JP3543400B2 - オルガノシラノール類の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、Si−H結合を有する有機ケイ素化合物を加水分解することにより、オルガノシラノール類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
シリコーンゴム用可塑剤や種々のシリコーン化合物合成の中間体などとして有用であるオルガノシラノール類は、Si−H結合を有する有機ケイ素化合物の加水分解反応により得られることは周知であり、オルガノシラノール類の製造に従来より広く利用されている。この加水分解反応を促進するような触媒はいくつか知られているが、パラジウム、ロジウム、及び白金のような遷移金属が担持されたカーボンあるいはアルミナが一般的に用いられている。たとえば、トリエチルシラン(Et3 SiH)をルテニウム−カーボン存在下、加水分解し、トリエチルシラノール(Et3 SiOH)を収率87%で得る反応がJournal
of Organic Chemistry,31,855(1966)に記載されている。
【0003】
同様な方法により、Si−H結合を複数有する有機ケイ素化合物を加水分解すると、相当するポリシラノールが得られるが、収率は低下する。これは、遷移金属成分がカーボンに物理的に吸着しているため、いくらかの遷移金属成分が反応系中に脱落し、これがモノシラノールに比べて高い反応性を有するポリシラノール間の縮合を促進させるためである。この場合、反応系をpH緩衝溶液にてpH調整していても、ポリシラノール間の縮合は生じる。また、反応混合物中から生成ポリシラノールを蒸留精製する場合、触媒から脱落した遷移金属成分と加熱との相乗作用によりポリシラノール間の縮合が生起し、単離収率の大幅な低下がみられる。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、Si−H結合を有する有機ケイ素化合物からポリシラノールの場合であっても高収率で目的とするオルガノシラノールを製造することができる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で示されるSi−H結合を有する有機ケイ素化合物を加水分解する場合、固体支持体に化学的に結合した特定のパラジウム化合物もしくはその錯化合物からなる触媒、即ち、下記一般式(2)
Yb Zc Si(OR3 )d (OH)e O(4-b-c-d-e)/2 (2)
(式中、Yは11個までの炭素原子を有し、かつ少なくとも1個の硫黄原子を含み、ケイ素原子に対してケイ素−炭素結合を介して結合する硫黄原子含有一価有機官能基を表し、Zは、11個までの炭素原子を有し、かつ少なくとも1個の窒素原子を含み、ケイ素原子に対してケイ素−炭素結合を介して結合する窒素原子含有一価有機官能基を表し、R3 は炭素数1〜4の一価炭化水素基を表し、b,c,d,eは、0<b<1,0<c<0.5,c<b,0<b+c<1,0≦d<0.1,0<e<1,0<b+c+d+e<2を満足する正数である。)
で示される硫黄原子及び窒素原子含有ケイ素樹脂と下記一般式(3)
PdLf (3)
(式中、Lはアミノ基又はメルカプト基により置換可能である配位子を表し、fはPdの遊離価を満足するような数である。)
で示されるパラジウム化合物又はその錯化合物との反応による得られる触媒を使用することにより、反応系を該触媒成分で汚染することなしに、相当するオルガノシラノールを選択的に得ることを見出した。さらに複数のSi−H結合を有する有機ケイ素化合物を加水分解し、その反応混合物中から生成した高い反応性を有するポリシラノールを蒸留精製する場合も、触媒からのパラジウム成分の脱落がないため、従来法よりも高い単離収率でポリシラノールを得ることができることを知見し、本発明をなすに至った。
【0006】
従って、本発明は、下記一般式(1)で示されるSi−H結合を有する有機ケイ素化合物を上記触媒の存在下で加水分解させることを特徴とするオルガノシラノール類の製造方法を提供する。
【0007】
【化2】
【0008】
(式中、R1 はそれぞれ炭素数1〜10の一価炭化水素基又は炭素数1〜6の一価炭化水素基を有するトリオルガノシリルオキシ基を表し、R2 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜10の一価炭化水素基又は炭素数1〜6の一価炭化水素基を有するトリオルガノシリルオキシ基を表し、Xは酸素原子又は炭素数1〜6の二価炭化水素基を表し、aは0〜6の整数である。)
以下、本発明につき更に詳しく説明すると、本発明のオルガノシラノール類の製造方法において、その出発原料として使用するSi−H結合含有有機ケイ素化合物は、下記一般式(1)で示されるものである。
【0009】
【化3】
【0010】
上式中、R1 はそれぞれ炭素原子数1から10までの一価炭化水素基、または炭素原子数1から6までの一価炭化水素基を有するトリオルガノシリルオキシ基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、イソプロペニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン原子置換アルキル基;トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基等が例示される。R2 はそれぞれ水素原子、炭素原子数1から10までの一価炭化水素基、または炭素原子数1から6までの一価炭化水素基を有するトリオルガノシリルオキシ基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、イソプロペニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン原子置換アルキル基;トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基等が例示される。Xは酸素原子、またはメチレン、フェニレン等の炭素原子数1から6までの二価炭化水素基である。aは0または1から6の整数である。
【0011】
本発明は、上記Si−H結合含有有機ケイ素化合物を触媒の存在下に加水分解させるもので、これによりこの有機ケイ素化合物のSi−H基がSi−OH基に加水分解されたオルガノシラノールが得られるものである。
【0012】
ここで、本発明においては、触媒として下記一般式(2)
Yb Zc Si(OR3 )d (OH)e O(4-b-c-d-e)/2 (2)
で示される硫黄原子及び窒素原子含有ケイ素樹脂とパラジウム化合物又はその錯化合物との反応により得られる触媒を使用する。なお、このケイ素樹脂としては、シリカとポリシルセスキオキサンがある。
【0013】
この場合、式(2)のケイ素樹脂は、(i)硫黄原子含有オルガノトリアルコキシシランと、(ii)窒素原子含有オルガノトリアルコキシシランと、および(iii)テトラアルコキシシランとを、Si−F結合を有するフッ素含有ケイ素化合物もしくはフッ素塩化合物の存在下、水あるいは含水有機溶剤中で反応させて得ることができ、この硫黄原子および窒素原子含有ケイ素樹脂と、(iv)パラジウム化合物またはその錯化合物との反応により本発明の触媒を調製することができる。
【0014】
ここで使用される硫黄原子含有オルガノトリアルコキシシラン(i)は、一般式(4)
YSi(OR3 )3 (4)
で示される。上式中、Yは11個までの炭素原子を有し、かつ炭素、水素および適宜酸素よりなり、ケイ素−炭素結合を介してケイ素へ結合する一価の基であって、Y中には少なくとも1個の硫黄原子を含む有機官能基があり、R3 は炭素原子数1から4までの一価炭化水素基である。ここで、Yとしては、R11−Sx−R12−で表されるチオール又はチオエーテル官能基であることが好ましい。但し、R11は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基又は−R13−Si(OR14)3基であり、R13は炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキレン基、R14は炭素数1〜4の一価炭化水素基である。また、xは1〜4の整数を示す。具体的は、以下の化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
HS(CH2 )3 Si(OCH3 )3
HS(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
HS(CH2 )6 Si(OCH3 )3
HS(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
HS(CH2 )8 Si(OCH3 )3
HS(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
HS(CH2 )10Si(OCH3 )3
HS(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
HSCH2 C6 H4 (CH2 )2 Si(OCH3 )3
HSCH2 C6 H4 (CH2 )2 Si(OCH2 CH3 )3
CH3 S(CH2 )3 Si(OCH3 )3
CH3 S(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
CH3 CH2 S(CH2 )3 Si(OCH3 )3
CH3 CH2 S(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
CH3 CH2 CH2 S(CH2 )3 Si(OCH3 )3
CH3 CH2 CH2 S(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
CH2 =CHCH2 S(CH2 )3 Si(OCH3 )3
CH2 =CHCH2 S(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
C6 H5 CH2 S(CH2 )3 Si(OCH3 )3
C6 H5 CH2 S(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
S((CH2 )3 Si(OCH3 )3 )2
S((CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3 )2
S4 ((CH2 )3 Si(OCH3 )3 )2
S4 ((CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3 )2
S4 ((CH2 C6 H4 CH2 CH2 )Si(OCH3 )3 )2
S4 ((CH2 C6 H4 CH2 CH2 )Si(OCH2 CH3 )3 )2
また、ここで使用される窒素原子含有オルガノトリアルコキシシラン(ii)は一般式(5)
ZSi(OR3 )3 (5)
で示される。上式中、Zは11個までの炭素原子を有し、かつ炭素、水素および適宜酸素よりなり、ケイ素−炭素結合を介してケイ素へ結合する一価の基であって、Z中に少なくとも1個の窒素原子を含む有機官能基があり、R3 は前記と同じである。ここで、Zとしては、R15R16N−R13−で表されるアミノ官能性基又はNC−R13−で表されるシアノ官能性基であることが好ましい。但し、R15及びR16はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、R15R16N−R17−基又は−R13−Si(OR14)3基である。なお、R13及びR14は上記と同様の意味を示す。具体的には、以下の化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
H2 N(CH2 )3 Si(OCH3 )3
H2 N(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
H2 N(CH2 )6 Si(OCH3 )3
H2 N(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
H2 N(CH2 )8 Si(OCH3 )3
H2 N(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
H2 N(CH2 )10Si(OCH3 )3
H2 N(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 )HN(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(CH3 )HN(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 )HN(CH2 )6 Si(OCH3 )3
(CH3 )HN(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 )HN(CH2 )8 Si(OCH3 )3
(CH3 )HN(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 )HN(CH2 )10Si(OCH3 )3
(CH3 )HN(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 )HN(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 )HN(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 )HN(CH2 )6 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 )HN(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 )HN(CH2 )8 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 )HN(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 )HN(CH2 )10Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 )HN(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )HN(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )HN(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )HN(CH2 )6 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )HN(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )HN(CH2 )8 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )HN(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )HN(CH2 )10Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )HN(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )HN(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )HN(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )HN(CH2 )6 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )HN(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )HN(CH2 )8 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )HN(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )HN(CH2 )10Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )HN(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
(C6 H5 )HN(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(C6 H5 )HN(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
(C6 H5 )HN(CH2 )6 Si(OCH3 )3
(C6 H5 )HN(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
(C6 H5 )HN(CH2 )8 Si(OCH3 )3
(C6 H5 )HN(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
(C6 H5 )HN(CH2 )10Si(OCH3 )3
(C6 H5 )HN(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
(C6 H5 CH2 )HN(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(C6 H5 CH2 )HN(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
(C6 H5 CH2 )HN(CH2 )6 Si(OCH3 )3
(C6 H5 CH2 )HN(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
(C6 H5 CH2 )HN(CH2 )8 Si(OCH3 )3
(C6 H5 CH2 )HN(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
(C6 H5 CH2 )HN(CH2 )10Si(OCH3 )3
(C6 H5 CH2 )HN(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 )2 N(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(CH3 )2 N(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 )2 N(CH2 )6 Si(OCH3 )3
(CH3 )2 N(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 )2 N(CH2 )8 Si(OCH3 )3
(CH3 )2 N(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 )2 N(CH2 )10Si(OCH3 )3
(CH3 )2 N(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 )2 N(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 )2 N(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 )2 N(CH2 )6 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 )2 N(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 )2 N(CH2 )8 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 )2 N(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 )2 N(CH2 )10Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 )2 N(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )2 N(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )2 N(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )2 N(CH2 )6 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )2 N(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )2 N(CH2 )8 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )2 N(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )2 N(CH2 )10Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 )2 N(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )2 N(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )2 N(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )2 N(CH2 )6 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )2 N(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )2 N(CH2 )8 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )2 N(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )2 N(CH2 )10Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 CH2 CH2 )2 N(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
(C6 H5 )2 N(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(C6 H5 )2 N(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
(C6 H5 )2 N(CH2 )6 Si(OCH3 )3
(C6 H5 )2 N(CH2 )6 Si(OCH2 CH3 )3
(C6 H5 )2 N(CH2 )8 Si(OCH3 )3
(C6 H5 )2 N(CH2 )8 Si(OCH2 CH3 )3
(C6 H5 )2 N(CH2 )10Si(OCH3 )3
(C6 H5 )2 N(CH2 )10Si(OCH2 CH3 )3
H2 N(CH2 )2 NH(CH2 )3 Si(OCH3 )3
H2 N(CH2 )2 NH(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
H2 N(CH2 )6 NH(CH2 )3 Si(OCH3 )3
H2 N(CH2 )6 NH(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
H2 N(CH2 )2 NHCH2 C6 H4 (CH2 )2 Si(OCH3 )3
H2 N(CH2 )2 NHCH2 C6 H4 (CH2)2 Si(OCH2CH3 )3
H2 N(CH2 )2 NH(CH2 )2 NH(CH2 )3 Si(OCH3 )3
H2 N(CH2)2 NH(CH2)2 NH(CH2 )3 Si(OCH2CH3)3
(CH3 O)3 Si(CH2 )3 NH(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 O)3 Si(CH2 )3 NH(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
(CH3 O)3 Si(CH2 )3 NH(CH2 )2 NH(CH2 )3 Si(OCH3 )3
(CH3 CH2 O)3 Si(CH2 )3 NH(CH2 )2 NH(CH2 )3 Si(OCH2 CH3 )3
NC(CH2 )2 Si(OCH3 )3
NC(CH2 )2 Si(OCH2 CH3 )3
NC(CH2 )5 Si(OCH3 )3
NC(CH2 )5 Si(OCH2 CH3 )3
NC(CH2 )7 Si(OCH3 )3
NC(CH2 )7 Si(OCH2 CH3 )3
NC(CH2 )9 Si(OCH3 )3
NC(CH2 )9 Si(OCH2 CH3 )3
また、ここで使用されるテトラアルコキシシラン(iii )は一般式(6)
Si(OR3 )4 (6)
で示される。上式中、R3 は前記と同じである。具体的には、以下の化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
Si(OCH3 )4 ,Si(OC2 H5 )4 ,Si(OC3 H7 )4 ,
Si(OC4 H9 )4 ,Si〔OC(=CH2 )CH3 〕4
上記硫黄原子含有オルガノトリアルコキシシランおよび窒素原子含有オルガノトリアルコキシシランとテトラアルコキシシランとの混合比は、目的生成物が固体となるように設定する。具体的には、硫黄原子含有オルガノトリアルコキシシランおよび窒素原子含有オルガノトリアルコキシシランとテトラアルコキシシランとのモル比が0.01〜3の範囲が好ましく、0.1〜2の範囲が特に好ましい。このモル比が3より大きくなると目的物の性状が液体あるいはオイル状になってしまう場合があるので好ましくない。また、このモル比が0.01未満になると硫黄原子および窒素原子によるパラジウム成分の固定化能が発現せず、好ましくない。
【0018】
また、硫黄原子含有オルガノトリアルコキシシランと窒素原子含有オルガノトリアルコキシシランの混合比は、硫黄原子/窒素原子のモル比で1.5〜5の範囲、特には、2〜4の範囲になるのが好ましい。この比が1.5未満になるとパラジウム化合物またはその錯化合物と反応させ、触媒とした後、加水分解反応に用いるとパラジウム成分が脱落し、反応系を汚染してしまう場合が生じ、またこの比が5より大きくなると触媒を調製するために仕込んだパラジウム化合物またはその錯化合物の全てを固定化できない場合が生じる。
【0019】
上記アルコキシシランの混合物は、分子中に少なくとも1個のSi−F結合を有するフッ素含有ケイ素化合物もしくはフッ素塩化合物の存在下、水又は含水有機溶剤と反応させる。ここで用いられるフッ素含有ケイ素化合物としては、FSi(OCH3 )3 、FSi(OCH2 −CH3 )3 、(NH4 )2 SiF6 などが例示される。また、フッ素塩化合物としては、NaF、KF、(CH3 CH2 CH2 CH2 )4 NFなどが例示される。
【0020】
Si−F結合を有するフッ素含有素ケイ素化合物もしくはフッ素塩化合物の使用量は、硫黄原子含有オルガノトリアルコキシシラン、窒素原子含有オルガノトリアルコキシシラン、およびテトラアルコキシシランの総和Si/Fのモル比で1.0:0.0001から1.0:2.0の範囲が好ましい。
【0021】
これらアルコキシシランの混合物を上記フッ素含有ケイ素化合物もしくはフッ素塩化合物の存在下、水又は含水有機溶剤と反応させることにより、一般式(2)
Yb Zc Si(OR3 )d (OH)e O(4-b-c-d-e)/2 (2)
で示される硫黄原子および窒素原子含有ケイ素樹脂を得ることができる。上式中、Y、Z、およびR3 は前記と同じであり、b,c,dおよびeは、0<b<1,0<c<0.5,c<b,0<b+c<1,0≦d<0.1,0<e<1,0<b+c+d+e<2を満足する正数である。
【0022】
次に、上記硫黄原子および窒素原子含有ケイ素樹脂と、パラジウム化合物またはその錯化合物(iv)との反応による触媒の調製について述べる。まず、パラジウム化合物またはその錯化合物(iv)は、一般式(3)
PdLf (3)
で示される。上式中、Lはアミノ基またはメルカプト基により置換可能である少なくとも1個の配位子を表わし、fはPdの遊離価を満足するような数である。具体的には、以下の化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
PdCl2 ,PdBr2 ,Pd(CN)2 ,Pd(NO3 )2 ,
Pd〔OC(=O)CH3 〕2 ,Pd(C6 H5 CN)2 ,
Pd〔CH3 C(=O)CH=C(−O)CH3 〕2 ,
Pd(H2 NCH2 CH2 NH2 )Cl2 ,
Pd2 〔C6 H5 CH=CHC(=O)CH=CHC6 H5 〕3 ,
硫黄原子および窒素原子含有ケイ素樹脂と上記パラジウム化合物またはその錯化合物との反応は、通常環境温度から100℃程度の範囲で行うことができる。好ましくは、60〜70℃の範囲である。また、この反応は無溶媒でも行うことができるが、適当な溶媒の存在下で行うことが好ましい。なかでも、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の極性溶媒および/または水の中が好ましい。
【0024】
硫黄原子および窒素原子含有ケイ素樹脂と上記パラジウム化合物またはその錯化合物との混合比は、硫黄原子および窒素原子含有ケイ素樹脂中の硫黄原子および窒素原子/パラジウム化合物またはその錯化合物中のパラジウム原子のモル比で2〜200の範囲が好ましく、3〜100がより好ましい。このモル比が2未満になると、パラジウム化合物またはその錯化合物の全てを固定化できない場合が生じ、また200を超えるようになると、パラジウム成分の固定化はされるものの、パラジウム成分の触媒活性が極端に低下してしまう場合がある。
【0025】
硫黄原子および窒素原子含有ケイ素樹脂と上記パラジウム化合物またはその錯化合物とを反応させた後、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で生成物を還元してもよい。
【0026】
硫黄原子および窒素原子含有ケイ素樹脂と上記パラジウム化合物またはその錯化合物とを反応させた後、生成した固体を濾過し、アルコールおよび水で洗浄した後、乾燥することによって、本発明のSi−H結合含有有機ケイ素化合物の加水分解反応用触媒を得ることができる。
【0027】
次に、本発明の上記触媒を用いたSi−H結合含有有機ケイ素化合物の加水分解反応によるシラノール類の製造方法について述べる。この加水分解反応は上記式(1)のSi−H結合を有する有機ケイ素化合物と理論等量以上の水とを上記触媒の存在下で反応させる。さらにこの反応は、通常環境温度から100℃程度の範囲で行うことができる。好ましくは、40〜70℃の範囲である。また、この反応は無触媒でも行うことができるが、適当な溶媒の存在下で行うことが好ましい。なかでも、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。また、この触媒は固体であるので、バッチ式あるいは連続式で上記反応を行なうことができる。バッチ式で反応を行なう場合、反応終了後は濾過等の分離操作により触媒を分離し、該触媒はそのまま次の反応にリサイクルすることができる。また、連続式で反応を行なう場合には、Si−H結合含有有機ケイ素化合物、水、および溶媒の混合物をこの触媒床の上または中に通すことにより行なうことができる。なお、上記触媒の使用量は、特に制限されないが、パラジウム量として0.1〜2000ppmであることが好ましい。
また、上記加水分解後は、常法に従い、触媒を濾別し、目的とするオルガノシラノールを減圧蒸留することにより単離することができる。この場合、本発明においては、この減圧蒸留時にシラノールが縮合することがなく、高収率で目的オルガノシラノールを得ることができる。また、濾別した触媒は繰り返して使用することができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0029】
〔実施例1〕
〔硫黄原子および窒素原子含有ケイ素樹脂の調製〕攪拌装置付4つ口フラスコに、フッ化カリウム1.16g(0.02モル)および水1600.0g(88.8モル)を仕込み、室温にてメルカプトプロピルトリメトキシシラン131.3g(0.67モル)、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン84.2g(0.33モル)、およびテトラメトキシシラン152.0g(1.00モル)の混合物を攪拌下、3分間で滴下した。室温下、2分間攪拌したところ、反応系は白色ゲル化した。さらに室温下、1時間攪拌後、生成した固体を濾別し、蒸留水、続いてアセトン洗浄した。次いで減圧乾燥し、溶媒を除去後、メルカプトプロピル基およびγ−フェニルアミノプロピル基含有ケイ素樹脂を202.4g、収率98%で得た。このメルカプトプロピル基およびγ−フェニルアミノプロピル基含有ケイ素樹脂中の硫黄分および窒素分は、それぞれ10.1wt%、2.2wt%であった。
【0030】
〔パラジウム含有触媒の調製〕攪拌装置付4つ口フラスコに、上記ケイ素樹脂3.78g、エタノール30.0g、および塩化パラジウム0.3gを仕込み、60℃、6時間攪拌した。その後、水素化ホウ素ナトリウム0.08gを添加し、さらに60℃、1時間攪拌後、生成した固体を濾別し、アセトン、続いて蒸留水で洗浄した。次いで減圧乾燥し、溶媒を除去後、褐色固体状触媒を3.50g得た。この触媒中のパラジウム量の計算値および測定値は、いずれも4.6wt%であり、パラジウムは定量的に固定化されていた。
【0031】
〔上記触媒を用いたシラノール合成反応〕攪拌装置付4つ口フラスコに、上記のようにして調製した触媒4.3g、水81.6g(4.53モル)、およびメチルエチルケトン1002.7gを仕込み、60℃にて1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン501.2g(1.78モル)を攪拌下、4.5時間で滴下した。滴下と共に水素ガスの発生がみられた。60℃、6時間の攪拌後、ガスクロマトグラフィー/質量分析(以下、GC−MSと略記する。)にて反応混合物を分析したところ、原料の1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサンは完全に消費され、目的生成物である1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールが87.4%生成していた。この反応混合物から触媒を濾別し、濾液を減圧下、濃縮した。濃縮物を減圧蒸留したところ、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールを96〜98℃/35mmTorrの無色透明オイルの留分として得た。1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールの単離収率は、76.2%であり、純度は98.5%であった。
【0032】
〔実施例2〕
γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランをγ−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン63.7g(0.33モル)に代えた以外は、実施例1の〔硫黄原子および窒素原子含有ケイ素樹脂の調製〕と同様な反応を行なったところ、メルカプトプロピル基およびγ−メチルアミノプロピル基含有ケイ素樹脂を183.0g、収率98%で得た。このメルカプトプロピル基およびγ−メチルアミノプロピル基含有ケイ素樹脂中の硫黄分および窒素分は、それぞれ11.0wt%、2.4wt%であった。
【0033】
攪拌装置付4つ口フラスコに、上記ケイ素樹脂4.03g、エタノール30.8g、および塩化パラジウム0.30gを仕込み、60℃、6時間攪拌した。その後、水素化ホウ素ナトリウム0.09gを添加し、さら60℃、1時間攪拌後、生成した固体を濾別し、アセトン、続いて蒸留水で洗浄した。次いで減圧乾燥し、溶媒を除去後、褐色固体状触媒を3.58g得た。この触媒中のパラジウム量の計算値および測定値は、いずれも4.3wt%であり、パラジウムは定量的に固定化されていた。
【0034】
攪拌装置付4つ口フラスコに、上記のようにして調製した触媒0.3g、水2.3g(0.13モル)、およびメチルエチルケトン30.3gを仕込み、60℃にて1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン6.7g(0.05モル)を攪拌下、1時間で滴下した。滴下と共に水素ガスの発生がみられた。60℃、3時間の攪拌後、GC−MSにて反応混合物を分析したところ、原料の1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンは完全に消費され、目的生成物である1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジオールは85.4%生成していた。この反応混合物から触媒を濾別した後、濾液中のパラジウム量を測定したところ、0.1ppm以下であった。なお、濾別した触媒をリサイクルし、同じ反応を同スケールで5回行なったが、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジオールの収率は変わらず、触媒活性の低下はみられなかった。
【0035】
〔実施例3〕
撹拌装置付4つ口フラスコに実施例1で調製したパラジウム含有ケイ素樹脂0.4g、水2.4g(0.13モル)、およびメチルエチルケトン35.3gを仕込み、60℃にて1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン9.7g(0.05モル)を撹拌下、1時間で滴下した。滴下と共に水素ガスの発生がみられた。60℃、4時間の撹拌後、GC−MSにて反応混合物を分析したところ、原料の1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンは完全に消費され、目的生成物である1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼンは、92.6%生成していた。この反応混合物中から触媒を濾別した後、濾液中のパラジウム量を測定したところ、0.1ppm以下であった。なお濾別した触媒をリサイクルし、同じ反応を同スケールで6回行なったが、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼンの収率は変わらず、触媒活性の低下はみられなかった。
【0036】
〔比較例1〕
攪拌装置付4つ口フラスコに、あらかじめ水洗した5%パラジウム−カーボン3.3g、水81.2g(4.51モル)、およびメチルエチルケトン994.0gを仕込み、60℃にて1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン500.0g(1.77モル)を攪拌下、4.5時間で滴下した。滴下と共に水素ガスの発生がみられた。60℃、6時間の攪拌後、GC−MSにて反応混合物を分析したところ、原料の1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサンは完全に消費され、目的生成物である1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールが76.7%生成していた。この反応混合物から触媒を濾別し、濾液を減圧下、濃縮した。濃縮物を減圧蒸留したところ、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールを96〜98℃/35mmTorrの無色透明オイルの留分として得た。1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールの単離収率は、27.2%であり、純度は98.2%であった。なお、釜残をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記する。)にて分析したところ、平均分子量Mwは2400、分散度Mw/Mnは1.22の高分子量体のみであった。
【0037】
〔比較例2〕
攪拌装置付4つ口フラスコに、あらかじめ水洗した5%パラジウム−カーボン0.1g、水2.3g(0.13モル)、およびメチルエチルケトン30.6gを仕込み、60℃にて1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン6.7g(0.05モル)を攪拌下、1時間で滴下した。滴下と共に水素ガスの発生がみられた。60℃、3時間の攪拌後、GC−MSにて反応混合物を分析したところ、原料の1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンは完全に消費され、目的生成物である1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジオールは80.4%生成していた。この反応混合物から触媒を濾別した後の濾液は薄褐色に着色しており、その濾液中のパラジウム量を測定したところ、16.1ppmであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明のオルガノシラノールの製造方法は、上述した特定の固体支持体に化学的に結合した特定のパラジウム化合物もしくはその錯化合物からなる触媒の使用により、Si−H結合を有する有機ケイ素化合物を加水分解することによって、反応系を該触媒成分で汚染することなしに、相当するオルガノシラノールを収率よく、かつ高純度に製造できるという特徴を有する。
Claims (3)
- 下記一般式(1)
で示されるSi−H結合を有する有機ケイ素化合物を、下記一般式(2)
Yb Zc Si(OR3 )d (OH)e O(4-b-c-d-e)/2 (2)
(式中、Yは11個までの炭素原子を有し、かつ少なくとも1個の硫黄原子を含み、ケイ素原子に対してケイ素−炭素結合を介して結合する硫黄原子含有一価有機官能基を表し、Zは、11個までの炭素原子を有し、かつ少なくとも1個の窒素原子を含み、ケイ素原子に対してケイ素−炭素結合を介して結合する窒素原子含有一価有機官能基を表し、R3 は炭素数1〜4の一価炭化水素基を表し、b,c,d,eは、0<b<1,0<c<0.5,c<b,0<b+c<1,0≦d<0.1,0<e<1,0<b+c+d+e<2を満足する正数である。)
で示される硫黄原子及び窒素原子含有ケイ素樹脂と下記一般式(3)
PdLf (3)
(式中、Lはアミノ基又はメルカプト基により置換可能である配位子を表し、fはPdの遊離価を満足するような数である。)
で示されるパラジウム化合物又はその錯化合物との反応により得られる触媒の存在下で加水分解させることを特徴とするオルガノシラノール類の製造方法。 - 上記硫黄原子及び窒素原子含有ケイ素樹脂が、下記一般式(4)
YSi(OR3 )3 (4)
(式中、Y及びR3 は上記と同様の意味を示す。)
で示される硫黄原子含有オルガノトリアルコキシシランと、下記一般式(5)
ZSi(OR3 )3 (5)
(式中、Z及びR3 は上記と同様の意味を示す。)
で示される窒素原子含有オルガノトリアルコキシシランと、下記一般式(6)
Si(OR3 )4 (6)
(式中、R3 は上記と同様の意味を示す。)
で示されるテトラアルコキシシランとを、Si−F結合を有するフッ素含有ケイ素化合物もしくはフッ素塩化合物の存在下に水又は含水有機溶剤中で反応させることにより得られたものである請求項1記載の方法。 - 上記触媒中の窒素原子及び硫黄原子とパラジウム原子とのモル比が2〜200である請求項1又は2記載の方法。
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