JP3437022B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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- C08F14/04—Monomers containing two carbon atoms
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嵩比重が大きい塩
化ビニル系重合体の製造方法に関する。
化ビニル系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体は、物理的性質に優
れた樹脂であり、硬質塩化ビニル又は軟質塩化ビニルと
して広く利用されている。また、近年では、硬質塩化ビ
ニルを押出成形する場合に、ポリ塩化ビニル製品の生産
性を高めるために押出成形機における押出量を増大する
ことができる嵩比重の高い塩化ビニル系重合体が要望さ
れている。従来、嵩比重が大きい塩化ビニル系重合体を
得ることを目的とした懸濁重合法としては、例えば、単
量体を重合の途中で追加する方法(特開昭59-168008 号
公報参照)、高ケン化度ポリビニルアルコールを懸濁剤
として使用する方法(特開昭57−7600号公報、特開平4-
323204号公報、特公平1-27088 号公報等参照)、懸濁剤
を重合の途中で追加する方法(特開平3- 70703号公報、
特開平5-39309 号公報等参照)等が知られている。しか
し、これらの方法は、重合体の嵩比重をある程度大きく
することができるものの、その反面、得られる重合体の
ゲル化速度が遅くなったり、重合体から得た成形品にフ
ィッシュアイが増加するという問題がある。また特に、
得られた重合体に各種添加剤を配合した成形品製造用コ
ンパウンドにCa−Zn系安定剤等の所謂無毒安定剤を
添加した場合には、コンパウンドの嵩比重がさほど大き
くならず、また成形機による押出量も増加しないという
問題がある。さらに、このような無毒安定剤は重合体に
対する安定化作用が弱いため、得られた重合体の製品
(成形品)の熱安定性や初期着色性等が不十分であると
いう問題もある。
れた樹脂であり、硬質塩化ビニル又は軟質塩化ビニルと
して広く利用されている。また、近年では、硬質塩化ビ
ニルを押出成形する場合に、ポリ塩化ビニル製品の生産
性を高めるために押出成形機における押出量を増大する
ことができる嵩比重の高い塩化ビニル系重合体が要望さ
れている。従来、嵩比重が大きい塩化ビニル系重合体を
得ることを目的とした懸濁重合法としては、例えば、単
量体を重合の途中で追加する方法(特開昭59-168008 号
公報参照)、高ケン化度ポリビニルアルコールを懸濁剤
として使用する方法(特開昭57−7600号公報、特開平4-
323204号公報、特公平1-27088 号公報等参照)、懸濁剤
を重合の途中で追加する方法(特開平3- 70703号公報、
特開平5-39309 号公報等参照)等が知られている。しか
し、これらの方法は、重合体の嵩比重をある程度大きく
することができるものの、その反面、得られる重合体の
ゲル化速度が遅くなったり、重合体から得た成形品にフ
ィッシュアイが増加するという問題がある。また特に、
得られた重合体に各種添加剤を配合した成形品製造用コ
ンパウンドにCa−Zn系安定剤等の所謂無毒安定剤を
添加した場合には、コンパウンドの嵩比重がさほど大き
くならず、また成形機による押出量も増加しないという
問題がある。さらに、このような無毒安定剤は重合体に
対する安定化作用が弱いため、得られた重合体の製品
(成形品)の熱安定性や初期着色性等が不十分であると
いう問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、嵩比
重が大きく、かつゲル化が速い塩化ビニル系重合体であ
って、フィッシュアイや単量体の残留量が少ない成形品
を製造することができ、特に、Ca−Zn系安定剤等を
用いる場合であっても、コンパウンドの嵩比重が大き
く、さらには熱安定性や初期着色性に優れた成形品を得
ることができる塩化ビニル系重合体の製造方法を提供す
ることにある。
重が大きく、かつゲル化が速い塩化ビニル系重合体であ
って、フィッシュアイや単量体の残留量が少ない成形品
を製造することができ、特に、Ca−Zn系安定剤等を
用いる場合であっても、コンパウンドの嵩比重が大き
く、さらには熱安定性や初期着色性に優れた成形品を得
ることができる塩化ビニル系重合体の製造方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル単
量体又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物を水性媒
体中で油溶性重合開始剤を用いて懸濁剤の存在下に懸濁
重合を行う塩化ビニル系重合体の製造方法において、
(A)平均重合度1500〜2700、ケン化度75〜85モル%の
部分ケン化ポリビニルアルコール、(B)メトキシ置換
度26〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度4〜15重
量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースであって、
その2重量%水溶液の20℃における粘度が5〜 4000 cP
のもの、及び(C)平均重合度1500〜4000、ケン化度90
〜98モル%の部分ケン化ポリビニルアルコールからなる
懸濁剤の存在下に前記単量体の重合を開始した後、重合
転化率が5〜60%に達した時点で、(D)平均重合度15
00〜4000、ケン化度75〜98モル%の部分ケン化ポリビニ
ルアルコールを懸濁剤としてさらに追加して重合を行う
製造方法であって、多価アルコールの脂肪酸エステルを
重合開始前の重合器内容物、重合中の重合器内容物及び
得られた重合体のうち少なくとも1つに添加することを
特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法である。
量体又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物を水性媒
体中で油溶性重合開始剤を用いて懸濁剤の存在下に懸濁
重合を行う塩化ビニル系重合体の製造方法において、
(A)平均重合度1500〜2700、ケン化度75〜85モル%の
部分ケン化ポリビニルアルコール、(B)メトキシ置換
度26〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度4〜15重
量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースであって、
その2重量%水溶液の20℃における粘度が5〜 4000 cP
のもの、及び(C)平均重合度1500〜4000、ケン化度90
〜98モル%の部分ケン化ポリビニルアルコールからなる
懸濁剤の存在下に前記単量体の重合を開始した後、重合
転化率が5〜60%に達した時点で、(D)平均重合度15
00〜4000、ケン化度75〜98モル%の部分ケン化ポリビニ
ルアルコールを懸濁剤としてさらに追加して重合を行う
製造方法であって、多価アルコールの脂肪酸エステルを
重合開始前の重合器内容物、重合中の重合器内容物及び
得られた重合体のうち少なくとも1つに添加することを
特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、先ず、第一懸濁剤の存在下に
単量体の重合を開始する。第一懸濁剤は、下記(A)成
分、(B)成分及び(C)成分からなる。
単量体の重合を開始する。第一懸濁剤は、下記(A)成
分、(B)成分及び(C)成分からなる。
【0006】第一懸濁剤
(A)成分は、平均重合度が1500〜2700であり、ケン化
度が75〜85モル%の部分ケン化ポリビニルアルコールで
ある。この平均重合度やケン化度が小さすぎると懸濁系
が不安定となり、得られる重合体が粗粒化したり、重合
缶内にスケールが付着したりする。これとは逆に平均重
合度やケン化度が大きすぎると、得られた重合体を成形
した場合に、成形品に発生するフィシュアイの量が増加
する。
度が75〜85モル%の部分ケン化ポリビニルアルコールで
ある。この平均重合度やケン化度が小さすぎると懸濁系
が不安定となり、得られる重合体が粗粒化したり、重合
缶内にスケールが付着したりする。これとは逆に平均重
合度やケン化度が大きすぎると、得られた重合体を成形
した場合に、成形品に発生するフィシュアイの量が増加
する。
【0007】(B)成分は、メトキシ置換度が26〜30重
量%であり、ヒドロキシプロポキシ置換度4〜15重量%
のヒドロキシプロピルメチルセルロースであって、その
2重量%水溶液の20℃における粘度が5〜 4000 cPのも
のである。このメトキシ置換度やヒドロキシプロポキシ
置換度が小さすぎると、成形品に発生するフィシュアイ
の量が増加する。これとは逆にメトキシ置換度やヒドロ
キシプロポキシ置換度が大きすぎると、得られる重合体
粒子の粒度分布がブロードとなるという不都合を生じ
る。また、前記粘度が高すぎると成形品にフィッシュア
イが増加するという不都合を生じる。
量%であり、ヒドロキシプロポキシ置換度4〜15重量%
のヒドロキシプロピルメチルセルロースであって、その
2重量%水溶液の20℃における粘度が5〜 4000 cPのも
のである。このメトキシ置換度やヒドロキシプロポキシ
置換度が小さすぎると、成形品に発生するフィシュアイ
の量が増加する。これとは逆にメトキシ置換度やヒドロ
キシプロポキシ置換度が大きすぎると、得られる重合体
粒子の粒度分布がブロードとなるという不都合を生じ
る。また、前記粘度が高すぎると成形品にフィッシュア
イが増加するという不都合を生じる。
【0008】(A)成分及び(B)成分の使用量は、
(A)成分及び(B)成分の合計量で、単量体の使用量
100 重量部当たり、0.03〜0.1 重量部が好ましく、さら
に好ましくは0.03〜0.06重量部である。また、(A)成
分/(B)成分の重量比は、6/4〜9/1が好まし
く、さらに好ましくは7/3〜9/1である。この
(A)成分/(B)成分の比が大きすぎると、成形品中
のフィッシュアイや単量体の残留量が多くなる場合があ
り、また得られる重合体が粗粒化し、篩上品が多くなる
場合がある。これとは逆にこの比が小さすぎると、重合
体の嵩比重が小さくなる場合がある。
(A)成分及び(B)成分の合計量で、単量体の使用量
100 重量部当たり、0.03〜0.1 重量部が好ましく、さら
に好ましくは0.03〜0.06重量部である。また、(A)成
分/(B)成分の重量比は、6/4〜9/1が好まし
く、さらに好ましくは7/3〜9/1である。この
(A)成分/(B)成分の比が大きすぎると、成形品中
のフィッシュアイや単量体の残留量が多くなる場合があ
り、また得られる重合体が粗粒化し、篩上品が多くなる
場合がある。これとは逆にこの比が小さすぎると、重合
体の嵩比重が小さくなる場合がある。
【0009】(C)成分は、平均重合度1500〜4000、ケ
ン化度90〜98モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール
である。平均重合度やケン化度が小さすぎたり、大きす
ぎると重合体の嵩比重が低下したり、篩上品が増えて成
形品のフィッシュアイが増加する。
ン化度90〜98モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール
である。平均重合度やケン化度が小さすぎたり、大きす
ぎると重合体の嵩比重が低下したり、篩上品が増えて成
形品のフィッシュアイが増加する。
【0010】(C)成分の使用量は、単量体の使用量10
0 重量部当たり、0.002 〜0.1 重量部が好ましく、さら
に好ましくは0.005 〜0.08重量部である。この使用量が
少なすぎると重合体の嵩比重が小さくなる場合がある。
これとは逆に多すぎると成形品中のフィッシュアイや単
量体の残留量が多くなる場合がある。
0 重量部当たり、0.002 〜0.1 重量部が好ましく、さら
に好ましくは0.005 〜0.08重量部である。この使用量が
少なすぎると重合体の嵩比重が小さくなる場合がある。
これとは逆に多すぎると成形品中のフィッシュアイや単
量体の残留量が多くなる場合がある。
【0011】 本発明の製造方法は、このような第一
懸濁剤の存在下に単量体の重合を開始した後、重合転化
率が5〜60%、好ましくは30〜60%に達した時点で、重
合系にさらに第二懸濁剤を追加して単量体の重合を継続
する。なお、重合転化率が5%に達しないうちに、第二
懸濁剤を重合系に添加すると、得られる重合体の粒径が
微細になり好ましくない。また、重合転化率が60%を超
えてから第二懸濁剤を重合系に添加すると、重合体の嵩
比重が小さくなる。尚、重合添加率は、重合を開始して
からの経過時間を測定することにより算出することがで
きる。
懸濁剤の存在下に単量体の重合を開始した後、重合転化
率が5〜60%、好ましくは30〜60%に達した時点で、重
合系にさらに第二懸濁剤を追加して単量体の重合を継続
する。なお、重合転化率が5%に達しないうちに、第二
懸濁剤を重合系に添加すると、得られる重合体の粒径が
微細になり好ましくない。また、重合転化率が60%を超
えてから第二懸濁剤を重合系に添加すると、重合体の嵩
比重が小さくなる。尚、重合添加率は、重合を開始して
からの経過時間を測定することにより算出することがで
きる。
【0012】第二懸濁剤
本発明に用いる第二懸濁剤は、平均重合度が1500〜4000
であり、ケン化度が75〜98モル%の部分ケン化ポリビニ
ルアルコールである。この平均重合度やケン化度が小さ
すぎたり、大きすぎると嵩比重を増大させる効果がなく
なる。
であり、ケン化度が75〜98モル%の部分ケン化ポリビニ
ルアルコールである。この平均重合度やケン化度が小さ
すぎたり、大きすぎると嵩比重を増大させる効果がなく
なる。
【0013】第二懸濁剤の使用量は、単量体の使用量10
0 重量部当たり、0.002 〜0.1 重量部が好ましく、さら
に好ましくは0.005 〜0.1 重量部である。この使用量が
少なすぎると嵩比重が増大しない場合がある。これとは
逆に多すぎると重合器内容物の泡立ちにより、重合器内
壁等にスケールが付着したり、得られた重合体の成形品
のフィッシュアイが増加する場合がある。なお、第二懸
濁剤としては、前記(A)成分及び(C)成分から1種
以上を選択して使用することもできる。
0 重量部当たり、0.002 〜0.1 重量部が好ましく、さら
に好ましくは0.005 〜0.1 重量部である。この使用量が
少なすぎると嵩比重が増大しない場合がある。これとは
逆に多すぎると重合器内容物の泡立ちにより、重合器内
壁等にスケールが付着したり、得られた重合体の成形品
のフィッシュアイが増加する場合がある。なお、第二懸
濁剤としては、前記(A)成分及び(C)成分から1種
以上を選択して使用することもできる。
【0014】 本発明の製造方法は、このように第一
懸濁剤及び第二懸濁剤を使用して単量体の重合を行う製
造方法であって、多価アルコールの脂肪酸エステルを重
合開始前の重合器内容物、重合中の重合器内容物及び得
られた重合体のうち少なくとも1つに添加するものであ
る。本発明に用いる該エステルは、多価アルコールの水
酸基の一部又は全部を脂肪酸でエステル化したものであ
る。
懸濁剤及び第二懸濁剤を使用して単量体の重合を行う製
造方法であって、多価アルコールの脂肪酸エステルを重
合開始前の重合器内容物、重合中の重合器内容物及び得
られた重合体のうち少なくとも1つに添加するものであ
る。本発明に用いる該エステルは、多価アルコールの水
酸基の一部又は全部を脂肪酸でエステル化したものであ
る。
【0015】前記の多価アルコールとしては、例えば、
エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-
ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、リシノ
レイルアルコール、エリスリトール、マンニトール、ソ
ルビトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、2-ヒドロキシメチル-3- メチルブ
タン-1,3- ジオール、3-メチルペンタン-1,3,5- トリオ
ール、トリス(2- ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト、ヘキサン-1,2,6- トリオール、2-ヒドロキシメチル
-2- メチルブタン -1,3-ジオール、2,4-ジメチル-3- ヒ
ドロキシメチルペンタン-2,4- ジオール、ペンタエリス
ルトール、ジグリセン、ジトリメチロールエタン、ジト
リメチロールプロパン、2,2,6,6-テトラメチロールシク
ロヘキサノール、ジペンタエリスリトール、イノシトー
ル等が挙げられる。前記の脂肪酸としては、例えば、カ
プロン酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、2-エチルヘキシ
ル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ウンデシレン酸、
リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、ネオデカン
酸、イソステアリン酸、12- ヒドロキシステアリン酸、
12- ケトステアリン酸、クロロステアリン酸、フェニル
ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラ
ンジン酸、獣脂脂肪酸、やし油脂肪酸、桐油脂肪酸、大
豆油脂肪酸、綿実油脂肪酸、安息香酸、トルイル酸、サ
リチル酸、p−tert−ブチル安息香酸、5−t−オクチ
ルサリチル酸、ナフテン酸、キシリル酸、エチル安息香
酸、イソプロピル安息香酸、ジ−t−ブチル安息香酸、
ブロモ安息香酸、アジピン酸等が挙げられる。特に代表
的な多価アルコールの脂肪酸エステルとしては、例え
ば、ペンタエリスリトールモノステアレート、ジペンタ
エリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトール
モノミリステート、ジペンタエリスリトールジアジペー
ト、ペンタエリスリトールモノアジペート等が挙げられ
る。
エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-
ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、リシノ
レイルアルコール、エリスリトール、マンニトール、ソ
ルビトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、2-ヒドロキシメチル-3- メチルブ
タン-1,3- ジオール、3-メチルペンタン-1,3,5- トリオ
ール、トリス(2- ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト、ヘキサン-1,2,6- トリオール、2-ヒドロキシメチル
-2- メチルブタン -1,3-ジオール、2,4-ジメチル-3- ヒ
ドロキシメチルペンタン-2,4- ジオール、ペンタエリス
ルトール、ジグリセン、ジトリメチロールエタン、ジト
リメチロールプロパン、2,2,6,6-テトラメチロールシク
ロヘキサノール、ジペンタエリスリトール、イノシトー
ル等が挙げられる。前記の脂肪酸としては、例えば、カ
プロン酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、2-エチルヘキシ
ル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ウンデシレン酸、
リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、ネオデカン
酸、イソステアリン酸、12- ヒドロキシステアリン酸、
12- ケトステアリン酸、クロロステアリン酸、フェニル
ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラ
ンジン酸、獣脂脂肪酸、やし油脂肪酸、桐油脂肪酸、大
豆油脂肪酸、綿実油脂肪酸、安息香酸、トルイル酸、サ
リチル酸、p−tert−ブチル安息香酸、5−t−オクチ
ルサリチル酸、ナフテン酸、キシリル酸、エチル安息香
酸、イソプロピル安息香酸、ジ−t−ブチル安息香酸、
ブロモ安息香酸、アジピン酸等が挙げられる。特に代表
的な多価アルコールの脂肪酸エステルとしては、例え
ば、ペンタエリスリトールモノステアレート、ジペンタ
エリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトール
モノミリステート、ジペンタエリスリトールジアジペー
ト、ペンタエリスリトールモノアジペート等が挙げられ
る。
【0016】該エステルを添加する対象は、重合開始前
の重合器内容物、重合中の重合器内容物及び得られた重
合体のうち少なくとも1つである。ここで重合開始前の
重合器内容物に該エステルを添加するとは、少なくとも
該エステルの存在下に単量体の重合を開始できるように
該エステルを添加する意味であり、重合器内に該エステ
ルを最初に投入する場合を含む。即ち、少なくとも成形
直前の重合体に該エステルが含まれているように添加す
る。従って、該エステルは、例えば、重合開始前に重合
容器内に水性媒体、第一懸濁剤等と共に投入してもよい
し、重合中に第二懸濁剤と共に重合容器内に投入しても
よいし、重合終了後のスラリー、脱水後のケーキ、乾燥
後の重合体、成形直前の重合体等に該エステルを添加し
てもよい。
の重合器内容物、重合中の重合器内容物及び得られた重
合体のうち少なくとも1つである。ここで重合開始前の
重合器内容物に該エステルを添加するとは、少なくとも
該エステルの存在下に単量体の重合を開始できるように
該エステルを添加する意味であり、重合器内に該エステ
ルを最初に投入する場合を含む。即ち、少なくとも成形
直前の重合体に該エステルが含まれているように添加す
る。従って、該エステルは、例えば、重合開始前に重合
容器内に水性媒体、第一懸濁剤等と共に投入してもよい
し、重合中に第二懸濁剤と共に重合容器内に投入しても
よいし、重合終了後のスラリー、脱水後のケーキ、乾燥
後の重合体、成形直前の重合体等に該エステルを添加し
てもよい。
【0017】このように多価アルコールの脂肪酸エステ
ルを添加することにより、嵩比重の大きい塩化ビニル重
合体を得ることができる。添加する該エステルとして
は、重合開始前の重合器内容物やスラリーに添加するの
であれば該エステルの粉末を使用することもできるが、
通常、該エステルを水又は溶媒に溶解した溶液、或いは
分散した分散液を使用するのが好ましい。多価アルコー
ルの脂肪酸エステルの使用量は、得られる重合体100 重
量部に当たり、0.005 〜0.5 重量部が好ましい。この使
用量が少なすぎると、安定剤としてCa−Zn系の無毒
安定剤を用いた場合に、得られる重合体のゲル化速度並
びに初期着色性及び熱安定性が低下する場合がある。ま
た、多すぎても増加分に見合う効果の増大が認められな
いので経済的ではない。
ルを添加することにより、嵩比重の大きい塩化ビニル重
合体を得ることができる。添加する該エステルとして
は、重合開始前の重合器内容物やスラリーに添加するの
であれば該エステルの粉末を使用することもできるが、
通常、該エステルを水又は溶媒に溶解した溶液、或いは
分散した分散液を使用するのが好ましい。多価アルコー
ルの脂肪酸エステルの使用量は、得られる重合体100 重
量部に当たり、0.005 〜0.5 重量部が好ましい。この使
用量が少なすぎると、安定剤としてCa−Zn系の無毒
安定剤を用いた場合に、得られる重合体のゲル化速度並
びに初期着色性及び熱安定性が低下する場合がある。ま
た、多すぎても増加分に見合う効果の増大が認められな
いので経済的ではない。
【0018】 本発明の製造方法は、前記のように第
一懸濁剤及び第二懸濁剤並びに多価アルコールの脂肪酸
エステルを使用して重合を行う以外は、通常行われてい
る塩化ビニル系重合体の製造方法と同様の条件で行うこ
とができる。即ち、単量体、油溶性重合開始剤及び水性
媒体等の重合器への仕込みは、従来と同様にして行えば
よい。
一懸濁剤及び第二懸濁剤並びに多価アルコールの脂肪酸
エステルを使用して重合を行う以外は、通常行われてい
る塩化ビニル系重合体の製造方法と同様の条件で行うこ
とができる。即ち、単量体、油溶性重合開始剤及び水性
媒体等の重合器への仕込みは、従来と同様にして行えば
よい。
【0019】単量体
本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法に用いる単量体
は、上記の通り、塩化ビニル単量体のほか、塩化ビニル
単量体を主体とするこれと共重合可能なビニル系単量体
(コモノマー)との混合物(塩化ビニルが50重量%以
上)であってもよい。上記コモノマーとしては、例え
ば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル
酸エステル又はメタアクリル酸エステル;エチレン、プ
ロピレン等のオレフィン;ラウリルビニルエーテル、イ
ソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;無水マレ
イン酸;アクリロニトリル;スチレン;塩化ビニリデ
ン;その他塩化ビニルと共重合可能な単量体などが挙げ
られ、これらは1種単独で又は2種以上の組合せで用い
られる。
は、上記の通り、塩化ビニル単量体のほか、塩化ビニル
単量体を主体とするこれと共重合可能なビニル系単量体
(コモノマー)との混合物(塩化ビニルが50重量%以
上)であってもよい。上記コモノマーとしては、例え
ば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル
酸エステル又はメタアクリル酸エステル;エチレン、プ
ロピレン等のオレフィン;ラウリルビニルエーテル、イ
ソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;無水マレ
イン酸;アクリロニトリル;スチレン;塩化ビニリデ
ン;その他塩化ビニルと共重合可能な単量体などが挙げ
られ、これらは1種単独で又は2種以上の組合せで用い
られる。
【0020】油溶性重合開始剤
本発明に用いる油溶性重合開始剤としては、例えば、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチ
ルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合
物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミル
パーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオ
デカネート、3-ヒドロキシ-1,1- ジメチルブチルパーオ
キシネオデカネート、(α,α’−ビスネオデカノイル
パーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1-シクロヘキシ
ル-1- メチルエチルパーオキシネオデカネート、2,4,4-
トリメチルペンチル-2- パーオキシネオデカネート等の
パーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニ
ルパーオキシド、2,4,4 −トリメチルペンチル−2−パ
ーオキシフェノキシアセテート等の過酸化物;アゾビス
−2,4 −ジメチルバレロニトリル、アゾビス−(4−メ
トキシ−2,4 −ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合
物;さらには過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
酸化水素等があり、これらは一種単独で又は2種以上組
み合せて使用することも可能である。
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチ
ルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合
物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミル
パーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオ
デカネート、3-ヒドロキシ-1,1- ジメチルブチルパーオ
キシネオデカネート、(α,α’−ビスネオデカノイル
パーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1-シクロヘキシ
ル-1- メチルエチルパーオキシネオデカネート、2,4,4-
トリメチルペンチル-2- パーオキシネオデカネート等の
パーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニ
ルパーオキシド、2,4,4 −トリメチルペンチル−2−パ
ーオキシフェノキシアセテート等の過酸化物;アゾビス
−2,4 −ジメチルバレロニトリル、アゾビス−(4−メ
トキシ−2,4 −ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合
物;さらには過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
酸化水素等があり、これらは一種単独で又は2種以上組
み合せて使用することも可能である。
【0021】油溶性重合開始剤の使用量は、前記単量体
100 重量部当り、好ましくは0.03〜5.0 重量部、さらに
好ましくは0.04〜1.5 重量部である。
100 重量部当り、好ましくは0.03〜5.0 重量部、さらに
好ましくは0.04〜1.5 重量部である。
【0022】水性媒体
前記水性媒体としては、例えば脱イオン水を挙げること
ができ、水性媒体の使用量は、前記単量体100 重量部当
り80〜150 重量部程度でよく、重合の途中で該水性媒体
を追加してもよい。
ができ、水性媒体の使用量は、前記単量体100 重量部当
り80〜150 重量部程度でよく、重合の途中で該水性媒体
を追加してもよい。
【0023】その他の添加剤
本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法においては、さ
らに必要に応じて、塩化ビニル系重合体の製造に適宜使
用される重合度調整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化
改良剤、帯電防止剤、架橋剤、充てん剤、酸化防止剤、
緩衝剤、スケール防止剤等を添加することもできる。ま
た少量の界面活性剤を添加することもできる。
らに必要に応じて、塩化ビニル系重合体の製造に適宜使
用される重合度調整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化
改良剤、帯電防止剤、架橋剤、充てん剤、酸化防止剤、
緩衝剤、スケール防止剤等を添加することもできる。ま
た少量の界面活性剤を添加することもできる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。実施例1〜3及び比較例1〜5 攪拌機及びジャッケット付きの内容積2000リットルのス
テンレス製重合器に、脱イオン水900kg 並びに表1〜3
[表1には実施例1〜3を示し、表2には、比較例1〜
3を示し、表3には、比較例4〜5を示す。以下、同
じ。]に示す種類及び量の懸濁剤(表中、「重合開始前
に添加する懸濁剤」と称する)を仕込んだ。次いで、重
合器内圧が50mmHgになるまで排気した後、塩化ビニル単
量体700kgを仕込んだ。そして、重合器内容物を攪拌機
で攪拌しながら、重合器内にt−ブチルネオデカネート
350 g及びα−クミルネオデカネート105 gを圧入し、
同時にジャケットに熱水を通じて重合器内容物を57℃ま
で昇温した。その後、内容物の温度を57℃に保ちながら
攪拌下に重合反応を行った。次に、重合転化率が表1〜
3に示す値に達した時点で表1〜3に示す種類及び量の
懸濁剤(表中、「重合途中に添加する懸濁剤」と称す
る)を重合器内に圧入し、重合反応を継続した。
る。実施例1〜3及び比較例1〜5 攪拌機及びジャッケット付きの内容積2000リットルのス
テンレス製重合器に、脱イオン水900kg 並びに表1〜3
[表1には実施例1〜3を示し、表2には、比較例1〜
3を示し、表3には、比較例4〜5を示す。以下、同
じ。]に示す種類及び量の懸濁剤(表中、「重合開始前
に添加する懸濁剤」と称する)を仕込んだ。次いで、重
合器内圧が50mmHgになるまで排気した後、塩化ビニル単
量体700kgを仕込んだ。そして、重合器内容物を攪拌機
で攪拌しながら、重合器内にt−ブチルネオデカネート
350 g及びα−クミルネオデカネート105 gを圧入し、
同時にジャケットに熱水を通じて重合器内容物を57℃ま
で昇温した。その後、内容物の温度を57℃に保ちながら
攪拌下に重合反応を行った。次に、重合転化率が表1〜
3に示す値に達した時点で表1〜3に示す種類及び量の
懸濁剤(表中、「重合途中に添加する懸濁剤」と称す
る)を重合器内に圧入し、重合反応を継続した。
【0025】次に、重合器内圧が6.0 kg/cm2 (ゲージ
圧)に降下した時点で重合反応を停止し、未反応単量体
を回収した後、塩化ビニル重合体をスラリー状で重合器
外に抜き出した。そして、抜き出した塩化ビニル重合体
を、棚段式の脱モノマー塔に通して、スチームと向流接
触させ、脱モノマー塔の中間位置における重合体の温度
が90℃となるような条件で2分間加熱処理した。
圧)に降下した時点で重合反応を停止し、未反応単量体
を回収した後、塩化ビニル重合体をスラリー状で重合器
外に抜き出した。そして、抜き出した塩化ビニル重合体
を、棚段式の脱モノマー塔に通して、スチームと向流接
触させ、脱モノマー塔の中間位置における重合体の温度
が90℃となるような条件で2分間加熱処理した。
【0026】次に、加熱処理した塩化ビニル重合体に、
表1〜3に示す種類及び量の多価アルコールの脂肪酸エ
ステルを添加した後、遠心分離器で脱水した。次に、得
られた脱水ケーキをバッチ式流動乾燥器を使用して70℃
で3時間乾燥した。このようにして得られた重合体につ
いて、下記の嵩比重、粒度分布、フィッシュアイ、残留
単量体、初着着色性、熱安定性及びゲル化速度を測定し
た。結果を表1〜3に示す。
表1〜3に示す種類及び量の多価アルコールの脂肪酸エ
ステルを添加した後、遠心分離器で脱水した。次に、得
られた脱水ケーキをバッチ式流動乾燥器を使用して70℃
で3時間乾燥した。このようにして得られた重合体につ
いて、下記の嵩比重、粒度分布、フィッシュアイ、残留
単量体、初着着色性、熱安定性及びゲル化速度を測定し
た。結果を表1〜3に示す。
【0027】嵩比重
JIS K 6721に規定する方法に準拠して測定した。
【0028】粒度分布
JIS Z 8801に準拠して#60、#80、#100 、#150 及び
#200 の各篩を使用して篩分けし、篩上の残留量と通過
量を計量し、通過量を重量%で表した。
#200 の各篩を使用して篩分けし、篩上の残留量と通過
量を計量し、通過量を重量%で表した。
【0029】フィッシュアイ
得られた重合体100 g、三塩基性硫酸鉛0.5 g、ステア
リン酸鉛2.5 g、ステアリン酸バリウム0.7 g、酸化チ
タン0.1 g及びカーボンブラック0.035 gを混合してコ
ンパウンドを得た。このコンパウンドを6インチロール
を用いて160 ℃で7分間混練した後、幅15cm×厚さ0.5m
m のシートに成形した。得られたシート全表面に現れた
透明粒子の個数を計数した。
リン酸鉛2.5 g、ステアリン酸バリウム0.7 g、酸化チ
タン0.1 g及びカーボンブラック0.035 gを混合してコ
ンパウンドを得た。このコンパウンドを6インチロール
を用いて160 ℃で7分間混練した後、幅15cm×厚さ0.5m
m のシートに成形した。得られたシート全表面に現れた
透明粒子の個数を計数した。
【0030】残留単量体
得られた重合体の一定量をテトラヒドロフランに溶解し
てガスクロマトグラフにより重合体中の単量体含有量を
定量した。残留単量体は乾燥した重合体(重量)当たり
のppm で表わした。
てガスクロマトグラフにより重合体中の単量体含有量を
定量した。残留単量体は乾燥した重合体(重量)当たり
のppm で表わした。
【0031】初着着色性
得られた重合体100 gに、Ca−Zn系ワンパック安定
剤3gを加え、6インチロールを用いて180 ℃で5分間
混練した後、厚さ0.8mm のシートに成形した。得られた
シートを8枚重ねにし、これを180 ℃で5分間プレスす
ることにより35mm(縦)×35mm(横)×5mm(厚み)の
成形品を得た。得られた成形品の着色の程度を下記の基
準で初期着色性を評価した。
剤3gを加え、6インチロールを用いて180 ℃で5分間
混練した後、厚さ0.8mm のシートに成形した。得られた
シートを8枚重ねにし、これを180 ℃で5分間プレスす
ることにより35mm(縦)×35mm(横)×5mm(厚み)の
成形品を得た。得られた成形品の着色の程度を下記の基
準で初期着色性を評価した。
【0032】(評価基準)
A:良好である。
B:やや劣る(少し黄色味を帯びている)。
C:悪い(黄色味が強く、暗色がかっている)。
【0033】熱安定性
前記の初期着色性の評価試験に使用した厚さ0.8mm のシ
ートを、190 ℃のギヤーオーブンに吊るし、完全黒化す
るまでの時間(分)を測定した。
ートを、190 ℃のギヤーオーブンに吊るし、完全黒化す
るまでの時間(分)を測定した。
【0034】ゲル化速度
得られた重合体100 重量部にCa−Zn系ワンパック安
定剤3重量部を混合したコンパウンド67gを、ブラベン
ダープラストグラフ(50型ニーダー、ジャケット温度20
0 ℃ローター50rpm )に投入して攪拌し、投入時から、
ブラベンダープラストグラフの攪拌トルクが最大に達し
た時点までの時間(分)を測定した。
定剤3重量部を混合したコンパウンド67gを、ブラベン
ダープラストグラフ(50型ニーダー、ジャケット温度20
0 ℃ローター50rpm )に投入して攪拌し、投入時から、
ブラベンダープラストグラフの攪拌トルクが最大に達し
た時点までの時間(分)を測定した。
【0035】
【表1】
表1中、懸濁剤Aは、ケン化度80.2モル%、平均重合度
2600の部分ケン化ポリビニルアルコールである。懸濁剤
Bは、メトキシ置換度29.2重量%、ヒドロキシプロポキ
シ置換度8.9 重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースであって、その2重量%水溶液の粘度(20℃)が4
9.5cPであるものである。懸濁剤Cは、ケン化度97.0モ
ル%、平均重合度2100の部分ケン化ポリビニルアルコー
ルである。懸濁剤Dは、ケン化度95.0モル%、平均重合
度3300の部分ケン化ポリビニルアルコールである。
2600の部分ケン化ポリビニルアルコールである。懸濁剤
Bは、メトキシ置換度29.2重量%、ヒドロキシプロポキ
シ置換度8.9 重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースであって、その2重量%水溶液の粘度(20℃)が4
9.5cPであるものである。懸濁剤Cは、ケン化度97.0モ
ル%、平均重合度2100の部分ケン化ポリビニルアルコー
ルである。懸濁剤Dは、ケン化度95.0モル%、平均重合
度3300の部分ケン化ポリビニルアルコールである。
【0036】
【表2】
表2中、懸濁剤A、懸濁剤B及び懸濁剤Cは、表1と同
じである。懸濁剤Eは、ケン化度88.0モル%、平均重合
度2500の部分ケン化ポリビニルアルコールである。
じである。懸濁剤Eは、ケン化度88.0モル%、平均重合
度2500の部分ケン化ポリビニルアルコールである。
【0037】
【表3】
表3中、懸濁剤A、懸濁剤B、懸濁剤C及び懸濁剤E
は、表2と同じである。
は、表2と同じである。
【0038】実施例4
実施例1において、使用したペンタエリスリトールモノ
ステアレート0.05重量部(重合体100 重量部当たり)
を、加熱処理した塩化ビニル重合体に添加しないで、そ
の代わり、重合開始前に添加する懸濁剤と共に、ペンタ
エリスリトールモノステアレート0.05重量部(重合体10
0 重量部当たり)相当量を重合器に仕込んだ以外は、実
施例1と同様にして重合を行った。そして重合終了後、
得られた塩化ビニル重合体をスラリー状で重合器外に抜
き出し、実施例1と同様にして脱モノマー塔で加熱処理
した。このようにして得られた重合体について、実施例
1と同様にして嵩比重、粒度分布、フィッシュアイ、残
留単量体、初着着色性、熱安定性及びゲル化速度を測定
した。結果を表4に示す。
ステアレート0.05重量部(重合体100 重量部当たり)
を、加熱処理した塩化ビニル重合体に添加しないで、そ
の代わり、重合開始前に添加する懸濁剤と共に、ペンタ
エリスリトールモノステアレート0.05重量部(重合体10
0 重量部当たり)相当量を重合器に仕込んだ以外は、実
施例1と同様にして重合を行った。そして重合終了後、
得られた塩化ビニル重合体をスラリー状で重合器外に抜
き出し、実施例1と同様にして脱モノマー塔で加熱処理
した。このようにして得られた重合体について、実施例
1と同様にして嵩比重、粒度分布、フィッシュアイ、残
留単量体、初着着色性、熱安定性及びゲル化速度を測定
した。結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
表4中、懸濁剤A、懸濁剤B及び懸濁剤Cは、表1と同
じである。
じである。
【0040】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、得られる塩
化ビニル系重合体の嵩比重が大きいため、硬質塩化ビニ
ルを押出成形する場合であっても、押出成形機における
押出量を増大することができ、ポリ塩化ビニル製品の生
産性を高めることができる。また、得られる重合体のゲ
ル化が速く、しかもフィッシュアイや単量体の残留量が
極めて少ない成形品を得ることができる。また、Ca−
Zn系安定剤等の無毒安定剤を使用する場合であって
も、コンパウンドの嵩比重が十分に大きく、熱安定性や
初期着色性に優れたポリ塩化ビニル製品を得ることがで
きる。従って、本発明の製造方法は、特に、Ca−Zn
系安定剤等の無毒安定剤を使用した硬質塩化ビニルを押
出成形する場合に用いる塩化ビニル系重合体を製造する
のに適する。
化ビニル系重合体の嵩比重が大きいため、硬質塩化ビニ
ルを押出成形する場合であっても、押出成形機における
押出量を増大することができ、ポリ塩化ビニル製品の生
産性を高めることができる。また、得られる重合体のゲ
ル化が速く、しかもフィッシュアイや単量体の残留量が
極めて少ない成形品を得ることができる。また、Ca−
Zn系安定剤等の無毒安定剤を使用する場合であって
も、コンパウンドの嵩比重が十分に大きく、熱安定性や
初期着色性に優れたポリ塩化ビニル製品を得ることがで
きる。従って、本発明の製造方法は、特に、Ca−Zn
系安定剤等の無毒安定剤を使用した硬質塩化ビニルを押
出成形する場合に用いる塩化ビニル系重合体を製造する
のに適する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平6−340714(JP,A)
特開 平6−298811(JP,A)
特開 平5−39310(JP,A)
特開 平5−39309(JP,A)
特開 昭54−163984(JP,A)
特開 昭54−28381(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08F 2/00 - 2/60,14/06
Claims (2)
- 【請求項1】 塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体
を含む単量体混合物を水性媒体中で油溶性重合開始剤を
用いて懸濁剤の存在下に懸濁重合を行う塩化ビニル系重
合体の製造方法において、 (A)平均重合度1500〜2700、ケン化度75〜85モル%の
部分ケン化ポリビニルアルコール、 (B)メトキシ置換度26〜30重量%、ヒドロキシプロポ
キシ置換度4〜15重量%のヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースであって、その2重量%水溶液の20℃における
粘度が5〜 4000 cPのもの、及び (C)平均重合度1500〜4000、ケン化度90〜98モル%の
部分ケン化ポリビニルアルコールからなる懸濁剤の存在
下に前記単量体の重合を開始した後、重合転化率が5〜
60%に達した時点で、 (D)平均重合度1500〜4000、ケン化度75〜98モル%の
部分ケン化ポリビニルアルコールを懸濁剤としてさらに
追加して重合を行う製造方法であって、多価アルコール
の脂肪酸エステルを重合開始前の重合器内容物、重合中
の重合器内容物及び得られた重合体のうち少なくとも1
つに添加することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製
造方法。 - 【請求項2】 前記(A)成分、(B)成分、(C)成
分及び(D)成分の使用量が下記(i) 〜(iii) のとおり
である請求項1に記載の塩化ビニル系重合体の製造方
法。 (i) (A)成分/(B)成分が重量比で9/1〜6/4
であって、(A)成分と(B)成分の合計量が単量体の
使用量100 重量部当たり、0.03〜0.1 重量部。 (ii) (C)成分が単量体の使用量100 重量部当たり、
0.002 〜0.1 重量部。 (iii) (D)成分が単量体の使用量100 重量部当たり、
0.002 〜0.1 重量部。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29478795A JP3437022B2 (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-18 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
US08/709,598 US5883209A (en) | 1995-10-18 | 1996-09-09 | Vinyl chloride polymerization with carboxylic acid ester of polyol and suspension agents |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29478795A JP3437022B2 (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-18 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09110908A JPH09110908A (ja) | 1997-04-28 |
JP3437022B2 true JP3437022B2 (ja) | 2003-08-18 |
Family
ID=17812279
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29478795A Expired - Fee Related JP3437022B2 (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-18 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5883209A (ja) |
JP (1) | JP3437022B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10251339A (ja) * | 1997-03-17 | 1998-09-22 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | ペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製造方法 |
JP4864190B2 (ja) | 1999-11-11 | 2012-02-01 | 株式会社クラレ | セラミックス成形用バインダー |
ES2270010T3 (es) * | 2002-04-12 | 2007-04-01 | Akzo Nobel N.V. | Dosificacion simultanea de iniciadores organicos y coloides protectores durante reacciones de polimerizacion. |
WO2008013844A2 (en) * | 2006-07-25 | 2008-01-31 | General Vortex Energy, Inc. | System, apparatus and method for combustion of metal and other fuels |
EP2569339A1 (en) * | 2010-05-12 | 2013-03-20 | Akzo Nobel Chemicals International B.V. | Emulsion or redispersible polymer powder of a polymer comprising a biomonomer, a process to prepare them, and the use thereof in building material compositions |
EP2581421A1 (en) | 2011-10-12 | 2013-04-17 | Ineos Europe AG | Additive |
CA2980738C (en) | 2015-03-25 | 2020-02-25 | Cl Products International, Llc | Candle products comprising vegetable oil that is low in polyunsaturation and gelling agent |
KR101969074B1 (ko) * | 2016-05-03 | 2019-04-16 | 주식회사 엘지화학 | 염화비닐계 중합체의 제조방법 및 이에 따라 제조된 염화비닐계 중합체 |
KR102292538B1 (ko) | 2017-12-19 | 2021-08-24 | 주식회사 엘지화학 | 염화비닐계 중합체의 제조방법 및 이로부터 제조된 염화비닐계 중합체 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53129242A (en) * | 1977-04-18 | 1978-11-11 | Sekisui Chem Co Ltd | Chlorine-containing resin composition |
US4336176A (en) * | 1981-01-12 | 1982-06-22 | Henkel Corporation | Polyvinyl chloride processing |
IT1140328B (it) * | 1981-12-11 | 1986-09-24 | Anic Spa | Procedimento per la polimerizzazione e copolimerizzazione in sospensione di cloruro di vinile |
US4797458A (en) * | 1986-09-02 | 1989-01-10 | The B.F. Goodrich Company | Colloidal stable vinyl halide polymerizations with mercaptan chain transfer agents |
US4940759A (en) * | 1986-09-05 | 1990-07-10 | The B.F. Goodrich Company | Process for making film grade PVC |
-
1995
- 1995-10-18 JP JP29478795A patent/JP3437022B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1996
- 1996-09-09 US US08/709,598 patent/US5883209A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5883209A (en) | 1999-03-16 |
JPH09110908A (ja) | 1997-04-28 |
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