JP3547864B2 - 節電装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてコンピューター・システムの節電機能、特に、所定の時間に入力が無い場合に節電モードに移行する装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノートブック型に限らずパーソナル・コンピュータ全般に渡って、省エネルギーの観点から、ユーザーの使用状態に応じた電源管理(パワー・マネジメント)による節電機能が重要になってきた。
従来の節電機能は、通常の電源オン・モードから節電モードへの移行のトリガー(条件、又は、事象)として「節電ボタンが押されたこと」や「一定時間のキーボード等からの入力が無いこと」等を利用してきた。
しかし、「節電ボタンを押すこと」は、ユーザーの余分な動作を要求するため煩雑であり、また、「一定時間のキーボード等からの入力が無いこと」は、前記「節電ボタンを押すこと」とは違ってユーザーの余分な動作を要求しない点では、優れているが下記の新たな問題がある。
すなわち、CD−ROM等から動画を再生しているときは、ユーザーからのキー入力が無くても、ユーザーは画面を見たいと思っているのに、上記トリガーにより、所定の時間キーボード入力が無いため、画面が消えるという不都合があった。
そして、上記不都合を解決するためにユーザーは、一定の時間より短い間隔で無駄なキーボード等の入力をするか、あるいは、節電機能自体を禁止してしまうしか無かった。
しかし、上記の「無駄なキーボード等の入力」又は「節電機能自体を禁止」では、ユーザーの使い易い節電機能の提供とは反し、本末転倒である。
【0003】
尚、三菱電気株式会社の特許出願平成5−214174には、従来の節電機能のトリガー(条件)として表示用メモリへの書込みの有無を使用する装置が開示されている。この装置の場合も、所定のトリガーによって、通常の電源オンの状態から節電モードに移行する点では、本願発明と類似している。しかし、この装置の場合は、通常の電源オンの状態から節電モードへ移行するために表示用メモの書込みの有無を利用するのみで、該移行を禁止するトリガー及び機能は何等示されていない。従って、画面の書込みを伴わないアプリケーションの場合は、やはり従来のように係る節電モードへの移行を禁止することができないという不都合は回避できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願が解決しようとする課題は、パーソナル・コンピュータの節電機能において、通常の電源オンの状態から節電モードへのユーザーが望まない不要な遷移を禁止し、係る節電機能を更に使い易いものにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明を実現するために、電源オン及び電源オフ状態の他に少なくとも1つの節電モード状態を有するコンピュータ・システムにおいて、電源オン状態から電源オフ状態への遷移を決める、第1のトリガー条件と、係る第1のトリガー条件が成立した場合に判断される第2のトリガー条件を有し、第1のトリガー条件が成立した後に第2のトリガー条件が成立しなかった場合は、再び第1のトリガー条件の判断にもどり、第1のトリガー条件が成立した後に第2のトリガー条件が成立した場合には、はじめて節電モードに移行するということを特徴とする装置又は方法によって、従来からのユーザの予期しない節電モードへの移行を削減した新しい節電機能が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、次の順序で本発明の実施例について説明する。
【0007】
A.パーソナル・コンピュータ・システム(図1)
B.パーソナル・コンピュータ・システムのハードウェア構成(図2)
C.グラフィックス・ビデオ・コントローラ(図3)
D.電源状態の遷移(図4)
E.従来の節電機能(図5)
F.本願の節電機能(図6〜図8)
【0008】
説明の便宜のため、以下では主として節電機能が一番多用される可能性の高いノートブック・パソコンの例を用いて、本発明の装置の構成並びに動作内容を説明するが、本願発明は、該ノートブック・パソコンに限定されることはなく、デスクトップ型及びフロアスタンド型等の幅広いコンピュータ・システムでも実現可能である。
【0009】
A.パーソナル・コンピュータ・システム(図1)
図1を参照すると、本発明を実施するためのコンピュータ・システムの全体図が示されている。コンピュータ・システムの本体10は、図示のような携帯型のPCであることが好ましいが、デスクトップ型その他のPC又はワークステーション等であってもよい。コンピュータ・システム10は、文字等の入力装置としてキーボード12、文字や図形等の出力装置として液晶パネル13、大容量の記憶メディアとしてCD−ROMドライブ14、音声等の出力装置としてスピーカー11、及び最近では画像入力装置としてのビデオ・カメラ15等を標準的に備えているものもある。なお、本発明の構成と直接関連するものではないので、キーボード、液晶パネル等の細部は図1には示されていない。
【0010】
B.パーソナル・コンピュータ・システムのハードウェア構成(図2)
図2を参照すると、図1のノートブック・パソコンの内部にあり、通常マザーボード(プレーナ)上に配置されている論理回路のブロック図が示されている。近年のパーソナル・コンピュータ・システムでは、種々の処理速度の装置が接続される複数のバスが有り、バス・ブリッジと呼ばれるバス間のプロトコル変換を行う回路が係る複数のバス間の橋渡しを行っている。係るバス構成の代表的な例として図2には、CPU202に直接接続されるCPUローカルバス212、比較的高速な周辺装置を接続するためのPCIバス213及び216、及び比較的低速な周辺装置等を接続するためのISAバス221、PCMCIAバス219及びIDEバス217等が示されている。
【0011】
そして、CPUバス212とPCIバス213を接続するためのホスト・ブリッジ/メモリ制御回路204、PCIバス213及びISAバス221を接続するためのPCI−ISAバス・ブリッジ回路215、PCIバス213及びPCMCIAバス219を接続するPCI−PCMCIAバス・ブリッジ回路214等も図2に示されている。
また、各バスには、そのバスの処理速度に適合した複数の周辺装置等が接続されている。例えば、最も高速のCPUローカルバス212にはその名のとおりCPUが接続され、PCIバス213には高速なグラフィック/ビデオ・コントローラ222が接続され、ISAバス221にはキーボード・コントローラ229、オーディオ・コントローラ230、又は汎用のI/O制御回路であるSuper I/Oコントローラ231等が接続されている。
更に、ホスト・ブリッジ/メモリ制御回路204は、バス・ブリッジ機能の他にメモリ制御機能も有し、メモリ・データ・バッファ205を介してBIOS ROM206及び主記憶装置RAM207に接続されている。
また、PCIバス213に接続されたグラフィック/ビデオ・コントローラ222は、画面表示用のビデオ・メモリ223を有し、バッファ224を介してデジタル信号でLCDパネルに接続され、アナログ・フロント・エンド(AFE)225を介して外部からのアナログ・ビデオ入力をデジタル化して取り込む。
【0012】
C.グラフィックス・ビデオ・コントローラ(図3)
図3には、図2のグラフィックス・ビデオ・コントローラ222及びその周辺回路がさらに詳細に記載されている。図3を参照して、先ずグラフィックス・ビデオ関係の機能を制御するグラフィックス・ビデオ・コントローラ31、このグラフィックス・ビデオ・コントローラ31へのクロック信号を生成するクロック生成回路32、画面情報等を記憶する複数のビデオ・メモリ37、グラフィックス・ビデオ・コントローラ31により生成されたデジタル・ビデオ信号44をアナログ・ビデオ信号41に変換するDAC38、グラフィックス・ビデオ・コントローラ31により生成されたデジタル・ビデオ信号45をバッファしデジタル信号42を液晶パネルへ送るためのドライバ回路39が主要な構成部品として記載されている。
係るグラフィックス・ビデオ・コントローラ31とビデオ・メモリ37は、メモリの記憶位置を示す複数のアドレス線34、ビデオ・メモリ37との間でリード/ライトするデータを転送するための複数のデータ線35、及びビデオ・メモリ37の動作を制御するための複数の制御線36を介して接続されている。そして、該制御線36は、ビデオ・メモリ37への書込み許可信号(WE#)、行アドレス・ストローブ信号(RAS#)、列アドレス・ストローブ信号(CAS#)及びビデオ・メモリからのデータの出力許可信号(OE#)を含む。
【0013】
D.電源状態の遷移(図4)
図4には、電源状態の状態遷移が示されている。節電機能を持つ一般的なパーソナル・コンピュータは、電源の状態として「通常の電源オン状態」及び「電源オフ状態」の他に幾つかの「節電状態」を有する。図4には、係る「節電状態」の例として、「スタンバイ状態」及び「サスペンド状態」が示されている。この「スタンバイ状態」と「サスペンド状態」の違いは端的にいって節電の度合い、すなわち、消費電力の違いである。「通常の電源オン状態」、「スタンバイ状態」、「サスペンド状態」、「電源オフ状態」の順で消費電力が小さくなっていく。また、この「節電状態」は、2つ以上に分けることも可能であるが説明の簡単のため該実施例では2つに限定している。
例えば、「スタンバイ状態」402では、液晶パネル(LCD)及びCRTディスプレイをオフにすることにより節電が図られ、「サスペンド状態」403では、係る液晶パネル及びCRTディスプレイをオフに加えて、CPUのクロック周波数を下げ、ハードディスクのスピンドル・モーターを停止し、更に、ビデオ信号を停止する等が行われることにより、「スタンバイ状態」402よりも更に節電が図られることとなる。
【0014】
図4のブロック401に「通常の電源オン(ノーマル・オン)状態」が示されている。係る「ノーマル・オン状態」401からは所定時間のタイマの経過407により「スタンバイ状態」402に遷移する。逆に「スタンバイ状態」402からは何らかのキーボード又はマウスからの入力があった場合に「ノーマル・オン状態」に遷移する。
「スタンバイ状態」402からは、所定のタイマの時間経過又はユーティリティ・プログラム409により「サスペンド状態」403へ状態遷移する。「サスペンド状態」403からは、キーボード等の入力又は専用に作られたサスペンドスイッチ(SW)411等をトリガーとして、次のブロック405へ遷移する。ブロック405では、パスワードの入力が要求され、正しいパスワードが入力されたとき412に、また通常の「ノーマル・オン」の状態に遷移する。
一方、「ノーマル・オン状態」401で、電源スイッチ(SW)が押されると406と、「電源オフ状態」404に遷移するし、「電源オフ状態」404で電源SWが押されると406逆に「電源オフ状態」404から「電源オン状態」401へ遷移し、パーソナル・コンピュータは通常の動作モードになる。
【0015】
E.従来の節電機能(図5)
図5に、図4に示したように遷移する節電状態を有するパーソナル・コンピュータにおける、「ノーマル状態」から「スタンバイ状態」への処理の流れがフローチャートとして記載されている。
ブロック51の入口からこのサブルーチン・プログラムへ入る。先ず、ブロック52において、タイマの値をクリア(初期値に設定)する。このタイマは、キーボード又はマウス等からの直前のユーザーの入力から次のユーザーの入力までの経過時間を計測するものである。ブロック53において、キーボード等からの入力があったか否かが検査される。もし、ブロック53でキーボード等からのユーザーの入力があった場合には、ブロック54へ移行しここで該タイマの値がリセットされ、またブロック53に戻る。反対にブロック53において、キーボード等からの入力が無かった場合は、経過時間を表すタイマの値が増分(ブロック55)された後に、ブロック56へ移る。ブロック56においては、該タイマの値が所定の値、すなわち、タイム・アウト値を超えているかどうかが検査される。該ブロック56において、タイマの値が所定値を超えていた場合はブロック57へ移行し、超えていない場合は再びブロック53へ移行する。ブロック57に移行した場合は、今度はスタンバイ・モードへ移行するための処理が行われスタンバイ・モードへ遷移する。最後にブロック58において、該サブルーチンから出ていく。
【0016】
F.本願の節電機能(図6〜図8)
図6、7、8を用いて、本願発明について詳細に説明する。先ず、図7を参照すると、上述の従来の技術の図5に対応する本願発明の場合のパーソナル・コンピュータにおける、「ノーマル状態」から「スタンバイ状態」への処理の流れがフローチャートとして記載されている。
ブロック71の入口からこのサブルーチン・プログラムへ入る。先ず、ブロック72において、タイマの値をクリアする。このタイマは、キーボード又はマウス等からの直前のユーザーの入力から次のユーザーの入力までの経過時間を計測するものである。ブロック73において、キーボード等からの入力があったか否かが検査される。もし、ブロック73でキーボード等からのユーザーの入力があった場合には、ブロック74へ移行しここで該タイマの値がリセットされ、またブロック73に戻る。反対にブロック73において、キーボード等からの入力が無かった場合は、ブロック75へ移る。ブロック75においては、ビデオ・メモリ書込みビットがオンであるか否かを検査する。該ビデオ・メモリ書込みビットは、前回の該ビットの読み込みの後に、画面表示用のビデオ・メモリ(図3の37等)への書込みが合ったことを示すものであり、詳細は図6等を用いて後述される。ブロック75における該ビットの検査の結果該ビットがオン、すなわち、ビデオ・メモリへの書込みが行われていた場合はブロック74へ飛んでタイマの値をリセットする。従って、ビデオ・メモリの書込みによって、従来はスタンバイ・モードへ移行していた場合でも、スタンバイ・モードへの移行が禁止される。
【0017】
ブロック75において、メモリへの書込みが無かった場合は、ブロック76へ移行し経過時間を表すタイマの値が増分された後に、ブロック77へ移る。ブロック77においては、該タイマの値が所定の値、すなわち、タイム・アウト値を超えているかどうかが検査される。該ブロック77において、タイマの値が所定値を超えていた場合はブロック78へ移行し、超えていない場合は再びブロック73へ移行する。ブロック78に移行した場合は、今度はスタンバイ・モードへ移行するための処理が行われスタンバイ・モードへ遷移する。最後にブロック79において、該サブルーチンから出ていく。
【0018】
図6へ移って、本願発明の構成に必要なハードウェアについて説明する。上述の図7の説明で用いたビデオ・メモリ書込みビットを実現するための回路の一例が、図6に示されている。該回路の主要な構成要素は601で示される1ビットのレジスタである。係るレジスタ601は、実際にはプリセット及びクリア付のDタイプ・フリップ・フロップ等(例えば74)が用いられる。プリセット入力は常にプルアップ抵抗611によりハイ(+5V)にプルアップされているので、プリセット機能は動作しない。同様にデータ入力Dは、プルアップ抵抗611によりハイにプルアップされているので、データ入力は常に1となる。従って、WE#(最後に#付の信号はすべてロー・アクティブ)が、アクティブ(ロー)になったときに、フリップ・フロップ601の出力Q608がアクティブ(ハイ)になる。そして、出力Q608はドライバ603を介してビデオ・メモリ書込みビット信号(VIDEO MEMORY WRITE BIT)を生成する。該ドライバ603の出力制御はステータス読み込み(STATUS READ#)信号により制御され、係るステータス読み込み信号がアクティブ(ロー)のときのみドライバ603の出力が生成され、すなわち、CPUが、ビデオ・メモリ書込みビット607を読み込み可能となる。
【0019】
一方、フリップ・フロップ601のクリア入力端子には、ANDゲート602出力が接続されており、このANDゲートには、さらに、リセット信号(RESET#)605及びステータス・クリア信号(STATUS CLEAR#)610信号が接続されている。すなわち、係るリセット信号605及びステータス・クリア信号610の何れか一方がアクティブ(ロー)になったときに、ANDゲート602は、ローを出力しフリップ・フロップ601をクリアする。従って、ビデオ・メモリ書込みビットは、電源オン等のリセット時にはリセット信号605により、ビデオ・メモリ書込みビットのリード後にはステータス・クリア信号610により、ANDゲート602を介してクリアされる。
この、図6に示されたビデオ・メモリ書込みビット及び図7に示されたプログラムによる制御により、本願発明の一実施例が実現される。
図6においては、本願発明の構成要素をディスクリートな部品を用いて回路を構成したが、同様な回路はASIC又はPAL等を用いても実現可能である。
【0020】
図8は、本願発明の構成要素とパーソナル・コンピュータ上の他のソフト・ウェア及びハードウェアの構成要素との関係を示したブロック図である。
先ず、大きく分けてパーソナル・コンピュータ上のソフト・ウェアは2つの部分に機能的に分けることが可能である。
第1の部分は、点線821より上にあり、一般的には、オペレーティング・システム(OS)層801と呼ばれる部分である。この部分の代表的なものとしては、IBM社のOS/2、PC DOSやマイクロソフト社のWindows等がある。 第2の部分は、点線822より上で点線821より下の領域に図示されているデバイス・ドライバ(D/D)層と呼ばれる部分である。
そして、点線822の下の領域に、ハードウェアが存在する。
【0021】
OS801は、一般的にはハードウェアを直接アクセスすることはなく、デバイス・ドライバやBIOSを経由して、間接的にハードウェアをアクセスする。これに対して、デバイス・ドライバは、OSやアプリケーション・プログラムからの要求により、直接ハードウェアにアクセスし、該ハードウェアからのアクセス結果をOS等に返すという、OS等とハードウェアの間の仲立ちを行う。
【0022】
この図8を参照しながら、図6及び7で述べた本願発明の動作を説明する。先ず、キーボード等805からの入力816は、常に最初にキーボードD/D804へ送られる。キーボードD/Dは、キーボード及びマウス等のポインティング・デバイス等からの入力の制御をOSとハードウェアの間で行う。次に、キーボードD/D804は、受け取ったキー入力を今度はイベント・タイマ803へ転送する814。このイベント・タイマは、直前のキーボード等からの入力から次回のキーボード等からの入力までの経過時間を測定している。そして、係る経過時間とユーザーが設定した所定の経過時間(タイムアウト値)とを定期的に比較して、その結果、キーボード等からの無入力経過時間が所定のタイムアウト値を超えたを判断した場合には、該タイムアウトが発生したことがパワー・マネジメント・プログラム802へ送られる。該パワー・マネジメント・プログラムは802は、パーソナル・コンピュータにおいて、節電機能を制御するプログラムである。該タイムアウトの発生をイベント・タイマから受けたパワー・マネジメント・プログラム802は、今度はスタンバイ状態へ移行するために、OSに対してスタンバイ要求812を発生する。パワー・マネジメント802からスタンバイ要求812を受けたOS801は、スタンバイ状態において節電の対象となるデバイス(例えば、図4において例示したLCDやCRT等)を制御するグラフィックスD/Dへスタンバイ要求813を送出する。
【0023】
係るスタンバイ要求813を受けたグラフィックスD/D806は、従来は図5で説明したとおり、次はLCD及びCRTへLCD/CRTオフ要求を送出し、LCD/CRTをオフにしていた。
これに対して、本願発明の場合は、スタンバイ要求813をOS801から受けたグラフィックスD/D806は、今度はビデオ・メモリ(VRAM)の書込みがあったかどうかを、ビデオ・メモリ書込みビットをリードする817ことにより確認し、メモリ書込みが確認された場合は、VRAM書込みがあったことをイベント・タイマ803へ報告する815。該VRAM書込みの情報を得たイベント・タイマ803は、経過時間のタイマ値をリセットする(図7のブロック75、74)。
上述のVRAM809への書込みは、通常グラフィックス・コントローラ808により(819)、又は、外部ビデオ入力端子(810)を介した外部からのVRAM書込みにより(820)行われる。
【0024】
まとめとして、その他の実施例を以下に列挙する。
(1)所定時間に所定の入力が無かった場合に節電モードへ移行するコンピュータ・システムであって、
画面表示用メモリへの書込みの有無を表示するビットを有し、
前記所定時間に所定の入力が無かった場合でも、前記ビットが画面表示用メモリへの書込みがあったことを表示している場合には、前記節電モードへの移行を禁止することを特徴するコンピュータ・システム。
(2)前記所定の入力が、キーボードからの入力であることを特徴とする、(1)に記載のコンピュータ・システム。
(3)前記所定の入力が、キーボード又はポインティング・デバイスからの入力であることを特徴とする、(1)に記載のコンピュータ・システム。
(4)前記節電モードは、ディスプレイの表示を禁止することを特徴とする、(1)に記載のコンピュータ・システム。
(5)前記節電モードは、ディスプレイの表示を禁止し、ハードディスクの回転を停止することを特徴とする、(1)に記載のコンピュータ・システム。
(6) コンピュータ・システムの外部から前記画像表示用メモリへの書込みが可能であることを特徴とする、(1)に記載のコンピュータ・システム。
(7)前記画面表示用メモリへの書込みの有無を表示するビットは、1ビットのレジスタで構成され、前記画面表示用メモリへの書込み許可(WE)信号を入力の1つとすることを特徴とする、(1)に記載のコンピュータ・システム。
(8)コンピュータ・システムのおける電源管理方法であって、
前記コンピュータ・システムは、。ビデオ・メモリへの書込みの有無を表示するビットを有し、
前記電源管理方法は、
前記所定時間の前記所定の入力の有無を検査するステップと、
前記所定の入力の有無を検査の結果、前記所定の入力が無かった場合に、前記ビデオ・メモリへの書込みの有無を表示するビットを検査するステップと、 前記ビデオ・メモリへの書込みの有無を表示するビットの検査の結果、前記ビデオ・メモリへの書込みが有った場合には、節電状態へ移行するステップと、 を含むことを特徴する電源管理方法。
(9)電源オン状態と電源オフ状態以外に節電状態を有するコンピュータ・システムにおける、パワー・マネジメント方法であって、
第1の事象の成立の有無を検査するステップと、
前記第1の事象の成立が有った場合に、第2の事象の成立の有無を検査するステップと、
前記第2の事象の成立が有った場合に、コンピュータ・システムを前記電源オン状態から前記節電状態に遷移させるステップと、
を有することを特徴とするパワー・マネジメント方法。
【0025】
【発明の効果】
以上で述べたように、本発明の構成により、パーソナル・コンピュータの節電機能において、通常の電源オンの状態から節電モードへの不要な遷移を禁止した、従来よりも改良された節電機能が提供される。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのコンピュータ・システムを表す図である。
【図2】本発明を実施するためのコンピュータ・システム内部の論理回路を表すブロック図である。
【図3】本発明を実施するためのコンピュータ・システム内部のグラフィックス周辺回路を表すブロック図である。
【図4】本願発明を実施するための電源状態の遷移図である。
【図5】節電機能を制御する従来の制御プログラムのフローチャートである。
【図6】本願発明を実施するためのレジスタの回路図である。
【図7】節電機能を制御する本願発明の制御プログラムのフローチャートである。
【図8】本願発明の構成要素とパーソナル・コンピュータにおける他の構成要素との関係を示したブロック図である。
【0027】
【符号の説明】
10 コンピュータ・システム
11 スピーカ
12 キーボード
13 液晶パネル(LCD)
14 CD−ROMドライブ
15 ビデオ・カメラ
201 クロック生成回路
202 CPU
204 ホスト・ブリッジ/メモリ制御回路
214 PCI−PCMCIAブリッジ回路
215 PCI−ISAブリッジ回路
222 グラフィックス/ビデオ・コントローラ
223 ビデオ・メモリ
229 キーボード
31 グラフィックス/ビデオ・コントローラ
32 クロック生成回路
33 PCIバス
34 アドレス線
35 データ線
36 制御線
37 ビデオ・メモリ
38 DAC
39 ドライバ
43 グラフィックス/ビデオ周辺回路
401 ノーマル・オン状態
402 スタンバイ状態
403 サスペンド状態
404 オフ状態
405 パスワード入力要求
601 Dタイプ・フリップ・フロップ
602 ANDゲート
603 ドライバ
801 オペレーティング・システム
802 パワー・マネジメント・プログラム
803 イベント・タイマ
804 キーボードD/D
805 キーボード
806 グラフィックスD/D
807 LCD/CRT
808 グラフィックス・コントローラ
809 VRAM
810 外部ビデオ入力端子
Claims (8)
- 所定時間に所定の入力が無かった場合に節電モードへ移行するコンピュータ・システムであって、
画面表示用メモリへの書込みの有無を表示するビットを有し、
前記所定時間に所定の入力が無かった場合でも、前記ビットが画面表示用メモリへの書込みがあったことを表示している場合には、前記節電モードへの移行を禁止することを特徴するコンピュータ・システム。 - 前記所定の入力が、キーボードからの入力であることを特徴とする、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
- 前記所定の入力が、キーボード又はポインティング・デバイスからの入力であることを特徴とする、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
- 前記節電モードは、ディスプレイの表示を禁止することを特徴とする、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
- 前記節電モードは、ディスプレイの表示を禁止し、ハードディスクの回転を停止することを特徴とする、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
- コンピュータ・システムの外部から前記画像表示用メモリへの書込みが可能であることを特徴とする、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
- 前記画面表示用メモリへの書込みの有無を表示するビットは、1ビットのレジスタで構成され、前記画面表示用メモリへの書込み許可(WE)信号を入力の1つとすることを特徴とする、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
- コンピュータ・システムにおける電源管理方法であって、
前記コンピュータ・システムは、ビデオ・メモリへの書込みの有無を表示するビットを有し、
前記電源管理方法は、
前記所定時間の前記所定の入力の有無を検査するステップと、
前記所定の入力の有無を検査の結果、前記所定の入力が無かった場合に、前記ビデオ・メモリへの書込みの有無を表示するビットを検査するステップと、 前記ビデオ・メモリへの書込みの有無を表示するビットの検査の結果、前記ビデオ・メモリへの書込みが無かった場合には、節電状態へ移行するステップと、
を含むことを特徴する電源管理方法。
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