JP3551591B2 - ペン入力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は手書き入力機能を有するコンピュータシステム等におけるペン入力装置に関し、特に遠隔入力を可能にすることにより操作性の向上および使用形態の多様化を可能にしたペン入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、手書き入力機能を有するコンピュータシステム等における入力装置としては、
1)赤外線方式によるもの
2)感圧方式によるもの
3)静電容量方式によるもの
4)電磁方式によるもの
5)超音波方式によるもの
等が知られている。
【0003】
ここで、1)の赤外線方式によるものとしては、赤外線線を発光するライトペンによるスポット位置を半導体位置検出素子を用いて検出するもの、入力面に複数の赤外線発光素子および受光素子を配設して、赤外線発光素子から発光された赤外線が指、入力ペン等により遮られた位置を受光素子の出力から判別することにより指示位置を検出するもの等が知られている。
【0004】
また、2)の感圧方式によるものとしては、複数のX軸電極が配設された電極シートと複数のY軸電極が配設された支持体とをドットスペーサを介在させて重ね合わせた感圧パネルを用いたもの、平行する2枚のプレートを3次元スプリングを介して重ね合わせ、指、入力ペン等により触れた位置の電流の変化を検出することにより指示位置を検出するもの等が知られている。
【0005】
また、3)の静電容量方式によるものとしては、2枚のガラス上に蒸着形成された導電性の膜をそれぞれX軸、Y軸電極パターンとしてこの2枚のガラスを電極パターン形成面を向かい合わせて張り合わせた静電容量結合方式パネルを用いたもの等が知られている。
【0006】
更に、4)の電磁方式によるものとしては、入力面に複数のセンサアンテナコイルを配設するとともに、入力ペンにはコイルとコンデンサからなる共振回路を内蔵させ、まず上記複数のセンサアンテナコイルに交流電流を流すことにより電磁誘導を利用して上記入力ペンの共振回路に電流を流し、次に上記複数のセンサアンテナコイルに流した交流電流をを切り、この状態で上記上記入力ペンの共振回路に流れる電流により発生する磁界を上記複数のセンサアンテナコイルで検出することにより入力ペンの指示位置を検出するもの等が知られている。
【0007】
また、5)の超音波方式によるものとしては、ガラス基板上に超音波表面弾性波を発生する超音波振動素子および超音波受信素子を配設し、指等の弾性波吸収体の存在を上記超音波受信素子の受信信号の変化から検出する超音波表面弾性波方式によるもの等が知られている。
【0008】
また、5)の超音波方式によるものとして、実開昭64−7340号に開示されているように、同一平面上の既知な3点以上の点にマイクロホンを配設するとともに、上記平面上の任意の座標位置に置くことのできる発音体を設け、上記マイクロホンの中の2つのマイクロホンに発生する電圧の時間差から上記発音体を含む双曲線の位置を決定し、この双曲線の2本以上の交点から上記発音体の座標位置を決定するようにしたものもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の入力装置はいずれも所定の1つの入力面に対する入力位置を検出するだけのものであるので、例えば予め定められた手書き入力ボード上での入力位置は検出することができても、この手書き入力ボードから離れた位置で手書き入力を行うことはできなかった。
【0010】
したがって、従来の入力装置において各操作者はこの予め定められた手書き入力ボード上での手書き操作を余儀なくされ、特に大画面スクリーンを手書き入力面として用いた会議等においては参加者にとって操作性が悪く、このことはその入力面サイズが大きくなるにしたがって顕著になった。
【0011】
この点を解決するために、複数の手書き入力ボードを設け、この複数の手書き入力ボードを入力ポートを介してシステムに入力することによりローカル入力を可能にする構成も考えれるが、この構成の場合は複数の操作者にこの手書き入力ボードを配布する必要があり、また、この複数の手書き入力ボードを信号線で接続しなければならないので、システム全体が高価になり、また手書き入力ボードをそれぞれ信号線で接続しなければならないので、その操作性においても問題があった。
【0012】
また、ネットワークによりメイン処理を行う情報機器と各操作者が使用する情報機器とを接続し、各操作者によりローカルな入力処理を行う構成も考えられるが、この構成の場合はシステム全体が非常に高価になるという問題が生じた。
【0013】
そこで、この発明は、安価な構成により、複数の操作者からの手書きペン入力を可能にしたペン入力装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、第1の発明は、入力ペン(図1の1、2)による指示位置を入力するペン入力装置において、前記入力ペンに設けられた超音波発信手段(図6の11、15、17)と、3次元空間内の所定の箇所に配設され、前記超音波発信手段から発信された超音波を受信する複数の超音波受信素子(図1の31a、31b、31c)を有する超音波受信手段(図1の30)と、第1の入力領域(図1の10)を有する第1の入力手段と、前記第1の入力手段の入力領域から所定距離離れて配設された第2の入力領域(図1の20)を有する第2の入力手段と、前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に固定された第1の座標系上における前記入力ペンによる指示位置を示す指示位置情報を演算する演算手段(図1の42)と、前記演算手段により演算された前記指示位置情報に対応する指示位置が前記第1の入力領域に含まれるか前記第2の入力領域に含まれるかを判別する判別手段(図1の43)と、前記判別手段により前記指示位置が前記第1の入力領域に含まれると判別された場合は、前記指示位置情報を前記第1の入力領域に固定された第2の座標系上の位置を示す第1の位置情報に変換する第1の変換手段(図1の44)と、前記判別手段により前記指示位置が前記第2の入力領域に含まれると判別された場合は、前記指示位置情報を前記第2の入力領域に固定された第3の座標系上の位置を示す第2の位置情報に変換する第2の変換手段(図1の45)とを具備することを特徴とする。
【0015】
また上記構成において、
前記第1の入力手段の第1の入力領域または前記第2の入力手段の第2の入力領域に対する前記入力ペンによる指示位置に対応する表示を行う表示手段(図1の50)と、前記第1の変換手段で変換された前記第1の位置情報および前記第2の変換手段で変換された前記第2の位置情報に基づき前記表示手段における表示制御を行う表示制御手段(図1の46)とを更に具備することを特徴とする。
【0016】
ここで、前記超音波発信手段は、予め設定されたタイミングで超音波を発信し、前記演算手段は、前記超音波発信手段からの超音波発信タイミングを基準にして前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子による前記超音波発信手段からの超音波の受信タイミングを検出し、該受信タイミングに基づき前記指示位置情報の演算を行うように構成することができる。
【0017】
また、前記入力ペンは、複数の入力ペンからなり、前記超音波発信手段は、前記複数の入力ペンのそれぞれに配設され、前記予め設定されたタイミングは、各入力ペンに対応してそれぞれ設定され、前記演算手段は、前記各入力ペンに対応する各超音波発信手段からの超音波発信タイミングをそれぞれ基準にして前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子による前記各超音波発信手段からの超音波の受信タイミングを検出し、該受信タイミングに基づき前記各入力ペンに対応する指示位置情報の演算を行うように構成することができる。
【0018】
また、前記超音波発信手段は、前記入力ペンがペンホルダ(図3の34)に収納されているときに該ペンホルダを介して前記予め設定されたタイミングを示すタイミング情報を受け取るようにすることができる。
【0019】
また、第2の発明は、位置情報を入力する入力ペン(図12の1)と、該入力ペンによる第1の入力面を構成するとともに該入力ペンにより入力された位置情報に基づく表示を行う表示手段(図12の500)を有するペン入力装置において、前記入力ペンに設けられた超音波発信手段(図6の11、15、17)と、前記第1の入力面に対して所定の位置関係で配設され、前記超音波発信手段から発信された超音波を受信する複数の超音波受信素子(図1の31a、31b、31c)を有する超音波受信手段(図1の30)と、前記第1の入力面から所定距離離れて配設され、前記入力ペンによる第2の入力面(図12の21、図20の22)を有する遠隔入力手段と、前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に対する前記第1の入力面の相対的位置関係を示す第1の情報および前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記入力ペンによる前記第1の入力面に対する第1の指示位置情報を演算する第1の演算手段(図1の44)と、前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に対する前記第2の入力面の相対的位置関係を示す第2の情報および前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記入力ペンによる前記第2の入力面に対する第2の指示位置情報を演算する第2の演算手段(図1の45)と、前記第1の指示位置情報および前記第2の指示位置情報に基づき前記表示手段における表示を制御する表示制御手段(図1の46)とを具備することを特徴とする。
【0020】
ここで、前記第2の入力面は、筆記具により書き込み可能な用紙(図12の21)からなり、前記入力ペンは、前記筆記具に前記超音波発信手段を装着することにより構成することができる。
【0021】
また、前記遠隔入力手段は、前記第2の情報を前記第2の演算手段に通知する通知手段を具備し、前記通知手段は、前記第2の入力面に対して所定の位置関係で配設された位置情報通知用超音波発信手段(図21のUa、Ub、Uc、Ud、図32の261)を具備し、前記第2の演算手段は、前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子による前記位置情報通知用超音波発信手段からの超音波の受信出力に基づき前記第2の情報を演算するように構成することができる。
【0022】
また、前記第2の入力面は、筆記具により書き込み可能な用紙(図12の21)からなり、前記位置情報通知用超音波発信手段(図32の261)は、前記用紙を挟むクリップ(図32の260)に配設されるように構成することができる。
【0023】
また、前記第2の入力面は、筆記具により書き込み可能な複数の用紙を綴じたバインダ(図30の250)からなり、前記バインダは、前記用紙の離脱によるページ捲りを検出する検出手段(図30の255)と、前記検出手段の検出出力に基づきページ捲り情報を前記表示制御手段に通知するページ捲り情報通知手段(図21のUa、Ub、Uc、Ud)とを具備するように構成することができる。
【0024】
また、第3の発明は、位置情報を入力する入力ペン(図23の1)と、該入力ペンによる第1の入力面を構成するとともに該入力ペンにより入力された位置情報に基づく表示を行う第1の表示手段(図23の500)を有するペン入力装置において、前記入力ペンに設けられた超音波発信手段(図の11、15、17)と、前記第1の入力面に対して所定の位置関係で配設され、前記超音波発信手段から発信された超音波を受信する複数の超音波受信素子(図1の31a、31b、31c)を有する超音波受信手段(図1の30)と、前記第1の入力面から所定距離離れて配設され、前記入力ペンによる第2の入力面を構成するとともに該入力ペンにより入力された位置情報に基づく表示を行う第2の表示手段を有する遠隔入力手段(図23の22)と、前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に対する前記第1の入力面の相対的位置関係を示す第1の情報および前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記入力ペンによる前記第1の入力面に対する第1の指示位置情報を演算する第1の演算手段(図1の44)と、前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に対する前記第2の入力面の相対的位置関係を示す第2の情報および前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記入力ペンによる前記第2の入力面に対する第2の指示位置情報を演算する第2の演算手段(図1の45)と、前記第1の指示位置情報および前記第2の指示位置情報に基づき前記第1の表示手段および前記第2の表示手段における表示を制御する表示制御手段(図1の46)とを具備することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
この発明のペン入力装置においては、入力ペンに超音波を送出する超音波発生手段を設け、この超音波発生手段から送出される超音波を用いて入力ペンによる指示位置を検出する。
【0026】
すなわち、この発明においては、入力ペンから送出された超音波を受信する超音波受信手段として3次元的に配列された複数の超音波受信素子を用いる。この場合、この複数の超音波受信素子の受信出力に基づく入力ペンの位置を3次元的に検出することができる。
【0027】
したがって、例えば、この入力ペンによる入力領域として第1の入力領域とこの第1の入力領域から所定距離離れた第2の入力領域を設定した場合、この第1の入力領域および第2の入力領域における入力ペンによる指示位置をそれぞれ検出することが可能になる。ここで、この発明においては、入力ペンの位置を3次元的に検出することが可能であるので、上記第1の入力領域および第2の入力領域の位置関係がどのような状態にあっても3次元的に配列された複数の超音波受信素子に対する第1の入力領域および第2の入力領域の位置関係を知ることができれば、第1の入力領域および第2の入力領域における入力ペンによる指示位置をそれぞれ検出することが可能である。
【0028】
ここで、3次元的に配列された複数の超音波受信素子に対する第1の入力領域および第2の入力領域の位置関係は、入力ペンによる指示位置を利用して検出するように構成してもよいし、第1の入力領域および第2の入力領域のそれぞれに対して別の位置情報通知用超音波発信手段を設け、この位置情報通知用超音波発信手段から送出された超音波に基づき検出するように構成してもよい。
【0029】
この位置情報通知用超音波発信手段としては、例えば、第2の入力領域に対応するローカル入力装置の4隅に配設された超音波発信素子から構成することができる。また、この位置情報通知用超音波発信手段としては、第2の入力領域に対応して配設された用紙を綴じるクリップに設けてもよい。
【0030】
また、第1の入力領域および第2の入力領域でそれぞれ入力された位置情報に基づき表示装置の表示画面上に図形等の表示制御を行う構成が考えられるが、この構成において、第1の入力領域および第2の入力領域にそれぞれ対応して表示装置の設けてもよいし、また第1の入力領域および第2の入力領域の一方にのみ対応して表示装置の設けるように構成してもよい。
【0031】
また入力ペンは1本に限らず複数の入力ペンを用いることも可能になる。
【0032】
例えば、大型の表示画面を有する表示装置を考え、この表示装置の表示画面上を第1の入力領域に設定し、この表示装置から離れた、例えばテーブル上に第2の入力領域を設定した場合を考える。
【0033】
ここで、入力ペンに描画ペンとして機能を与え、この入力ペンにより描画した図形を上記表示装置の表示画面上に表示する構成を考えると、表示装置の表示画面上で第1の入力ペンのより描画した図形をこの表示装置の表示画面上に表示するとともに、この表示装置から離れたテーブル上に設定された第2の入力領域上で第2の入力ペンのより描画した図形を上記表示装置の表示画面上に表示する制御が可能になる。
【0034】
ここで、第2の入力ペンを用紙に筆記可能なペンから構成し、第2の入力領域はこの第2の入力ペンにより描画が可能な用紙から構成してもよいし、また第2の入力領域は、上記表示装置と同様の表示を行う別の表示装置の表示画面から構成してもよい。
【0035】
ところで、上記構成において場合、第1および第2の入力ペンにより指示位置が第1の入力領域に対するものか第2の入力領域に対するものかを判別する必要がある。この判別は入力ペンの3次元的検出位置に基づき入力ペンにより指示位置が第1の入力領域に属するか第2の入力領域に属するかを調べることにより判別することができる。
【0036】
なお、上記入力領域は2個に限らず3以上の複数の領域を設定することも可能である。
【0037】
以下、この発明に係わるペン入力装置の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
図1は、この発明に係わるペン入力装置を適用して構成した情報処理システムの一実施例の概略構成をブロック図で示したものである。
【0039】
図1において、この情報処理システムは情報を入力するスタイラスペン(以下、単にペンという)1、2を用いて指示された指示位置に対応する画像を表示部50に表示するもので、この実施例においては、ペン1、2による指示位置を入力するために第1の入力領域10と第2の入力領域20の複数の入力領域が設定されている。
【0040】
ここで、第1の入力領域10は、例えば表示部50に関連して配設され、このシステムのメイン入力領域を形成しており、また第2の入力領域20は、第1の入力領域10、すなわち表示部50から所定距離離れて配設され、任意の位置で指示位置の入力が可能なローカル入力領域を形成している。
【0041】
また、第1の入力領域10および第2の入力領域20は平面状の2次元的入力領域から構成されるものでもよいし、一定の3次元空間からなる3次元的領域から構成されるものでもよい。
【0042】
なお、第1の入力領域10を上述したように表示部50に関連して配設せずに、この第1の入力領域10も第2の入力領域20と同様に表示部50から所定距離離れて配設し、任意の位置で指示位置の入力が可能なローカル入力領域を形成するように構成してもよい。
【0043】
この実施例において、ペン1、2は後に詳述するようにその先端から超音波を出力する超音波発信手段が設けられており、上記第1の入力領域10および第2の入力領域20に対するペン1、2による指示位置を3次元的に配設された複数(実施例においては3つ)の超音波受信素子31a、31b、31cからなる1組の超音波受信手段を有する超音波受信部30で受信して検出し、その検出結果に対応して表示部50に対する表示を制御する。
【0044】
まず、この実施例における3次元的に配設された3つの超音波受信素子31a、31b、31cによる上記第1の入力領域10および第2の入力領域20に対するペン1、2による指示位置の検出原理を説明する。
【0045】
図2は、3次元的に配設された3つの超音波受信素子31a、31b、31cに対するペン1、2の内のペン1による指示位置の関係を示したものである。
【0046】
今、3次元的に配設された3つの超音波受信素子31a、31b、31cに固定された3次元座標系X−Y−Zを考える。
【0047】
ここで、超音波受信素子31aは、この3次元座標系X−Y−Zの原点に配設されており、超音波受信素子31bは、この3次元座標系X−Y−ZのY軸上の点(0、Ly、0)に配設され、超音波受信素子31cは、3次元座標系X−Y−ZのZ軸上の点(0、0、Lz)に配設されているとする。
【0048】
また、ペン1による指示位置が、この3次元座標系X−Y−Z上の点(x、y、z)であるとするとし、超音波受信素子31aから点(x、y、z)までの距離がn、超音波受信素子31bから点(x、y、z)までの距離がm、超音波受信素子31cから点(x、y、z)までの距離がlであるとすると、
l2 =(Lz−z)2 +n2 −z2 …(1)
n2 =x2 +y2 +z2 …(2)
m2 =x2 +(Ly−y)2 +z2 …(3)
の関係が成立する。この式(1)〜(3)からx、y、zについて解くと
x=±SQRT[n2 −{(Ly2 +n2 −m2 )/2Ly}2
−{(Lz2 +n2 −l2 )/2Lz}2 ] …(4)
y=(Ly2 +n2 −m2 )/2Ly …(5)
z=(Lz2 +n2 −l2 )/2Lz …(6)
ただし、SQRT(A)はAの平方根を示す。
【0049】
となる。ここでLyおよびLzは、超音波受信素子31a、31b、31cの配設位置によって決定される既知の値であるので、超音波受信素子31aから点(x、y、z)までの距離n、超音波受信素子31bから点(x、y、z)までの距離m、超音波受信素子31cから点(x、y、z)までの距離lがわかれば、3次元的に配設された3つの超音波受信素子31a、31b、31cに固定された3次元座標系X−Y−Z上におけるペン1による指示位置(x、y、z)を求めることができる。
【0050】
この実施例においては、超音波受信素子31aからペン1による指示位置(x、y、z)までの距離n、超音波受信素子31bからペン1による指示位置(x、y、z)までの距離m、超音波受信素子31cからペン1による指示位置(x、y、z)までの距離lを、ペン1の先端から出力される超音波を用いて検出する。
【0051】
具体的には、この距離n、距離m、距離lの検出は、ペン1の先端から出力される超音波が超音波受信素子31a、31b、31cで検出するまでの時間Ta、Tb、Tcを検出することにより行われる。
【0052】
すなわち、ペン1の先端から出力される超音波の空間伝達速度をCとすると、上記時間Ta、Tb、Tcを検出することにより上記距離n、距離m、距離lは
n=C×Ta …(7)
m=C×Tb …(8)
l=C×Tc …(9)
により求めることができる。
【0053】
このペン1の先端から出力される超音波が超音波受信素子31a、31b、31cで検出するまでの時間Ta、Tb、Tcを検出する処理は、図1に示す超音波受信部30における受信処理部32で行われる。
【0054】
図3は、この図1に示す超音波受信部30における受信処理部32の具体的構成を示したものである。この実施例では、ペン1の不使用時にこのペン1を収納するペンホルダ35が設けられており、このペンホルダ35には、後に詳述するように、ペン1の超音波発信手段から出力される超音波の出力タイミングと受信処理部32における受信処理との同期をとる同期回路35が設けられている。
【0055】
この同期回路35は、受信処理部32に設けられた基本クロック生成回路324から出力される基本クロックを計数し、その計数値が一定の値になる毎にペン1の超音波発信手段から出力される超音波の出力タイミングを制御する同期信号を出力するように構成されている。
【0056】
また、ペン1には、上記基本クロック生成回路324と同一の周波数の基本クロックを生成する図示しない基本クロック生成回路が設けられており、この基本クロック生成回路は、このペン1がペンホルダ35に収納されたときに、上記同期回路35から出力される同期信号を入力して、上記受信処理部32に設けられた基本クロック生成回路324との同期を確立し、このペン1をペンホルダ35から取り出した後は、上記同期回路35と同様にこの受信処理部32に設けられた基本クロック生成回路324との同期して動作する基本クロック生成回路から出力される基本クロックを計数し、その計数値が一定の値になる毎にペン1の超音波発信手段から出力される超音波の出力タイミングを制御するように構成されている。
【0057】
すなわち、ペン1をペンホルダ35に収納すると、ペン1の超音波発信手段から出力される超音波の出力タイミングと受信処理部32における受信処理との同期がとられ、ペン1の超音波発信手段から出力される超音波の出力タイミングは同期回路35から受信処理部32に加えられる同期信号のタイミングと一致することになる。
【0058】
同期回路35から受信処理部32に加えられる同期信号は、受信処理部32のカウンタ321、322、323のリセット端子に加えられ、カウンタ321、322、323はこの同期信号に同期してクリアされる。
【0059】
また、カウンタ321、322、323の計数入力端子には基本クロック生成回路324から出力される基本クロックが入力され、またこのカウンタ321、322、323の計数停止を制御する制御入力端子には、ペン1の先端から出力される超音波を受信したときに超音波受信素子31a、31b、31cからそれぞれ出力される受信クロックが入力されている。
【0060】
すなわち、カウンタ321、322、323は、ペン1の先端から超音波が出力されるタイミングで同時にリセットされ、それぞれ超音波受信素子31a、31b、31cから受信クロックが入力されるまで基本クロック生成回路324から出力される基本クロックを計数し、その結果、カウンタ321、322、323の計数値は、ペン1の先端から出力される超音波が超音波受信素子31a、31b、31cで検出するまでの時間Ta、Tb、Tcに対応するものになる。
【0061】
図4は、このカウンタ321、322、323による時間Ta、Tb、Tcの検出動作をタイミングチャートで示したものである。
【0062】
すなわち、ペン1の図示しない基本クロック生成回路は図4の(a)に示す基本クロックを生成し、図4の(b)に示す同期信号の立上がりに同期してペン1の先端から超音波を出力するための図4の(c)に示す送信クロックを発生し、この送信クロックに同期してペン1の超音波発信手段を駆動するための図4の
(d)に示す超音波駆動信号を発生する。この超音波駆動信号によりペン1の超音波発信手段が駆動され、ペン1の先端からは送信クロックが生じている間だけ超音波が出力される。
【0063】
このペン1の先端から出力された超音波は超音波受信素子31a、31b、31cで受信され、超音波受信素子31a、31b、31cからはこの超音波の受信に対応して図4の(e)に示すような受信クロックが出力される。 そこで、カウンタ321、322、323では、図4の(b)に示す同期信号の立上がりタイミングから図4の(e)に示す受信クロックの立上がりタイミングまでの時間T、すなわち時間Ta、Tb、Tcを図4の(a)に示す基本クロックを計数することにより求めることができる。
【0064】
このカウンタ321、322、323で計数されたペン1の先端から出力される超音波が超音波受信素子31a、31b、31cで検出するまでの時間Ta、Tb、Tcは、受信時間保持回路325、326、327でそれぞれ保持され、通信部33を介して図1に示した演算処理部40に伝えられる。
【0065】
なお、上記説明においては、ペン1の先端から出力される超音波が超音波受信素子31a、31b、31cで検出するまでの時間Ta、Tb、Tcの検出処理について述べたが、ペン2の先端から出力される超音波が超音波受信素子31a、31b、31cで検出するまでの時間Ta、Tb、Tcも同様に検出することができる。
【0066】
演算処理部40は、この通信部33を介して伝えられた時間Ta、Tb、Tcを通信部41を介して受取り、演算部42においてこの時間Ta、Tb、Tcに基づきペン1、2により指示された指示位置を演算算出する。
【0067】
この演算処理部40においては、まず、前述した式(7)〜(9)に基づき、ペン1、2から超音波受信素子31a、31b、31cまでの距離n、m、lを算出する。
【0068】
そして、この算出した距離n、m、lおよび前述した式(4)〜(6)に基づき、超音波受信素子31a、31b、31cに固定された3次元座標系X−Y−Z上におけるペン1、2による指示位置(x、y、z)を算出する。 次に、判別部43により、演算部42で算出した超音波受信素子31a、31b、31cに固定された3次元座標系X−Y−Z上におけるペン1、2による指示位置(x、y、z)に基づき、ペン1、2による指示位置(x、y、z)が第1の入力領域10に属するか第2の入力領域20に属するかの判別を行う。
【0069】
そして、この判別部43により、ペン1、2による指示位置(x、y、z)が第1の入力領域10に属すると判定された場合は、第1の変換部44により、3次元座標系X−Y−Z上におけるペン1、2による指示位置(x、y、z)を、第1の入力領域10に固定された3次元座標系X1 −Y1 −Z1 上の位置(x1 、y1 、z1 )に変換する。
【0070】
また、この判別部43により、ペン1、2による指示位置(x、y、z)が第2の入力領域20に属すると判定された場合は、第2の変換部45により、3次元座標系X−Y−Z上におけるペン1、2による指示位置(x、y、z)を、第2の入力領域20に固定された3次元座標系X2 −Y2 −Z2 上の位置(x2 、y2 、z2 )に変換する。
【0071】
なお、この場合、超音波受信素子31a、31b、31cに固定された3次元座標系X−Y−Zに対する第1の入力領域10に固定された3次元座標系X1 −Y1 −Z1 の相対位置、および第2の入力領域20に固定された3次元座標系X2 −Y2 −Z2 の相対位置が予めわかっていることが前提になるが、これがわかっていれば上記変換は周知の座標変換処理により容易に行うことができる。
【0072】
なお、超音波受信素子31a、31b、31cに固定された3次元座標系X−Y−Zに対する第1の入力領域10に固定された3次元座標系X1 −Y1 −Z1 の相対位置、および第2の入力領域20に固定された3次元座標系X2 −Y2 −Z2 の相対位置を求める具体的手法については後に詳述する。
【0073】
その後、表示制御部では、第1の変換手段44により変換されたペン1、2による指示位置(x1 、y1 、z1 )および第2の変換手段45により変換されたペン1、2による指示位置(x2 、y2 、z2 )に基づき表示部50における表示制御を行う。
【0074】
ここで、この実施例においては、ペン1、2により3次元的指示位置(x1 、y1 、z1 )および(x2 、y2 、z2 )が指定可能であるので、表示部50において、この3次元的指示位置(x1 、y1 、z1 )および(x2 、y2 、z2 )に対応する3次元的表示が可能である。
【0075】
なお、表示部50が3次元表示可能な表示器である場合は、この3次元の指示位置(x1 、y1 、z1 )および(x2 、y2 、z2 )に基づく3次元表示をそのまま行えばよいが、表示部50が2次元表示器である場合は、この3次元の指示位置(x1 、y1 、z1 )および(x2 、y2 、z2 )に基づく3次元表示を階調表示または色表示と組み合わせることにより行うようにしてもよい。
【0076】
また、演算処理部40で算出した3次元座標値のx、y値のみを利用することにより入力平面以外の空間から2次元入力を行うことも可能であり、このような構成によると更にユーザインターフェースの向上を図ることができる。
【0077】
次に、図1に示したペン1、2および超音波受信部30および演算処理部40の具体的詳細構成について説明する。
【0078】
図5は、この実施例で用いるペン1の外観を示したものである。この図5に示すペン1は、内部に超音波発信手段を有するとともに、第一ボタン14aおよび第二ボタン14bを有している。ここで、第一ボタン14aは単なるプッシュボタンから構成され、第二ボタン14bはオン状態保持機構を有するラッチ機構付きのプッシュボタンから構成される。
【0079】
後述するように、第一ボタン14aはこのペン1により描画を行う描画時または所定のコマンド実行時等に操作され、また、第二ボタン14bは、このペン1を第2の入力領域を使用するときに操作される。
【0080】
図6は、このペン1の内部回路構成を示したものである。図6において、このペン1は、このペン1からの超音波の送信タイミングを制御する送信タイミング制御部11、オペアンプ16を有し、送信タイミング制御部11から出力された超音波駆動クロックを増幅するアンプ部15、超音波送出器18を有し、アンプ部15から出力される超音波送出器駆動信号により超音波を送出する送出部17を有している。
【0081】
ところで、この実施例においては、後に詳述する複数のペンを同時使用可能なマルチペン機能および複数のモードを切替可能なマルチモード機能を可能にしているので、送信タイミング制御部11は、図5に示した第一ボタン14aおよび第二ボタン14bからなるボタン14の出力および基本クロックを生成するオシレータ(基本クロック生成部)13からの基本クロックに応じてこのペン1からの超音波送信タイミング制御の状態遷移を制御するシーケンサ12を有している。なお、このシーケンサ12による超音波送信タイミング制御の状態遷移の制御の詳細については後述する。
【0082】
なお、図5および図6においては、ペン1について説明したが、ペン2もこのペン1と同一構成である。
【0083】
図7は、図1に示した超音波受信部30および演算処理部40の具体的構成を示したものである。
【0084】
図7において、超音波受信部30は、受信センサ部31、受信処理部32、通信部33から構成される。
【0085】
ここで、受信センサ部31は図1に示した超音波受信素子31a、31b、31cを有している。
【0086】
また、受信処理部32には、アンプ部60、受信タイミング制御部70からなり、アンプ部60にはオペアンプ61が設けられ、受信タイミング制御部70にはカウンタ、レジスタ71、シーケンサ72、オシレータ73、SCC(シリアル通信制御部)初期化部74が設けられている。
【0087】
ここで、カウンタ、レジスタ71は、図3に示したカウンタ321、322、323および受信時間保持回路325、326、327に対応し、オシレータ73は基本クロックを生成する図3に示した基本クロック生成回路324に対応する。
【0088】
また、シーケンサ72は、オシレータ73から出力される基本クロックに基づきこの受信タイミング制御部70の受信タイミング制御の遷移状態を制御するものである。このシーケンサ72は、図3に示したペンホルダ34の同期回路35からの同期信号(リセット信号)によりリセットされ、受信タイミング制御部70における受信タイミング制御の遷移状態を制御する。なお、このシーケンサ72による受信タイミング制御の遷移状態の制御の詳細については後述する。
【0089】
また、通信部33には、SCC(シリアル通信制御部)331およびRS232Cインタフェースを駆動するための232Cドライバ332が設けられている。
【0090】
また、図7において、演算処理部40は、所定のアプリケーションが搭載され、ペン1、2の指示位置に対応した表示を制御するウインドウ処理部(Win for Pen)、マウスドライバ等を有し、RS232Cインタフェースを介して超音波受信部30の通信部33に接続されるパーソナルコンピュータから構成される。
【0091】
図8は、図6に示したペンに設けられたシーケンサ12による超音波送信タイミング制御の状態遷移を状態遷移図で示したものである。
【0092】
ところで、この実施例においては、上述したように複数のペンを同時使用可能なマルチペン機能を有しており、このマルチペン機能を選択するか否かおよび同時に使用するペンの数は図示しないディップスイッチにより切換えられる。
【0093】
今、図示しないディップスイッチによりマルチペン機能が選択されており(MPen=1)、同時に使用するペンの数がPenNO=0(例えばペン1に対応する)とPenNO=1(例えばペン2に対応する)の2本に設定されているとする。
【0094】
なお、図8に示す状態遷移図において、ある遷移状態から他の遷移状態への遷移は、PenNO=0またはPenNO=1のペンに設けられる図6に示したオシレータ13から出力される基本クロックを所定数計数する毎に行われる。
【0095】
図8において、状態142(Init 0000(0))は、ペンのいわゆる初期状態で、このペンが図3に示したペンホルダ34に収納され、ペンホルダ34の同期回路35から同期信号を受けると(ResetPen=1)、いかなる状態141(AnyState)からもこの状態142(Init 0000
(0))に遷移する。この状態142(Init 0000(0))ではなにも行わない。
【0096】
ところで、この場合は、マルチペン機能が選択されたMPen=1に設定されているので、次に、PenNO=0のペンは、状態143(Trace 0001(1))に遷移し、また、PenNO=1のペンは、状態151(WaitMPen0 1100(9))に遷移する。
【0097】
状態143(Trace 0001(1))は、このPenNO=0のペンの位置を図7に示した超音波受信部30に認識させるための状態である。つまり、図1に示した表示部50に表示されるカーソルをこのペンの位置に合わせて追従移動させるための状態である。したがって、この状態においてはこのPenNO=0のペンから超音波を出力する。
【0098】
また、状態143(Trace 0001(1))において、このPenNO=0のペンの図5に示した第二ボタン14bが押されていず(ModeSync=0)、かつこのPenNO=0のペンの図5に示した第一ボタン14aが押されている場合は(PenDownSync=1)の場合は、状態145(Data0 0110(6))に遷移し、それ以外の場合は、状態144(Dummy0 0010(2))に遷移する。
【0099】
状態145(Data0 0110(6))では、このPenNO=0のペンの第一ボタン14aが押されていることを超音波受信部30に認識させるために、このPenNO=0のペンから超音波を出力する。
【0100】
この状態145(Data0 0110(6))からは無条件で状態147(Dummy1 0101(5))に遷移する。
【0101】
また、状態144(Dummy0 0010(2))ではなにも行わず、この状態144(Dummy0 0010(2))で第二ボタン14bが押された場合は(ModeSync=1)、状態146(Mode 0011(3))に遷移し、第二ボタン14bが押されていない場合は(ModeSync=0)、状態147(Dummy1 0101(5))に遷移する。
【0102】
状態146(Mode 0011(3))では、このPenNO=0のペンの第二ボタン14bが押されていることを超音波受信部30に認識させるために、このPenNO=0のペンから超音波を出力する。
【0103】
そして、この状態146(Mode 0011(3))において、このPenNO=0のペンの第一ボタン14aが押されている場合は(PenDownSync=1)の場合は、状態149(Data2 0100(8))に遷移し、このPenNO=0のペンの第一ボタン14aが押されていない場合は(PenDownSync=0)の場合は、状態150(Dummy2 0100(4))に遷移する。
【0104】
また、状態147(Dummy1 0101(5))ではなにも行わず、この状態147(Dummy1 0101(5))において、このPenNO=0のペンの第一ボタン14aが押されている場合は(PenDownSync=1)の場合は、状態148(Data1 0111(7))に遷移し、このPenNO=0のペンの第一ボタン14aが押されていない場合は(PenDownSync=0)の場合は、状態150(Dummy2 0100(4))に遷移する。
【0105】
状態149(Data2 0100(8))、状態150(Dummy2 0100(4))、状態148(Data1 0111(7))からは、マルチペン機能が選択されている場合は(MPen=1)、状態151(WaitMPen0 1100(9))に遷移し、マルチペン機能が選択されていない場合は(MPen=0)、状態143(Trace 0001(1))に遷移する。
【0106】
ところで、今はマルチペン機能が選択されている状態、すなわち(MPen=1)を想定しているので、ここでは、状態149(Data2 0100(8))、状態150(Dummy2 0100(4))、状態148(Data1 0111(7))から状態151(WaitMPen0 1100(9))に遷移する。
【0107】
また、状態142(Init 0000(0))から状態151(WaitMPen0 1100(9))に遷移したPenNO=1のペンは、無条件で、状態152(WaitMPen1 1101(A))、状態153(WaitMPen2 1110(B))、状態154(WaitMPen3 1110(C))を経て状態143(Trace 0001(1))に遷移する。
【0108】
この状態143(Trace 0001(1))に遷移したPenNO=1のペンは、次に、PenNO=0のペンと同様の状態遷移を行う。
【0109】
また、状態149(Data2 0100(8))、状態150(Dummy2 0100(4))、状態148(Data1 0111(7))から状態151(WaitMPen0 1100(9))に遷移したPenNO=0のペンは、PenNO=1のペンと同様に、無条件で、状態152(WaitMPen1 1101(A))、状態153(WaitMPen2 1110(B))、状態154(WaitMPen3 1110(C))を経て状態143(Trace 0001(1))に遷移する。
【0110】
そして、PenNO=0のペンおよびPenNO=1のペンは、上記状態遷移をこれらペンが図3に示したペンホルダ34に収納され、ペンホルダ34の同期回路35から同期信号を受けるまで繰り返すことになる。
【0111】
図9は、上記マルチペン機能が選択された場合(MPen=1)におけるPenNO=0のペンおよびPenNO=1のペンの超音波送信タイミング制御をタイミングチャートで示したものである。
【0112】
図8に示した状態遷移図から明らかなように、PenNO=0のペンおよびPenNO=1のペンはそれぞれ4回の超音波送信タイミングを1単位として交互に超音波を送出する。
【0113】
すなわち、図9に示すように、PenNO=0のペン、すなわちペンPen#0は、4回の超音波送信タイミングを1ブロックとして超音波を送出する。ここで、各超音波送信タイミングにおける超音波送出期間はTsendであり、その超音波送出間隔はTwaitである。そしてこの4回の超音波送信タイミングの1回目の超音波送信タイミングにおいては、このペンPen#0の位置に対応して図1に示した表示部50に表示されるカーソルを追従移動制御するために常時超音波を送出する。また、2回目の超音波送信タイミングにおいては、このペンPen#0で第一ボタン14aが押されたときのみ超音波を送出する。また、3回目の超音波送信タイミングにおいては、このペンPen#0で第二ボタン14bが押されたときのみ超音波を送出する。また、4回目の超音波送信タイミングにおいては、2回目の超音波送信タイミングと同様にこのペンPen#0で第一ボタン14aが押されたときのみ超音波を送出する。
【0114】
また、PenNO=1のペン、すなわちペンPen#1もペンPen#0と同様に、4回の超音波送信タイミングを1ブロックとして超音波を送出する。すなわち、この4回の超音波送信タイミングの1回目の超音波送信タイミングにおいてはこのペンPen#1の位置に対応して図1に示した表示部50に表示されるカーソルを追従移動制御するために常時超音波を送出する。また、2回目の超音波送信タイミングにおいては、このペンPen#1で第一ボタン14aが押されたときのみ超音波を送出する。また、3回目の超音波送信タイミングにおいては、このペンPen#1で第二ボタン14bが押されたときのみ超音波を送出する。また、4回目の超音波送信タイミングにおいては、2回目の超音波送信タイミングと同様にこのペンPen#1で第一ボタン14aが押されたときのみ超音波を送出する。
【0115】
ここで、ペンPen#0およびPen#1から2回目の超音波送信タイミングと4回目の超音波送信タイミングの両者において第一ボタン14aが押されたことを示す超音波を発生するように構成した理由は、この実施例においては、ペンによる描画に際して第一ボタン14aを押しながら描画を行うように構成されているので、この描画に係わる指示位置の検出密度(サンプリング周期)を高くするためである。
【0116】
なお、各超音波送信タイミングで発生される超音波駆動信号(超音波駆動クロック)は、例えばFHzの信号であり、超音波駆動クロックは図6に示したアンプ部15を介して送出部17に加えられ、送出部17からは、このFHzの超音波が送出される。
【0117】
なお、上記説明においては、マルチペン機能が選択された場合(MPen=1)について説明した、ペンがPenNO=0の一本であり、マルチペン機能が選択されていない場合は(MPen=0)、図8に示す状態遷移図において、状態142(Init 0000(0))から状態151(WaitMPen0 1100(9))への遷移はなくなり、また、状態149(Data2 0100(8))、状態150(Dummy2 0100(4))、状態148(Data1 0111(7))からは、状態143(Trace 0001(1))に遷移し、この状態遷移がこのPenNO=0のペンが図3に示したペンホルダ34に収納され、ペンホルダ34の同期回路35から同期信号を受けるまで繰り返すことになる。
【0118】
この場合は、図9に示したペンPen#0による超音波送信タイミング制御のみが繰り返されることになる。
【0119】
また、マルチペン機能が選択され(MPen=1)、同時に使用するペンの数が3本以上の場合は、それぞれのペンがそれぞれ4回の超音波送信タイミングを1単位として順次超音波を送出することになる。
【0120】
図10は、図7に示したシーケンサ72による受信タイミング制御の状態遷移を状態遷移図で示したものである。
【0121】
図10に示す状態遷移は、図8に示したペンにおける超音波送信タイミング制御の状態遷移と同期して遷移するもので、ペンにおいてマルチペン機能が選択されている場合は(MPen=1)、状態722(Trace0 001(1))、状態723(Data0 010(2))、状態724(Mode0 011(3))、状態725(Data1 100(4))のタイミングで受信した超音波はPenNO=0のペンから送出された超音波として処理し、状態726(Trace1 101(5))、状態727(Data2 110(2))、状態728(Mode1 111(7))、状態729(Data3 000(0))のタイミングで受信した超音波はPenNO=1のペンから送出された超音波として処理する。
【0122】
また、ペンにおいてマルチペン機能が選択されていない場合は(MPen=0)、状態722(Trace0 001(1))、状態723(Data0 010(2))、状態724(Mode0 011(3))、状態725(Data1 100(4))、状態726(Trace1 101(5))、状態727(Data2 110(2))、状態728(Mode1 111(7))、状態729(Data3 000(0))のタイミングで受信した超音波はすべてPenNO=0のペンから送出された超音波として処理する。
【0123】
また、図10において、状態729(Data3 000(0))は、この超音波受信部30における受信タイミング制御の遷移状態の初期状態で、この超音波受信部30にハードウエアリセット(ResetPen=1)が発生した場合には、いかなる状態721(AnyState)からも、この状態729(Data3 000(0))に遷移する。
【0124】
この状態729(Data3 000(0))で受信した超音波に基づく指示位置は、図1に示した表示部50における描画データとして認識する。
【0125】
状態729(Data3 000(0))からは、無条件で、状態722(Trace0 001(1))に遷移する。
【0126】
状態722(Trace0 001(1))で受信した超音波に基づく指示位置は、図1に示した表示部50においてカーソルを追従移動制御するために位置データとして認識する。
【0127】
状態722(Trace0 001(1))からは、無条件で、状態723(Data0 010(2))に遷移する。
【0128】
この状態723(Data0 010(2))で受信した超音波に基づく指示位置は、図1に示した表示部50における描画データとして認識する。
【0129】
状態723(Data0 010(2))からは、無条件で、状態724(Mode0 011(3))に遷移する。
【0130】
この状態724(Mode0 011(3))で受信した超音波は、ペンによる入力領域を図1に示した第1の入力領域から第2の入力領域に切り換えるモード切換えデータとして認識する。
【0131】
状態724(Mode0 011(3))からは、無条件で、状態725(Data1 100(4))に遷移する。
【0132】
この状態725(Data1 100(4))で受信した超音波に基づく指示位置は、図1に示した表示部50における描画データとして認識する。
【0133】
状態725(Data1 100(4))からは、無条件で、状態726(Trace1 101(5))に遷移する。
【0134】
この状態726(Trace1 101(5))で受信した超音波に基づく指示位置は、図1に示した表示部50においてカーソルを追従移動制御するために位置データとして認識する。
【0135】
状態726(Trace1 101(5))からは、無条件で、状態727(Data2 110(2))に遷移する。
【0136】
この状態727(Data2 110(2))では、で受信した超音波に基づく指示位置は、図1に示した表示部50における描画データとして認識する。
【0137】
状態727(Data2 110(2))からは、無条件で、状態728(Mode1 111(7))に遷移する。
【0138】
この状態728(Mode1 111(7))で受信した超音波は、ペンによる入力領域を図1に示した第1の入力領域から第2の入力領域に切り換えるモード切換えデータとして認識する。
【0139】
状態728(Mode1 111(7))からは、無条件で、状態729(Data3 000(0))に遷移する。
【0140】
そして上記状態遷移は、この超音波受信部30にハードウエアリセットが発生するまで繰り返される。
【0141】
図11は、図7に示した通信部33からRS232Cインタフェースを介して演算処理部40にデータを送信するデータ送信制御の状態遷移を状態遷移図で示したものである。
【0142】
図11において、状態802(Init 000)は、この状態遷移の初期状態であり、この通信部33にハードウエアリセット(ResetSync=1)が発生した場合には、いかなる状態801(AnyState)からも、この状態802(Init 000)に遷移する。この状態802(Init 000)ではなにも行わない。
【0143】
この状態802(Init 000)において、図7に示したSCC(シリアル通信制御部)331への初期設定モードであり(SCCNotlnit=1)、かつSCC(シリアル通信制御部)331への図示しない設定許可用ディップスイッチ(PushSWASyncおよびPushSWBSync)がその設定許可を示しているならば(DataCount0=1,PushSWBSync=1、DataCount0=1,PushSWASync=1)、状態803(SetUp 001)に遷移するが、それ以外の場合はこの状態802に止まる。
【0144】
状態803(SetUp 001)からは状態804(Write 010)、状態805(Hold 011)、状態806(CountUp 100)の順で遷移する。
【0145】
ここで、状態803(SetUp 001)、状態804(Write 010)、状態805(Hold 011)は、SCC331へデータを書き込むバスサイクルを生成するために設けられている。すなわち、ハードウエアリセット(ResetSync=1)が発生した後、SCC331への初期設定モードの間(SCCNotlnit=1)に42byteの初期設定値をSCC331に書き込む。
【0146】
状態806(CountUp 100)では、以下に示す2つの処理を行う。1)SCC331の初期設定モードの判定、つまりSCC331へ書き込んだ初期設定データ数の監視を行う。
【0147】
2)受信タイミング制御部70から転送されたデータのすべてをSCC331に書き込んだかの判定を行う。
【0148】
上記処理がすべて終了したならば状態807(WaitData 101)に遷移する。
【0149】
状態807(WaitData 101)では、図7に示した受信センサ部31でペンからの超音波を受信したかどうかを判定する。ここで受信していない場合は(RdySync=0)は、状態807(WaitData 101)に止まるが、受信した場合は(RdySync=1)、状態808(WaitLoad0 110)に遷移する。
【0150】
状態808(WaitLoad0 110)からは状態809(WaitLoad1 111)を経て状態802(Init 000)に遷移する。
【0151】
ここで、状態808(WaitLoad0 110)、状態809(WaitLoad1 111)は、受信タイミング制御部70から転送されたデータを受け取るための時間を稼ぐ状態である。
【0152】
図12は、この発明に係わるペン入力装置を適用して構成した情報処理システムの他の実施例の概略構成を示したものである。
【0153】
図12に示す実施例は、システム本体100の表示画面500を第1の入力面とし、このシステム本体100から離れた任意の位置に配設されたテーブル等の上に載置されたローカル操作紙21を第2の入力面とするものである。
【0154】
この実施例においては、システム本体100の表示画面500上の任意の位置をペン1で指示することにより、このシステム本体100の表示画面500に対する指示位置の入力ができるとともに、このシステム本体100の表示画面500に対する指示位置に基づく表示を表示画面500上に表示することができる。
【0155】
また、ローカル操作紙21上の任意の位置をペン1で指示することにより、このローカル操作紙21に対する指示位置の入力ができるとともに、このローカル操作紙21に対する指示位置に基づく表示を表示画面500上に表示することができる。
【0156】
ここで、表示画面500上で任意の位置を指示するペンとローカル操作紙21上で任意の位置を指示するペンとは同一のペンでもあってもよいし、また本願発明のマルチペン機能を用いることにより表示画面500上で任意の位置を指示するペンとローカル操作紙21上で任意の位置を指示するペンとを別のペンから構成するようにしてもよい。
【0157】
この図12に示す実施例は、図1に示した実施例における第1の入力領域10を表示部50上に設け、第2の入力領域20をこの表示部50から離れたテーブル等の上に載置し、上記表示部50を図12の表示画面500とし、上記第2の入力領域20を図12のローカル操作紙21とした場合に相当する。なお図12に示す構成において、ペン1の構成およびこのペン1による表示画面500上における指示位置およびローカル操作紙21上における指示位置を検出する構成は図1に示したものと基本的には同一である。
【0158】
すなわち、ペン1は、図5および図6に示したように、単なるプッシュボタンから構成され、描画またはコマンド入力用の第一ボタン(描画ボタン)14aと、ラッチ機構付きのプッシュボタンから構成され、表示画面500上とローカル操作紙21上のいずれの入力面を選択するかを切換える第二ボタン(ローカル入力切り替えボタン)14bを有しており、また、このペン1の先端からは、図8に示した状態遷移図にしたがった所定のタイミングで超音波を送出するように構成されている。
【0159】
また、システム本体100には、その表示画面500と所定の関係で3次元的に配設された超音波受信素子31a、31b、31cが取り付けれれており、ペン1の先端から送出された超音波をこの超音波受信素子31a、31b、31cで受信し、その受信タイミングからペン1による表示画面500上における指示位置およびローカル操作紙21上における指示位置を検出する。
【0160】
なお、図12に示す構成において、ローカル操作紙21はシステム本体100から離れた任意の位置に配設することが可能である。この場合、システム本体100において、ペン1によるローカル操作紙21上における指示位置を検出するためには、システム本体100に取り付けられた超音波受信素子31a、31b、31cの配設位置に対するローカル操作紙21の相対的位置を検出する必要がある。
【0161】
この実施例においては、超音波受信素子31a、31b、31cの配設位置に対するローカル操作紙21の相対的位置を検出するために、ローカル操作紙21を用いた位置入力の前に、ローカル操作紙21に予め設定された複数の位置決め領域をペン1により指示する操作を行う。
【0162】
図13は、上記ローカル操作紙21の具体的構成を示したものである。このローカル操作紙21は、ペン1の機能を選択するための領域R1〜R5とこのペン1による描画領域となる領域R6を有している。
【0163】
ここで、領域R1は、ペン1を描画ペンとして機能させるために指示される領域である。また、領域R2は、ペン1をイレーサ、すなわち描画された画像等を消す消しゴムとして機能させるために指示される領域である。
【0164】
また、領域R3〜R5は、ペン1を描画ペンとして機能させる場合においてその描画ラインの太さを選択するために指示される領域である。
【0165】
例えば、ペン1を描画ペンとして機能させ、そのときの描画ラインの太さを
「中」としたい場合は、まず、ペン1の先端を領域R1に一致させてこのペン1の第一ボタン14aを押し、次いでこのペン1の先端を領域R4に一致させてこのペン1の第一ボタン14aを押す操作を行う。
【0166】
その後、このペン1の第一ボタン14aを押した状態で所定の画像を領域R6内に描画すれば、太さ「中」の描画ラインがシステム本体100の表示画面500上に表示されることになる。
【0167】
また、このローカル操作紙21には、システム本体100に対して、このローカル操作紙21の超音波受信素子31a、31b、31cの配設位置に対する相対的位置を通知するために、その4隅に4個の位置決め領域P1〜P4が設けられている。
【0168】
この実施例では、ローカル操作紙21を用いた位置入力の前の初期設定用データの収集に際して、ローカル操作紙21に予め設定されたこの4個の位置決め領域P1〜P4をペン1により順次指示することにより、システム本体100に対して超音波受信素子31a、31b、31cの配設位置に対するこのローカル操作紙21の相対的位置を通知する。
【0169】
図14は、この初期設定用データの収集処理をフローチャートで示したものである。
【0170】
この初期設定用データ収集が開始されると(ステップ201)、まず、n=1に設定し(ステップ202)、ディスプレイ、すなわちステム本体100の表示画面500上に「ペンで位置決め領域nをポイントし、描画ボタンを押してください」等いう表示が行われる(ステップ203)。
【0171】
次に、描画ボタン(第一ボタン14a)が押されたかを調べ(ステップ204)、押されていない場合は(ステップ204でno)、ステップ204に戻るが、押されたと判別された場合は(ステップ204でyes)、そのボタンが押された時点のペンの座標を(xn、yn、zn)として検出する(ステップ205)。
【0172】
次に、n=n+1に設定し(ステップ206)、n=5かを調べる(ステップ207)。ここで、n=5でない場合は(ステップ207でno)、まだ4個の位置決め領域P1〜P4の検出が終了していないのでステップ203に戻り、ステップ203からステップ207までの処理を繰り返す。
【0173】
そして、ステップ207でn=5が成立すると(ステップ207でyes)、4個の位置決め領域P1〜P4の検出がすべて終了したので、この初期設定用データ収集を終了する(ステップ208)。
【0174】
このようにして、4個の位置決め領域P1〜P4の座標(xn、yn、zn)(n=1〜4)が求まると、この座標に基づき、領域R1〜R6の座標を算出する。
【0175】
この領域R1〜R6の座標の算出は以下に示すようにして行うことができる。今、図15に示すように、位置決め領域P1から領域R1の左上隅の点、領域R1の右上隅の点までの横方向におけるそれぞれの距離をA1、A2とし、位置決め領域P1から領域R1の左上隅の点、領域R1の左下隅の点までの縦方向におけるそれぞれの距離をB1、B2とし、位置決め領域P1から位置決め領域P2までの距離をA、位置決め領域P1から位置決め領域P3までの距離をBとし、図16に示すように、位置決め領域P1の座標を(x1、y1、z1)、位置決め領域P2の座標を(x2、y2、z2)、位置決め領域P3の座標を(x3、y3、z3)、位置決め領域P4の座標を(x4、y4、z4)、領域R1の左上隅の点の座標を(x5、y5、z5)、領域R1の右上隅の点の座標を(x6、y6、z6)、領域R1の左下隅の点の座標を(x7、y7、z7)、領域R1の右下隅の点の座標を(x8、y8、z8)とし、更に、領域R1の左辺の延長線とこのローカル操作紙21の上辺と下辺との交点の座標をそれぞれ(xt1、yt1、zt1)、(xt3、yt3、zt3)、領域R1の右辺の延長線とこのローカル操作紙21の上辺と下辺との交点の座標をそれぞれ(xt2、yt2、zt2)、(xt4、yt4、zt4)とし、このローカル操作紙21はある平面上に存在するとすると、
(xt1、yt1、zt1)
=([{(x2−x1)×A1}/A]+x1、[{(y2−y1)×A1}/A]+y1、[{(z2−z1)×A1}/A]+z1) …(10)
(xt2、yt2、zt2)
=([{(x2−x1)×A2}/A]+x1、[{(y2−y1)×A2}/A]+y1、[{(z2−z1)×A2}/A]+z1) …(11)
(xt3、yt3、zt3)
=([{(x4−x3)×A1}/A]+x3、[{(y4−y3)×A1}/A]+y1、[{(z4−z3)×A1}/A]+z3) …(12)
(xt4、yt4、zt4)
=([{(x4−x3)×A2}/A]+x3、[{(y4−y3)×A2}/A]+y1、[{(z4−z3)×A2}/A]+z3) …(13)
が成立する。したがって、式(10)〜(13)から
(x5、y5、z5)
=([{(xt3−xt1)×B1}/B]+xt1、[{(yt3−yt1)×B1}/B]+yt1、[{(zt3−zt1)×B1}/B]+zt1)…(14)
(x6、y6、z6)
=([{(xt4−xt2)×B1}/B]+xt2、[{(yt4−yt2)×B1}/B]+yt2、[{(zt4−zt2)×B1}/B]+zt2)…(15)
(x7、y7、z7)
=([{(xt3−xt1)×B2}/B]+xt1、[{(yt3−yt1)×B2}/B]+yt1、[{(zt3−zt1)×B2}/B]+zt1)…(16)
(x8、y8、z8)
=([{(xt4−xt2)×B2}/B]+xt2、[{(yt4−yt2)×B2}/B]+yt2、[{(zt4−zt2)×B2}/B]+zt2)…(17)
となり、この式(14)〜(17)により、領域R1の4隅の座標(x5、y5、z5)、(x6、y6、z6)、(x7、y7、z7)、(x8、y8、z8)を算出することができる。
【0176】
同様に、この4個の位置決め領域P1〜P4の座標(xn、yn、zn)(n=1〜4)が求まると、この座標に基づき、領域R2〜R6の四隅の座標を算出することができる。
【0177】
このように、この実施例においては、ローカル操作紙21を用いた位置入力の前の初期設定用データの収集に際して、ローカル操作紙21に予め設定されたこの4個の位置決め領域P1〜P4をペン1により順次指示することにより、システム本体100に対してローカル操作紙21のコマンド入力領域R1〜R5の四隅の座標および描画領域R6の四隅の座標を認識させることができ、これによりシステム本体100では、ペン1によるコマンド入力領域R1〜R5の指示および描画領域R6での描画を検出することができる。
【0178】
図17は、上記システム本体100側、すなわち図7に示した演算処理部40側における処理の概要をフローチャートで示したものである。
【0179】
図17において、図7に示した通信部33からペンの位置座標を受信すると
(ステップ401)、まず、ローカル入力切り替えボタン(図5に示した第二ボタン14b)が押されているか調べる(ステップ402)。
【0180】
ここで、ローカル入力切り替えボタンが押されていない場合は(ステップ402でNO)、ペンの位置座標に対応した位置に図12に示した表示画面500に表示されるカーソルを移動する(ステップ404)。
【0181】
また、ステップ402で、ローカル入力切り替えボタンが押されている場合は(ステップ402でYES)、ローカル操作紙21との相対座標に対応した位置に図12に示した表示画面500に表示されるカーソルを移動する(ステップ403)。
【0182】
次に、ペンの描画ボタン(第一ボタン14a)が押されているかを調べる(ステップ405)。ここで、第一ボタン14aが押されていない場合は(ステップ405でNO)、ステップ401に戻る。
【0183】
また、ステップ405で第一ボタン14aが押されていると判断された場合は(ステップ405でYES)、ペンが描画領域、すなわち図13に示した領域R6に存在するかを調べる(ステップ406)。ここで、ペンが描画領域に存在する場合は、ペンによる描画を行い(ステップ407)、ステップ401に戻る。
【0184】
また、ステップ406において、ペンが描画領域に存在しないと判断された場合は(ステップ406でNO)、次にペンがコマンド入力領域、すなわち図13に示した領域R1〜R5NI存在するかを調べる(ステップ408)。
【0185】
ここで、ペンがコマンド入力領域に存在する場合は(ステップ408でYES)、このペンの位置座標に対応したコマンドを認識し(ステップ409)、このコマンドを実行して(ステップ410)、ステップ401に戻る。
【0186】
なお、ステップ408で、ペンがコマンド入力領域に存在しないと判断された場合は(ステップ408でNO)、なにもせずにステップ401に戻る。
【0187】
図18は、ペン1によりローカル操作紙21の領域R1を指示してこのペン1に描画ペンとしての機能を与え、その後、例えば領域R4を指示して描画ラインの太さを「中」に選択した場合における操作例を示したものである。この場合、図18に示すように、このペン1によりローカル操作紙21の描画領域R6に所望の画像を描くと、これに対応してシステム本体100側の表示画面500上にペン1に描画ペンとしての機能を与えたことを示す鉛筆の画像からなるカーソルが表示されるとともに、この鉛筆の画像からなるカーソルによりローカル操作紙21の描画領域R6にペン1で描いた画像と同一の画像が描画表示される。
【0188】
また、図19は、ペン1によりローカル操作紙21の領域R2を指示してこのペン1にイレーサ、すなわち消しゴムとしての機能を与えた場合における操作例を示したものである。この場合、図18に示すように、システム本体100側の表示画面500上にペン1に消しゴムとしての機能を与えたことを示す消しゴムの画像なるカーソルが表示され、この状態でペン1の第一ボタン14aを押してローカル操作紙21の描画領域R6に描かれた画像をなぞると、これによりのシステム本体100側の表示画面500上に表示されている画像が消される。
【0189】
なお、この実施例において、ペン1の先端に実際にローカル操作紙21の描画領域R6に画像が描ける筆記具を装着し、ペン1でローカル操作紙21の描画領域R6に描いた画像を直接確認できるように構成してもよい。
【0190】
図20は、この発明に係わるペン入力装置を適用して構成した情報処理システムの更に他の実施例の概略構成を示したものである。
【0191】
この実施例は、図20および図21に示すように、図12に示した実施例のローカル操作紙21を画像表示可能な表示器22aを有するローカル操作板22から構成し、更にこのローカル操作板22の四隅に超音波受信素子31a、31b、31cの配設位置に対するこのローカル操作板22の相対位置をシステム本体100に通知するための4個の超音波発信素子Ua〜Udを配設した点が図12の示した実施例と異なる。
【0192】
この構成によると、ローカル操作板22上でペン1により描画した画像をローカル操作板22の表示器22aに表示させることができ、また、4個の超音波発信素子Ua〜Udを設けたことにより、図12に示した実施例で必要とされたいた初期設定用データ収集処理が不要になる。
【0193】
また、システム本体100側ではこの4個の超音波発信素子Ua〜Udから送信される超音波を受信することにより超音波受信素子31a、31b、31cの配設位置に対するこのローカル操作板22の相対位置を常に知ることができるので、このローカル操作板22を移動しながらの位置入力も可能になる。
【0194】
ここで、4個の超音波発信素子Ua〜Udから送信される超音波はシステム本体100側の超音波受信素子31a、31b、31cにより受信されて、その位置が検出されるが、この4個の超音波発信素子Ua〜Udから送信される超音波を受信する構成は、前述したマルチペン機能における複数のペンからの超音波を受信する構成を適用することにより容易に構成できる。
【0195】
例えば、この実施例において1本のペンを用いたとすると、超音波受信素子31a、31b、31cの出力からこの1本のペンから送出される超音波と上記4個の超音波発信素子Ua〜Udから送信される超音波を受信してその位置をそれぞれ検出できればよいので、結局5本のペンを用いたマルチペン機能と等価になり、図8および図10で説明した状態遷移図において、5本のペンを用いたマルチペン機能を考えれば、ペンの位置検出と同様にして4個の超音波発信素子Ua〜Udの位置を検出することができる。
【0196】
なお、上記4個の超音波発信素子Ua〜Udは、ペンと異なり、ペンの第一ボタンおよび第二ボタンに対応する構成は有しないので、1本のペンに割り当てられた4個の超音波発信タイミングを用いることによりこの4個の超音波発信素子Ua〜Udからの超音波を受信することができるので、このように構成すると、図8および図10の状態遷移図で説明した2本のペンを用いる場合の状態遷移図と同様の構成で、1本のペンおよび4個の超音波発信素子Ua〜Udの位置検出が可能になる。
【0197】
また、ローカル操作板22が描画中は移動されることが少ないと考えると、4個の超音波発信素子Ua〜Udからの超音波発信タイミングはペンからの超音波発信タイミングよりも長い周期で完結的に生じるように構成してもよい。
【0198】
また、ローカル操作板22の表示器22aには、このローカル操作板22で描画された画像のみを表示するように構成してもよいが、この表示器22aにシステム本体100側の表示画面500に表示された表示内容と同一の画像を表示させれば、ローカル操作板22の表示器22aのみを見ることにより適切な位置入力が可能になるので非常に便利である。なお、この場合は、有線、または無線による伝送手段を用いてシステム本体100側から表示器22aの表示制御のためのビデオ信号を受け取る必要がある。
【0199】
ところで、この実施例において、4個の超音波発信素子Ua〜Udの位置、すなわち3次元座標が検出できると、これによりローカル操作板22における各位置の3次元座標が算出できる。
【0200】
すなわち、図22に示すように、ローカル操作板22の四隅の4個の超音波発信素子Ua〜Udの位置が(xa、ya、za)、(xb、yb、zb)、(xc、yc、zc)、(xd、yd、zd)であり、ローカル操作板22におけるある位置の3次元座標を(xp、yp、zp)とし、超音波発信素子Uaの配設位置からこのある位置までの横方向の距離がa、縦方向の距離がb、このある点を通る縦方向の線分とこのローカル操作板22の上辺と下辺との交点の座標を(xt5、yt5、zt5)、(xt6、yt6、zt6)、このローカル操作板22の横方向の長さをA、縦方向の長さをBとすると、
(xt5、yt5、zt5)
=([{(xb−xa)×a}/A]+xa、[{(yb−ya)×a}/A]+ya、[{(zb−za)×a}/A]+za) …(18)
(xt6、yt6、zt6)
=([{(xd−xc)×a}/A]+xc、[{(yd−yc)×a}/A]+yc、[{(zd−zc)×a}/A]+zc) …(19)
が成立する。したがって、式(18)〜(19)から
(xp、yp、zp)
=([{(xt6−xt5)×b}/B]+xt5、[{(yt6−yt5)×b}/B]+yt5、[{(zt6−zt5)×b}/B]+zt5) …(20)
となり、この式(20)からローカル操作板22におけるある位置の3次元座標(xp、yp、zp)を求めることができる。
【0201】
したがって、ローカル操作板22の四隅の4個の超音波発信素子Ua〜Udの3次元座標(xa、ya、za)、(xb、yb、zb)、(xc、yc、zc)、(xd、yd、zd)を用いてペンの3次元座標(x、y、z)が上記3次元座標(xp、yp、zp)に等しければ、このペンがこのローカル操作板22の操作領域上に存在すると認識することができる。
【0202】
なお、この実施例で用いるペン1は、図5および図6に示したように、単なるプッシュボタンから構成され、描画または位置指定用の第一ボタン(描画ボタン)14aと、ラッチ機構付きのプッシュボタンから構成され、表示画面500上とローカル操作板22上のいずれの入力面を選択するかを切換える第二ボタン(ローカル入力切り替えボタン)14bを有しており、また、このペン1の先端からは、図8に示した状態遷移図にしたがった所定のタイミングで超音波を送出するように構成されている。
【0203】
また、システム本体100には、その表示画面500と所定の関係で3次元的に配設された超音波受信素子31a、31b、31cが取り付けれれており、ペン1の先端から送出された超音波をこの超音波受信素子31a、31b、31cで受信し、その受信タイミングからペン1による表示画面500上における指示位置およびローカル操作板22上における指示位置を検出し、その指示位置に対応した画像をシステム本体100の表示画面500上およびローカル操作板22の表示器22aに表示する。
【0204】
図23は、この実施例におけるローカル操作板22を用いた操作例を示したものである。この実施例でローカル操作板22から位置入力を行う場合は、ペン1のラッチ機構付きの第二ボタン(ローカル入力切り替えボタン)14bをオンにする。
【0205】
そして、ペン1の第一ボタン(描画ボタン)14aを押した状態でこのペン1を用いてローカル操作板22で所望の画像を描くと、図23に示されるように、システム本体100側の表示画面500上に鉛筆の画像からなるカーソルが表示されるとともに、この鉛筆の画像からなるカーソルによりローカル操作板22上でペン1で描いた画像と同一の画像が描画表示される。
【0206】
また、これと同時に、システム本体100側の表示画面500上に描画表示された画像と同一の画像がローカル操作板22の表示器22aに表示される。
【0207】
図24は、ペン1が筆記具としても機能を有する場合のペン1の構成例を示したものである。
【0208】
すなわち、図24に示したペン1は、このペン1の位置を検出するための超音波発信素子6を装着するとともに、その先端には、例えば、図13に示したローカル操作紙21の描画領域R6に実際に画像を書き込むことができる筆記可能なペン芯3が装着されている。
【0209】
この図24に示したペン1を用いると、例えば、図12に示した実施例において、ローカル操作紙21の描画領域R6にペン1のペン芯3により実際に画像を描くとともに、このローカル操作紙21の描画領域R6に実際に描かれた画像に対応する表示をシステム本体100の表示画面500上に表示させることができる。
【0210】
なお、図24に示したペン1は、このペン1の筆記可能なペン芯3の位置と超音波発信素子6の装着位置とが離れているため、ペン1の向きまたはその傾きに応じて超音波発信素子6の装着位置とペン芯3の位置とがずれ、これによりローカル操作紙21の描画領域R6等に描かれた図形をシステム本体100の表示画面500上に表示される図形とが正確に一致しなくなる場合ある。
【0211】
図25は、この問題を解決するためのペン1の他の実施例を示したものである。
【0212】
この図25に示すペン1は、その内部に超音波発信素子6が内蔵される。この超音波発信素子6は、電源である電池4からの給電により動作する制御回路5からの超音波駆動信号により駆動され、超音波を発生する。この超音波発信素子6から発生された超音波はこのペン1の先端に設けられた超音波反射部8で反射され、このペン1の先端に設けられた超音波通過窓7を通って外部に送出される。また、このペン1の先端には図13に示したローカル操作紙21の描画領域R6等に実際に画像を書き込むことができる筆記可能なペン芯3が装着されている。
【0213】
図26は、図25で点線で囲んだ部分の拡大図である。図26から明らかなように、このペン1の先端に設けられた超音波反射部8は円錐形状からなり、超音波発信素子6から発生され、このペン1の軸方向に進む超音波を、この超音波反射部8で反射させることにより、このペン1の先端でこのペン1の軸方向と直角な方向に360度の範囲で拡がる超音波に変換し、この360度の範囲で拡がる超音波をこのペン1の先端から発生する。なお、このペン1の先端部には、図27に示すように、その周囲に複数の超音波通過窓7が形成されており、超音波反射部8で反射された超音波はこの複数の超音波通過窓7を通って外部に送出される。
【0214】
この図25乃至図27に示す構成によると、ペン1の先端に配設された筆記可能なペン芯3の位置とこのペン1から送出される超音波の送出位置、すなわち超音波通過窓7の配設位置とを近接させることができ、これにより、ペン1の向きまたはその傾きによらず、ローカル操作紙21の描画領域R6等に描かれた図形とシステム本体100の表示画面500上に表示される図形とをほぼ一致させることができる。
【0215】
なお、図27に示したペン1を用いる場合、超音波発信素子6の位置とこのペン1から送出される超音波の送出位置、すなわち超音波通過窓7の配設位置との間は、図25に示すように、距離Lだけ離れているので、このペン1を用いた場合、このペン1の先端位置を検出するには、この距離Lだけ補正する必要がある。
【0216】
図28は、図25乃至図27に示したペン1を用いて構成したこの発明に係わる情報処理システムの他の実施例の概略構成を示したものである。
【0217】
図28に示す構成において、ペン1は、その先端にローカル操作板23の描画領域23aに筆記可能なペン芯3が設けられており、このペン1のペン芯3を用いてローカル操作板23の描画領域23aに所望の画像を実際に描くと、このペン1の先端の位置がシステム本体100側の超音波受信素子31a、31b、31cの超音波受信出力に基づき検出され、システム本体100側の表示画面500上にはペン形状のカーソルとともに、このローカル操作板23の描画領域23aに実際に描かれた画像に対応する画像が表示される。
【0218】
図29は、この発明のペン入力装置においてローカル入力を行うときに用いるローカル操作板の他の構成例を示したものである。図29に示すローカル操作板24は、複数枚のローカル入力紙24aをバインダ250によりこのローカル操作板24上に綴じることができるように構成されている。また、このローカル操作板24には、システム本体100側の超音波受信素子31a、31b、31cの配設位置に対するこのローカル操作板24の相対位置をシステム本体100側に通知するための超音波素子Ua〜Udが設けられている。
【0219】
なお、この図29に示す構成において、超音波素子Ua〜Udによるローカル操作板24の相対位置をシステム本体100側に通知するための構成は、図21に示した超音波素子Ua〜Udと同様に、マルチペン機能における複数のペンからの超音波を受信する構成と同様の構成を適用して構成することができる。
【0220】
このローカル操作板24を用いてローカル入力を行うには、先端に筆記可能なペン芯3が装着されているペン1を用い、このペン1のペン芯3を用いてバインダ250により綴じられたローカル入力紙24a上に所望の画像を描くことにより行われる。
【0221】
図30は、図29に示されるバインダ250の詳細構成を示したものである。図30において、このバインダ250は、ローカル操作板24に固定された軸251を中心に回動自在に取り付けられたローカル入力紙押さえ板253、このローカル入力紙押さえ板253をローカル操作板24にラッチするラッチ機構235、このローカル入力紙押さえ板253を弾性的に支持するスプリング253から構成される。
【0222】
また、このバインダ250には、ローカル入力紙押さえ板253を上方に回動して開いたことを検出する検出スイッチ255が設けられている。すなわち、この検出スイッチ255は、図30に示すように、ローカル入力紙押さえ板253をラッチ機構235によりラッチして閉じた状態においては、オンしており、ローレベルのバインダOn/Off信号を出力する。
【0223】
しかし、このバインダにより綴じられたローカル入力紙24aのページ捲りを行うために、図31に示すように、ローカル入力紙押さえ板253に設けられたラッチ機構用孔253aに対するラッチ機構235によるラッチを解除すると、ローカル入力紙押さえ板253はスプリング253の弾性力により上方に回動し、これにより検出スイッチ255は、オフになり、図30に示すバインダOn/Off信号はハイレベルになる。
【0224】
この実施例では、このバインダOn/Off信号をローカル操作板24におけるページ捲り信号としてシステム本体100側に通知するように構成されている。このページ捲り信号のシステム本体100側への通知は、システム本体100側の超音波受信素子31a、31b、31cの配設位置に対するこのローカル操作板24の相対位置をシステム本体100側に通知するために設けられた超音波素子Ua〜Udのいずれかを用いて行う。
【0225】
すなわち、超音波素子Ua〜Udによるローカル操作板24の相対位置をシステム本体100側に通知するための構成を、マルチペン機能における複数のペンからの超音波を受信する構成と同様の構成を適用して構成した場合は、図9に示したように、各超音波素子Ua〜Udに対して4回の超音波送信タイミングが割り当てれているので、この超音波素子Ua〜Udの内のこの4回の超音波送信タイミングの中で使用されていない超音波送信タイミングを用いれば、このバインダOn/Off信号をローカル操作板24におけるページ捲り信号としてシステム本体100側に通知することができる。
【0226】
図32は、この発明のペン入力装置においてローカル入力を行うときに用いるでローカル操作板の更に他の構成例を示したものである。この図32に示すローカル操作板25は、複数枚のローカル入力紙25aをクリップ260によりこのローカル操作板25上に綴じることができるように構成されている。
【0227】
ここで、このクリップ260には、上記システム本体100側の超音波受信素子31a、31b、31cの配設位置に対するこのローカル操作板25の相対位置をシステム本体100側に通知するための超音波素子261を設けるように構成することができる。
【0228】
この場合、このクリップ260に設けられた超音波素子261の位置以外の少なくとも2つの位置をシステム本体100側に通知できれば、システム本体100側の超音波受信素子31a、31b、31cの配設位置に対するこのローカル操作板25の相対位置を確定できる。
【0229】
そこで、このクリップ260に設けられた超音波素子261の位置以外の少なくとも2つの位置は、例えば、図14に示した初期設定用データ収集処理と同様の手法によりシステム本体100側に通知する。
【0230】
また、クリップ260により綴じられた紙が移動した場合は、確率的にこのクリップ260の位置も移動していると考えられるので、システム本体100側の表示画面500に「紙が移動したので、初期設定を行って下さい」との旨の表示を行う。
【0231】
ところで、この発明のペン入力装置において、図3に示したように、ペン1側に設けられた超音波発信素子の超音波送出タイミングと、システム本体側に設けられた超音波受信部32における超音波受信処理の同期は、システム本体側に設けられたペンを収納するためのペンホルダ34に設けられた同期回路35からの同期信号により行われる。
【0232】
図33は、ペンホルダ34に設けられた同期回路35からペン1に同期信号を与えるための構成を示したものである。
【0233】
すなわち、図34に示すように、ペン1には、ペンホルダ34に設けられた同期回路35からの同期信号を受け取るための接点1aが設けられており、また図35に示すように、ペンホルダ34には、同期回路35からの同期信号をペン1に与えるための接点34aが設けられている。
【0234】
ここで、図33に示すように、このペン1をこのペンホルダ34内に収容すると、ペンホルダ34の接点34aとペン1の接点1aが接触し、これにより同期回路35からの同期信号はこの接点34a、1aを介してペン1の送信タイミング制御部11に与えられる。
【0235】
ペン1の送信タイミング制御部11は、この同期回路35からの同期信号に基づきこのペン1に設けられた超音波発信素子の超音波発信タイミングを制御し、またシステム本体側の超音波受信部32では、この同期回路35からの同期信号に基づきその超音波受信処理を制御するので、その結果、ペン1側に設けられた超音波発信素子の超音波送出タイミングと、システム本体側に設けられた超音波受信部32における超音波受信処理との同期が確立される。
【0236】
また、図21に示したように、ローカル操作板22に設けられた超音波素子Ua〜Udの超音波送信タイミングもシステム本体側に設けられた超音波受信部32における超音波受信処理と同期をとる必要がある。この場合の同期はローカル操作板22側に設けられたペンホルダを用いて行われる。
【0237】
すなわち、図36に示すように、ローカル操作板22側にもシステム本体側と同様に、ペン1を収容するためのペンホルダ36が設けられており、システム本体側のペンホルダ34内に収容することによりシステム本体側の超音波受信部32における超音波受信処理と同期が取られたペン1をこのローカル操作板22側のペンホルダ36に収容することにより、ローカル操作板22に設けられた超音波素子Ua〜Udの超音波送信タイミングとシステム本体側に設けられた超音波受信部32における超音波受信処理との同期をとる。
【0238】
図37は、ローカル操作板22に設けられた超音波素子Ua〜Udの超音波送信タイミングと、システム本体側の超音波受信部32における超音波受信処理との同期をとるために、システム本体側の超音波受信部32における超音波受信処理と同期が取られたペン1の送信タイミング制御部11から同期信号をローカル操作板22の超音波素子Ua〜Udの超音波送信タイミングを制御する送信タイミング制御部22bに同期信号を与えるための構成を示したものである。
【0239】
すなわち、図38に示すように、ペン1には、ペン1の送信タイミング制御部11からの同期信号をローカル操作板22に与えるための接点1bが設けられており、また図39に示すように、ローカル操作板22には、ペン1の送信タイミング制御部11からの同期信号を受け取るための接点36aが設けられている。
【0240】
ここで、図37に示すように、このシステム本体側の超音波受信部32における超音波受信処理と同期が取られたペン1をこのローカル操作板22側のペンホルダ36に収容すると、ペン1の接点1bとローカル操作板22のペンホルダ36の接点36aが接触し、これによりペン1の送信タイミング制御部11からの同期信号はこの接点1b、36aを介してローカル操作板22の送信タイミング制御部22bに与えられる。
【0241】
ローカル操作板22の送信タイミング制御部22bは、このペン1の送信タイミング制御部11からの同期信号に基づきこのペン1に設けられた超音波発信素子の超音波発信タイミングを制御し、またシステム本体側の超音波受信部32では、この同期回路35からの同期信号に基づきそのローカル操作板22に設けられた超音波素子Ua〜Udの超音波送信タイミングを制御するので、その結果、ローカル操作板22に設けられた超音波素子Ua〜Udの超音波送信タイミングと、システム本体側の超音波受信部32における超音波受信処理との同期が確立される。
【0242】
以上説明したように、この第1の発明によれば、入力ペンに超音波送出器を設けるとともに、3次元空間内の所定の箇所にこの超音波送出器から発信された超音波を受信する複数の超音波受信素子を有する超音波受信部を設け、この複数の超音波受信素子の受信出力に基づきこの複数の超音波受信素子の配列位置に固定された第1の座標上における入力ペンによる指示位置情報を演算するとともに、この演算された指示位置に対応する指示位置が第1の入力領域に含まれるかこの第1の入力領域から離れた第2の入力領域に含まれるかを判別し、この判別結果に応じてこの指示位置情報を第1の入力領域に固定された座標上の位置を示すを第1の位置情報または第2の入力領域に固定された座標上の位置に変換し、この変換された位置情報に対応して表示手段における表示制御を行うように構成したので、安価な構成により、複数の操作者からの手書きペン入力を可能にするとともに、操作性の向上および使用形態の多様化を可能にしたペン入力装置を提供することができるという効果を奏する。
【0243】
また、第2の発明によれば、位置情報を入力する入力ペンと、該入力ペンによる第1の入力面を構成するとともに該入力ペンにより入力された位置情報に基づく表示を行う表示手段を有するペン入力装置において、前記入力ペンに設けられた超音波発信手段と、前記第1の入力面に対して所定の位置関係で配設され、前記超音波発信手段から発信された超音波を受信する複数の超音波受信素子を有する超音波受信手段と、前記第1の入力面から所定距離離れて配設され、前記入力ペンによる第2の入力面を有する遠隔入力手段と、前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に対する前記第1の入力面の相対的位置関係を示す第1の情報および前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記入力ペンによる前記第1の入力面に対する第1の指示位置情報を演算する第1の演算手段と、前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に対する前記第2の入力面の相対的位置関係を示す第2の情報および前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記入力ペンによる前記第2の入力面に対する第2の指示位置情報を演算する第2の演算手段と、前記第1の指示位置情報および前記第2の指示位置情報に基づき前記表示手段における表示を制御する表示制御手段とを具備して構成したので、上記効果に加えて、表示手段上の第1の入力面からの情報の入力ともに、この表示手段から所定距離離れて配設された遠隔入力手段の第2の入力面からの情報の入力が可能になる。
【0244】
また、第3の発明によれば、位置情報を入力する入力ペンと、該入力ペンによる第1の入力面を構成するとともに該入力ペンにより入力された位置情報に基づく表示を行う第1の表示手段を有するペン入力装置において、前記入力ペンに設けられた超音波発信手段と、前記第1の入力面に対して所定の位置関係で配設され、前記超音波発信手段から発信された超音波を受信する複数の超音波受信素子を有する超音波受信手段と、前記第1の入力面から所定距離離れて配設され、前記入力ペンによる第2の入力面を構成するとともに該入力ペンにより入力された位置情報に基づく表示を行う第2の表示手段を有する遠隔入力手段と、前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に対する前記第1の入力面の相対的位置関係を示す第1の情報および前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記入力ペンによる前記第1の入力面に対する第1の指示位置情報を演算する第1の演算手段と、前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に対する前記第2の入力面の相対的位置関係を示す第2の情報および前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記入力ペンによる前記第2の入力面に対する第2の指示位置情報を演算する第2の演算手段と、前記第1の指示位置情報および前記第2の指示位置情報に基づき前記第1の表示手段および前記第2の表示手段における表示を制御する表示制御手段とを具備して構成したので、上記効果に加えて、第2の入力面上で前記表示手段により表示された表示内容を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わるペン入力装置を適用して構成した情報処理システムの一実施例の概略構成を示すブロック図。
【図2】3次元的に配設された3つの超音波受信素子に対するペンによる指示位置の関係を示した図。
【図3】図1に示した超音波受信部における受信処理部の具体的構成を示したブロック図。
【図4】図3に示したカウンタによる時間Ta、Tb、Tcの検出動作を示すタイミングチャート。
【図5】図1に示した実施例の情報処理システムで用いるペンの外観を示した外観図。
【図6】図1に示した実施例の情報処理システムで用いるペンの内部回路構成を示したブロック図。
【図7】図1に示した超音波受信部および演算処理部の具体的構成を示したブロック図。
【図8】図6に示したペンに設けられたシーケンサによる超音波送信タイミング制御の状態遷移を示す状態遷移図。
【図9】図8に示す状態遷移図において、マルチペン機能が選択された場合(MPen=1)におけるPenNO=0のペンおよびPenNO=1のペンの超音波送信タイミング制御を示すタイミングチャート。
【図10】図7に示したシーケンサによる受信タイミング制御の状態状態を示す状態遷移図。
【図11】図7に示した通信部からRS232Cインタフェースを介して演算処理部にデータを送信するデータ送信制御の状態遷移を示す状態遷移図。
【図12】この発明に係わるペン入力装置を適用して構成した情報処理システムの他の実施例の概略構成を示したシステム構成図。
【図13】図12に示したローカル操作紙の具体的構成を示した図。
【図14】図12に示した実施例における初期設定用データの収集処理を示すフローチャート。
【図15】図12に示した実施例における複数の位置決め領域P1〜P4の座標(xn、yn、zn)(n=1〜4)から各領域R1〜R6の座標を算出する処理を説明するための図。
【図16】図12に示した実施例における複数の位置決め領域P1〜P4の座標(xn、yn、zn)(n=1〜4)から各領域R1〜R6の座標を算出する処理を説明するための図。
【図17】図12に示した実施例におけるシステム本体側における処理の概要を示したフローチャート。
【図18】図12に示した実施例における操作例を示す図。
【図19】図12に示した実施例における他の操作例を示す図。
【図20】この発明に係わるペン入力装置を適用して構成した情報処理システムの更に他の実施例の概略構成を示したシステム構成図。
【図21】図20に示す実施例の情報処理システムで採用するローカル操作板の概略構成を示す図。
【図22】図20に示した実施例における4個の超音波発信素子Ua〜Udの位置からローカル操作板における各位置の3次元座標の算出処理を説明する図。
【図23】図20に示した実施例における操作例を示した図。
【図24】この発明で採用するペンが筆記具としても機能を有する場合のペンの構成例を示す図。
【図25】この発明で採用するペンが筆記具としても機能を有する場合のペンの他の構成例を示す図。
【図26】図25において点線で囲んだ部分を拡大して示す拡大図。
【図27】図25に示した超音波通過窓の部分を拡大して示す拡大図。
【図28】図25乃至図27に示したペンを用いて構成したこの発明に係わる情報処理システムの他の実施例の概略構成を示したシステム構成図。
【図29】この発明のペン入力装置においてローカル入力を行うときに用いるローカル操作板の他の構成例を示した図。
【図30】図29に示したバインダの詳細構成を示した図。
【図31】図29に示したバインダの開いた状態を示す図。
【図32】この発明のペン入力装置においてローカル入力を行うときに用いるローカル操作板の更に他の構成例を示した図。
【図33】この発明のペン入力装置においてペンホルダに設けられた同期回路からペンに同期信号を与えるための構成を示した図。
【図34】図33に示すペンの構成を示す図。
【図35】図33に示すペンホルダの構成を示す図。
【図36】この発明のペン入力装置においてペンからローカル操作板に同期信号を与えるための構成を説明するための図。
【図37】この発明のペン入力装置においてペンからローカル操作板に同期信号を与えるための構成を示す図。
【図38】図37に示すペンの構成を示す図。
【図39】図37に示すローカル操作板のペンホルダの構成を示す図。
【符号の説明】
1,2…ペン、10…第1の入力領域、20…第2の入力領域、30…超音波受信部、31a,31b,31c…超音波受信素子、32…受信処理部、33…通信部、40…演算処理部、41…通信部、42…演算部、43…判別部、44…第1の変換部、45…第2の変換部、46…表示制御部、50…表示部
Claims (12)
- 入力ペンによる指示位置を入力するペン入力装置において、
前記入力ペンに設けられた超音波発信手段と、
3次元空間内の所定の箇所に配設され、前記超音波発信手段から発信された超音波を受信する複数の超音波受信素子を有する超音波受信手段と、
第1の入力領域を有する第1の入力手段と、
前記第1の入力手段の入力領域から所定距離離れて配設された第2の入力領域を有する第2の入力手段と、
前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に固定された第1の座標系上における前記入力ペンによる指示位置を示す指示位置情報を演算する演算手段と、
前記演算手段により演算された前記指示位置情報に対応する指示位置が前記第1の入力領域に含まれるか前記第2の入力領域に含まれるかを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記指示位置が前記第1の入力領域に含まれると判別された場合は、前記指示位置情報を前記第1の入力領域に固定された第2の座標系上の位置を示す第1の位置情報に変換する第1の変換手段と、
前記判別手段により前記指示位置が前記第2の入力領域に含まれると判別された場合は、前記指示位置情報を前記第2の入力領域に固定された第3の座標系上の位置を示す第2の位置情報に変換する第2の変換手段と
を具備することを特徴とするペン入力装置。 - 前記第1の入力手段の第1の入力領域または前記第2の入力手段の第2の入力領域に対する前記入力ペンによる指示位置に対応する表示を行う表示手段と、
前記第1の変換手段で変換された前記第1の位置情報および前記第2の変換手段で変換された前記第2の位置情報に基づき前記表示手段における表示制御を行う表示制御手段と
を更に具備することを特徴とする請求項1記載のペン入力装置。 - 前記超音波発信手段は、
予め設定されたタイミングで超音波を発信し、
前記演算手段は、
前記超音波発信手段からの超音波発信タイミングを基準にして前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子による前記超音波発信手段からの超音波の受信タイミングを検出し、該受信タイミングに基づき前記指示位置情報の演算を行う
ことを特徴とする請求項1記載のペン入力装置。 - 前記入力ペンは、
複数の入力ペンからなり、
前記超音波発信手段は、
前記複数の入力ペンのそれぞれに配設され、
前記予め設定されたタイミングは、
各入力ペンに対応してそれぞれ設定され、
前記演算手段は、
前記各入力ペンに対応する各超音波発信手段からの超音波発信タイミングをそれぞれ基準にして前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子による前記各超音波発信手段からの超音波の受信タイミングを検出し、該受信タイミングに基づき前記各入力ペンに対応する指示位置情報の演算を行う
ことを特徴とする請求項3記載のペン入力装置。 - 前記超音波発信手段は、
前記入力ペンがペンホルダに収納されているときに該ペンホルダを介して前記予め設定されたタイミングを示すタイミング情報を受け取る
ことを特徴とする請求項3記載のペン入力装置。 - 位置情報を入力する入力ペンと、該入力ペンによる第1の入力面を構成するとともに該入力ペンにより入力された位置情報に基づく表示を行う表示手段を有するペン入力装置において、
前記入力ペンに設けられた超音波発信手段と、
前記第1の入力面に対して所定の位置関係で配設され、前記超音波発信手段から発信された超音波を受信する複数の超音波受信素子を有する超音波受信手段と、
前記第1の入力面から所定距離離れて配設され、前記入力ペンによる第2の入力面を有する遠隔入力手段と、
前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に対する前記第1の入力面の相対的位置関係を示す第1の情報および前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記入力ペンによる前記第1の入力面に対する第1の指示位置情報を演算する第1の演算手段と、
前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に対する前記第2の入力面の相対的位置関係を示す第2の情報および前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記入力ペンによる前記第2の入力面に対する第2の指示位置情報を演算する第2の演算手段と、
前記第1の指示位置情報および前記第2の指示位置情報に基づき前記表示手段における表示を制御する表示制御手段と
を具備することを特徴とするペン入力装置。 - 前記第2の入力面は、
筆記具により書き込み可能な用紙からなり、
前記入力ペンは、
前記筆記具に前記超音波発信手段を装着することにより構成される
ことを特徴とする請求項6記載のペン入力装置。 - 前記遠隔入力手段は、
前記第2の情報を前記第2の演算手段に通知する通知手段
を具備することを特徴とする請求項6記載の入力装置。 - 前記通知手段は、
前記第2の入力面に対して所定の位置関係で配設された位置情報通知用超音波発信手段を具備し、
前記第2の演算手段は、
前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子による前記位置情報通知用超音波発信手段からの超音波の受信出力に基づき前記第2の情報を演算する
ことを特徴とする請求項8記載のペン入力装置。 - 前記第2の入力面は、
筆記具により書き込み可能な用紙からなり、
前記位置情報通知用超音波発信手段は、
前記用紙を挟むクリップに配設される
ことを特徴とする請求項9記載のペン入力装置。 - 前記第2の入力面は、
筆記具により書き込み可能な複数の用紙を綴じたバインダからなり、
前記バインダは、
前記用紙の離脱によるページ捲りを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出出力に基づきページ捲り情報を前記表示制御手段に通知するページ捲り情報通知手段と
を具備することを特徴とする請求項6記載のペン入力装置。 - 位置情報を入力する入力ペンと、該入力ペンによる第1の入力面を構成するとともに該入力ペンにより入力された位置情報に基づく表示を行う第1の表示手段を有するペン入力装置において、
前記入力ペンに設けられた超音波発信手段と、
前記第1の入力面に対して所定の位置関係で配設され、前記超音波発信手段から発信された超音波を受信する複数の超音波受信素子を有する超音波受信手段と、
前記第1の入力面から所定距離離れて配設され、前記入力ペンによる第2の入力面を構成するとともに該入力ペンにより入力された位置情報に基づく表示を行う第2の表示手段を有する遠隔入力手段と、
前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に対する前記第1の入力面の相対的位置関係を示す第1の情報および前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記入力ペンによる前記第1の入力面に対する第1の指示位置情報を演算する第1の演算手段と、
前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の配列位置に対する前記第2の入力面の相対的位置関係を示す第2の情報および前記超音波受信手段の複数の超音波受信素子の受信出力に基づき前記入力ペンによる前記第2の入力面に対する第2の指示位置情報を演算する第2の演算手段と、
前記第1の指示位置情報および前記第2の指示位置情報に基づき前記第1の表示手段および前記第2の表示手段における表示を制御する表示制御手段と
を具備することを特徴とするペン入力装置。
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