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JP3543106B2 - 膜結合型c1インアクチベーター - Google Patents

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JP3543106B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、臓器、組織、又は細胞移植時に、ドナーに対して超急性拒絶反応を引き起こす補体活性化経路の初発反応を抑制する膜結合型補体制御因子、該膜結合型補体制御因子をコードする核酸分子、及び該核酸分子を担持するベクターに関する。本発明は、このようなベクターが導入された細胞、組織、及び臓器にも関する。さらに、本発明は、前記膜結合型補体制御因子が遺伝子導入されたトランスジェニック動物、とりわけトランスジェニックブタに関する。
【0002】
【従来の技術】
臓器移植は、従来の対症療法とは全く異なる極めて有用な根治的療法であり、近年、臓器の機能不全又は機能低下を回復するために、腎移植、角膜移植、肝移植、及び心臓移植等の臓器移植が盛んに実施されるようになっている。
【0003】
臓器移植において克服すべき最も重大な問題は拒絶反応であり、現在最も多く実施されている臓器移植の一つであるヒトからヒトへの腎移植においても、例えば血液型が一致しない場合には、移植後数分以内に超急性拒絶反応が起き、移植臓器周辺に重篤なびまん性の血栓症が生じるという問題を有している。同種移植(すなわちドナーとレシピエントが同一の種に属する場合)における超急性拒絶反応は、移植片の血液型糖鎖抗原と、レシピエント中に予め自然抗体として存在する抗血液型抗体とからなる免疫複合体が、C1(補体第一成分)と結合して補体活性化経路を活性化することによって引き起こされることが明らかとなっている。また、異種移植(すなわちドナーとレシピエントが異なる種に属する場合)では、レシピエントには存在しない全ての物質が異種移植抗原となり得るので、拒絶反応の問題はさらに深刻なものとなり、多数の臓器を提供することができる異種移植を臨床に応用する上で著しい妨げとなっている。
【0004】
以上のように、臓器移植において第一に解決されなければならない課題は、移植後即時に起こる超急性拒絶反応を抑えることであるが、前述のように超急性拒絶反応は、補体活性化経路の活性化から生じるので、該経路の抑制物質を移植臓器に予め導入しておけば、超急性拒絶反応は抑制されることになる。
【0005】
現在、このような考えに基づき、内在性ヒト膜結合型補体制御因子であるCD46(メンブランコファクタープロテイン;MCP)、CD55(崩壊促進因子;DAF)、及びCD59(HRF20)等を遺伝子導入したトランスジェニックブタが数社で生産され、異種移植に供されている。ここで「補体制御因子」とは、生体内で補体系活性化経路を制御しているタンパク質であり、上述した3つの補体制御因子を含む殆ど全ての補体制御因子は、補体活性を減弱させる作用を示すので、これらの因子を導入したトランスジェニック動物の臓器を移植すれば、レシピエントの補体活性化経路が抑制される。
【0006】
以下図1を参照しながら、補体活性化経路におけるCD46、CD55、及びCD59の作用点を説明する。まず、CD46の作用点は、図1で(3)が付されている反応であり、CD46はI因子のコファクターとしてC3b及びC4bを不活性型に変換する作用を示す。このうち、C3bは、▲1▼第二経路のC3転換酵素(図中のYC3bBbP)の活性化、▲2▼C3転換酵素(図中YC4b2a及びYC3bBbP)のC5転換酵素(図中YC4b2a3b)への転換、▲3▼血液細胞の補体レセプターCR1への結合など補体活性化経路で中心的役割を果たす分子である。一方、CD55の作用点は、図1で(2)が付されている反応であり、CD55は古典経路中のC3転換酵素C4b2aからのC2a*の解離を促進するとともに、第二経路のC3転換酵素YC3bBbPのBbの解離をも促進する。CD59の作用点は、図1で(4)が付されている反応であり、CD59は前二者とは異なりC3転換酵素には作用せず、補体活性化経路の最後のステップであるC9からZC5b-9への転換を阻害する。
【0007】
これら3つの膜結合型補体制御因子は、以上のような作用機序で補体活性化経路の各段階を阻害することができ、且つ膜結合型であるために拒絶反応部位での密度が高く保たれるので補体活性化経路の抑制に一定の効果を示し得る。
【0008】
しかしながら、これらの膜結合型補体制御因子には、それぞれ以下のような問題点が存在する。
【0009】
まず、CD46は、トランスジェニック動物内で高発現のものが得にくく、また他の2分子に比べて、膜上での補体抑制能力が劣るという欠点を有する。
【0010】
CD59は、カスケードの終末で補体を抑制するため、途中のC4、C3、及びC5が活性化されC4a、C3a、及びC5a等のアナフィラトキシンによって移植片の損傷をもたらすことが判明している。
【0011】
また、最も期待されているCD55においても、C4までの反応は起こるため、C4aが発生したり、移植片にC4bが沈着するという問題を有している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、補体活性化経路を効果的に抑制することができ、且つ移植組織を損傷せしめる補体活性化経路の中間体の発生を完全に阻害し得る膜結合型補体制御因子を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、水溶性C1インアクチベーターの機能的ドメインを含有するタンパク質と、該タンパク質の末端及び/又は内部に付加されたアンカー分子とを具備する膜結合型C1インアクチベーターを提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、天然に存在する水溶性C1インアクチベーターに、アンカー分子を付加することによって人為的に作出した膜結合型C1インアクチベーターを提供する。
【0015】
本明細書において、「C1インアクチベーター(以下C1-INHと略記する)」とは、免疫複合体中の免疫グロブリンと結合することによって活性化されたC1のセリンプロテアーゼ活性を阻害するタンパク質を意味する。「水溶性C1-INH」とは、血清中に内在するC1-INHを意味し、「血清型C1-INH」と同義である。
【0016】
補体活性化経路におけるC1-INHの作用点は、該経路の初発反応なので、C1-INHを用いれば、該経路の活性化を効果的に抑制することができ、且つ該経路の途上で発生し得る有害な中間体も一切発生しない。
【0017】
CD46及びCD55とは異なりC1-INHの種特異性は厳格でないので、本発明の膜結合型C1-INHを作出するために使用する水溶性C1-INHは、臓器又は組織を移植すべきレシピエントと同一種のものである必要はないが、同一種又は近縁種であることが好ましい。従って、レシピエントがヒトであるときには、マウスの水溶性C1-INHを用いることもできるが、ヒトの水溶性C1-INHを使用することが好ましい。ヒトの水溶性C1-INHのアミノ酸配列(配列番号1)と塩基配列(配列番号2)及びマウスのC1-INHのアミノ酸配列(配列番号3)及び塩基配列(配列番号4)は、下記の配列表に記載されている。なお、これら配列表には、 Met で始まるシグナルペプチド(アミノ酸1〜22)が含まれている。
【0018】
本明細書において「タンパク質」とは、2以上のアミノ酸がペプチド結合によって連結されたもの及びを意味し、単純タンパク質のみならず、例えば糖、脂質、核酸等のアミノ酸以外の構成成分を含有する複合タンパク質も含む。
【0019】
また、「機能的ドメイン」とは、あるタンパク質の機能に直接的且つ不可欠な役割を担うタンパク質中の領域を意味する。それ故、C1-INHの機能的ドメインを含有するタンパク質を作出し、ドナーの臓器又は組織に発現させれば、補体活性化経路の抑制が達成される。図2に示されているように、ヒトC1-INHの活性中心はC末端部に存在するアミノ酸配列(444位のアルギニンと445位のトレオニン(図2に示されているCI-INHは、22のアミノ酸からなるシグナルペプチドが切断されたものなので、図2における1位は、配列番号2のC1-INHの23位に相当する))であり、該活性中心は、C1のサブユニットであるC1s等との結合で開裂することが明らかとなっている。該開裂によって、前記444位のアルギニンは、C1s等のC末端側のB鎖上の活性化されたセリンと結合する。また、101位と406位のシステイン、108位と183位のシステインは、ジスルフィド結合を形成して、C1-INHの立体構造の保持に関与している。以上の構造から、ヒトC1-INHがその機能を発揮するためには、少なくとも101〜445位のアミノ酸配列が不可欠であり、該部分が機能的ドメインであると推定される。同様の構造は、マウスのC1-INHでも保存されており、マウスのC1-INHの活性中心のアミノ酸配列は448位のアルギニンと449位のセリンであり、ヒトC1-INHの101位と406位のシステインはマウスのC1-INHの106位と410位に対応し、ヒトのC1-INHの108位と183位のシステインは113位と188位に対応している。従って、ヒトのC1-INHから、ヒト以外の哺乳類のC1-INHの機能的ドメインを推定することができる。
【0020】
水溶性C1-INHの機能的ドメインに代えて、該機能的ドメインの1若しくは数個のアミノ酸を欠失、置換若しくは付加させ、且つ補体活性化経路の抑制機能を保持したアミノ酸配列を使用してもよい。なお、補体活性化経路の抑制機能を「保持した」とは、臓器移植に実用し得る程度の補体活性化経路の抑制機能を有していることを意味するものとする。
【0021】
このような修飾は、
▲1▼ジスルフィド結合に関与しているシステインに修飾を加えず、
▲2▼活性中心のアミノ酸は、塩基性アミノ酸と、非荷電極性アミノ酸又は非極性アミノ酸(好ましい非荷電極性アミノ酸は、天然のヒト及びマウスのC1-INHの活性中心を構成するトレオニンとセリン、並びに同じく水酸基を有するチロシンであり、好ましい非極性アミノ酸は、トレオニン及びセリンと同様の大きさを有するアラニンとグリシンである)であることを要する。
【0022】
ここで、「塩基性アミノ酸」には、リシン、アルギニン、及びヒスチジン、「非荷電性極性アミノ酸」には、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン、及びグルタミン、「非極性アミノ酸」には、アラニン、グリシン、バリン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、及びシステインが含まれる。
【0023】
「アンカー分子」とは、タンパク質を膜に組み込まれた状態、すなわち膜結合型にするための分子を意味し、▲1▼主に疎水性アミノ酸残基の配列からなる膜貫通部分、▲2▼ミリスチン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、▲3▼グリコシルホスファチジルイノシトール(以下GPIと称する)等のリン脂質、▲4▼プレニル基、ファルネシル基等のテルペン類、▲5▼直鎖及び分枝炭化水素鎖等の天然の膜結合型タンパク質中に存在する周知の分子又はそれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されない。アンカー分子として膜貫通タンパク質の膜貫通部分を用いる場合には、補体制御因子以外の膜貫通部分、すなわちI型〜IV型の膜貫通タンパク質に含有される膜貫通部分も使用し得る。膜貫通タンパク質の膜貫通部分は、C1-INHのcDNAに連結してトランスジェニックすることが可能なので、特に好ましいアンカー分子である。
【0024】
本発明の膜結合型C1-INHは、水溶性C1-INH又はその機能的ドメインに、アンカー分子を付加することによって作成される。水溶性C1-INHには、合成的にアンカー分子を付加してもよいが、操作の容易性及び膜上への発現効率の見地から、水溶性C1-INHの遺伝子と、アンカー分子をコードするヌクレオチド配列とを具備する遺伝子構築物を作成し、該構築物を生体内で発現させることによって付加せしめることが極めて好ましい。非タンパク質アンカー分子を付加する場合には、小胞体又は細胞質においてアンカー分子を付加するシグナルとして作用するアミノ酸配列をコードするヌクレオチドを水溶性C1-INH遺伝子に連結すればよい。脂肪酸、テルペン類、GPI等を付加するシグナルとして作用するアミノ酸配列は公知である。例えば、GPIを付加するシグナルとして作用するアミノ酸配列は公知であり、該アミノ酸配列は小胞体において切断されて除去される。CD55のGPI付加シグナルの核酸配列(配列番号5)及びアミノ酸配列(配列番号6)を配列表に示す。なお、アンカー分子は、ドナーの種と同一の種から由来したものでなくてもよい。
【0025】
効率的に膜結合型C1-INHを細胞膜上に発現させるためには、水溶性C1-INHのN末端には、シグナルペプチドを結合させねばならない。
【0026】
アンカー分子をコードするヌクレオチドを水溶性C1-INH遺伝子に連結して、移植臓器又は組織に導入すれば、移植臓器又は組織中の細胞膜上に、アンカー分子としてGPIを有する膜結合型C1-INHを発現させることが可能となる。
【0027】
細胞膜上で起こる補体活性化反応を阻害するためには、本発明の膜結合型C1-INHは、少なくともその機能的ドメインが細胞外に露出するように作出すべきであり、水溶性C1-INHのC末端又はその近傍にGPIを付加する態様が好ましい。
【0028】
以上のように、本発明によれば、水溶性C1インアクチベーターと同等の補体活性化経路抑制機能を有する膜結合型C1インアクチベーターが得られる。なお、「同等の」補体活性化経路抑制機能とは、水溶性C1インアクチベーターのC1阻害活性の少なくとも50%以上の活性を有し、臓器移植に実用し得る程度の補体活性化経路の抑制機能を有していることを意味するものとする。
【0029】
さらに、膜結合型C1-INHをコードする核酸分子を提供することも本発明の目的である。本明細書において、「核酸分子」には、DNA分子とRNA分子の両者が含まれる。前述のように、アンカー分子がタンパク質である場合には、膜結合型C1-INHをコードする核酸分子は、水溶性C1-INH遺伝子と、アンカー分子をコードするヌクレオチドから構成される。アンカー分子が非タンパク質である場合には、水溶性C1-INH遺伝子と、ドナーの細胞中でアンカー分子を付加するシグナルとして作用するアミノ酸配列をコードするヌクレオチドとから構成される。
【0030】
膜結合型C1-INHをコードする核酸分子を移植臓器又は組織中で発現させるためのベクターを提供することも本発明の目的である。これらのベクターに膜結合型C1-INHをコードする核酸分子を挿入し、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、及びリポフェクション等の周知の方法を用いてこれを移植臓器又は組織に導入すれば、膜結合型C1-INHをコードする核酸分子を遺伝子導入することができる。
【0031】
本明細書において「ベクター」には、ウイルスベクター及び非ウイルスベクターの両者が含まれる。ウイルスベクターは、レトロウイルスやアデノウイルス等の感染力を有する遺伝子配列に、移植臓器又は組織中でC1-INHをコードする核酸分子を発現させるための配列(プロモーター配列、ポリA部分等)が連結されたものであり得る。好ましいウイルスベクターは、レトロウイルスベクターであり、該ベクターを用いた遺伝子導入は当業者に周知である。非ウイルスベクターは、大腸菌等の細菌中で自己複製するために必要な遺伝子配列に、移植臓器又は組織中でC1-INHをコードする核酸分子を発現させるための配列(プロモーター配列、ポリA部分等)が連結されたものであり得る。
【0032】
細胞に核酸分子を導入する方法は、ベクターを用いる方法に限定されず、移植臓器の種類に応じて、膜結合型C1-INHをコードする核酸分子及び該核酸分子を発現させるための配列を具備する遺伝子配列をマイクロインジェクションしてもよい。
【0033】
このようにして膜結合型C1-INHを導入されたトランスジェニック動物、臓器、組織、及び細胞も本発明の範囲に属する。膜結合型C1-INHを導入すべき動物は任意の哺乳動物であり得るが、ヒトに移植したときに拒絶反応が起こり難いブタ及びサルが特に好ましい。膜結合型C1-INHを導入すべき臓器には、肺、腎臓、心臓、肝臓、膵臓、小腸等の消化管が含まれるがこれらに限定されない。膜結合型C1-INHを導入すべき組織には、角膜、半月板、脳組織、皮膚、皮下組織、上皮組織、骨、筋等の組織が含まれるがこれらに限定されない。膜結合型C1-INHを導入すべき細胞には、上記の臓器又は組織を構成する全ての細胞、特に膵細胞及び脳細胞に加えて、受精卵及び胚性幹細胞が含まれるがこれらに限定されない。
【0034】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に記載するが、本実施例が、いかなる意味においても、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲を限定することを意図するものではないことは、当業者であれば自明であろう。
【0035】
[実施例1]
本実施例では、図3に示されている膜結合型C1-INHの動物細胞膜上への発現について説明する。
【0036】
該膜結合型C1-INHは、水溶性C1-INHのN末端及びC末端に、それぞれシグナルペプチドとCD55のGPI部分が結合されたものである(以下C1-INH-GPIと称する)。また、本実施例では、C1-INH-GPI中のシグナルペプチドのC末端部に、さらに検出用のエピトープタグ(FLAGタグ)を付加した形態のもの(以下FLAG-C1-INH-GPIと称する)も作成した(図3下段参照)。
【0037】
動物細胞の細胞膜上にC1-INH-GPI及びFLAG-C1-INH-GPIを発現させるために、本実施例では、これらのcDNAを作成し、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)にはエレクトロポレーションによって、ブタ血管内皮細胞(SEC)にはリポフェクションによって遺伝子導入した。
【0038】
図4は、C1-INH-GPIに対するポリクローナル抗体を用いて、両細胞に蛍光ラベルを付与し、フローサイトメーターによってC1-INH-GPIの発現を調べた結果である。図4のパネルA及びBに示されているように、C1-INH-GPIは、複数のCHO株の細胞膜上に安定に発現された(斜線部)。同様に、C1-INH-GPIは、複数のSEC株の細胞上でも安定に発現された(図4のパネルC及びD、斜線部)。
【0039】
以上の結果は、アンカー分子としてGPIを付加したC1-INHが、種々の動物細胞の細胞膜上で安定に発現されることを示している。
【0040】
図4のパネルEには、FLAGに対するモノクローナル抗体で、CHO細胞を蛍光ラベルして、フローサイトメーターでFLAG-C1-INH-GPIの発現を調べた結果が示してある。FLAGに対するモノクローナル抗体でも蛍光が検出されているので、FLAG-C1-INH-GPIがCHO細胞の細胞膜上に発現していることが確証された。また、FLAGに対するモノクローナル抗体(M2)を用いて、Scatchard plot法を実施し、CHO-CE21では51.3±3.7×104/細胞、SEC-CE9では13.3±2.3×104/細胞のFLAG-C1-INH-GPI分子が発現していることを確認した。
【0041】
図5は、これらの細胞からタンパク質を抽出し、前記ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を用いてウェスタンブロットを行った結果を示している。
【0042】
レーン1〜3及び7はCHO細胞、レーン4〜6及び8はSEC細胞のウェスタンブロットである。レーン1〜6はポリクローナル抗体、レーン7及び8はモノクローナル抗体を用いたウェスタンブロットの結果である。
【0043】
遺伝子導入していない細胞(レーン1及び4)以外は、予想された位置にバンドが検出された。
【0044】
本実施例によって、水溶性CIインアクチベーターにアンカー分子を付加することによって、膜結合型C1インアクチベーターを人為的に作出して、種々の細胞の膜上に発現させ得ることが明らかとなった。
【0045】
[実施例2]
本実施例では、C1-INH-GPIの補体に対する抑制効果を調べた。
【0046】
まず、C1-INH-GPIを発現させたCHO細胞(CHO-C6及びCHO-CE21)に、これらの細胞に対する抗体を反応させた後に、補体成分を含有する40%ヒト血清(NHS)を加え、ヒト補体に対する抑制効果を調べた。結果を図6及び図7に示す。
【0047】
図6から明らかなように、C1-INH-GPI導入操作を行っていないナイーブCHO、及びC1-INH-GPIを加えずに導入操作のみを行ったCHO-mock(両端の白抜きカラム)では、約80%がヒト補体の攻撃で傷害されているのに対して、C1-INH-GPIを発現させた細胞(斜線が付されたカラム)では、約20%の細胞が傷害されるに留まった。本実験により、C1-INH-GPIは、ヒトの補体によるCHO細胞の傷害の発生率を約75%も抑制することが分かった。
【0048】
次に、C1-INH-GPIがSEC細胞の傷害を抑制する効果についても調べた。
【0049】
C1-INH-GPIを発現させたSEC細胞(SEC-C10及びSEC-CE9)に、自然抗体と補体を含有する20%及び40%ヒト血清を反応させて、ヒト補体による細胞傷害を抑制する効果を観察した。
【0050】
図7のグラフAに示されているように、20%ヒト血清の添加により、20%弱のナイーブCHOとCHO-mock(カラム1及び4)が溶解したのに比べ、C1-INH-GPIを発現させたSEC細胞の溶解は数%に留まった(カラム2及び3)。このように、SEC細胞の膜上にC1-INH-GPIを発現させると補体による傷害率が65〜72%減少した。
【0051】
40%ヒト血清の添加では(グラフB)、ナイーブSECとSEC-mock(カラム1及び4)は約55%が溶解したが、C1-INH-GPIを発現させたSEC細胞の溶解率は20%程度であった(カラム2及び3)。このように、SEC細胞の膜上にC1-INH-GPIを発現させると補体による傷害率が59〜65%減少することになる。
【0052】
以上のように、本実施例によって、細胞膜上にC1-INH-GPIが発現された細胞では、補体による傷害率が60〜75%も抑制されることが実証された。
【0053】
【発明の効果】
本発明の膜結合型C1インヒビターは、膜結合型であるために、水溶性C1インヒビターに比べて、細胞膜付近での濃度が極めて高く保たれる。臓器移植において超急性拒絶反応を引き起こす補体反応は、細胞膜上で起きるので、かかる特性は、臓器移植時の超急性拒絶反応を抑制する上で非常に有効である。より具体的には、水溶性C1インヒビターを用いて、本発明の膜結合型C1インヒビターと同等の効果を得るためには、膜結合型C1インヒビターの50〜1000倍の量が必要になると推測される。
【0054】
本発明の膜結合型C1インヒビターは、補体活性化経路の初発反応を阻害するので、補体活性化経路がきわめて効果的に抑制され、補体活性化経路中の有害な中間体が一切生じないという顕著な効果を有している。
【0055】
このような効果を有する本発明の膜結合型C1インヒビターを発現させた臓器、組織、細胞を用いれば、移植時の超急性拒絶反応が抑制されるので、本発明の膜結合型C1インヒビターを発現させた臓器、組織、細胞は、移植、とりわけ異種移植に適している。
【0056】
さらに、本発明の膜結合型C1インヒビター遺伝子を導入したトランスジェニック動物は、このような臓器、組織、細胞を取得するのに有用である。
【0057】
【配列表】
Figure 0003543106
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【図面の簡単な説明】
【図1】補体活性化経路における補体制御因子の作用点を説明するための図。
【図2】C1-INHの立体構造及び活性中心を示す模式図。
【図3】実施例1で用いた膜結合型C1インヒビターの構造を示す模式図。
【図4】チャイニーズハムスター卵巣細胞とブタ血管内皮細胞に、膜結合型C1インヒビターが発現されていることを示す図。
【図5】膜結合型C1インヒビターのcDNAを導入したチャイニーズハムスター卵巣細胞とブタ血管内皮細胞から抽出したタンパク質に対して、抗膜結合型C1インヒビター抗体を用いたウェスタンブロットを行った結果を示す図。
【図6】膜結合型C1インヒビターが、補体によるチャイニーズハムスター卵巣細胞の傷害を抑制する効果を示す図。
【図7】膜結合型C1インヒビターが、補体によるブタ血管内皮細胞の傷害を抑制する効果を示す図。

Claims (13)

  1. 膜結合型C1インアクチベーターであって、
    (a)(i)配列番号1の123位〜467位のアミノ酸配列で表される水溶性インアクチベーターの機能的ドメイン、または(ii)該機能的ドメインの1個または数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加され且つ水溶性C1インアクチベーターの補体活性化経路の抑制機能を保持した修飾ドメインを含有するタンパク質と、
    (b)該タンパク質の末端および/または内部に付加されたアンカー分子とを具備する膜結合型C1インアクチベーター。
  2. 前記水溶性C1インアクチベーターがヒトの水溶性C1インアクチベーターである、請求項1に記載の膜結合型C1インアクチベーター。
  3. 前記水溶性インアクチベーターがマウスの水溶性C1インアクチベーターである、請求項1に記載の膜結合型C1インアクチベーター。
  4. 前記アンカー分子がグリコシルホスファチジルイノシトールまたは膜貫通タンパク質の膜貫通部分の何れかである、請求項1〜3の何れか1項に記載の膜結合型C1インアクチベーター。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の膜結合型C1インアクチベーターをコードする核酸分子。
  6. 請求項5に記載の膜結合型C1インアクチベーターをコードする核酸分子を移植臓器、組織、または細胞に遺伝子導入するためのベクター。
  7. 請求項5に記載の核酸分子を導入することにより、請求項1〜4の何れか1項に記載の膜結合型C1インアクチベーターを発現させた細胞。
  8. 請求項5に記載の核酸分子を導入することにより、請求項1〜4の何れか1項に記載の膜結合型C1インアクチベーターを発現させたヒト以外の動物の組織。
  9. 前記組織が角膜、半月板、脳組織、皮膚、皮下組織、上皮組織、骨組織および筋組織からなる群から選択される、請求項8に記載の組織。
  10. 請求項5に記載の核酸分子を導入することにより、請求項1〜4の何れか1項に記載の膜結合型C1インアクチベーターを発現させたヒト以外の動物の臓器。
  11. 前記臓器が肺、腎臓、心臓、肝臓、膵臓および小腸を含む消化管からなる群から選択される、請求項10に記載の臓器。
  12. 請求項5に記載の核酸分子が導入されたヒト以外のトランスジェニック動物。
  13. 請求項5に記載の核酸分子が導入されたトランスジェニックブタ。
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