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JP3418921B2 - カラーフィルター用着色組成物、およびそれを使用したカラーフィルター、液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルター用着色組成物、およびそれを使用したカラーフィルター、液晶表示装置

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Publication number
JP3418921B2
JP3418921B2 JP2000000342A JP2000000342A JP3418921B2 JP 3418921 B2 JP3418921 B2 JP 3418921B2 JP 2000000342 A JP2000000342 A JP 2000000342A JP 2000000342 A JP2000000342 A JP 2000000342A JP 3418921 B2 JP3418921 B2 JP 3418921B2
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JP
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pigment
color filter
yellow
surface area
specific surface
Prior art date
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JP2000000342A
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拓生 渡辺
孝義 赤松
益市 江口
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2000000342A priority Critical patent/JP3418921B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルター
用着色組成物、および、それを使用したカラーフィルタ
ー、液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置をカラー化するために、3
原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)もしくはY
(黄)、M(マゼンダ)、C(シアン)の画素を、ライ
ン状またはモザイク状に配置したカラーフィルターが用
いられている。現在カラーフィルターの製法は顔料分散
法が主流となっている。顔料分散法には、感光アクリル
法、非感光ポリイミド法などがある。現在広く普及して
いるTFT(薄膜トランジスター)カラー液晶ディスプ
レイは、カラーフィルターが形成された透明ガラス基板
とTFTが形成された透明ガラス基板の間に液晶を封入
したパネルと、バックライトと称される光源から構成さ
れる。バックライトから発する光が液晶パネルを通る
際、その透過率を液晶への印可電圧により制御すること
によって画像が表示される。各画素の顔料はバックライ
トと液晶表示素子の光線透過特性に合うように選択され
る。例えばR、G画素は2種類以上の顔料を一定の割合
で調色して用いられることが多い。R画素の場合は赤顔
料に加え、黄顔料、橙顔料を1種類以上選び、一定の割
合で調色して用いられる。同様に、G画素も緑顔料に加
え、黄顔料、橙顔料を1種類以上選び、一定の割合で調
色して用いられる。一般に黄顔料は分散性に問題がある
とされており、分散性不良で画素内に残った比較的大き
な顔料凝集粒子が偏光を散乱して消偏させ、液晶表示装
置のコントラストを低下させることがあった。これに対
して、特開平8−295808号公報、特開平8−29
5809号公報では、黄顔料を微細化することによっ
て、これを添加したR画素、G画素用着色組成物の分散
性を改良できることが指摘されている。また、特開平9
−197118号公報では、黄顔料の粒子径とR画素の
コントラストの関係について検討され、黄顔料が微細で
あるほど分散性が良好でコントラストが大きいことが示
されている。上記の例では、黄顔料が微細であるほどG
画素やR画素の分散性が良好でコントラストが高いこと
を示しているが、本発明者らは黄顔料の微細化の効果に
ついて詳細に調べ、黄顔料の微細化に対して画素のコン
トラストが単調に改善されるわけではなく、すなわち、
黄顔料の微細化に対して画素のコントラストの改善に飽
和点があることを見出した。黄顔料の微細化は多大なエ
ネルギーと時間を要するため、必要以上の微細化は好ま
しくない。微細化を進めすぎると再凝集力の増大でかえ
ってコントラストが低下する場合もある。
【0003】また、TEMで観察した顔料の粒子サイズ
と画素のコントラストとの関係にはっきりした相関が見
出されず、同じ粒子サイズのように見える顔料間でもコ
ントラストがかわることがわかった。
【0004】本発明者らは、顔料の微細化と画素のコン
トラストとの関係について詳細に検討した結果、顔料の
比表面積とコントラストとの間にはっきりした相関があ
ることがわかり、ある範囲の比表面積を持つ顔料を用い
ることにより画素のコントラストを高くすることができ
ることを発見した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点に鑑み創案されたもので、その目的とすると
ころは、分散性に優れた黄顔料を含む着色組成物を提供
し、コントラストが高く表示性能に優れたカラーフィル
ターを作成することにある。さらに、コントラストが大
きいカラーフィルターを用いて、表示性能に優れた液晶
表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
少なくとも顔料と、ポリマーと、溶剤とから構成される
カラーフィルター用着色組成物において、該顔料成分中
の黄顔料の含有量が30重量%以上であり、かつ、該黄
顔料の比表面積が70〜120m2/gであり、かつ、
緑顔料の比表面積は、該黄顔料の比表面積よりも小さ
い、および/または、56m2/g以下であることを特
徴とするカラーフィルター用着色組成物により達成され
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における黄顔料は、黄顔料
を含んでいればいずれの色の画素にも適用できるが、黄
顔料の含有量の高いG画素用着色組成物、R画素用着色
組成物または、Y画素用着色組成物に対して有効であ
り、特に黄顔料の添加量が多くなるG画素で効果が大き
い。G画素には主に緑顔料と黄顔料が用いられて調色さ
れ、バックライトの光線透過特性に合うように緑顔料と
黄顔料の組成比を変えて調色される。G画素の色特性
は、色度yが大きいほど色が濃くなり、色再現性が高く
なる。また、色度xは黄顔料の含有量によって変化し、
xが大きいほど黄色味が大きくなり、xが小さいほど黄
色味が小さくなる。液晶表示装置において、R画素、G
画素、B画素を同時に点灯させて白表示した時の色度
(ホワイトバランス)は重要であり、各画素において
も、それぞれ目的とする色度範囲に合わせる必要があ
る。
【0008】例えば、モニター用途やテレビ用途の液晶
表示装置に用いるカラーフィルターのG画素は、該色度
yがC光源で0.570以上である必要があり、さらに
該色度xも、例えば、yが0.580の時、xは0.2
70以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.
270〜0.340の範囲、最も好ましくは0.272
〜0.320の範囲である。また、明度を表すY値も5
3以上であることが好ましく、さらに好ましくは53.
5以上であり、最も好ましくは54.0以上である。し
たがって本発明のG画素において目的の色特性を達成す
るためには、黄顔料は全顔料成分中の30重量%以上添
加されることが好ましく、さらに好ましくは30〜60
重量%であり、最も好ましくは30〜55重量%であ
る。含有量が30重量%未満だと目的とするG画素の色
特性を達成することができず、カラーフィルターの表示
品位、さらには液晶表示装置の表示品位を低下させてし
まうことになる。
【0009】本発明の黄顔料は比表面積が70m2/g
以上であることが重要である。該比表面積が70m2
g未満であると、該黄顔料を採用した着色膜のコントラ
ストが800以上にならず、カラーフィルターの性能と
して不満足なものとなる。ここでコントラストとは、2
枚の偏光板の偏光方向を平行にして被測定物を挟み込ん
だときの透過光強度を2枚の偏光板の偏光方向を垂直に
して被測定物を挟み込んだときの透過光強度で除したも
のであり、消偏性とも呼ばれる。全顔料中の黄顔料の含
有量は着色膜のコントラストに大きく影響する。黄顔料
の含有量が多いほど、コントラストは低下する傾向にな
るが、該黄顔料の比表面積を大きくすることによるコン
トラスト向上の効果は大きくなる。本発明においては全
顔料中の黄顔料の含有量が30重量%になると、比表面
積の効果が顕著に現れる。一方、黄顔料の含有量が30
重量%未満では黄顔料の比表面積の差は着色膜のコント
ラストにあまり影響を与えない。また、黄顔料の含有量
がさらに多くなると効果はより大きく現れる。
【0010】全顔料中の黄顔料の含有量が30以上40
重量%未満の範囲では、比表面積は70m2/g以上で
あることが重要である。コントラストは1000以上で
あることがより好ましいので、比表面積は74m2/g
以上であることがさらに好ましく、78m2/g以上で
あることが最も好ましい。また、全顔料中の黄顔料の量
比が40重量%以上では、30以上40重量%未満の範
囲にある場合に比べて黄顔料の性能がより顕著に反映さ
れる傾向があるので、比表面積は72m2/g以上であ
ることが好ましい。さらには比表面積は76m2/g以
上であることが好ましく、80m2/g以上であること
が最も好ましい。
【0011】一方で、比表面積が大きくなりすぎると分
散性が悪化し、顔料の再凝集による分散液の安定性の悪
化、コントラストの低下などの弊害が起こる。比表面積
が120m2/gを越えると特に分散性が低下する。ま
た、顔料の微細化には多大なエネルギーと時間を要する
ということもあるので、必要以上の微細化は好ましくな
い。したがって本発明の黄顔料の比表面積は120m2
/g以下であることが重要である
【0012】上記黄顔料の微細化は黄顔料の合成条件制
御や合成後のソルトミリングなどの方法により行うこと
ができる。ソルトミリングについて具体的に説明する。
有機顔料と水溶性の無機塩(A)の混合物に潤滑剤とし
て少量の水溶性の有機溶剤(B)を加え、ニーダー等で
強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイス
ピードミキサー等で撹拌しスラリー状とする。次に、こ
のスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥することに
より、微細化された顔料が得られる。また、ソルトミリ
ング時に上記有機溶剤(B)に少なくとも一部可溶な樹
脂(C)を併用することにより、さらに微細でかつ乾燥
時の顔料の凝集の少ない処理顔料が得られる。ここで用
いられる無機塩(A)は水溶性であれば特に限定されな
いが、コストの点から食塩(塩化ナトリウム)を用いる
のが好ましい。無機塩と顔料の混合比については、顔料
に対する無機塩の量比が多いほど微細化効率が高いが、
1回の顔料の処理量が少なくなる。従って、処理効率と
生産効率の両面から量比を決定する必要があるが、顔料
に対して無機塩を重量比で1倍〜10倍用いるのが好ま
しい。
【0013】有機溶剤(B)は、水溶性でかつ無機塩
(A)を溶解しないものであれば特に限定されないが、
ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状
態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。
例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノ
ール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−
(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコー
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルグリコール、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、
トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリ
エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレング
リコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分
子量ポリプロピレングリコール等が用いられる。
【0014】樹脂(C)は、好ましくは室温で固体で、
非水溶性で、かつソルトミリング時の潤滑剤に用いる水
溶性有機溶剤(B)に少なくとも1部可溶である必要が
あり、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で
変性された合成樹脂等が用いられる。天然樹脂としては
ロジンが代表的であり、変性天然樹脂としては、ロジン
誘導体、繊維素誘導体、ゴム誘導体、タンパク誘導体お
よびそれらのオリゴマーが挙げられる。合成樹脂として
は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ブ
チラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。天然樹
脂で変性された合成樹脂としては、ロジン変性マレイン
酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
【0015】本発明で用いられる黄顔料は、該黄顔料を
用いた着色膜の色特性がより高色純度で高透過な特性と
なるような顔料であり、かつ耐熱性、耐光性に優れた顔
料であることが望ましく、キノフタロン系顔料、イソイ
ンドリン系顔料、ニッケルアゾ錯体系顔料、メチン・ア
ゾメチン系顔料以外にイソインドリノン系顔料などが好
ましく用いられる
【0016】具体的な例として、キノフタロン系顔料と
してはピグメントイエロー(PY−)138などが上げ
られる。イソインドリン系顔料としてはピグメントイエ
ロー(PY−)139、185が上げられる。イソイン
ドリノン系顔料としてはピグメントイエロー(PY−)
109、110、173などが上げられる。ニッケルア
ゾ錯体系顔料としてはピグメントイエロー(PY−)1
50、153などが上げられる。メチン・アゾメチン系
顔料としてはピグメントイエロー(PY−)117、1
29が上げられる。
【0017】この中でも、ピグメントイエロー(PY
−)138はより高色純度で高透過の着色膜を形成する
ことができ、さらに、着色膜の複屈折率(△n)を低減
させる効果も有る。特に、複屈折性の高いポリイミドを
着色膜の樹脂に用いた場合の黄顔料としてより好ましく
用いることができる。
【0018】本発明においては、色特性を損なわない範
囲で他の黄顔料を添加しても良い。代表的な他の黄顔料
の例としては、上記黄顔料以外に、ピグメントイエロー
(PY−)12、13、17、20、24、83、8
6、93、94、95、125、137、147、14
8、154、166などが挙げられる。本発明ではこれ
らに限定されずに種々の顔料を使用することができる。
上記顔料は必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩
基性基処理、顔料誘導体処理などの表面処理が施されて
いるものを使用しても良い。
【0019】ピグメントイエロー(PY−)138にピ
グメントイエロー(PY−)17、83、129、13
9、150、185を少量添加すると、同じ色度の着色
膜を膜厚を薄くして形成することができる。色特性、耐
熱性、耐光性の点から、ピグメントイエロー(PY)−
129、150、185を添加するのが好ましく、さら
には、ピグメントイエロー(PY)−150を添加する
のがより好ましい。また、ピグメントイエロー(PY)
−150等を添加することにより、着色組成物の粘度安
定性が良くなる。
【0020】これらの黄顔料の添加量が多すぎると色特
性の低下、さらにピグメントイエロー(PY−)138
の添加量が減少することにより、着色膜の複屈折率(△
n)が大きくなる。したがって、ピグメントイエローP
Y−150などの黄顔料を添加する場合、その添加量は
全顔料中の1〜25重量%が好ましく、さらに好ましく
は1〜20重量%であり、最も好ましくは1〜15重量
%である。
【0021】G画素にピグメントイエロー(PY−)1
38を用いる場合、緑顔料として、ピグメントグリーン
(PG−)7、10、36、47を用いることができる
が、色特性の点からピグメントグリーン(PG−)36
が好ましく用いられる。G画素の色特性をバックライト
と液晶表示素子の光線透過特性に合うようにするために
は、ピグメントグリーン(PG−36)とピグメントイ
エロー(PY−)138の含有比を調整して調色するこ
とが重要である。この場合、ピグメントイエロー(PY
−)138の含有量は全顔料中の30重量%以上、好ま
しくは30〜60重量%、さらに好ましくは35〜50
重量%である。
【0022】さらに顔料の第三成分としてピグメントイ
エロー(PY−)150を添加すると、同じ色度の着色
膜を膜厚を薄くして形成することができ、また、該緑色
着色組成物の粘度安定性を向上させることができる。こ
の場合、ピグメントイエロー(PY−)150の含有量
は全顔料中の1〜25重量%の範囲で添加するのが好ま
しく、さらに好ましくは1〜20重量%の範囲であり、
最も好ましくは1〜15重量%の範囲である。
【0023】なお、本発明では、緑顔料の比表面積は、
黄顔料の比表面積よりも小さい、および/または56m
2 /gである必要がある。G画素を緑顔料と黄顔料で調
色する場合、緑顔料の比表面積を黄顔料の比表面積より
も小さく設定することにより、G画素のコントラストを
高くでき。これについての詳細なメカニズムは明らか
ではないが、緑顔料が黄顔料の分散助剤として作用する
と考えられ、緑顔料の比表面積が小さい方がより効果的
に黄顔料を微分散化することができると推定される。こ
の時の緑顔料の比表面積は50m2/g以下がより好ま
しく、更に好ましくは45m2/g以下である。又、緑
顔料の比表面積は33m2/g以上であることが好まし
い。
【0024】本発明の黄顔料はR画素にも用いることが
でき、この時用いることのできる赤顔料の具体例として
は、ピグメントレッド(PR−)9、48、97、12
2、123、144、149、166、168、17
7、180、190、192、215、216、21
7、220、223、224、226、227、22
8、240、254などが挙げられる。本発明ではこれ
らに限定されずに種々の顔料を使用することができる。
色特性の点から、ピグメントレッド(PR−)177、
254が好ましく用いられる。上記顔料は必要に応じ
て、ロジン処理、酸性基処理、塩基性基処理、顔料誘導
体処理などの表面処理が施されているものを使用しても
良い。
【0025】本発明で使用する樹脂は顔料を分散保持す
るためのものであり、通常、カラーフィルター用着色組
成物に使用される樹脂であれば特に限定されず、どのよ
うなものも使用が可能である。例えば、アクリル樹脂、
アルキド樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリビニ
ルアルコール、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリウレ
タン、ポリアミドイミド、ポリアミドなど種々の樹脂を
用いることができる。特に、アルカリ水溶液に溶解する
樹脂は現像あるいはエッジング工程で設備を簡略化でき
るので望ましい。アルカリ水溶液に溶解する樹脂のなか
では、カルボキシル基を有する樹脂が好ましく使用さ
れ、具体的にはアクリル樹脂、ポリイミドが耐溶剤性の
点で好ましい。ポリイミドの場合、ポリイミドの前駆体
類が顔料の分散剤として機能するので一層好ましい。ま
た、カラーフィルターの耐熱性の面からも、ポリイミド
の使用が好ましい。
【0026】本発明におけるポリイミドとは、その前駆
体であり、一般式(1)で表される構造単位を主成分と
するポリアミド酸を加熱あるいは適当な触媒により、イ
ミド環や、その他の環状構造を形成したポリマーであ
る。ポリイミド前駆体としてはポリアミド酸の他に、そ
のエステル化合物も通常用いられる。
【0027】ここでポリマーは重量平均分子量が500
0以上の重合体をいう。分子量の調節は酸成分またはジ
アミン成分のいずれかを過剰にするか、単官能性の酸ま
たはアミン成分を添加することにより実施される。単官
能性の酸またはアミン成分の例として、モノカルボン
酸、カルボン酸二無水物、モノアミンが使用される。具
体例として、安息香酸、無水フタル酸、テトラクロロ無
水フタル酸、無水マレイン酸、アニリンなどがあげられ
るが、これらに限定されない。
【0028】
【化1】
【0029】上記一般式(1)において、R1 がテトラ
カルボン酸残基を表し、R2 がジアミン残基を表す。酸
二無水物の例としては、3,3´,4,4´−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビ
フェニルトリフルフォロプロパンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二
無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、3,3″,4,4″−パラタ−フェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3″,4,4″−メタタ−フェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、4,4´−(ヘキサフル
オロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、1,2,3,
4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,5−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,4,5−ビシクロヘキセンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸
二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5
−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)
−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンなどが挙
げられるが、これらに限定されない。
【0030】ジアミンの例としては、4,4´−ジアミ
ノジフェニルスルホン、3,3´−(または4,4´)ジ
アミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニ
ルサルファイド、2,5−ジアミノトルエン、o−トリ
ジン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]エ−テル、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン1,3−(または1,4)ジアミノシクロヘキサン、
4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキシ
ルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシ
クロヘキシル、4,4´−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−
ジアミノジフェニルエーテルなどが挙げられ、これらに
限定されない。
【0031】さらに、基板との接着性を向上させるため
に、耐熱性を低下させない範囲でジアミン成分として、
シロキサン構造を有するビス(3−アミノプロピル)テ
トラメチルジシロキサンを共重合してもよい。シロキサ
ンジアミンは通常、全ジアミン中の1〜20モル%量用
いる。シロキサンジアミンの量が少なすぎれば接着性向
上効果が発揮されず、多すぎれば耐熱性が低下する。本
発明はこれらに限定されずにシロキサンジアミンを1種
または2種以上用いられる。
【0032】これらのポリアミド酸は公知の方法すなわ
ち、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを選択的に組
み合わせ、溶媒中で反応させることにより合成される。
通常ポリアミド酸合成の溶媒としてN−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミドなどのアミド系極性溶媒、また、ラ
クトン系極性溶媒を混合して使用することもできる。ラ
クトン類以外の溶媒としては上記アミド系極性溶媒の他
にメチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルカルビ
トール、エチルカルビトールなどを挙げることができ
る。
【0033】ラクトン類とは脂肪族環状エステルで炭素
数3〜12の化合物をいう。具体的な例として、β−プ
ロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラク
トン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−
カプロラクトンなどが挙げられるがこれらに限定されな
い。とくにポリアミック酸の溶解性の点で、γ−ブチロ
ラクトンが好ましい。
【0034】本発明のカラーフィルターの着色層を形成
するのに用いる着色ペーストにおいて、ポリアミド酸と
顔料(もしくは遮光剤)は、通常、重量比で1:9〜
9:1、好ましくは2:8〜8:2、より好ましくは
3:7〜7:3の範囲で混合して用いられる。ポリアミ
ック酸の量が少なすぎると、着色被膜と基板との接着性
が不良となり、逆に顔料の量が少なすぎると着色度が問
題となる。また、該ペーストにおいては、塗工性、乾燥
性などの観点から、ポリアミック酸、顔料をあわせた固
形分濃度は、2〜30%、好ましくは3〜25%、さら
に好ましくは5〜20%の範囲で使用する。
【0035】これらの顔料はポリアミド酸溶液と混合す
ることにより、着色液を得る。この場合、顔料はポリア
ミド酸溶液中で分散しても良く、あるいは顔料をあらか
じめ溶媒で分散後、ポリアミド酸溶液と混合しても良
い。これら製造方法の選択については、顔料の種類によ
り、適宜、適当なものを選ぶことが好ましい。また、顔
料の分散方法は特に限定されず、ボールミル、サンドグ
ラインダー、3本ロールミル、高速度衝撃ミルなど、種
々の方法がとりうる。
【0036】上記着色ペーストに用いられる溶媒に特に
制限はない。水および一般的な有機溶媒を用いることが
できる。画素のマトリクスの成分としてポリイミドを用
いる場合、着色ペーストに用いられる溶媒はポリアミド
酸を溶解する溶媒であることが望ましい。ポリアミド酸
を溶解する溶媒としては、N、N−ジメチルアセトアミ
ド、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、γ
−ブチロラクトンなどのラクトン類、2−ピロリドン、
N−メチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類などの
極性有機溶媒が挙げられる。また、通常、単独ではポリ
アミド酸を溶解しない、エタノール、ブタノール、イソ
プロパノールなどのアルコール類、メチルセルソルブ、
エチルセルソルブなどのセルソルブ類、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルなどのプロピレングリコール
誘導体類等の有機溶剤をポリアミド酸を溶解する溶媒と
混合して用いることができる。
【0037】本発明のペーストには、塗布性、着色被膜
の乾燥性の改良、あるいは、顔料(もしくは遮光剤)の
分散性を良好にする目的で、本発明のペーストに界面活
性剤を添加することもできる。界面活性剤の添加量は通
常、顔料の0.001〜10重量%、好ましくは、0.
01〜1重量%である。添加量が少なすぎると塗布性、
着色被膜の乾燥性の改良、あるいは顔料の分散性の改良
の効果がなく、多すぎると逆に塗布性が不良となった
り、顔料の凝集が起こる。界面活性剤の具体例として
は、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオ
ン界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリル
トリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン界面
活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリル
カルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタ
インなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリ
ルエ−テル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、
ソルビタンモノステアレートなどの非イオン界面活性剤
などが挙げられる。本発明ではこれらに限定されずに、
界面活性剤が1種または2種以上用いることができる。
界面活性剤の添加は、顔料の分散工程中またはその工程
前後のどの時点でも行うことができる。しかし、添加の
時点により顔料の分散性が変わる場合があるので、注意
を要する。
【0038】次に本発明のカラーフィルターの製造使用
方法の一例について説明する。基板上にポリイミド前駆
体と顔料から構成されてなる着色液で着色塗膜を形成す
る。基板としては通常、ソーダガラス、無アルカリガラ
ス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどが用いられる
が、これらに限定されない。塗布はスピンナー、スプレ
ー塗布、浸漬、ロールコーティング、バーコーティン
グ、ダイコーティングなどの方法が用いられる。乾燥
は、オーブン、ホットプレート、赤外線を使用し、50
〜180℃の範囲で数秒〜数時間行なうのが好ましい。
この上にパターン形成用のフォトレジストを塗布し、フ
ォトレジスト層を形成する。続いて露光装置を用い、該
フォトレジスト層被膜上にマスクを置き、化学線を照射
し、露光する。化学線としては紫外線、可視光線、電子
線、X線が例としてあげられるが、紫外線、可視光線が
好ましい。ポジ型フォトレジストを用いた場合には露光
後、該ポジ型フォトレジストの現像液で、フォトレジス
ト層の現像、ポリイミド前駆体の着色塗膜のエッチング
を同時に行う。エッチング後不要となった該フォトレジ
スト層を剥離する。通常、剥離はアセトン、セロソルブ
系などの溶剤が使用される。ポリイミド前駆体の着色塗
膜を熱処理し、着色塗膜のパターン加工を終える。熱処
理は温度を選び、段階的に昇温するかある温度範囲を選
び連続的に昇温しながら5分〜5時間実施する。この熱
処理の最高温度は、180〜400℃、好ましくは、1
80〜350℃で行うのがよい。例えば、130℃、2
00℃、300℃で各々30分熱処理する。また、室温
から300℃まで2時間かけて直線的に昇温してもよ
い。
【0039】以上の工程を赤、緑、青の3色の着色組成
物、または、黄、シアン、マゼンダおよび必要に応じて
ブラックマトリクス(黒)について繰り返す。必要に応
じてアクリルポリマー、ポリシロキサン、ポリイミドな
どからなるオーバーコート膜を形成し、ITOなどの金
属酸化膜をスパッタすることにより、カラーフィルター
が作成できる。
【0040】本発明の液晶表示装置においては、本発明
のカラーフィルターを使用することが好ましい。本発明
のカラーフィルターは液晶を挟み込む透明基板のどちら
側に形成されても良い。すなわち、カラーフィルターを
TFTなどの能動素子が形成された基板側に作成する構
成(カラーフィルター・オン・アレイ:COA)にも採
用することができる。また、バックライトを備えた透過
型液晶表示装置だけでなく、外光を反射して使用する反
射型液晶表示装置にも採用することができる。
【0041】本発明の液晶表示装置の製造使用方法の一
例について説明する。ガラス上にTFTアレイを形成し
た基板を洗浄した後、配向膜を塗布、加熱する。その
後、直径5.5μmの球状スペーサーを散布し、前記カ
ラーフィルター基板と重ね合わせ、オーブン中で加圧し
ながら160℃で90分間加熱して、シール剤を硬化さ
せた。このセルに液晶注入を行った後、紫外線硬化樹脂
により液晶注入口を封口した。次に、偏光板をセルの2
枚のガラス基板の外側に貼り付け、さらに、得られたセ
ルをモジュール化して、液晶表示装置を完成させた。
【0042】本発明の液晶表示装置は、パソコン、ワー
ドプロセッサー、エンジニアリング・ワークステーショ
ン、ナビゲーションシステム、テレビ、ビデオなどの表
示に用いられ、光変調素子としても利用可能である。
【0043】本発明の液晶表示装置においては、色特性
が良く、コントラストの高い表示を行うことが可能とな
る。特に、モニター用またはテレビ用の液晶表示装置で
は、コントラストは400以上であることが好ましい。
【0044】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。また、実施
例における測定法は以下の通りである。
【0045】<比表面積>日本ベル(株)製、高精度全
自動ガス吸着装置“BELSORP 36”を用い、1
00℃で脱気前処理の後、N2、77Kの吸着等温線を
測定した。該等温線にBET多分子層吸着理論を適用し
て比表面積を求めた。
【0046】<粘度、降伏値>東機産業(株)製、R5
00型粘度計により測定した。粘度はずり応力(s)とず
り速度(D)の比から、また、降伏値(Sc)はCasso
nプロット(式(1))より求めた。 √s = √Sc + √ηcD (1) なお、ここでηcはCasson粘度を表す。
【0047】<色度>大塚電子(株)製、“MCPD2
000”にて測定した。
【0048】<膜厚>東京精密(株)製、“サーフコム
1500A”にて測定した。
【0049】<複屈折率(△n)>屈折率nTE、nTM
は、メトリコン製 プリズムカプラ測定装置“PC−2
000”で、540nmで測定し、これから複屈折率
(△n)を計算した。 nTE:薄膜のTE方向(膜面と平行な方向)の屈折率 nTM:薄膜のTM方向(膜面と垂直な方向)の屈折率 複屈折率Δn=nTE−nTM 実施例におけるポリアミド酸の原料および溶媒は以下の
通りである。 BTDA:3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物 PMDA:ピロメリット酸二無水物 DAE:ジアミノジフェニルエ−テル DDS:3,3´−ジアミノジフェニルスルホン SiDA:ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチル
シロキサン MA:無水マレイン酸 NMP:N−メチル−2−ピロリドン γ−BL:γ−ブチロラクトン MMB:3−メチル−3−メトキシブタノール。
【0050】A.ポリアミド酸溶液の合成 参考例1 温度計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱・冷
却装置、および、攪拌装置を付した反応釜に、DAE 1
50.0g(0.75mol)、DDS 49.6g(0.20mol)、SiDA
12.4g(0.05mol)をγ−BL 2730gと共に仕込み、BT
DA 161.0g(0.50mol)、PMDA 106.8g(0.49mol)を
添加し、60℃で5時間反応させた後、MA1.96g(0.02
mol)を添加し、さらに60℃で1時間反応させた後、粘
度15ポアズ(25℃)の15%ポリアミド酸溶液(P
I−1)を得た。
【0051】B.ピグメントイエローPY−138のソ
ルトミリングによる微細化 参考例2 PY−138(A)(比表面積:64m2/g) 250.0g、
塩化ナトリウム 700g、ロジン変性マレイン酸樹脂 107
g、およびポリエチレングリコール 160gを仕込み、3本
ロールミルで1時間混練した。次に、この混合物を約3
Lの温水に投入し、80℃に加熱しながらハイスピード
ミキサーで1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、
水洗して塩化ナトリウムおよびポリエチレングリコール
を除き、60℃の熱風オーブンで24時間真空乾燥して
処理顔料PY−138(B)を得た。得られたPY−13
8(B)の比表面積は72m2/gであった。
【0052】参考例3 PY−138(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで3時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−138(C)
を得た。得られたPY−138(C)の比表面積は77m
2/gであった。
【0053】参考例4 PY−138(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで5時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−138(D)
を得た。得られたPY−138(D)の比表面積は85m
2/gであった。
【0054】参考例5 PY−138(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで8時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−138(E)
を得た。得られたPY−138(E)の比表面積は107
2/gであった。
【0055】参考例6 PY−138(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで12時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−138(F)
を得た。得られたPY−138(F)の比表面積は126
2/gであった。
【0056】C.ピグメントイエローPY−150のソ
ルトミリングによる微細化 参考例7 PY−150(A)(比表面積:67m2/g) 250.0g、
塩化ナトリウム 700g、ロジン変性マレイン酸樹脂 107
g、およびポリエチレングリコール 160gを仕込み、3本
ロールミルで1時間混練した。次に、この混合物を約3
Lの温水に投入し、80℃に加熱しながらハイスピード
ミキサーで1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、
水洗して塩化ナトリウムおよびポリエチレングリコール
を除き、60℃の熱風オーブンで24時間真空乾燥して
処理顔料PY−150(B)を得た。得られたPY−15
0(B)の比表面積は72m2/gであった。
【0057】参考例8 PY−150(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで3時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−150(C)
を得た。得られたPY−150(C)の比表面積は78m
2/gであった。
【0058】参考例9 PY−150(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで5時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−150(D)
を得た。得られたPY−150(D)の比表面積は84m
2/gであった。
【0059】参考例10 PY−150(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで8時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−150(E)
を得た。得られたPY−150(E)の比表面積は90m
2/gであった。
【0060】D.ピグメントイエローPY−129のソ
ルトミリングによる微細化 参考例11 PY−129(A)(比表面積:65m2/g) 250.0g、
塩化ナトリウム 700g、ロジン変性マレイン酸樹脂 107
g、およびポリエチレングリコール 160gを仕込み、3本
ロールミルで1時間混練した。次に、この混合物を約3
Lの温水に投入し、80℃に加熱しながらハイスピード
ミキサーで1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、
水洗して塩化ナトリウムおよびポリエチレングリコール
を除き、60℃の熱風オーブンで24時間真空乾燥して
処理顔料PY−129(B)を得た。得られたPY−12
9(B)の比表面積は73m2/gであった。
【0061】参考例12 PY−129(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで3時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−129(C)
を得た。得られたPY−129(C)の比表面積は79m
2/gであった。
【0062】参考例13 PY−129(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで5時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−129(D)
を得た。得られたPY−129(D)の比表面積は87m
2/gであった。
【0063】参考例14 PY−129(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで8時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−129(E)
を得た。得られたPY−129(E)の比表面積は105
2/gであった。
【0064】E.ピグメントイエローPY−139のソ
ルトミリングによる微細化 参考例15 PY−139(A)(比表面積:63m2/g) 250.0g、
塩化ナトリウム 700g、ロジン変性マレイン酸樹脂 107
g、およびポリエチレングリコール 160gを仕込み、3本
ロールミルで1時間混練した。次に、この混合物を約3
Lの温水に投入し、80℃に加熱しながらハイスピード
ミキサーで1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、
水洗して塩化ナトリウムおよびポリエチレングリコール
を除き、60℃の熱風オーブンで24時間真空乾燥して
処理顔料PY−139(B)を得た。得られたPY−13
9(B)の比表面積は73m2/gであった。
【0065】参考例16 PY−139(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで3時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−139(C)
を得た。得られたPY−139(C)の比表面積は80m
2/gであった。
【0066】参考例17 PY−139(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで5時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−139(D)
を得た。得られたPY−139(D)の比表面積は88m
2/gであった。
【0067】参考例18 PY−139(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで8時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−139(E)
を得た。得られたPY−139(E)の比表面積は106
2/gであった。
【0068】F.ピグメントイエローPY−110のソ
ルトミリングによる微細化 参考例19 PY−110(A)(比表面積:64m2/g) 250.0g、
塩化ナトリウム 700g、ロジン変性マレイン酸樹脂 107
g、およびポリエチレングリコール 160gを仕込み、3本
ロールミルで1時間混練した。次に、この混合物を約3
Lの温水に投入し、80℃に加熱しながらハイスピード
ミキサーで1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、
水洗して塩化ナトリウムおよびポリエチレングリコール
を除き、60℃の熱風オーブンで24時間真空乾燥して
処理顔料PY−110(B)を得た。得られたPY−11
0(B)の比表面積は74m2/gであった。
【0069】参考例20 PY−110(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで3時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−110(C)
を得た。得られたPY−110(C)の比表面積は79m
2/gであった。
【0070】参考例21 PY−110(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで5時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−110(D)
を得た。得られたPY−110(D)の比表面積は87m
2/gであった。
【0071】参考例22 PY−110(A) 250.0g、塩化ナトリウム 700g、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂107g、およびポリエチレングリコ
ール 160gを仕込み、3本ロールミルで8時間混練し
た。次に、この混合物を約3Lの温水に投入し、80℃
に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌して
スラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウムお
よびポリエチレングリコールを除き、60℃の熱風オー
ブンで24時間真空乾燥して処理顔料PY−110(E)
を得た。得られたPY−110(E)の比表面積は103
2/gであった。
【0072】G.緑色着色膜の形成と評価 実施例1〜5 PG−36(比表面積:33m2/g) 56.0g、PY−
138(B)〜(F) 24.0gとγ−BL 920.0gをジルコ
ニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、ミル型分散機を用
い、4200rpmで3時間分散し、8%分散液(GD1〜
5)を得た。
【0073】分散液(GD1〜5)112.5gに、ポリア
ミド酸溶液(PI−1) 67.5gをγ−BL 86.7g、M
MB 33.3gで希釈した溶液を添加混合し、顔料/ポリ
マー比:47/53の緑色着色組成物(GP1〜5)を
調整した。
【0074】緑色着色組成物(GP1〜5)を、膜硬化
後の色度y=0.580となるように、透明基板上にス
ピナー塗布し、120℃で20分間オーブンを用いて空
気中で乾燥した後、280℃で40分間オーブンを用い
て空気中で膜硬化を行い、緑色着色膜を形成した。
【0075】実施例6 PG−36(比表面積:56m2/g) 44.0g、PY−
138(B) 36.0gとγ−BL 920.0gをジルコニアビ
−ズ 1500gとともに仕込み、ミル型分散機を用い、420
0rpmで3時間分散し、8%分散液(GD6)を得た。
【0076】実施例1と同様にして顔料/ポリマー比:
47/53の緑色着色ペースト(GP6)を調整し、緑
色着色膜を形成した。
【0077】実施例7〜11 PG−36(比表面積:33m2/g) 44.0g、PY−
138(B)〜(F) 36.0gとγ−BL 920.0gをジルコ
ニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、ミル型分散機を用
い、4200rpmで3時間分散し、8%分散液(GD7〜1
1)を得た。
【0078】実施例1と同様にして顔料/ポリマー比:
47/53の緑色着色ペースト(GP7〜11)を調整
し、緑色着色膜を形成した。
【0079】比較例1 PG−36(比表面積:33m2/g) 56.0g、PY−
138(A) 24.0gとγ−BL 920.0gをジルコニアビ
−ズ 1500gとともに仕込み、ミル型分散機を用い、420
0rpmで3時間分散し、8%分散液(GD12)を得た。
【0080】実施例1と同様にして顔料/ポリマー比:
47/53の緑色着色ペースト(GP12)を調整し、
緑色着色膜を形成した。
【0081】比較例2 PG−36(比表面積:33m2/g) 44.0g、PY−
138(A) 36.0gとγ−BL 920.0gをジルコニアビ
−ズ 1500gとともに仕込み、ミル型分散機を用い、420
0rpmで3時間分散し、8%分散液(GD13)を得た。
実施例1と同様にして顔料/ポリマー比:47/53の
緑色着色ペースト(GP13)を調整し、緑色着色膜を
形成した。
【0082】比較例3〜5 PG−36(比表面積:33m2/g) 64.0g、PY−
138(A)、(B)、(D) 16.0gとγ−BL 920.0gを
ジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、ミル型分散
機を用い、4200rpmで3時間分散し、8%分散液(GD
14〜16)を得た。実施例1と同様にして顔料/ポリ
マー比:47/53の緑色着色ペースト(GP14〜1
6)を調整し、緑色着色膜を形成した。
【0083】以上、実施例1〜11、比較例1〜5のペ
ースト(GP1〜16)の粘度、降伏値、冷凍(−25
℃)3ヶ月での粘度上昇率を表1に示す。また、形成し
た緑色着色膜の色度、膜厚、コントラスト、複屈折率を
表2に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】PY−138の微細化を進めていくと、P
Y−138の含有量が30重量%では比表面積が77m
2/g以上になるとコントラストは1000以上となり
特に良好であった。また、比表面積が77m2/g以上
ではコントラストの向上幅が小さくなり、比表面積が1
20m2/g以上になると逆にコントラストが低下し、
着色組成物の粘度安定性も悪くなった。PY−138の
含有量が40重量%になると、黄顔料の比率が大きくな
り、コントラストは小さくなる傾向があるが、黄顔料の
比表面積の効果がより顕著に現れた。比表面積が85m
2/g以上になるとコントラストは1000以上となり
特に良好であった。また、比表面積が85m2/g以上
ではコントラストの向上幅が小さくなり、比表面積が1
20m2/g以上になると逆にコントラストが低下し、
着色組成物の粘度安定性も悪くなった。PY−138の
含有量が20重量%だと、緑色着色膜の黄色味が小さ
く、目標とする色度を達成することができなかった。ま
た、黄顔料の比表面積の効果も小さかった。
【0087】また、実施例1と実施例6を比較すると、
PG−36の比表面積が小さい方がコントラストは高く
なった。
【0088】実施例12〜15 PG−36(比表面積:33m2/g) 52.0g、PY−
150(B)〜(E) 28.0gとγ−BL 920.0gをジルコ
ニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、ミル型分散機を用
い、4200rpmで3時間分散し、8%分散液(GD17〜
20)を得た。
【0089】実施例1と同様にして顔料/ポリマー比:
47/53の緑色着色ペースト(GP17〜20)を調
整し、緑色着色膜を形成した。
【0090】実施例16 PG−36(比表面積:56m2/g) 52.0g、PY−
150(B) 28.0gとγ−BL 920.0gをジルコニアビ
−ズ 1500gとともに仕込み、ミル型分散機を用い、420
0rpmで3時間分散し、8%分散液(GD21)を得た。
【0091】実施例1と同様にして顔料/ポリマー比:
47/53の緑色着色ペースト(GP21)を調整し、
緑色着色膜を形成した。
【0092】比較例6 PG−36(比表面積:33m2/g) 52.0g、PY−
150(A) 28.0gとγ−BL 920.0gをジルコニアビ
−ズ 1500gとともに仕込み、ミル型分散機を用い、420
0rpmで3時間分散し、8%分散液(GD22)を得た。
実施例1と同様にして顔料/ポリマー比:47/53の
緑色着色ペースト(GP22)を調整し、緑色着色膜を
形成した。
【0093】以上、実施例12〜16、比較例6のペー
スト(GP17〜22)から形成した緑色着色膜の色
度、コントラストを表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】PY−150についてもPY−138の場
合と同様に、顔料を微細化していくとコントラストが向
上し、比表面積が84m2/g以上になるとコントラス
トは1000以上となり特に良好であった。また、比表
面積が84m2/g以上ではコントラストの向上幅が小
さくなった。
【0096】実施例17〜20 PG−36(比表面積:33m2/g) 44.0g、PY−
138(B)〜(E) 28.0g、PY−150(B)〜(E) 8.
0gとγ−BL 920.0gをジルコニアビ−ズ 1500gとと
もに仕込み、ミル型分散機を用い、4200rpmで3時間分
散し、8%分散液(GD23〜26)を得た。実施例1
と同様にして顔料/ポリマー比:47/53の緑色着色
ペースト(GP23〜26)を調整し、緑色着色膜を形
成した。
【0097】実施例21〜24 PG−36(比表面積:33m2/g) 44.0g、PY−
138(B)〜(E) 20.0g、PY−150(B)〜(E) 1
6.0gとγ−BL 920.0gをジルコニアビ−ズ 1500gと
ともに仕込み、ミル型分散機を用い、4200rpmで3時間
分散し、8%分散液(GD27〜30)を得た。
【0098】実施例1と同様にして顔料/ポリマー比:
47/53の緑色着色ペースト(GP27〜30)を調
整し、緑色着色膜を形成した。
【0099】実施例25 PG−36(比表面積:56m2/g) 44.0g、PY−
138(B) 20.0g、PY−150(B) 16.0gとγ−B
L 920.0gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込
み、ミル型分散機を用い、4200rpmで3時間分散し、8
%分散液(GD31)を得た。
【0100】実施例1と同様にして顔料/ポリマー比:
47/53の緑色着色ペースト(GP31)を調整し、
緑色着色膜を形成した。
【0101】比較例7 PG−36(比表面積:33m2/g) 44.0g、PY−
138(A) 28.0g、PY−150(A) 8.0gとγ−B
L 920.0gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込
み、ミル型分散機を用い、4200rpmで3時間分散し、8
%分散液(GD32)を得た。
【0102】実施例1と同様にして顔料/ポリマー比:
47/53の緑色着色ペースト(GP32)を調整し、
緑色着色膜を形成した。
【0103】比較例8 PG−36(比表面積:33m2/g) 44.0g、PY−
138(A) 20.0g、PY−150(A) 16.0gとγ−B
L 920.0gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込
み、ミル型分散機を用い、4200rpmで3時間分散し、8
%分散液(GD33)を得た。実施例1と同様にして顔
料/ポリマー比:47/53の緑色着色ペースト(GP
33)を調整し、緑色着色膜を形成した。
【0104】以上、実施例17〜25、比較例7、8の
ペースト(GP23〜33)の粘度、降伏値、冷凍(−
25℃)3ヶ月での粘度上昇率を表4に示す。また、形
成した緑色着色膜の色度、膜厚、コントラスト、複屈折
率を表5に示す。
【0105】
【表4】
【0106】
【表5】
【0107】黄顔料にPY−138とPY−150を用
いた場合においても、顔料を微細化していくとコントラ
ストが向上し、比表面積が80m2/g以上になるとコ
ントラストは1000以上となり特に良好であった。ま
た、比表面積が80m2/g以上ではコントラストの向
上幅が小さくなった。また、実施例6〜9に比べて、P
Y−150を加えることにより同じ色度での膜厚を薄く
することができ、さらに、着色組成物の粘度安定性も向
上した。しかし、PY−150を添加して色度をあわせ
ると、PY−138の含有量が減少するため、着色膜の
複屈折率が大きくなった。
【0108】実施例26〜29 PG−36(比表面積:33m2/g) 48.0g、PY−
138(B)〜(E) 28.0g、PY−129(B)〜(E) 4.
0gとγ−BL 920.0gをジルコニアビ−ズ 1500gとと
もに仕込み、ミル型分散機を用い、4200rpmで3時間分
散し、8%分散液(GD34〜37)を得た。実施例1
と同様にして顔料/ポリマー比:47/53の緑色着色
ペースト(GP34〜37)を調整し、緑色着色膜を形
成した。
【0109】比較例9 PG−36(比表面積:33m2/g) 48.0g、PY−
138(A) 28.0g、PY−129(A) 4.0gとγ−B
L 920.0gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込
み、ミル型分散機を用い、4200rpmで3時間分散し、8
%分散液(GD38)を得た。実施例1と同様にして顔
料/ポリマー比:47/53の緑色着色ペースト(GP
38)を調整し、緑色着色膜を形成した。
【0110】以上、実施例26〜29、比較例9のペー
スト(GP34〜38)から形成した緑色着色膜の色
度、コントラストを表6に示す。
【0111】
【表6】
【0112】黄顔料にPY−138とPY−129を用
いた場合においても、顔料を微細化していくとコントラ
ストが向上し、比表面積が80m2/g以上になるとコ
ントラストは1000以上となり特に良好であった。ま
た、比表面積が80m2/g以上ではコントラストの向
上幅が小さくなった。
【0113】実施例30〜33 PG−36(比表面積:33m2/g) 52.0g、PY−
138(B)〜(E) 26.4g、PY−139(B)〜(E)1.6
gとγ−BL 920.0gをジルコニアビ−ズ 1500gとと
もに仕込み、ミル型分散機を用い、4200rpmで3時間分
散し、8%分散液(GD39〜42)を得た。実施例1
と同様にして顔料/ポリマー比:47/53の緑色着色
ペースト(GP39〜42)を調整し、緑色着色膜を形
成した。
【0114】比較例10 PG−36(比表面積:33m2/g) 52.0g、PY−
138(A) 26.4g、PY−139(A) 1.6gとγ−B
L 920.0gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込
み、ミル型分散機を用い、4200rpmで3時間分散し、8
%分散液(GD43)を得た。実施例1と同様にして顔
料/ポリマー比:47/53の緑色着色ペースト(GP
43)を調整し、緑色着色膜を形成した。
【0115】以上、実施例30〜33、比較例10のペ
ースト(GP39〜43)から形成した緑色着色膜の色
度、コントラストを表7に示す。
【0116】
【表7】
【0117】黄顔料にPY−138とPY−139を用
いた場合においても、顔料を微細化していくとコントラ
ストが向上し、比表面積が80m2/g以上になるとコ
ントラストは1000以上となり特に良好であった。ま
た、比表面積が80m2/g以上ではコントラストの向
上幅が小さくなった。
【0118】実施例34〜37 PG−36(比表面積:33m2/g) 52.0g、PY−
138(B)〜(E) 26.4g、PY−110(B)〜(E) 1.
6gとγ−BL 920.0gをジルコニアビ−ズ 1500gとと
もに仕込み、ミル型分散機を用い、4200rpmで3時間分
散し、8%分散液(GD44〜47)を得た。実施例1
と同様にして顔料/ポリマー比:47/53の緑色着色
ペースト(GP44〜47)を調整し、緑色着色膜を形
成した。
【0119】比較例11 PG−36(比表面積:33m2/g) 52.0g、PY−
138(A) 26.4g、PY−110(A) 1.6gとγ−B
L 920.0gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込
み、ミル型分散機を用い、4200rpmで3時間分散し、8
%分散液(GD48)を得た。実施例1と同様にして顔
料/ポリマー比:47/53の緑色着色ペースト(GP
48)を調整し、緑色着色膜を形成した。
【0120】以上、実施例34〜37、比較例11のペ
ースト(GP44〜48)から形成した緑色着色膜の色
度、コントラストを表8に示す。
【0121】
【表8】
【0122】黄顔料にPY−138とPY−110を用
いた場合においても、顔料を微細化していくとコントラ
ストが向上し、比表面積が80m2/g以上になるとコ
ントラストは1000以上となり特に良好であった。ま
た、比表面積が80m2/g以上ではコントラストの向
上幅が小さくなった。
【0123】H.カラーフィルターの作成と液晶表示装
置の作成 実施例38 膜厚1.0μmの樹脂ブラックマトリクスのパターンを
形成した無アルカリガラス基板(厚さ0.7mm)上に
緑色着色組成物(GP2)をスピンコートし、50℃で
10分間、90℃で10分間、110℃で20分間オー
ブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚1.5μmの
ポリイミド前駆体着色膜を得た。この膜上にポジ型フォ
トレジスト(東京応化社製OFPR−800)を塗布
し、80℃で20分間加熱乾燥して1.1μmのレジス
ト膜を得た。キャノン(株)製紫外線露光機PLA−5
01Fを用い、クロム製のフォトマスクを介して、波長
365nmでの強度が50mJ/cm2の紫外線を照射
した。露光後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキ
サイドの2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸漬
し、フォトレジストおよびポリイミド前駆体着色膜の現
像を同時に行った。エッジング後、不要となったフォト
レジスト層をメチルセルソルブアセテートで剥離した。
さらに、このようにして得られたポリイミド前駆体着色
膜を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱処理し、膜厚
1.2μmの緑着色膜のパターンを得た。その後、同様
にして、青色着色組成物、赤色着色組成物のそれぞれ、
膜厚1.2μmパターンを形成した。
【0124】トリメリット酸 65.05gをγ−ブチルラク
トン 280gに溶解した後に、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン 74.95gを添加し、120℃で2時間加熱
した。得られた溶液 20gにビスフェノキシエタノールフ
ルオレンジグリシジルエーテル7g、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル 15gを加えて、室温(約23℃)で
2時間撹拌した。得られた樹脂溶液組成物を前記カラー
フィルターにスピンコートし、100℃で5分、260
℃で30分加熱することにより、膜厚1.0μmのオー
バーコートとした。次に、スパッタリング法により、オ
ーバーコート上にITOを製膜したところ、膜厚が14
00オングストロームで、表面抵抗が15Ω/□のIT
Oが得られた。以上の操作で赤、緑、青の3原色を有
し、オーバーコート、ITO付きのカラーフィルターを
得た。
【0125】さらに、透明電極層を作成したカラーフィ
ルターを中性洗剤で洗浄した後、ポリイミド樹脂からな
る配向膜を印刷法により塗布し、ホットプレートで25
0℃、10分間加熱した。膜厚は0.07μmであっ
た。この後、カラーフィルター基板をラビング処理し、
シール剤をディスペンス法により塗布、ホットプレート
で90℃、10分間加熱した。
【0126】一方、ガラス上にTFTアレイを形成した
基板も同様に洗浄した後、配向膜を塗布、加熱する。そ
の後、直径5.5μmの球状スペーサーを散布し、前記
カラーフィルター基板と重ね合わせ、オーブン中で加圧
しながら160℃で90分間加熱して、シール剤を硬化
させた。このセルに液晶注入を行った後、紫外線硬化樹
脂により液晶注入口を封口した。次に、偏光板をセルの
2枚のガラス基板の外側に貼り付け、さらに、得られた
セルをモジュール化して、液晶表示装置を完成させた。
得られた液晶表示装置は色特性も良く、コントラストの
高い表示特性を得ることができた。この時の液晶表示装
置のコントラストは420であった。
【0127】実施例39 緑色着色組成物(GP9)を用いた以外は、実施例35
と同様の操作を行い、液晶表示装置を完成させた。得ら
れた液晶表示装置は色特性も良く、コントラストの高い
表示特性を得ることができた。この時の液晶表示装置の
コントラストは410であった。
【0128】実施例40 緑色着色組成物(GP20)を用いた以外は、実施例3
5と同様の操作を行い、液晶表示装置を完成させた。得
られた液晶表示装置は色特性も良く、コントラストの高
い表示特性を得ることができた。この時の液晶表示装置
のコントラストは410であった。
【0129】実施例41 緑色着色組成物(GP27)を用いた以外は、実施例3
5と同様の操作を行い、液晶表示装置を完成させた。得
られた液晶表示装置は色特性も良く、コントラストの高
い表示特性を得ることができた。この時の液晶表示装置
のコントラストは410であった。
【0130】比較例12 緑色着色組成物(GP13)を用いた以外は、実施例3
5と同様の操作を行い、液晶表示装置を完成させた。得
られた液晶表示装置は色特性は良いが、コントラストの
低い表示特性であった。この時の液晶表示装置のコント
ラストは280であった。
【0131】
【発明の効果】本発明は上述のごとく構成したので、黄
顔料の比表面積を70m2/g以上にすることで、コン
トラストの高い着色膜を得ることができる。その結果、
コントラストの高いカラーフィルターを得ることがで
き、表示特性の良好な液晶表示装置を得ることができ
る。また、黄顔料の比表面積の効果は、全顔料成分中の
黄顔料の含有量が30重量%以上で顕著に現れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−14825(JP,A) 特開 平10−130547(JP,A) 特開 平10−60274(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/20 - 5/28

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも顔料と、ポリマーと、溶剤とか
    ら構成されるカラーフィルター用着色組成物において、
    該顔料成分中の黄顔料の含有量が30重量%以上であ
    り、かつ、該黄顔料の比表面積が70〜120m2/g
    であり、かつ、緑顔料の比表面積は、該黄顔料の比表面
    積よりも小さい、および/または、56m2/g以下で
    あることを特徴とするカラーフィルター用着色組成物。
  2. 【請求項2】黄顔料がキノフタロン系顔料、イソインド
    リン系顔料、イソインドリノン系顔料、ニッケルアゾ錯
    体系顔料、メチン・アゾメチン系顔料から選ばれる1種
    類以上の黄顔料であることを特徴とする請求項1記載の
    カラーフィルター用着色組成物。
  3. 【請求項3】黄顔料がピグメントイエローPY−138
    および/またはPY−150であることを特徴とする請
    求項1または2記載のカラーフィルター用着色組成物。
  4. 【請求項4】黄顔料が少なくともピグメントイエローP
    Y−138およびPY−150からなり、該ピグメント
    イエローPY−150の量比が全顔料中の1〜25重量
    %の範囲にあることを特徴とする請求項記載のカラー
    フィルター用着色組成物。
  5. 【請求項5】ポリマーがカルボキシル基を有する樹脂で
    あることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載
    のカラーフィルター用着色組成物。
  6. 【請求項6】ポリマーがポリアミド酸であることを特徴
    とする請求項記載のカラーフィルター用着色組成物。
  7. 【請求項7】任意の色数で各色別に所望のパターン状に
    設けられた着色層からなる画素を有するカラーフィルタ
    ーにおいて、該着色層が請求項1からのいずれかに記
    載のカラーフィルター用着色組成物を塗工してなる着色
    被膜であることを特徴とするカラーフィルター。
  8. 【請求項8】請求項記載のカラーフィルターを用いた
    ことを特徴とする液晶表示装置。
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