JP3547336B2 - 基板メッキ装置及び基板メッキ方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハや液晶表示装置用のガラス基板などの基板に対してメッキ処理を施す基板メッキ装置及び基板メッキ方法に係り、特には、基板の処理面に電解メッキ液でメッキ層を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の基板メッキ装置として、例えば、特開平1−294888号公報に示すようなものがある。
【0003】
この公報に開示された従来の基板メッキ装置は、図19に示すように、メッキ層を形成する処理面WFを上方に向けて基板Wを静止状態で保持する基板ステージ200や、基板ステージ200に保持された基板Wの処理面WFに対して電気的に接続する陰電極(カソードコンタクト部)210、基板ステージ200に保持された基板Wの上部に電解メッキ液を貯留するカップ部220、カップ部220に貯留された電解メッキ液に浸漬され、基板ステージ200に保持された基板Wの処理面WFに対向配置される陽電極(アノード)230、カップ部220に電解メッキ液を供給するための電解メッキ液の貯留タンク241やポンプ242、供給管243などからなる電解メッキ液供給機構240、陽電極230から陰電極210へ向けて電流が流れるように給電する電源250などを備えている。なお、図19中の符号260は、基板Wの搬入、搬出に用いる昇降のみ可能な基板押し上げ台を示す。
【0004】
この従来装置による電解メッキ処理は、処理面WFを上方に向けて基板Wを保持した状態で基板ステージ200をカップ部220内に収容し、基板Wが静止保持された状態でカップ部220内に電解メッキ液を供給しつつ、カップ部220の上部から電解メッキ液をオーバーフローで排出することで、カップ部220内に貯留される電解メッキ液を入れ替えながら、陽電極230と陰電極210との間に給電することで行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、基板Wの処理面WFへのメッキ層の形成は、基板Wの処理面WFへのメッキ層形成イオン(銅メッキであれば、Cu2+)の移動が起き易ければそれだけ活発に行われることになる。
【0006】
ところで、従来装置の構成では、基板Wの処理面WFへのメッキ層形成イオンの移動は、カップ部220内への電解メッキ液の供給とカップ部220内からの電解メッキ液の排出とにより形成されるカップ部220内での電解メッキ液の流れ(図19中に矢印で示す)に依存することになる。ここで、従来装置におけるカップ部220内での電解メッキ液の流れを解析すると、基板ステージ200に保持された基板Wの処理面WF上に電解メッキ液が静止した境界層が比較的厚く形成されることが判明した。この境界層内では、メッキ層形成イオンの移動が起き難いので、従来装置はメッキ層の形成が活発に行われず、その結果、メッキ層の形成に長時間を要することになる。
【0007】
また、従来装置では、基板ステージ200に保持された基板Wの処理面WF上に形成される境界層の厚みが基板Wの処理面WF上で不均一でもある。そのため、基板Wの処理面WFへのメッキ層形成イオンの移動にバラツキが生じ、基板Wの処理面WFに形成されたメッキ層の厚みが不均一になっている。
【0008】
すなわち、従来装置は、電解メッキ処理に長時間を要する上に、形成されたメッキ層が不均一であるという欠点を有している。
【0009】
また、従来装置のように、基板Wの処理面WFを上方に向けて保持し、その処理面WFの上部に電解メッキ液を貯留して電解メッキ処理を行う構成においては、基板押し上げ台260の昇降により基板Wをカップ部220に対して搬入、搬出するためには、基板Wの上方に配置されている陽電極230を上昇させる必要があり、その際に、陽電極230が大気にさらされることが避けられない。例えば、陽電極230が銅の溶解性電極である場合、陽電極230が大気にさらされると、陽電極230の表面に形成されたブラックフィルムと呼ばれる皮膜層が電極表面から流れ出たり変質したりするなどして再現性のある電解メッキ処理を行えないという問題も生じている。
【0010】
さらに、従来装置には、基板Wを洗浄するための機構を備えていないので、例えば、電解メッキ処理を終えた基板Wを洗浄するためには、電解メッキ装置と別個に設けられた洗浄装置に電解メッキ処理を終えた基板Wを搬送する搬送機構が必要である。また、電解メッキ装置から洗浄装置に搬送する基板Wには電解メッキ液が付着しているので、搬送機構は耐薬性を持たせて構成する必要があるし、電解メッキ装置から洗浄装置への基板Wの移動領域を、電解メッキ液が滴下してもよい構造にしなければならない。そのため、構成の複雑化、フットプリントの増大、コスト高などを招いている。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電解メッキ処理に要する時間を短縮するとともに、均一なメッキ層が形成できる基板メッキ装置及び基板メッキ方法を提供することを主目的とする。
【0012】
また、本発明の別の目的は、陽電極を保護して再現性のある電解メッキ処理を実現し得る基板メッキ装置を提供することにある。
【0013】
さらに、本発明の別の目的は、電解メッキ処理と洗浄処理とを好適に実施し得る基板メッキ装置及び基板メッキ方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板に対してメッキ処理を施す基板メッキ装置であって、メッキ層を形成する処理面を上方に向けて基板を保持する基板保持手段と、前記基板保持手段に保持された基板の処理面に対して電気的に接続する陰電極と、前記基板保持手段を回転させる回転手段と、前記基板保持手段に保持された基板の上部に電解メッキ液を貯留するメッキ反応槽と、前記メッキ反応槽に貯留された電解メッキ液に浸漬され、前記基板保持手段に保持された基板の処理面に対向配置される陽電極と、前記メッキ反応槽に電解メッキ液を供給する電解メッキ液供給手段と、前記陽電極から前記陰電極へ向けて電流が流れるように給電する給電手段と、を備え、前記メッキ反応槽は、下方が開口され、前記基板保持手段の上部を覆う上部カップを備え、前記基板保持手段と前記上部カップとを相対的に接離させる接離手段を備え、かつ、前記メッキ反応槽への電解メッキ液の供給を継続しつつ、前記基板保持手段と前記上部カップとを所定量離間させて前記基板保持手段に保持された基板の周囲に電解メッキ液を排出するための隙間を形成し、前記基板保持手段を回転させながら、前記陽電極と前記陰電極との間に給電した状態で電解メッキ処理を行うことを特徴とするものである。
【0015】
(削除)
【0016】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の基板メッキ装置において、前記陽電極の周りの電解メッキ液を保持する電解メッキ液保持手段をさらに備え、前記メッキ反応槽に電解メッキ液を満たした後、電解メッキ処理を行うことを特徴とするものである。
【0017】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の基板メッキ装置において、前記電解メッキ液保持手段は、前記陽電極の側方及び上方を囲う囲い部材と、前記陽電極の下方に配置された複数の微小開口孔が形成された仕切り板とで形成された液保持空間内に前記陽電極を収容したことにより構成したことを特徴とするものである。
【0018】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1ないし3のいずれかに記載の基板メッキ装置において、前記基板保持手段に保持された基板に洗浄液を供給する洗浄液供給手段をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0019】
請求項5に記載の発明は、上記請求項4に記載の基板メッキ装置において、前記基板保持手段の周囲に配設され、電解メッキ液回収部と洗浄液回収部とが形成された液回収部と、前記基板保持手段と前記液回収部との位置関係を変位させて、排出された液を前記電解メッキ液回収部で回収する状態と前記洗浄液回収部で回収する状態とで切り換える切換え手段と、をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0020】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1ないし5のいずれかに記載の基板メッキ装置において、前記基板保持手段に保持された基板の上方の防滴位置に位置されて上方から前記基板保持手段に保持された基板への電解メッキ液の滴下を防止する防滴部材と、前記防滴位置と前記防滴位置から外れた待機位置との間で前記防滴部材を移動させる移動手段と、をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0021】
請求項7に記載の発明は、上記請求項4に記載の基板メッキ装置において、前記基板保持手段に保持された基板の上方の防滴位置に位置されて上方から前記基板保持手段に保持された基板への電解メッキ液の滴下を防止する防滴部材と、前記防滴位置と前記防滴位置から外れた待機位置との間で前記防滴部材を移動させる移動手段とをさらに備え、前記洗浄液供給手段は、前記防滴部材の下部に設けられた洗浄液供給ノズルであることを特徴とするものである。
【0022】
請求項8に記載の発明は、基板に対してメッキ処理を施す基板メッキ方法であって、メッキ層を形成する処理面を上方に向けて基板を保持する基板保持手段と、下方が開口され、前記基板保持手段の上部を覆う上部カップとを離間させた状態で、処理面を上方に向けて前記基板保持手段に基板を保持させる基板搬入工程と、 前記上部カップと前記基板保持手段とを近接させ、前記上部カップの下端部と前記基板保持手段と閉じ合わされて形成されたメッキ反応槽に電解メッキ液を供給して、前記メッキ反応槽に電解メッキ液を満たす電解メッキ液充填工程と、前記メッキ反応槽への電解メッキ液の供給を継続しつつ、前記基板保持手段と前記上部カップとを所定量離間させて前記基板保持手段に保持された基板の周囲に電解メッキ液を排出するための隙間を形成し、前記基板保持手段を回転させながら、前記基板保持手段に保持された基板の処理面に対向配置されるように前記上部カップ内に配設された陽電極と前記基板保持手段に保持された基板の処理面に対して電気的に接続された陰電極との間に給電した状態で電解メッキ処理を行う電解メッキ処理工程と、メッキ層が形成された基板を前記基板保持手段から取り出す基板搬出工程と、を備えたことを特徴とするものである。
【0023】
請求項9に記載の発明は、上記請求項8に記載の基板メッキ方法において、前記電解メッキ処理工程と前記基板搬出工程の間に、前記基板保持手段と前記上部カップとを離間させ、前記基板保持手段を回転させながら、前記基板保持手段に保持された基板に洗浄液を供給して基板を洗浄する洗浄処理工程と、洗浄液の供給を停止した後、前記基板保持手段を回転させて基板を乾燥させる乾燥処理工程と、を備えたことを特徴とするものである。
【0024】
【作用】
請求項1に記載の発明の作用は次のとおりである。
メッキ層を形成する処理面を上方に向けて基板が基板保持手段に保持されると、その基板の処理面に対して陰電極が電気的に接続され、陽電極が対向配置される。そして、電解メッキ液供給手段によってメッキ反応槽に電解メッキ液が供給され、基板保持手段に保持された基板の上部に電解メッキ液が貯留される。このとき、陽電極はメッキ反応層に貯留された電解メッキ液に浸漬される。そして、回転手段によって基板保持手段及びそれによって保持された基板を回転させながら、給電手段により陽電極と陰電極との間に給電した状態で電解メッキ処理が行われる。
【0025】
このように、電解メッキ処理中、基板保持手段(基板)を回転させることで、基板の処理面上に基板の中心から周囲に向かう電解メッキ液の流れが強制的に形成され、基板の処理面上に形成される境界層を薄く、かつ、均一にすることができる。
【0026】
さらに、下方が開口され、基板保持手段の上部を覆う上部カップと基板保持手段とが接離手段によって近接され、メッキ反応槽への電解メッキ液の供給を継続しつつ、接離手段により基板保持手段と上部カップとを所定量離間させて基板保持手段に保持された基板の周囲に電解メッキ液を排出するための隙間を形成する。そして、基板保持手段(基板)を回転させながら、陽電極と陰電極との間に給電した状態で電解メッキ処理が行われる。
【0027】
基板保持手段(基板)を回転させることに伴って、基板の処理面上には基板の中心から周囲へ向かう電解メッキ液の流れが形成されるが、上述したように、基板保持手段に保持された基板の周囲に電解メッキ液を排出するための隙間を形成したことにより、基板保持手段(基板)の回転に伴う電解メッキ液の流れに逆らうことなく自然に基板の周囲の隙間から電解メッキ液をメッキ反応槽外に排出することができ、メッキ反応槽内の電解メッキ液の流れを乱すことがない。
【0028】
また、仮に、基板保持手段と上部カップとを接触させた状態で基板保持手段を回転させようとすると、上部カップを基板保持手段と一体的に回転させる場合は、基板保持手段の回転の負担が大きくなるし、また、上部カップを停止させ、基板保持手段を回転させる場合は、特別な回転シール機構が必要になる。これに対して、上述したように基板保持手段と上部カップとを離間させて非接触にしたことで上部カップと無関係に基板保持手段を回転させることができる。
【0029】
請求項2に記載の発明によれば、電解メッキ液保持手段によって陽電極の周りの電解メッキ液が保持され、陽電極が電解メッキ液に浸漬された状態が常時維持される。
【0030】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の電解メッキ液保持手段が以下のように構成される。
【0031】
すなわち、陽電極の側方及び上方を囲う囲い部材と、陽電極の下方に配置された複数の微小開口孔が形成された仕切り板とで形成された液保持空間内に陽電極が収容される。これにより、電解メッキ液の表面張力により、液保持空間内の電解メッキ液が仕切り板に形成された微小開口孔から下方に排出されることが防止され、陽電極の周りの液保持空間内の電解メッキ液が保持され、陽電極が電解メッキ液内に浸漬された状態が常時維持される。なお、電解メッキ処理中は、仕切り板に形成された微小開口孔を介して電解メッキ液を流通させることができ、電解メッキ処理に支障はない。
【0032】
請求項4に記載の発明によれば、洗浄液供給手段により基板保持手段に保持された基板に洗浄液が供給されて基板が洗浄される。なお、基板の洗浄は、回転手段によって基板保持手段(基板)を回転させながら行ってもよい。また、洗浄液の供給を停止した後、回転手段によって基板保持手段(基板)を回転させることで、洗浄後の基板を乾燥させることもできる。
【0033】
請求項5に記載の発明によれば、電解メッキ処理時は、切換え手段によって基板保持手段と液回収部との位置関係を変位させて、排出された液を電解メッキ液回収部で回収する状態に切り換え、基板保持手段(基板)の回転に伴って基板保持手段(基板)の周囲に飛散される電解メッキ液が電解メッキ液回収部で回収される。また、洗浄処理時や乾燥処理時は、切換え手段によって基板保持手段と液回収部との位置関係を変位させて、排出された液を洗浄液回収部で回収する状態に切り換え、基板保持手段(基板)の回転に伴って基板保持手段(基板)の周囲に飛散される洗浄液が洗浄液回収部で回収される。
【0034】
請求項6に記載の発明によれば、基板の洗浄や乾燥、搬入、搬出を行う際には、移動手段によって防滴部材が基板保持手段に保持された基板の上方の防滴位置に位置されて上方から基板保持手段に保持された基板への電解メッキ液の滴下を防止する。また、電解メッキ処理を行う際は、移動手段によって防滴部材が待機位置に移動される。
【0035】
請求項7に記載の発明によれば、防滴位置に位置された防滴部材の下部に設けられている洗浄液供給ノズルから基板保持手段に保持された基板に洗浄液が供給されて基板が洗浄される。
【0036】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明に係る基板メッキ装置を用いた基板メッキ方法であって、その作用は次のとおりである。
【0037】
すなわち、まず、メッキ層を形成する処理面を上方に向けて基板を保持する基板保持手段と、下方が開口され、基板保持手段の上部を覆う上部カップとを離間させた状態で、処理面を上方に向けて基板保持手段に基板が保持される(基板搬入工程)。
【0038】
次に、上部カップと基板保持手段とを近接させ、上部カップの下端部と基板保持手段とが閉じ合わさて形成されたメッキ反応槽に電解メッキ液を供給して、メッキ反応槽に電解メッキ液が満たされる(電解メッキ液充填工程)。
【0039】
そして、メッキ反応槽への電解メッキ液の供給を継続しつつ、基板保持手段と上部カップとを所定量離間させて基板保持手段に保持された基板の周囲に電解メッキ液を排出するための隙間を形成し、基板保持手段(基板)を回転させながら、基板保持手段に保持された基板の処理面に対向配置されるように上部カップ内に配設された陽電極と基板保持手段に保持された基板の処理面に対して電気的に接続された陰電極との間に給電した状態で電解メッキ処理が行われる(電解メッキ処理工程)。
【0040】
電解メッキ処理の後、メッキ層が形成された基板は基板保持手段から取り出される(基板搬出工程)。
【0041】
請求項9に記載の発明は、請求項4に記載の発明に係る基板メッキ装置を用いた基板メッキ方法であって、その作用は次のとおりである。
【0042】
すなわち、電解メッキ処理工程を終えると、次に、基板保持手段と上部カップとを離間させ、基板保持手段を回転させながら、基板保持手段に保持された基板に洗浄液を供給して基板を洗浄する(洗浄処理工程)。
【0043】
そして、基板の洗浄を終えると、洗浄液の供給を停止し、基板保持手段を回転させて基板を乾燥させ(乾燥処理工程)、基板が乾燥すると、その基板は基板保持手段から取り出される(基板搬出工程)。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る基板メッキ装置の全体構成を示す図である。
【0045】
この実施例装置は、メッキ層を形成する処理面WFを上方に向けて基板Wを保持する基板保持手段に相当する基板保持機構1を備えている。
【0046】
この基板保持機構1は、回転手段に相当する電動モーター2に連動連結されて鉛直方向の軸芯周りで回転される回転軸3の上部に基板Wよりも大径の円板状のベース部材4が一体回転可能に連結され、ベース部材4の上面周辺部に基板Wの周縁部を保持する保持部材5が3本以上設けられている。
【0047】
ベース部材4は導電性の材料で形成されている。このベース部材4に設けられた回転軸3との連結部4aには、給電ブラシ6によって、基板保持機構1の回転中でもブラシ給電されるようになっている。なお、回転軸3は絶縁部3aによって上部と下部とが電気的に絶縁されており、給電ブラシ6からの給電が電動モーター2に影響しないように構成されている。
【0048】
各保持部材5は、偏芯した鉛直方向の軸芯周りで回転可能に構成され、この軸芯から離れた外周部に基板Wの周縁部を係止するための凹部5aが形成されている。また、各保持部材5は、凹部5aの天井面側に設けられた陰電極7だけが給電ブラシ6と導通するようになっており、基板Wが各保持部材5に係止されて保持されると、基板Wの処理面WFと陰電極7とが電気的に接続されて基板Wの処理面WFだけに通電できるようになっている。
【0049】
基板保持機構1は、第1の昇降機構8によって昇降可能に構成されている。この第1の昇降機構8は、ボールネジなどで構成される周知の1軸方向駆動機構によって実現されている。
【0050】
基板保持機構1の上方には、下方が開口され、基板保持機構1の上部を覆う有蓋円筒状の上部カップ10が設けられている。この上部カップ10も、周知の1軸方向駆動機構によって実現された第2の昇降機構11によって昇降可能に構成されている。第1、第2の昇降機構8、11によって基板保持機構1と上部カップ10とが近接され、基板保持機構1のベース部材4の上面と上部カップ10の下端部とが閉じ合わされることにより、基板保持機構1に保持された基板Wの上部に電解メッキ液を貯留するメッキ反応槽12が形成されるようになっている。なお、上部カップ10の下端部にはシール部材13が設けられ、後述する電解メッキ液充填工程の際に、ベース部材4の上面と上部カップ10の下端部との接合部分から電解メッキ液が漏れ出ないようになっている。第1、第2の昇降機構8、11は請求項1に記載の発明における接離手段に相当し、第1の昇降機構8は請求項5に記載の発明における切換え手段にも相当する。
【0051】
上部カップ10内には、基板保持機構1に保持された基板Wの処理面WFに対向配置されるように円板状の陽電極14が配設されている。
【0052】
上述した給電ブラシ6は電源ユニット15の陰極側に、上記陽電極14は電源ユニット15の陽極側にそれぞれ接続されている。従って、基板Wの処理面WFは、陰電極7だけがベース部材4と導通させる導電部(図示省略)、ベース部材4、連結部4a、給電ブラシ6、導線16を介して陰極となり、陽電極14は、導線17を介して陽極となるように給電され、請求項1に記載の発明における給電手段が実現されている。
【0053】
また、本実施例では、以下のような構成により陽電極14の周りの電解メッキ液を保持する電解メッキ液保持手段に相当する電解メッキ液保持機構20が設けられている。
【0054】
すなわち、まず、上部カップ10内には、陽電極14の下方に位置させて複数の微小開口孔21が形成された仕切り板22が設けられ、この仕切り板22と、陽電極14の側方及び上方を囲う囲い部材に相当する上部カップ10の側壁及び天井面とによって液保持空間23が形成され、この液保持空間23内に陽電極14が収容された状態にする。
【0055】
また、上部カップ10の天井部分に電解メッキ液の供給口24を設け、この供給口24から、まず、液保持空間23に電解メッキ液が供給され、仕切り板22に形成された微小開口孔21からメッキ反応槽12内に電解メッキ液を供給させるように構成している。
【0056】
このような構成により、後述するように、電解メッキ処理を終えて液保持空間23への電解メッキ液の供給を停止するとともに、メッキ反応槽12内の電解メッキ液を排出しても、電解メッキ液の表面張力により、液保持空間23内の電解メッキ液が仕切り板22に形成された微小開口孔21から下方に排出されることが防止され、陽電極14の周りの液保持空間23内の電解メッキ液が保持され、陽電極14が電解メッキ液内に浸漬された状態を常時維持することができる。
【0057】
なお、仕切り板22に形成する微小開口孔21の孔径は、液保持空間23内の電解メッキ液が微小開口孔21から下方に排出されないような電解メッキ液の表面張力が得られる孔径とし、電解メッキ液の粘度や仕切り板22の材質などに応じて設定される。
【0058】
上部カップ10の天井面には、メッキ反応槽12内と大気と連通させて、メッキ反応槽12内に電解メッキ液を供給できるようにするためのエア抜き部25が設けられている。
【0059】
上部カップ10の天井部分に設けられた電解メッキ液の供給口24には、以下のような電解メッキ液供給手段に相当する電解メッキ液供給機構30により電解メッキ液が供給されるようになっている。
【0060】
すなわち、供給口24は、貯留タンク31内の電解メッキ液Qを供給する供給管32が接続されている。供給管32には、貯留タンク31内の電解メッキ液Qを送液するポンプ33や開閉弁34が介装されているとともに、供給管32途中には、帰還管35が分岐されている。帰還管35の先端は貯留タンク31に接続され、その管路途中には開閉弁36も設けられている。この実施例では、装置の稼働中は常時ポンプ33を駆動させている。そして、メッキ反応槽12に電解メッキ液Qを供給しないときには、開閉弁34を閉、開閉弁36を開にして、供給管32の一部と帰還管35とを介して貯留タンク31内の電解メッキ液Qを供給口24近くまで送液した状態で循環させている。そして、メッキ反応槽12に電解メッキ液Qを供給するときには、開閉弁34を開、開閉弁36を閉に切り換えて、供給口24に電解メッキ液Qをすぐに供給できるようにしている。なお、上述した供給管32の一部と帰還管35とを介した電解メッキ液Qの循環中に図示しない温度調整機構により電解メッキ液Qの温度を所定温度(範囲)に維持するように温調したり、図示しない濃度調整機構により電解メッキ液Qの濃度を所定濃度(範囲)に維持するように構成してもよい。
【0061】
貯留タンク31には液補充管37や回収管38も接続されている。貯留タンク31内の電解メッキ液Qの貯留量が減少すると、図示しない液補充機構によって液補充管37を介して電解メッキ液Qが貯留タンク31に補充されるようになっている。また、後述する液回収部40に形成された電解メッキ液回収部41によって電解メッキ処理中に回収された電解メッキ液Qは回収管38を介して貯留タンク31に戻されるようになっている。
【0062】
基板保持機構1の周囲には、電解メッキ液回収部41と洗浄液回収部42とが形成されるとともに、電解メッキ液回収部41の回収口43と洗浄液回収部42の回収口44とが上下方向に設けられた液回収部40が固設されている。
【0063】
この液回収部40は、円筒状の内壁45と、円筒状の仕切り壁46と、円筒状の外壁47と、仕切り壁46の上部に設けられた傾斜部48と、外壁47の上部に設けられた傾斜部49とで構成されている。内壁45と、仕切り壁46及び傾斜部48の内側面とによって囲まれる空間が洗浄液回収部42となり、仕切り壁46及び傾斜部48の外側面と、外壁47及び傾斜部49とによって囲まれる空間が電解メッキ液回収部41となっている。また、内壁45の上端部と傾斜部48の先端部との間の開口が洗浄液回収部42の回収口44となり、傾斜部48の先端部と傾斜部49の先端部との間の開口が電解メッキ液回収部41の回収口43となっている。
【0064】
後述する電解メッキ処理時は、第1の昇降機構8によって液回収部40に対して基板保持機構1が昇降されて液回収部40に形成された電解メッキ液回収部41の回収口43を基板保持機構1の周囲に位置させ、基板保持機構1及びそれによって保持された基板Wの回転に伴って基板保持機構1(基板W)の周囲に飛散される電解メッキ液Qが電解メッキ液回収部41の回収口43を介して傾斜部49の内側面で受け止められ、電解メッキ液回収部41に回収される。なお、電解メッキ液回収部41の底部には、回収管38に接続された液排出口50が設けられ、電解メッキ液回収部41で回収された電解メッキ液Qは液排出口50、回収管38を介して貯留タンク31に戻される。
【0065】
また、後述する洗浄処理時や乾燥処理時は、第1の昇降機構8によって液回収部40に対して基板保持機構1が昇降されて液回収部40に形成された洗浄液回収部42の回収口44を基板保持機構1の周囲に位置させ、基板保持機構1(基板W)の回転に伴って基板保持機構1(基板W)の周囲に飛散される洗浄液が洗浄液回収部42の回収口44を介して傾斜部48の内側面で受け止められ、洗浄液回収部42で回収される。なお、洗浄液回収部42の底部には、廃棄管51に接続された液排出口52が設けられ、洗浄液回収部42で回収された洗浄液は液排出口52、廃棄管51を介して廃棄されるようになっている。
【0066】
また、本実施例では、基板保持機構1に保持された基板Wの上方であって、この実施例では、離間された基板保持機構1と上部カップ10との間の防滴位置に位置されて上方から基板保持機構1に保持された基板Wへの電解メッキ液Qの滴下を防止する円板状の防滴部材60と、防滴位置とそこから外れた待機位置(図1に示す防滴部材60の位置)との間で防滴部材60を移動させる移動手段に相当する移動機構61とを備えている。
【0067】
本実施例では、防滴部材60は、防滴位置に位置しているとき水平姿勢をとり、待機位置に位置しているとき起立姿勢をとるように構成している。このような姿勢転換を伴う防滴部材60の移動を行う移動機構61は、例えば、図2に示すような構成で実現することができる。
【0068】
すなわち、固定フレームに取り付けられた回転軸62、63に回動自在に連結された支持部材64、65の基端部に防滴部材60が支持されている。そして、支持部材65の先端部には、エアシリンダ66のロッド67が連結されていて、エアシリンダ66のロッド67を伸縮させることにより、図2(b)に示すように、姿勢転換を伴う防滴部材60の移動が行われる。
【0069】
このように防滴部材60が待機位置に位置しているときは起立姿勢をとるように構成したことにより、装置のフットプリントを小さくすることができる。
【0070】
図1に戻って、防滴部材60の下部には、基板保持機構1に保持された基板Wに洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル70が設けられている。洗浄液供給ノズル70には、洗浄液供給管71を介して図示しない洗浄液供給源から洗浄液が供給されるようになっている。洗浄液供給ノズル70からの洗浄液の供給とその停止の切換えは、洗浄液供給管71に介装された開閉弁72の開閉によって行われる。なお、洗浄液供給ノズル70、洗浄液供給管71、及び開閉弁72は、請求項4に記載の発明における洗浄液供給手段に相当する。
【0071】
上記実施例装置の各部の制御は図示を省略した制御部によって行われる。この制御部は各部を制御して以下のように装置を動作させて基板Wの処理面WFにメッキ層を形成する。
【0072】
次に、上記構成を有する実施例に係る基板メッキ装置の動作を図3に示すフローチャートや図4ないし図10に示す動作説明図を参照して説明する。
【0073】
ステップS1:処理面WFを上方に向けて基板Wを基板保持機構1に保持させる(基板搬入工程)。
【0074】
具体的には、第1の昇降機構8によって基板保持機構1を上昇させて、基板保持機構1のベース部材4を液回収部40の傾斜部49の先端部よりも上方に位置させるとともに、第2の昇降機構11によって上部カップ10を上昇させて、基板保持機構1と上部カップ10とを離間させて、基板搬送アーム(図示省略)が進入できるようにし、また、各保持部材5の凹部5aが外側を向くように各保持部材5を回転させて基板Wを受け入れられる状態にし、さらに、移動機構61によって防滴部材60を防滴位置に移動させる(図4(a))。
【0075】
次に、基板Wの処理面WFが上方を向くように支持した状態で基板搬送アームを進入させ、基板Wの周縁部の高さを各保持部材5の凹部5aの高さに一致する高さに位置させる。そして、各保持部材5を回転させて基板Wの周縁部を係止して保持するとともに、基板搬送アームを退避させる(図4(b))。
【0076】
なお、図4(a)、(b)では、液保持空間23に電解メッキ液Qが保持されている状態を示しているが、液保持空間23に電解メッキ液Qを保持するためのイニシャル処理については後述する。
【0077】
ステップS2:メッキ反応槽12を形成してメッキ反応槽12に電解メッキ液Qを満たす(電解メッキ液充填工程)。
【0078】
具体的には、移動機構61によって防滴部材60を待機位置に移動させ、また、第1の昇降機構8によって基板保持機構1を下降させて、基板保持機構1の周囲に液回収部40に形成された電解メッキ液回収部41の回収口43を配置させるとともに、第2の昇降機構11によって上部カップ10を下降させて、基板保持機構1と上部カップ10とを近接させて、基板保持機構1のベース部材4の上面と上部カップ10の下端部とを閉じ合わせてメッキ反応槽12を形成する(図5(a))。
【0079】
次に、開閉弁34を閉から開、開閉弁36を開から閉に切り換えて、供給口24からの電解メッキ液Qの供給を開始する。これにより、電解メッキ液Qは、液保持空間23に供給され、仕切り板22に形成された微小開口孔21から押し出されるようにしてメッキ反応槽12に供給される。予め決めておいた時間が経過すると、メッキ反応槽12に電解メッキ液Qが満たされる(図5(b))。
【0080】
ステップS3:図6に示すように、メッキ反応槽12への電解メッキ液Qの供給を継続しつつ、第2の昇降機構11によって基板保持機構1と上部カップ10とを所定量離間させて基板保持機構1に保持された基板Wの周囲に電解メッキ液Qを排出するための隙間80を形成し、電動モーター2を駆動して基板保持機構1及びそれによって保持された基板Wを回転させながら、電源ユニット15を作動させて陽電極14と陰電極7との間に給電した状態で電解メッキ処理を行う(電解メッキ処理工程)。
【0081】
これにより、基板Wの処理面WFが陰極(−)に、陽電極14が陽極(+)になり、基板Wの処理面WFと陽電極14との間に満たされている電解メッキ液Qが電気分解され、例えば、電解メッキ液Qが硫酸銅メッキ液である場合には、処理面WFに銅が析出して処理面WFに銅のメッキ層が形成される。
【0082】
なお、上記電解メッキ処理の間、基板保持機構1(基板W)の回転に伴って隙間80から周囲に飛散される電解メッキ液Qは液回収部40に形成された電解メッキ液回収部41で回収されて貯留タンク31に戻される。
【0083】
ステップS3の電解メッキ処理を予め決められた時間行うと、開閉弁34を開から閉、開閉弁36を閉から開に切り換えて、供給口24からメッキ反応槽12への電解メッキ液Qの供給を停止し、電動モーター2の駆動を停止して基板保持機構1(基板W)の回転を一旦停止する。
【0084】
ステップS4:洗浄処理の準備を行う。
具体的には、第2の昇降機構11によって上部カップ10を上昇させて、基板保持機構1と上部カップ10とを離間させてメッキ反応槽12内の電解メッキ液Qを電解メッキ液回収部41に排出させ、次に、第1の昇降機構8によって基板保持機構1を下降させて、基板保持機構1の周囲に液回収部40に形成された洗浄液回収部42の回収口44を配置させるとともに、移動機構61によって防滴部材60を防滴位置に移動させる(図7)。
【0085】
なお、基板保持機構1と上部カップ10とを離間させることにより、メッキ反応槽12内の電解メッキ液Qは電解メッキ液回収部41に排出されるが、上述したように液保持空間23内の電解メッキ液Qは保持される。
【0086】
ステップS5:図8に示すように、電動モーター2を駆動して基板保持機構1(基板W)を回転させながら、開閉弁72を閉から開に切り換えて洗浄液供給ノズル70から基板保持機構1に保持された基板W(処理面WF)に洗浄液Rを供給して基板Wを洗浄する(洗浄処理工程)。
【0087】
ステップS5の洗浄処理を予め決められた時間行うと、開閉弁72を開から閉に切り換えて、洗浄液供給ノズル70から基板Wへの洗浄液Rの供給を停止する。
【0088】
ステップS6:図9に示すように、基板保持機構1(基板W)を高速回転させて、基板Wに付着する洗浄液Rを振り切り乾燥する(乾燥処理工程)。
【0089】
なお、上記ステップS5、S6の洗浄処理及び乾燥処理の間、基板保持機構1(基板W)の回転に伴って基板Wから周囲に飛散される洗浄液Rは液回収部40に形成された洗浄液回収部42で回収されて廃棄される。
【0090】
ステップS6の乾燥処理を予め決められた時間行うと、電動モーター2の駆動を停止して基板保持機構1(基板W)の回転を停止する。
【0091】
ステップS7:乾燥させた基板Wを基板保持機構1から取り出す(基板搬出工程)。
【0092】
具体的には、第1の昇降機構8によって基板保持機構1を上昇させて、基板保持機構1のベース部材4を液回収部40の傾斜部49の先端部よりも上方に位置させる(図10(a))。
【0093】
次に、空の基板搬送アームを進入させ、保持部材5に保持されている基板Wを支持すると、各保持部材5の凹部5aが外側を向くように各保持部材5を回転させて基板Wの保持を解除して、基板Wを基板搬送アームに引き渡す。そして、処理済の基板Wを支持した基板搬送アームを退避させて基板Wが装置から搬出される(図10(b))。これで、図4(a)の状態に戻り、続けて処理するときは上記処理を繰り返す。
【0094】
次に、液保持空間23に電解メッキ液Qが保持されていない状態から、液保持空間23に電解メッキ液Qを保持するイニシャル処理については図11に示すフローチャートや図12ないし図14に示す動作説明図を参照して説明する。
【0095】
図12に示す状態を初期状態とする。
ステップT1:上記ステップS2の電解メッキ液充填工程と同じに動作により、メッキ反応槽12を形成してメッキ反応槽12に電解メッキ液Qを満たす(図13)。このとき、電解メッキ液Qは、まず、液保持空間23内に満たされ、液保持空間23内に電解メッキ液Qが満たされると仕切り板22に形成された微小開口孔21から絞り出されるようにメッキ反応槽12に電解メッキ液Qが供給されていく。
【0096】
ステップT2:上記ステップS4と同様の動作により、メッキ反応槽12内の電解メッキ液Qを電解メッキ液回収部41に排出させる。これにより、液保持空間23内に電解メッキ液Qが保持される(図14)。図14に示す状態から、第1の昇降機構8によって基板保持機構1を昇降させて、基板保持機構1のベース部材4を液回収部40の傾斜部49の先端部よりも上方に位置させると、図4(a)に示す状態となる。
【0097】
以上の構成及び動作より明らかなように、この実施例によれば、以下のような効果が得れる。
【0098】
基板保持機構1及びそれによって保持された基板Wを回転させながら電解メッキ処理を行うように構成したので、基板Wの回転によって、図6に示す矢印のように、基板Wの処理面WF上に基板Wの中心から周囲に向かう電解メッキ液Qの流れが強制的に形成され、基板保持機構1に保持された基板Wの処理面WF上に形成される境界層を薄く、かつ、均一にすることができ、基板Wの処理面WFにメッキ層形成イオンが移動し易くなるとともに、基板Wの処理面WFへのメッキ層形成イオンの移動を均一化できる。従って、メッキ層の形成に要する時間を短縮することができるとともに、均一なメッキ層を基板Wの処理面WFに形成することができる。
【0099】
また、上部カップ10と基板保持機構1とにより形成されるメッキ反応槽12内に電解メッキ液Qを満たした後、メッキ反応槽12への電解メッキ液Qの供給を継続しつつ、基板保持機構1と上部カップ10とを所定量離間させて基板保持機構1に保持された基板Wの周囲に電解メッキ液Qを排出するための隙間80を形成し、基板保持機構1を回転させながら、陽電極14と陰電極7との間に給電した状態で電解メッキ処理を行うように構成したので、基板保持機構1(基板W)の回転に伴う電解メッキ液Qの流れに逆らうことなく自然に基板Wの周囲の隙間80から電解メッキ液Qをメッキ反応槽12外に排出することができ、メッキ反応槽12内の電解メッキ液Qの流れを乱すことがない。従って、基板保持機構1に保持された基板Wの処理面WF上に形成される境界層が厚くなったり不均一になったりすることを抑制できる。また、メッキ反応槽12内で電解メッキ液Qによる乱流などが形成されることも抑制できるので、メッキ反応槽12内で気泡が発生したり、気泡が基板Wの処理面WFへ流れるようなことも抑制でき、気泡によるメッキ層形成欠陥なども抑制することができる。さらに、上部カップ10と無関係に基板保持機構1を回転させることができるので、簡単な構成で基板保持機構1を回転させることもできる。
【0100】
また、陽電極14の周りの電解メッキ液Qを保持する電解メッキ液保持機構20を備えたので、陽電極14が電解メッキ液Q内に浸漬された状態を常時維持することができる。従って、陽電極14が大気にさらされることを防止することができ、陽電極14の表面に形成された皮膜層が流れ出たり変質したりすることなどを防止できて、再現性のある電解メッキ処理を実施することができる。
【0101】
さらに、上記実施例の電解メッキ液保持機構20は、陽電極14の側方及び上方を囲う上部カップ10の側壁及び天井面と、陽電極14の下方に配置された複数の微小開口孔21が形成された仕切り板22とで形成された液保持空間23内に陽電極14を収容したことにより構成したので、簡単な構成で電解メッキ液保持機構20を実現することができる。
【0102】
また、基板保持機構1に保持された基板Wに洗浄液Rを供給する洗浄液供給手段を備えたので、電解メッキ処理や洗浄処理、さらには、洗浄処理の後の乾燥処理を、基板Wを搬送することなく1つの装置内で行うことができる。
【0103】
さらに、基板保持機構1の周囲に配設され、電解メッキ液回収部41と洗浄液回収部42とが形成された液回収部40と、基板保持機構1と液回収部40との位置関係を変位させて、排出された液を電解メッキ液回収部41で回収する状態と洗浄液回収部42で回収する状態とで切り換える第1の昇降機構8とを備えたので、電解メッキ液Qと洗浄液Rを分離回収することができる。
【0104】
また、基板保持機構1に保持された基板Wの上方の防滴位置に位置されて上方から基板保持機構1に保持された基板Wへの電解メッキ液Qの滴下を防止する防滴部材60と、防滴位置とそこから外れた待機位置との間で防滴部材60を移動させる移動機構61とを備えたので、図4、図8、図9、図10に示すように、基板Wの洗浄や乾燥、搬入、搬出などの際に、基板Wに電解メッキ液Qが滴下することを防止でき、基板Wの洗浄や乾燥、搬入、搬出などを好適に行うことができる。
【0105】
さらに、基板保持機構1に保持された基板Wに洗浄液Rを供給する洗浄液供給ノズル70を防滴部材60の下部に設けたので、洗浄機能及び防滴機能を備えた基板メッキ装置をコンパクトに構成することができる。
【0106】
なお、本発明は上記実施例の構成に限定されず、例えば、以下のように変形実施することができる。
【0107】
上記実施例の基板保持機構1は、基板Wを保持すると同時に陰電極7と基板Wの処理面WFとが電気的に接続されるように構成したが、陰電極7と基板Wの処理面WFとを電気的に接続する機構と基板Wの保持機構とを別個の機構によって実現してもよい。
【0108】
また、基板Wの保持は、周縁部を保持する構成に限らず、例えば、ベース部材4に基板Wの下面を真空吸着保持する構成などであってもよい。
【0109】
さらに、上記実施例では、接離手段を、基板保持機構1側の昇降と上部カップ10側の昇降とにより実現したが、いずれか一方だけを昇降させることで実現してもよい。
【0110】
また、上記実施例では、切換え手段を、液回収部40を固定し、基板保持機構1側だけを昇降させることにより実現したが、基板保持機構1を固定し、液回収部40側だけを昇降させたり、基板保持機構1側と液回収部40側との双方を昇降させたりすることで実現してもよい。
【0111】
さらに、上記実施例では、基板保持機構1と上部カップ10とによりメッキ反応槽12を形成する構成であったが、本発明はその構成に限定されず、基板保持機構がメッキ反応槽の構成要素と無関係に構成された装置であっても請求項1に記載の発明は同様に適用できる。
【0112】
また、上記実施例の電解メッキ液保持機構20は、仕切り板22に形成した微小開口孔21における電解メッキ液Qの表面張力を利用したものであったが、例えば、図15に示すように、複数の開口26がそれぞれ形成された2枚の仕切り板27を重ねて配置し、メッキ反応槽12内に電解メッキ液を供給するときには、図15(a)に示すように、2枚の仕切り板27の各開口26の位置を一致させ、液保持空間23に電解メッキ液を保持するときには、2枚の仕切り板27を相対的に変位(回転でも水平移動でもよい)させ、図15(b)に示すように、2枚の仕切り板27の各開口26の位置をずらせるようにして液保持空間23に電解メッキ液を保持するように構成することもできる。
【0113】
さらに、上記実施例や図15に示す変形例では、陽電極14の側方及び上方を囲う囲い部材を、上部カップ10の側壁及び天井面で形成したが、図16に示すように、独立した囲い部材28を設けて液保持空間23を形成してもよい。
【0114】
また、上記実施例や図15に示す変形例では、メッキ反応槽12への電解メッキ液Qの供給を液保持空間23を介して行うように構成したが、メッキ反応槽12への電解メッキ液Qの供給と液保持空間23への電解メッキ液Qの供給とを別個の供給系統で実現してもよい。
【0115】
さらに、上記実施例では、電解メッキ処理の後の基板Wの洗浄について説明したが、基板Wが基板保持機構1に保持された後、電解メッキ処理の前に基板Wを洗浄するようにしてもよい。この前洗浄も図8に示すように行えばよい。
【0116】
また、上記実施例では、防滴部材60を単なる板状部材で構成したが、例えば、図17に示すように、防滴部材60の上面に、上から滴下してきた電解メッキ液Qを回収するための回収凹部68を設けるとともに、回収凹部68で回収された電解メッキ液Qを回収管69を介して貯留タンク31に戻すように構成してもよい。
【0117】
さらに、例えば、基板Wの洗浄や乾燥、搬入、搬出に際に、基板保持機構1から離間された上部カップ10を基板保持機構1(基板W)の上方から外れた位置に退避させるように構成すれば、防滴部材60を省略してもよい。
【0118】
また、上記実施例では、装置のフットプリントを小さくするために防滴部材60が待機位置に位置されているとき起立姿勢をとるように構成したが、例えば、水平姿勢の防滴部材60を単に水平移動させて防滴位置とその側方の待機位置との間で移動させるように構成してもよい。
【0119】
上記実施例では、洗浄液供給ノズル70を防滴部材60の下部に設けているが、例えば、図18(a)に示すように、洗浄液供給ノズル70を基板保持機構1の周辺部に固定配置してもよいし、図18(b)に示すように、基板保持機構1に保持された基板Wの上方の実線で示す洗浄位置と、そこから外れた二点鎖線で示す待機位置との間で移動可能に構成した洗浄液供給ノズル70を設けてもよい。
【0120】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、基板保持手段を回転させる回転手段を備え、基板保持手段及びそれによって保持された基板を回転させながら電解メッキ処理を行うように構成したので、基板保持手段に保持された基板の処理面上に形成される境界層を薄く、かつ、均一にすることができ、メッキ層の形成に要する時間を短縮することができるとともに、均一なメッキ層を基板の処理面に形成することができる。
【0121】
さらに、下方が開口され、基板保持手段の上部を覆う上部カップと基板保持手段とにより形成されるメッキ反応槽に電解メッキ液を満たした後、メッキ反応槽への電解メッキ液の供給を継続しつつ、基板保持手段と上部カップとを所定量離間させて基板保持手段に保持された基板の周囲に電解メッキ液を排出するための隙間を形成し、基板保持手段を回転させながら、陽電極と陰電極との間に給電した状態で電解メッキ処理を行うように構成したので、基板保持手段(基板)の回転に伴う電解メッキ液の流れに逆らうことなく自然に基板の周囲の隙間から電解メッキ液をメッキ反応槽外に排出することができ、メッキ反応槽内の電解メッキ液の流れを乱すことがない。また、メッキ反応槽内で電解メッキ液による乱流などが形成されることを抑制できるので、メッキ反応槽内で気泡が発生したり、気泡が基板の処理面に流れるようなことも抑制でき、気泡によるメッキ層形成欠陥なども抑制することができる。さらに、上部カップと無関係に基板保持手段を回転させることができるので、簡単な構成で基板保持手段を回転させることもできる。
【0122】
請求項2に記載の発明によれば、陽電極の周りの電解メッキ液を保持する電解メッキ液保持手段を備えたので、陽電極が電解メッキ液内に浸漬された状態を常時維持することができる。従って、陽電極が大気にさらされることを防止することができ、陽電極の表面に形成された皮膜層が流れ出たり変質したりすることなどを防止できて、再現性のある電解メッキ処理を実施することができる。
【0123】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明における電解メッキ液保持手段を、陽電極の側方及び上方を囲う囲い部材と、陽電極の下方に配置された複数の微小開口孔が形成された仕切り板とで形成された液保持空間内に陽電極を収容したことにより構成したので、簡単な構成で電解メッキ液保持手段を実現することができる。
【0124】
請求項4に記載の発明によれば、基板保持手段に保持された基板に洗浄液を供給する洗浄液供給手段を備えたので、電解メッキ処理や洗浄処理、さらには、洗浄処理の後の乾燥処理を、基板を搬送することなく1つの装置内で行うことができる。
【0125】
請求項5に記載の発明によれば、基板保持手段の周囲に配設され、電解メッキ液回収部と洗浄液回収部とが形成された液回収部と、基板保持手段と液回収部との位置関係を変位させて、排出された液を電解メッキ液回収部で回収する状態と洗浄液回収部で回収する状態とで切り換える切換え手段とを備えたので、電解メッキ液と洗浄液を分離回収することができる。
【0126】
請求項6に記載の発明によれば、基板保持手段に保持された基板の上方の防滴位置に位置されて上方から基板保持手段に保持された基板への電解メッキ液の滴下を防止する防滴部材と、防滴位置とそこから外れた待機位置との間で防滴部材を移動させる移動手段とを備えたので、基板の洗浄や乾燥、搬入、搬出などの際に、基板に電解メッキ液が滴下することを防止でき、基板の洗浄や乾燥、搬入、搬出などを好適に行うことができる。
【0127】
請求項7に記載の発明によれば、基板保持手段に保持された基板に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルを防滴部材の下部に設けたので、洗浄機能及び防滴機能を備えた基板メッキ装置をコンパクトに構成することができる。
【0128】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明に係る基板メッキ装置を用いた電解メッキ処理を好適に行うことができる。
【0129】
請求項9に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明に係る基板メッキ装置を用いた電解メッキ処理や洗浄処理、乾燥処理を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る基板メッキ装置の全体構成を示す図である。
【図2】実施例装置の移動機構の一例を示す図である。
【図3】実施例装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】基板搬入工程の動作説明図である。
【図5】電解メッキ液充填工程の動作説明図である。
【図6】電解メッキ処理工程の動作説明図である。
【図7】洗浄処理の準備の動作説明図である。
【図8】洗浄処理工程の動作説明図である。
【図9】乾燥処理工程の動作説明図である。
【図10】基板搬出工程の動作説明図である。
【図11】液保持空間内に電解メッキ液を保持するためのイニシャル処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】イニシャル処理を行う際の初期状態を示す図である。
【図13】イニシャル処理においてメッキ反応槽に電解メッキ液を満たした状態を示す図である。
【図14】イニシャル処理においてメッキ反応槽内の電解メッキ液を排出した状態を示す図である。
【図15】電解メッキ液保持機構の変形例を示す図である。
【図16】液保持空間を形成する囲い部材の変形例を示す図である。
【図17】防滴部材の変形例を示す図である。
【図18】洗浄液供給ノズルの変形例を示す図である。
【図19】従来の基板メッキ装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1:基板保持機構
2:電動モーター
7:陰電極
8:第1の昇降機構
10:上部カップ
11:第2の昇降機構
12:メッキ反応槽
14:陽電極
15:電源ユニット
20:電解メッキ液保持機構
21:微小開口孔
22:仕切り板
23:液保持空間
30:電解メッキ液供給機構
40:液回収部
41:電解メッキ液回収部
42:洗浄液回収部
60:防滴部材
61:移動機構
70:洗浄液供給ノズル
80:電解メッキ液を排出するための隙間
W:基板
WF:基板の処理面
Claims (9)
- 基板に対してメッキ処理を施す基板メッキ装置であって、
メッキ層を形成する処理面を上方に向けて基板を保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段に保持された基板の処理面に対して電気的に接続する陰電極と、
前記基板保持手段を回転させる回転手段と、
前記基板保持手段に保持された基板の上部に電解メッキ液を貯留するメッキ反応槽と、
前記メッキ反応槽に貯留された電解メッキ液に浸漬され、前記基板保持手段に保持された基板の処理面に対向配置される陽電極と、
前記メッキ反応槽に電解メッキ液を供給する電解メッキ液供給手段と、
前記陽電極から前記陰電極へ向けて電流が流れるように給電する給電手段と、
を備え、
前記メッキ反応槽は、下方が開口され、前記基板保持手段の上部を覆う上部カップを備え、
前記基板保持手段と前記上部カップとを相対的に接離させる接離手段を備え、かつ、
前記メッキ反応槽への電解メッキ液の供給を継続しつつ、前記基板保持手段と前記上部カップとを所定量離間させて前記基板保持手段に保持された基板の周囲に電解メッキ液を排出するための隙間を形成し、前記基板保持手段を回転させながら、前記陽電極と前記陰電極との間に給電した状態で電解メッキ処理を行うことを特徴とする基板メッキ装置。 - 請求項1に記載の基板メッキ装置において、
前記陽電極の周りの電解メッキ液を保持する電解メッキ液保持手段をさらに備え、
前記メッキ反応槽に電解メッキ液を満たした後、電解メッキ処理を行うことを特徴とする基板メッキ装置。 - 請求項2に記載の基板メッキ装置において、
前記電解メッキ液保持手段は、前記陽電極の側方及び上方を囲う囲い部材と、前記陽電極の下方に配置された複数の微小開口孔が形成された仕切り板とで形成された液保持空間内に前記陽電極を収容したことにより構成したことを特徴とする基板メッキ装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の基板メッキ装置において、
前記基板保持手段に保持された基板に洗浄液を供給する洗浄液供給手段をさらに備えたことを特徴とする基板メッキ装置。 - 請求項4に記載の基板メッキ装置において、
前記基板保持手段の周囲に配設され、電解メッキ液回収部と洗浄液回収部とが形成された液回収部と、
前記基板保持手段と前記液回収部との位置関係を変位させて、排出された液を前記電解メッキ液回収部で回収する状態と前記洗浄液回収部で回収する状態とで切り換える切換え手段と、
をさらに備えたことを特徴とする基板メッキ装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の基板メッキ装置において、
前記基板保持手段に保持された基板の上方の防滴位置に位置されて上方から前記基板保持手段に保持された基板への電解メッキ液の滴下を防止する防滴部材と、
前記防滴位置と前記防滴位置から外れた待機位置との間で前記防滴部材を移動させる移動手段と、
をさらに備えたことを特徴とする基板メッキ装置。 - 請求項4に記載の基板メッキ装置において、
前記基板保持手段に保持された基板の上方の防滴位置に位置されて上方から前記基板保持手段に保持された基板への電解メッキ液の滴下を防止する防滴部材と、
前記防滴位置と前記防滴位置から外れた待機位置との間で前記防滴部材を移動させる移動手段とをさらに備え、
前記洗浄液供給手段は、前記防滴部材の下部に設けられた洗浄液供給ノズルであることを特徴とする基板メッキ装置。 - 基板に対してメッキ処理を施す基板メッキ方法であって、
メッキ層を形成する処理面を上方に向けて基板を保持する基板保持手段と、下方が開口され、前記基板保持手段の上部を覆う上部カップとを離間させた状態で、処理面を上方に向けて前記基板保持手段に基板を保持させる基板搬入工程と、
前記上部カップと前記基板保持手段とを近接させ、前記上部カップの下端部と前記基板保持手段と閉じ合わされて形成されたメッキ反応槽に電解メッキ液を供給して、前記メッキ反応槽に電解メッキ液を満たす電解メッキ液充填工程と、
前記メッキ反応槽への電解メッキ液の供給を継続しつつ、前記基板保持手段と前記上部カップとを所定量離間させて前記基板保持手段に保持された基板の周囲に電解メッキ液を排出するための隙間を形成し、前記基板保持手段を回転させながら、前記基板保持手段に保持された基板の処理面に対向配置されるように前記上部カップ内に配設された陽電極と前記基板保持手段に保持された基板の処理面に対して電気的に接続された陰電極との間に給電した状態で電解メッキ処理を行う電解メッキ処理工程と、
メッキ層が形成された基板を前記基板保持手段から取り出す基板搬出工程と、
を備えたことを特徴とする基板メッキ方法。 - 請求項8に記載の基板メッキ方法において、
前記電解メッキ処理工程と前記基板搬出工程の間に、
前記基板保持手段と前記上部カップとを離間させ、前記基板保持手段を回転させながら、前記基板保持手段に保持された基板に洗浄液を供給して基板を洗浄する洗浄処理工程と、
洗浄液の供給を停止した後、前記基板保持手段を回転させて基板を乾燥させる乾燥処理工程と、
を備えたことを特徴とする基板メッキ方法。
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