JP3553089B2 - シリンジ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は注射液の注入に用いられるシリンジに関し、さらに詳しくは、注射液の低速精密注入に用いられるシリンジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、主として使い捨て(ディスポーザブル)用のシリンジとして、合成樹脂製のシリンジが知られている。前記シリンジは外筒と先端に嵌着されたガスケットを介して該外筒の内面に密着して摺動するプランジャーとからなり、前記外筒及びプランジャーはいずれもポリプロピレンなどのオレフィン系またはスチレン系の樹脂から射出成形により製造されている。
【0003】
前記プランジャーの先端に嵌着されるガスケットは、前記外筒の内面に密着して注射液の漏洩、気泡の混入を防止するために適当な弾性を有することが望まれ、通常はブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム等の合成ゴムからなる成形体が使用されている。前記ゴムからなるガスケットは円滑な摺動性を得るために、使用に際してシリコーンオイルを塗布することが一般的である。
【0004】
しかし、前記シリンジを注射液の低速精密注入に使用する場合には、ガスケットにシリコーンオイルを塗布しても負荷の変動が激しく十分円滑に摺動しにくい傾向があり、さらには前記シリコーンオイルが注射液に混入することがあるとの不都合があった。
【0005】
前記不都合を解決するために、前記ガスケットに硬度が低く柔軟なシリコーンゴムを使用することが提案されている。前記シリコーンゴムの成形体からなるガスケットによれば、プランジャーに嵌着したときにシリコーンオイルを塗布しなくとも外筒内を摺動させることはできるものの、低速精密注入が可能なほど円滑な摺動性は得られない。
【0006】
そこで、特公昭60─57873号公報には、シリコーンゴム成形体をシリコーンオイルに浸漬して膨潤させたガスケットが開示されている。前記公報の記載によれば、シリコーンゴム成形体をシリコーンオイルで膨潤させたガスケットによれば、ゴム表面に滲み出すシリコーンオイルにより外筒の器壁との間で適度な潤滑性が得られるとされている。
【0007】
しかしながら、前記ガスケットではゴム表面に滲み出すシリコーンオイルの量をコントロールすることが困難で、シリコーンオイルが注射液に混入することがあるとの不都合を十分に解決するものとは言えない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、注射液を低速精密注入することができるとともに、潤滑剤が注射液に混入することの少ないシリンジを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者の検討によれば、前記公報記載のガスケットで前記不都合が生じる理由は、前記ガスケットがシリコーンゴム成形体をシリコーンオイルに浸漬することにより膨潤させているために、シリコーンオイルがシリコーンゴム成形体中においてガスケットの表面に近い部分ほど多くのシリコーンオイルを含むためであることが判明した。
【0010】
そこで、本発明のシリンジは、外筒と先端に嵌着され該外筒の内面に密着するガスケットを介して摺動自在に備えられたプランジャーとからなるシリンジであって、該ガスケットは、ジメチルポリシロキサンを主成分としショア硬度(A)が30〜70の範囲にあるシリコーンゴムに、潤滑剤として粘度1000〜200000cStのシリコーンオイルを0.1〜30重量%の範囲にて配合して加硫成形して得られるシリコーンゴム成形体であることを特徴とする。
また、本発明のシリンジは、外筒と先端に嵌着され該外筒の内面に密着するガスケットを介して摺動自在に備えられたプランジャーとからなるシリンジであって、該ガスケットは、ジメチルポリシロキサンを主成分としショア硬度(A)が30〜70の範囲にあるシリコーンゴムに、潤滑剤として粘度1000〜200000cStのシリコーンオイルを0.1〜30重量%の範囲にて配合すると共に、平均粒子径1〜50μmのポリエチレン粉末を1〜20重量%の範囲にて配合して加硫成形して得られるシリコーンゴム成形体であることを特徴とする。
【0011】
前記シリコーンゴムは、ジメチルシロキサンを主成分とし、ショア硬度(A)が30〜70の範囲にある。ショア硬度(A)が30未満のときには柔軟に過ぎて外筒内を摺動する際に変形し、接触面積が大きくなるために摺動の円滑性が不十分になったり、注射液の漏洩を生じることがある。また、プランジャーを引き抜くときにガスケットがプランジャー先端から抜け落ちる虞れもある。また、ショア硬度(A)が70を超えるときには十分な柔軟性が得られず摺動の円滑性が不十分になったり、滅菌時の熱や長期の保管によりガスケットの復元力のために外筒の内径が膨張し注射液の漏洩を生じることがある。
【0013】
前記潤滑剤としてシリコーンオイルを使用するときには、前記シリコーンゴムに粘度1000〜200000cSt、好ましくは10000〜200000cStのシリコーンオイルを0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲にて配合して加硫成形する。また、シリコーンオイルは、得られる成形体の硬度を調整するためポリエチレン粉末と併用することが好ましく、この場合には前記シリコーンオイルとともに平均粒子径1〜50μmのポリエチレン粉末を1〜20重量%の範囲にて配合して加硫成形する。
【0014】
前記シリコーンオイルの粘度が1000cSt未満のときにはガスケットから滲み出るシリコーンオイルの量が過剰になる傾向があり、20000cStを超えるときには過少になる傾向がある。また、前記シリコーンオイルの配合量が0.1重量%未満のときには滲み出るシリコーンオイルの量が過少になる傾向があり、30重量%を超えるときには得られるシリコーンゴムの硬度が低くなり過ぎてガスケットがプランジャー先端から抜け落ちる虞れがあり、生ゴムに配合する際に時間がかかるなど作業性も低下する。
【0015】
前記ポリエチレン粉末の平均粒子径が前記範囲にないときには、生ゴムに配合する際に均一に分散されないことがある。前記ポリエチレン粉末の配合量が1重量%未満のときには得られる成形体の硬度が低くなり、外筒内を摺動する際に接触面積が大きくなるために摺動の円滑性が不十分になったり、プランジャーを引き抜くときにガスケットがプランジャー先端から抜け落ちることがある。また、前記ポリエチレン粉末の配合量が20重量%を超えるときには得られる成形体の表面にポリエチレン粉末が浮き出すことがあり、生ゴムに配合する際の作業性も低下する。
【0018】
また、本発明のシリンジは、外筒と先端に嵌着され該外筒の内面に密着するガスケットを介して摺動自在に備えられたプランジャーとからなるシリンジであって、該ガスケットは、ジメチルポリシロキサンを主成分とし、潤滑剤を含まない第1のシリコーンゴム成形体と、ジメチルポリシロキサンを主成分としショア硬度(A)が30〜70の範囲にあるシリコーンゴムに潤滑剤として粘度1000〜200000cStのシリコーンオイルを0.1〜30重量%の範囲にて配合して加硫成形して得られ、第1のシリコーンゴム成形体よりも硬度が低い第2のシリコーンゴム成形体とを備え、外筒に密着する表面層が第2のシリコーンゴム成形体で構成され、プランジャーに接する内面層が第1のシリコーンゴム成形体で構成されるように、両成形体を積層してなることを特徴とする。
【0019】
【作用】
シリコーンゴムにシリコーンオイルを配合して加硫成形して得られた成形体をガスケットとする本発明のシリンジによれば、前記ガスケットに含まれるシリコーンオイルが経時的にガスケット表面に滲み出て来るので、前記ガスケットはプランジャーの先端に嵌着された状態で外筒内を円滑に摺動する。前記シリコーンオイルは、シリコーンゴムの加硫前に配合されるので、加硫成形して得られた成形体中に均一に分散して含まれており、常に摺動の円滑性を確保するに足る量だけのシリコーンオイルが滲み出し、過剰に滲み出すことがない。従って、注射液中に混入するシリコーンオイルの量が低減される。
【0020】
シリコーンゴムに、シリコーンオイルとともにポリエチレン粉末を配合して得られた成形体をガスケットとする本発明のシリンジによれば、前記シリコーンオイルの作用に加えて、得られる成形体の硬度が制御されるのでプランジャーを引き抜く際にもガスケットがプランジャー先端から脱落しにくくなる。
【0022】
ジメチルポリシロキサンを主成分とし潤滑剤を含まない第1のシリコーンゴム成形体と、ジメチルポリシロキサンを主成分としショア硬度(A)が30〜70の範囲にあるシリコーンゴムに潤滑剤として粘度1000〜200000cStのシリコーンオイルを0.1〜30重量%の範囲にて配合して加硫成形して得られ、第1のシリコーンゴム成形体よりも硬度が低い第2のシリコーンゴム成形体とを備え、外筒に密着する表面層が第2のシリコーンゴム成形体で構成され、プランジャーに接する内面層が第1のシリコーンゴム成形体で構成されるように、両成形体を積層してガスケットとする本発明のシリンジによれば、ガスケットの外筒に密着する層は潤滑剤を含むシリコーンゴムで構成されているので、摺動の円滑性が確保されるとともに、注射液に混入する潤滑剤の量が低減される。また、プランジャーに接する層は潤滑剤を含まず、前記外筒に密着する層を構成するシリコーンゴムよりも硬度の高いシリコーンゴムで構成されているので、プランジャーを引き抜く際にも前記ガスケットがプランジャー先端から脱落しにくくなる。
【0023】
【実施例1】
次に、添付の図面を参照しながら本発明のシリンジについてさらに詳しく説明する。図1は本発明に係わるシリンジの一例を示す説明的断面図である。
【0024】
本実施例のシリンジは内容積25mlであり、図1に示すように外筒1とプランジャー2を有し、プランジャー2の先端にはガスケット3が嵌着されている。ガスケット3は外筒1の内壁に密着しており、プランジャー2はガスケット3を介して外筒1の内面を摺動自在になっている。
【0025】
前記ガスケット3には、ジメチルポリシロキサンを主成分とするショア硬度(A)50のシリコーンゴム100部に、加硫剤として過酸化物0.5部、粘度100000cStのシリコーンオイル8部、カーボンブラック0.2部を配合して加硫成形して得られた成形体を用いた。
【0026】
前記シリンジに21G静脈針を装着し、輸液速度10ml/hで蒸留水を吐出して摺動の円滑性を試験した。前記試験におけるプランジャー2にかかる負荷の変動を図2に、10秒ごとの吐出量を図3(a)に示す。
【0027】
図2及び図3(a)から明らかなように、本実施例のシリンジでは負荷の変動がほとんど無く、吐出量もほぼ一定である。従って、本実施例のシリンジでは、前記ガスケット3によりプランジャー2が円滑に摺動されており、注射液の低速精密注入の用途に有利に使用できることが明らかである。
【0028】
なお、本実施例のシリンジにおいて、吐出液に含まれるシリコーンオイルの量を微粒子数測定法により測定したところ、1〜40μmの微粒子として5500であり、後述の比較例のシリンジの吐出液に含まれるシリコーンオイルの10〜30%に低減されている。
【0029】
前記微粒子数測定は、次のようにして行った。まず、ブランク試験として、シリコーンオイルを全く使用しないシリンジ内に規定量の無塵水を注入して数回振盪したのち規定の試験液を抽出し、微粒子数測定機により1〜40μmの微粒子数を計数したところ、2700であった。この微粒子数には目視不能の微小な気泡の数も含まれている。次に、本実施例のシリンジ内に無塵水を注入して前記と同様にして微粒子数を計数し、前記ブランクとの差を吐出液に含まれるシリコーンオイルの量とした。
【0030】
【比較例1】
図1に示すシリンジと同様の構成を有するが、ガスケット3に従来のブタジエンゴムからなる成形体を用い、外筒1の内壁にシリコーンオイルを塗布したシリンジを準備した。
【0031】
前記シリンジを用い、実施例1と同様にして摺動の円滑性を試験した。前記試験における液速度10ml/hで蒸留水を吐出したときのプランジャー2にかかる負荷の変動を図2に、10秒ごとの吐出量を図3(b)に示す。
【0032】
図2及び図3(b)から明らかなように、本比較例のシリンジでは負荷が連続して変動しており、負荷の変動に伴って吐出量も絶えず変化している。従って、前記従来のガスケットを外筒1の内壁にシリコーンオイルを塗布して使用するガスケットでは、注射液の低速精密注入に適した摺動の円滑性が得られないことが明らかである。
【0033】
なお、本比較例のシリンジにおいて、吐出液に含まれるシリコーンオイルの量を実施例1と同様にして微粒子数測定法により測定したところ、1〜40μmの微粒子として45000であった。
【0036】
【実施例2】
図1に示すシリンジにおいて、ガスケット3には、ジメチルポリシロキサンを主成分とするショア硬度(A)50のシリコーンゴム100部に、加硫剤として過酸化物0.5部、粘度100000cStのシリコーンオイル8部、平均粒子径5μmのポリエチレン粉末15部、カーボンブラック1.5部を配合して加硫成形して得られた成形体を用いた。
【0037】
前記シリンジを用い、実施例1と同様にして摺動の円滑性を試験したところ、実施例1のシリンジに比較してやや円滑性が低下したが実用上問題はなかった。また、プランジャー2を引き抜く際にガスケット3がプランジャー2の先端から脱落しにくくなった。
【0038】
【実施例3】
図1に示すシリンジにおいて、ガスケット3に、硬度の異なる2種類のシリコーンゴムを積層してなる成形体を用いた。
【0039】
図4は、本実施例に用いるガスケット3の構成を示す説明的断面図である。本実施例に使用するガスケット3は、図4に示すように、表面層4を柔軟性の高いシリコーンゴムで、プランジャー2に接する内面層5をシリコーンゴム4より硬度の高いシリコーンゴムで構成している。
【0040】
表面層4はジメチルポリシロキサンを主成分とするショア硬度(A)40のシリコーンゴム100部に、加硫剤として過酸化物0.5部、粘度100000cStのシリコーンオイル8部、カーボンブラック0.2部を配合して加硫成形して得られた成形体からなり、内面層5はジメチルポリシロキサンを主成分とするショア硬度(A)60のシリコーンゴム100部に、加硫剤として過酸化物0.5部、カーボンブラック1.5部を配合して加硫成形して得られた潤滑剤を含まない成形体からなる。
【0041】
前記シリンジを用い、実施例1と同様にして摺動の円滑性を試験したところ、実施例1のシリンジと同等の結果が得られた。また、ガスケット3がプランジャー2の先端に確実に固定され、プランジャー2を引き抜く際にガスケット3がプランジャー2の先端から脱落しにくくなった。
【0042】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、潤滑剤としてシリコーンオイルを配合したのち加硫成形して得られたシリコーンゴム成形体からなるガスケットを使用する本発明のシリンジによれば、前記潤滑剤が前記ガスケット中に均一に分散した状態で含まれているので、前記ガスケットによりプランジャーを円滑に摺動することができるとともに、注射液に混入する潤滑剤の量を低減することが出来る。
【0043】
また、シリコーンオイルとともにポリエチレン粉末を配合したのち加硫成形して得られたシリコーンゴム成形体からなるガスケットを使用する本発明のシリンジでは、前記ポリエチレン粉末により得られる成形体の硬度を調整することができるので、プランジャーを引き抜く際にガスケットがプランジャーの先端から脱落しにくくすることができる。
【0044】
また、硬度の異なる複数種のシリコーンゴムを外筒に密着する側から柔軟性の高い順に積層した成形体からなるガスケットを使用する本発明のシリンジによれば、表面層の柔軟性の高いシリコーンゴムによりプランジャーを円滑に摺動することができるとともに、プランジャーに接する層の前記表面層よりも硬度の高いシリコーンゴムによりガスケットがプランジャーの先端に確実に固定され、プランジャーを引き抜く際にガスケットがプランジャーの先端から脱落しにくくすることができる。
【0045】
従って、本発明のシリンジは注射液の低速精密注入の用途に有利に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるシリンジの一例を示す説明的断面図。
【図2】実施例1及び比較例1のシリンジにおいて注射液の低速精密注入の際にプランジャーにかかる負荷の変動を示すグラフ。
【図3】実施例1及び比較例1のシリンジにおいて注射液の低速精密注入の際に10秒ごとの吐出量をを示すグラフ。
【図4】本発明に係わるシリンジに用いるガスケットの一構成例を示す説明的断面図。
【符号の説明】
1…外筒、2…プランジャー、3…ガスケット。
Claims (3)
- 外筒と先端に嵌着され該外筒の内面に密着するガスケットを介して摺動自在に備えられたプランジャーとからなるシリンジであって、
該ガスケットは、ジメチルポリシロキサンを主成分としショア硬度(A)が30〜70の範囲にあるシリコーンゴムに、潤滑剤として粘度1000〜200000cStのシリコーンオイルを0.1〜30重量%の範囲にて配合して加硫成形して得られるシリコーンゴム成形体であることを特徴とするシリンジ。 - 外筒と先端に嵌着され該外筒の内面に密着するガスケットを介して摺動自在に備えられたプランジャーとからなるシリンジであって、
該ガスケットは、ジメチルポリシロキサンを主成分としショア硬度(A)が30〜70の範囲にあるシリコーンゴムに、潤滑剤として粘度1000〜200000cStのシリコーンオイルを0.1〜30重量%の範囲にて配合すると共に、平均粒子径1〜50μmのポリエチレン粉末を1〜20重量%の範囲にて配合して加硫成形して得られるシリコーンゴム成形体であることを特徴とするシリンジ。 - 外筒と先端に嵌着され該外筒の内面に密着するガスケットを介して摺動自在に備えられたプランジャーとからなるシリンジであって、
該ガスケットは、ジメチルポリシロキサンを主成分とし、潤滑剤を含まない第1のシリコーンゴム成形体と、ジメチルポリシロキサンを主成分としショア硬度(A)が30〜70の範囲にあるシリコーンゴムに潤滑剤として粘度1000〜200000cStのシリコーンオイルを0.1〜30重量%の範囲にて配合して加硫成形して得られ、第1のシリコーンゴム成形体よりも硬度が低い第2のシリコーンゴム成形体とを備え、外筒に密着する表面層が第2のシリコーンゴム成形体で構成され、プランジャーに接する内面層が第1のシリコーンゴム成形体で構成されるように、両成形体を積層してなることを特徴とするシリンジ。
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