JP3550782B2 - 乳酸系ポリエステルの発泡性粒子 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は乳酸とジカルボン酸とジオールが脱水縮合した構造を有する乳酸系ポリエステルを用いた発泡性粒子に関するものである。本発明の乳酸系ポリエステルの発泡性粒子は、さらなる成形を行い、食品用包装材、例えば魚箱、ミートトレイ、飲料用カップ、緩衝材、例えば家庭電気製品用緩衝材等の緩衝材、道路舗装中の軽量化材、断熱材、例えば保冷箱、建築材に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃棄物処理の問題、特に、埋め立て地の不足から、生分解性プラスチクスが注目されている。また、海洋投棄され、海上に浮遊する廃棄物の多くはプラスチクスであることが知られている。このような状況下で、生分解性プラスチクスは廃棄物処理問題の軽減のための有望な方策である。
【0003】
なかでも、乳酸系プラスチクスは安全性が高く、原料の乳酸が安価な廃糖蜜、コーンスターチ、チーズホエーなどから発酵により製造されるため経済的にも有利で、焼却時の燃焼カロリーも低い為、その活用研究が盛んに行われている。
【0004】
乳酸系プラスチクスの発泡体については、特開平4−304244号公報、WO92/01737号公報、特開平5−140361号公報等の特許出願があり、さらに、発泡性粒子については特開平5−170965号公報、特開平5−170966号公報の特許出願がある。それらはポリ乳酸及び乳酸成分とε−カプロラクトン成分やグリコライド成分等の開環重合に使用できるモノマー成分またはヒドロキシカルボン酸のように乳酸共重合できる成分での共重合体の発泡体に関するものである。
【0005】
ポリ乳酸の発泡体に関しては、一般に他の化合物との相溶性が悪く、発泡性粒子を作成する際も揮発性化合物を吸収させることが困難である。物性的にも弾性、復元力に乏しく衝撃に対して脆い性質があり、一方、乳酸と他のモノマー成分との共重合体については耐熱性が劣るため、成形加工時に安定した成形品を得ることが難しく、限られた用途にしか使用できなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、優れた生分解性、発泡性、十分な柔軟性、耐衝撃性と優れた成形加工性を有する乳酸系プラスチクスの発泡性粒子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決すべく、本発明者らが鋭意検討した結果、ジカルボン酸、ジオールを脱水縮合した構造単位を含む重量平均分子量が2万〜40万の乳酸系ポリエステルから、耐熱性、ガス含浸性があって、成形加工性に優れた発泡性粒子を得ることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0008】
【構成】
即ち、本発明は乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体に揮発性化合物を吸収させたことを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子である。
【0009】
また本発明は、乳酸成分とジカルボン酸成分とポリオキシアルキレンエーテルジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体に揮発性化合物を吸収させたことを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子である。詳しくは、前記乳酸系ポリエステル共重合体の全構造単位中の乳酸成分の重量割合が50%〜98%である乳酸系ポリエステルの発泡性粒子である。
【0010】
本発明の発泡性粒子は、含有する揮発性化合物が特にペンタン、ブタン、およびプロパン、またはこれらの混合物である乳酸系ポリエステルの発泡性粒子である。
【0011】
更に本発明は、有機溶媒中に溶解していた乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体を冷却することによって粒子を得、さらに揮発性化合物を吸収させることを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法、乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体を粉砕することによって粒子を得、さらに揮発性化合物を吸収させることを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法、乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体と揮発性化合物とを、押出機内において混練後、押出し、次いで切断することを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法である。
【0012】
また本発明は、乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体と揮発性化合物とを混練し、次いでこれをダイヘッドの押出孔から加圧液中に押出し、即時切断した後、冷却することを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法、乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体と、揮発性化合物と、乳酸系ポリエステル100重量部に対して1.5重量部以下の無機質粉末とを混練し、次いでこれをダイヘッドの押出孔から加圧液中に押出し、即時切断した後、冷却することを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法である。
【0013】
更に、本発明は乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体と、揮発性化合物と、および必要に応じ無機質粉末とを混練し、次いでこれをダイヘッドの押出孔から発泡性乳酸系ポリエステルのガラス転移温度(以下、Tgと略す)−5℃以上の加熱加圧液中に押出し、切断して得た粒子を加熱加圧液中で徐冷するか、又は同温度以上に保持した後、冷却することを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法を含むものである。
【0014】
以下に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明で使用する乳酸系ポリエステルの製造方法は、ジカルボン酸成分とジオール成分からなるポリエステルと乳酸の脱水環状物であるラクタイドとを開環重合触媒の共存下に共重合する方法、もしくは、ラクタイドを原料として得たポリ乳酸、あるいは溶剤の共存/非存在下に縮合し得られたポリ乳酸と、ジカルボン酸成分とジオール成分からなるポリエステルとをエステル交換触媒の共存下にエステル交換して得ることができる。
【0015】
得られた乳酸系ポリエステルは減圧下、または、良溶剤共存下に貧溶剤中に沈澱することによって、または乳酸系ポリエステルを溶解させず、揮発成分を溶解できる溶剤で洗浄することによって、残留ラクタイド等の揮発成分を除くことが、得られた発泡性粒子の耐熱性、貯蔵性を高めるために好ましい。
【0016】
本発明で用いる、揮発性化合物との相溶性の良い乳酸系ポリエステルを得るためには、乳酸成分中の光学活性D/Lが95/5〜5/95であることが好ましく、さらに、D/L比が75/25〜25/75であると乳酸系ポリエステルは様々な化合物との相溶性が著しく向上する。
【0017】
一方、高い熱物性を発現するには、乳酸成分の光学活性は高い方が好ましい。また、安価に光学活性の高い乳酸の得られる発酵合成による乳酸はL体が高純度に得られ、本発明中に使用される共重合体中の乳酸成分中にはL体が85%以上含まれることが好ましい。高い熱物性と揮発性化合物との相溶性の良い乳酸系ポリエステルを得るためには共重合体中の乳酸成分中のD/L比は15/85〜5/95であることが好ましい。
【0018】
さらに、商業的にはL−乳酸の方が容易に入手できることを考慮し、高い耐熱性と発泡剤の分散性を鑑みると、本発明中で使用する乳酸系ポリエステル中の乳酸成分のD/L比は25/75〜10/90であることが適している。
【0019】
本発明で使用する樹脂の原料のポリエステルについて説明する。その製造方法については特に限定されないが、ジカルボン酸とジオールを脱水縮合した構造をもつポリエステルであり、脱水・脱グリコール縮合やエステル交換反応により製造することができる。
【0020】
乳酸系ポリエステル中のジカルボン酸成分としては、特に限定されないが、具体的にはコハク酸、メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、メチルグルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0021】
乳酸系ポリエステル中のジオール成分に関しては、ジオールであれば特に種類を問わないが、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
【0022】
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、3−ヒドロキシピバリルピバレートエチレングリコール、水添ビスフェノールA等が挙げられる。高い耐熱性を得るためにはポリアルキレングリコールをジオール成分とすることが好ましく、具体的には分子量100〜2000000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等、または、これらの、混合物が挙げられる。
【0023】
また、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、ジイソシアネート修飾したポリエーテル、ジイソシアネート修飾したポリエステル、多価アルコールに2官能性イソシアネートで修飾した化合物、
【0024】
多価イソシアネートで修飾したポリエーテル、多価イソシアネートで修飾したポリエステル、またはこれらの混合物などによるウレタン結合、3官能以上の(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、大日本インキ化学工業社製エピクロン4400などの多価カルボン酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールなどを構成成分として含んでもよい。
【0025】
また共重合成分としてグリコライド等のヒドロキシ酸の環状二量化物や分子内ラクタイド類、特にε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ウンデカラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状エステル類やα−ヒドロキシカルボン酸を使用した構造を含んでもよい。
【0026】
乳酸系ポリエステルは、ある程度以上の分子量があることが好ましく、具体的に重量平均分子量で20,000〜400,000であり、更に好ましくは50,000〜350,000である。
【0027】
熱可塑性樹脂の発泡性粒子には一般的に揮発性発泡剤を用いたものや分解型発泡剤を用いたものがある。揮発性発泡剤は、樹脂に混合・含浸させた揮発性化合物を発泡剤として揮発により発泡させるものであり、分解型発泡剤は樹脂中に分散させた発泡剤を分解してガスを発生・発泡させるものをさす。
【0028】
一般的に揮発性発泡剤は低発泡倍率から高発泡倍率の発泡性粒子を得るときに使用され、分解型発泡剤は揮発型発泡剤を使用できない装置(プレス成形等)を使用する場合や適当な揮発性発泡剤がない場合に低発泡倍率の発泡性粒子を得る目的に使用される。揮発性発泡剤と分解型発泡剤を併用するとそれぞれ単独で使用する場合より高発泡倍率の発泡性粒子が得やすい傾向がある。
【0029】
本発明で用いる発泡剤としては、例えば脂肪族炭化水素系発泡剤、ハロゲン化炭化水素系発泡剤等が挙げられ、通常大気圧下での沸点が95℃以下のものを用いる。上記脂肪族炭化水素系発泡剤としては、例えばエタン、プロパン、プロピレン、ノルマルブタン、イソブタン、イソブチレン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、石油エーテル等が挙げられる。本発明では、特にペンタン、ブタン、およびプロパン、またはこれらの混合物の使用が好ましい。
【0030】
またハロゲン化炭化水素系発泡剤としては、例えば塩化メチル、塩化エチル、ジクロロエタン、クロロホルム、フルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、フルオロクロロメタン、フルオロクロロエタン、ジクロロジフルオロメタン、フロン(R−11、R−12)、代替フロン(R−134a)等が挙げられる。
【0031】
分解型発泡剤には有機発泡剤(アゾジルボンアミド、4,4’オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド、アゾビスイソブチロニトリル等)、無機発泡剤(重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム等)があるが本発明においていずれの分解型発泡剤を併用してもよい。また、炭酸ガス、窒素、ヘリウム、アルゴン等のガスを含浸させて揮発型発泡剤として使用したり、ガス状態のまま樹脂中に混合・分散させてもよい。また発泡剤は1種類のみでも2種類以上を組み合わせて使用してもよい。さらに発泡助剤として可塑剤、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、シクロヘキサンなどの溶剤を添加してもよい。
【0032】
添加剤には、発泡させるときに核になって泡の径の調節等の目的で添加する核剤を使用してもよい。核剤にはタルク、クエン酸ソーダ、エチレンビスステアリルアミド等があるが本発明においていずれの核剤を使用してもよい。
特に本発明で用いる無機質粉末としては、タルク、珪藻土、焼成パーライト、ベントナイト、陶土、アスベスト、ガラス、石灰石、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸第二鉄等が挙げられ、これらは併用しても差し支えない。
【0033】
また、無機質粉末の添加量としては、乳酸系ポリエステル100重量部に対して1.5重量部以下であることが必須であり、なかでも0.005〜1.0重量部が望ましい。添加量が1.5重量部より多い場合には、得られる発泡性粒子内に内部発泡によるボイドが発生し、粒子表面より発泡剤が逸散するとともに、粒子内部に水分を巻き込みやすくなる。
【0034】
発泡性粒子の品質を評価する場合、その用途に応じて気泡の径とそのばらつき、気泡がつながっている(連続気泡)か独立している(独立気泡)か、表面に気泡のない樹脂の層(スキン層)があるかないか、発泡倍率はどれくらいか、成形時に割れが生じたり変形したりしないかといったことが重要な要因になる。本発明は、生分解性を有し、耐熱性、ガス含浸性のある成形性に優れた発泡性粒子に関するものである。
【0035】
本発明で用いる発泡性粒子が粒状の場合、高温状態で溶剤と共に存在する重合物を冷却し、析出した粒状物を回収する方法で、球状の形状を有するもの得、発泡性粒子とするが好ましい。本発明で用いる発泡性粒子がフレーク状の場合、塊状の重合物やペレット状の重合物を粉砕機によって粉砕し、発泡性粒子とするものであり、特に限定されないが、薄片状、粉状、不定形状、球状或いは俵状の形状を有するものが好ましい。
【0036】
本発明で用いる発泡性粒子がペレット状の場合、重合物を押出し機等で押し出した後、カットして得られるものを発泡性粒子とするものであり、特に限定されないが、水中或いは空気中に押しだし、水中或いは空気中でカットした針状、球状或いは俵状の形状を有するものが好ましい。
【0037】
発泡剤を樹脂に含浸させる具体的な方法としては、特に限定されるものではないが、開放系容器、密閉されたガスバリア性のある容器、オートクレーブ、または、ヘンシェルミキサー若しくはスーパーミキサー等の高剪断力を有する攪拌装置等を用い混合する方法が挙げられる。
【0038】
この際、温度条件としては、通常、10〜140℃の範囲で適宜選択することができるが、より含浸性に優れる点から、30〜120℃の範囲、さらには40〜90℃の範囲が好ましい。好ましくはTg以上の温度が含浸性が高まり好ましい。また、含浸時の圧力は、特に限定されず、通常常圧下で行なうことができるが、20気圧までの加圧下に行ってもよい。具体的には0.5〜20気圧、好ましくは0.5〜15気圧の条件下で行なう方法が挙げられる。
【0039】
次に含浸工程終了時において、樹脂中の発泡剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂重量に対する重量比で、1〜20%の範囲であることが好ましく、なかでも、1〜10重量%の範囲であることが更に好ましい。
含浸させる為の混合時間は、特に限定されないが、やはり上述した樹脂中の適切な含有率を満足するために、通常、2分〜6時間、中でもオートクレーブ若しくは高剪断力を有する攪拌装置の場合、2分〜120分であり、その他の混合容器を用いた場合は1時間〜6時間であることが好ましい。
【0040】
この他にも本発明の発泡剤の含浸方法は、乳酸系ポリエステルと発泡剤とを、押出機内において溶融混練後、押出し、次いで切断する方法もあるが、当該方法で得られる発泡性粒子を用いた発泡成形体は、耐熱性並びにガス含浸性に優れ、成形性も極めて良好なものである。
【0041】
ここで、発泡剤が常温常圧で気体状でないならば発泡剤は、予め乳酸系ポリエステルと混合した後、押出機内に導入されてもよいし、常温常圧で気体状である場合を含めて発泡剤を乳酸系ポリエステルを溶融混練している際に押出機内に圧入してもよい。
【0042】
特に本発泡剤含浸法について、乳酸系ポリエステルと発泡剤、および必要に応じ添加される無機質粉末とを溶融混練する方法としては、特に限定はなく、例えば、これら2または3成分を溶融混練機を用いて乳酸系ポリエステルの溶融温度以上で溶融混練する方法が挙げられる。通常は単軸押出機、二軸押出機、タンデム型押出機等の押出機を用い、2または3成分を溶融混練した後、これをダイヘッドの押出孔から押し出す方法が一般的であるが、なかでも発泡剤及び無機質粉末の分散が良好な点で二軸押出機やタンデム型押出機を用いると好ましい。
【0043】
また、発泡剤は乳酸系ポリエステルが半溶融ないし溶融しているところ、例えば押出機の途中の部分から圧入すると好ましい。この様に溶融混練された発泡性乳酸系ポリエステルは、通常溶融混練機の先に取り付けられたダイヘッドの押出孔から、加圧液中に押し出した後、即時切断して粒子とする。
【0044】
ここで用いるダイヘッドとしては、例えば直径0.3〜3mm、好ましくは0.5〜1mmの押出孔を有するもの等が挙げられ、また切断装置としては、押出孔から押し出された乳酸系ポリエステルを即時高温状態で切断するカッターと加圧液とを内部に有するカッターチャンバーとが取付けられているものが挙げられる。
【0045】
加圧液としては、上記粒子の発泡を防止可能な圧力以上に加圧した水、グリコール、エチレングリコール、水とエチレングリコールの混合物等が挙げられ、通常加熱加圧された水を用いる。加圧液に加えられる圧力は、通常加圧液の温度における発泡剤の飽和蒸気圧以上の圧力で、カッターチャンバーに加圧液を満たした場合で通常1kg/cm2 以上、好ましくは5〜20kg/cm2 である。
【0046】
加圧液の温度は、特に限定されず、常温でもよいが、切断して得られた発泡性乳酸系ポリエステルのガラス転移温度(以下、Tgと略す)以上、特にTgから加圧下での加圧液の沸点未満の間の温度であると、得られた粒子が常温にまで急冷されないため、粒子内の残留応力が緩和されて、より均一な発泡ができる粒子が得られる様になり好ましい。水を用いた場合の温度は、通常20〜105℃であり、なかでも乳酸系ポリエステルの場合の温度は、35〜85℃が好ましい。
【0047】
次いで粒子は、大気圧下でも発泡しなくなる温度まで冷却してもよいが、直ちに冷却せずに加圧液の中でTg−5℃以上の温度に、通常2分間以上、好ましくは4〜10分間保持(必要に応じてTg以上の温度内で温度を上昇又は低下させてもよい。)あるいはTg前後の温度、好ましくはTg±5℃の温度範囲で徐冷して粒子内の残留応力の緩和を更に進めた後、冷却、好ましくは平均毎分5℃以上の速度で急冷すると望ましい。冷却された粒子は、次いで常圧下で分離、乾燥される。
【0048】
上記造粒後の粒子内の残留応力を緩和する方法は、特に限定されないが、例えばカッターチャンバーから出た乳酸系ポリエステルを、加圧液と共に応力緩和用加圧容器にその上部から供給し、Tg−5℃以上の温度以上に保持したまま、あるいはTg前後の温度、好ましくはTg±5℃の温度範囲で徐冷しつつ加圧液中をゆっくり落下させて、粒子内の残留応力を緩和させ、容器の底部から順次抜き出す方法、
【0049】
カッターチャンバーから出た乳酸系ポリエステルを、加圧液と共に移送管、例えば螺旋状の移送管に流入させ、この管内をTg−5℃以上の温度以上に保持したまま、あるいはTg前後の温度、好ましくはTg±5℃の温度範囲で徐冷しつつ加圧液と共に移送させて、粒子内の残留応力を緩和させる方法等が挙げられる。
また、粒子の冷却方法は、粒子の発泡を防止しつつ冷却できる方法であればよく、例えば加圧下、粒子と加圧液、又は加圧液を分離した粒子に冷却液を混合して冷却する方法等が挙げられる。
【0050】
この様にして溶融圧入された樹脂は、押出し機のダイスから押出され、次いで混練物を水中でカットして乳酸系ポリエステルの発泡性粒子とすることができる。製造後に水に濡れた状態の乳酸系ポリエステルの発泡性粒子は乾燥工程を通ることが好ましく、乾燥工程に用いる手法としては特に限定されるものではないが、遠心分離、空気、窒素等の乾燥気体による乾燥、室温以上の温風による乾燥が好ましい。
【0051】
また本発明においては、乳酸系ポリエステルの発泡性粒子は発泡剤の添加後、熟成工程を経ることにより、より均一なセル径の発泡体が得られる。
この熟成工程に用いる容器としては、特に限定されず、水槽や開放容器であっても減圧可能な容器であっても何れでもよい。
【0052】
揮発性発泡剤を単独あるいは併用で使用する場合、発泡剤含浸時に所謂発泡助剤を併用するのが好ましい。有機溶剤の例としてはシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びスチレン等の芳香族炭化水素類;エチレンジクロライド、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類などの公知慣用の溶剤を挙げることができる。この様な発泡助剤の使用量は、発泡剤の重量を算入しない樹脂の重量に対する重量比で、通常0.1〜5重量%である。
【0053】
さらに、本発明により得られる発泡性粒子表面に予備発泡時におけるブロッキング防止剤等の公知の各種改質剤、成形時における成形サイクル向上剤、帯電防止剤等の公知の各種改質剤を塗布させてもよい。
【0054】
本発明の発泡性粒子から成形体を得る迄の工程は、通常行われている方法でよく、特に限定されるものではないが、例えば、予じめ水蒸気を当てて加熱発泡するか、20〜150℃の温風によって予備発泡性粒子とし(予備発泡行程)、予備発泡性粒子を大気にさらし、空気を粒子内に浸透させかつ必要に応じ粒子に付着した水分を除去し(熟成工程)、次いでこの熟成工程を経た予備発泡性粒子を小さな孔やスリットが設けられている閉鎖型金型の型内に充填し、更に水蒸気または温風によって加熱再発泡することにより、個々の粒子を融着一体化した成形体とする方法を挙げることができる。
【0055】
本発明の乳酸系ポリエステル発泡性粒子の用途は、日用雑貨、玩具、食品容器、産業資材、工業用品、建築用資材、保冷材、緩衝材等が挙げられる。特に、柔軟性、成形加工性、耐水性もよく、水分を含む食品包装には特に有望である。また同一あるいは他の樹脂の非発泡粒子との積層体としてもよく、これを食品包装等に使用することができる。
【0056】
本発明で得られる乳酸系ポリエステルの発泡粒子は、良い生分解性を持ち、そのまま、もしくは成形加工され汎用樹脂、包装材料等に使用された後、土中に廃棄されたり海中に投棄された場合、加水分解、微生物分解を受ける。海水中での分解も数カ月で樹脂としての強度が劣化し、さらに時間をかけると外形を保たないまでに分解可能である。
【0057】
【実施例】
以下に実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお、例中の部は特に記載のない限り全て重量基準である。
【0058】
(製造例1)
脂肪族ポリエステル(セバシン酸成分49.7モル%、1,3−プロピレングリコール成分49.7モル%、エピクロン4400成分(大日本インキ化学工業社製)0.6%、重量平均分子量160,000(ポリスチレン換算))5部に、L−ラクタイド85部、D−ラクタイド10部および溶媒としてトルエンを少量加えて、不活性ガス雰囲気下、175℃で0.5時間、両者を溶融・混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加えて5時間反応し、0.6torr、175℃で揮発成分を脱揮除去した。製造された樹脂は直径1mmのストランドとして取り出し、長さ2mmのペレットとした。重量平均分子量は195,000(ポリスチレン換算)(樹脂A)であった。
【0059】
(製造例2)
脂肪族ポリエステル(コハク酸成分50モル%、ポリプロピレングリコール成分50モル%、重量平均分子量52,000(ポリスチレン換算))30部に、L−ラクタイド55部とD−ラクタイド15部、および溶媒としてトルエン少量を加えて、不活性ガス雰囲気下、175℃で0.5時間、両者を溶融・混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加えて5時間反応し、取り出して冷却・ペレット化後、1torr・185℃で揮発成分を脱揮除去した。製造された樹脂は直径1mmのストランドとして取り出し、長さ3mmのペレットとした。さらにこの樹脂を粉砕機(ロートレクス社製)によって平均粒径約1mmの粒子とした。重量平均分子量は110,000(ポリスチレン換算)(樹脂B)であった。
【0060】
(製造例3)
脂肪族ポリエステル(アジピン酸成分50モル%、ポリプロピレングリコール成分50モル%、重量平均分子量68,000(ポリスチレン換算))50部に、L−ラクタイド45部とD−ラクタイド5部、および溶媒としてトルエン少量を加えて、不活性ガス雰囲気下、175℃で0.5時間、両者を溶融・混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加えて3.5時間反応し、直径2.5mmのストランドとして取り出し、長さ3mmのペレットとした。このペレットをメタノール中に入れ、15分間の攪拌を行い、60℃、減圧下に乾燥し、揮発成分を除去した。重量平均分子量は90,000(ポリスチレン換算)(樹脂C)であった。
【0061】
(実施例1)
攪拌装置を備えた5リットルステンレス製反応器に2500gの蒸留水と1500gの製造例1で製造されたペレットを仕込み、攪拌しながら50℃に昇温し、50gのトルエンを添加し、15分後ブタン135gを圧入した。15℃/hrの昇温速度で80℃まで昇温し、この温度で2時間保持させた。保持終了後、20℃まで冷却してから内容物を抜き出し、脱水・乾燥を行い俵状の発泡性乳酸系ポリエステルを得た。
【0062】
次いで得られた樹脂粒子を1日熟成後、ステアリン酸亜鉛300ppmでコーティングし、スチーム圧0.5kg/cm2の棚式発泡機の水蒸気で2分間加熱してかさ比重を測定した。測定結果を表1に示した。
この熟成後の予備発泡粒子を密閉金型に充填してスチーム成形機で0.5kg/cm2のスチーム圧で成形を行い各25×300×500mmの成形体を得て、それぞれの成形品の表面状態を評価した。評価結果を表1に示す。
【0063】
表1中の「表面状態」の測定方法は以下の通りである。
「表面状態」
(粒間ピンホールの割合)
成形体表面の10cm×10cmの面積内における、次式で表わされる割合
(ピンホールの数)/(粒間数+ピンホールの数)
(表面状態の目視評価)
成形品表面の平滑性を目視評価。
◎〜良好。
△〜やや不良。
×〜規定倍率まで発泡せず。気泡が潰れている。
【0064】
(生分解性試験)
容量100リットルの新輝合成社製コンポスト化容器トンボミラクルコンポ100型を使用し、これに生ごみ50kgをいれ、10cm×10cmの本発明の発泡性粒子を用いて作成した発泡シートのサンプルを置いて、さらに生ごみを約5cm程度の厚さに入れた。その上にアロン化成社製発酵促進剤ニュークサミノン500gをふりかけた。装置は屋外に設置した。試験開始から1カ月後に試験片を取り出し、次の4段階で評価した。
【0065】
◎:原形をとどめない状態までぼろぼろになった
○:元の形状はとどめているがもろくなっている
△:変化は認められるが、崩壊するところまで分解が進んでいない
×:全く変化なし
結果を表1に示す。
【0066】
(実施例2)
攪拌装置を備えた5リットルステンレス製反応器に2500gの蒸留水と1500gの製造例2で得られた乳酸系ポリエステル、および燐酸第三カルシウム25gを仕込み、攪拌しながら60℃に昇温し、30gのトルエンを添加し、15分後ブタン135gを圧入した。15℃/hrの昇温速度で90℃まで昇温し、この温度で2時間保持させた。保持終了後、20℃まで冷却してから内容物を抜き出し、脱水・乾燥を行い俵状の発泡性スチレン系樹脂粒状形状物を得た。
得られた発泡性乳酸系ポリエステルを用い実施例1と同様にしてかさ倍率の測定、発泡成形体の製造並びに評価を行った。表1に結果を示す。
実施例1と同様に生分解性試験を行い結果を表1に示す。
【0067】
(実施例3)
製造例3によって得られた乳酸系ポリエステル100部とタルク0.02部とからなる混合物を第1段押出機と第2段押出機とからなるタンデム型押出機のホッパーより供給して押出し、次いでブタン7部を第一段押出機後半の注入口より供給し、第1段押出機および第2段押出機で乳酸系ポリエステルとブタンとを溶融混練した。この時、樹脂温度は160℃、樹脂圧力は120kg/cm2 を示した。
【0068】
溶融混練した樹脂を、第二段押出機のダイヘッド(押出孔0.7mmφ×100個)を通して、50℃、10kg/cm2 の加圧水で満たされたカッターチャンバーの中に40kg/hrの割合で押出し、直ちにカッターで水中カットして、0.7mm径の粒子を得た。
【0069】
この粒子を6m3 /hrの加圧水が循環し、60℃、10Kg/cm2 に保持された500リットルの応力緩和用加圧容器中に移送し、5分間滞留させて粒子の残留応力を緩和させた後、冷却用加圧容器に移送して25℃まで冷却し、減圧後、粒子を系外へ取り出し、遠心脱水機で脱水し、乾燥して、発泡性乳酸系ポリエステル粒子の原粒を得た。表1に結果を示す。
実施例1と同様に生分解性試験を行い結果を表1に示す。
【0070】
(比較例1)
直径1mm、長さ2mmのポリ−L−乳酸を用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して発泡性乳酸系ポリエステルを得た。次いで、実施例1と同様にかさ倍率の測定、発泡成形体の製造並びに生分解性の評価を行った。表1に結果を示す。発泡剤がほとんど含浸されないことがわかった。
【0071】
(比較例2)
直径1mm、長さ2mmのポリ−DL−乳酸を用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して発泡性乳酸系ポリエステルを得た。次いで、実施例1と同様にかさ倍率の測定、発泡成形体の製造並びに生分解性の評価を行った。表1に結果を示す。発泡成形体の耐熱性は低く、押し潰れた気泡、粒子間の融着が激しかった。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】
本発明は、優れた生分解性、発泡性、柔軟性、耐衝撃性と成形加工性を有する乳酸系プラスチクスの発泡性粒子を提供できる。
【産業上の利用分野】
本発明は乳酸とジカルボン酸とジオールが脱水縮合した構造を有する乳酸系ポリエステルを用いた発泡性粒子に関するものである。本発明の乳酸系ポリエステルの発泡性粒子は、さらなる成形を行い、食品用包装材、例えば魚箱、ミートトレイ、飲料用カップ、緩衝材、例えば家庭電気製品用緩衝材等の緩衝材、道路舗装中の軽量化材、断熱材、例えば保冷箱、建築材に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃棄物処理の問題、特に、埋め立て地の不足から、生分解性プラスチクスが注目されている。また、海洋投棄され、海上に浮遊する廃棄物の多くはプラスチクスであることが知られている。このような状況下で、生分解性プラスチクスは廃棄物処理問題の軽減のための有望な方策である。
【0003】
なかでも、乳酸系プラスチクスは安全性が高く、原料の乳酸が安価な廃糖蜜、コーンスターチ、チーズホエーなどから発酵により製造されるため経済的にも有利で、焼却時の燃焼カロリーも低い為、その活用研究が盛んに行われている。
【0004】
乳酸系プラスチクスの発泡体については、特開平4−304244号公報、WO92/01737号公報、特開平5−140361号公報等の特許出願があり、さらに、発泡性粒子については特開平5−170965号公報、特開平5−170966号公報の特許出願がある。それらはポリ乳酸及び乳酸成分とε−カプロラクトン成分やグリコライド成分等の開環重合に使用できるモノマー成分またはヒドロキシカルボン酸のように乳酸共重合できる成分での共重合体の発泡体に関するものである。
【0005】
ポリ乳酸の発泡体に関しては、一般に他の化合物との相溶性が悪く、発泡性粒子を作成する際も揮発性化合物を吸収させることが困難である。物性的にも弾性、復元力に乏しく衝撃に対して脆い性質があり、一方、乳酸と他のモノマー成分との共重合体については耐熱性が劣るため、成形加工時に安定した成形品を得ることが難しく、限られた用途にしか使用できなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、優れた生分解性、発泡性、十分な柔軟性、耐衝撃性と優れた成形加工性を有する乳酸系プラスチクスの発泡性粒子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決すべく、本発明者らが鋭意検討した結果、ジカルボン酸、ジオールを脱水縮合した構造単位を含む重量平均分子量が2万〜40万の乳酸系ポリエステルから、耐熱性、ガス含浸性があって、成形加工性に優れた発泡性粒子を得ることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0008】
【構成】
即ち、本発明は乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体に揮発性化合物を吸収させたことを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子である。
【0009】
また本発明は、乳酸成分とジカルボン酸成分とポリオキシアルキレンエーテルジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体に揮発性化合物を吸収させたことを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子である。詳しくは、前記乳酸系ポリエステル共重合体の全構造単位中の乳酸成分の重量割合が50%〜98%である乳酸系ポリエステルの発泡性粒子である。
【0010】
本発明の発泡性粒子は、含有する揮発性化合物が特にペンタン、ブタン、およびプロパン、またはこれらの混合物である乳酸系ポリエステルの発泡性粒子である。
【0011】
更に本発明は、有機溶媒中に溶解していた乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体を冷却することによって粒子を得、さらに揮発性化合物を吸収させることを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法、乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体を粉砕することによって粒子を得、さらに揮発性化合物を吸収させることを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法、乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体と揮発性化合物とを、押出機内において混練後、押出し、次いで切断することを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法である。
【0012】
また本発明は、乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体と揮発性化合物とを混練し、次いでこれをダイヘッドの押出孔から加圧液中に押出し、即時切断した後、冷却することを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法、乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体と、揮発性化合物と、乳酸系ポリエステル100重量部に対して1.5重量部以下の無機質粉末とを混練し、次いでこれをダイヘッドの押出孔から加圧液中に押出し、即時切断した後、冷却することを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法である。
【0013】
更に、本発明は乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体と、揮発性化合物と、および必要に応じ無機質粉末とを混練し、次いでこれをダイヘッドの押出孔から発泡性乳酸系ポリエステルのガラス転移温度(以下、Tgと略す)−5℃以上の加熱加圧液中に押出し、切断して得た粒子を加熱加圧液中で徐冷するか、又は同温度以上に保持した後、冷却することを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法を含むものである。
【0014】
以下に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明で使用する乳酸系ポリエステルの製造方法は、ジカルボン酸成分とジオール成分からなるポリエステルと乳酸の脱水環状物であるラクタイドとを開環重合触媒の共存下に共重合する方法、もしくは、ラクタイドを原料として得たポリ乳酸、あるいは溶剤の共存/非存在下に縮合し得られたポリ乳酸と、ジカルボン酸成分とジオール成分からなるポリエステルとをエステル交換触媒の共存下にエステル交換して得ることができる。
【0015】
得られた乳酸系ポリエステルは減圧下、または、良溶剤共存下に貧溶剤中に沈澱することによって、または乳酸系ポリエステルを溶解させず、揮発成分を溶解できる溶剤で洗浄することによって、残留ラクタイド等の揮発成分を除くことが、得られた発泡性粒子の耐熱性、貯蔵性を高めるために好ましい。
【0016】
本発明で用いる、揮発性化合物との相溶性の良い乳酸系ポリエステルを得るためには、乳酸成分中の光学活性D/Lが95/5〜5/95であることが好ましく、さらに、D/L比が75/25〜25/75であると乳酸系ポリエステルは様々な化合物との相溶性が著しく向上する。
【0017】
一方、高い熱物性を発現するには、乳酸成分の光学活性は高い方が好ましい。また、安価に光学活性の高い乳酸の得られる発酵合成による乳酸はL体が高純度に得られ、本発明中に使用される共重合体中の乳酸成分中にはL体が85%以上含まれることが好ましい。高い熱物性と揮発性化合物との相溶性の良い乳酸系ポリエステルを得るためには共重合体中の乳酸成分中のD/L比は15/85〜5/95であることが好ましい。
【0018】
さらに、商業的にはL−乳酸の方が容易に入手できることを考慮し、高い耐熱性と発泡剤の分散性を鑑みると、本発明中で使用する乳酸系ポリエステル中の乳酸成分のD/L比は25/75〜10/90であることが適している。
【0019】
本発明で使用する樹脂の原料のポリエステルについて説明する。その製造方法については特に限定されないが、ジカルボン酸とジオールを脱水縮合した構造をもつポリエステルであり、脱水・脱グリコール縮合やエステル交換反応により製造することができる。
【0020】
乳酸系ポリエステル中のジカルボン酸成分としては、特に限定されないが、具体的にはコハク酸、メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、メチルグルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0021】
乳酸系ポリエステル中のジオール成分に関しては、ジオールであれば特に種類を問わないが、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
【0022】
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、3−ヒドロキシピバリルピバレートエチレングリコール、水添ビスフェノールA等が挙げられる。高い耐熱性を得るためにはポリアルキレングリコールをジオール成分とすることが好ましく、具体的には分子量100〜2000000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等、または、これらの、混合物が挙げられる。
【0023】
また、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、ジイソシアネート修飾したポリエーテル、ジイソシアネート修飾したポリエステル、多価アルコールに2官能性イソシアネートで修飾した化合物、
【0024】
多価イソシアネートで修飾したポリエーテル、多価イソシアネートで修飾したポリエステル、またはこれらの混合物などによるウレタン結合、3官能以上の(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、大日本インキ化学工業社製エピクロン4400などの多価カルボン酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールなどを構成成分として含んでもよい。
【0025】
また共重合成分としてグリコライド等のヒドロキシ酸の環状二量化物や分子内ラクタイド類、特にε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ウンデカラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状エステル類やα−ヒドロキシカルボン酸を使用した構造を含んでもよい。
【0026】
乳酸系ポリエステルは、ある程度以上の分子量があることが好ましく、具体的に重量平均分子量で20,000〜400,000であり、更に好ましくは50,000〜350,000である。
【0027】
熱可塑性樹脂の発泡性粒子には一般的に揮発性発泡剤を用いたものや分解型発泡剤を用いたものがある。揮発性発泡剤は、樹脂に混合・含浸させた揮発性化合物を発泡剤として揮発により発泡させるものであり、分解型発泡剤は樹脂中に分散させた発泡剤を分解してガスを発生・発泡させるものをさす。
【0028】
一般的に揮発性発泡剤は低発泡倍率から高発泡倍率の発泡性粒子を得るときに使用され、分解型発泡剤は揮発型発泡剤を使用できない装置(プレス成形等)を使用する場合や適当な揮発性発泡剤がない場合に低発泡倍率の発泡性粒子を得る目的に使用される。揮発性発泡剤と分解型発泡剤を併用するとそれぞれ単独で使用する場合より高発泡倍率の発泡性粒子が得やすい傾向がある。
【0029】
本発明で用いる発泡剤としては、例えば脂肪族炭化水素系発泡剤、ハロゲン化炭化水素系発泡剤等が挙げられ、通常大気圧下での沸点が95℃以下のものを用いる。上記脂肪族炭化水素系発泡剤としては、例えばエタン、プロパン、プロピレン、ノルマルブタン、イソブタン、イソブチレン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、石油エーテル等が挙げられる。本発明では、特にペンタン、ブタン、およびプロパン、またはこれらの混合物の使用が好ましい。
【0030】
またハロゲン化炭化水素系発泡剤としては、例えば塩化メチル、塩化エチル、ジクロロエタン、クロロホルム、フルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、フルオロクロロメタン、フルオロクロロエタン、ジクロロジフルオロメタン、フロン(R−11、R−12)、代替フロン(R−134a)等が挙げられる。
【0031】
分解型発泡剤には有機発泡剤(アゾジルボンアミド、4,4’オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド、アゾビスイソブチロニトリル等)、無機発泡剤(重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム等)があるが本発明においていずれの分解型発泡剤を併用してもよい。また、炭酸ガス、窒素、ヘリウム、アルゴン等のガスを含浸させて揮発型発泡剤として使用したり、ガス状態のまま樹脂中に混合・分散させてもよい。また発泡剤は1種類のみでも2種類以上を組み合わせて使用してもよい。さらに発泡助剤として可塑剤、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、シクロヘキサンなどの溶剤を添加してもよい。
【0032】
添加剤には、発泡させるときに核になって泡の径の調節等の目的で添加する核剤を使用してもよい。核剤にはタルク、クエン酸ソーダ、エチレンビスステアリルアミド等があるが本発明においていずれの核剤を使用してもよい。
特に本発明で用いる無機質粉末としては、タルク、珪藻土、焼成パーライト、ベントナイト、陶土、アスベスト、ガラス、石灰石、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸第二鉄等が挙げられ、これらは併用しても差し支えない。
【0033】
また、無機質粉末の添加量としては、乳酸系ポリエステル100重量部に対して1.5重量部以下であることが必須であり、なかでも0.005〜1.0重量部が望ましい。添加量が1.5重量部より多い場合には、得られる発泡性粒子内に内部発泡によるボイドが発生し、粒子表面より発泡剤が逸散するとともに、粒子内部に水分を巻き込みやすくなる。
【0034】
発泡性粒子の品質を評価する場合、その用途に応じて気泡の径とそのばらつき、気泡がつながっている(連続気泡)か独立している(独立気泡)か、表面に気泡のない樹脂の層(スキン層)があるかないか、発泡倍率はどれくらいか、成形時に割れが生じたり変形したりしないかといったことが重要な要因になる。本発明は、生分解性を有し、耐熱性、ガス含浸性のある成形性に優れた発泡性粒子に関するものである。
【0035】
本発明で用いる発泡性粒子が粒状の場合、高温状態で溶剤と共に存在する重合物を冷却し、析出した粒状物を回収する方法で、球状の形状を有するもの得、発泡性粒子とするが好ましい。本発明で用いる発泡性粒子がフレーク状の場合、塊状の重合物やペレット状の重合物を粉砕機によって粉砕し、発泡性粒子とするものであり、特に限定されないが、薄片状、粉状、不定形状、球状或いは俵状の形状を有するものが好ましい。
【0036】
本発明で用いる発泡性粒子がペレット状の場合、重合物を押出し機等で押し出した後、カットして得られるものを発泡性粒子とするものであり、特に限定されないが、水中或いは空気中に押しだし、水中或いは空気中でカットした針状、球状或いは俵状の形状を有するものが好ましい。
【0037】
発泡剤を樹脂に含浸させる具体的な方法としては、特に限定されるものではないが、開放系容器、密閉されたガスバリア性のある容器、オートクレーブ、または、ヘンシェルミキサー若しくはスーパーミキサー等の高剪断力を有する攪拌装置等を用い混合する方法が挙げられる。
【0038】
この際、温度条件としては、通常、10〜140℃の範囲で適宜選択することができるが、より含浸性に優れる点から、30〜120℃の範囲、さらには40〜90℃の範囲が好ましい。好ましくはTg以上の温度が含浸性が高まり好ましい。また、含浸時の圧力は、特に限定されず、通常常圧下で行なうことができるが、20気圧までの加圧下に行ってもよい。具体的には0.5〜20気圧、好ましくは0.5〜15気圧の条件下で行なう方法が挙げられる。
【0039】
次に含浸工程終了時において、樹脂中の発泡剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂重量に対する重量比で、1〜20%の範囲であることが好ましく、なかでも、1〜10重量%の範囲であることが更に好ましい。
含浸させる為の混合時間は、特に限定されないが、やはり上述した樹脂中の適切な含有率を満足するために、通常、2分〜6時間、中でもオートクレーブ若しくは高剪断力を有する攪拌装置の場合、2分〜120分であり、その他の混合容器を用いた場合は1時間〜6時間であることが好ましい。
【0040】
この他にも本発明の発泡剤の含浸方法は、乳酸系ポリエステルと発泡剤とを、押出機内において溶融混練後、押出し、次いで切断する方法もあるが、当該方法で得られる発泡性粒子を用いた発泡成形体は、耐熱性並びにガス含浸性に優れ、成形性も極めて良好なものである。
【0041】
ここで、発泡剤が常温常圧で気体状でないならば発泡剤は、予め乳酸系ポリエステルと混合した後、押出機内に導入されてもよいし、常温常圧で気体状である場合を含めて発泡剤を乳酸系ポリエステルを溶融混練している際に押出機内に圧入してもよい。
【0042】
特に本発泡剤含浸法について、乳酸系ポリエステルと発泡剤、および必要に応じ添加される無機質粉末とを溶融混練する方法としては、特に限定はなく、例えば、これら2または3成分を溶融混練機を用いて乳酸系ポリエステルの溶融温度以上で溶融混練する方法が挙げられる。通常は単軸押出機、二軸押出機、タンデム型押出機等の押出機を用い、2または3成分を溶融混練した後、これをダイヘッドの押出孔から押し出す方法が一般的であるが、なかでも発泡剤及び無機質粉末の分散が良好な点で二軸押出機やタンデム型押出機を用いると好ましい。
【0043】
また、発泡剤は乳酸系ポリエステルが半溶融ないし溶融しているところ、例えば押出機の途中の部分から圧入すると好ましい。この様に溶融混練された発泡性乳酸系ポリエステルは、通常溶融混練機の先に取り付けられたダイヘッドの押出孔から、加圧液中に押し出した後、即時切断して粒子とする。
【0044】
ここで用いるダイヘッドとしては、例えば直径0.3〜3mm、好ましくは0.5〜1mmの押出孔を有するもの等が挙げられ、また切断装置としては、押出孔から押し出された乳酸系ポリエステルを即時高温状態で切断するカッターと加圧液とを内部に有するカッターチャンバーとが取付けられているものが挙げられる。
【0045】
加圧液としては、上記粒子の発泡を防止可能な圧力以上に加圧した水、グリコール、エチレングリコール、水とエチレングリコールの混合物等が挙げられ、通常加熱加圧された水を用いる。加圧液に加えられる圧力は、通常加圧液の温度における発泡剤の飽和蒸気圧以上の圧力で、カッターチャンバーに加圧液を満たした場合で通常1kg/cm2 以上、好ましくは5〜20kg/cm2 である。
【0046】
加圧液の温度は、特に限定されず、常温でもよいが、切断して得られた発泡性乳酸系ポリエステルのガラス転移温度(以下、Tgと略す)以上、特にTgから加圧下での加圧液の沸点未満の間の温度であると、得られた粒子が常温にまで急冷されないため、粒子内の残留応力が緩和されて、より均一な発泡ができる粒子が得られる様になり好ましい。水を用いた場合の温度は、通常20〜105℃であり、なかでも乳酸系ポリエステルの場合の温度は、35〜85℃が好ましい。
【0047】
次いで粒子は、大気圧下でも発泡しなくなる温度まで冷却してもよいが、直ちに冷却せずに加圧液の中でTg−5℃以上の温度に、通常2分間以上、好ましくは4〜10分間保持(必要に応じてTg以上の温度内で温度を上昇又は低下させてもよい。)あるいはTg前後の温度、好ましくはTg±5℃の温度範囲で徐冷して粒子内の残留応力の緩和を更に進めた後、冷却、好ましくは平均毎分5℃以上の速度で急冷すると望ましい。冷却された粒子は、次いで常圧下で分離、乾燥される。
【0048】
上記造粒後の粒子内の残留応力を緩和する方法は、特に限定されないが、例えばカッターチャンバーから出た乳酸系ポリエステルを、加圧液と共に応力緩和用加圧容器にその上部から供給し、Tg−5℃以上の温度以上に保持したまま、あるいはTg前後の温度、好ましくはTg±5℃の温度範囲で徐冷しつつ加圧液中をゆっくり落下させて、粒子内の残留応力を緩和させ、容器の底部から順次抜き出す方法、
【0049】
カッターチャンバーから出た乳酸系ポリエステルを、加圧液と共に移送管、例えば螺旋状の移送管に流入させ、この管内をTg−5℃以上の温度以上に保持したまま、あるいはTg前後の温度、好ましくはTg±5℃の温度範囲で徐冷しつつ加圧液と共に移送させて、粒子内の残留応力を緩和させる方法等が挙げられる。
また、粒子の冷却方法は、粒子の発泡を防止しつつ冷却できる方法であればよく、例えば加圧下、粒子と加圧液、又は加圧液を分離した粒子に冷却液を混合して冷却する方法等が挙げられる。
【0050】
この様にして溶融圧入された樹脂は、押出し機のダイスから押出され、次いで混練物を水中でカットして乳酸系ポリエステルの発泡性粒子とすることができる。製造後に水に濡れた状態の乳酸系ポリエステルの発泡性粒子は乾燥工程を通ることが好ましく、乾燥工程に用いる手法としては特に限定されるものではないが、遠心分離、空気、窒素等の乾燥気体による乾燥、室温以上の温風による乾燥が好ましい。
【0051】
また本発明においては、乳酸系ポリエステルの発泡性粒子は発泡剤の添加後、熟成工程を経ることにより、より均一なセル径の発泡体が得られる。
この熟成工程に用いる容器としては、特に限定されず、水槽や開放容器であっても減圧可能な容器であっても何れでもよい。
【0052】
揮発性発泡剤を単独あるいは併用で使用する場合、発泡剤含浸時に所謂発泡助剤を併用するのが好ましい。有機溶剤の例としてはシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びスチレン等の芳香族炭化水素類;エチレンジクロライド、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類などの公知慣用の溶剤を挙げることができる。この様な発泡助剤の使用量は、発泡剤の重量を算入しない樹脂の重量に対する重量比で、通常0.1〜5重量%である。
【0053】
さらに、本発明により得られる発泡性粒子表面に予備発泡時におけるブロッキング防止剤等の公知の各種改質剤、成形時における成形サイクル向上剤、帯電防止剤等の公知の各種改質剤を塗布させてもよい。
【0054】
本発明の発泡性粒子から成形体を得る迄の工程は、通常行われている方法でよく、特に限定されるものではないが、例えば、予じめ水蒸気を当てて加熱発泡するか、20〜150℃の温風によって予備発泡性粒子とし(予備発泡行程)、予備発泡性粒子を大気にさらし、空気を粒子内に浸透させかつ必要に応じ粒子に付着した水分を除去し(熟成工程)、次いでこの熟成工程を経た予備発泡性粒子を小さな孔やスリットが設けられている閉鎖型金型の型内に充填し、更に水蒸気または温風によって加熱再発泡することにより、個々の粒子を融着一体化した成形体とする方法を挙げることができる。
【0055】
本発明の乳酸系ポリエステル発泡性粒子の用途は、日用雑貨、玩具、食品容器、産業資材、工業用品、建築用資材、保冷材、緩衝材等が挙げられる。特に、柔軟性、成形加工性、耐水性もよく、水分を含む食品包装には特に有望である。また同一あるいは他の樹脂の非発泡粒子との積層体としてもよく、これを食品包装等に使用することができる。
【0056】
本発明で得られる乳酸系ポリエステルの発泡粒子は、良い生分解性を持ち、そのまま、もしくは成形加工され汎用樹脂、包装材料等に使用された後、土中に廃棄されたり海中に投棄された場合、加水分解、微生物分解を受ける。海水中での分解も数カ月で樹脂としての強度が劣化し、さらに時間をかけると外形を保たないまでに分解可能である。
【0057】
【実施例】
以下に実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお、例中の部は特に記載のない限り全て重量基準である。
【0058】
(製造例1)
脂肪族ポリエステル(セバシン酸成分49.7モル%、1,3−プロピレングリコール成分49.7モル%、エピクロン4400成分(大日本インキ化学工業社製)0.6%、重量平均分子量160,000(ポリスチレン換算))5部に、L−ラクタイド85部、D−ラクタイド10部および溶媒としてトルエンを少量加えて、不活性ガス雰囲気下、175℃で0.5時間、両者を溶融・混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加えて5時間反応し、0.6torr、175℃で揮発成分を脱揮除去した。製造された樹脂は直径1mmのストランドとして取り出し、長さ2mmのペレットとした。重量平均分子量は195,000(ポリスチレン換算)(樹脂A)であった。
【0059】
(製造例2)
脂肪族ポリエステル(コハク酸成分50モル%、ポリプロピレングリコール成分50モル%、重量平均分子量52,000(ポリスチレン換算))30部に、L−ラクタイド55部とD−ラクタイド15部、および溶媒としてトルエン少量を加えて、不活性ガス雰囲気下、175℃で0.5時間、両者を溶融・混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加えて5時間反応し、取り出して冷却・ペレット化後、1torr・185℃で揮発成分を脱揮除去した。製造された樹脂は直径1mmのストランドとして取り出し、長さ3mmのペレットとした。さらにこの樹脂を粉砕機(ロートレクス社製)によって平均粒径約1mmの粒子とした。重量平均分子量は110,000(ポリスチレン換算)(樹脂B)であった。
【0060】
(製造例3)
脂肪族ポリエステル(アジピン酸成分50モル%、ポリプロピレングリコール成分50モル%、重量平均分子量68,000(ポリスチレン換算))50部に、L−ラクタイド45部とD−ラクタイド5部、および溶媒としてトルエン少量を加えて、不活性ガス雰囲気下、175℃で0.5時間、両者を溶融・混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加えて3.5時間反応し、直径2.5mmのストランドとして取り出し、長さ3mmのペレットとした。このペレットをメタノール中に入れ、15分間の攪拌を行い、60℃、減圧下に乾燥し、揮発成分を除去した。重量平均分子量は90,000(ポリスチレン換算)(樹脂C)であった。
【0061】
(実施例1)
攪拌装置を備えた5リットルステンレス製反応器に2500gの蒸留水と1500gの製造例1で製造されたペレットを仕込み、攪拌しながら50℃に昇温し、50gのトルエンを添加し、15分後ブタン135gを圧入した。15℃/hrの昇温速度で80℃まで昇温し、この温度で2時間保持させた。保持終了後、20℃まで冷却してから内容物を抜き出し、脱水・乾燥を行い俵状の発泡性乳酸系ポリエステルを得た。
【0062】
次いで得られた樹脂粒子を1日熟成後、ステアリン酸亜鉛300ppmでコーティングし、スチーム圧0.5kg/cm2の棚式発泡機の水蒸気で2分間加熱してかさ比重を測定した。測定結果を表1に示した。
この熟成後の予備発泡粒子を密閉金型に充填してスチーム成形機で0.5kg/cm2のスチーム圧で成形を行い各25×300×500mmの成形体を得て、それぞれの成形品の表面状態を評価した。評価結果を表1に示す。
【0063】
表1中の「表面状態」の測定方法は以下の通りである。
「表面状態」
(粒間ピンホールの割合)
成形体表面の10cm×10cmの面積内における、次式で表わされる割合
(ピンホールの数)/(粒間数+ピンホールの数)
(表面状態の目視評価)
成形品表面の平滑性を目視評価。
◎〜良好。
△〜やや不良。
×〜規定倍率まで発泡せず。気泡が潰れている。
【0064】
(生分解性試験)
容量100リットルの新輝合成社製コンポスト化容器トンボミラクルコンポ100型を使用し、これに生ごみ50kgをいれ、10cm×10cmの本発明の発泡性粒子を用いて作成した発泡シートのサンプルを置いて、さらに生ごみを約5cm程度の厚さに入れた。その上にアロン化成社製発酵促進剤ニュークサミノン500gをふりかけた。装置は屋外に設置した。試験開始から1カ月後に試験片を取り出し、次の4段階で評価した。
【0065】
◎:原形をとどめない状態までぼろぼろになった
○:元の形状はとどめているがもろくなっている
△:変化は認められるが、崩壊するところまで分解が進んでいない
×:全く変化なし
結果を表1に示す。
【0066】
(実施例2)
攪拌装置を備えた5リットルステンレス製反応器に2500gの蒸留水と1500gの製造例2で得られた乳酸系ポリエステル、および燐酸第三カルシウム25gを仕込み、攪拌しながら60℃に昇温し、30gのトルエンを添加し、15分後ブタン135gを圧入した。15℃/hrの昇温速度で90℃まで昇温し、この温度で2時間保持させた。保持終了後、20℃まで冷却してから内容物を抜き出し、脱水・乾燥を行い俵状の発泡性スチレン系樹脂粒状形状物を得た。
得られた発泡性乳酸系ポリエステルを用い実施例1と同様にしてかさ倍率の測定、発泡成形体の製造並びに評価を行った。表1に結果を示す。
実施例1と同様に生分解性試験を行い結果を表1に示す。
【0067】
(実施例3)
製造例3によって得られた乳酸系ポリエステル100部とタルク0.02部とからなる混合物を第1段押出機と第2段押出機とからなるタンデム型押出機のホッパーより供給して押出し、次いでブタン7部を第一段押出機後半の注入口より供給し、第1段押出機および第2段押出機で乳酸系ポリエステルとブタンとを溶融混練した。この時、樹脂温度は160℃、樹脂圧力は120kg/cm2 を示した。
【0068】
溶融混練した樹脂を、第二段押出機のダイヘッド(押出孔0.7mmφ×100個)を通して、50℃、10kg/cm2 の加圧水で満たされたカッターチャンバーの中に40kg/hrの割合で押出し、直ちにカッターで水中カットして、0.7mm径の粒子を得た。
【0069】
この粒子を6m3 /hrの加圧水が循環し、60℃、10Kg/cm2 に保持された500リットルの応力緩和用加圧容器中に移送し、5分間滞留させて粒子の残留応力を緩和させた後、冷却用加圧容器に移送して25℃まで冷却し、減圧後、粒子を系外へ取り出し、遠心脱水機で脱水し、乾燥して、発泡性乳酸系ポリエステル粒子の原粒を得た。表1に結果を示す。
実施例1と同様に生分解性試験を行い結果を表1に示す。
【0070】
(比較例1)
直径1mm、長さ2mmのポリ−L−乳酸を用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して発泡性乳酸系ポリエステルを得た。次いで、実施例1と同様にかさ倍率の測定、発泡成形体の製造並びに生分解性の評価を行った。表1に結果を示す。発泡剤がほとんど含浸されないことがわかった。
【0071】
(比較例2)
直径1mm、長さ2mmのポリ−DL−乳酸を用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して発泡性乳酸系ポリエステルを得た。次いで、実施例1と同様にかさ倍率の測定、発泡成形体の製造並びに生分解性の評価を行った。表1に結果を示す。発泡成形体の耐熱性は低く、押し潰れた気泡、粒子間の融着が激しかった。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】
本発明は、優れた生分解性、発泡性、柔軟性、耐衝撃性と成形加工性を有する乳酸系プラスチクスの発泡性粒子を提供できる。
Claims (10)
- 乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体に揮発性化合物を吸収させたことを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子。
- 乳酸成分とジカルボン酸成分とポリオキシアルキレンエーテルジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体に揮発性化合物を吸収させたことを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子。
- 前記乳酸系ポリエステル共重合体の全構造単位中の乳酸成分の重量割合が50%〜98%である請求項1又は2に記載の乳酸系ポリエステルの発泡性粒子。
- 揮発性化合物がペンタン、ブタン、およびプロパン、またはこれらの混合物である請求項1〜3のいずれか一つに記載の乳酸系ポリエステルの発泡性粒子。
- 有機溶媒中に溶解していた乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体を冷却することによって粒子を得、さらに揮発性化合物を吸収させることを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法。
- 乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体を粉砕することによって粒子を得、さらに揮発性化合物を吸収させることを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法。
- 乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体と揮発性化合物とを、押出機内において混練後、押出し、次いで切断することを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法。
- 乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体と揮発性化合物とを混練し、次いでこれをダイヘッドの押出孔から加圧液中に押出し、即時切断した後、冷却する請求項7に記載の乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法。
- 乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体と、揮発性化合物と、前記乳酸系ポリエステル共重合体100重量部に対して1.5重量部以下の無機質粉末とを混練し、次いでこれをダイヘッドの押出孔から加圧液中に押出し、即時切断した後、冷却することを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法。
- 乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む重量平均分子量2万〜40万の乳酸系ポリエステル共重合体と、揮発性化合物と、および必要に応じ無機質粉末とを混練し、次いでこれをダイヘッドの押出孔から発泡性乳酸系ポリエステルのガラス転移温度(以下、Tgと略す)−5℃以上の加熱加圧液中に押出し、切断して得た粒子を加熱加圧液中で徐冷するか、又は同温度以上に保持した後、冷却することを特徴とする乳酸系ポリエステルの発泡性粒子の製造方法。
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