムの取り扱い中に、クリップ側に不測の外力が加わると、クリップが容易にセンタリング位置から移動してしまう問題点を有すると共に、長孔状スリット内でのクリップの熱膨張に伴う移動に関しても、当該スリットの長手方向に限定されてしまうので、これ以外の方向に対する位置ズレは吸収できないと言う問題点を有していた。
【0008】
又、第二の提案にあっては、個々で多少の構造上の相違を有するが、基本的には、弾性片を撓み易くするために薄肉となすと、熱膨張に伴う相対的な位置ズレの吸収量が多くなるが、反面、クリップに対するセンタリング力が低下し、逆に、弾性片の肉厚を厚くして剛性を高めると、クリップに対するセンタリング力は一応確保できるが、今度は、熱膨張に伴う位置ズレの吸収量が少なくなってしまうと言う問題点を有している。
【0009】
更に、第三の提案にあっては、原理的には、第二の提案と等しいものであるから、上記した第二の提案の抱える問題点がそのまま受け継がれると共に、中には、弾性片を有する別体の補助部材を必要とするものも存在するので、この場合には、部品点数の面においても問題視されることとなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、斯る従来取付構造の抱える種々の課題を一挙に解決するために開発されたもので、2個のフランジを備えるクリップを用いて、一側が開口する台座部付きの部品をパネルに取り付ける取付構造を前提として、上記部品の台座部の座面側にくの字形を呈する一対の係合溝を対称に形成し、クリップのいずれか一方のフランジ側に当該各係合溝にスライド可能に係合する突起を有する一対の弾性腕を設けて、該各弾性腕の突起を対応するくの字形の係合溝の折曲中心部に導く構成を採用した。
【0011】
【作用】
依って、本発明の下では、クリップの上位側フランジを部品の裏面と台座部の座面間に挿入すると、斯る挿入に伴い、いずれか一方のフランジに設けられている一対の弾性腕の突起が対応する係合溝と弾性的に係合することとなるが、当該係合溝はくの字形を呈している関係で、弾性腕の突起は、各係合溝のくの字形状を画成する折曲中心部に導かれて停止するので、これにより、クリップ自体が部品の台座部に対して正確且つ確実にセンタリングされると共に、例え、その後に、不測の外力で、クリップがセンタリング位置から移動しても、弾性腕の弾性作用と係合溝のカム作用を得て、再び、各弾性腕の突起を対応する係合溝の折曲中心部に自動的に導ける。
【0012】
又、部品の取付状態の下で、熱膨張に伴う部品とパネルの相対的な位置ズレが生じた場合には、当該位置ズレが如何なる方向に生じても、一対の弾性腕の各突起が対応する係合溝の折曲中心部から所定方向に必要量スライド移動して、部品の移動を直ちに許容するので、これにより、部品が変形して外観上の美観を害する心配も全くない。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を図示する一実施例に基づいて詳述すれば、該実施例に係る取付構造も、合成樹脂製トリムの裏面側に一方が開口する箱形状の台座部を一体に形成し、パネル側に該台座部と対応する取付孔を穿設して、樹脂クリップの頭部で上記トリムの台座部を保持しながら、当該クリップの脚部をパネルの取付孔に係着することにより、トリムをパネルに取り付けるものであるが、特徴とするところは、以下の構成を採用した点にある。
【0014】
まず、トリム1側は、図1に示す如く、従来と同様に、自身の裏面に一側が開口2aする箱形状の台座部2を必要な数だけ一体に形成する訳であるが、当該台座部2に対しては、その座面2bに開口2aと連通するスリット3を開設すると共に、該スリット3の両側にくの字形を呈する一対の係合溝4を左右対称に形成し、該各係合溝4に後述するクリップの弾性腕の突起をスライド可能に係合して、該各突起を係合溝4の折曲中心部4aに強制的に導く構成となしている。
尚、本実施例にあっては、斯る係合溝4を貫通する孔状となしているが、上記弾性腕の突起を容易に係合できるものであれば、凹状となすことも実施に応じ任意である。
【0015】
又、クリップ11側は、図2に示す如く、上記トリム1の台座部2を保持する頭部12と、パネルの取付孔に係着する脚部13とから成り、前者の頭部12は、シールフランジ14の上部に首部15を介して離間する第一・第二フランジ16・17を備えるものであるが、特に、上位の第一フランジ16に対しては、図3にも示す如く、円環状を呈する第二フランジ17とは異なり、その中間部分が巾狭となった特殊異形状を付与して、その先端側を台座部2の巾寸法L1よりも小さな円弧状を呈する差込部16aとなし、後端側を台座部2の巾寸法L1と略等しい大きさの基部16bとなして、該基部16bの両側に先端下面に上記係合溝4に係合する突起19を有する一対の弾性腕18を互いに内側に向かって延設すると共に、当該第一フランジ16と第二フランジ17を連設する首部15を、上記スリット3の巾L2よりもかなり小さな断面楕円形状となしている。
尚、上記各弾性腕18の上面側には、上方への撓みを促すテーパー面18aを施すものとする。
【0016】
又、後者の脚部13に対しては、一応、特開平3−113108号公報に示された形態、即ち、上記シールフランジ14から垂下する支軸20と、該支軸20の両側に対向する状態をもって延在する一対の弾性壁21とからなる構成となしているが、この脚部13は、本発明の特徴部分となるものではないので、パネルの取付孔に確実に係着できるものであれば、その他公知の弾性脚構造を適宜利用できることは言うまでもない。
【0017】
依って、斯る構成のクリップ11を用いて、合成樹脂製のトリム1をパネルP側に取り付ける場合には、まず、従来と同様に、クリップ11の首部15を開口2aからスリット3内に臨ましめながら、クリップ11の第一フランジ16をトリム1の裏面と台座部2の座面2b間に挿入して、該座面2bを第一フランジ16と第二フランジ17とで内外側から挾持することとなる。
【0018】
しかし、本実施例の下では、第一フランジ16をその差込部16aの円弧形状を利用して挿入すると、基部16b側に延設されている一対の弾性腕18もテーパー面18aに促されて撓みながら挿入され、対応する係合溝4に至ると、各弾性腕18の突起19が係合溝4と弾性的に係合することとなるが、この係合溝4は、既述した如く、カム作用を果たすくの字形を呈している関係で、図4に示す如く、各弾性腕18の突起19は、自身の内側に傾いた形態と相俟って、当該係合溝4のくの字形状を画成する折曲中心部4aに向かって導かれて停止することとなるので、これにより、クリップ11自体がトリム1の台座部2に対して正確且つ確実にセンタリングされる。
【0019】
しかも、このクリップ11のセンタリング状態において、例え、トリム1の取り扱い中等に、不測の外力が加わり、クリップ11がそのセンタリング位置から如何なる方向に移動しても、弾性腕18の弾性作用と係合溝4のカム作用を得て、再び、各弾性腕18の突起19を対応する係合溝4の折曲中心部4aに自動的に導けるので、本実施例の下では、常に、クリップ11のセンタリング状態が確保できると共に、係合溝4に対する突起19の係合は、クリップ11が台座部2から抜け外れることをも有効に防止できることとなる。
【0020】
従って、後は、トリム1を把持しながら、クリップ11の脚部13をパネルPの取付孔Hに弾性的に係着すれば、図5に示す如く、トリム1がパネルPに確実強固に取り付けられることとなる。尚、この場合には、既述したように、クリップ11がトリム1の台座部2に対して常にセンタリングされているので、クリップ11の脚部13をパネルPの取付孔H内にスムーズに差し込め、従来の如く、クリップ11の脚部13とパネルPの取付孔Hの中心がズレて、トリム1の取付作業が大変となる心配も全くない。
【0021】
又、このトリム1の取付状態の下で、熱膨張に伴うトリム1とパネルPの相対的な位置ズレが生じるような場合において、今仮に、図6に示す如く、X方向へのズレが生じた場合には、スリット3内での楕円状首部15の移動を積極的に促しながら、一対の弾性腕18の各突起19が対応する係合溝4の折曲中心部4aからいずれか一方の端縁側にスライド移動して、トリム1の同方向への移動を直ちに許容するので、これにより、トリム1が変形して外観上の美観を害する心配がなくなる。
尚、相対的な位置ズレの原因が解消された場合には、やはり、弾性腕18の弾性作用と係合溝4のカム作用で、再び、各弾性腕18の突起19が対応する係合溝4の折曲中心部4aに自動的に導かれることとなるので、トリム1の台座部2とクリップ11とパネルPの取付孔Hの位置関係も正常な状態に自動復帰する。
【0022】
逆に、図7に示す如く、Y方向へのズレが生じた場合には、やはり、各突起19が係合溝4内でそのくの字形状に沿って必要量だけスライド移動して、トリム1の同方向に対する移動を許容するので、上記X方向の場合と同様に、トリム1が変形して外観上の美観を害する心配がなくなるし、又、相対的に位置ズレの原因が解消された場合には、同様に、弾性腕18の弾性作用と係合溝4のカム作用で、再び、各弾性腕18の突起19が対応する係合溝4の折曲中心部4aに自動的に導かれることとなる。
【0023】
更に、図8に示す如く、X方向とY方向へのズレが同時に生じた場合には、今度は、各突起19が複合して対応する係合溝4内を必要量だけスライド移動して、トリム1の各方向に対する移動を積極的に許容するので、トリム1が変形して外観上の美観を害する心配がなくなって、いずれにしても、本実施例の下では、方向性の制限を受けることなく、熱膨張に伴うトリム1とパネルPの相対的な位置ズレを極めて効果的に吸収できる訳である。
【0024】
尚、上記の実施例にあっては、第一フランジ16の基部16b側に一対の弾性腕18を延設したものであるが、当該弾性腕18を第一フランジ16の差込部16a側に延設することも十分に可能であり、且つ、第二フランジ17側に第一フランジ16と同様な変形を加えて、当該第二フランジ17に先端上面に突起19を有する一対の弾性腕18を延設しても、同様な作用効果が期待できることとなる。
又、上記実施例の下では、くの字形状を呈する係合溝4を形成するに際して、各係合溝4の折曲中心部4aを接近させると同時に、対応する弾性腕18の突起19を当該接近間隔と略等しい間隔に設定する構成となしたものであるが、図9に示す如く、逆に、各係合溝4の折曲中心部4aを離間させ、且つ、一対の弾性腕18の突起19をその離間間隔分だけ外側に開くように構成することも実施に応じ任意である。
【0025】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、上記構成の採用により、クリップの部品の台座部に対する正確且つ確実なセンタリングが可能となると共に、方向性の制限を受けることなく、熱膨張に伴う部品とパネルの相対的な位置ズレをも極めて効果的に吸収できるので、相対的に位置ズレに起因して、部品側が変形して外観を害する心配も皆無となる。
その上、弾性腕の突起は対応するくの字形の係合溝の折曲中心部に自動的に導かれることとなるので、クリップの台座部に対する初期のセンタリング作業が容易となることは言うまでもないが、その後に、不測の外力で、クリップがセンタリング位置から如何なる方向に移動しても、弾性腕の弾性作用と係合溝のカム作用を得て、再び、各弾性腕の突起を対応する係合溝の折曲中心部に自動的に導けるので、常に、クリップのセンタリング状態を確保することが可能となって、部品の取付作業が頗る容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はトリムの台座部の構造を裏面側から示す要部斜視図、(B)は同縦断面図である。
【図2】(A)はクリップの正面図、(B)は同平面図である。
【図3】第一フランジ側の構造のみを切欠して裏面側から示す斜視図である。
【図4】クリップがセンタリングされた状態を説明する説明図である。
【図5】トリムをパネルに取り付けた状態を示す要部縦断面図である。
【図6】トリムのX方向に対する位置ズレを吸収した状態を説明する説明図である。
【図7】トリムのY方向に対する位置ズレを吸収した状態を説明する説明図である。
【図8】トリムのX方向とY方向に対する位置ズレを吸収した状態を説明する説明図である。
【図9】係合溝と弾性腕の他例を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1 トリム(部品)
2 台座部
2a 台座部の開口
2b 台座部の座面
4 係合溝
4a 係合溝の折曲中心部
11 クリップ
16 第一フランジ
17 第二フランジ
18 弾性腕
19 突起
P パネル[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to an improvement in an attachment structure for attaching a resin component such as an automobile trim to a vehicle body panel via a clip, for example.
[0002]
[Prior art]
When attaching a car trim to a vehicle body panel via a clip, a box-shaped pedestal part with one side opened on the back side of the trim is integrally formed, and a mounting hole corresponding to the pedestal part is formed on the panel side. The trim is attached to the panel by engaging the legs of the clip with the mounting holes of the panel while holding the base of the trim with the head of the clip. In addition, usually, at least two flanges for clamping the seating surface of the pedestal portion from inside and outside are provided on the head of the clip.
[0003]
However, under such a mounting structure, if the clip itself does not have a function of centering the trim on the pedestal portion of the trim, the center of the leg of the clip and the center of the mounting hole of the panel are displaced, and the work of mounting the trim becomes difficult. In addition, if the trim does not have a function of absorbing the thermal expansion of the trim after the trim is attached, a relative positional shift occurs between the trim and the panel, and the trim side may be deformed to impair the appearance.
[0004]
Therefore, various proposals as described below have been made to meet such a request.
The first proposal is to open a slot-shaped slit communicating with an opening in a seat surface of a pedestal portion formed on the back surface of the trim, as shown in Japanese Utility Model Publication No. 3-43449, and Positioning projections for temporary fixing are formed on both side edges in a pair relationship, and the positioning projections regulate the neck of the clip inserted into the slit, thereby ensuring centering of the clip with respect to the pedestal. In addition, the relative displacement between the trim and the panel due to thermal expansion is absorbed by allowing the movement of the neck of the clip within the long hole shape of the slit.
[0005]
The second proposal is Japanese Utility Model Application Laid-Open No. 52-16472, Japanese Utility Model Application No. 58-130108, Japanese Utility Model Application No. 62-44120, Japanese Utility Model Application No. 62-137158, Japanese Utility Model Application Laid-Open No. 62-137743. As shown in the figure, a plurality of elastic pieces elastically contacting the side edge of the slit formed on the inner wall surface or the seat surface of the pedestal portion are integrally formed with the head or neck side of the clip, and The elastic contact ensures centering of the clip with respect to the pedestal, and the deformation of each elastic piece allows the clip to move within the slit, thereby absorbing the relative displacement between the trim and panel due to thermal expansion. It's something you want.
[0006]
As shown in Japanese Utility Model Laid-Open Nos. 62-114208 and 62-163612, the third proposal is contrary to the above-mentioned second proposal. A plurality of elastic pieces elastically contacting the neck portion of the clip are integrally formed, and the elastic contact of each elastic piece ensures centering of the clip with respect to the pedestal portion. By allowing the neck to move, the relative displacement between the trim and the panel due to thermal expansion is absorbed.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, among the above-mentioned proposals, the first proposal simply relates to a method of centering a clip on a trim base with a positioning protrusion formed on a side edge of an elongated slit. Then, the centering force on the clip is naturally weakened, and if an unexpected external force is applied to the clip side during the handling of the trim, the clip may easily move from the centering position, and the slot-like slit may be formed. Also, the movement of the clip due to the thermal expansion inside the slit is limited to the longitudinal direction of the slit, so that there has been a problem that positional deviation in other directions cannot be absorbed.
[0008]
Further, in the second proposal, although there are some structural differences in each case, basically, when the elastic piece is made thin to make it easy to bend, the relative displacement caused by thermal expansion is reduced. On the other hand, the centering force on the clip is reduced, but the centering force on the clip can be secured by increasing the thickness of the elastic piece to increase the rigidity. However, there is a problem that the absorption amount of the displacement due to the above is reduced.
[0009]
Furthermore, in the third proposal, since it is equivalent to the second proposal in principle, the above-mentioned problem of the second proposal is inherited as it is, and an elastic piece is included therein. Some of them require a separate auxiliary member, and in this case, a problem is also raised in terms of the number of parts.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been developed in order to solve various problems of the conventional mounting structure at once, using a clip having two flanges, a part with a pedestal portion having one side opened to a panel. Assuming the mounting structure to be mounted, a pair of U-shaped engagement grooves are formed symmetrically on the seat surface side of the pedestal part of the above component, and slidable on each of the engagement grooves on one of the flange sides of the clip , A pair of elastic arms having projections engaging with each other are provided, and the projections of each of the elastic arms are guided to the center of the bending of the corresponding V-shaped engaging groove.
[0011]
[Action]
Therefore, under the present invention, when the upper flange of the clip is inserted between the back surface of the component and the seating surface of the pedestal portion, with such insertion, a pair of elastic arms provided on one of the flanges is provided. The projections will elastically engage with the corresponding engagement grooves, but the projections of the resilient arm have the U-shape of each engagement groove because the engagement groove has a U-shape. The stop is guided to the defining center of the fold, so that the clip itself is accurately and reliably centered with respect to the pedestal of the part, and then the clip is centered, for example, by an unexpected external force. Even if it moves from the position, the elastic action of the elastic arm and the cam action of the engaging groove can be obtained, and the projection of each elastic arm can be automatically guided again to the bent center of the corresponding engaging groove.
[0012]
Also, if the relative displacement between the component and the panel occurs due to thermal expansion under the mounted condition of the component, the projections of the pair of elastic arms correspond to each other regardless of the direction of the displacement. The sliding movement of the engaging groove in the predetermined direction from the center of the bending of the engaging groove allows the part to be moved immediately, so that there is no fear that the part is deformed and the appearance is not impaired.
[0013]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to an embodiment.The mounting structure according to the embodiment also integrally forms a box-shaped pedestal portion having one opening on the back surface side of the synthetic resin trim, By drilling a mounting hole corresponding to the pedestal portion on the panel side, and holding the pedestal portion of the trim with the head of the resin clip, engaging the leg portion of the clip with the mounting hole of the panel, The trim is attached to the panel, but the feature is that the following configuration is adopted.
[0014]
First, as shown in FIG. 1, a required number of box-shaped pedestal portions 2 each having an opening 2a on one side are integrally formed on the back surface of the trim 1 as shown in FIG. 2, a slit 3 communicating with the opening 2a is formed in the seat surface 2b, and a pair of engagement grooves 4 having a U-shape are formed on both sides of the slit 3 symmetrically. A protrusion of an elastic arm of a clip described later is slidably engaged with the mating groove 4, and the respective protrusions are forcibly guided to the bent central portion 4 a of the engaging groove 4.
In the present embodiment, the hole is formed as a hole penetrating the engagement groove 4. However, if the protrusion of the elastic arm can be easily engaged, the hole may be formed in a concave shape. It is optional.
[0015]
As shown in FIG. 2, the clip 11 includes a head portion 12 for holding the pedestal portion 2 of the trim 1 and a leg portion 13 for engaging with a mounting hole of the panel. The first and second flanges 16 and 17 are provided at the upper part of the seal flange 14 with the neck 15 therebetween. The upper first flange 16 is particularly circular as shown in FIG. Unlike the second flange 17 having an annular shape, the intermediate portion has a special irregular shape with a reduced width, and the distal end side has a circular arc shape smaller than the width dimension L1 of the pedestal portion 2. The rear end side is formed as a base 16b having a size substantially equal to the width dimension L1 of the pedestal portion 2. The elastic arms 18 extend inward from each other, and The flange 16 and the neck portion 15 which continuously arranged a second flange 17, and has a considerably smaller cross-sectional elliptical shape than the width L2 of the slit 3.
The upper surface of each of the elastic arms 18 is provided with a tapered surface 18a for promoting upward bending.
[0016]
Also, the latter leg portion 13 has a form shown in Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-113108, that is, a support shaft 20 hanging down from the seal flange 14 and opposing both sides of the support shaft 20. Although the leg 13 is formed of a pair of elastic walls 21 extending in a state, the leg 13 is not a feature of the present invention, and can be securely engaged with the mounting hole of the panel. Needless to say, other known elastic leg structures can be appropriately used.
[0017]
Therefore, when attaching the trim 1 made of synthetic resin to the panel P side by using the clip 11 having such a configuration, first, as in the conventional case, the neck 15 of the clip 11 is brought into the slit 3 from the opening 2a. While tightening, the first flange 16 of the clip 11 is inserted between the back surface of the trim 1 and the seating surface 2b of the pedestal portion 2, and the seating surface 2b is sandwiched between the first flange 16 and the second flange 17 from inside and outside. Will be done.
[0018]
However, under the present embodiment, when the first flange 16 is inserted using the arc shape of the insertion portion 16a, the pair of elastic arms 18 extending toward the base 16b are also urged by the tapered surface 18a. When it is inserted while bending, and reaches the corresponding engaging groove 4, the projection 19 of each elastic arm 18 elastically engages with the engaging groove 4. As shown in FIG. 4, the projections 19 of the elastic arms 18 are inwardly inclined to the engagement grooves 4 as shown in FIG. The clip 11 is guided and stopped toward the bent center portion 4a defining the U-shape, so that the clip 11 itself is accurately and reliably centered with respect to the pedestal portion 2 of the trim 1.
[0019]
In addition, in the centering state of the clip 11, even if an unexpected external force is applied during handling of the trim 1 and the clip 11 is moved in any direction from the centering position, the elastic action of the elastic arm 18 and the engagement groove 4, the projection 19 of each elastic arm 18 can be automatically guided to the bent center 4a of the corresponding engaging groove 4 again, so that the centering of the clip 11 is always performed under this embodiment. The state can be ensured, and the engagement of the projection 19 with the engagement groove 4 can effectively prevent the clip 11 from coming off the pedestal portion 2.
[0020]
Therefore, if the leg 13 of the clip 11 is elastically engaged with the mounting hole H of the panel P while gripping the trim 1 later, the trim 1 is securely attached to the panel P as shown in FIG. Will be done. In this case, as described above, since the clip 11 is always centered on the pedestal 2 of the trim 1, the leg 13 of the clip 11 can be smoothly inserted into the mounting hole H of the panel P. Unlike the related art, there is no concern that the center of the leg 13 of the clip 11 and the center of the mounting hole H of the panel P are displaced, and the mounting work of the trim 1 becomes difficult.
[0021]
Further, in a case where a relative displacement between the trim 1 and the panel P due to the thermal expansion occurs under the attached state of the trim 1, a displacement in the X direction is temporarily generated as shown in FIG. In this case, each of the protrusions 19 of the pair of elastic arms 18 is moved from one of the bent center portions 4a of the corresponding engagement groove 4 while actively promoting the movement of the elliptical neck portion 15 in the slit 3. Since the trim 1 is slid to the edge side to immediately allow the trim 1 to move in the same direction, there is no fear that the trim 1 is deformed and the external appearance is impaired.
When the cause of the relative displacement has been eliminated, the elastic action of the elastic arms 18 and the cam action of the engaging grooves 4 again cause the projections 19 of the elastic arms 18 to move into the corresponding engaging grooves. 4 is automatically guided to the center 4a of the bend, so that the positional relationship between the pedestal portion 2 of the trim 1, the clip 11, and the mounting hole H of the panel P automatically returns to a normal state.
[0022]
Conversely, as shown in FIG. 7, when a shift in the Y direction occurs, each of the protrusions 19 is slid in the engagement groove 4 by a required amount within the engagement groove 4 and trimmed. Since the movement of the trim 1 in the same direction is allowed, there is no need to worry about the deformation of the trim 1 and harming the aesthetic appearance in the same manner as in the case of the X direction, and the cause of the relative displacement is eliminated. In this case, similarly, by the elastic action of the elastic arms 18 and the cam action of the engaging grooves 4, the projections 19 of each elastic arm 18 are automatically guided again to the bending center 4a of the corresponding engaging groove 4. I will be.
[0023]
Further, as shown in FIG. 8, when the displacement in the X direction and the displacement in the Y direction occur at the same time, each projection 19 is slid and moved by a required amount in the corresponding engagement groove 4 in combination. Since the movement of the trim 1 in each direction is positively permitted, there is no fear that the trim 1 is deformed and the external appearance is impaired. In any case, under the present embodiment, the directionality is restricted. Thus, the relative displacement between the trim 1 and the panel P due to thermal expansion can be absorbed very effectively.
[0024]
In the above-described embodiment, a pair of elastic arms 18 are extended on the base 16b side of the first flange 16, and the elastic arms 18 are placed on the insertion portion 16a side of the first flange 16. It is sufficiently possible to extend, and a pair of elastic arms 18 having projections 19 on the top surface at the tip end are provided on the second flange 17 by applying the same deformation as the first flange 16 on the second flange 17 side. Even if it is extended, the same operation and effect can be expected.
Further, in the above embodiment, when forming the engagement grooves 4 having a U-shape, the bent center portions 4a of the engagement grooves 4 are brought close to each other, and at the same time, the projections 19 of the corresponding elastic arms 18 are moved. Although the interval is set to be substantially equal to the approaching interval, as shown in FIG. 9, conversely, the bending center portions 4a of the respective engaging grooves 4 are separated from each other, and the pair of elastic arms 18 are provided. The protrusion 19 may be configured to open outward by the distance between the protrusions.
[0025]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, by adopting the above-described configuration, accurate and reliable centering of the clip component with respect to the pedestal portion is enabled, and the relative relationship between the component and the panel due to thermal expansion is not restricted by the directionality. Since the positional deviation can be absorbed very effectively, there is no concern that the component side is deformed due to the relative positional deviation and the appearance is impaired.
In addition, since the protrusion of the elastic arm is automatically guided to the center of the bent portion of the corresponding U-shaped engagement groove, it is needless to say that the initial centering operation of the clip with respect to the pedestal portion is facilitated. However, even if the clip moves in any direction from the centering position due to an unexpected external force, the elastic action of the elastic arm and the cam action of the engagement groove are obtained, and the projection of each elastic arm is again brought into contact with the corresponding engagement. Since the guide can be automatically guided to the center of the bending of the mating groove, the centering state of the clip can always be ensured, and the work of mounting the parts becomes extremely easy.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is a perspective view of a principal part showing the structure of a pedestal portion of a trim from the back side, and FIG. 1B is a longitudinal sectional view of the same.
FIG. 2A is a front view of a clip, and FIG. 2B is a plan view of the same.
FIG. 3 is a perspective view showing only the structure of the first flange side cut away and viewed from the back side.
FIG. 4 is an explanatory diagram illustrating a state where a clip is centered.
FIG. 5 is a vertical sectional view of a main part showing a state where the trim is attached to the panel.
FIG. 6 is an explanatory diagram illustrating a state in which a displacement of the trim in the X direction is absorbed.
FIG. 7 is an explanatory diagram illustrating a state in which a displacement of the trim in the Y direction is absorbed.
FIG. 8 is an explanatory diagram illustrating a state in which a displacement of the trim in the X direction and the Y direction is absorbed.
FIG. 9 is a perspective view of a main part showing another example of an engagement groove and an elastic arm.
[Explanation of symbols]
1 Trim (parts)
2 Pedestal part 2a Pedestal part opening 2b Pedestal part seating surface 4 Engagement groove 4a Engagement groove bent center part 11 Clip 16 First flange 17 Second flange 18 Elastic arm 19 Projection P panel