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JP3556589B2 - 位置姿勢認識装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、種々のファクトリオートメーションに適用可能な位置姿勢認識装置に関し、更に詳しく言えば、2次元情報を取得するセンサと3次元情報を取得するセンサとを適宜併用した複合的な位置姿勢計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
製造ラインにおける組み立て作業、加工作業等においては、各種のセンサを用いて種々の対象物の位置や形状を検出することが頻繁に行なわれる。通常、対象物の位置を大局的に計測するには2次元画像を取得出来るセンサが有効である。例えば、CCDカメラを用いる場合、光学系(レンズ)を適当に選択することによって比較的広い視野を持たせることが容易である。これに対して、局所的な位置や形状を3次元的に計測するにはレーザセンサが有効である。
【0003】
レーザセンサはロボットの手先部に搭載が容易であり、レーザセンサの出力をロボットコントローラに取り入れるようにした場合、至近距離から対象物へレーザビームを投射して対象物の細部の位置、形状等を精密且つリアルタイムに計測出来る等の特徴を有している。そのため、レーザセンサはロボットシステム等に頻繁に装備され、例えば、アーク溶接、シーリング、計測などの分野で広く利用されている。
【0004】
レーザセンサは、レーザ光をスポット光ビームで走査するものと、スリット光を投射するものとがある。いずれの型のレーザセンサを用いた場合も、スポット光ビームあるいはスリット光を対象物面上に確実に投射しなければならない。対象物がある程度の精度で一定位置に位置決めされていれば、該一定位置の近傍位置をロボットにアプローチ位置として予め教示しておくことで、スポット光ビームあるいはスリット光を対象物面上に投射される状態を迅速に現出することは容易である。
【0005】
しかし、アプリケーションによっては、対象物の位置決めが行なわれず未知の場合や、位置決めの精度に信頼性がない場合が少なくない。そのような場合には、ロボットなどの移動手段を用いて移動させながらレーザセンサのスポット光ビームあるいはスリット光をプローブに用いて対象物をサーチし、対象物を発見しなければ、レーザセンサによるメインの計測(例えば、形状測定)を開始することが出来ない。
【0006】
レーザセンサは元来広範囲の測定には不向きであるから、対象物サーチとそれに続く対象物へのアプローチ動作に時間を要し、場合によっては、対象物を確実にサーチすること自体が困難な場合もあり得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本願発明の目的は、対象物の位置や姿勢が未知であっても、例えばレーザセンサのように比較的狭い領域のセンシングしか出来ないセンサの使用を可能にし、しかも、同センサによる対象物の2次元情報または3次元情報の認識を適正な位置と姿勢で確実に行えるようにした認識装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明に従った認識装置は、先ず前提構成として、対象領域内の2次元情報を取得する第1のセンサ手段と、同対象領域と比較して相対的に狭い領域内の対象領域内の情報を取得する第2のセンサ手段とを含む。ここで、第2のセンサ手段が取得する情報は、2次元情報あるいは3次元情報である。
【0009】
そして、本願発明の認識装置は、遠近が未知の対象物を認識するものであって、第1のセンサ手段により取得された対象物の情報を含む2次元情報と、第1のセンサ手段の位置及び姿勢とに基づいて、同対象物と第1のセンサ手段とを結ぶ3次元空間上の直線を求める手段と、第2のセンサ手段による同対象物の認識が可能になる該第2のセンサ手段の位置及び姿勢を前記直線から求める手段と、第2のセンサ手段を前記求めた位置及び姿勢に移動させる手段とを備える。
【0010】
そして、本願発明の認識装置は、この移動手段により第2のセンサ手段を上記の求めた位置及び姿勢に移動させた後に、第2のセンサ手段により同対象物の2次元情報または3次元的な位置姿勢情報を取得することにより、同対象物の2次元情報または3次元情報を認識する。
【0011】
第2のセンサ手段は2次元情報を取得するものであり、且つ、第1のセンサ手段が第2のセンサ手段を兼ねていても良い。また、第2のセンサ手段は、光照射手段と受光手段を備え、3次元的な位置姿勢測定を行なう機能を有していても良い。
【0012】
その場合、この受光手段を2次元情報を取得する2次元センサとしても良く、更に、第2のセンサ手段に第1のセンサ手段を兼ねさせることも可能である。
【0013】
第2のセンサ手段が光照射手段と受光手段を備え、3次元的な位置姿勢測定を行なう機能を有していいる場合、第2のセンサ手段が対象物の認識を行なう位置及び姿勢は、光照射手段の光照射方向が上記の求められた直線(対象物と第1のセンサ手段とを結ぶ直線)に一致すように決定されて良く、また、受光手段の光軸方向が同直線に一致するように決定されても良い。
【0014】
以上のいずれのケースにあっても、上記の3次元空間上の直線を求める手段、あるいは、第2のセンサ手段の位置及び姿勢を求める手段は、産業用ロボットのロボットコントローラに設けられていて良い。また、第2のセンサ手段を認識を行なう適所として求められた位置及び姿勢に移動させる手段として、産業用ロボットを用いることが出来る。
【0015】
本願発明の重要なポイントは、比較的広域内で2次元情報を取得出来る第1のセンサ手段で対象物を先ず見付け、その際に第1のセンサ手段と対象物とを結ぶ空間(現実の3次元空間)上の「直線」を求め、この「求められた直線」を、比較的狭い領域内での2次元情報または3次元情報を取得するに適した第2のセンサ手段の「対象物の認識(観測)に適した位置と姿勢」を定めるために利用した点にある。
【0016】
具体的な手順に即して言えば、先ず、第1のセンサで対象領域の2次元画像を取得し、同2次元画像を処理して対象物を2次元画像上で見つけ出し、2次元画像上での対象物の位置を検出する。ここで、「対象領域」は、対象物が存在する可能性があると考えられる範囲をカバーし得る領域のことである。
【0017】
この段階で判ることは、対象物の(現実の3次元)空間上の位置が第1のセンサのカメラが同対象物を捉えている「視線」上にあることである。即ち、対象物の遠近は未知である。この「視線」は、周知のように、カメラレンズのレンズ中心と結像面上の同対象物の結像位置とを結ぶ直線として、第1のセンサのカメラキャリブレーションで得られれたデータから決定出来る。
【0018】
即ち、キャリブレーションによって得られるデータから、「結像面上の同対象物の結像位置」乃至「画像上の対象物の位置」と、「視線の位置と方向」との関係を知ることが出来る。
【0019】
一般的に言えば、画像空間(2次元)上の位置(u、v)が判れば、同位置を通る視線(直線)が判る。この視線(直線)が表わす方程式は「視線方程式」とも呼ばれる。
【0020】
そこで、この視線を「第1のセンサと対象物を結ぶ直線」として利用出来る。なお、より厳密に言えば、「対象物の位置」は、「対象物上のある点(代表点という)の位置」の意味であり、「第1のセンサと対象物を結ぶ直線」とは、「第1のセンサと対象物上の代表点を結ぶ直線」のことである。
【0021】
さて、このようにして得られる「第1のセンサと対象物を結ぶ直線」は、第2のセンサを用いて行なうより詳細な認識(例えば、対象物のより正確な位置、姿勢、形状、寸法など)に適した位置と姿勢を定めるにあたって有効利用される。何故ならば、対象物は間違いなく求められた「空間上の直線」上に存在するのであるから、同直線上あるいはその近傍に第2のセンサを移動させ、同直線と整合する方位に第2のセンサの視野を向けるような姿勢をとれば、対象物を確実にとらえることが出来る。
【0022】
例えば、第2のセンサが光照射手段と受光手段を備え、3次元的な位置姿勢測定を行なう機能を有していれば、光照射の方向あるいは受光手段の光軸の方向を基準にして第2のセンサの姿勢を決めれば良い。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本願発明の1つの実施形態に係る3次元位置姿勢認識システムの全体配置の概要を説明する図である。一例として、システムはロボット(産業用ロボット;以下同じ)によるワークのハンドリング(ピックアップと搬送)に適用されている。ここで、ワークは複数個がそれぞれ位置や姿勢がバラバラな状態にある。ハンドリング作業をこのような状態から開始するに際して、本システムはその特徴を発揮する。
【0024】
同図に示したように、システム全体は、ロボットコントローラ1、画像処理装置2、レーザセンサ(本体部。以下、同様)10、レーザセンサ制御部20、CCDカメラ30並びにロボット40から構成されている。レーザセンサ10は、ロボット40の手先部(ツール先端点TCPの近傍)に搭載されているが、CCDカメラ30は外部、例えばワークパレット50の上方に設置され、画像処理装置2とともに広域用センサ(第1のセンサ手段)を構成する。そのために、その設置位置と姿勢は、視野31がワークWの供給領域であるワークパレット50の全体をカバー出来るように定められている。
【0025】
前述した、画像空間(2次元)上の位置(u、v)と視線(直線)との関係をCCDカメラ30について予め知っておくためのキャリブレーションは完了済みとする。画像上の位置(u、v)と3次元座標系(適当に設定されたワーク座標系)上での位置同関係を表わすデータは、画像処理装置2内のメモリに格納されている。
【0026】
狭域用センサ(第2のセンサ手段)として採用されているレーザセンサ10は、周知のスポット光投射型あるいはスリット光投射型いずれであっても良いが、ここでは後者を採用したケースについて、図2を参照図に加えて述べる。
【0027】
レーザセンサ10のレーザ光照射部13は、レーザ発振器11及び12を備え、光検出部(受光部)14は受光素子14aと結像用の光学系14bを有している。レーザ発振器11及び12は、照射口付近に装備された円柱レンズを通してそれぞれスリット光LB1、LB2を出力する。
【0028】
また、レーザセンサ10は、レーザセンサ制御部20を介して画像処理装置2に接続されている。CCDカメラ30も、画像処理装置2に接続されている。このように、画像処理装置2は、レーザセンサ(本体部10と制御部20)とCCDカメラ30で共用される。
【0029】
回線24を介して画像処理装置2からレーザセンサの動作指令を受けると、レーザ駆動部21、22がレーザ発振器11、12を駆動し、レーザスリット光LB1、LB2を発生させる。
【0030】
対象物面上の反射点S1(スリット光LB1の任意の1本のビームL1の入射点)、S2(スリット光LB2の任意の1本のビームL2の入射点)で拡散反射されたレーザ光は、光学系14bにより反射点S1、S2の位置に応じて受光素子14a上に像を作る。該受光素子には、CCDなどが利用出来る。本例では、受光素子14aとして2次元CCDアレイが使用されている。
【0031】
図3には、2つのレーザスリット光LB1、LB2が乗る平面、その交線LC、光照射部13、光検出部14等の位置関係が描かれている。レーザセンサ10に関するキャリブレーションは完了しており、その結果(キャリブレーションデータ)は画像処理装置2内のメモリに格納されている。レーザセンサ10のキャリブレーションデータには、2つのレーザスリット光LB1、LB2が乗る平面(2つ)がレーザセンサ10の本体に対してなす位置と姿勢(固定的な値)が含まれる。また、交線LCについても、それら平面のデータから随時計算し得る。
【0032】
従って、レーザセンサ10の本体(センサに固定された座標系の位置、姿勢)とロボットに設定された座標系(ロボット座標系;例えばロボット40のアーム先端に固定された座標系)との関係を求めておけば、レーザスリット光LB1、LB2が乗る平面及び交線LCのロボット座標系上での位置と方向が既知となる。周知のように、この関係は一般に4行×4列の同次変換行列で表わされ、レーザセンサのキャリブレーションで求められる。ここでは、このキャリブレーションも完了し、そのデータは画像処理装置2内のメモリに格納されている。
【0033】
以下、図4〜図6を参照図に加えて本実施形態におけるシステムの動作のプロセスを説明する。
通常、画像処理装置2はロボットコントローラ1からワーク検出指令が来るのを待っている(S1)。ワーク検出指令を受信したならば、ワーク検出のための処理シーケンスが進み、CCDカメラに撮影指令が出力され(S2)、ワークWの画像を含むワークパレット50全体の2次元画像が取得され、画像処理装置2内のフレームメモリに格納される(S3)。
【0034】
この画像の一例を示せば図5のようになっている。図5において、符号70は検出されたワークWの代表点(例えばワーク輪郭画像の重心)であり、この代表点70の2次元画像上の位置(u70、v70)が、画像処理装置2内で画像処理プロセッサを用いて求められる。更に、この2次元画像上の位置(u70、v70)に対応する視線32が、キャリブレーションで得たデータから計算される。
【0035】
ワークWを代表する点70はこの視線上にあるから、この視線の位置、姿勢(ワーク座標系上での方程式)が、この段階で判っている「ワークWの位置、姿勢(の情報)」となる。ここではこれをロボット座標系上のデータに変換したものを求める(S4)。なお、この変換には、ロボットコントローラ1のメモリに格納されている座標系設定データ(ロボット座標系とワーク座標系の関係を表わす4行×4列の同次変換行列)が利用される。
【0036】
ここで注意すべきことは、点70で代表されるワークWの位置には、不確定さが残っていることである。即ち、図6に示すように、透視変換の原理により、ワークW(代表点70)の3次元空間上での位置は視線32上に限定されるが、ワークWとカメラ30との間の距離が未知なので、視線32上での遠近は判らない。例えば、位置75と位置76の判別が出来ない。
【0037】
この視線32の情報(ロボット座標系上)は、「第1のセンサ手段と対象物を結ぶ直線」を表わす情報としてロボットコントローラ1に送られる(S5)。
【0038】
次に、ロボット40に搭載されたレーザセンサ10(第2のセンサ手段)を用いて対象物Wを認識(計測)するに適した位置、姿勢が計算される(S6)。この計算は、ロボットコントローラ1内で行なわれて良い。この計算において使われる条件の1つは、「視線32と交線LC(図3参照)を一致させる」という条件である。レーザセンサ10の遠近の条件については、予め適当な付加条件を課しておけば良い。
【0039】
付加条件は、例えばワーク座標系をパレット50上にXY平面が乗るように設定しておき、「ロボット40の位置のワーク座標系上でのZ座標値が一定値Z0 である」とすれば良い。ロボットコントローラ1は、これら条件の下で算出された位置、姿勢へロボット40を移動させる。なお、レーザセンサ10の交線LCの「向き」を指定する情報が必要になるが、これについても、上記ワーク座標系を使って、ロボット40の姿勢の1成分(ワーク座標系上)に条件を付けておけば良い(レーザセンサ10が下向きとなるようなロボット姿勢の指定)。
【0040】
この移動が完了した時点で、レーザセンサ10は、レーザスリット光LB1、LB2を、その交線LCが視線32に一致し、交線LCが点70で対象物70に遭遇するように照射し得る状態にある。
【0041】
移動が終るとロボットコントローラ1から画像処理装置2へ移動完了が伝えられる。すると、画像処理装置2はレーザセンサ10に撮影指令(動作指令)を出力する(S7)。すると、レーザセンサ10が動作し、レーザスリット光LB1、LB2が照射され、その交線LCは点70で対象物70に遭遇する(S8)。
【0042】
ここで、レーザセンサ10は3次元センサであるから、点70で代表される対象物の3次元位置が計測出来る。また、レーザスリット光LB1、LBに対応する反射像(受光素子14a上)から、対象物Wの姿勢なども検出出来る(S9)。
【0043】
従って、ワークWが他のワークの上に斜めに乗り上げているような場合や、ワークWの高さが一定でない場合であっても、それら(高さ、傾斜など)を検出することが出来る。そのため、その高さ、傾斜に合わせてロボット40による把持時の位置、姿勢を制御することが可能となる。
【0044】
なお、一旦、レーザセンサ10の交線LCで対象物Wを捉えた後であれば、ロボット40の位置あるいは姿勢を少量変えて点70以外に交線LCを入射させる条件で測定を行ない、より詳細な情報を得ることも容易である。
【0045】
次に、図7は別の実施形態(変形実施形態)で使用可能な配置を示している。この変形実施形態は、パレット50の大きさ(広域センサの要カバー範囲)が余り大きくない場合に適している。
【0046】
図7に示した配置が上記実施形態(図1)と異なっているのは、レーザセンサの受光部に第1のセンサ手段の役割を兼備させることに対応して、CCDカメラ30がロボット40に、レーザセンサ110の受光部140として搭載されていることである。光照射部130は、レーザセンサ10の光照射部13と同様である。その他は、変形実施形態は図1に示した配置と共通した構成を有している。
【0047】
但し、レーザセンサ110のCCDカメラ30は、前述の実施形態と同様の撮影時に2次元画像を取得するために使用するモードと、レーザセンサ110のレーザスリット光の反射光検知のモードの切換使用が可能なように画像処理装置2あるいはロボットコントローラ1に格納されるシステム動作のためのソフトウェアが変更されている。また、CCDカメラ30と同様のキャリブレーションが受光部(結像レンズ付きであることに注意)14について完了し、キャリブレーションで得たデータが画像処理装置20のメモリに格納済みであるとする。
【0048】
本変形実施形態におけるシステムの動作のプロセスの概略は次のようになる。なお、前述の実施形態と重複する説明は極力避ける。
【0049】
画像処理装置2がロボットコントローラ1からワーク検出指令を受信したならば、レーザセンサ制御部20に通常撮影モードの動作指令が出力され、ワークWの画像を含むワークパレット50全体の2次元画像がCCDカメラ30によって取得され、画像処理装置2内のフレームメモリに格納される。
【0050】
この画像の例は図5に示した通りである。前述の実施形態と同様に、代表点70の2次元画像上の位置(u70、v70)から視線32が、キャリブレーションで得たデータを使って計算される。
【0051】
この視線32(即ち、レーザセンサ110の受光部140の受光軸)の情報(ロボット座標系上)は、「第1のセンサ手段と対象物を結ぶ直線」を表わす情報としてロボットコントローラ1に送られる。
【0052】
次に、ロボット40に搭載されたレーザセンサ110(第2のセンサ手段)を用いて対象物Wを認識(計測)するに適した位置、姿勢が計算される。この計算はは、ロボットコントローラ1内で行なわれて良い。この計算において使われる条件は、前述の実施形態と同様で良い。即ち、「視線32と交線LC(図3参照)を一致させる」という条件と、レーザセンサ110の遠近の条件を定める適当な付加条件である。
【0053】
この移動が完了するとロボットコントローラ1から画像処理装置2へ移動完了が伝えられ、画像処理装置2はレーザセンサ110にレーザスリット光撮影モードでの撮影指令を出力する。すると、レーザセンサ110が動作し、レーザスリット光LB1、LB2が照射され、その交線LCは点70で対象物70に遭遇する。レーザスリット光LB1、LB2の反射像は、CCDカメラ30の受光素子上に結像する。画像処理装置2は、レーザセンサ10の通常の機能を遂行するためのソフトウェア処理に従って検出結果を解析し、対象物Wの3次元的な位置、姿勢取得する。
【0054】
なお、上述した2つの実施形態では、第2のセンサ手段は3次元センサとしたが、用途によっては、2次元センサでも良い。その場合でも、例えば、第1のセンサで定めた「対象物と第1のセンサを結ぶ直線」に基づいて認識位置・姿勢(対象物の認識を行なうセンサの位置と姿勢)を定めることが出来る点に変わりはない。
【0055】
また、上述の各実施形態ではセンサの移動手段にロボットを使用したが、センサの位置、姿勢を制御出来るものであれば、他の移動手段(例えば姿勢制御可能なXYZテーブル)が使用されても良いことは明らかである。
【0056】
【発明の効果】
本願発明によれば、対象物の位置、高さ、姿勢などが不特定なケースであっても、第1のセンサ手段の取得する2次元画像を利用して定められる「対象物と第1のセンサを結ぶ直線」に基づいて、第2のセンサ手段による認識位置・姿勢を対象物の捉え損ねなしに適正に定められるので、各種の作業の自動化に資するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の1つの実施形態に係る3次元位置姿勢認識システムの全体配置の概要を説明する図である。
【図2】レーザセンサの構成と動作の概要を説明するための図である。
【図3】2つのレーザスリット光LB1、LB2が乗る平面、その交線LC、光照射部13、光検出部14等の位置関係を描いた図である。
【図4】実施形態における動作のプロセスを説明するフローチャートである。
【図5】第1のセンサ手段により取得される2次元画像のの一例を示した図である。
【図6】視線と対象物の関係について説明する図である。
【図7】図7は別の実施形態(変形実施形態)で使用可能な配置を示している。
【符号の説明】
1 ロボットコントローラ
2 画像処理装置
10、110 レーザセンサ(本体部)
11、12 レーザ発振器
13、130 レーザ光照射部
14、140 光検出部(受光部)
14a 受光素子(2次元CCDアレイ)
14b 結像用の光学系
20 レーザセンサ制御部
30 CCDカメラ
32 視線
40 ロボット
70 ワークの代表点
W ワーク
LB1、LB2 レーザスリット光
LC LB1、LB2の交線

Claims (9)

  1. 対象領域内の2次元情報を取得する第1のセンサ手段と、前記対象領域と比較して相対的に狭い領域内の対象領域内の2次元情報または3次元情報を取得する第2のセンサ手段とを含む、遠近が未知の対象物を認識する位置姿勢認識装置において:
    前記第1のセンサ手段により取得された対象物の情報を含む2次元情報と、前記第1のセンサ手段の位置及び姿勢とに基づいて、前記対象物と前記第1のセンサ手段とを結ぶ3次元空間上の直線を求める手段と;
    前記第2のセンサ手段による前記対象物の認識が可能になる該第2のセンサ手段の位置及び姿勢を前記3次元空間上の直線から求める手段と;前記第2のセンサ手段を前記求めた位置及び姿勢に移動させる手段とを備え、
    前記移動手段により前記第2のセンサ手段を前記求めた位置及び姿勢に移動させた後に、前記第2のセンサ手段により前記対象物の2次元情報または3次元的な位置姿勢情報を取得することにより、前記対象物の2次元情報または3次元情報を認識することを特徴とする、認識装置。
  2. 前記第2のセンサ手段は2次元情報を取得するものであり、
    前記第2のセンサ手段が、前記第1のセンサ手段を兼ねていることを特徴とする、請求項1に記載された認識装置。
  3. 前記第2のセンサ手段は、光照射手段と受光手段を備え、3次元的な位置姿勢測定を行なう機能を有していることを特徴とする、請求項1に記載された認識装置。
  4. 前記第2のセンサ手段が備える前記受光手段が、2次元情報を取得する2次元センサであることを特徴とする、請求項3に記載された認識装置。
  5. 前記第2のセンサ手段が、前記第1のセンサ手段を兼ねていることを特徴とする、請求項4に記載された認識装置。
  6. 前記第2のセンサ手段が前記対象物の認識を行なう位置及び姿勢が、前記光照射手段の光照射方向が前記空間上の前記直線に一致するように決定されることを特徴とする、請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載された認識装置。
  7. 前記第2のセンサ手段が前記対象物の認識を行なう位置及び姿勢が、前記受光手段の光軸方向が前記空間上の前記直線に一致するように決定されることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載された認識装置。
  8. 前記空間上の直線を求める手段、あるいは、前記第2のセンサ手段の位置及び姿勢を求める手段が、産業用ロボットのロボットコントローラに設けられていることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載された、認識装置。
  9. 前記移動手段が産業用ロボットである、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載された、認識装置。
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