JP3541594B2 - 連続鋳造鋳型内における溶鋼流動制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁場による電磁気力を応用した、鋼の連続鋳造鋳型内における溶鋼流動の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼の連続鋳造法では浸漬ノズルを介して溶鋼を鋳型内に高速度で吐出させるため、この吐出流に起因して鋳型内で溶鋼流動が発生し、そして、この溶鋼流動は鋳片の表面及び内部性状に大きな影響を及ぼしている。特に、鋳型内湯面(以下、「メニスカス」と記す)の表面流速が速すぎる場合やメニスカスに縦渦が発生する場合には、モールドパウダーが溶鋼中に巻き込まれ、製品における致命的な欠陥となるので、メニスカスにおける溶鋼流動が重要視されている。そのため、鋳片品質向上の重要な課題として、従来から電磁気力の利用によるメニスカスの流動制御方法が数多く提案されている。
【0003】
電磁気力の利用方法として、例えば特開昭63−16840号公報(以下、「先行技術1」と記す)に代表されるように、鋳造条件により付与する電磁気力の強度を決める方法がある。先行技術1に開示された方法は、溶鋼密度ρ、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流量Q、吐出流が鋳型短辺側凝固シェルに衝突する際の衝突速度V及び衝突角度θ、並びに溶鋼流が衝突する位置のメニスカスからの距離Dの関数として下記(1)式の変動指数Rを定め、変動指数Rが1乃至10の範囲に入るように付与する電磁気力の強度を調整する方法である。従って、先行技術1では鋳造条件が決まれば付与する電磁気力の強度が決まる。
R=ρQV(1− sinθ)/(4D) ……(1)
【0004】
又、鋳造中に各種センサーにて鋳型内の溶鋼流動を監視し、センサーの信号に基づいて付与する電磁気力を調整する方法が、例えば特開平3−275256号公報「以下、「先行技術2」と記す)、及び、特開平6−23503号公報(以下、「先行技術3」と記す)に開示されている。先行技術2及び先行技術3に開示された方法は、鋳型長辺背面の浸漬ノズルの左右にそれぞれ独立に磁場を印加することができる電磁ブレーキを共に配置し、先行技術2では熱電対にて長辺鋳型の温度分布又は熱流束分布を測定して鋳型内の溶鋼偏流を検出し、又、先行技術3では浸漬ノズル左右に配置した湯面レベル計の測定値から鋳型内の溶鋼偏流を検出して、共に溶鋼偏流の発生した側に位置する電磁ブレーキに印加する電流を増加させて、溶鋼偏流を防止するものである。
【0005】
又、特開平7−47452号公報(以下、「先行技術4」と記す)には、タンディッシュや浸漬ノズルあるいは鋳型に配置された各種の操業状況を監視するセンサーによって検出された情報から、操業条件の中間指標をリアルタイムでパターン化してディスプレイに表示し、それに基づいて磁場強度、Arガス量、鋳片引抜き速度、溶鋼温度等種々の操業条件を制御する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
先行技術1に開示された変動指数Rは、鋳片引抜き速度の高速化に伴う鋳型内溶鋼の表面流速の増加を防止する指標として、鋳片の品質改善に効果を挙げてきた。しかし、近年の品質に対する要求の厳格化に対応するには、こうした指標のみでは必ずしも十分とはいえない。
【0007】
発明者等は、実機測定結果、モデル実験結果、及び数値解析結果から検討して、品質の厳格化に対応するには、先行技術1には以下の問題点があることを明らかとした。
(1)鋳型内の溶鋼流動へのArガスの影響が考慮されていない、考慮されている場合でも過少評価されている。
(2)電磁気力を付与した際の、溶鋼流動に与える影響が評価されていない。
(3)これらの結果として、鋳型内溶鋼の流動パターンは、吐出流が鋳型短辺側の凝固シェルに到達・衝突してから上昇流と下降流とに分離するパターンが前提であり、後述する、それ以外の流動パターンが考慮されていない。
【0008】
ところで鋼の連続鋳造法においては、浸漬ノズル内壁へのアルミナ付着によるノズル閉塞を防止するため、浸漬ノズル内にArガスが吹き込まれている。このArガスは、浸漬ノズル内を洗浄後、吐出流と共に鋳型内に流入し、気泡となってメニスカスに浮上する。このArガス気泡の溶鋼流動に及ぼす影響は、その見積もりが極めて困難であるため、上記(1)式では考慮されていない。
【0009】
発明者等はArガスの熱膨張による体積変化を考慮し、且つArガスの吹き込み方法を種々変更した条件で水モデル実験を行った。その結果、鋳型内の溶鋼流動に対するArガスの影響は極めて大きく、Arガス流量やArガス気泡径により表面流速が大幅に変化するほか、鋳型内溶鋼の流動パターン自体が上記の流動パターンから逸脱することが明らかとなった。
【0010】
同様に、電磁気力を付与した場合にも、磁場強度の変更により鋳型内溶鋼の流動パターンが変化することを確認した。
【0011】
このように鋳片品質の改善には、Arガスや電磁気力の影響による鋳型内溶鋼の流動パターンの変化を考慮した制御が必要であるが、先行技術1では考慮されていない。
【0012】
又、先行技術2及び先行技術3のように、鋳型内の溶鋼流動を監視するセンサー情報に基づき印加する磁場強度を変えて溶鋼流動を制御する場合には、センサー情報の不確実性や、得られた情報から溶鋼流動の状況を推定するロジックの不十分性、更には溶鋼流動以外の要因によるセンサー信号の一時的又は定常的な変動等によって、溶鋼流動をかえって不適切に制御する可能性が大きい。この場合には、製造される鋳片の品質は著しく悪化する。
【0013】
又、先行技術4は、複数のセンサー情報から総合的に鋳型内の流動状況等を推定し、更にその結果をリアルタイムでディスプレイに表示し、即座に操業にフィードバックできる点で優れているが、先行技術2及び先行技術3と同様、センサー情報には上記のセンサー情報の不確実性等に起因する問題点がある。又、鋳型内溶鋼の流動状況に関しては、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流速やメニスカスの表面流速、鋳型左右での偏流等を表示するにとどまっており、上述したような鋳型内溶鋼の流動パターンの変化まで対象としたものではない。
【0014】
本発明は、上記事象に基づきなされたもので、その目的とするところは、先ず連続鋳造鋳型内溶鋼の流動パターンが適正な所定の流動パターンとなる鋳造条件を選定し、鋳造中はセンサーにて鋳型内の溶鋼流動を監視し、このセンサーの情報に基づいて流動パターンを適正な所定の流動パターンに維持することが可能な連続鋳造鋳型内の溶鋼流動制御方法を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明による連続鋳造鋳型内における溶鋼流動制御方法は、浸漬ノズル内の溶鋼にArガスを吹き込み、且つ浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流に磁場を印加しつつ溶鋼を鋳型内に注入して連続鋳造するに際し、鋳造条件として鋳型サイズ、鋳片引抜き速度、浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量、及び磁場強度の4つの要素を対象とし、これら要素からなる複数の鋳造条件において予め鋳型内溶鋼の流動パターンと表面流速とを測定し、この測定結果に基づいて個別の鋳造条件における鋳型内溶鋼の流動パターンと表面流速とを推定し、所定の流動パターン及び所定の表面流速となるように吐出流に印加する磁場強度又は浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量を調整して鋳造すると共に、鋳造時にセンサーにて鋳型内の溶鋼流動を監視し、このセンサーの情報に基づき前記調整した磁場強度を基準として所定範囲内で磁場強度を修正することを特徴とするものである。
【0016】
発明者等の実機測定結果、モデル実験結果、及び数値解析によれば、鋳型内溶鋼の流動パターンは、鋳型内で浮上するArガス気泡や電磁気力付与の影響で複雑に変化するが、その流動パターンを簡略化すると、図3に示すようなA、B、Cの3つのパターンに大別できる。
【0017】
この中でパターンAは、浸漬ノズルからの吐出流が、短辺側の凝固シェルに到達・衝突した後、短辺側の凝固シェルに沿ってメニスカスまで上昇して更にメニスカスを短辺側から浸漬ノズル側に向かって流れる流れと、短辺側凝固シェルへの衝突点から鋳型下方に下降する流れとに分離する流動パターンで、先に説明した通り先行技術1で前提とした流動パターンである。
【0018】
これに対しパターンBは、Arガス気泡の浮上あるいは吐出流への電磁気力付与の影響により、浸漬ノズルからの吐出流が短辺側の凝固シェルに到達せず、吐出孔から短辺側凝固シェルまでの間で分散する流動パターンである。
【0019】
又、パターンCは、浸漬ノズル近傍に上昇流が存在する流動パターンで、主に粗大なArガス気泡の浮上の影響で出現する。パターンCではメニスカスにおいて、浸漬ノズルから鋳型短辺に向かう流れが観察される。
【0020】
これらの流動パターンが、どのような状況で出現するかを以下に説明する。
図4は、横軸に浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量、縦軸にスループット(スループットとは、溶鋼比重、鋳型サイズ、鋳片引抜き速度の積として求めたもので、単位時間当たりに鋳造される溶鋼重量を表す)をとり、鋳型内で浮上するArガス気泡がどのように変化するかを模式的に示したものである。
【0021】
スループットが多い場合や、Arガス吹き込み量が少ない場合には、Arガス気泡は微細化し、溶鋼中に占める体積比率も小さく、溶鋼流動への影響は小さくなる。これに対し、スループットが少ない場合や、Arガス吹き込み量が多い場合には、Arガス気泡は大きくなり、溶鋼中に占めるArガスの体積比率も大きくなって、鋳型内溶鋼の流動パターンを変化させる。特に、粗大なArガス気泡が生成する場合には、浸漬ノズル近傍に上昇流を形成するほか、Arガス気泡の浮上によるメニスカスの擾乱を引き起こす。
【0022】
これらの事象を基に、鋳型サイズと磁場強度とが一定の条件で、浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量と鋳片引抜き速度とを因子として、前述した3つの流動パターンの発生区別を図5に概念的に示す。図5に示すように、Arガス吹き込み量が多くなるに従い、Arガス気泡の影響が大きくなるため、鋳型内溶鋼の流動パターンはパターンCの領域が広くなり、又、鋳片引抜き速度が速くなる程パターンAの領域が広くなり、パターンBは、パターンAとパターンCの境界の限られた領域となる。
【0023】
同様に、鋳型サイズと浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量とが一定の条件で、磁場強度と鋳片引抜き速度とを因子として流動パターンの区別をすることができる。実機での測定と数値解析とから求めた流動パターンの区別の例を図6に示す。図6は、最大2000ガウスの磁場強度の印加が可能な移動磁場方式を適用した場合を示し、横軸の符号の「正」側は磁場の移動方向が吐出流を減速する方向、「負」側は吐出流を加速する方向である。図6に示すように、鋳片引抜き速度が遅いとパターンCとなり、鋳片引抜き速度が速くなるとパターンAに移行する。又、パターンBは、パターンAとパターンCの境界の領域で、吐出流速を減速させる磁場強度が大きくなる程広くなるが、吐出流を加速する磁場強度が大きい場合には、パターンBの存在しない範囲が発生する。このように、パターンBは限られた範囲で形成されることが判る。
【0024】
又、鋳型内溶鋼の流動パターン別に製品におけるモールドパウダー性欠陥の発生量を調査した。図7はその調査結果である。図7に示すように、鋳型内溶鋼の流動パターンがパターンBの場合にモールドパウダー性欠陥が少なく、鋳片品質が最も良好であることが判明した。この理由は以下のように考えられる。
【0025】
パターンAの場合、鋳型中央と鋳型中央から鋳型幅の1/4隔てた位置との間のメニスカスにおいて、溶鋼中へのモールドパウダー混入の原因となる渦が発生し易く、又、溶鋼表面流速が速い場合には溶鋼表面流によりモールドパウダーが削り取られ、この原因によるモールドパウダー混入も発生し易いためである。
【0026】
又、パターンCの場合、浸漬ノズル近傍の溶鋼の上昇流や、浮上する粗大なArガス気泡によって、メニスカスの変動・擾乱が引き起こされ、モールドパウダーの混入が発生するほか、溶鋼の表面流速が速い場合には鋳型短辺近傍で縦渦が発生し、モールドパウダー混入の原因となるからである。
【0027】
これに対し、パターンBの場合には、メニスカスにおける渦の発生や、強い表面流の出現がなく、モールドパウダー巻き込みの発生しにくい流動条件になっているためである。
【0028】
そして、更にパターンBにおいてもメニスカスの全ての範囲で溶鋼表面流速が0.1m/sec以下の場合、特に安定して製品不良発生指数が低いことが判明した。
【0029】
このように、鋳型内溶鋼の流動パターンをパターンBとし、更に溶鋼表面流速を0.1m/sec以下とすることによって、鋳片の品質低下を防止することができ、製品格落ち率の低減、鋳片無手入れ率の向上が実現できる。この溶鋼表面流の流れる方向は鋳型短辺から浸漬ノズル側又はその逆であっても良く、ここで示す溶鋼表面流速を0.1m/sec以下とすることは、流速の絶対値を0.1m/sec以下とすることを意味している。
【0030】
しかし上記のように、鋳型内溶鋼の流動パターンは、鋳型サイズや鋳片引抜き速度等の各種鋳造条件や、Arガス気泡、更には磁場強度等、多くの影響因子が複雑にからむため、簡単な指標で表現することは不可能である。そこで、以下の方法で鋳型内の流動パターンを制御する。
【0031】
先ず、鋳造条件として鋳型サイズ、鋳片引抜き速度、浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量、及び磁場強度の4つの要素を対象とし、これら要素の組合せからなる複数の鋳造条件において予め鋳型内溶鋼の流動パターン、及び表面流速を測定し、これによって鋳型内溶鋼の流動データを体系化する。
【0032】
そして、この体系化した測定結果に基づいて個別の鋳造条件における流動パターン、及び表面流速を推定し、推定した流動パターンと所定の流動パターン、推定した表面流速と所定の表面流速とを対比して、吐出流に印加する磁場強度又は浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量を調整することで、鋳型内における溶鋼流動を所定の流動パターン、更に所定の表面流速として鋳造を開始する。
【0033】
しかし現実には、浸漬ノズル内部へのアルミナ付着や、このアルミナ付着によるスライディングノズルの開度変化、あるいはガス吹き込み煉瓦の気孔率の変化等のために、鋳造中に鋳型内溶鋼の流動状況が変化することが多い。従って、流動パターン及び溶鋼の表面流速を所定の範囲に維持するために、鋳型内の溶鋼流動をセンサーにて監視し、溶鋼流動状況が所定の範囲から逸脱した場合には、印加している磁場強度に修正を加える。
【0034】
しかし、センサー情報の不確実性や、センサーにて得られた情報から溶鋼流動状況を推定するロジックの不十分性や、溶鋼流動以外の要因によるセンサー信号の一時的又は定常的な変動、更には各センサー情報から得られる結果の不一致等により、センサー情報を重要視して流動制御することは危険であるので、上述した鋳型サイズ、鋳片引抜き速度、浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量、及び磁場強度の4つの要素から決定した磁場強度を基準値とし、予め定めた所定範囲内で磁場強度を変更させる。これによりセンサー情報から得た溶鋼流動状況が完全に正確でなくても、鋳片の品質低下を最小限に抑えることが可能となる。
【0035】
尚、配置される電磁コイルが直流電流による静磁場方式の場合には、電磁コイルに印加する電力が一定でも溶鋼流速の速さに比例した電磁気力が溶鋼に付与されて制動力となるので、印加する電力を変更しなくても溶鋼流速の制御が可能であるが、機構上、溶鋼の減速制御のみ可能で加速制御はできない。
【0036】
これに対し、移動磁場方式の場合には、電磁コイルに印加する電力を変化させると、溶鋼の制動力は増減すると共に、制動力を逆向きに付与させること、即ち溶鋼の加速と減速とが可能となるので、本発明では移動磁場方式を用いることが好ましい。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に基づき説明する。図2は本発明を適用した鋳片断面が矩形型の連続鋳造機の鋳型部の側断面概要図である。
【0038】
相対する一対の鋳型長辺1と、鋳型長辺1内に内装された相対する一対の鋳型短辺2とから構成された鋳型の上方に、タンディッシュ12が配置されている。タンディッシュ12の底部には固定盤13と摺動盤14とから成るスライディングノズルが配置され、更に摺動盤14の下面側には整流ノズル17と浸漬ノズル3とが順に配置されてタンディッシュ12から鋳型への流出孔18が形成される。図示せぬ取鍋からタンディッシュ12内に注入された溶鋼5は、浸漬ノズル3の下部に設けられ鋳型内の溶鋼5に浸漬された吐出孔8より、吐出流6を鋳型短辺2に向けて鋳型内に注入される。溶鋼5は鋳型内で冷却されて凝固シェル19を形成し、鋳型の下方に引き抜かれ鋳片となる。
【0039】
固定盤13にはArガス導入管4が接続され、Arガス導入管4から導入されたArガスは、固定盤13に設けたポーラス煉瓦20から流出孔18内に吹き込まれる。吹き込まれたArガスは、溶鋼5と共に浸漬ノズル3を通り吐出孔8を介して鋳型内に流入し、鋳型内の溶鋼5を通ってメニスカス16に浮上し、メニスカス16上に添加したモールドパウダー15を貫通して大気に至る。
【0040】
鋳型長辺1の背面には吐出流6を磁気制動する電磁コイル7が、電磁コイル7の鋳造方向の中心位置を吐出孔8下端位置より下方として設置されている。電磁コイル7は、溶鋼5の流動制御を容易とするために、浸漬ノズル3を中心として鋳型幅方向に左右に分割され、左右独自に電源を印加できることが望ましい。電磁コイル7から発生する磁場は、磁場が移動する移動磁場又は磁場が固定された固定磁場のどちらでも良いが、移動磁場は溶鋼流を減速し、且つ加速することができるという特徴を有しているので、前述のように本発明には移動磁場が有利である。
【0041】
そして、鋳型内の溶鋼流動の監視センサーとして、浸漬ノズル3を中心として左右の鋳型内の幅方向各3箇所に、ロードセル10に接続され且つ図示せぬ熱電対を内装した耐火物製の流速・温度センサー9を配置し、これを所定時間間隔でメニスカス16に浸漬し、ロードセル10に作用する力から溶鋼5の表面流速を測定し、又、浸漬ノズル3左右の温度分布から偏流を検出した。更に、浸漬ノズル3を中心として左右の鋳型内の幅方向各3箇所のメニスカス16直上にフード状のガス捕集器11と、捕集したガス中のArガス量を測定する図示せぬガス分析計とにより構成されるセンサーを配置し、鋳型内の各位置で浮上するArガス量を測定して、鋳型内の流動パターンを検出した。尚、発明者等は、この鋳型内のArガス浮上分布と流動パターンとの関係を予め調査して、Arガス浮上分布から流動パターンが検出されることを確認している。即ち、図8に示すように浸漬ノズル近傍でArガス浮上量が多い鋳造条件Iの場合には、図9にデータベースを示すように、流動パターンはパターンCであり、又、鋳型内幅方向で均等にArガスが浮上する鋳造条件IIの場合はデータベースからパターンBとなる。同様に、図示はしないが、パターンAでは鋳型短辺2近傍のArガス浮上量が多くなることを確認している。
【0042】
このような構成の連続鋳造機における本発明の実施の形態を、図1に示すフロー図に従い、以下に説明する。
【0043】
先ず、種々の鋳造条件において、鋳型内の溶鋼表面流速、湯面変動量、メニスカス16のArガス浮上分布を測定する。
【0044】
溶鋼表面流速は、上記の耐火物製の流速・温度センサー9にて測定する方法又は電磁気力を利用して直接測定する方法等、湯面変動量は、渦流式距離計又は光学式距離計等、Arガス浮上分布は、上記のガス捕集器11とガス分析計とにより構成されるセンサーで測定することができる。
【0045】
鋳造条件としては、鋳型サイズ、鋳片引抜き速度、浸漬ノズル3内へのArガス吹き込み量、及び磁場強度の4要素とし、これら要素を種々に変更して測定する。尚、鋳型サイズと鋳片引抜き速度は、スループットとしてまとめることもできる。
【0046】
又、浸漬ノズル3の型式、Arガス吹き込み用煉瓦条件(例えばポーラス煉瓦の気孔率や気孔径、又は貫通孔の孔径や個数等)、及び、モールドパウダー条件(例えば粘性や結晶化温度等)も、変更のある場合にはその都度測定してデータを収集する。ここで浸漬ノズル3の型式とは、浸漬ノズル3の断面形状、内径、吐出孔8の吐出角度、浸漬深さ、吐出孔8の面積、流出孔18の底部形状を示すものである。
【0047】
このようにして、種々の鋳造条件と、その鋳造条件に対応する測定データ(溶鋼表面流速、湯面変動、Arガス浮上分布、流動パターン)とを鋳型内流動データベースとしてコンピュータに入力し記憶させる。又、得られた鋳片の品質情報も同時にコンピュータに記憶させ、こうして鋳型内溶鋼の流動データを体系化する。尚、鋳型内溶鋼の流動パターンは、Arガス浮上分布及び溶鋼表面流速の測定データを数値解析して正確に定めることも可能である。
【0048】
個別の鋳造に先立ち、個別の鋳造条件をコンピューターに入力してその鋳造条件における流動パターンと溶鋼表面流速を鋳型内流動データベースから推定する。推定した流動パターンと表面流速が所定の流動パターン及び所定の表面流速と異なっている場合には、磁場強度又はArガス吹き込み量を変更して、再度コンピューターに入力して、流動パターンと表面流速を推定する。こうして、鋳型内溶鋼の流動パターンがパターンB、更に溶鋼表面流速が0.1m/sec以下となるように、磁場強度又はArガス吹き込み量を調整して、これらの条件を満足する磁場強度又はArガス吹き込み量を求めて提示する。
【0049】
提示された磁場強度又はArガス吹き込み量に調整した後、個別の鋳造を開始する。磁場強度の調整は電磁コイル7に印加する電流又は電圧を変更することで調整し、Ar吹き込み量は通常の図示せぬ流量調整弁にて行う。
【0050】
鋳造中、溶鋼流動監視センサーとして設けた耐火物製の流速・温度センサー9及びガス捕集器11にて、溶鋼表面流速、溶鋼温度、及びAr浮上分布を測定し、得られたデータと鋳造条件とをコンピューターに入力し、得られたデータを加味した鋳型内流動パターン及び溶鋼表面流速をリアルタイムで推定する。この推定した流動パターンと表面流速が所定の流動パターン及び所定の表面流速と異なっている場合には、所定の流動パターン及び所定の表面流速となるまで磁場強度を修正する。
【0051】
磁場強度の修正は、鋳造に先立ち提示された磁場強度を基準とし、この基準の磁場強度αに対して、α±Δαの範囲(即ち基準の磁場強度を中心値とする方法)としても、α+Δαの範囲(即ち基準の磁場強度を下限値とする方法)としても、又これら以外の方法としてもよい。Δαの範囲は基準の磁場強度の30%程度とすればよい。これ以上の範囲で修正すると、流動状況が大幅に変化して品質の劣化を来すからである。そしてセンサー情報を加味した結果、磁場強度が所定の範囲を外れる場合には、その制御条件をリジェクトしてその前の磁場強度を維持する方法や、許容範囲の限界値の条件で制御する方法等が可能である。
【0052】
尚、溶鋼流動監視センサーは上記に限るものではなく、渦流式距離計や鋳型内に埋設した熱電対や、更には電磁気力を利用した速度計等を用いることができる。又、浸漬ノズル3内へのArガス吹き込み位置は、上記に限るものでなく、浸漬ノズル3の本体や上ノズル、又、ストッパー方式の開閉装置の場合はストッパー先端であっても、本発明の実施に全く支障とならない。
【0053】
【実施例】
図2に示す構成の連続鋳造機を用いた本発明の実施例を以下に説明する。
【0054】
鋳型断面寸法が厚み250mm、幅1200mmであるスラブ連続鋳造機にて、極低炭素Alキルド鋼を鋳片引抜き速度2.8m/minで鋳造した。この時のスループットは5.9トン/minである。鋳型長辺背面には鋳型幅方向に2分割された電磁コイルを設置した。電磁コイルの鋳造方向の中心位置は浸漬ノズル吐出孔の下端から150mm下方の位置である。この電磁コイルにより移動磁場が発生し、吐出流に対して最大2000ガウスの移動磁場を印加することができ、磁場の移動方向は鋳型短辺から浸漬ノズル側又はその逆とすることが可能で、且つ左右独立に磁場を印加することもできる。
【0055】
使用した浸漬ノズルは、断面形状が円形、内径85mm、吐出角度下向き25度、浸漬深さ(メニスカスから吐出孔上端までの距離)230mm、吐出孔径85mm、及び、流出孔底部形状は図2に示すように底部が吐出孔より深い形状の浸漬ノズルである。そして、浸漬ノズル内にArガスを9Nl/min吹き込んだ。
【0056】
図10に、この鋳造条件におけるデータベースの1例を示す。鋳片引抜き速度が2.8mで、流動パターンをパターンB、及び溶鋼表面流速を0.1m/sec以下を実現するためには、電磁コイルの磁場強度を60%以上に設定する必要があると推定されたため、磁場強度を60%として鋳造した。尚、図10において、横軸の符号の「正」側は磁場の移動方向が吐出流を減速する方向、「負」側は吐出流を加速する方向であり、図中の数字はメニスカスでの溶鋼表面流速の値で、符号の「正」は鋳型短辺から浸漬ノズルに向かう流れで、「負」は逆方向の流れを示している。溶鋼表面流速は、各流動パターン共磁場強度指数が「負」側になるに従い、「正」側に大きくなる傾向を示している。
【0057】
鋳造中、流速・温度センサーを5分毎にメニスカスに浸漬し、溶鋼表面流速と溶鋼温度とを測定した。同時に、ガス捕集器にて10分間隔でガスを捕集してArガス浮上分布を測定した。これらの情報に基づき5分毎に磁場強度の修正を±15%の範囲内で行なった。図11に以上に説明した本実施例における磁場強度の制御方法を模式的に示す。
【0058】
又、比較のために、磁場を付与しない鋳造(比較例1)と、センサーからの信号による修正を行なわず磁場強度60%を維持した鋳造(比較例2)、及び、修正範囲に制限を設定せずにセンサーからの信号による修正を自由におこなった鋳造(比較例3)の3ケースでの鋳造も行なった。
【0059】
そしてこれら鋳片を薄板製品に圧延して、薄板製品を超音波探傷試験してモールドパウダーに起因する欠陥を調査した。調査結果を図12に示す。図12に示すように、表面欠陥発生率指数は、比較例1では1.8、比較例2では0.5、比較例3では0.3であったが、本発明の実施例では欠陥の発生が低く抑えられて0.2であった。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、種々の鋳造条件において鋳型内溶鋼の流動パターン、更には溶鋼表面流速を常に適正化できるので、常に品質の優れた連続鋳造鋳片を安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフロー図の例を示した図である。
【図2】本発明を適用した鋳片断面が矩形型の連続鋳造機の鋳型部の側断面概要図を示した図である。
【図3】連続鋳造鋳型内溶鋼の3種類の流動パターンを模式的に示した図である。
【図4】浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量とスループットとによるArガス気泡の形状に及ぼす影響を模式的に示した図である。
【図5】浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量と鋳片引抜き速度とを因子として、鋳型内溶鋼の流動パターンの区分を概念的に示した図である。
【図6】磁場強度指数と鋳片引抜き速度とを因子として、数値解析により求めた鋳型内溶鋼の流動パターンの区分の一例を示した図である。
【図7】鋳型内溶鋼の流動パターン別に製品における不良発生指数を比較して示した図である。
【図8】鋳型内のArガス浮上分布の測定例を示した図である。
【図9】鋳造条件Iと鋳造条件IIとをデータベース上で比較して示した図である。
【図10】本発明の実施例における鋳造条件でのデータベースの例を示した図である。
【図11】本発明の実施例における磁場強度の制御方法を模式的に示した図である。
【図12】薄板製品での表面欠陥発生指数を、実施例と比較例とで比較して示した図である。
【符号の説明】
1 鋳型長辺
2 鋳型短辺
3 浸漬ノズル
4 Arガス導入管
5 溶鋼
6 吐出流
7 電磁コイル
8 吐出孔
9 流速・温度センサー
10 ロードセル
11 ガス捕集器
Claims (1)
- 浸漬ノズル内の溶鋼にArガスを吹き込み、且つ浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流に磁場を印加しつつ溶鋼を鋳型内に注入して連続鋳造するに際し、鋳造条件として鋳型サイズ、鋳片引抜き速度、浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量、及び磁場強度の4つの要素を対象とし、これら要素からなる複数の鋳造条件において予め鋳型内溶鋼の流動パターンと表面流速とを測定し、この測定結果に基づいて個別の鋳造条件における鋳型内溶鋼の流動パターンと表面流速とを推定し、所定の流動パターン及び所定の表面流速となるように吐出流に印加する磁場強度又は浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量を調整して鋳造すると共に、鋳造時にセンサーにて鋳型内の溶鋼流動を監視し、このセンサーの情報に基づき前記調整した磁場強度を基準として所定範囲内で磁場強度を修正することを特徴とする連続鋳造鋳型内における溶鋼流動制御方法。
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