JP3541962B2 - インキ組成物、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、顔料を含有、または含有しない共重合樹脂粒子を分散媒中に分散したインキ組成物及びその製造方法に関し、グラビアインキ、カラーフィルター用インキ、塗料等として使用されるインキ組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
グラビアインキ等に使用されるインキ組成物としては、一般に、分散媒とその分散媒に可溶なバインダー樹脂、及び顔料等の粒子、分散剤とからなるが、顔料等の粒子の含有率を上げるにつれて、インキ中での密度差により顔料が沈降したり、また顔料の静電電荷に起因する顔料の凝集が生じ、顔料の分散性を上げるためには、顔料の含有率を低く設定せざるを得ないという問題がある。
【0003】
また、分散性を保持しつつ顔料濃度を上げるために、例えばバインダー樹脂濃度を高くすることも考えられるが、バインダー樹脂濃度を高くするとゲル化が生じやすく、コーティング適性がなくなるという問題があり、また、分散剤濃度を高めても、その効果には限界があり、却って粘度の上昇や保存安定性が低下するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、本発明は、顔料等の粒子の含有量を増大させても、沈降、凝集等を生じることがなく、分散性に優れると共に、ゲル化等を生じることなく、コーティング適性に優れるインキ組成物及びその製造方法の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のインキ組成物は、溶解度パラメータ値δs1 が7.3〜10.7である分散媒中に少なくとも2種以上のモノマー成分からなる共重合樹脂粒子が分散したインキ組成物において、共重合樹脂粒子と分散媒とが、共重合樹脂における少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値δp1 と分散媒の溶解度パラメータ値δs1 との差Δδ1 が1.0以上であると共に、他の少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値δp2 と分散媒の溶解度パラメータ値δs1 との差Δδ2 が1.0以下であり、かつΔδ1 とΔδ2 との差Δ(Δδ1 −Δδ2 )が少なくとも0.5以上の関係を有し、共重合樹脂粒子が分散媒に不溶な核部分と、該核部分を包む、分散媒に溶解、又は膨潤する外縁部部分とからなり、該共重合樹脂における、分散媒に対して溶解、又は膨潤部分を形成する重合単位と分散媒に対して不溶部分を形成する重合単位との割合が、重量比で86/14〜5/95であることを特徴とする。
【0006】
また、本発明のインキ組成物は、上記の共重合樹脂粒子が、顔料を包含するものであることを特徴とする。
【0007】
本発明のインキ組成物の製造方法は、少なくとも2種以上のモノマー成分からなる共重合樹脂を溶媒に溶解した後、その溶液を溶解度パラメータ値δs1 が7.3〜10.7である分散媒と混合し、共重合樹脂粒子を造粒するにあたり、前記分散媒と共重合樹脂とを、共重合樹脂における少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値δp1 と分散媒の溶解度パラメータ値との差Δδ1 が1.0以上であると共に、他の少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値δp2 と分散媒の溶解度パラメータ値との差Δδ2 が1.0以下であって、かつΔδ1 とΔδ2 との差Δ(Δδ1 −Δδ2 )が少なくとも0.5以上の関係を有する分散媒と混合し、次いで溶媒を除去し、分散媒に不溶な核部分と、該核部分を包む、分散媒に溶解、又は膨潤する外縁部分とからなる共重合樹脂粒子であって、該共重合樹脂における、分散媒に対して溶解、又は膨潤部分を形成する重合単位と分散媒に対して不溶部分を形成する重合単位との割合が、重量比で86/14〜5/95である共重合樹脂粒子を形成させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のインキ組成物の製造方法は、上記のインキ組成物の製造方法において、共重合樹脂粒子を顔料の存在下で形成させ、顔料を包含した共重合樹脂粒子とすることを特徴とする。
【0009】
一般に、SP値は物質同士の相溶性、非相溶性を示すものとして知られているが、樹脂とその溶媒との関係を例にすると、SP値により樹脂のその溶媒に対する溶解性の程度を示すことができ、両者のSP値の差が小さければ、樹脂のその溶媒に対する溶解性が大きく、その差が大きければ溶解性が小さく、不溶性であることを示すものである。
【0010】
樹脂のSP値を測定する方法としては、例えば、(1)溶解法によるもの、即ち、樹脂を溶解する溶媒のSP値から推定する方法( H.Burrell,Official Digest,27(369),726(1950)) 、(2)膨潤法、即ち、溶解困難な樹脂については、膨潤度が最大となるような溶媒のSP値から推定する方法(同上)、(3)樹脂の極限粘度から求める方法、即ち、溶媒中における樹脂の極限粘度は、樹脂のSP値と溶媒のSP値とが一致する時、最大値を示す。そのため、樹脂を各種のSP値を有する溶媒に溶解させてそれぞれ極限粘度を測定し、その極限粘度として最大値を与える溶媒の溶解度パラメータ値から樹脂のSP値を推定する方法( H.Ahmed,M,Yassen,J.Coat.Technol.,50,86(1970) 、W.R.Song,D.W.Brownawell,Polym.Eng.Sci.,10,222(1970))、(4)分子引力定数から求める方法、即ち、樹脂分子を構成する各官能基又は原子団の分子引力定数(G)及びモル容積(V)から、式 SP値=ΣG/Vにより求める方法( D.A.Small,J.Appl.Chem.,3,71,(1953) 、K.L.Hoy,J.Paint Technol.,42,76(1970)) が知られている。
【0011】
以下、本発明においては、樹脂のSP値としては分子引力定数により求められる値を使用し、また、溶媒のSP値としては、Hildebrand−Scatchardの溶液理論( J.H.Hildebrand,R.L.Scott,「 The Solubility of Nonelectrolytes」3rd Ed.,Reinhold Publishing cop.,New York (1949)、G.Scatchard,Chem.Rev.,8,321(1931) に基づき分子間の引き合う力を考えて得られるもので、
SP値(δ)=(ΔEv /ΔV1 )1/2
(但し、ΔEv :蒸発エネルギー、V1 :分子容、ΔEv /V1 :凝集エネルギー)
で示されるもので、本発明においては、K.L.Hoy,「 J. Paint Technol.,42,76(1970)に記載されている、25℃での値を使用する。
【0012】
樹脂を溶媒に溶解する場合を例として、樹脂と溶媒のそれぞれのSP値の関係について説明すると、SP値が9.1のポリスチレンは、SP値が9.1のテトラヒドロフランには非常に溶解しやすく、SP値が8.5〜9.3の範囲の溶媒には可溶性があり、SP値が7.3のn−ヘキサンには全く溶解しない。このように、樹脂と溶媒のそれぞれのSP値の差を見ることで、溶媒中における樹脂の状態を推定することができる。
【0013】
また、比較的希薄な状態で樹脂をその良溶媒中に溶解させた後、その溶液を貧溶媒中に添加し、良溶媒を除去する操作を行なうと樹脂粒子を析出させることができるが、これは、良溶媒中では単分子状で、かつ分子鎖が伸びた状態で存在していた樹脂が、貧溶媒中では分子鎖が縮まり、粒子化し、析出するに至るものと考えることができる。従って、貧溶媒として、樹脂が膨潤する程度のSP値の差を有する溶媒とするか、また、SP値の差が大きく、樹脂が完全に不溶性の溶媒とするかにより溶媒中での粒子の状態が相違する。
【0014】
樹脂とその溶媒との間には、このような一般的な関係があるが、本発明者等は、樹脂として共重合樹脂を使用し、その粒子を特定のSP値を有する溶媒中に存在させると、共重合樹脂におけるモノマー構成の割合が変化するにつれて、樹脂粒子の粒径が比例して変化することを、実験的に見出した。
【0015】
そして、その法則性を検討する中で、少なくとも2種以上のモノマー成分からなる共重合樹脂を、その少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーと、他の少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーとからなるものと見做すことにより、それぞれのホモポリマーの溶媒に対する溶解性から、溶媒中における共重合樹脂の溶解状態を規定できることを見出したものである。
【0016】
このような考察を踏まえ、本発明は、共重合樹脂粒子と分散媒との関係において、
(1)共重合樹脂における少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーのSP値δp1 と分散媒のSP値δs1 との差Δδ1 が1.0以上、好ましくは1.5以上であり、
(2)他の少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーのSP値δp2 と分散媒のSP値δs1 との差Δδ2 が1.0以下、好ましくは0.5≦Δδ1 ≦1.0の範囲にあり、かつ、
(3)これら、Δδ1 とΔδ2 との差Δ(Δδ1 −Δδ2 )が少なくとも0.5以上、好ましくは1.0以上と規定することにより、(1)で規定される分散媒に対する不溶部分と、(2)で規定される溶解、または膨潤部分とからなるものとして、共重合樹脂粒子の状態を規定することができるものである。
【0017】
そして、得られる共重合樹脂粒子の形状としては、分散媒に不溶な部分は分散媒とは非親和性であり、また、分散媒に溶解、または膨潤する部分は分散媒とは親和性を有する結果、不溶な部分を核部分とし、溶解、または膨潤する部分を外縁部分とする二重層の粒子構造を有するに至るものであり、その膨潤部分の割合が大きくなるとその粒径は大きくなり、また膨潤部分の割合が小さくなるとその粒径は小さくなるものと考えられる。
【0018】
次に、共重合樹脂粒子及び分散媒について具体的に説明する。
共重合樹脂及び分散媒としては、上記した関係を有する共重合樹脂及び分散媒であればその組合せに特に限定されないが、インキ組成物における共重合樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリレート共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合樹脂、アクリル酸−メチルメタクリレート共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、スチレン−イソプレン共重合樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ、メルトフローレート(MFR)が1dg/min〜400dg/min、好ましくは2dg/min〜150dg/minのものが好ましい。
【0019】
また、それぞれの共重合樹脂における、分散媒に対して溶解、又は膨潤部分を形成すると見做される重合単位と分散媒に対して不溶部分を形成すると見做される重合単位との割合は、重量比で95/5〜5/95、好ましくは85/15〜15/85の割合とするとよく、この範囲を外れると、ホモポリマーとしての性格が強くなり、共重合樹脂粒子としての特徴である、分散媒に対して溶解、又は膨潤する部分と不溶部分とからなるものが得られない。
【0020】
また、重合単位が3成分以上からなる共重合樹脂粒子の場合には、第3成分が分散媒のSP値との関係で溶解または不溶性部分を形成する各成分のいずれか一方と同様のSP値を与えるものであれば、それと同等の成分として見做してよく、また、分散媒のSP値との関係で、SP値がそれぞれ相違する場合は、分散媒のSP値との差の一番大きいものと一番小さいものを選択するとよく、その割合は、上記の2成分からなる共重合樹脂の場合と同様とするとよい。
【0021】
次に、これらの共重合樹脂粒子を分散させる分散媒としては、上記した樹脂との関係を基準にして選択されるが、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の場合、ポリエチレンのSP値は8.1、ポリ酢酸ビニルのSP値は9.4であり、分散媒としてn−ヘキサン(SP値7.3)を使用するとΔδ1 は9.4−7.3=2.1、Δδ2 は8.1−7.3=0.8であり、Δ(Δδ1 −Δδ2 )は2.5となるので、上記関係を満足するものであり、本発明のインキ組成物における共重合樹脂と分散媒の組合せとして適するものである。また、このエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂粒子は、分散媒中において、エチレン成分に由来する部分が溶解、または膨潤部分として外縁部分を形成し、酢酸ビニル成分に由来する部分が不溶性の核部分を形成した形状を有するものである。
【0022】
ここで、上記した共重合樹脂を使用する場合に、分散媒のSP値との関係で指標となるホモポリマー及びそのSP値を記載しておく。ポリエチレン(8.1)、ポリブタジエン(8.4)、ポリイソプレン(8.15)、ポリイソブチレン(7.7)、ポリラウリルメタクリレート(8.2)、ポリステアリルメタクリレート(8.2)、ポリイソボニルメタクリレート(8.2)、ポリ−t−ブチルメタクリレート(8.2)、ポリスチレン(9.1)、ポリエチルメタクリレート(9.1)、ポリメチルメタクリレート(9.3)、ポリメチルアクリレート(9.7)、ポリエチルアクリレート(9.2)、ポリアクリロニトリル(12.8)である。
【0023】
また、使用できる分散媒とSP値としては、n−ヘキサン(7.3)、n−オクタン(7.5)、シクロヘキサン(8.2)、酢酸セロソルブ(9.4)、トルエン(8.9)、テトラヒドロフラン(9.1)、メチルエチルケトン(9.5)、シクロヘキサノン(10.4)、アセトン(9.6)、ジオキサン(10.1)、エチルセロソルブ(10.7)が挙げられる。
【0024】
また、その他、インキ用溶剤として通常使用される溶剤である例えばn−ヘプタン(7.5)、キシレン(8.8)、エチレングリコールモノブチルエーテル(9.9)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(10.3)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(9.8)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(9.4)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(8.9)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(9.5)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(9.1)、酢酸エチル(8.9)、酢酸イソプロピル(8.6)、酢酸−n−ブチル(8.7)、イソホロン(9.4)、ジアセトンアルコール(9.8)等もSP値を考慮して適宜使用される。
【0025】
次に、本発明のインキ組成物として、好ましい共重合樹脂と分散媒との組合せについて例示する。
(1)グラビアインキとする場合、分散媒としては、一般に、トルエン、キシレン、n−ヘキサン等が使用され、バインダー樹脂としては石灰ロジン、亜鉛ロジン、エステルガム、ギルソナイト等を溶解したものが用いられている。これらの分散媒中において適した共重合樹脂と分散媒との関係を例示する。
【0026】
まず、n−ヘキサン(SP値=7.3)を分散媒とする場合について、好ましい共重合樹脂と、その共重合樹脂における一方のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値δp1 と分散媒の溶解度パラメータ値δs1 との差Δδ1 、他方のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値δp2 と分散媒の溶解度パラメータ値δs1 との差Δδ2 、Δδ1 とΔδ2 との差Δ(Δδ1 −Δδ2 )を記載しておく。但し、括弧内の数値は、そのモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値を示す。
【0027】
エチレン(8.1)−酢酸ビニル(9.4)共重合樹脂、Δδ1 =0.8、Δδ2 =2.1
エチレン(8.1)−メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δδ1 =0.8、Δδ2 =2.4
エチレン(8.1)−エチルアクリレート(9.2)共重合樹脂、Δδ1 =0.8、Δδ2 =1.9
スチレン(9.1)−ブタジエン(8.4)共重合樹脂、Δδ1 =1.1、Δδ2 =1.8
スチレン(9.1)−イソプレン(8.15)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =1.8
ラウリルメタクリレート(8.2)−メチルメタクリレート(9.3)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =2.0
ラウリルメタクリレート(8.2)−エチルメタクリレート(9.1)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =1.8
ラウリルメタクリレート(8.2)−メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =2.4
ラウリルメタクリレート(8.2)−エチルアクリレート(9.2)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =1.9
ラウリルメタクリレート(8.2)−プロピルアクリレート(9.0)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =1.7
ステアリルメタクリレート(8.2)−メチルメタクリレート(9.3)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =2.0
ステアリルメタクリレート(8.2)−エチルメタクリレート(9.1)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =1.8
ステアリルメタクリレート(8.2)−メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =2.4
ステアリルメタクリレート(8.2)−エチルアクリレート(9.2)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =1.9
ステアリルメタクリレート(8.2)−プロピルアクリレート(9.0)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =1.7
イソボニルメタクリレート(8.2)−メチルメタクリレート(9.3)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =2.0
イソボニルメタクリレート(8.2)−エチルメタクリレート(9.1)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =1.8
イソボニルメタクリレート(8.2)−メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =2.4
イソボニルメタクリレート(8.2)−エチルアクリレート(9.2)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =1.9
イソボニルメタクリレート(8.2)−プロピルアクリレート(9.0)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =1.7
t−ブチルメタクリレート(8.3)−メチルメタクリレート(9.3)共重合樹脂、Δδ1 =1.0、Δδ2 =2.0
t−ブチルメタクリレート(8.3)−エチルメタクリレート(9.1)共重合樹脂、Δδ1 =1.0、Δδ2 =1.8
t−ブチルメタクリレート(8.3)−メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δδ1 =1.0、Δδ2 =2.4
t−ブチルメタクリレート(8.3)−エチルアクリレート(9.2)共重合樹脂、Δδ1 =1.0、Δδ2 =1.9
t−ブチルメタクリレート(8.3)−プロピルアクリレート(9.0)共重合樹脂、Δδ1 =1.0、Δδ2 =1.7等が例示される。
【0028】
また、トルエン(8.9)を分散媒とする場合には、
ラウリルメタクリレート(8.2)−エチルメタクリレート(9.1)共重合樹脂、Δδ1 =0.7、Δδ2 =0.2
ラウリルメタクリレート(8.2)−プロピルメタクリレート(9.0)共重合樹脂、Δδ1 =0.7、Δδ2 =0.1
エチレン(8.1)−エチルアクリレート(9.2)共重合樹脂、Δδ1 =0.8、Δδ2 =0.3
スチレン(9.1)−イソプレン(8.15)共重合樹脂、Δδ1 =0.2、Δδ2 =0.7等が例示される。
【0029】
また、o−キシレン(8.8)を分散媒とする場合には、
ラウリルメタクリレート(8.2)−n−プロピルメタクリレート(8.8)共重合樹脂、Δδ1 =0.6、Δδ2 =0等が例示される。
【0030】
(2)特殊グラビアインキとしては、バインダー樹脂としてニトロセルロースを使用した場合には分散媒として酢酸エチル、エチルセロソルブ、アセトン等が、またビニル樹脂を使用した場合にはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等、ポリアミド樹脂を使用した場合にはイソプロパノール等が使用される。
【0031】
まず、酢酸エチル(8.9)を分散媒とする場合、
ラウリルメタクリレート(8.2)−エチルメタクリレート(9.1)共重合樹脂、Δδ1 =0.7、Δδ2 =0.2
ラウリルメタクリレート(8.2)−プロピルメタクリレート(9.0)共重合樹脂、Δδ1 =0.7、Δδ2 =0.1
エチレン(8.1)−エチルアクリレート(9.2)共重合樹脂、Δδ1 =0.8、Δδ2 =0.3
スチレン(9.1)−イソプレン(8.15)共重合樹脂、Δδ1 =0.2、Δδ2 =0.7等が例示される。
【0032】
また、アセトン(9.6)を分散媒とする場合には、
n−プロピルメタクリレート(8.8)−メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δδ1 =0.8、Δδ2 =0.1
n−プロピルメタクリレート(8.8)−メチルメタクリレート(9.3)共重合樹脂、Δδ1 =0.8、Δδ2 =0.3
n−ブチルメタクリレート(8.7)−メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =0.1
n−ブチルメタクリレート(8.7)−エチルアクリレート(9.2)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =0.4
n−ブチルメタクリレート(8.7)−メチルメタクリレート(9.3)共重合樹脂、Δδ1 =0.9、Δδ2 =0.3
n−ヘキシルメタクリレート(8.6)−メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δδ1 =1.0、Δδ2 =0.1
n−ヘキシルメタクリレート(8.6)−エチルアクリレート(9.2)共重合樹脂、Δδ1 =1.0、Δδ2 =0.4
n−ヘキシルメタクリレート(8.6)−メチルメタクリレート(9.3)共重合樹脂、Δδ1 =1.0、Δδ2 =0.3
n−ヘキシルメタクリレート(8.6)−エチルメタクリレート(9.1)共重合樹脂、Δδ1 =1.0、Δδ2 =0.5等が例示される。
【0033】
また、エチルセロソルブ(10.7)を分散媒とした場合には、
ラウリルメタクリレート(8.2)−メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δδ1 =2.5、Δδ2 =1.0
ステアリルメタクリレート(8.2)−メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δδ1 =2.5、Δδ2 =1.0
イソボニルメタクリレート(8.2)−メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δδ1 =2.5、Δδ2 =1.0
t−ブチルメタクリレート(8.3)−メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δδ1 =2.4、Δδ2 =1.0等が例示される。
【0034】
また、カラーフィルター用インキとしては、分散媒として酢酸セロソルブ(セロソルブアセテート、SP値9.4)を使用する場合、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、スチレン−イソプレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂、エチレン−エチルメタクリレート共重合樹脂等との組合せが例示される。
【0035】
また、本発明のインキ組成物における分散媒は、共重合樹脂粒子との関係の他に、例えばグラビアインキ等においては、後述するバインダーに対する溶解性、その他添加剤に対する溶解、または分散性が必要であり、適度の乾燥性を有する液体であることが望ましい。また、必要に応じて、インキの速乾性を遅らせるために遅乾性の溶剤を併用してもよいが、その選択にあたっては上記の溶媒としての条件をも考慮する必要がある。
【0036】
本発明における共重合樹脂粒子の粒径としては、インキ組成物の使用用途、要求物性に応じて適宜選定するとよいが、通常、0.1μm〜100μmの範囲内で適宜選定するとよい。また、インキ組成物中における共重合樹脂粒子の含有割合は15重量%〜60重量%、好ましくは20重量%〜50重量%の割合とするとよく、通常のインキ組成物に比してその含有割合を高くすることができる。
【0037】
本発明における共重合樹脂粒子は、インキ組成物中において、分散媒に不溶部分を核とし、分散媒との親和性部分を外縁部とするものであり、分散媒との表面親和性により、粒子濃度を高くしても、凝集、沈澱等が生じることがなく、分散安定性に優れるものとできるものである。
【0038】
また、本発明における共重合樹脂粒子中には、顔料を包含させることができる。顔料としては、インキ組成物として通常使用される有機又は無機系顔料が使用できる。黄色顔料としては、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン等の有機顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、アンチモン黄等の無機顔料、赤色顔料としては、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドン等の有機顔料、弁柄、朱、カドミウムレッド、クロムバーミリオン等の無機顔料、青色顔料としては、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー等の有機顔料、紺青、群青、コバルトブルー等の無機顔料、黒色顔料としてはアニリンブラック等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料、更に白色顔料としては二酸化チタン、亜鉛華、三酸化二アンチモン等の無機顔料が挙げられる。
【0039】
また、光輝性顔料としては、アルミニウム粉、銅粉、真鍮粉等の金属粉、金属薄片、金属蒸着合成樹脂フイルム裁断片等の金属光沢を有する金属粉顔料が挙げられ、また、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する真珠光沢顔料(パール顔料)、更に、ポリエステル樹脂層とアクリル樹脂層のごとき屈折率を相違する2種以上の樹脂層を数μm以下程度の厚みで多層積層して、光干渉による虹彩色を生じさせたフイルム(例えばマール社製、マールフイルム)を裁断した箔粉からなる顔料等の光干渉性箔粉顔料、また、粉径が0.1〜10μm程度の炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、ガラスバルーン、シラスバルーン、ポリエチレン等の微粉末からなる艶消し顔料等が挙げられる。
【0040】
また、樹脂の球体微粒子よりなる顔料で、必要に応じ内部に顔料、染料等の着色材を包含するビーズ顔料も使用できる。特に艶消し効果、耐擦傷性に優れた形態のものとしては、三二酸化鉄、二酸化チタン、炭酸カルシウム、キナクリドン等の常用の顔料微粉末を、ポリウレタン、エポキシ、アクリル、ポリエステル、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の弾力性のある樹脂、更に必要に応じ可塑剤、安定剤、界面活性剤等を添加した組成物中に分散させたり、また、顔料を上記組成物で被覆したりして球又は球類似の粒子としたものである。粒径は、その分布範囲が5〜80μm、かつ分布の極大値が10〜35μmの範囲のものが特に良好な艶消し効果を与える。また、必要に応じて着色剤無添加のものを用いたり、2色以上のビーズ顔料を混合して使用することもでき、特にスウェード調の艶消しを表現するのに好適である。
【0041】
また、耐候性顔料として、まず、黄色顔料であるイソインドリノン、スレインイエローG及びパーマネントイエローHR等の有機顔料、黄色酸化鉄、ニッケルチタンイエロー等の無機顔料が挙げられ、また、赤色顔料であるキナクリドンレッド、パーマネントレッドFGR、及びパーマネントレッドF4RH等の有機顔料、弁柄、硫化水銀カドミウム等の無機顔料、また、青色顔料であるフタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS等の有機顔料、群青、紺青等の無機顔料、更に黒色顔料であるカーボンブラック等、また白色顔料である二酸化チタン、三酸化二アンチモン等が挙げられる。
【0042】
本発明における共重合樹脂粒子中に包含される顔料における粒径としては、インキ組成物の用途に応じて必要とされる共重合樹脂粒子の粒径に規定されるが、通常0.1〜100μmのものを使用することができる。
【0043】
例えば、本発明のインキ組成物をグラビア印刷用とする場合には、使用する版の版深、セル径よりも共重合樹脂粒子の粒径が十分小さいものとすることが必要であり、顔料としては通常0.1〜10μmのものを使用するとよい。
【0044】
このような顔料は、共重合樹脂粒子中、80重量%、好ましくは75重量%まで包含させることができるが、本発明のインキ組成物においては、上述したように、共重合樹脂粒子の含有量を多くすることができるので、通常のインキ組成物に比して、凝集、沈降等の問題を生じることなく、顔料の含有量を飛躍的に増大させると共に塗布適性にも優れたものとできる。
【0045】
また、本発明のインキ組成物においては、上述した顔料を包含した共重合樹脂粒子にバインダー樹脂としての機能を持たせることができるが、インキ組成物の用途、要求される物性に応じて、適宜バインダー樹脂を含有させてもよい。バインダー樹脂としては、粒子を形成する共重合樹脂とは相違し、分散媒に溶解していることが必要である。
【0046】
分散媒に溶解するとは、バインダー樹脂がホモボリマーである場合には、そのSP値が分散媒と類似し、単分子状で溶解している状態を意味し、また共重合樹脂である場合には、その構成成分により不溶性部分を有していても、分散媒中で粒子形態を有しない状態をいう。
【0047】
このようなバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の中からインキ組成物としての用途に応じ、また必要な物性、更に印刷適性等を考慮して適宜選択される。
【0048】
まず、熱可塑性樹脂としては、エチルセルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、またはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニブチラール等のビニル重合体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミド樹脂等の天然又は合成樹脂等が挙げられる。
【0049】
また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。また、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤等が適宜添加剤として添加されるが、硬化剤としては、熱硬化樹脂が不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂である場合にはイソシアネートが、エポキシ樹脂である場合にはアミン類が、更に、不飽和ポリエステル系樹脂には、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル発生剤が例示される。
【0050】
イソシアネートとしては、2価以上の脂肪族または芳香族イソシアネートを使用することができるが、熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体例としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
【0051】
また、硬化反応を促進するために、必要に応じてインキ組成物を塗工後加熱してもよい。例えば、イソシアネート硬化ウレタン硬化型不飽和ポリエステル系樹脂又はポリウレタン系樹脂の場合は、通常、40〜60℃で1〜5日間程度、またポリシロキサン樹脂の場合は通常80〜150℃で1〜30分程度である。
【0052】
また、電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に重合性不飽和結合、又はエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体を適宜混合した組成物が用いられる。
【0053】
プレポリマー、オリゴマーとしては不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類が例示され、また、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類、シロキサン等の珪素樹脂が挙げられる。
【0054】
また、単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等が挙げられ、また、これらの単量体の混合物が挙げられる。樹脂組成物に塗布適性を付与するには、前記プレポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記単量体及び/又はポリチオールを95重量%以下とすることが好ましい。
【0055】
また、単量体の選定にあたっては、硬化物の可撓性が要求される場合は、塗工適性上支障のない範囲で単量体の量を少なめにしたり、1官能または2官能アクリレート単量体を使用し、比較的低架橋密度の構造とする。また、硬化物の耐熱性、硬度、耐溶剤性等が要求される場合には塗工適性上支障のない範囲で単量耐の量を多めにしたり、3官能以上のアクリレート系単量体を使用し高架橋密度の構造とするとよい。1、2官能単量体と3官能以上の単量体を混合し、塗工適性と硬化物の物性とを調整することもできる。
【0056】
このような1官能アクリレート系単量体としては、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。また、2官能アクリレート系単量体としては、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が例示され、また3官能以上のアクリレート系単量体としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が例示される。
【0057】
これらの電離放射線硬化性樹脂には、硬化物の可撓性、表面硬度等の物性を調節するために前記プレポリマー、オリゴマー、単量体の少なくとも1種に対して、電離放射線非硬化性樹脂を1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%混合するとよい。
【0058】
電離放射線非硬化性樹脂としては、ウレタン系繊維素系、ポリエステル系、アクリル系、ブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂を使用することができるが、特に可撓性の点からは繊維素系、ウレタン系、ブチラール樹脂が好ましい。
【0059】
また、特に紫外線で硬化させる場合には、前記電離放射線硬化性樹脂組成物に、光開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類及び/又は光増感剤としてはn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることもできる。
【0060】
ここで電離放射線とは、電磁波、または荷電粒子線のうち分子を重合、架橋しうるエネルギー量子を有するものであり、通常、紫外線、電子線が使用される。紫外線源としては超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ灯の光源が使用される。また、電子線源としてはコックロフトワルトン型、絶縁コア変圧器型、或いは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種の電子線加速器が使用され、100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射する。照射線量としては、通常0.5〜30Mradである。
【0061】
このようなバインダー樹脂において、熱可塑性樹脂を使用する場合には、本発明のインキ組成物中、5重量%〜50重量%、好ましくは10重量%〜30重量%含有させるとよく、また、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹脂を使用する場合は、インキ組成物中、3重量%〜30重量%、好ましくは5重量%〜25重量%含有させるとよい。
【0062】
更に、本発明のインキ組成物には、分散剤を必要に応じて添加してもよい。本発明における共重合樹脂粒子はそれ自体分散媒との親和性に優れるので、分散剤は必ずしも必要ではないが、共重合樹脂粒子の造粒工程において存在させることにより、良溶媒中での樹脂の分散性を向上させることができ、かつ樹脂粒子が形成されるに際して分子鎖の絡まりあいを抑制するので、より粒径の小さな樹脂粒子を造粒することができ、サブミクロン単位でかつ粒径分布の狭いものとできる。そして、得られた樹脂粒子分散液においては、分散剤が上述した造粒調整機能の他に、溶媒中に樹脂粒子を安定的に分散させる機能をも有するものである。
【0063】
このような分散剤としては、ナフテン酸ジルコニウム、ステアリン酸アルミニウム等の金属石鹸類、レシチン等の天然リン酸エステル類、脂肪族アミン類、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤等が使用されるほか、ポリヒドロキシカルボン酸エステル等の高分子分散剤を好適に使用することができる。
【0064】
ポリヒドロキシカルボン酸エステルの重合原料であるヒドロキシカルボン酸エステルは、式HO−X−COOHのエステル等の誘導体であり、式中Xは少なくとも12の炭素原子を含む2価の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素、または少なくとも6個の炭素原子を含む2価の芳香族炭化水素で、またヒドロキシ基とカルボキシル基との間には少なくとも4個の炭素原子がある。このようなヒドロキシカルボン酸誘導体として好ましいのは、例えば12−ヒドロキシステアリン酸メチルエステル、12−ヒドロキシステアリン酸エチルエステル等のヒドロキシカルボンアルキルエステル、12−ヒドロキシカルボン酸リチウム、12−ヒドロキシカルボン酸アルミニウム等のヒドロキシカルボン酸の金属塩、またヒドロキシカルボン酸アマイド、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0065】
ポリヒドロキシカルボン酸エステルは、ヒドロキシカルボン酸エステルを少量のアミン類もしくは触媒の存在下、部分鹸化することにより、重合させ、得られるもの、その重合形態として分子間でのエステル化によるもの、また分子内でのエステル化によるもの等の種々の形態のものを含有するものである。
【0066】
ポリヒドロキシカルボン酸エステルは、ヒドロキシカルボン酸エステルの3〜10量体が好ましく、淡灰褐色のワックス状物質である。ポリヒドロキシカルボン酸エステルは、その重合度が3より小さいか、または10より大きいと、n−ヘキサン等の分散媒との相溶性がなく、造粒工程に使用しても、得られる樹脂粒子の粒度分布として所期のものは得られない。ポリヒドロキシカルボン酸エステルの添加量は、特に限定されないが、樹脂重量あたり、0.01重量%〜200重量%の割合で使用される。
【0067】
これらの分散剤は、後述するインキ組成物製造工程中における造粒工程において、共重合樹脂あたり10重量%以下、好ましくは5重量%以下添加されるとよく、また、得られるインキ組成物においては5重量%以下、好ましくは2.5重量%以下の割合で含有させるとよい。
【0068】
また、本発明のインキ組成物には、その他、乾燥制御を目的としてドライヤー、皮張り剤、粘度制御を目的としてコンパウンド、増粘剤、色調性の制御を目的としてトナー、艶消し剤、更に湿潤剤、消し泡剤、防黴剤等を必要に応じて添加してもよい。
【0069】
次に、本発明におけるインキ組成物の製造方法の製造方法は、
(1)共重合樹脂を、溶媒に溶解する工程、
(2)共重合樹脂を溶解した溶液を、顔料の存在下、又は非存在下で分散媒と混合して共重合樹脂粒子を造粒する工程
(3)溶媒を除去する工程、
(4)所望するインクの調製工程とからなる。
【0070】
まず、(1)の工程において使用される溶媒としては、共重合樹脂を室温で溶解することができるものであり、少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーのSP値δp1 、及び他の少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーのSP値δp2 のいずれとも類似するSP値を有する溶媒が好ましい。例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の場合、ポリエチレンのSP値は7.8、ポリ酢酸ビニルのSP値は9.3であり、例えばテトラヒドロフランに溶解させることができる。この場合、構成成分によっては溶解または膨潤状態とはならず、不溶状態にあるとしても、単分子鎖の分散状態が良好であればよい。なお、溶液中に分散剤を0.3重量%〜0.5重量%の範囲で含有させておくと、樹脂の分散状態を良好なものとできる。また、共重合樹脂は溶媒中に30重量%以下の濃度で溶解させるとよいが、好ましくは5重量%〜10重量%の希薄溶液の状態とするとよい。
【0071】
次に、(2)の造粒工程においては、(1)で調製した溶液は、共重合樹脂と下記の関係を有する分散媒と混合される。即ち、共重合樹脂と分散媒とは、共重合樹脂における少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値δp1 と分散媒の溶解度パラメータ値との差Δδ1 が1.0以上であると共に、他の少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値δp2 と分散媒の溶解度パラメータ値との差Δδ2 が1.0以下であって、かつΔδ1 とΔδ2 との差Δ(Δδ1 −Δδ2 )が少なくとも0.5以上の関係を有するものであり、この関係を満足する溶媒を選択し、分散媒とするとよい。
【0072】
例えば、上述したエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂のテトラヒドロフラン溶液の場合には、n−ヘキサン(SP値7.3)中に添加されるとよい。即ち、Δδ1 は9.4−7.3=2.1、Δδ2 は8.1−7.3=0.8であり、Δ(Δδ1 −Δδ2 )は1.3となるので、n−ヘキサンは、上記の関係を満足するものであり、この場合の適した分散媒であり、テトラヒドロフラン溶液を添加すると樹脂粒子の析出が明瞭に観察される。この場合、n−ヘキサンの他に類似するSP値を有するアイソパーGを使用しても同様である。
【0073】
また、この段階で、必要に応じて顔料を樹脂溶液中、または分散媒中に添加し、顔料の存在下で樹脂を造粒させると、共重合樹脂粒子中に顔料を包含させることができる。その際、溶液中に分散した樹脂分子鎖は、貧溶媒である分散媒中に添加されることにより、顔料を包み込む形で絡まり合い粒子形成がなされるものであり、顔料を包み込んだ樹脂粒子表面は、共重合樹脂における溶解、または膨潤部分となるもので、顔料を含有させても、顔料同士の接触を生じなく、かつ分散安定性に優れるものとできるものである。また、分散剤を存在させて、上述するように造粒調整機能を果たさせてもよく、また、形成された樹脂粒子の分散安定性を更に向上させてもよい。
【0074】
このようにして得られる樹脂粒子の粒径は0.1μm〜100μmのものであり、沈降しても攪拌すれば容易に再分散が可能である。樹脂溶液を調製するのに使用した溶媒は、デカンテーション、エバポレーター等により除去するのが、造粒性の観点から好ましい。また、樹脂粒子の粒径を更に調整するために、ボールミル、アトライター、サンドグラインダー、ケディミル、三本ロール等を使用して更に微粒子化してもよい。
【0075】
そして、得られた樹脂粒子分散液は、その使用目的に応じて、濃度調整、バインダー樹脂等の添加剤を混合して、所望するインキ組成物とされる。
【0076】
【作用及び発明の効果】
本発明は、樹脂粒子として共重合樹脂粒子を使用し、分散媒として、特定のSP値を有するものとすると、共重合樹脂におけるモノマー構成の割合が変化するにつれて、析出する樹脂粒子の粒径が比例して変化することを、実験的に見出したことに基づき完成されたものであり、その法則性を検討する中で、共重合樹脂を、その一方のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーと、他方のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーとの結合体であると仮定し、それぞれのホモポリマーの溶媒に対する溶解性から、溶媒中における共重合樹脂の溶解状態を規定できることを見出したものである。
【0077】
そして、分散媒における共重合樹脂粒子の形状としては、分散媒に不溶な部分は溶媒とは非親和性であり、また、分散媒に溶解、または膨潤する部分は溶媒とは親和性を有する結果、不溶な部分を核部分とし、溶解、または膨潤する部分を外縁部分とする二重層の粒子構造を有するものであり、分散媒との表面親和性により、粒子濃度を高くしても、凝集、沈澱等が生じることがなく、分散安定性に優れ、またコーティング適性に優れるものとできる。
【0078】
このような、共重合樹脂粒子は、共重合樹脂を良溶媒に溶解した溶液を特定のSP値を有する分散媒中に添加することにより、粒子化されるものであり、特に顔料の存在下で造粒させると、共重合樹脂粒子中に顔料を包含させることができ、顔料を包み込んだ樹脂粒子表面は、共重合樹脂における溶解、または膨潤部分となるもので、顔料を含有させても、顔料同士の接触を生じなく、かつ分散安定性に優れるものとできるものである。
【0079】
そして、分散媒と共重合樹脂粒子とからなる分散液に、その使用用途、要求物性に応じてバインダー等の添加剤を配合することにより、例えばグラビアインキ、カラーフィルター用インキ、塗料等として有用なインキ組成物となしうるものである。
【0080】
以下、実施例により本発明を説明する。なお、実施例中「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0081】
【実施例1】
(共重合樹脂粒子分散液の製造例 1)
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂である、三井デュポンケミカル(株)製のEVA250(酢酸ビニル成分量28%、MFR=15dg/min)、EVA450(酢酸ビニル成分量19%、MFR=15dg/min)、EVA550(酢酸ビニル成分量14%、MFR=15dg/min)の3種類をそれぞれ使用し、下記の方法により共重合樹脂粒子分散液を製造した。
【0082】
各共重合樹脂2.5gを、テトラヒドロフラン100g中に超音波ホモジナイザーを使用して室温で溶解させた後、室温のn−ヘキサン500g中に超音波ホモジナイザーを照射しつつ添加し、次いでエバポレーターを使用して、テトラヒドロフランを除去し、共重合樹脂粒子分散液を得た。
【0083】
得られたそれぞれの分散液における共重合樹脂粒子の粒度分布、及び粒径(D50値)を、日機装(株)製マイクロトラック−IISRA型を使用して測定した結果を下記に示す。
【0084】
なお、EVA250を使用して得られた粒子の粒度分布は、0.43μm〜7.46μmの間で、また、EVA450の場合は、0.66μm〜14.92μmの間で、EVA550の場合は、2.63μm〜40.13μmの間でそれぞれ正規分布するものであった。
【0085】
また、得られた分散液を6ケ月放置した後も、粒子の凝集は認めらず、分散安定性に優れるものであった。
【0086】
【表1】
【0087】
この表からわかるように、酢酸ビニルモノマー成分が減少し、エチレン成分が多くなると、得られる粒子の粒径は大きくなることがわかる。これらの樹脂のMFR値は同一であり、その分子量も同程度と推定されるので、粒径の差は分子量の相違によるものではないことがわかる。
【0088】
(共重合樹脂粒子分散液の製造例 2)
スチレン−ブタジエン共重合樹脂である、グッドイヤー社製のPliolite S−5E(スチレン成分量20%、重量平均分子量71,000)5.0g、黄色顔料(ジスアゾエローHR(C.I.No83)5.0gとを、シクロヘキサン100g中に超音波ホモジナイザーを使用して、25℃で5分間、分散させた後、この分散液に25℃のセロソルブアセテート(SP値9.4)400gを超音波ホモジナイザーを照射しつつ添加し、更に15分間分散させた。
【0089】
分散後、エバポレーターを使用してシクロヘキサンを除去し、共重合樹脂粒子分散液を得た。
【0090】
得られた分散液における共重合樹脂粒子の粒度分布、及び粒径(D50値)を、日機装(株)製マイクロトラック−IISRA型を使用して測定したところ、0.17μm〜1.01μmの間で正規分布を有し、D50値が0.36nmであった。
【0091】
また、得られた分散液を6ケ月放置した後も、粒子の凝集は認めらず、分散安定性に優れるものであった。
【0092】
(カラーフィルターインキの調製)
上記の製造例2で作製した共重合樹脂粒子分散液を、超音波ホモジナイザー及びガラスビーズを使用して、樹脂粒子を更に微粒子化した後、エバポレーターを使用して分散媒(セロソルブアセテート)を除去し、全固形分が20%(顔料分10%)となるまで濃縮し、カラーフィルターインキを調製した。
【0093】
このカラーフィルターインキを、6ケ月放置したところ、粒子の凝集は認めらず、分散安定性に優れるものであった。
【0094】
また、スピンコーターを使用して、酸化インジウム錫膜を被覆したガラス基板上に塗布したが、流動性が良く、十分に平滑な面が得られ、塗布適性に優れるものであった。
【0095】
【実施例2】
(グラビア印刷用インキの調製)
スチレン−イソプレン共重合樹脂である、シェルジャパン(株)製のクレイトンD1112(スチレン成分量14%、MFR=23dg/min)5.0g、赤色顔料(ブリリアントカーミン6B(C.I.No57:1)5.0gとを、テトラヒドロフラン100g中に超音波ホモジナイザーを使用して、25℃で5分間、分散させた後、この分散液に25℃のn−ヘキサン400gを超音波ホモジナイザーを照射しつつ添加し、更に15分間分散させた。
【0096】
分散後、エバポレーターを使用してテトラヒドロフランを除去した後、更に濃縮し、総固形分30%の共重合樹脂粒子分散液を得た。
【0097】
得られた分散液における共重合樹脂粒子の粒度分布、及び粒径(D50値)を、日機装(株)製マイクロトラック−IISRA型を使用して測定したところ、0.17μm〜5.27μmの間で正規分布を有し、D50値が0.81nmであった。
【0098】
次いで、上記で得られた共重合樹脂粒子分散液100部に、ロジン変性フェノール樹脂(ハーキュレス社製、ペンタリン859)30部を投入して溶解させた後、更に超音波ホモジナイザーを使用して、25℃で15分間、分散させ、更にガラスビーズを加えてペイントシェーカーを使用し5時間振とうさせ、グラビア印刷用インキとした。
【0099】
このグラビア印刷用インキは、6ケ月間放置した後も、粒子の沈降、凝集は認めらず、分散安定性に優れるものであった。
Claims (4)
- 溶解度パラメータ値δs 1 が7.3〜10.7である分散媒中に少なくとも2種以上のモノマー成分からなる共重合樹脂粒子が分散したインキ組成物において、共重合樹脂粒子と分散媒とが、共重合樹脂における少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値δp1 と分散媒の溶解度パラメータ値δs1 との差Δδ1 が1.0以上であると共に、他の少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値δp2 と分散媒の溶解度パラメータ値δs1 との差Δδ2 が1.0以下であり、かつΔδ1 とΔδ2 との差Δ(Δδ1 −Δδ2 )が少なくとも0.5以上の関係を有し、共重合樹脂粒子が分散媒に不溶な核部分と、該核部分を包む、分散媒に溶解、又は膨潤する外縁部部分とからなり、該共重合樹脂における、分散媒に対して溶解、又は膨潤部分を形成する重合単位と分散媒に対して不溶部分を形成する重合単位との割合が、重量比で86/14〜5/95であることを特徴とするインキ組成物。
- 共重合樹脂粒子が、顔料を包含するものである請求項1記載のインキ組成物。
- 少なくとも2種以上のモノマー成分からなる共重合樹脂を溶媒に溶解した後、その溶液を溶解度パラメータ値δs 1 が7.3〜10.7である分散媒と混合し、共重合樹脂粒子を造粒するにあたり、前記分散媒と共重合樹脂とを、共重合樹脂における少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値δp1 と分散媒の溶解度パラメータ値との差Δδ1 が1.0以上であると共に、他の少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値δp2 と分散媒の溶解度パラメータ値との差Δδ2 が1.0以下であって、かつΔδ1 とΔδ2 との差Δ(Δδ1 −Δδ2 )が少なくとも0.5以上の関係を有する分散媒と混合し、次いで溶媒を除去し、分散媒に不溶な核部分と、該核部分を包む、分散媒に溶解、又は膨潤する外縁部分とからなる共重合樹脂粒子であって、該共重合樹脂における、分散媒に対して溶解、又は膨潤部分を形成する重合単位と分散媒に対して不溶部分を形成する重合単位との割合が、重量比で86/14〜5/95である共重合樹脂粒子を形成させることを特徴とするインキ組成物の製造方法。
- 共重合樹脂粒子を顔料の存在下で形成させ、顔料を包含した共重合樹脂粒子とすることを特徴とする請求項3記載のインキ組成物の製造方法。
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