JP3552681B2 - 冷間圧延での先進率制御方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷間タンデムミルによる鋼帯等の金属帯(以下「ストリップ」と称する)の冷間圧延に係り、特に硬質鋼帯等の板厚の薄い硬質な材料に見られる冷間圧延でのチャタリング(共振現象)の防止に有効な冷間圧延での先進率制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
先進率の制御方法としては、例えば特開昭61−199507号公報に記載されるものがある。
この先進率制御方法は、板厚、張力、板速度などから摩擦係数を求め、圧延潤滑油量を変数とする摩擦係数モデル式の影響係数を学習修正しながら、上記摩擦係数モデル式に基づき求めた先進率が許容範囲となるように、圧延因子(例えば、張力、入側板厚、圧延潤滑油量)を制御している。これによって、圧延条件が変わっても実用上十分な精度で先進率を予測できることで、安定した高速圧延を確保しようとするものである。
【0003】
また、特開昭62−292209号公報に記載の先進率制御方法では、先進率を、予め設定した目標先進率となるようにスタンド間張力を調整する。
また、特開昭62−72409号公報に記載の先進率制御方法では、目標先進率となる摩擦係数を推定し、その推定摩擦係数に基づく摩擦係数モデルから圧延圧延潤滑油量を演算し、その演算量となるように圧延潤滑油量を制御することで先進率を目標先進率に制御している。
【0004】
また、特開平3−151106号公報では、現在の先進率を求め、その先進率から摩擦係数予測式を作成し、その摩擦係数予測式から目標先進率となる圧延潤滑油濃度を求め、その圧延潤滑油濃度となるように制御することで先進率を制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、最近、母板要因により圧延中に変形抵抗が変化し、これがチャタリングを誘発していることが明らかになってきた。したがって、上記特開昭61−199507号公報記載の方法では、コイル長手方向の制御は難しく、変形抵抗変化に追従するように圧延荷重若しくは張力を変更すると、板厚変動を招いてしまうという問題がある。
【0006】
また、特開昭62−292209号公報では、スタンド間張力が一定になるように制御されるが、変形抵抗の変化は急激に起きるため、このような張力制御による先進率の制御では応答性が不足するという問題がある。
また、特開昭62−72409号や特開平3−151106号公報に記載の制御では、先進率から各スタンドでの摩擦係数を推定し、この推定した摩擦係数から圧延潤滑油供給量あるいは圧延潤滑油の濃度を制御する技術である。この技術では、推定された摩擦係数を用いて制御しようとしているが、当該推定摩擦係数は、必ずしも実際の摩擦係数と一致するものではなく、常に多少のズレが存在する分、精度が劣ると共に、変形抵抗の変化に起因する急激な圧延条件変化に追従できない場合があり、チャタリング発生の頻度を十分には低減できなかった。
【0007】
また、圧延潤滑油の供給量を制御して先進率を制御する場合には、供給量が制限されると均一にストリップに噴射することが困難となり、板幅方向での圧延状態が変化し、板の形状不良が発生する可能性がある。
なお、特開平3−151106号公報では、圧延潤滑油濃度を制御するものであるが、3頁右上欄に記載のように、濃度が高くなるほど油量が多くなることで摩擦係数を小さくしている。また、目標先進率に対応する目標濃度なるように常に制御するものである。
【0008】
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、効率良くチャタリング発生を防止可能な冷間圧延での先進率制御方法を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、冷間タンデムミルにおける最終スタンド出側の板速度と最終スタンドでのロール周速から当該最終スタンドでの先進率を算出し、その算出した先進率が、予め求めたチャタリング発生が抑えられる安全先進率の範囲から外れると、先進率が上記安全先進率の範囲内となるように上記最終スタンドで供給される圧延潤滑油の濃度を調整することを特徴とする冷間圧延での先進率制御方法を提供するものである。
次に、請求項2に記載した発明は、冷間タンデムミルにおける最終スタンド出側の板速度と最終スタンドでのロール周速から当該最終スタンドでの先進率を算出し、その算出した先進率が、予め求めたチャタリング発生が抑えられる安全先進率の範囲から外れると、先進率が上記安全先進率の範囲内となるように上記最終スタンドで供給される圧延潤滑油の濃度を、ヘッダ直前あるいはヘッダ内に配置されたミキサで調整することを特徴とする冷間圧延での先進率制御方法を提供するものである。
【0010】
ここで、圧延潤滑油濃度を高くするにつれて先進率が下がることを確認しているので、例えば、上記安定先進率の上限値を越えた場合には、上限値からのオフセット分だけ圧延油濃度が高くなるように変更し、また、上記安全先進率の下限値よりも下回った場合には、下限値からのオフセット分だけ圧延油濃度が薄くなるよう変更すればよい。
【0011】
本発明者らが調査したところ、チャタリングの発生は、そのほとんどが、板厚が最も薄くなり、且つ、変形抵抗も高い圧延の最終スタンドであった。
この観点から、本発明では、冷間タンデムミルにおける最終スタンドだけを制御対象として制御の効率化を図っている。また、前段スタンドの圧延条件も変更するように制御すると、この前段の変化が最終スタンドの圧延状況にも影響を及ぼし、迅速な制御が困難となるおそれがあるが、本発明では、最終スタンドのみを制御対象とすることで、この問題も解決できる。すなわち、先進率の制御が従来よりも簡易となる。
【0012】
また、圧延潤滑油を制御することで上記先進率を調整する構成であるが、濃度制御で行うことで、当該制御によって供給される油量の変化が小さく抑えられ、圧延への悪影響が小さく抑えられる。
なお、後述の実施形態で示すように、供給量を変更するときの応答性に比べ、濃度を変更するときに応答性を高く設定することも可能となる。
【0013】
また、常時、圧延油濃度を調整するのではなく、所定許容範囲外となったときにだけ変更するため、この点からも圧延への悪影響を小さく抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の圧延機設備を示す概略構成図である。すなわち、冷間タンデムミル1のスタンド1A〜1Fがストリップ2搬送方向に沿って複数配列して、図1中、ストリップ2は、左側から右側に向けて搬送されながら各スタンド1A〜1Fで順番に圧延されるようになっている。
【0015】
また、最終スタンド1Fの下流にはブライドルロール3及びコイラーが配置されていて、上記最終スタンド1Fから出たストリップ2は、上記ブライドルロール3によって所定の張力が付与されつつコイラー4に巻き取られる。
そして、上記最終スタンド1Fのワークロール5の回転数が、第1回転数センサ6によって検出され、該第1回転数センサ6は、先進率制御装置8に検出信号を出力する。また、上記ブライドルロール3の回転数が第2回転数センサ7によって検出され、該第2回転数センサ7は、検出信号を先進率制御装置7に出力する。
【0016】
また、先進率制御装置8は、先進率演算部8A、不感帯判定部8B、及び出力部8Cを備える。
先進率演算部8Aでは、上記第1回転数センサ6からの検出信号によって最終スタンド1Fのワークロール5の周速Vrを演算し、また、第2回転数センサ7からの検出信号によってブライドルロール3の周速すなわち板速Vsを演算して、下記(1)式によって先進率fを演算し、演算結果を不感帯判定部8Bに出力する。
【0017】
不感帯判定部8Bでは、入力した先進率fが、設定されている安全先進率の範囲外であるかどうかが判定され、先進率fが上記範囲の下限値Lより小さい若しくは上限値Hより大きいと判定すれば、図2に示すグラフに基づき、上記上限値H若しくは下限値Lからの相対値に応じた濃度変化量を算出して、出力部に出力する。
【0018】
ここで、上記安全先進率の範囲の上限値H及び下限値Lは、予め次のようにして求めておく。すなわち、安定先進率の範囲として、当該範囲を越えるとチャタリング発生する懸念がある領域を予め実験などから求めておき、この範囲内で安全先進率の範囲を設定する。
本実施形態では、上記安全先進率の範囲として1%以上4%以下としてある。ただし、許容幅として0.5%を見込んで、上記各境界値よりもそれぞれ0.5%小さな値を限界値として安全先進率の範囲を設定している。すなわち、1.5%を下限値L、3.5%を上限値Hとしている。
【0019】
なお、上記のように許容幅を見込んで安全先進率の範囲を設定することが、チャタリングをより確実に防止するという点で有利であるが、許容幅を見込まず、安全先進率を安定先進率と同じ範囲として設定しても良い。
出力部8Cでは、入力した濃度変化量を圧延油供給装置9の濃度コントローラ24に出力する。圧延油供給装置9では、入力した濃度変化量だけ目標濃度を変化させた濃度となるように制御を行いながら、各ヘッダ14のノズルから圧延潤滑油をストリップ2の表面に噴射する。
【0020】
次に、本実施形態の圧延油供給装置9の構成を説明する。図3は、本実施形態に係る圧延油供給装置9を示す構成概要図である。
すなわち、符号12は高濃度の圧延油を供給する高濃度用タンクであり、高濃度用供給路22を通じて、ヘッダ14直下に配置されたミキサ20に接続されている。その高濃度用供給路22には、上流側からブースタポンプ25及び精密ギアポンプ21が介装されて、ミキサ20に吐出する圧延油の供給流量を高応答で制御可能となっている。なお、符号17は戻り路を示している。
【0021】
また、符号11は、水あるいは低濃度の圧延油を供給する低濃度用タンクであり、低濃度用供給路23を通じて上記ミキサ20に接続され、当該低濃度用供給路23に介装された低濃度用ポンプ15によって水あるいは低濃度の圧延油をミキサ20に供給可能となっている。なお、低濃度の圧延油の濃度としては、例えば対象とするストリップに供給する圧延油として想定され得る最低の濃度とすればよい。
【0022】
上記ミキサ20は、ヘッダ14の直前に配置されて、タンク12から供給されてきた高濃度の圧延油と、タンク11から供給される水あるいは低濃度の圧延油とを連続的に混合してヘッダ14に排出する。ヘッダ14は供給されてきた所定濃度の圧延油を、最終スタンド1F入側のストリップ2表面に向けて噴射可能となっている。
【0023】
上記構成の圧延油供給装置9における圧延油の濃度制御について説明すると、低濃度用タンク11から圧送される水あるいは低濃度の圧延油を一定の流量に制御しておく。そして、要求される目標濃度となるように、濃度コントローラ24によって精密ギアポンプ21の吐出流量が制御される。但し、濃度コントローラ24は、先進率制御装置8から濃度変化量を入力した場合には、該濃度変化量だけ上記目標濃度を変化させた濃度値となるように精密ギアポンプ21の吐出流量を制御する。すなわち、濃度コントローラ24は、低濃度用タンク11からの供給流量、圧延油濃度、及び目標濃度(濃度変化量を入力した場合には該濃度変化量を加味した濃度値)に基づいて、ヘッダ14から供給される圧延油が目標濃度となる高濃度の圧延油の供給流量を求め、当該供給流量となるように精密ギアポンプ21に吐出量の指令を送る。なお、低濃度用タンク11からのミキサ20への供給流量は、例えばヘッダ14のノズルからの噴出流量が目標流量(濃度変化量を入力した場合には該濃度変化による流量変化を加味した流量)となるように設定すればよい。
【0024】
次に、上記設備における作用・効果などについて説明する。
ストリップ2は、各スタンド1A〜1Fで順番に圧延され、続いて最終スタンド1Fからブライドルロールを介してコイラに送られて巻き取られる。
そして、演算した最終スタンド1Fでの先進率が、設定されている安全先進率の範囲内であれば、チャタリングが発生しないと推定されるので、先進率制御のために圧延潤滑油濃度の調整を行わない。一方、演算した最終スタンド1Fでの先進率が安全先進率の範囲外であれば、上記図2に基づき、濃度変化量を求めて圧延油供給装置9に供給され、該圧延油供給装置9は、目標濃度から入力した濃度変化量分の濃度変化を生じさせるべく、高濃度用タンク12からの圧延油のミキシングタンクへの供給流量を変化する。
【0025】
このように圧延油潤滑油の濃度を調整することで、先進率が安全先進率の範囲内に入るように制御されて、一番チャタリングが発生しやすい最終スタンド1Fでのチャタリングの発生が防止される。
ここで、上記構成の圧延油供給装置9では、低濃度用タンク11から供給される水又は低濃度の圧延油に対し、ヘッダ14直前にて必要な分だけの高濃度の圧延油を追加混合してヘッダ14に供給することで、目標とする濃度に調整された圧延油がストリップ2に供給される。このようにヘッダ4直前で濃度の調整を行うために、圧延油の濃度調整の応答性が高い。つまり、高応答で先進率の制御を行うことができる。
【0026】
なお、ヘッダ14直前に配置されたミキサ20において、水と圧延油を混合して濃度調整をする場合、ミキシング不足からEMI(Emulsion Stability Index:乳化安定度)が低くなりやすく、ヘッダから供給されるエマルジョンの粒径が大きくなりやすい。特に、このような点が問題とされる場合は、低濃度用タンク11から低濃度の圧延油を供給すると、圧延油同士を混合することとなり乳化安定性が良く、また、粒径の拡大を伴うこともないので好ましい。
【0027】
なお、ここで、上記実施形態においては、安全先進率の上限値H若しくは下限値Lからの演算した先進率の変位量に一次比例した量だけ濃度変化させているが、これに限定されない。例えば階段状に上記変位量と濃度変化量とを対応付けておいてもよい。
なお、低濃度の圧延油の濃度は高いESIを確保する場合は1%以上とすることが好ましい。また、全てのストリップ2への対応を可能とするため、高濃度の圧延油の濃度の下限値は、想定している圧延油の最高の濃度を超える濃度とすることが好ましい。高濃度の圧延油の濃度の上限値は100%(圧延油の原油の濃度)である。高濃度の圧延油の少量の変化で高応答にミキサ20での圧延油の濃度を調整可能とするという観点からは、高濃度の圧延油は圧延油の原液とするのが好ましい。
【0028】
また、上記実施形態ではミキサをヘッダ直前に配置したが、このミキサをヘッダ内に配置してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したきたように、本発明の先進率制御によれば、効率良くチャタリングを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る冷間圧延設備を示す概略構成図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る先進率と濃度変化量との関係を示す図である。
【図3】本発明に基づく実施形態に係る圧延油供給装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 連続圧延機
1F 最終スタンド
2 ストリップ
3 ブライドルローラ
4 コイラー
5 最終スタンドのワークロール
6,7 回転数センサ
8 先進率制御装置
8A 先進率演算部
8B 不感帯判定部
8C 出力部
9 圧延油供給装置
11 低濃度用タンク
12 高濃度用タンク
14 ヘッダ
15 低濃度用ポンプ
20 ミキサ
21 精密ギアポンプ(高濃度用ポンプ)
22 高濃度用供給路
23 低濃度用供給路
24 濃度コントローラ
25 ブースタポンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷間タンデムミルによる鋼帯等の金属帯(以下「ストリップ」と称する)の冷間圧延に係り、特に硬質鋼帯等の板厚の薄い硬質な材料に見られる冷間圧延でのチャタリング(共振現象)の防止に有効な冷間圧延での先進率制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
先進率の制御方法としては、例えば特開昭61−199507号公報に記載されるものがある。
この先進率制御方法は、板厚、張力、板速度などから摩擦係数を求め、圧延潤滑油量を変数とする摩擦係数モデル式の影響係数を学習修正しながら、上記摩擦係数モデル式に基づき求めた先進率が許容範囲となるように、圧延因子(例えば、張力、入側板厚、圧延潤滑油量)を制御している。これによって、圧延条件が変わっても実用上十分な精度で先進率を予測できることで、安定した高速圧延を確保しようとするものである。
【0003】
また、特開昭62−292209号公報に記載の先進率制御方法では、先進率を、予め設定した目標先進率となるようにスタンド間張力を調整する。
また、特開昭62−72409号公報に記載の先進率制御方法では、目標先進率となる摩擦係数を推定し、その推定摩擦係数に基づく摩擦係数モデルから圧延圧延潤滑油量を演算し、その演算量となるように圧延潤滑油量を制御することで先進率を目標先進率に制御している。
【0004】
また、特開平3−151106号公報では、現在の先進率を求め、その先進率から摩擦係数予測式を作成し、その摩擦係数予測式から目標先進率となる圧延潤滑油濃度を求め、その圧延潤滑油濃度となるように制御することで先進率を制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、最近、母板要因により圧延中に変形抵抗が変化し、これがチャタリングを誘発していることが明らかになってきた。したがって、上記特開昭61−199507号公報記載の方法では、コイル長手方向の制御は難しく、変形抵抗変化に追従するように圧延荷重若しくは張力を変更すると、板厚変動を招いてしまうという問題がある。
【0006】
また、特開昭62−292209号公報では、スタンド間張力が一定になるように制御されるが、変形抵抗の変化は急激に起きるため、このような張力制御による先進率の制御では応答性が不足するという問題がある。
また、特開昭62−72409号や特開平3−151106号公報に記載の制御では、先進率から各スタンドでの摩擦係数を推定し、この推定した摩擦係数から圧延潤滑油供給量あるいは圧延潤滑油の濃度を制御する技術である。この技術では、推定された摩擦係数を用いて制御しようとしているが、当該推定摩擦係数は、必ずしも実際の摩擦係数と一致するものではなく、常に多少のズレが存在する分、精度が劣ると共に、変形抵抗の変化に起因する急激な圧延条件変化に追従できない場合があり、チャタリング発生の頻度を十分には低減できなかった。
【0007】
また、圧延潤滑油の供給量を制御して先進率を制御する場合には、供給量が制限されると均一にストリップに噴射することが困難となり、板幅方向での圧延状態が変化し、板の形状不良が発生する可能性がある。
なお、特開平3−151106号公報では、圧延潤滑油濃度を制御するものであるが、3頁右上欄に記載のように、濃度が高くなるほど油量が多くなることで摩擦係数を小さくしている。また、目標先進率に対応する目標濃度なるように常に制御するものである。
【0008】
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、効率良くチャタリング発生を防止可能な冷間圧延での先進率制御方法を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、冷間タンデムミルにおける最終スタンド出側の板速度と最終スタンドでのロール周速から当該最終スタンドでの先進率を算出し、その算出した先進率が、予め求めたチャタリング発生が抑えられる安全先進率の範囲から外れると、先進率が上記安全先進率の範囲内となるように上記最終スタンドで供給される圧延潤滑油の濃度を調整することを特徴とする冷間圧延での先進率制御方法を提供するものである。
次に、請求項2に記載した発明は、冷間タンデムミルにおける最終スタンド出側の板速度と最終スタンドでのロール周速から当該最終スタンドでの先進率を算出し、その算出した先進率が、予め求めたチャタリング発生が抑えられる安全先進率の範囲から外れると、先進率が上記安全先進率の範囲内となるように上記最終スタンドで供給される圧延潤滑油の濃度を、ヘッダ直前あるいはヘッダ内に配置されたミキサで調整することを特徴とする冷間圧延での先進率制御方法を提供するものである。
【0010】
ここで、圧延潤滑油濃度を高くするにつれて先進率が下がることを確認しているので、例えば、上記安定先進率の上限値を越えた場合には、上限値からのオフセット分だけ圧延油濃度が高くなるように変更し、また、上記安全先進率の下限値よりも下回った場合には、下限値からのオフセット分だけ圧延油濃度が薄くなるよう変更すればよい。
【0011】
本発明者らが調査したところ、チャタリングの発生は、そのほとんどが、板厚が最も薄くなり、且つ、変形抵抗も高い圧延の最終スタンドであった。
この観点から、本発明では、冷間タンデムミルにおける最終スタンドだけを制御対象として制御の効率化を図っている。また、前段スタンドの圧延条件も変更するように制御すると、この前段の変化が最終スタンドの圧延状況にも影響を及ぼし、迅速な制御が困難となるおそれがあるが、本発明では、最終スタンドのみを制御対象とすることで、この問題も解決できる。すなわち、先進率の制御が従来よりも簡易となる。
【0012】
また、圧延潤滑油を制御することで上記先進率を調整する構成であるが、濃度制御で行うことで、当該制御によって供給される油量の変化が小さく抑えられ、圧延への悪影響が小さく抑えられる。
なお、後述の実施形態で示すように、供給量を変更するときの応答性に比べ、濃度を変更するときに応答性を高く設定することも可能となる。
【0013】
また、常時、圧延油濃度を調整するのではなく、所定許容範囲外となったときにだけ変更するため、この点からも圧延への悪影響を小さく抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の圧延機設備を示す概略構成図である。すなわち、冷間タンデムミル1のスタンド1A〜1Fがストリップ2搬送方向に沿って複数配列して、図1中、ストリップ2は、左側から右側に向けて搬送されながら各スタンド1A〜1Fで順番に圧延されるようになっている。
【0015】
また、最終スタンド1Fの下流にはブライドルロール3及びコイラーが配置されていて、上記最終スタンド1Fから出たストリップ2は、上記ブライドルロール3によって所定の張力が付与されつつコイラー4に巻き取られる。
そして、上記最終スタンド1Fのワークロール5の回転数が、第1回転数センサ6によって検出され、該第1回転数センサ6は、先進率制御装置8に検出信号を出力する。また、上記ブライドルロール3の回転数が第2回転数センサ7によって検出され、該第2回転数センサ7は、検出信号を先進率制御装置7に出力する。
【0016】
また、先進率制御装置8は、先進率演算部8A、不感帯判定部8B、及び出力部8Cを備える。
先進率演算部8Aでは、上記第1回転数センサ6からの検出信号によって最終スタンド1Fのワークロール5の周速Vrを演算し、また、第2回転数センサ7からの検出信号によってブライドルロール3の周速すなわち板速Vsを演算して、下記(1)式によって先進率fを演算し、演算結果を不感帯判定部8Bに出力する。
【0017】
不感帯判定部8Bでは、入力した先進率fが、設定されている安全先進率の範囲外であるかどうかが判定され、先進率fが上記範囲の下限値Lより小さい若しくは上限値Hより大きいと判定すれば、図2に示すグラフに基づき、上記上限値H若しくは下限値Lからの相対値に応じた濃度変化量を算出して、出力部に出力する。
【0018】
ここで、上記安全先進率の範囲の上限値H及び下限値Lは、予め次のようにして求めておく。すなわち、安定先進率の範囲として、当該範囲を越えるとチャタリング発生する懸念がある領域を予め実験などから求めておき、この範囲内で安全先進率の範囲を設定する。
本実施形態では、上記安全先進率の範囲として1%以上4%以下としてある。ただし、許容幅として0.5%を見込んで、上記各境界値よりもそれぞれ0.5%小さな値を限界値として安全先進率の範囲を設定している。すなわち、1.5%を下限値L、3.5%を上限値Hとしている。
【0019】
なお、上記のように許容幅を見込んで安全先進率の範囲を設定することが、チャタリングをより確実に防止するという点で有利であるが、許容幅を見込まず、安全先進率を安定先進率と同じ範囲として設定しても良い。
出力部8Cでは、入力した濃度変化量を圧延油供給装置9の濃度コントローラ24に出力する。圧延油供給装置9では、入力した濃度変化量だけ目標濃度を変化させた濃度となるように制御を行いながら、各ヘッダ14のノズルから圧延潤滑油をストリップ2の表面に噴射する。
【0020】
次に、本実施形態の圧延油供給装置9の構成を説明する。図3は、本実施形態に係る圧延油供給装置9を示す構成概要図である。
すなわち、符号12は高濃度の圧延油を供給する高濃度用タンクであり、高濃度用供給路22を通じて、ヘッダ14直下に配置されたミキサ20に接続されている。その高濃度用供給路22には、上流側からブースタポンプ25及び精密ギアポンプ21が介装されて、ミキサ20に吐出する圧延油の供給流量を高応答で制御可能となっている。なお、符号17は戻り路を示している。
【0021】
また、符号11は、水あるいは低濃度の圧延油を供給する低濃度用タンクであり、低濃度用供給路23を通じて上記ミキサ20に接続され、当該低濃度用供給路23に介装された低濃度用ポンプ15によって水あるいは低濃度の圧延油をミキサ20に供給可能となっている。なお、低濃度の圧延油の濃度としては、例えば対象とするストリップに供給する圧延油として想定され得る最低の濃度とすればよい。
【0022】
上記ミキサ20は、ヘッダ14の直前に配置されて、タンク12から供給されてきた高濃度の圧延油と、タンク11から供給される水あるいは低濃度の圧延油とを連続的に混合してヘッダ14に排出する。ヘッダ14は供給されてきた所定濃度の圧延油を、最終スタンド1F入側のストリップ2表面に向けて噴射可能となっている。
【0023】
上記構成の圧延油供給装置9における圧延油の濃度制御について説明すると、低濃度用タンク11から圧送される水あるいは低濃度の圧延油を一定の流量に制御しておく。そして、要求される目標濃度となるように、濃度コントローラ24によって精密ギアポンプ21の吐出流量が制御される。但し、濃度コントローラ24は、先進率制御装置8から濃度変化量を入力した場合には、該濃度変化量だけ上記目標濃度を変化させた濃度値となるように精密ギアポンプ21の吐出流量を制御する。すなわち、濃度コントローラ24は、低濃度用タンク11からの供給流量、圧延油濃度、及び目標濃度(濃度変化量を入力した場合には該濃度変化量を加味した濃度値)に基づいて、ヘッダ14から供給される圧延油が目標濃度となる高濃度の圧延油の供給流量を求め、当該供給流量となるように精密ギアポンプ21に吐出量の指令を送る。なお、低濃度用タンク11からのミキサ20への供給流量は、例えばヘッダ14のノズルからの噴出流量が目標流量(濃度変化量を入力した場合には該濃度変化による流量変化を加味した流量)となるように設定すればよい。
【0024】
次に、上記設備における作用・効果などについて説明する。
ストリップ2は、各スタンド1A〜1Fで順番に圧延され、続いて最終スタンド1Fからブライドルロールを介してコイラに送られて巻き取られる。
そして、演算した最終スタンド1Fでの先進率が、設定されている安全先進率の範囲内であれば、チャタリングが発生しないと推定されるので、先進率制御のために圧延潤滑油濃度の調整を行わない。一方、演算した最終スタンド1Fでの先進率が安全先進率の範囲外であれば、上記図2に基づき、濃度変化量を求めて圧延油供給装置9に供給され、該圧延油供給装置9は、目標濃度から入力した濃度変化量分の濃度変化を生じさせるべく、高濃度用タンク12からの圧延油のミキシングタンクへの供給流量を変化する。
【0025】
このように圧延油潤滑油の濃度を調整することで、先進率が安全先進率の範囲内に入るように制御されて、一番チャタリングが発生しやすい最終スタンド1Fでのチャタリングの発生が防止される。
ここで、上記構成の圧延油供給装置9では、低濃度用タンク11から供給される水又は低濃度の圧延油に対し、ヘッダ14直前にて必要な分だけの高濃度の圧延油を追加混合してヘッダ14に供給することで、目標とする濃度に調整された圧延油がストリップ2に供給される。このようにヘッダ4直前で濃度の調整を行うために、圧延油の濃度調整の応答性が高い。つまり、高応答で先進率の制御を行うことができる。
【0026】
なお、ヘッダ14直前に配置されたミキサ20において、水と圧延油を混合して濃度調整をする場合、ミキシング不足からEMI(Emulsion Stability Index:乳化安定度)が低くなりやすく、ヘッダから供給されるエマルジョンの粒径が大きくなりやすい。特に、このような点が問題とされる場合は、低濃度用タンク11から低濃度の圧延油を供給すると、圧延油同士を混合することとなり乳化安定性が良く、また、粒径の拡大を伴うこともないので好ましい。
【0027】
なお、ここで、上記実施形態においては、安全先進率の上限値H若しくは下限値Lからの演算した先進率の変位量に一次比例した量だけ濃度変化させているが、これに限定されない。例えば階段状に上記変位量と濃度変化量とを対応付けておいてもよい。
なお、低濃度の圧延油の濃度は高いESIを確保する場合は1%以上とすることが好ましい。また、全てのストリップ2への対応を可能とするため、高濃度の圧延油の濃度の下限値は、想定している圧延油の最高の濃度を超える濃度とすることが好ましい。高濃度の圧延油の濃度の上限値は100%(圧延油の原油の濃度)である。高濃度の圧延油の少量の変化で高応答にミキサ20での圧延油の濃度を調整可能とするという観点からは、高濃度の圧延油は圧延油の原液とするのが好ましい。
【0028】
また、上記実施形態ではミキサをヘッダ直前に配置したが、このミキサをヘッダ内に配置してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したきたように、本発明の先進率制御によれば、効率良くチャタリングを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る冷間圧延設備を示す概略構成図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る先進率と濃度変化量との関係を示す図である。
【図3】本発明に基づく実施形態に係る圧延油供給装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 連続圧延機
1F 最終スタンド
2 ストリップ
3 ブライドルローラ
4 コイラー
5 最終スタンドのワークロール
6,7 回転数センサ
8 先進率制御装置
8A 先進率演算部
8B 不感帯判定部
8C 出力部
9 圧延油供給装置
11 低濃度用タンク
12 高濃度用タンク
14 ヘッダ
15 低濃度用ポンプ
20 ミキサ
21 精密ギアポンプ(高濃度用ポンプ)
22 高濃度用供給路
23 低濃度用供給路
24 濃度コントローラ
25 ブースタポンプ
Claims (2)
- 冷間タンデムミルにおける最終スタンド出側の板速度と最終スタンドでのロール周速から当該最終スタンドでの先進率を算出し、その算出した先進率が、予め求めたチャタリング発生が抑えられる安全先進率の範囲から外れると、先進率が上記安全先進率の範囲内となるように上記最終スタンドで供給される圧延潤滑油の濃度を調整することを特徴とする冷間圧延での先進率制御方法。
- 冷間タンデムミルにおける最終スタンド出側の板速度と最終スタンドでのロール周速から当該最終スタンドでの先進率を算出し、その算出した先進率が、予め求めたチャタリング発生が抑えられる安全先進率の範囲から外れると、先進率が上記安全先進率の範囲内となるように上記最終スタンドで供給される圧延潤滑油の濃度を、ヘッダ直前あるいはヘッダ内に配置されたミキサで調整することを特徴とする冷間圧延での先進率制御方法。
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