JP3542643B2 - Spray head of liquid sprayer - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液体を散布する液体散布装置の散液頭部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、各種野菜や草花等を露地栽培する畑や蔬菜園、ビニルハウス、果樹園、芝生や草花等が植えられた公園や庭園等の灌水、或いは道路等の散水等に用いられる散水装置としてスプリンクラーが知られている。
【0003】
一般に、スプリンクラーは、散水を所望する散水領域の中心部に立設され、回転自在に設けられたスプリンクラー頭部(以下、ヘッドと称する)に形成されたノズル(孔)から水を噴射すると共に、上記ヘッドに取り付けられた羽根にノズルから噴射された水を当て、その衝撃力で該ヘッドを一定方向に回転させながら同心円状に広範囲に散水するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の散水装置であるスプリンクラーのヘッドでは、図8および図9に示すように、主とする散水領域12(便宜上、ハッチングで示す)がスプリンクラー11を中心とした同心円状(ドーナツ型)になる。従って、例えば散水を所望する散水領域が長方形や正方形等の矩形の場合には、これら領域の隅部に散水することができない。また、スプリンクラー11は、広範囲に散水可能ではあるが、スプリンクラー11近傍に充分散水できないという問題点を有している。
【0005】
尚、散水されない領域が生じないようにするためには、図10に示すように、散水領域12・12の一部が互いに重なるようにして複数のスプリンクラー11・11を設置しなければならないので、スプリンクラー11…を効率的に設置できないという別の問題点を生じる。
【0006】
従って、任意の形状および大きさの散布領域の全面にわたってほぼ均一に隈無く液体を散布することができるヘッド、即ち、液体散布装置の散液頭部が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の液体散布装置の散液頭部は、液体散布装置の立ち上がり管に設けられた散液頭部であって、上記散液頭部は、上に凸な略半球状を成すと共に、半球面上に液体を散布するための複数個の孔を有しており、上記孔は、上記半球面の頂部を中心とする同心円状に配され、かつ、上記頂部から上記半球面に沿って略放射状に延びる複数本の仮想線から離れるに従い、その直径が大きくなるように穿設されていることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の液体散布装置の散液頭部は、請求項1に記載の液体散布装置の散液頭部において、上記複数本の仮想線が、互いに隣合う仮想線と直交する4本の仮想線であることを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明の請求項3に記載の液体散布装置の散液頭部は、請求項1または2に記載の液体散布装置の散液頭部において、上記頂部から離れるに従い、同一円周上に配される孔の総開口面積が大きくなることを特徴としている。
【0010】
【作用】
請求項1の構成によれば、散液頭部は上に凸な略半球状を成し、その半球面には液体を散布するための孔が複数個設けられている。そして、それぞれの孔は、半球面の頂部を中心とする同心円状に配され、かつ、頂部から半球面に沿って略放射状に延びる仮想線からの距離が増すにつれて、その直径が大きくなるように穿設されている。つまり、同一円周上における孔の直径は、均一ではなく、上述した仮想線付近で最小であり、仮想線から最も遠い位置で最大となる。このように、それぞれの孔は、仮想線からの距離に応じてその直径が異なるので、孔から散布される液体の飛距離が異なることとなる。従って、従来の散布装置であるスプリンクラーにおいては同心円状にしか形成できなかった散布領域を、適宜変形させることができる。つまり、上述した位置に設けられた孔の直径を適宜調節することにより、任意の形状に液体を散布することが可能となる。
【0011】
これにより、任意の形状および大きさの散布領域の全面にわたって液体をほぼ隈無く散布することが可能となる。また、任意の形状に散布することができるため、散布領域の形状に応じて液体散布装置を適宜配置すればよい。すなわち、液体散布装置を効率的に設置できるので、散布領域全体における配置数を、スプリンクラーと比較して少なくすることができる。
【0012】
また、請求項2の構成によれば、上述した仮想線は、それぞれ隣合う仮想線と直交する4本の仮想線である。このため、例えば、4本の仮想線上に同一直径の孔をそれぞれ設け、かつ、上述した孔の直径の拡大する割合を、仮想線からの距離に応じて同一とすれば、正方形状に液体を散布することが可能となる。
【0013】
これにより、例えば、従来の散布装置であるスプリンクラーでは不可能であった、正方形状の散布領域に液体を散布することができる。
【0014】
さらに、請求項3の構成によれば、同一円周上に設けられた孔の総開口面積は、頂部から該円周までの距離が増すにつれて大きくなる。これにより、比較的飛距離が短い範囲、つまり、液体散布装置近傍での液体の散布量と、比較的飛距離が長い範囲での液体の散布量とが均一となるので、散布領域全体にほぼ均一に液体を散布することができる。
【0015】
【実施例】
〔実施例1〕
本発明の一実施例について図1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、以下の説明においては、液体散布装置によって散布される液体が水である場合、即ち、液体散布装置を散水装置として使用する場合を例に挙げることとする。
【0016】
本実施例にかかる液体散布装置としての散水装置は、図3に示すように、通水管8より導水される立ち上がり管9を備えている。上記の立ち上がり管9は、散水を所望する土壌等(散布領域)の任意の位置に立設されている。立ち上がり管9の上端部には、取り付け治具10を介して散水頭部(散液頭部)1が着脱自在に取り付けられている。尚、取り付け治具10は、散水頭部1のネジ部1b(後述する)に対応する図示しないネジ部(雌ネジ)を有している。
【0017】
図1および図2に示すように、散水頭部1は、上に凸な略半球状に形成された半球部1aと、取り付け治具10に取り付けるためのネジ部(雄ネジ)1bと、これら半球部1aおよびネジ部1bを連設する連設部1cとからなっている。尚、本発明において略半球状とは、半球部1aの縦断面(図1において紙面に垂直な方向の切断面)の形状が、略半円弧状若しくは略半楕円の弧状であることを示すものとする。
【0018】
連設部1cは、散水頭部1本体を取り付け治具10に着脱し易いように、散水頭部1を上方から見たとき(図1)の形状が例えば正八角形となるように形成されている。半球部1aには、土壌等に散水可能な複数の孔2…が形成されている。尚、孔2…の個数は、特に限定されるものではない。また、散水頭部1の大きさは、特に限定されるものではない。
【0019】
上記の孔2…は、半球面の頂部3を中心とする同心円状に配列されている。また、同一円周上すなわち半球部1aの中心に対する同一仰角上にあっては、頂部3から周縁部に向かって半球部1aの表面に沿って略放射状に、90°ずつの間隔をおいて延びる4本の仮想線4…付近で孔2…の直径が最も小さく、仮想線4…から離れるにつれて孔2…の直径が大きくなるように穿設されている。そして、上記孔2…の直径が大きくなる割合は、仮想線4…からの距離に応じたほぼ均一な値となっている。すなわち、仮想線4・4から等距離にある仮想中心線5上あるいはその付近において孔2…の直径が最大となり、仮想中心線5から離れるに従い孔2…の直径が小さくなり、仮想線4…上あるいはその付近で孔2…の直径が最小となるように穿設されている。さらに、同一円周上に配された孔2…の総開口面積は、頂部3から円周までの距離が増すにつれて、つまり、上記仰角が小さくなるにつれて、大きくなるようになっている。すなわち、頂部3に最も近い円周上に配される孔2…の総開口面積よりも、頂部3から最も離れた円周上に配される孔2…の総開口面積の方が大きくなっている。また、中間に位置する円周上に配される孔2…の総開口面積は、頂部3により近い孔2…の総開口面積よりも大きく、頂部3からより離れた孔2…の総開口面積よりも小さくなっている。
【0020】
尚、図1に示す散水頭部1における仮想線4…のパターン、即ち、孔2…の穿設パターンは、散水を所望する土壌等の形状が正方形である場合の一例を示している。従って、孔2…の穿設パターンは、図1に例示したパターンにのみ限定されるものではない。また、孔2…の直径を上記のように設定する理由については後述する。
【0021】
散水頭部1の材質は、特に限定されるものではないが、耐候性や耐衝撃性、耐薬品性等に優れた材質が好ましく、例えば、金属や合成樹脂、合成ゴムが好適である。金属としては、例えば、ステンレスが挙げられる。合成樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)等、或いは、エンジニアリングプラスチック、各種強化プラスチック等が挙げられる。これら材質は、例えば、散水頭部1、即ち、散水装置の用途等に応じて適宜選択される。
【0022】
散水頭部1の製造方法は、特に限定されるものではないが、安価で量産性に優れた方法が好ましく、例えば、材質が金属の場合にはプレス加工法が好適であり、また、材質が合成樹脂や合成ゴムの場合には射出成形法が好適である。
【0023】
上記孔2…の穿設方法は、特に限定されるものではないが、安価で量産性に優れた方法が好ましく、例えば、いわゆるレーザ穿孔やドリル穿孔が好適である。
【0024】
上記の立ち上がり管9は土壌等の任意の位置に固定可能であるが、上記孔2…の半球部1aにおける穿設位置や、孔2…の穿設パターンが容易となるように、土壌等の中央部若しくは隅部等に固定することが好ましい。
【0025】
孔2から散水される水滴は、水圧および孔2の直径が一定の場合、孔2の仰角を凡そ27°に設定したときに最も遠くまで飛ぶ。また、水滴は、飛距離が大きくなるに従い拡散するので、その散水面積が広がる。即ち、水圧および孔2の直径が一定の場合、孔2の仰角が大きくなるに従い散水面積が狭くなるので、単位面積当たりの散水量が多くなる。従って、単位面積当たりの散水量を散水領域全体でほぼ一定とするためには、頂部3により近い円周上に配される孔2…の総開口面積よりも、頂部3から離れた円周上に配される孔2…の総開口面積の方を大きくする必要がある。
【0026】
上記孔2…の直径は、特に限定されるものではないが、 0.1mm以上、2mm以下に形成することが好ましい。孔2…の直径を上記の大きさに形成することにより、孔2…から散水される水滴が小さくなると共に、上記水滴によって土壌等の表面が受ける衝撃が小さくなる。従って、水滴の跳ね返り等を生じることなく、穏やかに散水することが可能となる。孔2…の直径が 0.1mmよりも小さいと、孔2…から散水される水滴が小さくなり過ぎ、霧状となる割合が大きくなるので遠くに飛ばなくなる。また、単位面積あたりの散水量が小さくなり過ぎるので、土壌等に充分に散水することができなくなる。一方、孔2…の直径が2mmよりも大きいと、水滴が極端に大きくなり過ぎ、上記水滴によって土壌等の表面が受ける衝撃が大きくなると共に、水滴の跳ね返り等が生じ、穏やかに散水することが難しくなる。
【0027】
本実施例においては、散水頭部1の孔2…の直径は、例えば、以下のように設定されている。
まず、仮想線4aから仮想中心線5aまでの部分について述べると、図1および表1に示すように、仰角が27°であるα領域(頂部3から最も離れた円周上)においては、仮想線4aと、孔の中心から頂部3までを結ぶ線分とが成す角度(以下、扇角と称する)に応じて6個の孔2…が設けられている。各孔2の直径は、仮想線4a上に位置する孔α1(扇角0°)が0.4 mmとなっており、仮想線4aから離れるに従って、孔α2(扇角9°)が0.5 mm、孔α3(扇角18°)が0.6 mm、孔α4(扇角27°)が0.7 mm、孔α5(扇角36°)が0.7 mmとなっており、仮想中心線5a上に位置する孔α6(扇角45°)が0.8 mmとなっている。同様に、仰角60°であるβ領域(中間に位置する円周上)においては、扇角に応じて4個の孔2…が設けられており、その直径は、仮想線4aから仮想中心線5aに向かって、孔β1(扇角6°)が0.4 mm、孔β2(扇角17°)が0.4 mm、孔β3(扇角28°)が0.5 mm、孔β4(扇角40°)が0.5 mmとなっている。そして、仰角80°であるγ領域(頂部3に最も近い円周上)においては、仮想線4a側の孔γ1(扇角11°)が0.3 mm、仮想中心線5a側の孔γ2(扇角33°)が0.4 mmの直径でそれぞれ穿設されている。従って、散水頭部1全体においては、同一のパターンが繰り返されているので、孔α1は4個、孔α2は8個、孔α3は8個、孔α4は8個、孔α5は8個、孔α6は4個、孔β1は8個、孔β2は8個、孔β3は8個、孔β4は8個、孔γ1は8個、孔γ2は8個穿設されている。尚、孔2…の穿設パターンや、各々の孔2…の直径は、上記例示の穿設パターンや直径に限定されるものではない。
【0028】
【表1】
【0029】
尚、散水頭部1、即ち、孔2…にかかる水圧は、特に限定されるものではない。例えば、通水管8を一般の水道管に直結した場合には、上記水圧は凡そ1kg/cm2〜2kg/cm2程度になる。また、水圧を所定範囲内、例えば1kg/cm2〜5kg/cm2、好ましくは1kg/cm2〜2kg/cm2の範囲内で任意に変更させることが可能なポンプ、減圧弁、止水栓等を用いることにより、孔2…にかかる水圧を適宜調節してもよい。
【0030】
次に、上述したように穿孔された散水頭部1を用いて土壌に散水を行なった具体例について説明する。
図4(a)に示すように、散水を所望する土壌を一辺が10mの正方形状土壌6とし、この土壌6の中心部に立ち上がり管9を立設した。そして、散水頭部1の半球部1aの直径を5cm、水量を約13L/min.、孔2…にかかる水圧を約2kg/cm2とした。
【0031】
散水の結果を土壌6の1/4の部分、つまり正方形abcd(便宜上、ハッチングで示す)について述べると、図4(b)に示す通りとなった(尚、同図は図式的に表したものである)。すなわち、孔α1・α1により散水される領域は、領域α1・α1となり、孔α2・α2により散水される領域は、領域α2・α2となり、孔α3・α3により散水される領域は、領域α3・α3となり、孔α4・α4により散水される領域は、領域α4・α4となり、孔α5・α5により散水される領域は、領域α5・α5となり、孔α6により散水される領域は、領域α6となり、孔β1・β1により散水される領域は、領域β1・β1となり、孔β2・β2により散水される領域は、領域β2・β2となり、孔β3・β3により散水される領域は、領域β3・β3となり、孔β4・β4により散水される領域は、領域β4・β4となり、孔γ1・γ1により散水される領域は、領域γ1・γ1となり、孔γ2・γ2により散水される領域は、領域γ2・γ2となった。そして、土壌6における正方形abcd以外の部分、つまり、残りの3/4の部分についても、孔α1〜α6・β1〜β4・γ1〜γ2により、同様に隈無く散水された。従って、全体の散水領域は正方形aefg(土壌6)となった。
【0032】
つまり、散水頭部1を用いて、散水を所望する土壌6の形状通り、つまり、正方形状に散水を実施することができた。また、散水量もほぼ均一なものとすることができた。
【0033】
以上のように、本実施例における散水装置の散水頭部1は、半球部1aが上に凸な略半球状に形成されると共に、半球面上に複数個の孔2…を有しており、孔2…は、半球面の頂部3を中心とする同心円状に配され、かつ、頂部3から半球面に沿って略放射状に延びる複数本の仮想線4…から離れるに従い、その直径が大きくなるように穿設されている。また、複数本の仮想線4…は、互いに隣合う仮想線4…と直交する4本の仮想線4…である。さらに、同一円周上に配される孔2…の総開口面積は、頂部3から離れるに従い、大きくなる。
【0034】
従って、水滴の飛距離を孔2…の穿設位置で自在に設定することができる。また、例えば、孔2…の穿設パターンを適宜変更することにより、土壌等の形状や大きさに応じて散水することが可能となると共に、土壌等の全面にわたってほぼ均一に隈無く散水することが可能となる。これにより、任意の形状および大きさの散水領域の全面にわたってほぼ均一に隈無く散水することが可能となる。また、効率的に設置できるので、散水領域全体における散水装置の配置数を、スプリンクラーと比較して少なくすることができる。
【0035】
尚、本実施例においては、正方形の土壌に隈無く散水することが可能な散水頭部1を例に挙げたが、散水頭部1によって散水可能な土壌の形状は、勿論、上記例示の正方形に限定されるものではなく、例えば、長方形やその他の多角形、円形、楕円形等、任意の形状とすることができる。また、散水可能な土壌の大きさも任意の大きさとすることができる。孔2…の穿設パターンと直径との組み合わせは、土壌の形状や散水量等に応じて適宜変更すればよい。
【0036】
上記構成の散水頭部1を備えた散水装置は、例えば各種野菜や草花等を露地栽培する畑や蔬菜園、ビニルハウス、果樹園、芝生や草花等が植えられた公園や庭園等の灌水、或いは道路等の散水等に好適に用いられる。
【0037】
尚、上記の実施例においては、液体散布装置を散水装置として使用する場合を例に挙げて説明したが、本発明にかかる液体散布装置により散布される液体は、勿論、上記の水に限定されるものではない。例えば、液体散布装置を農業や施設園芸等に供することにより、殺虫剤や殺菌剤等の農薬、液体肥料等を好適に散布することができる。また、散水することにより液体散布装置を、塩害の防除設備や、茶園等の凍霜害の防除設備としても使用可能である。
【0038】
〔実施例2〕
次に、本発明の他の実施例について図5ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、説明の便宜上、前記の実施例1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0039】
本実施例においては、図5および図6に示すように、液体散布装置の散水頭部1に穿設される孔2…のパターン(位置および直径の大きさ)が前記実施例1とは異なっている。
【0040】
すなわち、半球面の頂部3を中心とする同心円状に配列されている孔2…は、同一円周上つまり半球部1aの中心に対する同一仰角上にあっては、頂部3から周縁部に向かって半球部1aの表面に沿って略放射状に、180°の間隔をおいて延びる2本の仮想線4・4付近で孔2…の直径が最も小さく、仮想線4…から離れるにつれて孔2…の直径が大きくなるように穿設されている。そして、上記孔2…の直径が大きくなる割合は、仮想線4…からの距離に応じたほぼ均一な値となっている。すなわち、仮想線4・4から等距離にある仮想中心線5上あるいはその付近において孔2…の直径が最大となり、仮想中心線5から離れるに従い孔2…の直径が小さくなり、仮想線4・4上あるいはその付近で孔2…の直径が最小となるように穿設されている。さらに、同一円周上に配された孔2…の総開口面積は、頂部3から円周までの距離が増すにつれて、つまり、上記仰角が小さくなるにつれて、大きくなるようになっている。
【0041】
また、孔2…の直径は、以下のように設定されている。
まず、仮想線4aから仮想中心線5aまでの部分について述べると、図5に示すように、仰角が27°であるα領域においては、上記扇角に応じて11個の孔2…が設けられている。各孔2の直径は、仮想線4a上に位置する孔α1(扇角0°)が0.4 mmとなっており、仮想線4aから離れるに従って、孔α2(扇角9°)が0.4 mm、孔α3(扇角18°)が0.4 mm、孔α4(扇角27°)が0.4 mm、孔α5(扇角36°)が0.4 mm、孔α6(扇角45°)が0.4 mm、孔α7(扇角54°)が0.5 mm、孔α8(扇角63°)が0.5 mm、孔α9(扇角72°)が0.6 mm、孔α10(扇角81°)が0.7 mmとなっており、仮想中心線5a上に位置する孔α11(扇角90°)が0.8 mmとなっている。同様に、仰角60°であるβ領域においては、扇角に応じて8個の孔2…が設けられており、その直径は、仮想線4aから仮想中心線5aに向かって、孔β1(扇角6°)が0.4 mm、孔β2(扇角17°)が0.4 mm、孔β3(扇角28°)が0.4 mm、孔β4(扇角40°)が0.4 mm、孔β5(扇角50°)が0.5 mm、孔β6(扇角62°)が0.5 mm、孔β7(扇角73°)が0.5 mm、孔β8(扇角84°)が0.5 mmとなっている。そして、仰角80°であるγ領域においては、扇角に応じて4個の孔2…が設けられており、その直径は、仮想線4aから仮想中心線5aに向かって、孔γ1(扇角11°)が0.3 mm、孔γ2(扇角33°)が0.3 mm、孔γ3(扇角57°)が0.4 mm、孔γ4(扇角79°)が0.4 mmとなっている。従って、散水頭部1全体においては、同一のパターンが繰り返されているので、孔α1〜α11、孔β1〜β8、孔γ1〜γ4は、全て4個ずつ穿設されている。尚、孔2…の穿設パターンや、各々の孔2…の直径は、上記例示の穿設パターンや直径に限定されるものではない。
【0042】
本実施例における液体散布装置のその他の構成は、前記実施例1の液体散布装置と同一である。
【0043】
そして、上述したように穿孔された散水頭部1を用いて、前記実施例1と同様の条件で、図7に示すような菱形の土壌7に散水を行なった。すると、土壌7の形状通りに散水を実施することができた。また、散水量もほぼ均一なものとすることができた。すなわち、前記実施例1と同様の作用、効果を奏することができた。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に記載の液体散布装置の散液頭部は、液体散布装置の立ち上がり管に設けられた散液頭部であって、上記散液頭部は、上に凸な略半球状を成すと共に、半球面上に液体を散布するための複数個の孔を有しており、上記孔は、上記半球面の頂部を中心とする同心円状に配され、かつ、上記頂部から上記半球面に沿って略放射状に延びる複数本の仮想線から離れるに従い、その直径が大きくなるように穿設されている構成である。
【0045】
これにより、任意の形状および大きさの散布領域の全面にわたって液体をほぼ隈無く散布することが可能となる。また、任意の形状に散布することができるため、散布領域の形状に応じて液体散布装置を適宜配置すればよい。すなわち、液体散布装置を効率的に設置できるので、散布領域全体における配置数を、スプリンクラーと比較して少なくすることができるという効果を奏する。
【0046】
また、本発明の請求項2に記載の液体散布装置の散液頭部は、請求項1の発明の液体散布装置の散液頭部において、上記複数本の仮想線が、互いに隣合う仮想線と直交する4本の仮想線である構成である。
【0047】
これにより、例えば、従来の散布装置であるスプリンクラーでは不可能であった、正方形状の散布領域に液体を散布することができるという効果を奏する。
【0048】
さらに、本発明の請求項3に記載の液体散布装置の散液頭部は、請求項1または2の発明の液体散布装置の散液頭部において、上記頂部から離れるに従い、同一円周上に配される孔の総開口面積が大きくなる構成である。
【0049】
これにより、散布領域全体にほぼ均一に液体を散布することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における散液頭部としての散水頭部の平面図である。
【図2】上記散水頭部の正面図である。
【図3】上記散水頭部を備えた液体散布装置としての散水装置の概略の正面図である。
【図4】上記散水頭部を用いて散水を行なった場合の散水領域を図式的に示すものであり、(a)は散水領域全体の平面図、(b)は該散水領域の1/4の部分を拡大して示す平面図である。
【図5】本発明の他の実施例における散液頭部としての散水頭部の平面図である。
【図6】図5の散水頭部の正面図である。
【図7】図5の散水頭部を用いて散水を行なった場合の散水領域を示す平面図である。
【図8】従来の散水装置であるスプリンクラーを用いて散水を行なった場合の主とする散水領域を示す平面図である。
【図9】上記スプリンクラーを複数個用いて散水を行なった場合の主とする散水領域を示す平面図である。
【図10】上記スプリンクラーを複数個用いて散水を行なった場合の主とする散水領域を示す平面図である。
【符号の説明】
1 散水頭部(散液頭部)
1a 半球部
2 孔
3 頂部
4 仮想線
9 立ち上がり管
10 取り付け治具[0001]
[Industrial applications]
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a liquid spray head of a liquid spray device for spraying a liquid.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, for example, a watering device used for irrigation of fields or vegetable gardens, vinyl houses, orchards, parks or gardens in which lawns or flowers are planted, or watering of roads, etc. Is known as a sprinkler.
[0003]
Generally, a sprinkler is provided upright at the center of a watering area where watering is desired, and sprays water from a nozzle (hole) formed in a sprinkler head (hereinafter, referred to as a head) provided rotatably, Water sprayed from a nozzle is applied to the blades attached to the head, and the impact force causes the head to rotate in a fixed direction and concentrically spray water over a wide area.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the sprinkler head as the above conventional water sprinkler, as shown in FIGS. 8 and 9, the main water sprinkling area 12 (shown by hatching for convenience) is concentric (doughnut type) centering on the
[0005]
In addition, in order to prevent the region where water is not sprinkled, as shown in FIG. 10, a plurality of
[0006]
Therefore, there is a demand for a head capable of spraying the liquid almost uniformly over the entire surface of the spraying area of an arbitrary shape and size, that is, a liquid spraying head of the liquid spraying apparatus.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the liquid spray head of the liquid spray device according to
[0008]
The liquid spray head of the liquid spray device according to
[0009]
Further, the liquid spray head of the liquid spraying device according to
[0010]
[Action]
According to the configuration of the first aspect, the liquid spray head has a substantially hemispherical shape that is convex upward, and the hemispherical surface is provided with a plurality of holes for spraying the liquid. Each hole is arranged concentrically around the top of the hemisphere, and its diameter increases as the distance from the imaginary line extending almost radially along the hemisphere from the top increases. Has been drilled. That is, the diameters of the holes on the same circumference are not uniform, and are smallest near the imaginary line described above and maximized at a position farthest from the imaginary line. As described above, since each hole has a different diameter according to the distance from the imaginary line, the flight distance of the liquid sprayed from the hole is different. Therefore, the sprinkling area which can only be formed concentrically in the conventional sprinkler, which is a sprinkler, can be appropriately modified. That is, by appropriately adjusting the diameter of the hole provided at the above-described position, the liquid can be sprayed in an arbitrary shape.
[0011]
This makes it possible to spray the liquid almost completely over the entire area of the spray area of any shape and size. Further, since the liquid can be sprayed into an arbitrary shape, the liquid spraying device may be appropriately arranged according to the shape of the spray area. That is, since the liquid spraying device can be installed efficiently, the number of arrangements in the entire spraying area can be reduced as compared with the sprinkler.
[0012]
According to the configuration of the second aspect, the above-described virtual lines are four virtual lines orthogonal to the adjacent virtual lines. Therefore, for example, if holes having the same diameter are provided on four imaginary lines, and the rate of increase in the diameter of the holes is set to be the same according to the distance from the imaginary line, the liquid is formed into a square shape. It becomes possible to spray.
[0013]
Thus, for example, a liquid can be sprayed on a square spray area, which is impossible with a conventional sprinkler as a spray apparatus.
[0014]
Furthermore, according to the configuration of the third aspect, the total opening area of the holes provided on the same circumference increases as the distance from the top to the circumference increases. As a result, the spraying amount of the liquid in the range where the flight distance is relatively short, that is, in the vicinity of the liquid spraying device, and the spraying amount of the liquid in the range where the flight distance is relatively long become uniform. The liquid can be sprayed uniformly.
[0015]
【Example】
[Example 1]
An embodiment of the present invention will be described below with reference to FIGS. In the following description, a case where the liquid sprayed by the liquid spraying device is water, that is, a case where the liquid spraying device is used as a water spraying device will be described as an example.
[0016]
As shown in FIG. 3, the water spraying device as the liquid spraying device according to the present embodiment includes a rising pipe 9 that is guided by a
[0017]
As shown in FIGS. 1 and 2, the watering
[0018]
The connecting portion 1c is formed such that the shape of the watering
[0019]
The
[0020]
The pattern of the
[0021]
The material of the watering
[0022]
The method of manufacturing the watering
[0023]
The method of drilling the
[0024]
The riser pipe 9 can be fixed to an arbitrary position such as soil. However, the riser pipe 9 can be fixed at any position on the hemispherical portion 1a of the
[0025]
When the water pressure and the diameter of the
[0026]
The diameter of the
[0027]
In this embodiment, the diameters of the
First, the portion from the
[0028]
[Table 1]
[0029]
In addition, the water pressure applied to the watering
[0030]
Next, a specific example in which water is sprinkled on soil using the
As shown in FIG. 4A, the soil for which water is to be sprinkled was a
[0031]
The results of watering on a quarter of the
[0032]
In other words, watering could be performed using the watering
[0033]
As described above, the watering
[0034]
Therefore, the flight distance of the water droplet can be freely set at the position where the
[0035]
In the present embodiment, the watering
[0036]
A watering apparatus provided with the watering
[0037]
In the above embodiment, the case where the liquid spraying device is used as a watering device has been described as an example. However, the liquid sprayed by the liquid spraying device according to the present invention is, of course, limited to the above-mentioned water. Not something. For example, by applying the liquid spraying device to agriculture, facility horticulture, and the like, pesticides such as insecticides and fungicides, liquid fertilizers, and the like can be sprayed appropriately. In addition, by spraying water, the liquid spraying apparatus can be used as a facility for controlling salt damage and a facility for controlling frost and frost damage in tea gardens and the like.
[0038]
[Example 2]
Next, another embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. For the sake of convenience, members having the same functions as those shown in the drawings of the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and description thereof will be omitted.
[0039]
In the present embodiment, as shown in FIGS. 5 and 6, the pattern (position and size of the diameter) of the
[0040]
That is, the
[0041]
The diameters of the
First, a portion from the
[0042]
Other configurations of the liquid spraying apparatus according to the present embodiment are the same as those of the liquid spraying apparatus according to the first embodiment.
[0043]
Then, using the watering
[0044]
【The invention's effect】
As described above, the liquid spray head of the liquid spray device according to
[0045]
This makes it possible to spray the liquid almost completely over the entire area of the spray area of any shape and size. Further, since the liquid can be sprayed into an arbitrary shape, the liquid spraying device may be appropriately arranged according to the shape of the spray area. That is, since the liquid spraying device can be installed efficiently, the number of arrangements in the entire spraying area can be reduced as compared with the sprinkler.
[0046]
The liquid spray head of the liquid spray device according to
[0047]
Thereby, for example, there is an effect that the liquid can be sprayed on a square spray area, which is impossible with a sprinkler which is a conventional spray apparatus.
[0048]
Further, the liquid spray head of the liquid spray device according to
[0049]
This has the effect that the liquid can be sprayed almost uniformly over the entire spray area.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a watering head as a watering head in one embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a front view of the watering head.
FIG. 3 is a schematic front view of a water spray device as a liquid spray device having the water spray head.
FIG. 4 schematically shows a watering area when watering is performed using the watering head, wherein (a) is a plan view of the entire watering area, and (b) is b of the watering area. FIG. 4 is an enlarged plan view showing a portion of FIG.
FIG. 5 is a plan view of a watering head as a watering head according to another embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a front view of the watering head of FIG. 5;
FIG. 7 is a plan view showing a watering region when watering is performed using the watering head of FIG. 5;
FIG. 8 is a plan view showing a main watering area when watering is performed using a sprinkler which is a conventional watering apparatus.
FIG. 9 is a plan view showing a main watering area when watering is performed using a plurality of sprinklers.
FIG. 10 is a plan view showing a main watering area when watering is performed using a plurality of sprinklers.
[Explanation of symbols]
1 Sprinkling head (sprinkling head)
Claims (3)
上記散液頭部は、上に凸な略半球状を成すと共に、半球面上に液体を散布するための複数個の孔を有しており、
上記孔は、上記半球面の頂部を中心とする同心円状に配され、かつ、上記頂部から上記半球面に沿って略放射状に延びる複数本の仮想線から離れるに従い、その直径が大きくなるように穿設されていることを特徴とする液体散布装置の散液頭部。A liquid spray head provided on a riser of the liquid spray device,
The liquid spray head has an upwardly convex substantially hemispherical shape, and has a plurality of holes for spraying the liquid on the hemispherical surface,
The hole is arranged concentrically around the top of the hemisphere, and as the distance from the plurality of imaginary lines extending substantially radially from the top along the hemisphere, the diameter of the hole increases. A liquid spray head of a liquid spraying device, which is provided.
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