JP3436774B2 - 塩基に対して高い耐性を有するフルオロエラストマー共重合体およびフルオロプラストマー共重合体 - Google Patents
塩基に対して高い耐性を有するフルオロエラストマー共重合体およびフルオロプラストマー共重合体Info
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Description
ヘキサフルオロプロペン(HFP)および/またはペル
フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、および
特定のオレフィン誘導体(Ol)の単位からなり、該オ
レフィンがそれぞれ2〜25モル%および1〜30モル
%の量で存在し、テトラフルオロエチレンに由来するモ
ノマー単位を含まない、新規なエラストマー共重合体お
よびプラストマー共重合体に関する。本発明のもう一つ
の目的は、その様な共重合体の製造方法である。
中の物質およびオイルに対する耐性ならびに低温に対す
る安定性を有するフルオロエラストマー重合体を開示し
ている。該共重合体は、フルオロビニルエーテル(F
V)単位およびエチレン(E)単位をE/FVモル比9
5/5〜30/70で含み、FV+Eの総含有量が少な
くとも70モル%であり、残りの30モル%はTFE、
VDF、HFP、クロロトリフルオロエチレン等に由来
する他のモノマー単位で表される。上記の重合体は、過
酸化物中間体を使用してのみ硬化させることができる
が、その様な種類の加硫に由来するすべての欠点を有
し、その上、Tg値が非常に低く、一般的に−25℃未
満である。
によっても確認される様に、その様な共重合体は、エチ
レンとフルオロビニルエーテルの組合わせの重合性が低
いために、分子量が十分に高くならない。事実、米国特
許第4,694,045号によれば、十分高い分子量を
有する共重合体を得るには、エチレンとフルオロビニル
エーテルの共重合をテトラフルオロエチレンの存在下で
行う必要がある。
VDF、HFPおよびペルフルオロアルキルビニルエー
テルのモノマー単位からなり、イオン系により加硫させ
ることができ、低温において高いエラストマー特性(圧
縮永久ひずみ)を有し、Oリングの製造に特に適したフ
ルオロエラストマー共重合体が開示されている。しか
し、その様な共重合体は、塩基に対する、特にその様な
塩基を添加したオイルに対する耐性が低い。
A91号には、VDF、HFP、PAVEおよびTFE
単位からなり、モーターオイルおよび/またはメタノー
ル含有ガソリンに対する良好な耐性および良好な成形特
性を有し、イオン系により加硫させることができ、シャ
フトシールおよび燃料ホースの製造に適したフルオロエ
ラストマー共重合体が開示されている。しかし、該共重
合体も塩基およびその様な塩基を添加したモーターオイ
ルに対する耐性は低い。これらの共重合体は、シャフト
シールおよび燃料ホースの製造に特に適している。
号には、VDF、HFP、TFEおよびオレフィンの単
位からなり、塩基、特にアミン含有オイルに対する耐性
が高く、高度の弾性および加工特性を有するフルオロエ
ラストマー共重合体が開示されている。その様な共重合
体は過酸化物またはイオン系を使用して加硫できるが、
後者の場合、特に反応性の高い促進剤を含む加硫系が一
般的に必要である。
ンモノマー単位を含まず、イオン系を使用して加硫させ
ることができ、低温においても高いエラストマー特性を
有し、シャフトシール、燃料ホースおよび一般的な密封
装置の製造に加えて、Oリングの製造にも特に好適な、
新規なエラストマー性フッ素化共重合体を開発した。
合体は、下記のモノマー単位のモル組成を示す。 (I)VDF 47〜80% HFP 16〜30% 下記一般式を有する、 少なくとも1種のオレフィン誘導体(Ol) 2〜25% 好ましくは4〜15% CH2 =CR’R” (式中、R’=HまたはCH3 であるが、ただしR’=
Hである場合、R”はH、1〜5個の炭素原子を有する
アルキル、1〜5個の炭素原子を有するペルフルオロア
ルキル、または−CN、−COOH、フェニル、所望に
より過フッ素化されたエーテル基であり、R’=CH3
である場合、R”は基
は、一般式 CH2 =CR’R” (式中、R’=HまたはCH3 であるが、ただしR’=
Hである場合、R”はH、1〜5個の炭素原子を有する
アルキル、1〜5個の炭素原子を有するペルフルオロア
ルキル、または−CN、−COOH、フェニル、所望に
より過フッ素化されたエーテル基であり、R’=CH3
である場合、R”は基
ンの例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、アク
リロニトリル、スチレン、アクリル酸およびメタクリル
酸および対応するメチルエステルがある。好ましくはオ
レフィンはエチレンである。
一部、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAV
E)により置き換えられていてもよい。 HFPが完全にPAVEにより置き換えられている場
合、モル組成 (II) VDF 42〜80% PAVE 16〜30% 組成物(I)で定義した 少なくとも1種のオレフィン誘導体 2〜30% 好ましくは4〜15% も同様に有効であることが分かっている。組成物(II)に
ついても好ましいオレフィンはエチレンである。
イオン系、すなわち架橋剤および加硫促進剤からなる加
硫系を使用して加硫することができる。効果的な架橋剤
は、例えば米国特許第4,259,463号、第3,8
76,654号および第4,233,421号に記載さ
れており、芳香族および脂肪族ポリヒドロキシ化合物を
含む。
よびテトラヒドロキシ−ベンゼン、−ナフタレン、−ア
ントラセン、およびビスフェノール化合物である。
233,241号に記載されている4,4' −チオジフ
ェノールイソプロピレン−ビス(4−ヒドロキシベンゼ
ン)(すなわちビスフェノールA)およびヘキサフルオ
ロイソプロピレン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)
(すなわちビスフェノールAF)である。
727号、第3,712,877号、第3,857,8
07号、第3,686,143号、第3,933,73
2号、第3,876,654号、第4,233,421
号、第4,259,463号、およびヨーロッパ特許第
182,299号および第120,462号に記載され
ている化合物を使用することができる。好ましい化合物
は、米国特許第3,876,654号および第4,25
9,463号に記載されているホスホニウムおよびアミ
ノホスホニウム第四級塩の種類に属する化合物である。
わっている組成(II)の共重合体の場合、硬化はラジカル
系、例えば過酸化物により行われるが、過酸化物硬化箇
所として作用するヨウ素原子および/または臭素原子が
末端位置または重合体鎖に沿って存在することが条件で
ある。
量(一般的にモノマーの総重量に対して0.05〜2重
量%)の重合可能な臭素化モノマー、例えば臭素化オレ
フィンおよび/またはヨウ素化オレフィンまたは臭素お
よび/またはヨードビニルエーテルの存在下で、あるい
は臭素および/またはヨウ素を含む連鎖移動剤、例えば
式Rf (I)x (Br)y (式中、Rf =1〜8個の炭
素原子を有する過フッ化炭化水素基であり、x、y=0
〜2の数であり、少なくともxまたはy=1で、x+y
≦2である。)の化合物の存在下で共重合体の製造を行
うことにより達成できる。その様な目的には、ヨーロッ
パ特許出願第407,937号により、アルカリまたは
アルカリ土類金属のヨウ化物および/または臭化物も使
用できる。 本発明のもう一つの目的は、下記のモノマー単位のモル
組成 (III) VDF 70〜98% HFPおよび/またはPAVE 0〜16% 組成物(I)で定義した 少なくとも1種のオレフィン誘導体 1〜30% を有するプラストマー性フッ素化共重合体である。
(I)、(II)および(III) で定義したエラストマー共重
合体およびプラストマー共重合体の製造方法である。該
方法では、エマルション中でモノマー混合物を、好まし
くはラジカル反応開始剤の存在下で、所望により還元剤
と組み合わせて、 a)重合反応器中で液相と接触する気相中のオレフィン
モノマーのモル濃度が、0〜重合が開始した時に決定さ
れるオレフィンの平衡濃度であるか、あるいは重合速度
が、少なくとも5、好ましくは少なくとも20に等しい
ムーニー粘度(1+10、121℃)値に対応する分子
量を有する共重合体を製造する様な速度である場合、該
平衡値よりも高く、 b)少なくとも、得られる共重合体のオレフィンモノマ
ー含有量が5モル%を超える重合条件下で、重合媒体中
にペルフルオロポリオキシアルキレンおよび水からなる
マイクロエマルションが存在する条件下で従来技法によ
り重合させる。
水からなるマイクロエマルションは、この分野では公知
であり、例えばヨーロッパ特許出願第250,766
号、第280,312号および第315,078号に記
載されている。その様なマイクロエマルションの存在下
でフッ素化モノマーを共重合させる方法は、例えばヨー
ロッパ特許出願第250,767号に記載されている。
ルションを反応器中に導入し、オレフィンモノマーを含
んでいてもいなくてもよいモノマー混合物に圧力をかけ
る。先に述べた様に、この反応器に導入する工程でオレ
フィンモノマーが存在する場合、そのオレフィンモノマ
ーは、上記の(a)項に示す条件を満たす様な濃度にな
ければならない。反応器に入れた後、モノマーを重合条
件下に置き、反応が開始したら直ちに反応器に、所望の
組成を有する共重合体を得るのに適した比率でオレフィ
ンモノマーを含むモノマー混合物を導入する。反応が開
始する瞬間は、反応器中の圧力が低下することから分か
る。
の様に、反応媒体中のモノマーの溶解度およびそれらの
反応性により異なるが、当業者ならその様な値を決定す
ることができる。その上、当業者は、上記の(a)項に
記載する条件に注意しながら、共重合体に望ましい反応
速度と分子量の最適な組合わせを得るのに適したオレフ
ィン濃度値を決定することができる。
エチレンを含む本発明の共重合体に関しては、最初に反
応器中に、存在する他のすべてのモノマーに対して1モ
ル%までの、好ましくは0〜0.5モル%の濃度で気相
中にエチレンを含む状態で反応を開始することができ
る。10モル%を超えるエチレンを有する共重合体で
は、エチレン濃度は他のモノマーに対して0〜4モル
%、好ましくは0〜2モル%にすることができるが、高
濃度値は、反応時間の増加および共重合体の分子量低下
につながるので、有利ではない。
〜150℃の温度および10Mpa までの圧力で行う。反
応媒体は、例えばペルフルオロオクタン酸アンモニウム
の様な界面活性剤、ならびにフッ素化エラストマー共重
合体およびフッ素化プラストマー共重合体の製造に適し
ていることが分かっている他の添加剤を含むことができ
る。モノマー混合物と共に、すでに説明した様に、少量
の臭素化および/またはヨウ素化したモノマー、および
/またはヨウ素化および/または臭素化した連鎖移動
剤、および/またはアルカリまたはアルカリ土類金属の
ヨウ化物および/または臭化物を供給することができ
る。
物の他に、アルカリまたはアンモニウムの過硫酸塩、過
リン酸塩、過ホウ酸塩、および過単酸塩を、所望により
アルカリまたはアンモニウムの亜硫酸塩、重硫酸塩、次
亜硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、の様な還元剤、
または第一鉄塩、第一銅塩、銀塩または他の容易に酸化
し得る金属の塩と組み合わせて使用することができる。
以下に実施例により本発明を説明する。
水からなるマイクロエマルションの製造 攪拌機を備えたガラス容器中で、穏やかに攪拌しなが
ら、式 (式中、n/m=10)の、平均分子量が600である
化合物14.5mlを、30容量%のNH4 OH14.5
mlと混合した。次いで、脱イオン水29mlを加えた。得
られた溶液に、式 (式中、n/m=20)の、平均分子量が450である
化合物8.9mlを加えた。85℃に加熱することによ
り、透明で、熱力学的に安定した溶液の外観を有するマ
イクロエマルションが得られた。
器を使用した。真空にした後、水6,500gを供給
し、モル組成 VDF 51.5% HFP 48.0% ET(エチレン) 0.5% を有するモノマー混合物により加圧した。運転温度は8
5℃で、圧力は30相対バールであった。次いで、85
℃に加熱した上記のマイクロエマルション全量を加え、
続いて水に溶解させた過硫酸アンモニウム(APS)1
9.5gを重合開始剤として加えた。重合中、下記の組
成でモノマーを供給することにより、圧力を一定に維持
した。 VDF 75.0% HFP 20.0% ET 5.0% 62分後、重合体3,100gが得られた。反応器を室
温に冷却し、エマルションを排出し、硫酸アルミニウム
水溶液を加えて凝固させた。重合体を分離し、水洗し、
空気循環炉中、60℃で24時間乾燥させた。重合体の
定性および定量組成に関するデータ、Tg値、およびム
ーニー粘度値を表1に示す。加硫組成物の特性を表2に
示し、加硫物の特性を表3に示し、塩基(ベンジルアミ
ン)を含むオイルに対する加硫物の耐性を表4に示す。
成 VDF 46.5% HFP 53.0% ET 0.5% を有するモノマー混合物を供給して加圧した。運転温度
は85℃で、圧力は30相対バールであった。マイクロ
エマルションおよびAPSを実施例1と同様に加えた。
重合中、下記の組成でモノマーを供給することにより、
圧力を一定に維持した。 VDF 70.0% HFP 20.0% ET 10.0% 246分後、重合体3,180gが得られた。得られた
重合体の特性に関するデータを表1〜4に示す。
加圧した以外は、実施例1と同様に操作した。 VDF 40.0% HFP 58.0% ET 2.0% 最初にAPS19.5gを供給し、次いでその化合物
9.75gをそれぞれ1時間、2時間、3時間および4
時間の反応時間の後で供給した。重合中、下記の組成の
モノマーを供給することにより、圧力を一定に維持し
た。 VDF 60.0% HFP 20.0% ET 20.0% 262分の重合時間の後、重合体1,870gが得られ
た。得られた重合体の特性を表1〜3に示す。
を溶解させたASTM3オイルを使用し、試料/オイル
体積比1/10で、重合体標準試料(プレス中、170
℃で10分間加硫し、炉中、230℃で8+16時間後
処理した)の試験片タイプDIN S2をそのオイル中
に160℃で3日間浸漬して測定した。その様な処理後
の重合体の特性を表4に示す。メタノールに対する耐性
Claims (6)
- 【請求項1】モノマー単位のモル組成が −VDF 47〜80% −HFPおよび/またはPAVE 16〜30% −下記一般式を有する、 少なくとも1種のオレフィン誘導体 2〜25% CH2 =CR’R” (式中、 R’=HまたはCH3 であるが、ただしR’=Hである
場合、R”はH、1〜5個の炭素原子を有するアルキ
ル、1〜5個の炭素原子を有するペルフルオロアルキ
ル、または−CN、−COOH、フェニル、所望により
過フッ素化されたエーテル基であり、R’=CH3 であ
る場合、R”は基 【化1】 である。)のオレフィンを意味する。であることを特徴
とするフルオロエラストマー共重合体。 - 【請求項2】オレフィン誘導体が4〜15モル%の量で
存在することを特徴とする、請求項1に記載の共重合
体。 - 【請求項3】モノマー単位のモル組成が −VDF 42〜80% −PAVE 16〜30% −下記一般式を有する、 少なくとも1種のオレフィン誘導体 2〜30% CH2 =CR’R” (式中、 R’=HまたはCH3 であるが、ただしR’=Hである
場合、R”はH、1〜5個の炭素原子を有するアルキ
ル、1〜5個の炭素原子を有するペルフルオロアルキ
ル、または−CN、−COOH、フェニル、所望により
過フッ素化されたエーテル基であり、R’=CH3 であ
る場合、R”は基 【化2】 である。)であることを特徴とするフルオロエラストマ
ー共重合体。 - 【請求項4】オレフィン誘導体が4〜15モル%の量で
存在することを特徴とする、請求項3に記載の共重合
体。 - 【請求項5】モノマー単位のモル組成が −VDF 70 〜 98% −HFPおよび/またはPAVE 0%を超え16%以下 −下記一般式を有する、 少なくとも1種のオレフィン誘導体 1 〜 30% CH2 =CR’R” (式中、R’=HまたはCH3 であるが、ただしR’=
Hである場合、R”はH、1〜5個の炭素原子を有する
アルキル、1〜5個の炭素原子を有するペルフルオロア
ルキル、または−CN、−COOH、フェニル、所望に
より過フッ素化されたエーテル基であり、R’=CH3
である場合、R”は基 【化3】 である。)であることを特徴とするフルオロプラストマ
ー共重合体。 - 【請求項6】請求項1〜4のいずれか1項に記載のフル
オロエラストマー共重合体から製造されたOリング。
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