JP3543672B2 - Sample surface treatment equipment using plasma - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマを用いた表面処理方法及び表面処理装置に関し、更に詳しくは、半導体装置や液晶装置などの各種デバイスの多層構造における成膜或いは表面改質、並びに各種機能性材料の成膜或いは表面改質を、高圧プラズマを用いて高速に且つ清浄雰囲気下において行なう表面処理方法及び表面処理装置に関する。なお、本願明細書における「表面処理」とは、上記のような成膜や表面改質などを包括的に含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置や液晶装置などの各種デバイスの多層構造における成膜並びに各種機能性材料の成膜を行なう方式としては、プラズマCVDが既に公知であり、現在の製造プロセスに広く用いられている。また、半導体装置や液晶装置などの各種デバイスの多層構造における表面改質並びに各種機能性材料の表面改質を行なう方式としては、同じくプラズマによる表面改質方式が既に公知である。
【0003】
前記のプラズマCVD法或いはプラズマによる表面改質方法は、目的とする成膜又は表面改質に応じて選択された反応ガスを高電界によってプラズマ状態にし、前記プラズマ中に発生した活性種によって被処理表面に成膜又は表面改質を行なう方式であり、プラズマを発生させる方式、プラズマを発生させる圧力範囲等によって、分類することができる。前記圧力範囲には明確な規定は存在しないが、低圧プラズマにおける方法においては、前記プラズマを発生させる圧力が低いために前記活性種の密度が小さく、成膜速度或いは表面改質の速度が小さい。このため、装置のスループットが低く、その結果として製品の単価が高くなる一因となっていた。
【0004】
この点を解決する目的で成膜速度或いは表面改質の速度を向上させるために、前記プラズマを発生させる圧力を大気圧程度の高圧力にし、前記活性種の密度を大きくする方法が、例えば特開平2−50969号公報、特開平2−73978号公報、或いは特開平2−73979号公報などに開示されている。以下では、特開平2−73978号公報に開示される方法を、図24を参照して説明する。
【0005】
図24は、上記の公報に開示される装置の構成を示す概略図である。図24において、241は成膜室、242は非接地基板、243は接地電極、244は多孔板高抵抗体、245は試料基板、246はガス導入口、247はRF電極、248はヒータ、249はガス排出口である。
【0006】
上記の公報によれば、成膜室241中に互いに対向する電極242及び243を設け、一方の非接地電極242にはRF電源247が接続され、接地電極243はアースに接続されている。接地電極243上には、電極243以上の大きさの高抵抗体(不図示)を必要に応じて設置し、更にその上に、試料基板245を設置する。非接地電極242には、多孔板高抵抗体244が設置されており、非接地電極242の内部から多孔板高抵抗体244の穴を通じて、成膜室241に膜形成用ガスとHeとの混合ガスを供給する。供給されたガスは、同時にガス排気口249より排気され、成膜室241内部を大気圧近傍の圧力下に維持する。このとき、多孔板高抵抗体244と試料基板245との間の距離を基板間距離240gとすると、この基板間距離240gは0.1mm以上10mm以下になっている。
【0007】
このような構成において、RF電源247より非接地電極242に高周波電力を供給し、非接地電極242と接地電極243との間に大気圧プラズマ240pを発生させて、試料基板245に成膜処理を行なう。
【0008】
図24に示される従来技術の装置を用いて成膜実験を行なった時の実験条件を表1、実験結果を表2及び表3に示す。このうちの表2は、基板間距離240gと膜厚分布との相関を表した表である。また、表3は、全ガス流量Qを放電空間の体積Sで割った値Q/Sと基板245の中央部における成膜速度との相関を表した表である。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【表3】
【0012】
表1〜表3の記載内容から把握されるように、上記の公報に開示されている装置は、
(1)安定なグロー放電を得ることを目的として、成膜を行なうための原料ガスをHeで大量に希釈する、
(2)大面積に均一な成膜を行なうために、高抵抗体244を、電極242及び243の少なくとも一方に取り付けることにより、直流電流が流れずに交流電流のみが流れるようにして、単位面積当たりの電流密度を制限してプラズマ240pが均一に広がりやすくする、
(3)表2に示した実験結果より、試料基板245と高抵抗体244との間の距離240gが小さいほど、膜厚分布の小さい均一な膜が形成されるので、膜厚分布を均一にするために、試料基板245と高抵抗体244との間の距離240gを10mm〜0.1mmに設定する、及び
(4)表3に示した実験結果より、全ガス流量Qを放電空間の体積Sで割った値Q/Sが10−1sec−1のときには、供給された原料ガスがすぐに分解してしまうために基板245上の成膜速度が低下し、一方、値Q/Sが大きいと供給ガスがプラズマ240pを直ちに通過するために分解されず、成膜速度を低下させ且つ原料ガスが有効に使用されないので、放電空間のガスが、10−2sec〜1secで置換されるように、上記のQ/Sが、1sec−1〜102sec−1となるように成膜用の原料ガスとHeとからなる混合ガスを放電空間に供給する、
という特徴をもつ。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術は、以下の様な問題点を有する。
【0014】
すなわち、成膜用原料ガスとHeとの混合ガスによって成膜室241の全体を大気圧周近傍の高圧力雰囲気で充たして高圧プラズマ240pを発生させ、成膜用原料ガスを分解して試料基板245の上に成膜を行なうので、プラズマ240pの中で発生した反応生成物が、プラズマ240pの外部に拡散後、雰囲気気体中を長時間浮遊・凝縮する。これによって、反応生成物の粒径の増大、及び、このように粒径が増大した反応生成物の粒子数の増加が発生する。粒径が増大した反応生成物が成膜基板245の表面に再付着すると、膜中に粒子状生成物が混入して膜質を低下させ、また反応容器の内壁に付着することにより、プロセス自体の歩留りを悪化させる。
【0015】
また、成膜室内を大気圧近傍の高圧力に充填させるために、ガス漏洩時に成膜室の外に漏洩するガスのモル数が多く、装置の安全性が低い。
【0016】
更に、試料基板245の搬出時の反応ガスパージの際に、反応ガスの排気に時間がかかる。このため、成膜速度は早いものの、成膜装置全体のスループットが低い。
【0017】
上記の3つの問題点は何れも、反応容器全体を高圧力雰囲気に充填させることに起因する。
【0018】
更に、電極間ギャップ240gを小さくすると、多孔板高抵抗体244の穴より噴出した反応ガス流が試料基板245の表面に衝突し、噴出穴の直下が周囲とは異なった成膜量分布を呈して、試料基板245の表面におけるの膜の均一性を悪化させる。
【0019】
電極間ギャップ240gを小さくする場合、試料基板245に対する非接地電極242の傾きにより、反応ガスの流量分布が変化し、膜均一性を悪化させる。
【0020】
拡散し難い高圧プラズマ240pを電力負荷した非接地電極242と試料基板245を設置した接地電極243との間で発生させるために、高圧プラズマ240pが試料基板245の全体に発生し難く、大面積試料基板の全体に均一に成膜することが困難である。また、試料基板245より小さい領域にプラズマ240pを発生させて、非接地電極242と試料基板245とを相対移動させて基板245の表面全体を成膜する場合においても、電極242或いは基板245の移動により電力供給路の等価回路が変化するために、成膜量分布を発生して膜均一性を悪化させる。
【0021】
以下では、上記のような従来技術の問題点のうちで、特に第1に説明した粒径の大きな反応生成物の形成・付着に関連する点、及び第4に説明した多孔板高抵抗体244の噴出穴の直下における成膜量分布の変化について、更に説明する。
【0022】
まず、成膜室241の内部を大気圧近傍に充填することによる膜質の劣化及びプロセス歩留り低下の原理について、説明する。
【0023】
供給された原料ガスは、大気圧プラズマ240pの中で分解された後に成膜基板245に到達し、成膜基板245上に膜を形成する。ここで、プラズマ240p中においては、原料ガスの分解・解離反応のみでなく、重合・凝縮反応も同時に起こる。このため、成膜室241内部に混入した不純物と原料ガス原子とからなる粉状の反応生成物も多数存在して、これらの反応生成物も、基板245の表面に到達する。ここで、プラズマ中で凝縮した反応生成物は、プラズマ240pによって即座に再分解されるので、基板245の表面に到達しない。しかし、プラズマ240pの外部に放出された反応生成物は、再分解されることがなく、むしろ、互いに或いは反応容器242の中の不純物と凝縮して、その粒径を増大させる。また、これに伴って、このような粒径の大きい反応生成物の粒子数も、増大する。ここで問題となるのは、粒径の大きな反応生成物であり、これらは、再びプラズマ240pの中へ拡散した場合においても即座に再分解されず、試料基板245に到達して、基板245上に形成された膜中に混入し、膜質を著しく低下させる。更に、これらの粒径の大きな反応生成物は、成膜室241の内壁に付着して成膜室241の内部を汚染し、その結果として成膜後の膜表面を汚染して、プロセス自体の歩留りを悪化させる。
【0024】
ここで問題となるのは、前述の従来技術は大気圧近傍の高圧力に成膜室241の内部を充填させるために、プラズマ240pの外部においても、プラズマ240pの内部と同等の圧力状態であることである。この様な場合、成膜室241の内の雰囲気圧力を低下させて、プラズマ240pの外部における反応生成物の粒径及び粒子数の増大を抑制することも考えられるが、その場合には、同時にプラズマ240pの圧力も低下して成膜速度を低下させ、更にはプロセスのスループットを悪化させる。
このように、前述の従来技術では、大気圧近傍において成膜を行なうと膜質が劣化し、或いは、圧力を低下させて成膜を行なうと高速成膜が実現できない。これは、前述の従来技術自体が、原理的に成膜室241内を大気圧近傍の圧力に充填してプラズマ240pを発生させることによって成膜を行う方法である点に起因する。
【0025】
次に、多孔板高抵抗体244の供給口直下において成膜を行なう場合に発生する膜厚分布について、図25を参照しながら説明する。
【0026】
図25は、反応ガス供給口250の直下に形成される薄膜252の膜厚分布を示す概略図である。図中で、250はガス供給口、251は試料基板に衝突する反応ガスの流れ、252は不図示の基板上に形成される薄膜、253は、反応ガス供給口250の直下に形成される薄膜252の凸部である。
【0027】
図24の従来技術の構成では、非接地電極242と試料基板245との間に大気圧近傍のプラズマ240pを発生させ、プラズマ領域中に多数のガス供給口250より原料ガスを含んだHe混合気体を噴出させる。例えば、電極242及び243の間隔は10mm以下で0.1mm以上と記載されている。
【0028】
しかし、電極242及び243の間隔が狭い場合は、ガス供給口250より噴出した反応ガスの流れ251は、ガス供給口250の直下の試料基板表面に垂直に衝突するので、この箇所に効率よく反応ガスが供給されることになり、結果として、ガス供給口250の直下がその周辺より成膜量が多くなり、図25に示されるような凸部(不均一な膜厚分布)253を形成する。
【0029】
従って、図24に示された従来技術では、電極242と試料基板245との間のギャップは、上記のような不均一な膜厚分布253の発生を抑制するためには狭くできない。これは、電極242及び試料基板245の間にプラズマ240pを発生させて、プラズマ発生部分に反応ガス供給口250を設置するという構成に起因する。
【0030】
上記では、従来技術により試料基板245に成膜を行う場合を例にとってその課題を説明してきたが、表面改質を行なう場合においても同様の問題点が存在する。
【0031】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、(1)試料表面に高能率に成膜或いは表面改質を行ない、且つ清浄雰囲気下において試料表面に反応生成物が再付着することなく、良質な膜形成或いは表面改質を行なうことができる、プラズマを用いた表面処理方法及び表面処理装置を提供すること、(2)所望の気体雰囲気圧力を少なくともプラズマ発生部より低圧に或いは真空に維持することによって、反応生成物の凝縮や、反応ガス噴出領域直下の成膜量或いは処理層厚さの不均一な分布を発生させずに、大面積試料の上に均一に成膜或いは表面改質を行なうことのできる、プラズマを用いた表面処理方法及び表面処理装置を提供すること、である。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明によるプラズマを用いた試料の表面処理装置は、所定の気体雰囲気内に配置されており、表面処理される試料が載置される試料台と、該試料の被処理面の形状の相似形状を少なくとも一部に有する壁面が該試料の被処理面に対向して設けられた電極と、該試料の被処理面に局所的に反応ガスを供給するように該電極の壁面に設けられた反応ガス供給口と、該電極に電力を印加する電源と、前記壁面における前記反応ガス供給口から離れた位置に開放端を有し、該電極に印加される電力を該開放端まで伝送するように該電極内に設けられた電力伝送線路とを備え、該電極の壁面は、該試料の被処理面に近接して設けられており、該試料の被処理面との間に、該反応ガス供給口から該気体雰囲気に向けて低コンダクタンスの気体流路を形成するとともに、該気体雰囲気の圧力と該反応ガス供給口から供給される反応ガスの圧力との差圧によって該気体雰囲気よりも高い圧力を有する高圧反応ガス領域を該低コンダクタンスの気体流路における該開放端の近傍に局所的に形成し、該開放端に伝送される電力によって高電界を発生させて、該反応ガスに基づく局所的な高圧プラズマを該高圧反応ガス領域に発生させることにより、該高圧プラズマ中の反応ガスの反応種によって該試料に対する表面処理が行われ、そのことによって、上記の目的が達成される。
また、本発明によるプラズマを用いた試料の表面処理装置は、所定の気体雰囲気内に配置された試料の被処理面の形状の相似形状を少なくとも一部に有する壁面が該試料の被処理面に対向して設けられた電極と、該試料の被処理面に局所的に反応ガスを供給するように該電極の壁面に設けられた反応ガス供給口と、該電極に電力を印加する電源とを備え、該試料及び該電極の少なくとも一方が、該気体雰囲気の圧力と該反応ガス供給口から供給される反応ガスの圧力との差圧によって、該試料の被処理面と前記壁面とが微小間隔を隔てて浮上するように可動に構成されており、該微小間隔によって、該反応ガス供給口から該気体雰囲気に向けて低コンダクタンスの気体流路が形成されるとともに、前記差圧によって該気体雰囲気よりも高い圧力を有する高圧反応ガス領域が該低コンダクタンスの気体流路における前記反応ガス供給口から離れた位置に局所的に形成され、該電極に電力を印加して、該高圧反応ガス領域に該反応ガスに基づく局所的な高圧プラズマを発生させることにより、該高圧プラズマ中の反応ガスの反応種によって該試料に対する表面処理が行われ、そのことによって、上記の目的が達成される。
好ましくは、前記試料は試料台に載置されている。
好ましくは、前記気体雰囲気の圧力p0と、前記高圧反応ガス領域における前記高圧プラズマの発生箇所の圧力pxとの比を、px/p0>1に設定する手段を更に備える。
好ましくは、前記電極の壁面が、前記試料の被処理面に対して微小間隙を隔てて対向して配置される。
好ましくは、前記電極及び前記試料台の少なくとも一方は、前記差圧によって、該電極及び該試料台の他方に対して微小間隙を隔てて浮上するように可動に構成されている。
好ましくは、前記電極及び前記試料台の少なくとも一方には、所定の大きさの磁力を発生する磁力発生機構が設けられていて、該磁力発生機構から発生する磁力と、前記差圧との両方を利用して、該電極及び該試料台の一方を他方に対して微小間隙を隔てて浮上させる。
好ましくは、前記電極の内部には、前記電極の壁面における前記反応ガス供給口から離れた位置に開放端を有する電力伝送線路が設けられており、該電力伝送線路は、該電極に印加された電力を該開放端まで伝送して、伝送された電力によって、該開放端の近傍に高電界を発生させる。
好ましくは、前記電力伝送線路は、電力が印加される内側導体と、絶縁体を介して該内側導体を覆い且つ接地されている電界遮蔽導体とによって構成されている。
好ましくは、前記電極に印加される電力は、10MHzから1GHzの周波数帯の高周波電力、或いは1GHz以上の周波数帯のマイクロ波電力である。
好ましくは、前記電力伝送線路は、導波管によって構成されている。
好ましくは、前記電極及び前記試料台の少なくとも一方に、使用する電源の周波数の電磁波に対して大きな吸収係数を持つ電力吸収体が設けられており、該電力吸収体は、前記低コンダクタンスの気体流路において前記高圧プラズマの発生領域よりも低圧力側に配置され、該高圧プラズマの発生領域を通過した電磁波を吸収して、該高圧プラズマの周囲領域における前記気体雰囲気の中でのプラズマの発生を抑制する。
【0054】
【発明の実施の形態】
具体的な本発明の実施形態の説明に先立って、まず、本発明における気体雰囲気内に配した試料近傍に成膜又は表面処理を行なうための高圧反応ガスを局所的に供給すると同時に、前記の気体雰囲気より局所的な高圧反応ガス領域を前記試料近傍に形成する様な気体の流れ場を構成する方式について、図22及び図23を参照して説明する。
【0055】
図22は、円板H0による気体の流れ場の形成を示す概略図である。
【0056】
具体的には、被成膜試料Jの被成膜面形状が平面である場合、外半径R2、内半径R1、厚さT1の平面形状を持つ円板H0をギャップt0だけ離れて被成膜試料Jに対向させ、更に高圧気体供給路101によって半径R1の内径穴を通じて、圧力psの高圧気体を局所的に供給する。更に、この高圧気体は、円板H0−被成膜試料Jの間に形成された気体流路を通じて、圧力p0の円板H0の周囲の気体雰囲気へ流れるものとする。
【0057】
ここで、円板H0と被成膜試料Jとの間を流れる気体の重量流量w、及び圧力分布pを、図23を用いて求める。図23は、円板H0と被成膜試料Jとの間に円筒座標軸を設定した図である。
【0058】
図23に示される様に、被成膜平面及び円板H0に垂直で且つ円板H0の中心を通る直線をz軸とし、前記z軸が被成膜平面と交わる点を原点Oとする。更に、図23の様に、原点Oを通り且つ被成膜平面上にある直線を円筒座標系のr軸とし、また、そこから反時計周りに回転角θ0をとるものとする。
【0059】
まず第1に、円板H0と被成膜試料Jとの間を流れる気体の重量流量wを求める。前記気体の流量wは、粘性を考慮した気体の運動方程式であるナビエ・ストークス方程式によって規定される流速を用いて求めることができる。このナビエ・ストークス方程式を円筒座標系で示すと、以下の式(1)のようになる。
【0060】
【数1】
【0061】
ここで、円板H0−被成膜試料Jの間を流れる気体流量wを求めるために、以下の仮定を行なう:
(1)円板H0−被成膜試料Jの間の距離t0は円板外半径R2に比べて非常に小さい
(2)円板H0−被成膜試料Jの間の流れは、発達した境界層流れである
(3)z軸方向に圧力分布はなく、従ってz軸方向の気体の速度を無視する
(4)θ方向にも圧力分布はなく、従ってθ軸方向の気体の速度も無視する
(5)圧力勾配の項に比べて、慣性力の項は小さい
(6)主なる粘性力はδ2vr/δz2のみであり、他は無視する。
以上の仮定を式(1)に当てはめると、以下の式(2)のように簡略化される。
【0062】
【数2】
【0063】
但し、pはr方向の圧力分布、vrはr方向の流速分布、及びμは気体の粘性係数である。
【0064】
壁面においては、気体の速度は壁面の速度に等しいとすることができるので、境界条件は、
【0065】
【数3】
【0066】
となる。圧力pはz方向に分布を持たないので、式(2)を式(3)の境界条件について解くと、
【0067】
【数4】
【0068】
が得られる。従って、円板H0−被成膜試料Jの間を流れる気体の重量流量wは、
【0069】
【数5】
【0070】
と表される。但し、ρは気体の密度である。
【0071】
一方、気体の状態方程式より得られる以下の式(6)、
【0072】
【数6】
【0073】
(但し、mは気体の分子量m、R0は気体定数、T0は絶対温度)を式(5)に代入すると、
【0074】
【数7】
【0075】
が得られる。ここで、wはrによらず一定値をとらなければならないため、
【0076】
【数8】
【0077】
が得られる。これより、
【0078】
【数9】
【0079】
が得られる(但し、E0及びF0はそれぞれ積分定数)。これに境界条件を代入すると、
【0080】
【数10】
【0081】
【数11】
【0082】
が得られる。従って、円板H0の下面に、円板H0−被成膜試料Jの間の気体圧力によって働く力は、上記の式(10)を積分して、
【0083】
【数12】
【0084】
から求めることができる。また、同時に、円板H0の上面には、周囲雰囲気の圧力p0が働くため、円板H0には重力を除いて、
【0085】
【数13】
【0086】
なる力fが、z軸の正方向に働く。
【0087】
また、式(11)より、
【0088】
【数14】
【0089】
【数15】
【0090】
【数16】
【0091】
が得られる。このとき、式(16)の中のwは流量、ps−p0は差圧であるため、C0はコンダクタンスを表し、以下の式(17)、
【0092】
【数17】
【0093】
で表される。
【0094】
ここで、円板H0−被成膜試料Jで構成される気体流路のコンダクタンスC0は、圧力ps及びp0によって変化するが、幾何学的境界条件によってこのコンダクタンスC0を設定する場合には、t0、R2、R1に依存する。
【0095】
上記において、プラズマを発生させる気体の圧力を、例えば大気圧近傍の高圧力に設定し、多くの気体分子をプラズマ中に供給して高い成膜速度を達成する方式が、従来技術として説明した方式である。
【0096】
ここで、圧力ps1で気体を供給し、要求される所定の気体の流量をw1とし、その時の円板H0の周囲圧力をp01、その時の気体の物性及び円板による境界条件R1、R2、t0によって決定される定数cの値をc=c1、コンダクタンスをC0=C01とする。
【0097】
ここで、プラズマを発生させるために供給する気体の種類(分子量m)、圧力(ps)、温度(T)は、被成膜試料J、及び目的とする膜仕様やプラズマ現象等によって決定されるため、変更することができない。変更可能であるパラメータは、円板周囲の雰囲気圧力p0、及び円板H0の配置、すなわち境界条件R1、R2、t0である。
【0098】
まず、c=c1が非常に大きくなるようにR1、R2、t0を設定する場合を考える。これは、供給部から円板周囲への気体流路の幅t0を広くし、R2/R1を大きくすることによって、高圧反応ガス供給部から周囲気体雰囲気への気体流路のコンダクタンスC0を高くした場合に相当する(C0=C01)。
【0099】
このとき、式(14)及び式(15)より、ps1≒p01となり、高圧ガス供給部圧力psと円板周囲圧力p0が等しくなる。また、式(10)より、p≒ps≒p0(R1≦R≦R2)となり、高圧力供給部から周囲気体雰囲気への気体流路である円板H0−被成膜試料Jの間に圧力分布は発生しない。
【0100】
これに対して、必要気体供給量w1及び供給気体圧力ps1をそれぞれ同じ値に保ったままで、コンダクタンスC0を低くしてC0=C02とし(C01>C02)、それに対応して周囲気体圧力p0を小さく設定する場合を考える(p0=p02<ps1≒p01)。
【0101】
このときには、式(14)及び式(15)より、気体流量wがw=w1=c2(ps12−p022)を保つようにC02及びp02が設定され、且つps1(供給部圧力)>p02(円板H0の周囲雰囲気圧力)であるために、式(10)によって示される圧力分布が、円板H0−被加工物Jの間、つまり低コンダクタンス流路部分に形成される。これより、円板H0−試料Jの間の圧力は、円板周囲の圧力p0=p02より、全て高圧力状態となる。
【0102】
以上の点を考慮すると、同じ圧力ps1によって気体を供給し、ある同じ気体の供給量w1を実現する方法としては、
(1)供給部から周囲雰囲気への気体流路のコンダクタンスが大きくなる様に、気体の流れ場(今回は前記壁面H0)を設定し、供給圧力psと周囲圧力p0とが等しい状態で気体を流す、或いは、
(2)前記のコンダクタンスが低くなる様に上記の壁面H0を設定し、供給圧力psと周囲圧力p0との差圧が大きい状態で気体を流す、
という2通りのケースが存在することになる。
【0103】
ここで更に、円板H0−被成膜試料Jの間にプラズマを発生させ、高成膜速度を達成するためにpsを大きくして高圧力気体を供給するケースを考える。
【0104】
前述したように、上記(1)及び(2)の何れの場合においても、円板H0−被成膜試料Jの間には同じ気体流量w=w1が流れ、(1)及び(2)の各々における成膜速度は同じである。
【0105】
しかし、前記(1)の場合には、供給部の圧力ps、プラズマを発生させる円板H0−被成膜試料Jの間、更に周囲圧力p0に圧力分布はなく、全て同じ圧力である。ここで、プラズマ部は高圧力であるので、粒子の平均自由行程が短く、このために容易に衝突・凝縮して反応生成物を形成する。これらの反応生成物は、プラズマ中においては即座に再分解し、被成膜表面を汚染することはない。しかし、周囲気体雰囲気においては、その周囲雰囲気圧力がプラズマ部と同等の高圧力であるため、その平均自由行程の短さから、非常に頻繁に衝突・凝縮を繰り返し、粒径の大きい反応生成物が形成される。粒径の大きい反応生成物は、プラズマ中に拡散した場合においてもその粒径の大きさから即座に分解されず、被成膜表面に付着して膜中に取り込まれ、膜質を劣化させる。また、成膜後においても膜表面に付着し、高成膜速度を達成する代わりに加工物表面を汚染しやすくなる。なお、前述したようにプラズマ中において発生した反応生成物は即座に再分解されて粉状反応生成物は成長しないため、上記の問題点は、大きな粒径の反応生成物が、プラズマ外部の高圧力により成長することに起因する。
【0106】
反応生成物の発生を抑制するために周囲気体雰囲気圧力p0=p01を低くすると、供給部の圧力ps、プラズマを発生させる円板H0−被成膜試料Jの間、更に周囲圧力p0が等しい状態であるため、プラズマ部の圧力も減少する。この結果、良好な膜質や清浄表面を得ることはできるが、高成膜速度を達成できない。
【0107】
これより、上記(1)の状態においては、高成膜速度及び清浄表面を同時に実現することができない。
【0108】
一方、上記の(2)のケースでは、高成膜速度を達成するための同じ気体供給量w1が実現されると同時に、その気体流路のコンダクタンスC0の低さから、供給部の圧力psに対してps>p02なる周囲雰囲気圧力p02が維持される。このような状態では、プラズマ中において発生した反応生成物は、(1)と同様に即座に再分解され、被成膜表面を汚染しない。更に(2)の場合には、周囲気体雰囲気も、プラズマを発生させる円板H0−被成膜試料Jの間より低圧力であるために、平均自由行程が比較的長い。このため、反応生成物の衝突及び凝縮が生じ難く、粒径の大きな反応生成物が成長せずに、清浄な成膜を行なうことができる。
【0109】
このように、上記(2)の場合には、プラズマ部を高圧力に設定することによって高成膜速度を達成し、同時に、周囲雰囲気がプラズマ部より低圧力であることから、良好な膜質で且つ清浄な被成膜表面を得ることができる。
【0110】
周囲圧力p0が小さければ小さいほど、清浄な成膜を行なうことができる。この最小値は、p0=0、つまり周囲が真空状態のときである。
【0111】
上記(1)及び(2)の各々の場合において、供給圧力ps、周囲雰囲気p0、重量流量w、コンダクタンスC0、定数cの状態を示すと、以下の表4のようになる。
【0112】
【表4】
【0113】
本発明では、高圧ガス供給部から円板H0の周囲の雰囲気への気体流路を、内半径R1及び外半径R2である円板H0と、そこから間隔t0だけ離れて対向させた被成膜試料Jによって形成する。この気体流路のコンダクタンスも、粘性気体の運動方程式であるナビエ・ストークス方程式(式1)を用いて求めた。
【0114】
但し、高圧ガス供給部と周囲雰囲気との差圧は、高圧ガス供給部から周囲雰囲気への気体の流れ場を設定し、更に流れ場のコンダクタンスを低くすることによって、形成することができる。このときの具体的な手法としては、円板H0−被加工物Jの間の間隔t0を小さくし、R2/R1を大きくする方法に限定されるものではない。また、流れる気体の圧力が低い場合におけるコンダクタンスC0は、実際には、上述のナビエ・ストークス方程式によってではなく、気体分子運動論を用いて求めなければならない。しかし、コンダクタンスC0の求め方に関わらず、高圧ガス供給部から周囲の雰囲気への気体流路を低いコンダクタンスに設定することによって、先に(2)の場合に示したような、高い成膜速度での清浄表面の形成が実現される。
【0115】
以下には、以上のような考察に基づいて達成された本発明のプラズマを用いた表面処理(成膜或いは表面改質)の方法及び装置を、添付の図面を参照しながら説明する。
【0116】
(第1の実施形態)
図1は、電極浮上型高圧浮上電極H1と、試料J、試料台T、走査ステージS、反応容器C、電源G、共振・整合装置M、フレキシブル電力伝送線路I、電力伝送線路K、高圧反応ガス供給装置R、排気装置E、電極走査装置U、及びそれらを制御する制御装置Nとの配置関係を示す全体概念図である。なお、図示しないが、試料−電極間ギャップを測定する試料−電極間ギャップ測定装置が設けられ、更に電極H1及び試料台Tには、それぞれの温度を調整するための水冷機構或いは加熱機構(不図示)が設けられる。また、試料台Tは、更に試料固定部Fを備えている。
【0117】
図2は、前述した電極浮上型高圧浮上電極H1の断面図である。
【0118】
図2において、1は、高圧反応ガスを高圧反応ガス供給装置Rから電極浮上型高圧浮上電極H1へ輸送する高圧反応ガス供給経路である。2は、電極浮上型高圧浮上電極H1の試料Jに対向する位置に設けられて、高圧反応ガス供給装置Rから輸送された高圧反応ガスを噴出する高圧力反応ガス供給口である。111は、高圧反応ガス供給口2から供給する反応ガスの圧力を、供給口2によって分布が発生しない様にするバッファ部であり、図中に描かれている複数のバッファ部111は、実際にはお互いにつながっている。3は、反応ガス排気口4と排気装置Eとをつなぐ反応生成物排気経路である。また、反応ガス排気口4は、排気装置Eにつながっており、局所的な高圧プラズマP(「局所高圧プラズマP」とも称する)の中での反応によって発生した反応生成物を排気する。5及び6は、それぞれ電極浮上型高圧浮上電極H1の内側電極及び外側電極である。11は、内側電極5と外側電極6との間を絶縁する絶縁体であり、7は、内側電極5及び外側電極6と絶縁体11とによって形成される電力伝送線路開放端である。8は、電極浮上型高圧浮上電極H1とフレキシブル電力伝送線路Iとを接続するコネクタである。9は、電極浮上型高圧浮上電極H1と駆動モータ10とを接続する走査ワイヤ或いはベルトであり、これを通じて駆動モータ10を回転させることによって、電極浮上型高圧浮上電極H1を試料Jに対して相対的に移動させる。走査ワイヤ(ベルト)9と駆動モータ10とを総称して、走査装置Uと呼ぶ。
【0119】
図3は、電極浮上型高圧浮上電極H1の試料対向部分を表した下方斜面図である。
【0120】
図示されるように、電極浮上型高圧浮上電極H1の電極形状を、反応生成物排気口4を中心に持つ円盤型形状とする。また、高圧反応ガス供給口2は、図3の中に示される微小孔とし、この微小孔を同一円周上に多数個配置する。これらの微小孔は、ここから供給されるガスの圧力分布(流量分布)が均一になるように配置することが好ましく、具体的には、ある円周上に等間隔で配置されることが好ましい。また、局所高圧プラズマPを発生させる電力伝送線路開放端7も、同様の円周形状とし、その形成位置は、高圧反応ガス供給口2よりも反応ガス排出口4に近い側に、十分離れて設ける。
【0121】
更に、図4は、試料Jと試料台Tとの間の段差tを示す部分断面図である。
【0122】
本発明の第1の実施形態においては、反応容器Cの内に試料J及び電極浮上型高圧浮上電極H1を対向させて配置し、高圧反応ガス供給装置Rより、目的とする膜特性などに基づいて決定された高圧反応ガスを、高圧反応ガス供給経路1を通じて電極浮上型高圧浮上電極H1に供給する。高圧浮上電極H1は、高圧浮上電極H1と試料Jとが対向する部分に、高圧反応ガスを高圧反応ガス供給口2より供給することによって、試料Jに対して微小間隔Dだけ浮上する。上記の構成では、電極H1と試料Jとの間の間隔Dが非常に狭いために、この部分に供給されたガスは、電極周囲の雰囲気に流出し難い。従って、電極H1と試料Jとに挟まれた部分が高圧力に維持されて、ここに高圧部分が形成される。
【0123】
これにより、低コンダクタンスの気体流路における差圧発生理論(先述の(2)のように供給圧力psと周囲圧力p0との間の差圧を利用するケース)に関連して説明したように、高圧浮上電極H1の試料Jと対向する部分を、高圧反応ガス供給口2から反応容器C内の気体雰囲気へ向かう気体流路を低コンダクタンスな気体流路にする壁面とし、この低コンダクタンスにより、排気装置Eにより排気される反応容器C内の気体圧力より高圧力の反応ガス領域(高圧反応ガス領域)を、高圧浮上電極H1と試料Jの間の微小間隔Dによる低コンダクタンス部分に、局所的に形成する。
【0124】
更に、電源Gから発生した電力は、電力伝送線路K、共振・整合装置M、フレキシブル電力伝送線路Iを通じて高圧浮上電極H1に伝達され、更に内側電極5、外側電極6、及び絶縁体11によって構成される電極内電力伝送線路を通じて、高圧浮上電極H1の試料Jと対向する部分であって且つ高圧反応ガス供給口2より離れた位置に設けられた電力伝送線路開放端7に伝達される。これによって発生された高電界は、電力伝送線路開放端7の位置、すなわち高圧浮上電極H1と試料Jとの間の微小間隔Dの中の高圧力反応ガス領域中であって、且つ高圧反応ガス供給口2より離れた部分に、局所高圧プラズマPを発生させる。この局所高圧プラズマPの中で高圧反応ガスを分解・活性化し、プラズマPの直下における試料Jに対して成膜を行う。
【0125】
プラズマPにおいて生じた反応生成物は、反応生成物排気口4から、反応生成物排気経路3を通じて排気装置Eによって即座に排気される。また、反応容器C内の気体雰囲気へ流れた反応生成物は、反応容器C全体を同様に排気装置Eによって即座に排気することにより、除去される。
【0126】
更に、以上の構成では、走査装置U及び走査ステージSを用いて高圧浮上電極H1と試料Jとの相対的位置を変化させることによって、試料Jの表面の全体に渡って成膜を行うことができる。また、制御装置Nによって、所望の成膜を行うための制御が行われる。
【0127】
このように、以上の構成では、高圧浮上電極H1と試料Jとの間の微小間隔D中の高圧力雰囲気に局所高圧プラズマPを発生させるため、高密度な活性種を生成でき、その結果として高い成膜速度を実現できる。また、同時に、反応容器C内の圧力(周囲気体雰囲気の圧力)が、局所高圧プラズマPが発生して成膜が行われている高圧浮上電極H1と試料Jとの間の高圧力雰囲気に比べて低圧に、或いは真空に維持されていることから、前述したように、粒径の大きな反応生成物が成長することは無く、試料Jに良質な膜を形成できて、且つ膜表面も清浄に維持できる。
【0128】
反応容器C内の圧力が低いほど、清浄な膜表面が得られて、良質な成膜を行なうことができる。特に、反応容器C内の雰囲気が真空である場合に、最大の効果を得ることができる。
【0129】
また、反応容器C内の圧力が1気圧以下である場合には、反応容器Cの外の大気よりも圧力が低いため、ガス漏洩時においても反応容器Cの中のガス雰囲気が反応容器Cの外に漏洩せず、装置の安全性を高めることができる。
【0130】
更に、反応容器C内の雰囲気が真空雰囲気である場合は、試料Jを反応容器Cの外に搬出する際の反応ガスパージ時に、反応ガスを排気する時間を非常に短く、或いは完全に無くすことができるので、装置のスループットが向上する。
【0131】
また、以上のように、微小間隔Dの高圧力と反応容器C内の雰囲気(周囲気体雰囲気)との差圧により、電極H1を試料Jに対して浮上させるので、電極H1が試料Jに対して傾くこと無く、微小間隔Dを維持することができる。また、前記微小間隔D中には、試料表面に沿って、高圧反応ガス供給口2から反応容器C内の雰囲気或いは反応生成物排気口4へ向かう反応ガスのよどみの無い流れが形成されており、このような流れが形成される微小間隔D中に局所高圧プラズマPを発生させることにより、膜厚分布の均一な膜を形成することができる。
【0132】
また、高圧反応ガス供給口2の直下でなく、供給口2より離れた部分に局所高圧プラズマPを発生させることにより、供給口2の反応ガス噴出流によって供給口2の周辺の成膜量より供給口2の直下の成膜量が多くなるような成膜量分布が形成されることがない。これによって、膜厚分布の均一な成膜を行うことができる。
【0133】
更に、以下には、
(1)電極H1を試料Jに対して微小間隔Dだけ浮上させる方式及びその効果、
(2)電力伝送線路開放端7によってプラズマPを発生させる方式及びその効果、
(3)良質な膜質及び清浄な成膜表面を得る方式、並びに
(4)ガス供給口2の直下における成膜量分布の形成防止方式
について、詳述する。
【0134】
まず、(1)として、電極H1を試料Jに対して微小間隔Dだけ浮上させる方式について説明する。
【0135】
図5(a)は、電極浮上型高圧浮上電極H1−試料Jの間の微小間隔Dの近傍の模式的断面図であり、図5(b)は、上記の微小間隔D中の高圧反応ガスの圧力分布を示す模式図である。図5(b)において、P0は高圧反応ガス供給口部の圧力、P1は反応容器内の気体圧力、並びに、P2は反応ガス排気口部の圧力である。
【0136】
この圧力分布は、図22として示されるような簡単な場合においては、代数的に規定することができ、同時に、気体圧力より受ける力を前記式(13)により計算できる。しかし、電極H1のように高圧反応ガス供給口2を多数持つ場合には、代数的に求めることはできず、有限要素法等の方法を用いて数値解析を行なうことになる。同様に、気体圧力より電極H1が同時に受ける力も、数値解析的に求めることになる。
【0137】
高圧反応ガス供給装置Rより、反応ガス種、温度、圧力、流量、混合比を制御されながら供給された高圧反応ガスは、高圧反応ガス供給経路1を通じて、電極浮上型高圧浮上電極H1の内部へと供給される。電極浮上型高圧浮上電極H1の内部へ供給された高圧反応ガスは、図2の断面図に示される電極浮上型高圧浮上電極H1において、試料Jと対向する位置に設けられた高圧力反応ガス供給口2から、高圧浮上電極H1と試料Jとの間隔へ供給される。そして、排気装置Eにより排気されて低圧或いは真空となった反応容器C内の気体雰囲気との差圧による力を受けて、電極浮上型高圧浮上電極H1を試料Jより微小間隔Dだけ浮上させる。
【0138】
微小間隔Dの浮上量が小さいため、高圧力反応ガス供給口2から反応容器Cの低圧或いは真空雰囲気へと向かう気体流路のコンダクタンスは非常に小さくなり、図5中の反応ガス供給口2における反応ガス供給圧力P0から、反応容器Cの低圧或いは真空雰囲気の圧力P1へ、連続的に変化する圧力分布を形成する。同時に、電極浮上型高圧浮上電極H1の試料対向部分12に開口すると共に反応生成物排気経路3を通じて排気装置Eに接続され、微小間隔D中の反応ガス及び反応生成物を排気する反応ガス排気口4には、圧力P2(P2<P0)の低圧雰囲気が形成されている。これによって、同様に、高圧反応ガス供給口2における圧力P0から、反応ガス排気口4の周辺領域の低圧力P2へ変化する圧力分布を形成する。このような微小間隔Dによって変化する圧力分布による反応容器C内の雰囲気との差圧と電極H1の重量とのバランスによって、電極H1は浮上する。
【0139】
この微小間隔Dは、反応ガス供給圧力P0、反応容器内圧力P1、電極重量、電極−試料対向面積、高圧反応ガス供給口2の出口形状、高圧浮上電極内の反応生成物排気口における排気速度によって決定される。そこで、図示しない試料電極間ギャップ測定装置によって電極―試料間隔を測定し、反応ガス供給圧力P0、温度、混合比また周囲圧力、温度等を制御することによって、電極H1と試料Jの広い対向面積に対して、電極―試料間隔を、1μm〜数百μmの微小間隔に安定して制御できる。
【0140】
この時、電極間ギャップ測定装置によって電極―試料間隔を測定し、ステージSによって電極―試料間隔を一定に保つことも、原理的には可能である。しかし、実際には、プラズマの熱による電極H1及び試料Jの変形、プラズマを発生させるための電界、更に腐食性雰囲気によって、精密なギャップ測定を行なうことが困難である。この様な場合においても、本発明によれば、電極―試料間の圧力と反応容器C内の雰囲気との差圧を用いて電極H1を試料Jに対して浮上させることにより、電極H1と試料Jの広い対向面積に対して、電極―試料間隔を1μmから数百μmの微小間隔に、安定して制御することができる。
【0141】
更に、図示しないが、磁性体或いは磁力発生機構を必要に応じて電極H1及び試料台に設け、この磁性体或いは磁力発生機構から発生する磁力によって電極H1を浮上させれば、高圧反応ガス供給口部の圧力P0を低く設定することが可能となり、電極H1の重量でなく目的とする膜特性によって、高圧反応ガス供給口部の圧力条件を設定することも可能になる。
【0142】
次に、(2)として、微小間隔D中の高圧反応ガス領域に局所高圧プラズマPを発生させる方式について、説明する。
【0143】
図6は、電極浮上型高圧浮上電極H1の試料Jと対向する部分に設けられた電力伝送線路開放端7における、局所高圧プラズマPの発生を示す概略図である。
【0144】
図1の電源Gより発生した電力は、電力伝送線路Kを通り、共振・整合装置Mに達する。共振・整合装置Mにより必要に応じて昇圧及びインピーダンスマッチングを行われた電力は、効率よく高圧浮上電極H1へ伝達される。共振・整合装置Mにより昇圧された電力は、フレキシブル電力伝送線路Iを通じて電極浮上型高圧浮上電極H1に供給され、更に、内側電極5、外側電極6、及び絶縁体11によって構成される電極内電力伝送線路を通じて、高圧浮上電極H1の試料Jに対向する部分であって且つ高圧反応ガス供給口2より離れた位置に設けられた電力伝送線路開放端7に達する。
【0145】
電力伝送線路開放端7は、図2に示される実施形態においては、電源Gより直流或いは交流電圧を伝送する電力伝送線路K、フレキシブル電力伝送線路I、及び電極内電力伝送線路が、最終的に高圧浮上電極H1の試料対向部分12において、絶縁体11によって内側電極5と外側電極6とが絶縁された状態のままで終端している部分を意味する。この電力伝送線路開放端7の設置により、図6に示されるように、内側電極5と外側電極6との間で高電圧或いは強電界を発生させて、試料Jの有無に関係なく、内側電極5と外側電極6との間でプラズマPを発生させることが可能になる。更に、外側電極6−内側電極5間以外にプラズマPが拡大することを抑制することができ、局所高圧プラズマPを発生させることができる。
【0146】
電力伝送線路開放端7は、高圧浮上電極H1の試料対向部分12に形成されているため、高圧浮上電極H1−試料Jの間の高圧反応ガス領域に、局所高圧プラズマPを発生させる。局所高圧プラズマPの中で高圧反応ガスは解離し、反応ガスに基づく活性種を発生して試料Jの表面に成膜を行う。高圧反応ガスに基づいて活性種は非常に高密度となり、高速度な成膜を行うことを可能とする。
【0147】
本実施形態の場合には、内側電極5をカソード電極、外側電極6をアノード電極として、試料Jの有無に関係なく、内側電極5と外側電極6との間でプラズマPを発生させることが可能であるため、電極走査の際に電力伝送線路Kの等価回路が変化せず、プラズマPが安定して、均一な膜厚分布を得ることができる。このプラズマPの安定は、内側電極5をカソード電極、外側電極6をアノード電極とする場合に限らず、電力伝送線路開放端において高電界を発生させて、試料Jの有無に関係なくプラズマPを発生させることに起因する。
【0148】
更に、ここで図示しないが、電極H1及び試料台Tの少なくとも何れか一方に、使用する電源Gの周波数の電磁波に対して大きな吸収係数を持つ電力吸収体を、反応ガス供給部2から周囲の気体雰囲気へ流れる低コンダクタンス流路のうちで局所高圧プラズマPが発生する領域より低圧力側に設ければ、局所高圧プラズマPで消費されず通過した電磁波を吸収することができる。これにより、特に反応容器内圧力が真空雰囲気である場合に、周囲の気体雰囲気にプラズマが発生することを防ぐことができる。更に、上記のような電力吸収体を設ければ、電極走査の際に電力伝送線路Kの等価回路が変化せず、プラズマが安定して、更に均一な膜厚分布を得ることができる。
【0149】
次に、(3)として、本実施形態によって、高速度で試料Jの成膜を行い、且つ良好な膜質を有する清浄な成膜表面を得る方式について、以下に説明する。
【0150】
本発明においては、高圧反応ガス領域中における局所高圧プラズマにより高圧反応ガスに基づく高密度活性種を発生させて、試料Jに対する高成膜速度を達成し、同時に、反応容器内圧力を局所高圧プラズマ発生部の圧力より低く或いは真空に維持することによって、良質な膜質及び清浄な成膜表面を得る。反応ガスに用いるガス種、温度、圧力は、目的とする膜材料によって選択されなければならない。また、反応ガス種に用いるガスは、一種類に限定されず、希ガス或いは他の反応ガスと混合させて、最適条件を設定する。
【0151】
高圧反応ガス供給口2より供給された高圧反応ガスは、図5に示されるように高圧反応ガス供給口2の高圧力P0から、低圧或いは真空雰囲気に排気された反応容器内の圧力P1或いは反応ガス排気口4の圧力P2へ、連続的に変化する圧力分布に従って移動する。そして、高圧浮上電極H1の試料対向部分12に設けられた電力伝送線路開放端7に発生した局所高圧プラズマPにおいて、分解・励起され、反応ガスに基づく活性種を発生して、局所高圧プラズマPの直下で成膜を行う。
【0152】
ここで、局所高圧プラズマPによる反応において生じるのは、成膜に寄与する活性種のみでなく、他に、成膜に寄与しない分子や原子、及びそれらが互いに或いは反応容器内の炭化粉末物や金属粉末物などと付着・重合した反応生成物も、生じる。この炭化粉末物や金属粉末物などは、供給ガス、電極材料、反応容器材料などの各種構造物材料から発生する。これらを、不純物と呼ぶ。上記のような反応生成物も試料Jの表面に到達するが、試料Jの表面にこれらの反応生成物が付着したままで成膜が進行すると、反応生成物が膜中に取り込まれて膜質を劣化させる。
【0153】
プラズマ中においては、凝縮した反応生成物は、粒径が小さい場合はプラズマによって即座に再分解され、反応生成物として基板表面に到達することはない。しかし、プラズマ外部に放出された反応生成物は再分解されること無く、互いに或いは容易に反応容器内の不純物と凝縮する。これによって、反応生成物の粒径が増大し、また、粒径の大きい反応生成物の粒子数が増大する。ここで問題となるのは、上記のようにして生成される、粒径の大きな反応生成物である。それらの粒径の大きな反応生成物は、再びプラズマ中に拡散した場合においても即座に再分解されず、ある一定の粒子径を持ったままで試料基板Jに到達して、基板Jの上に形成された膜中に混入することによって、膜質を著しく低下させる。或いは、粒径の大きな反応生成物は、反応容器Cの内壁に付着して、反応容器Cの内部を汚染し、その結果として、成膜後の膜表面を汚染してプロセス自体の歩留りを悪化させる。
【0154】
上記で問題となるのは、プラズマの外部が、プラズマ部と同等の圧力状態である点である。このために、プラズマ外部に放出された反応生成物が成膜室内を長時間浮遊し、その間に、高圧力雰囲気に起因する平均自由行程の短さから互いに或いは反応容器中の不純物と多数回の衝突・凝縮を繰り返して、反応生成物の粒径の増大や粒径の大きい反応生成物の粒子数の増大を引き起こす。また、前述したように再びプラズマ中に拡散した場合においても、即座に再分解されずに試料Jの表面に到達し、膜中に混入することによって膜質を著しく低下させる。
【0155】
これに対して本実施形態では、試料Jに高圧浮上電極H1を対向させ、高圧反応ガス供給口2から反応容器Cの内部雰囲気への気体流路を、低コンダクタンスな気体流路とする。これにより、試料J−電極H1間の気体流路部分に反応容器C内の雰囲気圧力より高圧力な反応ガス領域を形成し、そこにプラズマPを発生させることにより高成膜速度を達成する。その一方で、反応容器C内の雰囲気圧力はプラズマ部より低圧力であるため、平均自由行程が大きくなる。これによって、反応生成物が互いに衝突・凝縮せず、反応生成物の粒径が大きく成長しない。粒径の小さい反応生成物は、プラズマに拡散した場合に即座に再分解され、成膜表面に到達することが無いので、良質な膜質及び清浄な膜表面を得ることができる。
【0156】
反応容器C内の雰囲気圧力は、低圧であるほど良質な膜質及び清浄な膜表面を得ることができ、真空雰囲気がその下限となることは言うまでもない。
【0157】
また、高圧浮上電極H1−試料Jの間の微小間隔D中の試料表面に沿った流れによる、局所高圧プラズマP中で発生した反応生成物の輸送及び除去について考えると、局所高圧プラズマP中の高圧反応ガスに基づく反応生成物は、試料表面に沿った流れによって速やかに局所高圧プラズマPから移動し、一定領域によどむことの無いまま、高圧浮上電極H1中に設けられた反応ガス排気口4を通じて反応ガス排気装置Eへ排出される。これによって、膜表面或いは反応容器内の雰囲気の清浄化が実現される。また同時に、反応生成物は、よどむことの無いままに高圧浮上電極H1の周囲の真空或いは低圧雰囲気にも放出される。反応容器Cの内部を常時排気して真空或いは一定の圧力以下に維持することで、放出された反応生成物の雰囲気パーティクルとの凝縮や被加工物表面への再付着を避けることができて、反応容器内及び膜表面の清浄化を実現することができる。
【0158】
なお、反応容器Cから排気されたガスを再処理して、反応ガス或いは反応容器C内の周囲気体雰囲気として、反応容器Cに再び供給する手段を更に備えることも可能である。
【0159】
更に、本実施例において、電力伝送線路開放端7を高圧反応ガス供給口2より離れた位置に設置することによる、高圧反応ガス供給口2の直下における成膜量分布形成の防止について、更に説明する。
【0160】
図7(a)は、高圧反応ガス供給口2の近傍における構成を模式的に示す断面図であり、図7(b)は、図7(a)の構成を利用して高圧反応ガス供給口2を含む近傍に局所高圧プラズマPを発生させる場合に、供給口2の直下に形成される膜厚分布を示す断面図、更に図7(c)は、上記に際して微小間隙Dに発生するガス流の状態を模式的に示す図である。一方、図8(a)は、高圧反応ガス供給口2から離れた位置に電力伝送線路開放端7を設置する場合の、高圧反応ガス供給口2及び線路開放端7の近傍における構成を模式的に示す断面図であり、図8(b)は、図8(a)の構成を利用して高圧反応ガス供給口2を含む近傍に局所高圧プラズマPを発生させる場合に、供給口2の直下に形成される膜厚分布を示す断面図、更に図8(c)は、上記に際して微小間隙Dに発生するガス流の状態を模式的に示す図である。図7(b)及び図8(b)において、1711は、高圧反応ガス供給口2を含む近傍に局所高圧プラズマPを発生させる場合に供給口2の直下に形成される成膜量分布、1712は、高圧反応ガス供給口2から離れた位置に電力伝送線路開放端7を設置して局所高圧プラズマPを発生させる場合に局所高圧プラズマPの直下に形成される成膜量分布である。また、図7(a)及び図8(a)において、1611は、高圧反応ガス供給口2から噴出する高圧反応ガス噴出流、1612は、微小間隔D中で試料表面に沿う流れとなった高圧反応ガス流であり、図7(c)及び図8(c)において、1613は、供給口2の近傍で乱流になった反応ガスの流速分布、1614は、供給口2から離れて、せん断流へ変化する反応ガスの流速分布、1615は、供給口2から十分に離れて、せん断流になった反応ガスの流速分布である。
【0161】
高圧浮上電極H1−試料Jの間の微小間隔Dの中の高圧反応ガスの流速分布においては、高圧反応ガス供給口2の直下及びその近傍においては乱流1613が発生し、その流速分布は乱れた分布となって、また時間的に変化する非定常流になる。この場合には、試料表面に沿った流速分布のみではなく、試料表面に垂直な方向にも流速分布を有する。しかし、供給口2から離れるに従って、流速分布は1614に示すように次第に安定化し、試料表面に沿った方向の流速分布のみを有するようになる。最終的には、微小間隔D及び反応ガスの流速などのパラメータにもよるが、1615に示されるように、試料表面に沿った流速分布のみを有する定常せん断流になる。参照番号1615で示される、この定常せん断流の流速分布Uは、以下の式(18)、
【0162】
【数18】
【0163】
で表される。但し、上記の式(18)において、微小間隔Dの中心に座標原点をとり、試料表面に垂直な方向にx軸をとるものとし、Uは、原点から距離xだけ離れた位置における試料表面に沿った方向の流速分布、Umaxは、原点、すなわち微小間隔Dの中心に発生する最大流速、xは、原点からの距離である。
【0164】
高圧反応ガス供給口2の直下を含む高圧浮上電極H1の試料対向部分12の全面でプラズマを発生させる場合、試料Jの成膜領域は、プラズマ発生領域、即ち、高圧反応ガス供給口2の直下を含む高圧浮上電極H1の試料対向部分全面となる。このとき、図7(a)に示されるように、特に高圧反応ガス供給口2の直下においては、噴出した高圧反応ガス流1611が試料表面に、該試料表面に垂直な方向から衝突し、時間的に流速分布が変化する不安定な乱流が発生している。従って、反応ガス供給口2の直下では、反応ガス供給口2の周辺以外で試料表面に沿う流れ1612(流速分布1615)が形成されている領域に比べて、成膜量が多くなる。このため、図7(b)に1711として示されるような成膜量分布を形成する。従って、高圧浮上電極H1の走査を行って試料全面の成膜を行う際に、高圧反応ガス供給口2の位置と電極H1を走査する軌跡によって決定される膜厚分布が、成膜後の成膜表面に形成される。
【0165】
そこで、本実施形態では、図8(a)に示される様に、内側電極5及び外側電極6によって構成される電力伝送線路開放端7にプラズマを発生させることにより、プラズマ発生領域を規定して局所高圧プラズマPとする。また、局所高圧プラズマPの位置を高圧反応ガス供給口2より十分離れた位置であって、安定したせん断流1615が発生している領域に設置することで、高圧反応ガス供給口2の直下における成膜量分布1711の形成を防ぎ、微小間隔D中の試料表面に沿う流れによって、局所高圧プラズマPの発生部における成膜を行うことにより、非常に安定した前記局所プラズマ直下の加工量分布1712を得る。この状態で成膜領域を試料全体に走査させることにより、成膜量分布の無い均一な成膜を行なうことができる。
【0166】
本発明の表面処理では、局所的な高圧プラズマPを発生させて、そのプラズマ近傍の局所的な成膜を行い、電極H1と試料Jとを相対的に移動させることによって試料表面全体の成膜を行う。また、電極H1と試料Jとの間の微小間隔D中の反応ガスの高圧力と電極重量、及び反応容器C内の低圧或いは真空雰囲気との釣合によって、微小間隔Dを形成している。これらのため、共振・整合装置Mと電極浮上型高圧浮上電極H1とを接続する電力伝送線路は、変形可能なフレキシブル電力伝送線路Iを用いることが望ましい。また、フレキシブル電力伝送線路Iと高圧浮上電極H1との接続は、コネクタ8によって行われ、この接続は、接続部での接触抵抗による損失、電磁波漏れの無い様に行わなければならない。
【0167】
絶縁体11は、電力伝送線路開放端7に発生した局所高圧プラズマPによって腐食されることの無い材料、例えば高純度アルミナ、窒化珪素等を用いることが望ましく、更に条件に応じて、膜材料を構成する元素を少なくとも1種類以上含む材料を用いることが望ましい。例えば、Si膜を成膜する場合、絶縁体11に窒化珪素(SiN)を用いることにより、膜中への不純物混入を低減させることができる。
【0168】
試料固定部Fに関して、試料Jを固定する固定用治具が高圧浮上電極H1と対向する部分へ突出した場合、前述したように高圧浮上電極H1と試料Jは非常に接近しているため、接触による高圧浮上電極H1の試料対向部分12の損傷や、微小間隔D内の圧力分布の変化など、好ましくない状態を引き起こす。従って、試料固定部Fは、真空チャックや静電チャック等の、試料固定治具などが電極対向部に突出しない機構を用いることが望ましい。
【0169】
また、図4に示される、試料Jと試料台Tの段差tは、微小間隔D内の高圧反応ガスの圧力分布を変化させ、試料Jに対する電極浮上型高圧浮上電極H1の電極傾斜を引き起こし、更には成膜速度分布の変化、電極表面への試料の接触等の問題を発生させるため、可能な限り小さくしなければならない。
【0170】
高圧浮上電極H1の試料対向部分12に耐蝕性を有して高硬度の絶縁膜、例えばアルミナ溶射膜などを形成し、高精度に平坦化することにより、プラズマによる試料対向部分12の腐食を軽減させ、寿命を長期化させた高圧浮上電極を実現することも可能である。
【0171】
図9のように、高精度に平坦化させた高精度平坦化耐蝕・高硬度絶縁体18、例えば高純度アルミナ或いは窒化珪素などからなる絶縁体18を、試料対向部12の全体に取り付けることによって、膜形成の困難な耐蝕・高硬度絶縁材料を試料対向部分12に用いることも可能である。
【0172】
或いは、図10のように、反応ガス供給口2に多孔質材料19、例えば多孔質アルミナ等を用いることによって、非常に安定して電極H1−試料Jの間の狭ギャップ間隔Dを制御することを可能とする高圧力浮上電極H1を実現することも可能である。
【0173】
また、高圧浮上電極H1において、高圧反応ガス供給口2及び反応ガス排気口4の位置及び数量は1つに限定されるものではない。例えば、図11のように、試料台Tに、或いは高圧浮上電極H1及び試料台Tの両方に、高圧反応ガス供給口2及び反応ガス排気口4を設置することも可能である。
【0174】
先に図1を参照して説明した走査ステージSは、目的に応じて、鉛直方向運動機構、水平方向運動機構、回転機構などを有することができる。また、試料台Tに固定される試料Jの数は、1つに限定されない。試料を多数固定する試料台を用いたバッチ処理を行うことにより、生産効率の向上を行うことができる。
【0175】
例えば、図12は、多回転軸且つ回転数をもつ多数試料固定用試料台T11を用いたバッチ処理を示す概念図である。図12において、T11は多数試料固定用試料台である。
【0176】
図12に示される構成例においては、XYZ方向への多方向走査が可能な走査ステージS上に、回転機構θ1をもつ試料台T11が設置され、更にT11上には、試料台T11の持つ回転機構θ1と同じ或いは異なる回転数、回転方向、回転軸の回転機構θをそれぞれ持つ試料台Tが多数個設置される。各試料台Tの上に試料Jをそれぞれ設置し、電極浮上型高圧浮上電極H1が試料Jに対向することにより、バッチ処理を行う。このとき、走査ワイヤ或いはベルト9を通じて電極H1を走査させ、また、走査ステージSの多方向走査、或いは試料台T及び試料台T11の回転機構を用いてランダムに加工を行うことによって、試料Jをそれぞれ均一に成膜し、非常に膜均一性の高い成膜を行なうと同時に、バッチ処理により生産効率の向上を行うことができる。
【0177】
高圧浮上電極H1−試料Jの間の微小間隔Dへ高圧反応ガスを供給する高圧反応ガス供給口2、反応生成物排気口4、及び高圧浮上電極H1の試料対向部分12の形状は、試料Jの形状、大きさ、仕上げ精度など、目的とする成膜に応じて変化する。高圧浮上電極H1の実施形態は、これに限定しない。
【0178】
なお、反応容器Cの中に、試料などの横方向の位置決め用に高圧力部を形成することも可能である。但し、その場合の高圧力部は、上記で説明したところの「供給圧力よりも低い圧力を有する周囲気体雰囲気部」には含まれない。
【0179】
(第2の実施形態)
次に、試料浮上型高圧浮上電極H2を用いた本発明の第2の実施形態について、以下に説明する。
【0180】
本実施形態における試料浮上型高圧浮上電極H2とは、電力を電源Gより伝達されて局所高圧プラズマPを発生し得る電極に対して、浮上試料Aを浮上させる方式を用いた高圧浮上電極である。この場合、反応容器C内に設置されるのは試料浮上型高圧浮上電極H2であり、浮上するのは浮上試料Aである。
【0181】
図13は、試料浮上型高圧浮上電極H2の概略断面図であり、Aは浮上試料、H2は試料浮上型高圧浮上電極、Yは浮上試料走査ワイヤー或いはベルトである。また、試料浮上型高圧浮上電極H2は、図13には図示されない走査ステージS上に設置され、走査ステージSにより試料浮上型高圧浮上電極H2を走査することにより、試料浮上型高圧浮上電極H2と浮上試料Aとの相対的位置を変化させることができる。
【0182】
浮上試料走査ワイヤ或いはベルトYは、図13には図示されない駆動モータ10に接続される。これより、電極浮上型高圧浮上電極H1と同様に、駆動モータ10を回転させることによって浮上試料Aを走査させて、試料浮上型高圧浮上電極H2と浮上試料Aとの相対的位置を変化させることができる。駆動モータ10及び浮上試料走査ワイヤ或いはベルトYを総称して、試料台走査装置と呼ぶ。
【0183】
このように、本実施形態は、局所高圧プラズマPを発生させる試料浮上型高圧浮上電極H2に対して、浮上試料Aを微小間隔Dだけ浮上させる試料浮上方式を用いている。電極浮上型高圧浮上電極H1と同様に、微小間隔D中に発生した局所高圧プラズマP中の高圧反応ガスに基づく活性種により、浮上試料Aの局所高圧プラズマPの近傍に局所的な成膜を行う。また、走査ステージS及び試料台走査装置を用いて試料浮上型高圧浮上電極H2と浮上試料Aの相対的位置を変化させることによって、試料Aの表面に全体的な成膜を行う。また、本実施形態においては、第1の実施形態にて、電極浮上型高圧浮上電極H1に関して説明した高圧反応ガス供給口2の形状及び位置、反応生成物排気口4の形状及び位置、電力伝送線路開放端7の形状及び位置や構造は、第1の実施形態と同様とする。特に、本実施形態では、ガラス基板などの軽量な試料Aに対して、比較的低圧な供給圧力によって試料Aを試料台Tと共に浮上させることができる。これより、加工条件の圧力条件を広く設定することを可能し、同時に比較的容易に試料Aの搬送を行うことができるので、装置全体の生産性を向上させることができる。
【0184】
なお、図13に図示しない装置全体の構成、浮上試料Aの浮上原理及び方式、局所高圧プラズマPの発生原理及び方式、局所高圧プラズマP中における成膜現象、高成膜速度、膜質向上、及び成膜後の表面の清浄化を同時に実現する原理及び方式、高圧反応ガス供給口2より離れた位置に局所高圧プラズマPを発生させて高圧反応ガス供給口2の直下における成膜量分布1711の形成を防止する原理及び方式については、電極浮上型高圧浮上電極H1と同様に、本実施形態においても適用できる。
【0185】
また、第1の実施形態で説明した高圧浮上電極H1の形状、電極浮上型高圧浮上電極H1の試料対向部12に対する耐蝕・高硬度の絶縁膜の形成、図9に示した電極浮上型高圧浮上電極H1の試料対向部12に対する高精度平坦化耐蝕・高硬度絶縁材料18の設置、図10に示した高圧反応ガス供給口2に対する多孔質材料の設置、図12に示した多回転軸且つ回転数をもつ多数試料固定用試料台T11によるバッチ処理方式、試料台Tや試料固定部Fなどの構成などに関する特徴は、本実施形態の試料浮上型高圧浮上電極H2に対しても同様に適用することができる。
【0186】
或いは、図14のように試料浮上型高圧浮上電極H2においても、高圧反応ガス供給口2及び反応生成物排気口4の位置及び数量は1つに限定されず、試料台Tに、或いは高圧浮上電極H2及び試料台Tの両方に、設置することも可能である。
【0187】
図15は、試料浮上型高圧浮上電極H2において、浮上体を、図13に示した浮上試料Aを固定した試料台Tでなく、浮上試料Aのみとした構成である。
【0188】
図15におけるY11は、浮上試料Aを拘束或いは走査させ得る浮上試料拘束走査機構であり、直接前記走査ワイヤ或いはベルトYを浮上試料Aに接続させること無く、浮上試料Aの浮上方向とは別に側面より浮上試料を押すことにより、浮上試料Aを走査させる機構である。
【0189】
この構成によれば、電極浮上型高圧浮上電極H1或いは試料浮上型高圧浮上電極H2における試料のチャッキング時間を省略することができる。従って、このような浮上試料拘束走査機構により、1方向に浮上試料を移動させて、流れ作業的に成膜し、その後に試料搬送を行うことにより、プロセスの生産性を向上させることができる。
【0190】
(第3の実施形態)
次に、導波管を電力伝達線路に用いた電極浮上型高圧浮上電極H3による、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0191】
導波管を電力伝達線路に用いる場合、電力伝送線路は直流及び周波数の低い交流を伝送することができない。従って、電源Gとしては、少なくとも周波数10MHz〜1GHzの高周波、或いは1GHz以上のマイクロ波電源G11を用いる。
【0192】
図16は、導波管を前記電力伝送線路に用いた電極浮上型高圧浮上電極H3の断面図であり、図17は、電極H3を別の方向より見た部分断面図、図18A及び図18Bは、それぞれ電極H3の下方斜面図及び上方斜面図である。
【0193】
図16において、H3は導波管を前記電力伝送線路に用いた電極浮上型高圧浮上電極、Pは局所高圧プラズマ、24はマイクロ波を印加することによって高電界を発生し、電極H3−試料Jの間の微小間隔Dに局所高圧プラズマPを発生させる導波管の開放端、21はマイクロ波電源G11より供給されたマイクロ波を必要に応じて昇圧・マッチングする共振・整合装置Mから、高圧浮上電極H3にマイクロ波を伝送するフレキシブル導波管、22はフレキシブル導波管21より電極H3の試料対向部分28に位置する導波管開放端24へマイクロ波を伝達する電極内導波管、23は、電極内導波管22の内部空間と、電極H3−試料Jの間の微小間隔Dの高圧反応ガス領域とを分離する絶縁体、20は、高圧反応ガス供給口として機能し、形状がスリット形状である高圧反応ガス供給スリットである。
【0194】
また、図17において、T12は、凹状形状をなし、凹部内側底面において試料Jを固定し、凹部内側側壁において電極H3の移動を拘束する凹状試料台である。25は高圧気体供給口であり、凹状試料台T12の内側側壁に設けられ、該供給口より噴出する高圧気体により、電極H3に接触すること無く、電極H3の運動方向を1方向に拘束する。26は、高圧気体供給口25に、図示しない高圧気体供給装置より高圧気体を輸送する高圧気体供給経路である。
【0195】
図18Aにおいて、27は、高圧反応ガス供給スリット20から、反応ガス排気口4へ、或いは電極H3周囲の気体雰囲気へ向かって、電極H3−試料Jの間の微小間隔Dを流れる試料表面に沿った流れである。
【0196】
また、これらの各図における試料J、試料固定部F、高圧反応ガス供給経路1、反応生成物排気経路3、反応生成物排気口4については、内側電極5、外側電極6及び絶縁体11によって電極内電力伝送線路を構成する高圧浮上電極H1或いはH2と同様の構成である。また、図示しない走査ステージS、反応容器C、電源G、電力伝達線路K、共振・整合装置M、高圧反応ガス供給装置R、排気装置E、高圧浮上電極走査装置U、制御装置Nも、高圧浮上電極H1或いはH2と同様の構成となる。但し、電源Gに代えて、高周波或いはマイクロ波電源G11を用いる。
【0197】
以下に、導波管を電力伝送線路に用いた電極浮上型高圧浮上電極H3の構成、高圧浮上電極H3の浮上方式、高圧浮上電極H3の成膜方式、導波管を電力伝送線路に用いることの効果、及びマイクロ波電源G11を用いることの効果について、順に説明する。
【0198】
まず、導波管を電力伝送線路に用いた電極浮上型高圧浮上電極H3について、あらためて説明すると、図18A及び図18Bに示されるように、この電極H3は、金属立方体において、試料Jと対向する一面を高精度に平坦化し、その面を電極浮上型高圧浮上電極H3の試料対向部分28とする。更に、前記金属立方体内部にマイクロ波電力を伝達し得る電極内導波管22を設け、且つ試料対向部分28内の所望の位置に向かって、導波管22を開放終端化させる。開放終端化した電極内導波管22の内部空間を絶縁体23によって塞ぎ、電極浮上型高圧浮上電極H3の周囲の気体雰囲気より分離する。この電極内導波管22の、試料対向部分28において開放終端化された部分を、導波管開放端24と呼ぶ。電極内導波管22に、導波管開放端24とは反対方向からフレキシブル導波管21を接続することにより、電源G11より発生したマイクロ波電力を、電極浮上型高圧浮上電極H3内の電極内導波管22、更には導波管開放端24にまで伝達させる。これによって、該導波管開放端24の位置に局所高圧プラズマPを発生させる。
【0199】
ここで、絶縁体23は、高硬度で且つ局所高圧プラズマPに対して耐食性を持つ材質から構成されることが望ましく、そのような材質としては、例えば高純度アルミナや窒化珪素などが挙げられる。更に、場合に応じて、成膜材質を構成する元素を少なくとも1種類以上含む材料、例えばSi膜を成膜する場合には、絶縁体23に窒化珪素を用いて、膜中への不純物混入を低減させることが望ましい。絶縁体23の設置後も、試料対向部分28が高精度な平坦面となる程度まで、再度平坦化加工することが望ましい。更に、試料対向部分28に高圧反応ガスを噴出するための高圧反応ガス供給スリット20を開口させ、その位置は、導波管開放端24より離れた位置とする。高圧反応ガス供給スリット20に高圧反応ガス供給装置Rから高圧反応ガス供給経路1を通じて高圧反応ガスを供給し、高圧反応ガス供給スリット20から、高圧反応ガスを噴出させる。更に、試料対向部分28にあって、且つ前記高圧反応ガス供給スリット20と導波管開放端24とに挟まれた位置に、反応生成物排気経路3を通じて排気装置Eに接続され、且つプラズマ中の反応によって発生した反応生成物を排気する反応生成物排気口4を設ける。
【0200】
ここで、図18A及び図18Bに示されるように、反応生成物排気口4及び導波管開放端24は、その形状を幅の広いスリット状とし、スリット20、反応生成物排気口4、及び導波管開放端24は、互いに平行関係になる様に設置する。
【0201】
次に、高圧浮上電極H3の浮上方式について説明する。
【0202】
図17に示されるように、高圧浮上電極H3を、試料Jを固定した凹状試料台T12の凹部に、両者を非接触状態に保った状態ではめ込む。高圧反応ガス供給装置Rより、高圧反応ガス供給経路1を通じて高圧反応ガス供給スリット20より高圧反応ガスを噴出させることにより、高圧反応ガスと反応容器C内の気体雰囲気との差圧により、高圧浮上電極H3を試料Jに対して微小間隔Dだけ浮上させる。従って、凹状試料台T12及び試料Jと高圧浮上電極H3の試料対向部分28は、非接触状態を保つ。更に、凹状試料台T12の内側凹部側面63と該内側側面に対向する高圧浮上電極H3の側面62は、高精度に平坦化されている。更に、凹状試料台T12の凹部の幅Q12は、高圧浮上電極H3の幅Q11より僅かに大きく、図示しない高圧気体供給装置より高圧気体供給経路26を通じて高圧気体供給口25より高圧気体を噴出させることにより、凹状試料台T12の内側凹部側面63と該内側側面に対向する高圧浮上電極H3の側面62は非接触状態を保ち、更に高圧浮上電極H3の運動方向を1方向に限定する。つまり、導波管を電力伝送線路として用いた電極浮上型高圧浮上電極H3は、電力伝送線路として電極内導波管22を採用しただけであるため、その浮上方式では、第1の実施形態における電極浮上型高圧浮上電極H1と同じく、高圧反応ガス供給スリット20より供給された反応ガスの高圧力P0と、排気装置Eによって排気された反応容器C内の低圧或いは真空雰囲気圧力P1との差圧によって、微小間隔Dだけ浮上する。高圧反応ガス供給口をスリット状にし、更にスリット20及び反応生成物排気口4を互いに平行関係になる様に設置することにより、供給スリット20から反応ガス排気口4へ向かう高圧反応ガスの流れにおいて、スリット20の長手方向の流速分布を均一化させることができる。このように流速分布を均一化させることにより、導波管開放端24に発生する局所高圧プラズマPにおける前記成膜速度分布を、均一化させることができる。
【0203】
次に、本実施形態の電極H3による成膜方法を説明する。
【0204】
マイクロ波電源G11より発生したマイクロ波電力は、共振・整合装置Mとフレキシブル導波管21、更に電極内導波管22を通じて、高圧浮上電極H3の試料対向部28に設けられた導波管開放端24に達する。導波管開放端24に達したマイクロ波電力は、電極H3−試料Jの間の微小間隔D中の高圧反応ガスに向かって放射される。これによって高圧反応ガスは解離し、反応ガスに基づく局所高圧プラズマPを発生させる。更に、プラズマP中に発生した反応ガスに基づく活性種により、試料Jの局所高圧プラズマPの直下の成膜を行う。
【0205】
ここで、導波管22の断面形状は、マイクロ波電源G11の周波数と、試料Jと目的とする成膜特性、成膜領域より決定される。
【0206】
更に、高圧反応ガス供給スリット20より供給された反応ガスは、反応容器C内の低圧或いは真空雰囲気、及び前記反応ガス排気口4へ向かって、電極H3の浮上によって形成された電極H3―被加工物Jの間の微小間隔D中を、試料表面に沿った流れ27となって移動する。また、導波管を用いた電力伝送線路開放端24を、試料対向部28中で且つ高圧反応ガス供給スリット20より離れた反応ガス排気口4で挟まれる位置に設けることによって、高圧反応ガスの試料表面に沿った流れ中に局所高圧プラズマPを形成して、よどみの無い反応ガスの流れ場の中で、表面に均一な成膜を行う。
【0207】
次に、導波管を電力伝送線路に用いることの効果を説明する。
【0208】
電極H1及びH2のような内側電極5と外側電極6を用いて電力伝送線路を構成する実施形態においては、電源Gに、マイクロ波電源G11のみでなく、直流からマイクロ波電源まで、全ての周波数の電力を用いることができる。しかし、内側電極5−外側電極6の間の絶縁、及び内側電極5と外側電極6とによって囲まれる電力伝達部分と前記電極―被加工物間の微小間隔D中の反応ガス領域との分離を行うための絶縁体11は、内側電極5の外径及び外側電極6の内径に対して、隙間なく取り付けられていることが必要である。その場合、発生した局所高圧プラズマPから発生する熱によって、内側電極5及び外側電極6が熱変形し、特に内側電極5の熱膨張によって絶縁体11の破損を引き起こす可能性が存在する。従って、外側電極6及び内側電極5の冷却を行うが、現実には、この様に複雑な構造体である高圧浮上電極H1或いはH2を製作し、更に電極H1或いはH2の全体を均一に冷却する機構を設けることは、非常に困難である。
【0209】
しかし、本実施形態においては、電力伝送線路に導波管を用いることにより、電圧印加する内側電極5と、電界を閉じ込める外側電極6との区別が無く、マイクロ波を伝播させる場合において、高圧浮上電極内部の電力伝送線路及び電極内冷却経路の製作を容易にする。また、金属構造体が絶縁体23を取り囲む構造となり、金属の熱膨張係数と絶縁体の熱膨張係数とでは金属の熱膨張係数の方が一般的に大きいことから、金属体の熱膨張による絶縁体23の破損が起こり難い。
【0210】
また、電源としてマイクロ波電源G11を用いることにより得られる効果について説明すると、以下の表5は、最大電界強度E0及び周波数fで周期的に変化する振動電界E=E0・sin(2πft)の中(但しtは時間)において、真空中で各種荷電粒子(電荷量e、質量m)が振動する時の振動振幅L=(e・E0/4mπ2f2)の値を示した表である。但し、電界強度を1.0×106[V/m]としている。
【0211】
【表5】
【0212】
また、図19(a)は、荷電粒子29の前記振動電界E(図19(b)参照)による振動振幅Lを示す概念図である。
【0213】
表5に示されるように、振動電界Eの振動振幅Lは、周波数を向上させるにしたがって小さくなる。微小間隔Dは1μm〜数百μm程度の狭ギャップであるが、局所高圧プラズマPを発生させる電源に周波数が1MHz程度である高周波電源を用いると、それによる振動振幅LはHeイオンの場合で0.607[m]と非常に大きくなる。この結果、荷電粒子を狭ギャップ中に捕捉することができず、結果として荷電粒子が試料表面及び成膜中の膜表面に衝突して膜に損傷を与え、欠陥密度の大きい膜質となる。
【0214】
しかし、電極−試料の微小間隔Dが数百μm程度の時には、局所高圧プラズマPを発生させる電源に最低10MHz以上の高周波を用いる一方で、微小間隔Dが数十μm程度の時には周波数1GHz以上のマイクロ波を用いることにより、荷電粒子が電極−試料間の微小間隔D中に確実に捕捉されて、膜に損傷を与えない低損傷な成膜を実現することができる。
【0215】
図17に示されるように、試料Jと高圧浮上電極H3との相対的な移動にあたっては、凹状試料台T12の内側底部に試料Jを試料固定部Fによって固定し、試料台T12の内側側面63に設置された高圧気体供給口25より噴出した高圧気体により、エアスライド的に摺動部を用いること無く非接触に、高圧浮上電極H3の走査方向を試料Jに水平な方向のみに限定する。更に、試料Jに水平な方向の走査は、高圧浮上電極H3に接続された走査ワイヤ或いはベルト9を図示しない駆動モータ10に接続し、この駆動モータを回転させることによって行う。
【0216】
高圧気体供給口25より噴出させる高圧気体は、試料Jの成膜に用いる高圧反応ガスに限定せず、絶縁性の高いガスや希ガス、或いは空気など、目的に応じて変化させる。
【0217】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0218】
図20A、図20B、及び図20Cは、それぞれ、導波管を電力伝送線路に用いた試料浮上型高圧浮上電極の断面図、正面図、及び上面図である。また、これらの図中で、H4は、導波管を電力伝送線路に用いた試料浮上型高圧浮上電極、30は突起のついた浮上試料送りベルト、31は送りベルトの突起、32は浮上試料送りモータである。
【0219】
導波管を電力伝送線路に用いた試料浮上型高圧力浮上電極H4は、先の実施形態で説明した導波管を電力伝送線路に用いた電極浮上型高圧浮上電極H3と同様に、導波管によってマイクロ波を伝達し、電極H4の試料対向部に設けられた導波管開放端24において局所高圧プラズマPを発生させる。そして、微小間隔D中に供給された高圧反応ガスを分解し、反応ガスに基づく活性種を発生して浮上試料Aの表面の成膜を行う。更に、電極H4−試料Aの間の微小間隔D中の反応ガスの試料表面に沿った流れにより、試料Aの表面に均一に成膜を行なう。試料浮上型高圧浮上電極H2と同様に、電極浮上型高圧浮上電極H1、及び図14の試料浮上型高圧浮上電極における試料J及びAのチャッキング時間を省略することができるので、流れ作業的に加工・試料搬送を行うことにより、プロセスの生産性を更に向上させることができる。
【0220】
導波管を電力伝送線路に用いた試料浮上型高圧浮上電極H4において、図20A、図20B、及び図20Cに図示しない装置全体の構成や、試料の浮上原理、プラズマ発生方式、及び局所プラズマ中における成膜現象、高成膜速度、膜質の向上及び試料の成膜後表面の清浄化を同時に実現する原理及び方式については、先に説明した電極浮上型高圧浮上電極H1と同様である。
【0221】
また、図示しないが、図14のように試料台に前記試料を固定し、試料台と共に試料を浮上させる方式を実施することも可能である。
【0222】
浮上試料の走査は、図20Cに示すような、両端を浮上試料送りモータ32によって拘束・回転される突起31のついた浮上試料送りベルト30によって、突起31で試料を固定しながら両端のモータ32を回転させることによって、試料を1方向に送ったり往復走査させたりする機構を用いることもできる。
【0223】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0224】
図21は、被成膜表面の形状が球面である試料に成膜を行う高圧浮上電極の部分断面図である。図21において、H5は、試料対向部に球面形状をもつ高圧浮上電極、T13は球面試料固定用試料台、Bは被成膜表面の形状が球面である試料、60は、球面試料固定用試料台T13の電極対向面、61は、高圧浮上電極H5の試料対向部分である。
【0225】
被成膜表面の形状が球面である試料Bに成膜を行う場合、球面試料固定用試料台T13の電極対向面60を球面とし、その半径を試料Bの形状の球面半径に一致させて、試料Bの成膜面の球面が試料台T13の電極対向面60の球面に段差なく重なる様に設置する。一方、高圧浮上電極H5の試料対向部分61の形状を同じく球状とし、その半径を試料Bの球面半径と同じ或いはそれ以上とする。このような状態で、高圧浮上電極H5の試料対向部分61と試料Bの球面とを対向させ、多孔質材料19を用いた高圧反応ガス供給口より供給した高圧反応ガスと反応容器内の低圧及び真空雰囲気との差圧により、高圧浮上電極H5を、試料Bの表面より微小間隔Dだけ浮上させる。
【0226】
図示しないが、同様に高圧反応ガス供給口より供給した高圧反応ガスと反応容器内の低圧及び真空雰囲気との差圧により、試料Bを高圧浮上電極H5より微小間隔Dだけ浮上させることも可能である。
【0227】
プラズマの発生は、高圧浮上電極H1と同様に、電極H5の試料対向面に設置した電力伝送線路開放端7に、図示しない電源Gより発生した直流或いは交流電圧を伝達し、高圧反応ガスの供給された電極H5−試料Bの間の微小間隔Dに強電界を発生させることによって局所高圧プラズマPを発生させ、反応ガスに基づく活性種によって試料Bに成膜を行う。
【0228】
図21の構成において、電力伝送線路は内側電極5及び外側電極6によって構成されており、電源Gより発生した直流或いは交流を、電力伝送線路開放端7、更に局所高圧プラズマPまで、伝達している。或いは、電源がマイクロ波電源である場合は、例えば、先の実施形態に関連して図16に示したように導波管を用いてマイクロ波を伝達させ、更に、図18Aの試料対向部分28を、高圧浮上電極H5の試料対向部分61に示されるような球面とし、試料と対向する部分に同様に設置した導波管開放端に強電界を発生させて局所高圧プラズマPを発生させ、球面試料Bに成膜すればよい。
【0229】
電極浮上型高圧浮上電極H1、試料浮上型高圧浮上電極H2、H3、導波管をマイクロ波伝送線路として用いた高圧浮上電極H4で示した前記高圧反応ガス供給口形状及び位置、反応生成物排気口形状及び位置、マイクロ波開放端形状及び位置、高圧浮上電極形状及び試料対向部耐蝕・高硬度絶縁膜形成及び試料対向部耐蝕・高硬度絶縁材料設置、試料台、試料固定部などに関する先述の特徴は、本実施形態のように試料の成膜面形状が球面である場合の高圧浮上電極H5にも、同様に適用することができる。
【0230】
上記において、本発明の各実施形態の説明では、本発明によって成膜を行なう場合を中心として述べたが、表面の改質処理を行なう場合においても、同様に適用できる。
【0231】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、所望の気体雰囲気内に試料及び電力を印加する電極を対向させて配置し、電力印加によって局所的にプラズマを発生させる。このとき、局所的なプラズマ発生部のみを高圧力に維持することにより、試料表面に高能率に表面処理(例えば、成膜或いは表面処理)を行う。同時に、所望の気体雰囲気圧力を少なくとも前記の局所高圧プラズマ発生部より低圧に、或いは真空に維持することにより、反応生成物が凝縮せず且つ試料表面に再付着することもなく、良質な膜形成或いは表面処理を行なうことができる。また、プラズマ発生領域を、電極−試料間隔の反応ガス供給口近傍の反応ガス噴出領域以外の場所であって、反応ガスの試料表面に沿った流れが形成される領域中のみに限定することにより、成膜処理時には、反応ガス噴出領域の直下に成膜量分布が形成されること無く、或いは、表面処理時には、反応ガス噴出領域の直下に処理層厚さ分布が形成されること無く、試料表面の表面処理(成膜或いは表面改質)を行なうことができる。
【0232】
更に、本発明によれば、局所的に形成した高圧反応ガス領域においてプラズマを発生させることにより、試料に高速に成膜することができ、同時に前記プラズマの発生している局所的に高圧力となった領域以外が前記高圧反応ガス領域より低圧に維持されることにより、試料周辺雰囲気における反応生成物の凝縮が少なく、良質な膜形成を行なうことができ、また更に膜表面を清浄に保つことができる。
【0233】
また、本発明によれば、試料を配した気体雰囲気の圧力p0に対する、前記低コンダクタンス流路部分に局所的に維持された高圧気体雰囲気中のプラズマ発生する部分の圧力pxの比px/p0をpx/p0>1とすることにより、プラズマ部において高密度活性種を発生して高成膜速度を達成する。同時に、プラズマ部より周囲雰囲気の圧力が低いことから、試料周辺雰囲気における反応生成物の凝縮を更に少なくし、良質な膜形成を行なうと同時に、膜表面を清浄に保つことができる。
【0234】
また、本発明によれば、プラズマの発生する局所的に高圧力となった部分以外の領域を、圧力1気圧以下とすることにより、反応ガスが大気に拡散し難くなって、装置の安全性を高めることができる。
【0235】
また、本発明によれば、プラズマの発生する局所的に高圧力となった部分以外の領域を、更に真空雰囲気とすることにより、被加工物周辺雰囲気における反応生成物の粒径、及び数の絶対値を低くすることができ、良質な膜形成を行なうことができるとともに、更に膜表面を更に清浄に保つことができる。同時に、試料の大気雰囲気への搬出時のパージに際して、雰囲気が真空に保たれているため、反応ガスをその都度排気する必要が無く、装置のスループットを向上させることができる。
【0236】
また、本発明によれば、低コンダクタンス流路部に局所的に形成された高圧反応ガス領域中の、更に特定領域において局所的な高圧プラズマを発生させることにより、所望の位置に局所的に成膜を行なうことができる。
【0237】
また、前記の局所高圧プラズマを発生させて試料表面に成膜を行なう領域を、反応ガスを供給する部分より離れた位置に設けることにより、反応ガス供給部分直下における膜厚分布形成を防ぎ、均一な成膜を行なうことができる。
【0238】
更に、試料に応じた形状を持ち、更に高圧反応ガス供給口を少なくとも何れか一方に持つ電極及び試料台において、電極と試料とを微小間隔を隔てて設置することにより、電極を、供給口から気体雰囲気への気体流路の低コンダクタンス部分を形成する壁面として、先に述べた高圧反応ガス領域を局所的に形成することができる。更に、電極に電力を印加して、低コンダクタンスにより局所的に高圧反応ガスとなった電極−試料間の微小間隔にプラズマを発生させれば、試料に対して高速に且つ良質な成膜を行なうことができ、更に膜表面を清浄に維持することができる。
【0239】
また、供給口より供給した高圧反応ガスの圧力によって局所的に形成された高圧力の反応ガス領域と気体雰囲気圧力との間の差圧により、電極を試料に対して、或いは試料を電極に対して、微小間隔を隔てて浮上させることにより、プラズマの熱による電極や試料の変形、或いはプラズマを発生させる電界や腐食性ガスの存在により微小間隔の測定・制御が困難な環境においても、低コンダクタンスな気体流路を安定して広面積に微小間隙を形成することができる。また、電極を試料に対して傾くこと無く配置することができ、反応ガスの流量分布を均一にすることにより、膜厚均一性を向上させることができる。
【0240】
また、更に磁性体或いは磁力発生機構を電極或いは試料台の少なくとも何れか一方に持ち、この磁性体或いは磁力発生機構より発生した磁力により、電極を試料に対して、或いは試料を電極に対して、微小間隔を隔てて浮上させることにより、低コンダクタンスな気体流路を安定して広面積に形成することができる。更に、電極或いは試料を浮上させる力に新たに設けた磁力発生機構或いは磁性体から発生した磁力を用いることにより、反応ガス圧力範囲を広く設定でき、電極重量でなく、目的とする成膜特性によって、反応ガスの供給圧力を決定できる。
【0241】
また、更に前記電極内に電力伝達線路を設けて、試料と対向する部分にこの電力伝達線路開放端を設けることにより、電極に印加された電力を電力伝送線路開放端に伝送させ、開放端の近傍のみに局所的にプラズマを発生させることができる。また、電力伝送線路がプラズマによって終端化されていることにより、試料を全面成膜するために電極と試料とを相対的に移動させた場合においても、電力投入機構部分の等価回路が変化しない。この結果、プラズマに対する影響が少なく、広い面積に更に均一に成膜を行なうことができる。
【0242】
また、プラズマを発生させる電力をマイクロ波電力とすることにより、電極と試料との間の微小間隔に発生したプラズマ中の荷電粒子を微小間隔にて確実に捕捉し、試料表面及び形成された膜に与える損傷を更に低減させることができる。また、同時に、微小間隔に保たれた電極―試料の間にプラズマを発生させることができる。
【0243】
また、電極内の電力伝送線路を導波管とすることにより、電極の構成を簡略化でき、プラズマの熱による電極の変形による電極自体の破損を防止することにより、装置の信頼性を向上させることができると共に、部品形状の簡略化により装置コストを低減させることができる。
【0244】
電極或いは試料台に、プラズマの発生する微小間隔に向かって開口する反応生成物排気口を設け、この排気口よりプラズマにおいて発生した反応生成物を即座に排気することによって、試料に良質な膜を形成することができ、また膜表面を更に清浄に維持することができる。
【0245】
また、試料に対して、試料と対向する部分の形状に少なくとも、試料表面に対して相似形状を含む形状をもつ電極を用いて、電極−試料間の微小間隔内の反応ガス供給口の高圧力部から電極周囲の気体雰囲気或いは反応ガス排気口へ向かう試料表面に沿う流れ中において局所的なプラズマを発生させ、このプラズマによって生じた反応ガスに基づく活性種の試料表面に沿うよどみの無い流れにより、試料に均一に成膜を行なうことができる。
【0246】
また、電極及び試料台の少なくとも何れか一方に、使用する電源の周波数の電磁波に対して大きな吸収係数を持つ電力吸収体を、反応ガス供給部から周囲の気体雰囲気へと流れる低コンダクタンス流路のうちの、局所高圧プラズマが発生する領域より低圧力側に設けることにより、局所高圧プラズマで消費されず通過した電磁波を吸収し、局所的な高圧雰囲気の外部における、低圧な気体雰囲気中にプラズマが発生することを防ぐことができる。
【0247】
また、プラズマを発生させる電極と試料とを相対的に移動させることにより、試料に対して大面積に成膜を行なうことができ、また走査速度を制御することにより、所望の膜厚分布に成膜することができる。
【0248】
また、反応容器内の気体雰囲気を排気し、更に処理後に再び反応ガス或いは反応容器内の気体雰囲気として供給することにより、反応ガス及び雰囲気ガスを無駄にすることが無く、成膜コストを低減させることができる。
【0249】
なお、電極には、直流から低周波、高周波、マイクロ波の広い範囲の電力を印加することが可能である。
【0250】
また、上記の本発明の効果は、本発明によって成膜を行なう場合について述べたが、表面処理を行なう場合についても、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の全体概念図である。
【図2】電極浮上型高圧浮上電極H1の断面図である。
【図3】電極浮上型高圧浮上電極H1の試料対向部分を表した下方斜面図である。
【図4】試料Jと試料台Tとの段差tを示す部分断面図である。
【図5】(a)は、電極浮上型高圧浮上電極H1−試料Jの間の微小間隔Dの近傍の模式的断面図であり、(b)は、上記の微小間隔D中の高圧反応ガスの圧力分布を示す模式図である。
【図6】電極浮上型高圧力浮上電極H1の試料Jと対向する部分に設けられた電力伝送線路開放端における局所領域プラズマPの発生を示す概略図である。
【図7】(a)は、高圧反応ガス供給口2の近傍における構成を模式的に示す断面図であり、(b)は、(a)の構成を利用して高圧反応ガス供給口2を含む近傍に局所高圧プラズマPを発生させる場合に、供給口2の直下に形成される膜厚分布を示す断面図であり、(c)は、上記に際して微小間隙Dに発生するガス流の状態を模式的に示す図である。
【図8】(a)は、高圧反応ガス供給口2から離れた位置に電力伝送線路開放端7を設置する場合の、高圧反応ガス供給口2及び線路開放端7の近傍における構成を模式的に示す断面図であり、(b)は、(a)の構成を利用して高圧反応ガス供給口2を含む近傍に局所高圧プラズマPを発生させる場合に、供給口2の直下に形成される膜厚分布を示す断面図であり、(c)は、上記に際して微小間隙Dに発生するガス流の状態を模式的に示す図である。
【図9】高精度平坦化耐蝕・高硬度絶縁体を試料対向部分に用いた電極浮上型高圧浮上電極の断面図である。
【図10】高圧反応ガス供給口に多孔質材料を用いた電極浮上型高圧浮上電極の断面図である。
【図11】試料台Tに高圧反応ガス供給口を設置した電極浮上型高圧浮上電極の断面図である。
【図12】多回転軸及び回転数をもつ試料多数固定用試料台T11を用いたバッチ処理を示す概略図である。
【図13】試料浮上型高圧浮上電極H2の概略断面図である。
【図14】試料台Tに高圧反応ガス供給口を設置した試料浮上型高圧浮上電極H2の断面図である。
【図15】試料のみを浮上させた試料浮上型高圧浮上電極H2の概略断面図である。
【図16】導波管を電力伝送線路に用いた電極浮上型高圧浮上電極H3の断面図である。
【図17】導波管を電力伝送線路に用いた電極浮上型高圧浮上電極H3を別の方向より見た部分断面図である。
【図18A】導波管を電力伝送線路に用いた電極浮上型高圧浮上電極H3の下方斜面図である。
【図18B】導波管を電力伝送線路に用いた電極浮上型高圧浮上電極H3の上方斜面図である。
【図19】(a)は、荷電粒子の振動電界による振動振幅を示す概念図であり、(b)は、(a)の振動を生じさせる振動電界を示す模式図である。
【図20A】導波管を電力伝送線路に用いた試料浮上型高圧浮上電極H4の断面図である。
【図20B】導波管を電力伝送線路に用いた試料浮上型高圧浮上電極H4の正面図である。
【図20C】導波管を電力伝送線路に用いた試料浮上型高圧浮上電極H4の上面図である。
【図21】試料仕上げ形状が球面である試料の表面平滑化及び形状成膜を行う高圧浮上電極H5の部分断面図である。
【図22】円板H0による気体の流れ場の形成を示す概略図である。
【図23】図22の構成において、円板−被成膜試料間に円筒座標軸を設定した図である。
【図24】ある従来技術によるプラズマを用いた表面処理装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図25】原料ガス供給口直下に形成されると考えられる薄膜の膜厚分布を模式的に示す図である。
【符号の説明】
A 浮上試料
B 成膜面形状が球面である試料
C 反応容器
D 微小間隔
E 排気装置
F 試料固定部
G 電源
G11 マイクロ波電源
H0 円板
H1 電極浮上型高圧浮上電極
H2 試料浮上型高圧浮上電極
H3 導波管を電力伝送線路に用いた電極浮上型高圧浮上電極
H4 導波管を電力伝送線路に用いた試料浮上型高圧浮上電極
H5 試料対向部に球面形状をもつ高圧浮上電極
I フレキシブル電力伝送線路
J 試料
K 電力伝送線路
L 荷電粒子の振動電界による振動振幅
M 共振・整合装置
N 制御装置
R 高圧反応ガス供給装置
S 走査ステージ
T 試料台
T11 試料多数固定用試料台
T12 凹状試料台
T13 球面試料固定用試料台
U 電極走査装置
Y 浮上試料走査ワイヤ
Y11 浮上試料拘束走査機構
θ 試料台Tの持つ回転機構
θ1 試料多数固定用試料台T11の持つ回転機構
1 高圧反応ガス供給経路
111 バッファ部
2 高圧力反応ガス供給口
3 反応生成物排気経路
4 反応ガス排気口
5 内側電極
6 外側電極
7 電力伝送線路開放端
8 コネクタ
9 走査ワイヤ(ベルト)
10 駆動モータ
11 絶縁体
12 電極浮上型高圧浮上電極H1の試料対向部分
1611 高圧反応ガス供給口2から噴出する高圧反応ガス噴出流
1612 微小間隔D中で試料表面に沿う流れとなった高圧反応ガス流
1613 供給口2の近傍で乱流になった反応ガスの流速分布
1614 供給口2から離れてせん断流へ変化する反応ガスの流速分布
1615 供給口2から十分に離れてせん断流になった反応ガスの流速分布
1711 高圧反応ガス供給口2を含む近傍に局所高圧プラズマPを発生させる場合に供給口2の直下に形成される成膜量分布
1712 高圧反応ガス供給口2から離れた位置に電力伝送線路開放端7を設置して局所高圧プラズマPを発生させる場合に局所高圧プラズマPの直下に形成される成膜量分布
18 高精度平坦化耐蝕・高硬度絶縁体
19 多孔質金属或いは多孔質絶縁体材料
20 高圧反応ガス供給スリット
21 フレキシブル導波管
22 電極内導波管
23 絶縁体
24 導波管開放端
25 高圧気体供給口
26 高圧気体供給経路
27 試料の表面に沿った流れ
28 導波管を電力伝送線路に用いた電極浮上型高圧力浮上電極H3の試料対向部分
29 荷電粒子
30 突起のついた浮上試料送りベルト
31 送りベルトの突起
32 浮上試料送りモータ
60 球面試料固定用試料台T13の電極対向面
61 高圧浮上電極H5の試料対向部分
62 高圧浮上電極H3の側面
63 凹状試料台T12の内側凹部側面
101 高圧気体供給路
240p 高圧プラズマ
240g 基板間距離
241 成膜室
242 非接地基板
243 接地電極
244 多孔板高抵抗体
245 試料基板
246 ガス導入口
247 RF電極
248 ヒータ
249 ガス排出口
250 ガス供給口
251 前記試料基板に衝突する原料ガスの流れ
252 薄膜
253 原料ガス供給口直下に形成される薄膜の凸部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a surface treatment method and a surface treatment apparatus using plasma, and more particularly, to film formation or surface modification in a multilayer structure of various devices such as semiconductor devices and liquid crystal devices, and film formation or surface treatment of various functional materials. The present invention relates to a surface treatment method and a surface treatment apparatus for performing surface modification at high speed using a high-pressure plasma under a clean atmosphere. The “surface treatment” in the specification of the present application comprehensively includes the above-described film formation and surface modification.
[0002]
[Prior art]
As a method for forming a film in a multilayer structure of various devices such as a semiconductor device and a liquid crystal device and for forming a film of various functional materials, plasma CVD is already known and widely used in current manufacturing processes. As a method for performing surface modification in a multilayer structure of various devices such as semiconductor devices and liquid crystal devices and surface modification of various functional materials, a surface modification method using plasma is already known.
[0003]
In the plasma CVD method or the surface modification method using plasma, a reaction gas selected according to a target film formation or surface modification is made into a plasma state by a high electric field, and is treated by active species generated in the plasma. This is a method of forming a film or modifying the surface, and can be classified according to a method of generating plasma, a pressure range for generating plasma, and the like. Although there is no clear definition in the pressure range, in the method using low-pressure plasma, the density of the active species is low and the film formation rate or the surface modification rate is low because the pressure for generating the plasma is low. For this reason, the throughput of the apparatus is low, and as a result, the unit price of the product is increased.
[0004]
In order to improve the film formation rate or the surface modification rate for the purpose of solving this point, a method of increasing the plasma generation pressure to a high pressure of about atmospheric pressure and increasing the density of the active species is known, for example. It is disclosed in Japanese Unexamined Patent Publication No. Hei 2-50969, Japanese Unexamined Patent Application Publication No. 2-73978, Japanese Unexamined Patent Application Publication No. 2-73979, and the like. Hereinafter, the method disclosed in JP-A-2-73978 will be described with reference to FIG.
[0005]
FIG. 24 is a schematic diagram showing the configuration of the device disclosed in the above publication. 24,
[0006]
According to the above publication,
[0007]
In such a configuration, high-frequency power is supplied from the
[0008]
Table 1 shows the experimental conditions when the film forming experiment was performed using the conventional apparatus shown in FIG. 24, and Tables 2 and 3 show the experimental results. Table 2 among them is a table showing the correlation between the
[0009]
[Table 1]
[0010]
[Table 2]
[0011]
[Table 3]
[0012]
As can be understood from the contents described in Tables 1 to 3, the device disclosed in the above publication is
(1) For the purpose of obtaining a stable glow discharge, a source gas for forming a film is diluted in large quantities with He;
(2) In order to form a uniform film over a large area, a high-
(3) From the experimental results shown in Table 2, the smaller the
(4) From the experimental results shown in Table 3, the value Q / S obtained by dividing the total gas flow rate Q by the volume S of the discharge space is 10-1sec-1In this case, the supplied source gas is immediately decomposed, so that the film forming rate on the
Has the characteristic.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above prior art has the following problems.
[0014]
That is, the whole of the
[0015]
Further, since the inside of the film formation chamber is filled to a high pressure near the atmospheric pressure, the number of moles of gas leaking out of the film formation chamber at the time of gas leakage is large, and the safety of the apparatus is low.
[0016]
Furthermore, it takes time to exhaust the reaction gas when purging the reaction gas when the
[0017]
All of the above three problems are caused by filling the entire reaction vessel into a high-pressure atmosphere.
[0018]
Further, when the
[0019]
When the
[0020]
Since the high-
[0021]
In the following, among the problems of the prior art as described above, in particular, the points related to the formation and adhesion of the reaction product having a large particle diameter described in the first section, and the porous plate
[0022]
First, the principle of film quality deterioration and process yield deterioration due to filling the inside of the
[0023]
The supplied source gas is decomposed in the
[0024]
The problem here is that in the above-described conventional technology, the inside of the
As described above, in the above-described related art, when the film is formed near the atmospheric pressure, the film quality is degraded, or when the film is formed at a reduced pressure, high-speed film formation cannot be realized. This is because the above-described prior art itself is a method of forming a film by filling the inside of the
[0025]
Next, a film thickness distribution generated when a film is formed immediately below the supply port of the perforated plate
[0026]
FIG. 25 is a schematic diagram illustrating a film thickness distribution of the thin film 252 formed immediately below the reaction
[0027]
24, a
[0028]
However, when the distance between the
[0029]
Therefore, in the conventional technique shown in FIG. 24, the gap between the
[0030]
In the above, the problem has been described by taking, as an example, the case where a film is formed on the
[0031]
The present invention has been made in order to solve the above-mentioned problems, and its object is to (1) perform film formation or surface modification on a sample surface with high efficiency, and generate a reaction on a sample surface in a clean atmosphere. To provide a surface treatment method and a surface treatment apparatus using plasma capable of forming a good-quality film or modifying the surface without reattaching a substance, and (2) generating a plasma with a desired gas atmosphere pressure at least. By keeping the pressure lower than that of the section or maintaining a vacuum, the reaction product is not condensed and the film thickness or the uneven thickness distribution of the treated layer just below the reaction gas ejection area does not occur. An object of the present invention is to provide a surface treatment method and a surface treatment apparatus using plasma, which can perform uniform film formation or surface modification.
[0032]
[Means for Solving the Problems]
The sample surface treatment apparatus using the plasma according to the present invention is provided in a predetermined gas atmosphere.A sample table on which a sample to be surface-treated is placed, and a wall surface having at least a portion similar to the shape of the surface to be processed of the sample are provided so as to face the surface to be processed of the sample. An electrode, a reaction gas supply port provided on a wall surface of the electrode so as to locally supply a reaction gas to a surface to be processed of the sample, a power supply for applying power to the electrode, and the reaction on the wall surface. A power transmission line provided in the electrode so as to transmit power applied to the electrode to the open end, the power transmission line being provided at a position distant from the gas supply port; A gas channel having a low conductance is formed between the reaction gas supply port and the gas atmosphere between the sample and the surface to be processed of the sample. The pressure of the gaseous atmosphere and the reaction gas supplied from the reaction gas supply port A high-pressure reaction gas region having a pressure higher than the gaseous atmosphere due to a pressure difference from the pressure is locally formed near the open end in the low conductance gas flow path, and the power transmitted to the open end Generate a high electric field,Local high-pressure plasma based on the reaction gasBy generating in the high-pressure reaction gas region,Surface treatment of the sample by a reactive species of a reactive gas in the high-pressure plasmaIs doneThereby, the above object is achieved.
Further, in the sample surface treatment apparatus using plasma according to the present invention, the wall surface having at least a part of a shape similar to the shape of the surface to be processed of the sample placed in a predetermined gas atmosphere is formed on the surface to be processed of the sample. An electrode provided oppositely, a reaction gas supply port provided on a wall surface of the electrode so as to locally supply a reaction gas to a surface to be processed of the sample, and a power supply for applying power to the electrode. At least one of the sample and the electrode has a small gap between the surface to be processed of the sample and the wall surface due to a differential pressure between the pressure of the gas atmosphere and the pressure of the reaction gas supplied from the reaction gas supply port. Are formed so as to float with a gap therebetween, and the minute gap forms a gas channel of low conductance from the reaction gas supply port toward the gas atmosphere, and the gas atmosphere is formed by the differential pressure. Higher pressure A high-pressure reaction gas region having a pressure is formed locally at a position distant from the reaction gas supply port in the low conductance gas flow path, and by applying power to the electrode, the reaction gas is applied to the high-pressure reaction gas region. Generating a local high-pressure plasma based on the sample, a surface treatment is performed on the sample by a reactive species of a reactive gas in the high-pressure plasma,SoThus, the above object is achieved.
Preferably, the sample is placed on a sample stage.
Preferably, there is further provided a means for setting a ratio of a pressure p0 of the gas atmosphere to a pressure px of the high-pressure plasma generation location in the high-pressure reaction gas region so that px / p0> 1.
Preferably, a wall surface of the electrode is arranged to face a surface to be processed of the sample with a minute gap therebetween.
Preferably, at least one of the electrode and the sample stage is movable so as to float with a small gap from the other of the electrode and the sample stage by the differential pressure.
Preferably, at least one of the electrode and the sample stage is provided with a magnetic force generating mechanism that generates a magnetic force of a predetermined magnitude, and controls both the magnetic force generated from the magnetic force generating mechanism and the differential pressure. Utilizing this, one of the electrode and the sample stage is floated with a small gap from the other.
Preferably, inside the electrode, a power transmission line having an open end at a position away from the reaction gas supply port on the wall surface of the electrode is provided, and the power transmission line is applied to the electrode. Power is transmitted to the open end, and the transmitted power generates a high electric field near the open end.
Preferably, the power transmission line includes an inner conductor to which power is applied, and an electric field shielding conductor which covers the inner conductor via an insulator and is grounded.
Preferably, the power applied to the electrodes is high-frequency power in a frequency band of 10 MHz to 1 GHz or microwave power in a frequency band of 1 GHz or more.
Preferably, the power transmission line is constituted by a waveguide.
Preferably, at least one of the electrode and the sample stage is provided with a power absorber having a large absorption coefficient with respect to an electromagnetic wave having a frequency of a power supply to be used, and the power absorber is provided with the low-conductance gas flow. The path is arranged on a lower pressure side than the high-pressure plasma generation area, absorbs electromagnetic waves passing through the high-pressure plasma generation area, and prevents generation of plasma in the gas atmosphere in a surrounding area of the high-pressure plasma. Suppress.
[0054]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Prior to the description of a specific embodiment of the present invention, first, a high-pressure reaction gas for performing film formation or surface treatment is locally supplied near a sample placed in a gas atmosphere in the present invention, A method of forming a gas flow field such that a high-pressure reaction gas region is formed nearer to the sample than a gas atmosphere will be described with reference to FIGS.
[0055]
FIG. 22 is a schematic diagram showing the formation of a gas flow field by the disk H0.
[0056]
Specifically, when the film formation surface shape of the film formation sample J is a plane, the disk H0 having a plane shape with an outer radius R2, an inner radius R1, and a thickness T1 is separated by a gap t0 to form a film. A high-pressure gas having a pressure of ps is locally supplied to the sample J through a high-pressure
[0057]
Here, the weight flow rate w and the pressure distribution p of the gas flowing between the disk H0 and the sample J are obtained with reference to FIG. FIG. 23 is a diagram in which a cylindrical coordinate axis is set between the disk H0 and the sample J to be formed.
[0058]
As shown in FIG. 23, a straight line perpendicular to the film formation plane and the disk H0 and passing through the center of the disk H0 is defined as the z-axis, and a point where the z-axis intersects the film formation plane is defined as an origin O. Further, as shown in FIG. 23, it is assumed that a straight line passing through the origin O and on the plane on which the film is to be formed is defined as the r-axis of the cylindrical coordinate system, and the rotation angle θ0 is set counterclockwise therefrom.
[0059]
First, the weight flow rate w of the gas flowing between the disk H0 and the sample J is determined. The flow rate w of the gas can be obtained by using a flow rate defined by a Navier-Stokes equation, which is an equation of motion of a gas in consideration of viscosity. When this Navier-Stokes equation is expressed in a cylindrical coordinate system, the following equation (1) is obtained.
[0060]
(Equation 1)
[0061]
Here, in order to determine the gas flow rate w flowing between the disk H0 and the sample J, the following assumptions are made:
(1) The distance t0 between the disk H0 and the sample J to be film-formed is much smaller than the outer radius R2 of the disk.
(2) The flow between the disk H0 and the sample J is a developed boundary layer flow.
(3) There is no pressure distribution in the z-axis direction, and therefore ignores the gas velocity in the z-axis direction.
(4) There is no pressure distribution in the θ direction, so the velocity of gas in the θ axis direction is ignored.
(5) Inertia force term is smaller than pressure gradient term
(6) The main viscous force is δ2vr/ Δz2Only and ignore others.
When the above assumption is applied to equation (1), it is simplified as in equation (2) below.
[0062]
(Equation 2)
[0063]
Where p is the pressure distribution in the r direction, vrIs the flow velocity distribution in the r direction, and μ is the viscosity coefficient of the gas.
[0064]
On a wall, the velocity of the gas can be equal to the velocity of the wall, so the boundary condition is
[0065]
(Equation 3)
[0066]
It becomes. Since the pressure p does not have a distribution in the z direction, solving equation (2) for the boundary condition of equation (3) gives
[0067]
(Equation 4)
[0068]
Is obtained. Accordingly, the weight flow rate w of the gas flowing between the disk H0 and the sample J to be deposited is:
[0069]
(Equation 5)
[0070]
It is expressed as Where ρ is the density of the gas.
[0071]
On the other hand, the following equation (6) obtained from the equation of state of gas,
[0072]
(Equation 6)
[0073]
(Where m is the molecular weight m of the gas, R0 is the gas constant, and T0 is the absolute temperature).
[0074]
(Equation 7)
[0075]
Is obtained. Here, since w must take a constant value regardless of r,
[0076]
(Equation 8)
[0077]
Is obtained. Than this,
[0078]
(Equation 9)
[0079]
(Where E0 and F0 are integration constants, respectively). Substituting the boundary conditions into this gives
[0080]
(Equation 10)
[0081]
(Equation 11)
[0082]
Is obtained. Therefore, the force acting on the lower surface of the disc H0 by the gas pressure between the disc H0 and the sample J to be deposited is obtained by integrating the above equation (10),
[0083]
(Equation 12)
[0084]
Can be obtained from At the same time, the pressure p0 of the surrounding atmosphere acts on the upper surface of the disk H0.
[0085]
(Equation 13)
[0086]
A force f acts in the positive direction of the z-axis.
[0087]
Also, from equation (11),
[0088]
[Equation 14]
[0089]
(Equation 15)
[0090]
(Equation 16)
[0091]
Is obtained. At this time, since w in the equation (16) is a flow rate and ps-p0 is a differential pressure, C0 represents a conductance, and the following equation (17):
[0092]
[Equation 17]
[0093]
Is represented by
[0094]
Here, the conductance C0 of the gas flow path composed of the disk H0 and the sample J to be film-formed changes depending on the pressures ps and p0, but when this conductance C0 is set by a geometric boundary condition, t0 , R2, R1.
[0095]
In the above, the method of setting the pressure of the gas for generating plasma to a high pressure, for example, near the atmospheric pressure, and supplying a large number of gas molecules into the plasma to achieve a high film forming rate is a method described as a conventional technique. It is.
[0096]
Here, the gas is supplied at the pressure ps1, the required predetermined gas flow rate is w1, the ambient pressure of the disk H0 at that time is p01, the physical properties of the gas at that time, and the boundary conditions R1, R2, and t0 of the disk. Is determined as c = c1, and the conductance is C0 = C01.
[0097]
Here, the type (molecular weight m), pressure (ps), and temperature (T) of the gas supplied to generate plasma are determined by the sample J to be formed, the target film specification, the plasma phenomenon, and the like. Therefore, it cannot be changed. The parameters that can be changed are the atmospheric pressure p0 around the disk and the arrangement of the disk H0, that is, the boundary conditions R1, R2, and t0.
[0098]
First, consider the case where R1, R2, and t0 are set such that c = c1 becomes very large. This is because the conductance C0 of the gas flow path from the high-pressure reaction gas supply section to the surrounding gas atmosphere is increased by increasing the width t0 of the gas flow path from the supply section to the periphery of the disk and increasing R2 / R1. (C0 = C01).
[0099]
At this time, from Expressions (14) and (15), ps1 ≒ p01, and the high-pressure gas supply unit pressure ps and the disk peripheral pressure p0 become equal. From equation (10), p ≒ ps ≒ p0 (R1 ≦ R ≦ R2), and the pressure between the disc H0 and the sample J on which a film is to be formed is a gas flow path from the high pressure supply unit to the surrounding gas atmosphere. No distribution occurs.
[0100]
On the other hand, while maintaining the required gas supply amount w1 and the supply gas pressure ps1 at the same value, the conductance C0 is reduced to C0 = C02 (C01> C02), and the surrounding gas pressure p0 is correspondingly reduced. Consider the case of setting (p0 = p02 <ps1 ≒ p01).
[0101]
At this time, from the equations (14) and (15), the gas flow rate w is expressed as w = w1 = c2 (ps12-P022) Is maintained, and ps1 (supply unit pressure)> p02 (atmospheric pressure around the disk H0), the pressure distribution represented by the equation (10) is changed to the disk H0− It is formed between the workpieces J, that is, in the low conductance flow path portion. Thus, the pressure between the disc H0 and the sample J is all higher than the pressure p0 = p02 around the disc.
[0102]
Considering the above points, as a method of supplying gas at the same pressure ps1 and achieving a certain supply amount w1 of gas,
(1) The gas flow field (this time, the wall surface H0) is set so that the conductance of the gas flow path from the supply unit to the surrounding atmosphere is increased, and the gas is supplied in a state where the supply pressure ps is equal to the ambient pressure p0. Shed or
(2) The above-mentioned wall surface H0 is set so that the conductance becomes low, and the gas is caused to flow in a state where the differential pressure between the supply pressure ps and the ambient pressure p0 is large.
There are two cases.
[0103]
Here, further consider a case in which plasma is generated between the disk H0 and the sample J to be film-formed, and ps is increased to supply a high-pressure gas in order to achieve a high film-forming speed.
[0104]
As described above, in both cases (1) and (2), the same gas flow rate w = w1 flows between the disk H0 and the sample J to be deposited. The film forming speed in each case is the same.
[0105]
However, in the case of the above (1), there is no pressure distribution between the pressure ps of the supply unit and the surrounding pressure p0 between the disk H0 for generating plasma and the sample J for film formation, and the pressures are all the same. Here, since the plasma portion is at a high pressure, the mean free path of the particles is short, and therefore, the particles easily collide and condense to form a reaction product. These reaction products are immediately redissolved in the plasma and do not contaminate the surface on which the film is to be formed. However, in the ambient gas atmosphere, the ambient atmospheric pressure is as high as that of the plasma part, so due to the short mean free path, collision and condensation are repeated very frequently, and the reaction product having a large particle size Is formed. A reaction product having a large particle size is not immediately decomposed due to its large particle size even when diffused into plasma, but adheres to a surface on which a film is to be formed and is taken into the film, thereby deteriorating the film quality. Further, even after film formation, it adheres to the film surface, and tends to contaminate the workpiece surface instead of achieving a high film formation rate. As described above, the reaction product generated in the plasma is immediately re-decomposed and the powdery reaction product does not grow. It is caused by growing by pressure.
[0106]
When the ambient gas atmosphere pressure p0 = p01 is reduced in order to suppress the generation of reaction products, the pressure ps of the supply unit and the ambient pressure p0 between the disk H0 for generating plasma and the sample J for film formation are further equal. Therefore, the pressure of the plasma part also decreases. As a result, good film quality and a clean surface can be obtained, but a high film forming rate cannot be achieved.
[0107]
As a result, in the state (1), a high film forming rate and a clean surface cannot be simultaneously realized.
[0108]
On the other hand, in the above case (2), the same gas supply amount w1 for achieving a high film formation rate is realized, and at the same time, the conductance C0 of the gas flow path is reduced to the pressure ps of the supply unit. On the other hand, the ambient atmosphere pressure p02 satisfying ps> p02 is maintained. In such a state, the reaction product generated in the plasma is immediately re-decomposed as in (1), and does not contaminate the surface on which the film is to be formed. In the case of (2), the ambient gas atmosphere has a relatively long mean free path since the pressure is lower than that between the disk H0 for generating plasma and the sample J for film formation. Therefore, collision and condensation of the reaction product are unlikely to occur, and a clean film can be formed without growing the reaction product having a large particle diameter.
[0109]
As described above, in the case of the above (2), a high film forming rate is achieved by setting the plasma portion to a high pressure, and at the same time, since the surrounding atmosphere is at a lower pressure than the plasma portion, the film quality is improved. In addition, a clean deposition surface can be obtained.
[0110]
The smaller the ambient pressure p0, the more clean a film can be formed. This minimum value is when p0 = 0, that is, when the surroundings are in a vacuum state.
[0111]
Table 4 below shows the states of the supply pressure ps, the surrounding atmosphere p0, the weight flow rate w, the conductance C0, and the constant c in each of the above cases (1) and (2).
[0112]
[Table 4]
[0113]
According to the present invention, the film formation is performed in such a manner that the gas flow path from the high-pressure gas supply unit to the atmosphere around the disk H0 is opposed to the disk H0 having the inner radius R1 and the outer radius R2 at a distance t0 from the disk H0. Formed by sample J. The conductance of this gas flow path was also determined using the Navier-Stokes equation (Equation 1), which is the equation of motion of a viscous gas.
[0114]
However, the differential pressure between the high-pressure gas supply unit and the surrounding atmosphere can be formed by setting the flow field of the gas from the high-pressure gas supply unit to the surrounding atmosphere and further reducing the conductance of the flow field. A specific method at this time is not limited to a method in which the interval t0 between the disk H0 and the workpiece J is reduced and R2 / R1 is increased. In addition, the conductance C0 in the case where the pressure of the flowing gas is low must be actually obtained not by the above-mentioned Navier-Stokes equation but by the gas molecule kinetics. However, regardless of how to obtain the conductance C0, by setting the gas flow path from the high-pressure gas supply unit to the surrounding atmosphere to a low conductance, a high deposition rate as shown in the case of (2) above can be obtained. The formation of a clean surface is realized.
[0115]
Hereinafter, a method and apparatus for surface treatment (film formation or surface modification) using plasma of the present invention achieved based on the above considerations will be described with reference to the accompanying drawings.
[0116]
(1st Embodiment)
FIG. 1 shows an electrode floating type high-voltage floating electrode H1, a sample J, a sample stage T, a scanning stage S, a reaction vessel C, a power source G, a resonance / matching device M, a flexible power transmission line I, a power transmission line K, a high pressure reaction. FIG. 2 is an overall conceptual diagram showing an arrangement relationship among a gas supply device R, an exhaust device E, an electrode scanning device U, and a control device N for controlling them. Although not shown, a sample-electrode gap measuring device for measuring the sample-electrode gap is provided, and the electrode H1 and the sample table T are further provided with a water-cooling mechanism or a heating mechanism (not provided) for adjusting the respective temperatures. (Shown). The sample table T further includes a sample fixing section F.
[0117]
FIG. 2 is a cross-sectional view of the electrode floating type high-voltage floating electrode H1 described above.
[0118]
In FIG. 2,
[0119]
FIG. 3 is a lower oblique view showing a portion of the electrode floating type high-voltage floating electrode H1 facing the sample.
[0120]
As shown in the figure, the electrode shape of the electrode floating type high-pressure floating electrode H1 is a disk shape having the reaction
[0121]
FIG. 4 is a partial sectional view showing a step t between the sample J and the sample table T.
[0122]
In the first embodiment of the present invention, a sample J and an electrode-floating high-pressure floating electrode H1 are arranged in a reaction vessel C so as to face each other, and a high-pressure reaction gas supply device R is used based on target film characteristics and the like. The high-pressure reaction gas determined in this way is supplied to the electrode floating type high-pressure floating electrode H1 through the high-pressure reaction
[0123]
Accordingly, as described in connection with the theory of generating a differential pressure in the gas flow path having a low conductance (the case of using the differential pressure between the supply pressure ps and the ambient pressure p0 as in (2) described above), A portion of the high-pressure floating electrode H1 facing the sample J is a wall surface that makes a gas flow path from the high-pressure reaction
[0124]
Further, the power generated from the power source G is transmitted to the high-voltage floating electrode H1 through the power transmission line K, the resonance / matching device M, and the flexible power transmission line I, and further includes the
[0125]
The reaction product generated in the plasma P is immediately exhausted by the exhaust device E from the reaction
[0126]
Further, in the above configuration, the film is formed over the entire surface of the sample J by changing the relative position between the high-pressure floating electrode H1 and the sample J using the scanning device U and the scanning stage S. it can. Further, control for performing desired film formation is performed by the control device N.
[0127]
As described above, in the above configuration, since the local high-pressure plasma P is generated in the high-pressure atmosphere in the minute interval D between the high-pressure floating electrode H1 and the sample J, a high-density active species can be generated. A high deposition rate can be realized. At the same time, the pressure in the reaction vessel C (the pressure of the surrounding gas atmosphere) is lower than that in the high pressure atmosphere between the high pressure floating electrode H1 and the sample J where the local high pressure plasma P is generated and the film is formed. As described above, a reaction product having a large particle size does not grow, a high-quality film can be formed on the sample J, and the film surface is also cleaned. Can be maintained.
[0128]
As the pressure in the reaction vessel C is lower, a clean film surface is obtained, and a high-quality film can be formed. In particular, the maximum effect can be obtained when the atmosphere in the reaction vessel C is vacuum.
[0129]
Further, when the pressure in the reaction vessel C is 1 atm or less, the pressure is lower than the atmosphere outside the reaction vessel C, so that even when gas leaks, the gas atmosphere in the reaction vessel C Without leaking outside, the safety of the device can be enhanced.
[0130]
Further, when the atmosphere in the reaction vessel C is a vacuum atmosphere, the time for exhausting the reaction gas during the purge of the reaction gas when the sample J is carried out of the reaction vessel C may be extremely short or completely eliminated. As a result, the throughput of the apparatus is improved.
[0131]
Further, as described above, the electrode H1 is floated with respect to the sample J by the differential pressure between the high pressure at the minute interval D and the atmosphere (ambient gas atmosphere) in the reaction vessel C. The small interval D can be maintained without tilting. During the minute interval D, a steady flow of the reaction gas from the high-pressure reaction
[0132]
In addition, the local high-pressure plasma P is generated not in the area immediately below the high-pressure reaction
[0133]
In addition,
(1) A method of floating the electrode H1 with respect to the sample J by a minute interval D and its effect,
(2) A method of generating plasma P by the power transmission line
(3) A method of obtaining a good film quality and a clean film formation surface, and
(4) A method for preventing the formation of a film thickness distribution immediately below the
Will be described in detail.
[0134]
First, as (1), a method of floating the electrode H1 with respect to the sample J by a small interval D will be described.
[0135]
FIG. 5A is a schematic cross-sectional view showing the vicinity of the minute interval D between the electrode floating type high-pressure floating electrode H1 and the sample J, and FIG. FIG. 4 is a schematic diagram showing a pressure distribution of FIG. In FIG. 5B, P0 is the pressure at the high pressure reaction gas supply port, P1 is the gas pressure in the reaction vessel, and P2 is the pressure at the reaction gas exhaust port.
[0136]
This pressure distribution can be defined algebraically in a simple case as shown in FIG. 22, and at the same time, the force received from the gas pressure can be calculated by the above equation (13). However, when a large number of high-pressure reactant
[0137]
The high-pressure reaction gas supplied from the high-pressure reaction gas supply device R while controlling the reaction gas type, temperature, pressure, flow rate, and mixing ratio is passed through the high-pressure reaction
[0138]
Since the floating amount of the minute interval D is small, the conductance of the gas flow path from the high pressure reaction
[0139]
The minute interval D is a reaction gas supply pressure P0, a reaction vessel pressure P1, an electrode weight, an electrode-sample facing area, an outlet shape of the high pressure reaction
[0140]
At this time, it is also possible in principle to measure the electrode-sample distance by the inter-electrode gap measuring device and to keep the electrode-sample distance constant by the stage S. However, in practice, it is difficult to perform a precise gap measurement due to deformation of the electrode H1 and the sample J due to the heat of the plasma, an electric field for generating the plasma, and a corrosive atmosphere. Even in such a case, according to the present invention, the electrode H1 is floated with respect to the sample J by using the pressure difference between the electrode and the sample and the pressure difference between the atmosphere in the reaction vessel C and the electrode H1. For a large opposing area of J, the electrode-sample interval can be stably controlled to a minute interval of 1 μm to several hundred μm.
[0141]
Further, although not shown, a magnetic substance or a magnetic force generating mechanism is provided on the electrode H1 and the sample stage as necessary, and the electrode H1 is floated by the magnetic force generated from the magnetic substance or the magnetic force generating mechanism. The pressure P0 of the unit can be set low, and the pressure condition of the high-pressure reactant gas supply port can also be set according to the target film characteristics instead of the weight of the electrode H1.
[0142]
Next, as (2), a method of generating the local high-pressure plasma P in the high-pressure reaction gas region in the minute interval D will be described.
[0143]
FIG. 6 is a schematic diagram showing generation of local high-pressure plasma P at the power transmission line
[0144]
The power generated from the power supply G of FIG. 1 passes through the power transmission line K and reaches the resonance / matching device M. The power subjected to boosting and impedance matching as needed by the resonance / matching device M is efficiently transmitted to the high-voltage floating electrode H1. The power boosted by the resonance / matching device M is supplied to the electrode floating type high-voltage floating electrode H1 through the flexible power transmission line I, and further, the power within the electrode constituted by the
[0145]
In the embodiment shown in FIG. 2, the power transmission line
[0146]
Since the power transmission line
[0147]
In the case of the present embodiment, the plasma P can be generated between the
[0148]
Further, although not shown here, a power absorber having a large absorption coefficient for the electromagnetic wave of the frequency of the power supply G to be used is provided on at least one of the electrode H1 and the sample stage T from the reaction
[0149]
Next, as (3), a method of forming a film of the sample J at a high speed and obtaining a clean film-forming surface having good film quality according to the present embodiment will be described below.
[0150]
In the present invention, high-density active species based on the high-pressure reaction gas are generated by the local high-pressure plasma in the high-pressure reaction gas region to achieve a high film formation rate for the sample J, and at the same time, the pressure in the reaction vessel is reduced by the local high-pressure plasma. By maintaining the pressure lower than the pressure of the generating unit or maintaining the vacuum, a good film quality and a clean film forming surface are obtained. The gas type, temperature, and pressure used for the reaction gas must be selected according to the target film material. Further, the gas used as the reactive gas species is not limited to one type, and the optimal conditions are set by mixing with a rare gas or another reactive gas.
[0151]
The high-pressure reaction gas supplied from the high-pressure reaction
[0152]
Here, what occurs in the reaction by the local high-pressure plasma P is not only the active species that contribute to the film formation, but also molecules and atoms that do not contribute to the film formation, and carbonized powders that are mutually or in the reaction vessel. A reaction product that adheres and polymerizes with a metal powder or the like is also generated. The carbonized powder and the metal powder are generated from various structural materials such as a supply gas, an electrode material, and a reaction vessel material. These are called impurities. The reaction products as described above also reach the surface of the sample J, but when the film formation proceeds while these reaction products adhere to the surface of the sample J, the reaction products are taken into the film and the quality of the film is reduced. Deteriorate.
[0153]
In plasma, the condensed reaction product is immediately re-decomposed by the plasma when the particle size is small, and does not reach the substrate surface as a reaction product. However, the reaction products discharged to the outside of the plasma condense with each other or easily with impurities in the reaction vessel without being re-decomposed. As a result, the particle size of the reaction product increases, and the number of particles of the reaction product having a large particle size increases. The problem here is the reaction product having a large particle size, which is produced as described above. The reaction product having a large particle diameter is not immediately re-decomposed even when it is diffused into the plasma again, and reaches the sample substrate J with a certain particle diameter and forms on the substrate J. Incorporation into the deposited film significantly reduces the quality of the film. Alternatively, the reaction product having a large particle size adheres to the inner wall of the reaction vessel C and contaminates the inside of the reaction vessel C. As a result, the film surface after film formation is contaminated and the yield of the process itself is deteriorated. Let it.
[0154]
The problem above is that the outside of the plasma is in the same pressure state as the plasma part. For this reason, the reaction products released to the outside of the plasma float in the film formation chamber for a long time, and during that time, impurities and the impurities in the reaction vessel may be generated many times due to the short mean free path caused by the high pressure atmosphere. Repeated collision and condensation cause an increase in the particle size of the reaction product and an increase in the number of particles of the reaction product having a large particle size. Also, as described above, even when it diffuses again into the plasma, it reaches the surface of the sample J without being immediately re-decomposed, and significantly deteriorates the film quality by being mixed into the film.
[0155]
On the other hand, in the present embodiment, the high pressure floating electrode H1 is opposed to the sample J, and the gas flow path from the high pressure reaction
[0156]
The lower the atmospheric pressure in the reaction vessel C, the better the quality of the film and the clean the surface of the film can be obtained. Needless to say, the lower limit is the vacuum atmosphere.
[0157]
Considering the transport and removal of the reaction product generated in the local high-pressure plasma P by the flow along the sample surface in the minute interval D between the high-pressure floating electrode H1 and the sample J, The reaction product based on the high-pressure reaction gas is quickly moved from the local high-pressure plasma P by the flow along the sample surface, and the reaction
[0158]
It is also possible to further provide a means for reprocessing the gas exhausted from the reaction vessel C and supplying the gas to the reaction vessel C again as a reaction gas or an ambient gas atmosphere in the reaction vessel C.
[0159]
Further, in the present embodiment, the prevention of the formation of the film deposition amount distribution immediately below the high-pressure reaction
[0160]
FIG. 7A is a cross-sectional view schematically showing a configuration near the high-pressure reaction
[0161]
In the flow rate distribution of the high-pressure reactant gas in the minute interval D between the high-pressure floating electrode H1 and the sample J, a
[0162]
(Equation 18)
[0163]
Is represented by However, in the above equation (18), the coordinate origin is taken at the center of the minute interval D, and the x-axis is taken in a direction perpendicular to the sample surface. The flow velocity distribution in the along direction, Umax, is the origin, that is, the maximum flow velocity generated at the center of the minute interval D, and x is the distance from the origin.
[0164]
When plasma is generated on the entire surface of the
[0165]
Therefore, in the present embodiment, as shown in FIG. 8A, plasma is generated at the
[0166]
In the surface treatment of the present invention, a local high-pressure plasma P is generated, a local film is formed near the plasma, and the electrode H1 and the sample J are relatively moved to form a film on the entire surface of the sample. I do. Further, the minute interval D is formed by the balance between the high pressure of the reaction gas in the minute interval D between the electrode H1 and the sample J, the electrode weight, and the low pressure or vacuum atmosphere in the reaction vessel C. Therefore, it is desirable to use a deformable flexible power transmission line I as the power transmission line connecting the resonance / matching device M and the electrode floating type high-voltage floating electrode H1. The connection between the flexible power transmission line I and the high-voltage floating electrode H1 is made by the connector 8, and this connection must be made so that there is no loss due to contact resistance at the connection portion and no leakage of electromagnetic waves.
[0167]
The
[0168]
When the fixing jig for fixing the sample J with respect to the sample fixing portion F projects to a portion facing the high-voltage floating electrode H1, the high-pressure floating electrode H1 and the sample J are very close to each other as described above. This causes undesired states such as damage to the
[0169]
Further, the step t between the sample J and the sample table T shown in FIG. 4 changes the pressure distribution of the high-pressure reaction gas within the minute interval D, causing the electrode levitation type high-pressure levitation electrode H1 to be inclined with respect to the sample J, Furthermore, in order to cause problems such as a change in the film-forming speed distribution and contact of the sample with the electrode surface, it is necessary to minimize the distribution.
[0170]
Corrosion-resistant and high-hardness insulating film, such as alumina sprayed film, is formed on the
[0171]
As shown in FIG. 9, a highly accurate flattened corrosion-resistant and hardened insulator 18, for example, an insulator 18 made of high-purity alumina or silicon nitride, which is flattened with high accuracy, is attached to the entirety of the
[0172]
Alternatively, as shown in FIG. 10, by using a
[0173]
In the high-pressure floating electrode H1, the positions and the numbers of the high-pressure reaction
[0174]
The scanning stage S described above with reference to FIG. 1 can have a vertical movement mechanism, a horizontal movement mechanism, a rotation mechanism, and the like according to the purpose. Further, the number of the samples J fixed to the sample table T is not limited to one. By performing batch processing using a sample stage on which a large number of samples are fixed, production efficiency can be improved.
[0175]
For example, FIG. 12 is a conceptual diagram showing a batch process using a multi-sample fixing sample stage T11 having multiple rotation axes and rotation speeds. In FIG. 12, T11 is a sample stage for fixing many samples.
[0176]
In the configuration example shown in FIG. 12, a sample stage T11 having a rotation mechanism θ1 is installed on a scanning stage S capable of performing multi-directional scanning in the XYZ directions, and a rotation stage of the sample stage T11 is further mounted on T11. A large number of sample tables T each having a rotation mechanism θ of the same or different rotation number, rotation direction, and rotation axis as the mechanism θ1 are installed. The sample J is placed on each sample table T, and the electrode floating type high-voltage floating electrode H1 is opposed to the sample J to perform batch processing. At this time, the sample J is scanned by scanning the electrode H1 through the scanning wire or the
[0177]
The shape of the high-pressure reaction
[0178]
It should be noted that a high-pressure portion may be formed in the reaction vessel C for positioning the sample or the like in the horizontal direction. However, the high pressure portion in that case is not included in the “ambient gas atmosphere portion having a pressure lower than the supply pressure” described above.
[0179]
(Second embodiment)
Next, a second embodiment of the present invention using the sample floating type high-voltage floating electrode H2 will be described below.
[0180]
The sample levitation type high-voltage levitation electrode H2 in the present embodiment is a high-voltage levitation electrode using a method in which a levitation sample A is levitated with respect to an electrode capable of generating local high-pressure plasma P by transmitting power from a power supply G. . In this case, the sample floating type high-voltage floating electrode H2 is installed in the reaction vessel C, and the floating sample A is floating.
[0181]
FIG. 13 is a schematic cross-sectional view of the sample floating high-voltage floating electrode H2, where A is a floating sample, H2 is a sample floating high-voltage floating electrode, and Y is a floating sample scanning wire or belt. The sample levitation type high-voltage levitation electrode H2 is set on a scanning stage S (not shown in FIG. 13), and the sample levitation type high-pressure levitation electrode H2 is scanned by the scanning stage S. The relative position with respect to the flying sample A can be changed.
[0182]
The floating sample scanning wire or belt Y is connected to a
[0183]
As described above, the present embodiment uses the sample levitation method in which the levitation sample A is floated by the minute interval D with respect to the sample levitation type high pressure levitation electrode H2 that generates the local high-pressure plasma P. Similarly to the electrode levitation type high pressure levitation electrode H1, a local film is formed in the vicinity of the local high pressure plasma P of the floating sample A by an active species based on the high pressure reaction gas in the local high pressure plasma P generated during the minute interval D. Do. Further, the entire film is formed on the surface of the sample A by changing the relative positions of the sample floating type high-voltage floating electrode H2 and the floating sample A using the scanning stage S and the sample stage scanning device. Further, in the present embodiment, the shape and position of the high-pressure reaction
[0184]
In addition, the configuration of the entire apparatus not shown in FIG. 13, the floating principle and method of the floating sample A, the generation principle and method of the local high-pressure plasma P, the film forming phenomenon in the local high-pressure plasma P, the high film forming speed, the film quality improvement, and The principle and method for simultaneously realizing the surface cleaning after film formation, the local high-pressure plasma P is generated at a position distant from the high-pressure reaction
[0185]
Further, the shape of the high-voltage floating electrode H1 described in the first embodiment, the formation of a corrosion-resistant and high-hardness insulating film on the
[0186]
Alternatively, in the sample-floating high-pressure floating electrode H2 as shown in FIG. 14, the positions and quantities of the high-pressure reaction
[0187]
FIG. 15 shows a configuration in which the floating body in the sample floating type high-voltage floating electrode H2 is only the floating sample A instead of the sample table T to which the floating sample A shown in FIG. 13 is fixed.
[0188]
In FIG. 15, Y11 is a floating sample restraining scanning mechanism capable of restraining or scanning the floating sample A, and without connecting the scanning wire or the belt Y directly to the floating sample A, separately from the floating direction of the floating sample A. This is a mechanism for scanning the floating sample A by pressing the floating sample more.
[0189]
According to this configuration, the chucking time of the sample in the electrode levitation type high voltage levitation electrode H1 or the sample levitation type high voltage levitation electrode H2 can be omitted. Therefore, the productivity of the process can be improved by moving the floating sample in one direction by such a floating sample constrained scanning mechanism, forming a film in a flowing manner, and then transferring the sample.
[0190]
(Third embodiment)
Next, a description will be given of a third embodiment of the present invention using an electrode floating type high-voltage floating electrode H3 using a waveguide as a power transmission line.
[0191]
When a waveguide is used for a power transmission line, the power transmission line cannot transmit DC and AC having a low frequency. Therefore, as the power source G, a high frequency having a frequency of at least 10 MHz to 1 GHz or a microwave power source G11 having a frequency of 1 GHz or more is used.
[0192]
FIG. 16 is a cross-sectional view of an electrode floating type high-voltage floating electrode H3 using a waveguide as the power transmission line, and FIG. 17 is a partial cross-sectional view of the electrode H3 viewed from another direction, FIGS. 18A and 18B. FIG. 4 is a lower slope view and an upper slope view of the electrode H3.
[0193]
In FIG. 16, reference numeral H3 denotes an electrode floating type high-voltage floating electrode using a waveguide as the power transmission line, P denotes a local high-pressure plasma, 24 denotes a high electric field by applying a microwave, and an electrode H3-sample J The
[0194]
In FIG. 17, T12 is a concave sample stage that has a concave shape, fixes the sample J on the inner bottom surface of the concave portion, and restricts the movement of the electrode H3 on the inner side wall of the concave portion.
[0195]
In FIG. 18A,
[0196]
In each of these figures, the sample J, the sample fixing portion F, the high-pressure reaction
[0197]
The following describes the configuration of the electrode levitation type high-voltage levitation electrode H3 using the waveguide as the power transmission line, the levitation method of the high-voltage levitation electrode H3, the film formation method of the high-voltage levitation electrode H3, and the use of the waveguide for the power transmission line. And the effect of using the microwave power supply G11 will be described in order.
[0198]
First, the electrode levitation type high-voltage levitation electrode H3 using a waveguide as a power transmission line will be described again. As shown in FIGS. 18A and 18B, the electrode H3 faces the sample J in a metal cube. One surface is flattened with high precision, and the surface is used as a
[0199]
Here, the
[0200]
Here, as shown in FIG. 18A and FIG. 18B, the reaction
[0201]
Next, the floating method of the high-voltage floating electrode H3 will be described.
[0202]
As shown in FIG. 17, the high-voltage floating electrode H3 is fitted into the concave portion of the concave sample stage T12 to which the sample J is fixed, while keeping the two in a non-contact state. By ejecting the high-pressure reaction gas from the high-pressure reaction gas supply device R through the high-pressure reaction gas supply slit 20 through the high-pressure reaction
[0203]
Next, a film forming method using the electrode H3 of the present embodiment will be described.
[0204]
The microwave power generated from the microwave power source G11 is passed through the resonance / matching device M, the
[0205]
Here, the cross-sectional shape of the
[0206]
Furthermore, the reaction gas supplied from the high-pressure reaction gas supply slit 20 is supplied to the electrode H3 formed by the floating of the electrode H3 toward the low-pressure or vacuum atmosphere in the reaction vessel C and the reaction
[0207]
Next, the effect of using the waveguide for the power transmission line will be described.
[0208]
In the embodiment in which the power transmission line is configured using the
[0209]
However, in the present embodiment, by using a waveguide for the power transmission line, there is no distinction between the
[0210]
The effect obtained by using the microwave power supply G11 as the power supply will be described. Table 5 below shows the maximum electric field intensity E0 and the oscillating electric field E = E0 · sin (2πft) that periodically changes with the frequency f. (Where t is time), the vibration amplitude L when various charged particles (charge amount e, mass m) vibrate in a vacuum L = (e · E0 / 4mπ)2f24) is a table showing the values of the above. However, when the electric field strength is 1.0 × 106[V / m].
[0211]
[Table 5]
[0212]
FIG. 19A is a conceptual diagram illustrating a vibration amplitude L of the charged
[0213]
As shown in Table 5, the vibration amplitude L of the vibration electric field E decreases as the frequency increases. Although the minute interval D is a narrow gap of about 1 μm to several hundred μm, if a high-frequency power supply having a frequency of about 1 MHz is used as a power supply for generating the local high-pressure plasma P, the vibration amplitude L thereby becomes 0 in the case of He ions. .607 [m], which is very large. As a result, charged particles cannot be trapped in the narrow gap, and as a result, the charged particles collide with the sample surface and the film surface during film formation to damage the film, resulting in a film having a high defect density.
[0214]
However, when the minute interval D between the electrode and the sample is about several hundred μm, a high frequency of at least 10 MHz is used as a power source for generating the local high-pressure plasma P, while when the minute interval D is about several tens μm, the frequency is 1 GHz or more. By using the microwave, the charged particles are reliably captured in the minute interval D between the electrode and the sample, and a low-damage film formation that does not damage the film can be realized.
[0215]
As shown in FIG. 17, in relative movement between the sample J and the high-voltage floating electrode H3, the sample J is fixed to the inner bottom of the concave sample stage T12 by the sample fixing portion F, and the
[0216]
The high-pressure gas ejected from the high-pressure
[0217]
(Fourth embodiment)
Next, a fourth embodiment of the present invention will be described.
[0218]
FIG. 20A, FIG. 20B, and FIG. 20C are a cross-sectional view, a front view, and a top view, respectively, of a sample floating high-voltage floating electrode using a waveguide as a power transmission line. In these figures, H4 is a sample floating type high-voltage floating electrode using a waveguide as a power transmission line, 30 is a floating sample feeding belt with a projection, 31 is a projection of a feeding belt, and 32 is a floating sample feeding belt. It is a feed motor.
[0219]
The sample floating type high pressure floating electrode H4 using the waveguide for the power transmission line is the same as the electrode floating type high pressure floating electrode H3 using the waveguide for the power transmission line described in the previous embodiment. Microwaves are transmitted by a tube, and local high-pressure plasma P is generated at a waveguide
[0220]
20A, 20B, and 20C, the entire apparatus not shown in FIG. 20A, FIG. 20B, and FIG. 20C, the floating principle of the sample, the plasma generation method, and the local plasma. The principle and method for simultaneously realizing the film formation phenomenon, high film formation rate, improvement in film quality, and cleaning of the surface of the sample after film formation are the same as those of the electrode floating type high pressure floating electrode H1 described above.
[0221]
Although not shown, it is also possible to implement a method in which the sample is fixed to a sample stage and the sample floats together with the sample stage as shown in FIG.
[0222]
As shown in FIG. 20C, the scanning of the floating sample is performed by the
[0223]
(Fifth embodiment)
Next, a fifth embodiment of the present invention will be described.
[0224]
FIG. 21 is a partial cross-sectional view of a high-voltage floating electrode for forming a film on a sample whose surface has a spherical surface. In FIG. 21, H5 is a high-pressure floating electrode having a spherical shape at the sample facing portion, T13 is a sample stage for fixing a spherical sample, B is a sample having a spherical surface on which a film is formed, and 60 is a sample for fixing a spherical sample. The electrode-facing
[0225]
When forming a film on the sample B having a spherical surface, the electrode-facing
[0226]
Although not shown, it is also possible to cause the sample B to float by a minute interval D from the high-pressure floating electrode H5 by the differential pressure between the high-pressure reaction gas supplied from the high-pressure reaction gas supply port and the low pressure and vacuum atmosphere in the reaction vessel. is there.
[0227]
The plasma is generated by transmitting a DC or AC voltage generated from a power supply G (not shown) to the power transmission line
[0228]
In the configuration of FIG. 21, the power transmission line is constituted by the
[0229]
The shape and position of the high-pressure reactant gas supply port indicated by the electrode levitation type high-pressure levitation electrode H1, the sample levitation type high-pressure levitation electrodes H2 and H3, and the high-pressure levitation electrode H4 using a waveguide as a microwave transmission line, and reaction product exhaust. Mouth shape and position, microwave open end shape and position, high-voltage floating electrode shape, sample facing part corrosion-resistant and high-hardness insulating film formation and sample facing part corrosion-resistant and high-hardness insulating material installation, sample stage, sample fixing part, etc. The feature can be similarly applied to the high-voltage floating electrode H5 in the case where the film formation surface shape of the sample is spherical as in this embodiment.
[0230]
In the description of each embodiment of the present invention, the case where the film is formed according to the present invention has been mainly described, but the present invention can be similarly applied to the case where the surface is modified.
[0231]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a sample and an electrode to which electric power is applied are arranged to face each other in a desired gas atmosphere, and plasma is locally generated by applying electric power. At this time, the surface treatment (for example, film formation or surface treatment) is performed on the sample surface with high efficiency by maintaining only the local plasma generating portion at a high pressure. At the same time, by maintaining the desired gaseous atmosphere pressure at least lower than that of the local high-pressure plasma generating section or in a vacuum, the reaction product does not condense and does not adhere again to the sample surface, and a good quality film is formed. Alternatively, a surface treatment can be performed. In addition, by limiting the plasma generation region to a region other than the reaction gas ejection region near the reaction gas supply port at the electrode-sample interval and in a region where the flow of the reaction gas along the sample surface is formed. During the film forming process, the sample does not form a film thickness distribution just below the reaction gas ejection region, or during the surface treatment, the treatment layer thickness distribution does not form immediately below the reaction gas ejection region. Surface treatment (film formation or surface modification) of the surface can be performed.
[0232]
Furthermore, according to the present invention, by generating plasma in the locally formed high-pressure reaction gas region, it is possible to form a film at a high speed on a sample, and at the same time, to locally generate high pressure while the plasma is generated. By maintaining the pressure in the region other than the high-pressure reaction gas region at a pressure lower than that of the high-pressure reaction gas region, condensation of reaction products in the atmosphere around the sample is reduced, a good-quality film can be formed, and the film surface can be kept clean. Can be.
[0233]
According to the present invention, the ratio px / p0 of the pressure p0 of the portion where plasma is generated in the high-pressure gas atmosphere locally maintained in the low-conductance flow path portion to the pressure p0 of the gas atmosphere in which the sample is disposed is defined. By setting px / p0> 1, high-density active species are generated in the plasma portion to achieve a high deposition rate. At the same time, since the pressure of the surrounding atmosphere is lower than that of the plasma part, condensation of reaction products in the surrounding atmosphere of the sample can be further reduced, and a good quality film can be formed, and the film surface can be kept clean.
[0234]
Further, according to the present invention, by setting the area other than the locally high-pressure part where plasma is generated to a pressure of 1 atm or less, it becomes difficult for the reaction gas to diffuse into the atmosphere, and the safety of the apparatus is improved. Can be increased.
[0235]
Further, according to the present invention, the region other than the locally high-pressure portion where the plasma is generated is further made into a vacuum atmosphere, so that the particle size and the number of the reaction products in the atmosphere around the workpiece are reduced. The absolute value can be reduced, a good quality film can be formed, and the film surface can be further kept clean. At the same time, the atmosphere is kept in a vacuum at the time of purging when the sample is carried out to the atmosphere, so that it is not necessary to exhaust the reaction gas each time, and the throughput of the apparatus can be improved.
[0236]
Further, according to the present invention, a local high-pressure plasma is generated in a specific region in a high-pressure reaction gas region locally formed in a low conductance flow path portion, thereby locally forming a plasma at a desired position. A membrane can be made.
[0237]
In addition, by providing a region where the local high-pressure plasma is generated and a film is formed on the sample surface at a position away from the portion where the reaction gas is supplied, it is possible to prevent the formation of a film thickness distribution immediately below the portion where the reaction gas is supplied, and to achieve uniformity. It is possible to carry out a proper film formation.
[0238]
Further, in an electrode and a sample table having a shape corresponding to the sample and further having at least one of a high-pressure reaction gas supply port, the electrode and the sample are disposed at a small interval, so that the electrode is moved from the supply port. The above-described high-pressure reaction gas region can be locally formed as a wall surface forming a low conductance portion of a gas flow path to a gas atmosphere. Further, if power is applied to the electrode to generate plasma at a minute interval between the electrode and the sample, which has locally become a high-pressure reaction gas due to low conductance, high-speed and high-quality film formation is performed on the sample. And the film surface can be kept clean.
[0239]
In addition, due to the pressure difference between the high-pressure reaction gas region locally formed by the pressure of the high-pressure reaction gas supplied from the supply port and the gas atmosphere pressure, the electrode is moved to the sample or the sample is moved to the electrode. By floating at a small distance, low conductance can be obtained even in an environment where it is difficult to measure and control the minute distance due to the deformation of the electrode or sample due to the heat of the plasma, or the presence of an electric field or corrosive gas that generates the plasma. A small gap can be formed in a wide area with a stable gas flow path stably. In addition, the electrodes can be arranged without being inclined with respect to the sample, and the uniformity of the flow rate distribution of the reaction gas can improve the uniformity of the film thickness.
[0240]
Further, a magnetic body or a magnetic force generating mechanism is provided on at least one of the electrode and the sample stage, and the magnetic force generated by the magnetic body or the magnetic force generating mechanism causes the electrode to be placed on the sample or the sample on the electrode. By levitating at a small interval, a gas channel with low conductance can be formed in a wide area stably. Furthermore, by using a newly generated magnetic force generating mechanism or a magnetic force generated from a magnetic material as a force for floating the electrode or the sample, the reaction gas pressure range can be set broadly, and not depending on the electrode weight but on the intended film forming characteristics. The supply pressure of the reaction gas can be determined.
[0241]
Further, a power transmission line is further provided in the electrode, and the power transmission line open end is provided in a portion facing the sample, so that the power applied to the electrode is transmitted to the power transmission line open end, and the open end of the open end is provided. Plasma can be locally generated only in the vicinity. Further, since the power transmission line is terminated by the plasma, the equivalent circuit of the power supply mechanism does not change even when the electrode and the sample are relatively moved to form the entire surface of the sample. As a result, the influence on the plasma is small, and the film can be more uniformly formed over a wide area.
[0242]
In addition, by using microwave power as the power to generate plasma, charged particles in the plasma generated at minute intervals between the electrode and the sample are reliably captured at minute intervals, and the sample surface and the formed film Can be further reduced. At the same time, plasma can be generated between the electrode and the sample kept at a minute interval.
[0243]
In addition, since the power transmission line in the electrode is a waveguide, the configuration of the electrode can be simplified, and the reliability of the device can be improved by preventing damage to the electrode itself due to deformation of the electrode due to the heat of plasma. In addition, the device cost can be reduced by simplifying the component shape.
[0244]
An electrode or a sample stage is provided with a reaction product exhaust port that opens toward a minute gap where plasma is generated, and a reaction product generated in the plasma is immediately exhausted from this exhaust port, thereby forming a good quality film on the sample. It can be formed and the membrane surface can be kept even cleaner.
[0245]
In addition, the electrode having a shape including a shape similar to the sample surface at least in the shape of the portion facing the sample with respect to the sample is used. A local plasma is generated in the flow along the sample surface from the part to the gas atmosphere around the electrode or toward the reaction gas exhaust port, and the active species based on the reaction gas generated by this plasma generates a steady flow along the sample surface along the sample surface. In addition, a film can be uniformly formed on a sample.
[0246]
In addition, a power absorber having a large absorption coefficient for electromagnetic waves of a frequency of a power supply to be used is provided on at least one of the electrode and the sample stage in a low conductance flow path that flows from the reaction gas supply unit to the surrounding gas atmosphere. By providing the low-pressure side of the region where the local high-pressure plasma is generated, it absorbs electromagnetic waves that have not been consumed by the local high-pressure plasma and passes through the low-pressure gas atmosphere outside the local high-pressure atmosphere. It can be prevented from occurring.
[0247]
In addition, a film can be formed over a large area on a sample by relatively moving an electrode for generating plasma and the sample, and a desired film thickness distribution can be formed by controlling a scanning speed. Can be membrane.
[0248]
In addition, the gas atmosphere in the reaction vessel is exhausted, and further supplied as a reaction gas or a gas atmosphere in the reaction vessel after the processing, so that the reaction gas and the atmosphere gas are not wasted and the film formation cost is reduced. be able to.
[0249]
It is possible to apply a wide range of power from DC to low frequency, high frequency, and microwave to the electrode.
[0250]
Further, the above-described effects of the present invention have been described for the case where film formation is performed according to the present invention. However, similar effects can be obtained when performing surface treatment.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall conceptual diagram of an apparatus of the present invention.
FIG. 2 is a sectional view of an electrode floating type high-voltage floating electrode H1.
FIG. 3 is a lower oblique view showing a sample facing portion of the electrode floating type high-voltage floating electrode H1.
FIG. 4 is a partial cross-sectional view showing a step t between a sample J and a sample table T.
FIG. 5A is a schematic cross-sectional view near a minute interval D between an electrode floating type high-pressure floating electrode H1 and a sample J, and FIG. FIG. 4 is a schematic diagram showing a pressure distribution of FIG.
FIG. 6 is a schematic diagram showing generation of a local region plasma P at an open end of a power transmission line provided at a portion of the electrode floating type high-pressure floating electrode H1 facing a sample J;
FIG. 7A is a cross-sectional view schematically showing a configuration in the vicinity of a high-pressure reaction
FIG. 8A is a schematic view showing a configuration near the high-pressure reaction
FIG. 9 is a cross-sectional view of an electrode floating type high-voltage floating electrode using a highly accurate flattened corrosion-resistant and high-hardness insulator for a sample facing portion.
FIG. 10 is a sectional view of an electrode floating type high pressure floating electrode using a porous material for a high pressure reaction gas supply port.
FIG. 11 is a sectional view of an electrode floating type high pressure floating electrode in which a high pressure reaction gas supply port is installed on a sample stage T.
FIG. 12 is a schematic diagram showing a batch process using a sample stage T11 for fixing a large number of samples having multiple rotation axes and rotation speeds.
FIG. 13 is a schematic sectional view of a sample floating type high-voltage floating electrode H2.
FIG. 14 is a sectional view of a sample levitation type high pressure levitation electrode H2 in which a high pressure reaction gas supply port is provided on the sample stage T.
FIG. 15 is a schematic sectional view of a sample floating type high-voltage floating electrode H2 in which only a sample is floated.
FIG. 16 is a sectional view of an electrode floating type high-voltage floating electrode H3 using a waveguide as a power transmission line.
FIG. 17 is a partial cross-sectional view of an electrode floating type high-voltage floating electrode H3 using a waveguide as a power transmission line when viewed from another direction.
FIG. 18A is a lower oblique view of an electrode floating type high-voltage floating electrode H3 using a waveguide as a power transmission line.
FIG. 18B is a top oblique view of an electrode floating type high-voltage floating electrode H3 using a waveguide as a power transmission line.
FIG. 19A is a conceptual diagram showing the amplitude of vibration of a charged particle due to an oscillating electric field, and FIG. 19B is a schematic diagram showing an oscillating electric field that causes the vibration of FIG.
FIG. 20A is a cross-sectional view of a sample floating high-voltage floating electrode H4 using a waveguide as a power transmission line.
FIG. 20B is a front view of a sample floating high-voltage floating electrode H4 using a waveguide as a power transmission line.
FIG. 20C is a top view of a sample floating type high-voltage floating electrode H4 using a waveguide as a power transmission line.
FIG. 21 is a partial cross-sectional view of a high-voltage floating electrode H5 that performs surface smoothing and shape film formation on a sample having a spherical sample finish shape.
FIG. 22 is a schematic view showing the formation of a gas flow field by a disc H0.
23 is a diagram in which a cylindrical coordinate axis is set between a disk and a sample on which a film is to be formed in the configuration of FIG. 22;
FIG. 24 is a cross-sectional view schematically showing a configuration of a surface treatment apparatus using plasma according to a conventional technique.
FIG. 25 is a diagram schematically showing a film thickness distribution of a thin film which is considered to be formed immediately below a source gas supply port.
[Explanation of symbols]
A Floating sample
B Sample with a spherical surface
C reaction vessel
D minute interval
E exhaust system
F Sample fixing part
G power supply
G11 Microwave power supply
H0 disk
H1 electrode floating type high voltage floating electrode
H2 sample floating type high pressure floating electrode
Electrode levitation type high voltage levitation electrode using H3 waveguide for power transmission line
Sample floating type high voltage floating electrode using H4 waveguide as power transmission line
H5 High-voltage floating electrode with spherical shape on the sample facing part
I Flexible power transmission line
J sample
K power transmission line
L Vibration amplitude of charged particles due to oscillating electric field
M resonance / matching device
N control device
R High pressure reaction gas supply device
S scanning stage
T sample table
T11 Sample stage for fixing many samples
T12 Concave sample stage
T13 Spherical sample holder
U electrode scanning device
Y Floating sample scanning wire
Y11 Floating sample restraint scanning mechanism
θ Rotation mechanism of sample stage T
Rotation mechanism of the sample stage T11 for fixing a large number of samples
1 High pressure reaction gas supply path
111 Buffer section
2 High pressure reaction gas supply port
3 Reaction product exhaust path
4 Reactive gas exhaust port
5 inner electrode
6. Outer electrode
7 Open end of power transmission line
8 Connector
9 Scanning wire (belt)
10 Drive motor
11 Insulator
12. Electrode levitation type High pressure levitation electrode H1 sample facing part
1611 High-pressure reactant gas ejected from high-pressure reactant
1612 High-pressure reactant gas flow that has flowed along the sample surface during minute interval D
1613 Velocity distribution of turbulent reactant gas near
1614 Velocity distribution of reactant gas changing to shear flow away from
1615 Flow velocity distribution of reactant gas which has become a shear flow far enough from
1711 Distribution of film formation amount formed immediately below
1712 Distribution of film formation amount formed immediately below local high-pressure plasma P when power transmission line
18 High precision flattening corrosion resistant and high hardness insulator
19. Porous metal or porous insulator material
20 High pressure reaction gas supply slit
21 Flexible waveguide
22 Waveguide in electrode
23 Insulator
24 Waveguide open end
25 High-pressure gas supply port
26 High-pressure gas supply path
27 Flow along the surface of the sample
28 Electrode levitation type using a waveguide as a power transmission line Electrode facing part of high pressure levitation electrode H3
29 charged particles
30 Floating sample feed belt with projection
31 Feed belt protrusion
32 Floating sample feed motor
60 Electrode facing surface of sample stage T13 for fixing spherical sample
61 Sample facing part of high-voltage floating electrode H5
62 Side view of high-voltage floating electrode H3
63 Side surface of inner concave portion of concave sample stage T12
101 High-pressure gas supply path
240p high pressure plasma
240g distance between boards
241 Deposition chamber
242 ungrounded board
243 ground electrode
244 perforated plate high resistance
245 sample substrate
246 Gas inlet
247 RF electrode
248 heater
249 Gas outlet
250 gas supply port
251 Flow of source gas impinging on the sample substrate
252 thin film
253 Projection of thin film formed just below source gas supply port
Claims (12)
該試料の被処理面の形状の相似形状を少なくとも一部に有する壁面が該試料の被処理面に対向して設けられた電極と、
該試料の被処理面に局所的に反応ガスを供給するように該電極の壁面に設けられた反応ガス供給口と、
該電極に電力を印加する電源と、
前記壁面における前記反応ガス供給口から離れた位置に開放端を有し、該電極に印加される電力を該開放端まで伝送するように該電極内に設けられた電力伝送線路とを備え、
該電極の壁面は、該試料の被処理面に近接して設けられており、該試料の被処理面との間に、該反応ガス供給口から該気体雰囲気に向けて低コンダクタンスの気体流路を形成するとともに、該気体雰囲気の圧力と該反応ガス供給口から供給される反応ガスの圧力との差圧によって該気体雰囲気よりも高い圧力を有する高圧反応ガス領域を該低コンダクタンスの気体流路における該開放端の近傍に局所的に形成し、
該開放端に伝送される電力によって高電界を発生させて、該反応ガスに基づく局所的な高圧プラズマを該高圧反応ガス領域に発生させることにより、該高圧プラズマ中の反応ガスの反応種によって該試料に対する表面処理が行われる、プラズマを用いた試料の表面処理装置。 A sample table that is arranged in a predetermined gas atmosphere and on which a sample to be surface-treated is placed,
An electrode provided with a wall surface at least partially having a shape similar to the shape of the surface to be processed of the sample facing the surface to be processed of the sample,
A reaction gas supply port provided on a wall surface of the electrode so as to locally supply a reaction gas to a surface to be processed of the sample,
A power source for applying power to the electrode;
A power transmission line provided in the electrode so as to transmit an electric power applied to the electrode to the open end, the power transmission line having an open end at a position away from the reaction gas supply port on the wall surface;
A wall surface of the electrode is provided close to the surface to be processed of the sample, and a gas flow path having a low conductance from the reaction gas supply port toward the gas atmosphere between the electrode and the surface to be processed of the sample. And a high-pressure reaction gas region having a pressure higher than the gas atmosphere due to a differential pressure between the pressure of the gas atmosphere and the pressure of the reaction gas supplied from the reaction gas supply port. Formed locally near the open end at
A high electric field is generated by the electric power transmitted to the open end, and a local high-pressure plasma based on the reaction gas is generated in the high-pressure reaction gas region. surface treatment on the sample is performed, the surface treatment apparatus of the sample using the plasma.
該試料の被処理面に局所的に反応ガスを供給するように該電極の壁面に設けられた反応ガス供給口と、A reaction gas supply port provided on a wall surface of the electrode so as to locally supply a reaction gas to a surface to be processed of the sample,
該電極に電力を印加する電源とを備え、A power supply for applying power to the electrode,
該試料及び該電極の少なくとも一方が、該気体雰囲気の圧力と該反応ガス供給口から供給される反応ガスの圧力との差圧によって、該試料の被処理面と前記壁面とが微小間隔を隔てて浮上するように可動に構成されており、該微小間隔によって、該反応ガス供給口から該気体雰囲気に向けて低コンダクタンスの気体流路が形成されるとともに、前記差圧によって該気体雰囲気よりも高い圧力を有する高圧反応ガス領域が該低コンダクタンスの気体流路における前記反応ガス供給口から離れた位置に局所的に形成され、At least one of the sample and the electrode is configured such that a surface to be processed of the sample and the wall surface are separated from each other by a minute gap due to a pressure difference between a pressure of the gas atmosphere and a pressure of a reaction gas supplied from the reaction gas supply port. The gas flow path having a low conductance is formed from the reactant gas supply port toward the gas atmosphere by the minute intervals, and the gas pressure is higher than the gas atmosphere by the differential pressure. A high-pressure reaction gas region having a high pressure is locally formed at a position away from the reaction gas supply port in the low conductance gas flow path,
該電極に電力を印加して、該高圧反応ガス領域に該反応ガスに基づく局所的な高圧プラズマを発生させることにより、該高圧プラズマ中の反応ガスの反応種によって該試料に対する表面処理が行われる、プラズマを用いた試料の表面処理装置。By applying power to the electrode and generating a local high-pressure plasma based on the reaction gas in the high-pressure reaction gas region, the surface treatment of the sample is performed by a reactive species of the reaction gas in the high-pressure plasma. , Surface treatment equipment for samples using plasma.
該磁力発生機構から発生する磁力と、前記差圧との両方を利用して、該電極及び該試料台の一方を他方に対して微小間隙を隔てて浮上させる、請求項3または6に記載の表面処理装置。 The electrode and at least one of the sample stage, have a magnetic force generating mechanism is provided for generating a predetermined magnitude of magnetic force,
7. The method according to claim 3 , wherein one of the electrode and the sample stage is floated with a small gap from the other by using both the magnetic force generated from the magnetic force generating mechanism and the differential pressure . Surface treatment equipment.
該電力伝送線路は、該電極に印加された電力を該開放端まで伝送して、伝送された電力によって、該開放端の近傍に高電界を発生させる、請求項2に記載の表面処理装置。Inside the electrode, a power transmission line having an open end at a position away from the reaction gas supply port on the wall surface of the electrode is provided,
The power transmission line, and transmit the power applied to the electrode to the open end, the transmitted power causes generating a high electric field in the vicinity of the open end, a surface treatment apparatus according to claim 2.
該電力吸収体は、前記低コンダクタンスの気体流路において前記高圧プラズマの発生領域よりも低圧力側に配置され、該高圧プラズマの発生領域を通過した電磁波を吸収して、該高圧プラズマの周囲領域における前記気体雰囲気の中でのプラズマの発生を抑制する、請求項1または2に記載の表面処理装置。At least one of the electrode and the sample stage is provided with a power absorber having a large absorption coefficient for electromagnetic waves having a frequency of a power supply to be used,
The power absorber is disposed on a lower pressure side of the high-pressure plasma generation region in the low-conductance gas flow path, absorbs an electromagnetic wave passing through the high-pressure plasma generation region, and surrounds the high-pressure plasma around the high-pressure plasma. The surface treatment apparatus according to claim 1 , wherein generation of plasma in the gaseous atmosphere is suppressed.
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