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JP3557274B2 - 食品包装用ストレツチフイルム - Google Patents

食品包装用ストレツチフイルム Download PDF

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JP3557274B2
JP3557274B2 JP06422595A JP6422595A JP3557274B2 JP 3557274 B2 JP3557274 B2 JP 3557274B2 JP 06422595 A JP06422595 A JP 06422595A JP 6422595 A JP6422595 A JP 6422595A JP 3557274 B2 JP3557274 B2 JP 3557274B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、食品包装用に用いられるストレツチフイルム、特に塩素を含まない材料からなるストレツチフイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から青果物、精肉、惣菜などを軽量トレーに載せてフイルムでオーバーラツプする、いわゆるプリパツケージ用のストレツチフイルムとしては、主にポリ塩化ビニル系のものが使用されてきた。これは包装効率がよく、包装仕上がりも綺麗であるなどの包装適性の他、パツク後のフイルムを指で押すなどの変形を加えても元に戻る弾性回復力に優れ、また底シール性も良好であり、輸送陳列中にフイルム剥がれが発生しにくいなど、商品価値が低下しないという販売者、消費者の双方に認められた品質の優位性を持っているためである。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
しかし近年、ポリ塩化ビニルのフイルムに対し焼却時に発生する塩化水素ガスや、多量に含有する可塑剤の溶出などが問題視されてきた。このためポリ塩化ビニル系フイルムに代わる材料が種々検討されてきており、特にポリオレフイン系樹脂を用いた構成のストレツチフイルムが各種提案されている。例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、EVA/ポリブテン−1/EVA、EVA/直鎖状エチレン−α−オレフイン共重合体/EVAなどの構成のストレツチフイルムが提案されている。ポリオレフイン系樹脂は入手しやすく、耐水・耐油性、衛生性、使用後の処理の容易性に優れ、フイルム成形も容易で、機械的強度などにも優れている。
【0004】
しかしながら、上記のようなポリオレフイン系樹脂は一般に結晶性であるため、伸びが不均一になりやすい。また引き伸ばした状態で張力を除くと瞬間的に復元するため包装作業がやりにくいなどの問題があり、包装作業性、包装仕上がり、弾性回復力、底シール性といった特性をすべて満足することは難しい。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、上記諸特性に優れた非塩ビ系ストレツチフイルムを得ることに成功したものであり、その要旨は、エチレンを主体とするα−オレフインの繰り返し単位と、そのα−オレフインの繰り返し単位に結合した、または結合していない環状オレフインの繰り返し単位とを含む混合樹脂の層を少なくとも一層有し、動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度20℃で測定した貯蔵弾性率(E´)が5.0×108 〜5.0×109 dyn/cm2 、損失正接(tanδ)が0.2〜0.8の範囲にあることを特徴とする食品包装用ストレツチフイルムにある。
【0006】
すなわち本発明は、エチレンを主体とするα−オレフインの繰り返し単位に、嵩高な環状オレフインの繰り返し単位を並存させることにより結晶性を低下させて均一伸びを示すフイルムとするとともに、さらに特定の粘弾性特性を付与することにより、包装作業性、包装仕上がりのよいフイルムが得られることを見出だしたものである。
【0007】
以下、本発明を詳しく説明する。本発明ストレツチフイルムは、エチレンを主体とするα−オレフインの繰り返し単位と、そのα−オレフインの繰り返し単位に結合した、または結合していない環状オレフインの繰り返し単位とを含む混合樹脂の層を少なくとも一層有している。
【0008】
その具体例としては、(A)エチレンを主成分とするα−オレフインの繰り返し単位を主体とする樹脂に、(B)環状オレフインの繰り返し単位を主体とする高分子材料を混合したものが挙げられる。
【0009】
ここで(A)のエチレンを主体とするα−オレフインの繰り返し単位からなる樹脂としては、エチレンに由来する単位またはそれに加えるに他のα−オレフインに由来する単位、および/またはα−オレフイン以外のモノマに由来する単位が共重合された樹脂、例えば低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、これらの樹脂のアイオノマなどの重合体を挙げることができる。また、少量(例えば5モル%以内)の環状オレフインを共重合したエチレン−環状オレフイン共重合体でもよい。
【0010】
これらの樹脂はそれ自体としては公知のフイルム用のものを用いることができ、一般にフイルム成形性やフイルム強度の面から、メルトフローレイシオMFR(190℃、2.16kg荷重)が0.1〜5g/10分程度の樹脂が使用できる。また、ストレツチフイルムとして必要な柔軟性を得るため、エチレン単位が60モル%以上、好ましくは80モル%以上の樹脂が好適である。
【0011】
一方、(B)の環状オレフイン単位を有する高分子材料としては、下記式(1)で表されるシクロペンタジエンに由来する繰り返し単位を主体とする石油樹脂またはその水素添加体、
【化1】
Figure 0003557274
【0012】
下記式(2)で表されるインデンに、少量のクマロンを共重合した、いわゆるクマロン−インデン樹脂、
【化2】
Figure 0003557274
【0013】
下記式(3)で表されるα−ピネンに由来する繰り返し単位を主体とするテルペン樹脂またはその水素添加体
【化3】
Figure 0003557274
【0014】
などを例示することができる。ここで環状オレフインは少なくとも1個の2重結合を有していればよく、例えば環状ジオレフインなども含まれる。
【0015】
ここで例示した(B)成分は、その重合度、共重合成分、水素添加率、使用する触媒系などにより種々の特性のものを得ることができるが、本発明に適合したものは、(A)成分との関係で、ガラス転移温度が70℃以上、特に好ましくは80℃以上のものである。
【0016】
また(B)成分は一般に分子量が大きくなるほど上記(A)成分との相溶性が悪くなる傾向にあるので、ガラス転移温度と相溶性の両特性面から分子量が概ね700〜900の範囲にあるものが好ましく、また分子量分布がシヤープなものが好ましい。
【0017】
この(B)成分は、本来結晶性である(A)成分に微細オーダーで相溶してその結晶性を低下させるとともに、(A)成分の応力挙動特性をも変化させて後述のような特性の達成を可能にする。(A)成分と(B)成分の混合比率は、後述の粘弾性に関する基準に沿うように決定される。
【0018】
本発明フイルムは、動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度20℃で測定した貯蔵弾性率(E´)が5.0×10〜5.0×10(dyn/cm)の範囲にあり、かつ損失正接(tanδ)が0.2〜0.8の範囲にあるものである。
ここでE´が5.0×10dyn/cm未満であると、柔らかくて変形に対し応力が小さすぎるため、作業性が悪く、パツク品のフイルムの張りもなく、ストレツチフイルムとして適さない。また、E´が5.0×10dyn/cmを越えると、硬くて伸びにくいフイルムになり、トレーの変形やつぶれが生じやすい。
【0019】
またtanδが0.2未満であると、フイルムの伸びに対する復元挙動が瞬間的であるため、フイルムをトレーの底に折り込むまでのわずかな間にフイルムが復元してしまい、フイルムがうまく張れずにしわが発生しやすい。また底部のヒートシール状態も、ストレツチ包装の場合は熱による十分な融着がなされにくいので、包装後、輸送中ないし陳列中に次第に底シールの剥がれを生じやすくなる。 また、tanδが0.8を越えると、包装仕上がりは良好であるものの、塑性的な変形を示し、パツク品の外力に対する張りが弱すぎて、輸送中ないし陳列中の積み重ねなどにより、トレー上面のフイルムがたるみ易く、商品価値が低下しやすい。また自動包装の場合には縦に伸びやすいためチヤツク不良などの問題が生じやすい。tanδの特に好適な範囲は、0.30〜0.60である。
【0020】
(A)成分は一般にガラス転移温度が−40〜0℃であり、20℃におけるtanδは0.1〜0.15程度であってそれ単独では本発明の意図する特性が得られない。そこでガラス転移温度が高い(B)成分を含有・分散させることにより混合物のガラス転移温度が高くなり、20℃におけるtanδが大きくなるとともに、結晶性を低下させて、ストレツチフイルムとして好ましい特性が得られる。
【0021】
上記特性を満たすためには、(A)成分と(B)成分の混合比率が重要である。(A)成分と(B)成分の混合比率は、使用する材料の組み合わせにより異なるため一概には規定し難いが、(B)成分が20重量%未満では、(A)成分の結晶性が強く残存し、またtanδが低く好ましくない。また35重量%を越えると、フイルムの貯蔵弾性率(E´)が低くなり、また強度も低下するため包装作業性などが低下する。さらには、(B)成分がフイルム表面に吹き出すなどの問題が生じやすくなる。上記混合比率の目安としては、混合物のガラス転移温度が−10〜10℃の範囲に入るように設定することである。
【0022】
またストレツチフイルムは低温時に使用されることもあり、低温特性(特に伸び)が優れていることが望ましいが、そのためには動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度0℃で測定したフイルムの貯蔵弾性率(E´)が1.5×1010dyn/cm以下の範囲にあることが好ましい。
【0023】
そのためには、低温特性の優れた(A)成分の比率を高めるのが有効であり、(A)成分と(B)成分の混合比率を、温度20℃における粘弾性特性を満足する範囲内で(A)成分が多めになるように設定することにより達成される。また、上記(B)成分はフイルムに粘着性を付与するものが多い。従って上記のように多量に添加するとブロツキングが生じやすくなるので、(A)成分と(B)成分の混合樹脂層に、(A)成分のみ、あるいは(A)成分が極めて多い表面層を積層することもできる。
【0024】
本発明フイルムの材料系の別の例としては、(A)エチレンを主体とするα−オレフイン単位と環状オレフイン単位との共重合樹脂からなる層、
または(A)エチレンを主体とするα−オレフイン単位と環状オレフイン単位との共重合樹脂と、(B)特性調整材料との組み合わせからなる層を有するものを挙げることができる。
【0025】
ここで、(A)成分のエチレンを主体とするα−オレフイン単位は、エチレンを主体とし、必要に応じプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフイン単位を含むものである。また環状オレフイン単位としては、例えば下記一般式(4)で示される環状オレフインを挙げることができる。
【0026】
【化4】
Figure 0003557274
【0027】
具体的には、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フエニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネンなどを挙げることができる。
またこの樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じ他の共重合可能な単量体を含有することができ、その例としては、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
【0028】
(A)成分からなる層を有する場合には、環状オレフイン単位の種類と共重合比を特定範囲に制御したり、共重合比の異なる2種以上の共重合樹脂をブレンドしたり、また第3成分を共重合するなどして前記E´やtanδなどの条件を満たすように調整することができる。
【0029】
ただ、上記のような特性を満たす範囲では、共重合樹脂の結晶性がかなり低くなり、またガラス転移温度も高くないため、共重合樹脂のペレツトがブロツキングしやすいという共重合体製造上の不利が生じることがある。また、20℃におけるE´やtanδを満たす範囲では、0℃におけるE´が高くなり、低温適性の点で万全とはいえない場合もある。
【0030】
この点から、(A)成分として環状オレフイン含量の高いエチレン−環状オレフイン共重合樹脂を用い、これに(B)特性改良材料を混合することもできる。
【0031】
特性改良材料(B)の一例として、低重合度ポリブテンを挙げることができる。すなわち、エチレン−環状オレフイン共重合樹脂として一般的なガラス転移温度が40℃以上の樹脂に対し、低重合度ポリブテンなどの低ガラス転移温度をもち相溶性のよい材料を混合することにより、可塑化効果によって柔軟性が付与され、ガラス転移温度も低下してストレツチフイルムとしてより好ましい方向への改質がなされる。
【0032】
ここで低重合度ポリブテンとしては、相溶性や成形後のフイルム表面への吹き出しを考慮して、平均分子量が100以上、1,000以下のものが好ましい。またその混合比率は、(A)成分のガラス転移温度が40℃以上の場合、(A)成分100重量部に対し35〜50重量部程度の範囲が好適である。
【0033】
それ以外に、低ガラス転移温度をもちエチレン−環状オレフイン共重合樹脂との相溶性のよい材料として、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンのトリブロツク共重合体(SBS)やスチレン−イソプレン−スチレンのトリブロツク共重合体(S1S)などが挙げられる。この場合のスチレン比率は、室温での柔軟性を維持するため30重量%以下が好ましい。
【0034】
以上のような特性改良材料による場合、上記改質のみでは、20℃におけるtanδが大きくなり過ぎる傾向があり、塑性的変形を示してパツク品の張りが弱くなるので、この混合物層に他のtanδが小さい非塩ビ材料層を積層するのが適当である。他の樹脂層としては、ポリオレフイン系重合体が好ましく、これらと積層することにより、粘弾性特性の調整とともに、フイルムの製膜の安定性や耐ブロツキング性、滑り性などを付与することができる。
【0035】
ここで積層材料としてのポリオレフイン系重合体としては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン(エチレンとα−オレフインとの共重合体)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、低密度ポリエチレンなどのアイオノマ、プロピレン系エラストマ材料などが好適である。
【0036】
実用上は例えばEVAを好適に使用することができ、このEVAとしては、酢酸ビニル含量が5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%、メルトフローレイシヨ(MFR)が0.2〜2g/10分(190℃、2.16kg荷重)のものが強度や柔軟性、フイルム成形加工性などの面で好適である。
本発明フイルムはさらに、温度20℃で測定した150%伸び時の応力ρ150 と50%伸び時の応力ρ50との比率(ρ150 /ρ50)が縦方向、横方向とも1.3〜2.0の範囲にあるような応力−歪み特性を有するのが好ましい。
【0037】
比率(ρ150 /ρ50)が1.3未満であると、包装時に不均一な伸びを示し、局部的な伸びによりトレーのコーナー部などで破れを生じやすくなる。またこの比率が2.0を越えると、包装作業時にフイルムを延ばすのに強い力を要する結果となり、作業性が低下し、自動包装機による包装においてはトレーの変形や潰れを生じやすい。
【0038】
ストレツチフイルムの一般的製法であるインフレーシヨン法によりエチレン系重合体のフイルムを製造すると、ρ150 /ρ50は縦方向に大きく、横方向には小さくなる傾向にあり、特に横方向のρ150 /ρ50を特定の範囲に設定することが重要である。そのためにはインフレーシヨン成形時のブローアツプ比(バブル径/ダイ径)を高めるのが有効であり、ブローアツプ比としては、使用する原料にもよるが一般に4以上、好適には5〜6の範囲から選択することができる。 なお一般に本発明フイルムの厚さは、通常のストレツチ包装用として用いられる範囲、すなわち8〜30μm程度、代表的には10〜20μm程度の範囲にある。
【0039】
本発明フイルムは、押出機から材料を溶融押出し、インフレーシヨン成形またはTダイ成形によりフイルム状に成形することにより得られる。積層フイルムとする場合には多層ダイにより共押出するのが有利である。
実用的には、環状口金から材料樹脂を溶融押出してインフレーシヨン成形するのが好ましい。
【0040】
本発明フイルムには、防曇性、帯電防止性、滑り性などの性能を付与するために各種添加剤を添加することができる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加物などの界面活性剤を適宜添加することができる。
【0041】
【実施例】
以下実施例により、本発明の効果を明らかにする。なおフイルムの特性・性能は、次の方法により測定、評価した。
1)E´、tanδ
岩本製作所(株)製粘弾性スペクトロメーターVES−F3を用い、振動周波数10Hz、温度20℃および0℃でフイルムの横方向について測定した。
【0042】
2)ストレツチ包装適性
幅350mmのストレツチフイルムを用い、自動包装機(石田衡器(株)社製ISHIDA・Wmin MK−II)により発泡ポリスチレントレー(長さ200mm、幅130mm、高さ30mm)を包装し、表4に示す項目について評価した。また同じフイルムおよびトレーを用いて、手包装機(三菱樹脂(株)社製ダイアラッパーA−105)により包装試験を行った。
3)ρ150 /ρ50
JIS K1702に準じて引張速度200mm/分で引張試験を行い算出した。
【0043】
(実施例1)
直鎖状エチレン−ブテン−1共重合体(ブテン−1含量14重量%、密度0.905)75重量%と、シクロペンタジエンを主体とする石油樹脂の水素添加品(ガラス転移温度81℃、荒川化学社製アルコンP125)25重量%を混合した組成物を中間層(厚さ9μm)とし、一方EVA(酢酸ビニル含量15重量%、190℃MFR2.0g/10分)100重量部に対し防曇剤としてジグリセリンモノオレ−ト3重量部を混練した組成物を表裏層として各々厚さ3μm配し、ブローアツプ比(BUR)6.0で共押出インフレ−シヨン成形により総厚み15μm(3/9/3μm)のフイルムを得た。
【0044】
なお、直鎖状エチレン−ブテン−1共重合体単独で測定した特性は、
0℃における貯蔵弾性率E´ 2.0×10dyn/cm
20℃における貯蔵弾性率E´ 1.2×10dyn/cm
20℃における損失正接tanδ 0.12
であった。
また中間層組成物のみで測定した特性は、
0℃における貯蔵弾性率E´ 6.5×10dyn/cm
20℃における貯蔵弾性率E´ 1.1×10dyn/cm
20℃における損失正接tanδ 0.35
であった。
【0045】
(実施例2)
ブローアツプ比を5.0とした以外は実施例1と同様にして、総厚み15μm(3/9/3μm)のフイルムを得た。
(実施例3)
ブローアツプ比を4.0とした以外は実施例1と同様にして、総厚み15μm(3/9/3μm)のフイルムを得た。
【0046】
(実施例4)
表裏層としてエチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量12重量%、190℃MFR7.0g/10分)100重量部に対し防曇剤としてジグリセリンモノオレ−ト3重量部を混練した組成物を用いた以外は実施例1と同様にして総厚み15μm(3/9/3μm)のフイルムを得た。
【0047】
(比較例1)
表裏層および中間層の厚みを各々6μm、3μmとした以外は実施例1と同様にして総厚み15μm(6/3/6μm)のフイルムを得た。
(比較例2)
中間層として、実施例1で用いた直鎖状エチレン−ブテン−1共重合体のみを用いた以外は実施例1と同様にして総厚み15μm(3/9/3μm)のフイルムを得た。
【0048】
(実施例5)
エチレンとノルボルネンからなるエチレン−環状オレフイン共重合体(ガラス転移温度80℃、三井石油化学社製アペル6509)100重量部に、液状ポリブテン(分子量500、日本石油社製LV−100)を40重量部混合した樹脂層を中間層(9μm)とし、一方実施例1で用いたのと同じEVA組成物を表裏層として各々3μm配し、実施例1と同様にして総厚み15μm(3/9/3μm)のフイルムを得た。
【0049】
なお、エチレン−環状オレフイン共重合体単独で測定した特性は、
0℃における貯蔵弾性率E´ 1.8×1010dyn/cm
20℃における貯蔵弾性率E´ 1.8×1010dyn/cm
20℃における損失正接tanδ 0.01
であった。
またエチレン−環状オレフイン共重合体に液状ポリブテンを混合した組成物単独で測定した特性は、
0℃における貯蔵弾性率E´ 1.2×1010dyn/cm
20℃における貯蔵弾性率E´ 2.5×10dyn/cm
20℃における損失正接tanδ 0.60
であった。
【0050】
(実施例6)
表裏層および中間層の厚みを各々5μm、5μmとした以外は実施例4と同様にして総厚み15μm(5/5/5μm)のフイルムを得た。
(比較例3)
表裏層および中間層の厚みを各々6μm、3μmとした以外は実施例4と同様にして総厚み15μm(6/3/6μm)のフイルムを得た。
【0051】
(比較例4)
中間層として、エチレン−環状オレフイン共重合体100重量部に液状ポリブテンを30重量部混合した組成物を用いた以外は実施例4と同様にして総厚み15μm(3/9/3μm)のフイルムを得た。
中間層組成物単独で測定した特性は、
0℃における貯蔵弾性率E´ 1.8×1010dyn/cm
20℃における貯蔵弾性率E´ 8.0×10dyn/cm
20℃における損失正接tanδ 0.22
であった。
【0052】
(比較例5)
市販のポリ塩化ビニルストレツチフイルム(厚さ15μm)について評価を行った。
これらのフイルムについての特性、性能の測定評価結果を表1〜3に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0003557274
【表2】
Figure 0003557274
【表3】
Figure 0003557274
【表4】
Figure 0003557274
【0054】
実施例1のフイルムは、直鎖状エチレン−ブテン−1共重合体にシクロペンタジエンを主体とする石油樹脂の水素添加品を混合した層を含むことにより、粘弾性特性が本発明で規定する範囲内にあり、諸特性に優れていた。また実施例2〜6のフイルムも同様に優れていたが、実施例3のフイルムはρ150 /ρ50が好適範囲外にあって、やや包装適性が劣っていた。
【0055】
【発明の効果】
本発明ストレツチフイルムによれば、自動包装機などに使用した場合にフイルムのカツト・搬送やラツピングを問題なく行うことができ、底シール性が良好で、またフイルムの張りがよい包装体を得ることができ、非塩ビ系ストレツチフイルムとして従来にない特徴を有している。

Claims (3)

  1. 下記積層体(1)又は(2)であって、動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度20℃で測定した貯蔵弾性率(E´)が5.0×108 〜5.0×109 dyn/cm2 、損失正接(tanδ)が0.2〜0.8の範囲にあることを特徴とする食品包装用ストレツチフイルム。
    (1)(A1) エチレンを主成分とするα−オレフインの繰り返し単位を主体とする樹脂と(B1)環状オレフインの繰り返し単位を主体とする高分子材料とからなる混合樹脂の層にエチレンを主成分とするα−オレフィンの繰り返し単位を主体とする樹脂からなる表面層を積層してなる積層体
    (2)(A2)エチレンを主体とするα−オレフイン単位と環状オレフイン単位との共重合樹脂と(B2)低重合度ポリブテン、スチレン−ブタジエン−スチレンのトリブロック共重合体及びスチレン−イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体から選ばれる特性改良材料とからなる混合樹脂の層に該混合樹脂層と異なり、該混合樹脂層より上記損失正接(tanδ)が小さいオレフィン系重合体からなる層を積層してなる積層体
  2. 動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度0℃で測定したフイルムの貯蔵弾性率(E´)が1.5×1010dyn/cm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の食品包装用ストレツチフイルム。
  3. 温度20℃で測定した150%伸び時の応力ρ150と50%伸び時の応力ρ50との比率(ρ150/ρ50)が縦方向、横方向とも1.3〜2.0の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の食品包装用ストレツチフイルム。
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