JP3417459B2 - 耐アルカリ性の良好な結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法 - Google Patents
耐アルカリ性の良好な結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法Info
- Publication number
- JP3417459B2 JP3417459B2 JP22615697A JP22615697A JP3417459B2 JP 3417459 B2 JP3417459 B2 JP 3417459B2 JP 22615697 A JP22615697 A JP 22615697A JP 22615697 A JP22615697 A JP 22615697A JP 3417459 B2 JP3417459 B2 JP 3417459B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicon carbide
- fiber
- weight
- crystalline silicon
- carbide fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Inorganic Fibers (AREA)
Description
良好な耐アルカリ性、さらには優れた耐熱性を有する、
結晶性炭化ケイ素繊維に関する。
び力学的特性を生かして、プラスチックス又はセラミッ
クスの強化繊維として利用されている。炭化ケイ素繊維
としては、比較的低い温度、例えば1300℃以下の温
度での加熱処理によって得られる、非晶質又は微結晶質
の繊維(以下この繊維を「非晶質炭化ケイ素繊維」とい
う。)が広く知られており、各種マトリックスの強化繊
維として実用に供されている。
ついては既に多くの提案がされている。例えば、特公昭
58−38535号公報には、ケイ素及び炭素を主な骨
格成分とする有機ケイ素重合体を紡糸し、紡糸繊維を酸
化性雰囲気中で低温加熱して不融化し、不融化繊維を高
温焼成して炭化ケイ素繊維を製造する方法が開示されて
いる。また、特公昭62−52051号公報には、ケイ
素−炭素−チタン−酸素からなる炭化ケイ素繊維が開示
されており、特公昭58−5286号公報には、ポリカ
ルボシランのケイ素原子の一部をチタン原子と酸素原子
を介して結合させたポリチタノカルボシランを紡糸し、
紡糸繊維を不融化し、不融化繊維を焼成して、上記のケ
イ素−炭素−チタン−酸素からなる炭化ケイ素繊維を製
造する方法が開示されている。
の作用のもとにさらに高温、例えば1500℃以上の温
度で加熱処理することにより、炭化ケイ素粒子を焼結さ
せた結晶性炭化ケイ素繊維の開発が行われている。そし
て、この結晶性炭化ケイ素繊維についても、いくつかの
提案がされている。例えば、米国特許5268336号
明細書には、ホウ素を0.2重量%以上含有する密度が
2.9g/cm3 以上である、結晶性炭化ケイ素繊維が
開示されている。さらに、米国特許5366943号明
細書には、ケイ素、炭素、チタン及び/又はジルコニウ
ム、及びホウ素のような焼結助剤からなる結晶性炭化ケ
イ素繊維が開示されている。
は、優れた耐熱性及び力学的特性を有している一方で、
耐アルカリ性が充分ではないこと、及び1300℃を超
える高温においては繊維中の酸素がCOガス及び/又は
SiOとして脱離し、β−SiC結晶の急激な成長によ
る力学的特性の低下が生じることが指摘されている。
方法が、ジャ−ナル・オブ・アメリカン・セラミック・
ソサイアティ、78[7]1992−96(1995)
に記載されている。この試験方法は、炭化ケイ素繊維を
塩化ナトリウムの室温における飽和水溶液に浸漬した後
乾燥し、ついで、空気中、1000℃で2時間加熱処理
した後に、その力学的特性を測定する方法(以下この方
法を「耐アルカリ試験」と言う。)である。
NaClに対する耐久性を調べるために行われる加速試
験法である。この文献には、炭化ケイ素繊維を耐アルカ
リ試験法に供した場合、繊維が酸化による著しい分解を
受け、繊維表面にはトリジマイト(鱗珪石塩)の結晶相
が生成し、またその近傍ではβ−SiCの結晶粒の成長
も認められ、繊維の力学的特性に重大な悪影響を及ぼす
ことが記載されている。
る結晶性炭化ケイ素繊維は、1300℃を超える温度に
おいても優れた力学的特性を示す一方で、耐アルカリ性
が良好でないという、非晶質炭化ケイ素繊維と同様の解
決すべき課題を有している。
素重合体にアルミニウム及びホウ素、あるいはさらにイ
ットリウム及び/又はマグネシウムを特定割合で導入し
た有機ケイ素重合体から得られる炭化ケイ素繊維は、1
500℃以上の高温で繊維中のSiC結晶が効果的に焼
結し、上記のアルミニウム及びホウ素をそれぞれ単独で
用いた場合に比較して、両者を併用することにより、低
い濃度でもきわめて高い強度及び弾性率を有する結晶性
炭化ケイ素繊維を与えることを見い出した。さらに、こ
うして得られる結晶性炭化ケイ素繊維は、アルミニウム
の存在によって、優れた耐アルカリ性を示すことも明ら
かとなった。
/cm3の範囲であり、重量割合(合計で100重量
%)で、Si:55〜70%、C:30〜45%、A
l:0.06〜3.8%及びB:0.06〜0.5%か
らなり、SiCの焼結構造からなる耐アルカリ性の良好
な結晶性炭化ケイ素繊維が提供される。また、密度が
2.7〜3.2g/cm3の範囲であり、重量割合(合
計で100重量%)で、Si:55〜70%、C:30
〜45%、Al:0.06〜3.8%、B:0〜0.2
%、及びY:0.06〜3.8%及び/又はMg:0.
06〜3.8%からなり、SiCの焼結構造からなるこ
とを特徴とする耐アルカリ性の良好な結晶性炭化ケイ素
繊維が提供される。
〜3重量%、Bを0.05〜0.4重量%、及びSiに
対して余剰の炭素を1重量%以上含有する炭化ケイ素繊
維を1600〜2100℃の範囲内の温度で、不活性ガ
ス中で加熱処理することからなる、耐アルカリ性の良好
な結晶性炭化ケイ素繊維の製造方法が提供される。ま
た、Alを0.05〜3重量%、Bを0〜0.1重量
%、Yを0.05〜3重量%及び/又はMgを0.05
〜3重量%、及びSiに対して余剰の炭素を1重量%以
上含有する炭化ケイ素繊維を1600〜2100℃の範
囲内の温度で、不活性ガス中で加熱処理することを特徴
とする、耐アルカリ性の良好な結晶性炭化ケイ素繊維の
製造方法が提供される。
ず説明する。この結晶性炭化ケイ素繊維は、SiCの焼
結構造からなり、密度が2.7〜3.2g/cm3の範
囲であり、強度及び弾性率が、それぞれ、2GPa以上
及び250GPa以上であるという優れた力学的特性を
有している。さらに特筆すべきことは、この結晶性炭化
ケイ素繊維は、耐アルカリ試験後の強度保持率が50%
以上であるということである。本発明者らの知る限り、
耐アルカリ試験後にこのような優れた強度保持率を有す
る結晶性炭化ケイ素繊維は本発明によって始めてもたら
されたものである。
及び炭素を主成分とし、焼結助剤成分としてのアルミニ
ウム及びホウ素、あるいはさらにイットリウム及び/又
はマグネシウムから構成される。これら成分の好ましい
割合は、Si:55〜70%、C:30〜45%、A
l:0.06〜3.8%、特に0.13〜1.25%、
B:0.06〜0.5%、特に0.06〜0.19%で
ある。また、イットリウム及び/又はマグネシウムが共
存する場合には、Si:55〜70%、C:30〜45
%、Al:0.06〜3.8%、特に0.13〜1.2
5%、B:0〜0.2%、 Y:0.06〜3.8%、
特に0.13〜1.25%及び/又はMg:0.06〜
3.8%、特に0.13〜1.25%である。
晶性炭化ケイ素繊維の耐アルカリ性が低下し、その割合
が過度に高くなると高温における力学的特性が低下する
ようになる。ホウ素の割合が過度に少ないと、充分に焼
結した結晶性繊維とならず、繊維の密度が低下するよう
になり、逆に、その割合が過度に高いと、繊維の耐アル
カリ性が低下するようになる。一方、イットリウム及び
/又はマグネシウムが共存する場合には、ホウ素の含有
量を低減させても十分な焼結性並びに優れた耐アルカリ
性を発現させることができる。
及び余剰の炭素を含むことがあるが、いずれも2重量%
以下であることが好ましい。本明細書において余剰の炭
素とは、繊維中に含有されるSiに対してSiCとして
存在し得る化学量論的組成量を超えて存在する炭素を意
味する。この結晶性炭化ケイ素繊維の繊維径については
特別の制限はないが、通常は、50μm以下である。ま
た、繊維の形態は一般には連続形状であることが好まし
い。
をつぎに説明する。この結晶性炭化ケイ素繊維は、Al
を0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜1重量%、
及びBを0.05〜0.4重量%、好ましくは0.05
〜0.15重量%含有し、さらにSiに対して余剰の炭
素を1重量%以上、好ましくは1.5〜2.5重量%含
有する非晶質の炭化ケイ素繊維を、1600〜2100
℃の範囲の温度に加熱することによって調製される。ま
た、Alを0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜1
重量%、Bを0〜0.1重量%、Yを0.05〜3重量
%、好ましくは0.1〜1重量%及び/又はMgを0.
05〜3重量%、好ましくは0.1〜1重量%、及びS
iに対して余剰の炭素を1重量%以上含有する非晶質の
炭化ケイ素繊維を1600〜2100℃の範囲の温度に
加熱することによって調製される。この加熱処理は、ア
ルゴン、ヘリウムのような不活性ガス雰囲気下に行われ
る。
割合が3重量%を超えると、焼結後の繊維の繊維におい
て、多くのアルミニウムが焼結SiC結晶の粒界に遍在
するために、粒界破壊が優勢に起こるようになって、高
い強度が得られないと共に、高温における力学的特性の
低下が顕著になる。この繊維中のアルミニウムの割合が
0.05重量%未満であると、充分に焼結した結晶性繊
維が得られなくなる。非晶質炭化ケイ素繊維中のホウ素
の割合が0.4重量%を超えると、得られる結晶性炭化
ケイ素繊維の耐アルカリ性が極端に低下し、逆にその割
合が0.05重量%より少ないと、充分に焼結した結晶
性繊維が得られなくなる。一方、イットリウム及び/又
はマグネシウムが共存する場合には、ホウ素の含有量を
低減させても十分な焼結性並びに優れた耐アルカリ性を
発現させることができる。
〜16重量%含むことが好ましい。非晶質炭化ケイ素繊
維を加熱する際に、この酸素は前述の余剰の炭素をCO
ガスとして脱離させる。
以下のような方法で調製することができる。まず、例え
ば、「有機ケイ素化合物の化学」化学同人(1972
年)に記載の方法に従って、1種類以上のジクロロシラ
ンをナトリウムによって脱塩素反応させて鎖状又は環状
のポリシランを調製する。ポリシランの数平均分子量は
通常300〜1000である。本明細書において、ポリ
シランは、上記の鎖状又は環状のポリシランを400〜
700℃の範囲の温度に加熱することにより、あるいは
上記の鎖状又は環状のポリシランにフェニル基含有ポリ
ボロシロキサンを添加して250〜500℃の範囲の温
度に加熱することよにって得られる、一部にカルボシラ
ン結合を有するポリシランも包含する。ポリシランは、
ケイ素の側鎖として、水素原子、低級アルキル基、アリ
−ル基、フェニル基あるいはシリル基を有することがで
きる。
公昭53−42330号公報及び同53−50299号
公報に記載の方法に従い、ホウ酸と1種類以上のジオル
ガノクロロシランとの脱塩酸縮合反応によって調製する
ことができ、その数平均分子量は通常500〜1000
0である。
ムのアルコキシド、アセチルアセトキシド化合物、カル
ボニル化合物、又はシクロペンタジエニル化合物の所定
量を添加し、不活性ガス中、通常250〜350℃の範
囲の温度で1〜10時間反応することにより、紡糸原料
であるアルミニウム含有有機ケイ素重合体を調製するこ
とができる。アルミニウムの化合物の使用量は、ポリシ
ラン1g当たり、通常0.14〜0.86ミリモルであ
る。
融紡糸、乾式紡糸のようなそれ自体公知の方法によって
紡糸して、紡糸繊維を調製する。つぎに、この紡糸繊維
を不融化処理して不融化繊維を調製する。不融化方法と
しては、一般に行われている空気中での加熱、あるいは
空気中での加熱と不活性ガス中での加熱を組合せた方法
が好ましく採用されうる。
活性ガス中、800℃から1500℃の範囲の温度で加
熱処理して、本発明の結晶性炭化ケイ素繊維の前駆繊維
である、非晶質炭化ケイ素繊維が調製される。最後に、
前述したように、非晶質炭化ケイ素繊維を1600〜2
100℃の範囲の温度に加熱することによって、本発明
の結晶質炭化ケイ素繊維が調製される。不融化繊維から
の非晶質炭化ケイ素繊維の調製及びこの繊維からの結晶
質炭化ケイ素繊維の調製は、それぞれ、独立に行うこと
もでき、連続的に一貫して行うこともできる。
て、特別の言及がない限り、「部」及び「%」は、それ
ぞれ、「重量部」及び「重量%」を示す。
ス気流下にキシレンを加熱還流させながら、ジメチルジ
クロロシラン1034重量部を滴下し、引き続き10時
間加熱還流し沈澱物を生成させた。この沈澱をろ過し、
メタノ−ル、ついで水で洗浄して、白色のポリジメチル
シラン420部を得た。
を窒素ガス雰囲気下にn−ブチルエ−テル中、100〜
120℃で加熱し、生成した白色樹脂状物をさらに真空
中400℃で1時間加熱することによって、フェニル基
含有ポリボロシロキサン530部を得た。
例2で得られたフェニル基含有ポリボロシロキサン4部
を添加し、窒素ガス雰囲気中、350℃で5時間熱縮合
して、高分子量の有機ケイ素重合体を得た。この有機ケ
イ素重合体100部を溶解したキシレン溶液にアルミニ
ウム−トリ(sec−ブトキシド)7部を加え、窒素ガ
ス気流下に310℃で架橋反応させることによって、ポ
リアルミノカルボシランを得た。
で溶融紡糸した後、空気中140℃で5時間加熱処理し
た後、さらに窒素中300℃で10時間加熱して、不融
化繊維を得た。不融化繊維を窒素中1500℃で連続焼
成し、非晶質炭化ケイ素繊維を得た。この非晶質炭化ケ
イ素繊維の化学組成は、Si:56%、C:30%、
O:13%、Al:0.6%、B:0.05%であっ
た。
00℃のアルゴン中で連続加熱処理して、結晶性炭化ケ
イ素繊維を得た。得られた結晶性炭化ケイ素繊維の化学
組成は、Si:67%、C:31%、O:0.3%、A
l:0.8%、B:0.06%であり、原子比では、S
i:C:O:Al:B=1:1.08:0.008:
0.012であった。この繊維の密度は2.9g/cm
3 であり、緻密なSiCの焼結構造からなっていた。
性はつぎのとおりであった。 試験前 試験後 引張強度(GPa) 2.6 2.1(強度保持率:80.7%) 弾性率 (GPa) 314 301 耐アルカリ試験後の繊維表面はきわめてきれいな状態を
保っていることが観察された。また、この結晶質炭化ケ
イ素繊維はアルゴン中1600℃で1時間加熱処理した
後も処理前の強度の94%の強度を保持していた。
例2で得られたフェニル基含有ポリボロシロキサン20
部を添加し、窒素ガス雰囲気中、350℃で10時間熱
縮合した後、空気中160℃で9時間加熱処理して不融
化繊維を得た。この不融化繊維を窒素中1500℃で連
続焼成し、非晶質炭化ケイ素繊維を得た。この繊維を1
900℃のアルゴン中で連続加熱処理して、結晶性炭化
ケイ素繊維を得た。
%、C:37%、O:0.5%、B:0.3%であり、
原子比では、Si:C:O=1:1.4:0.014で
あった。この繊維の引張強度及び弾性率は、それぞれ、
1.3GPa及び205GPaであり、アルミニウムが
共存する実施例1の繊維に比較して、いずれも低い値を
しめした。この結晶性炭化ケイ素繊維を耐アルカリ試験
に供したところ、繊維同士の癒着が起こり、強度測定が
出来なかった。
素ガス中、470℃で4時間熱縮合して、高分子量のポ
リカルボシランを得た。このポリカルボシラン100部
を溶解したキシレン溶液にアルミニウム−トリ(sec
−ブトキシド)10部を加え、窒素ガス気流下に320
℃で架橋反応させることによって、ポリアルミノカルボ
シランを得た。このアルミノカルボシランを255℃で
溶融紡糸した後、空気中150℃で6時間加熱処理した
後、さらに窒素中300℃で10時間加熱して不融化繊
維を得た。
焼成し、非晶質炭化ケイ素繊維を得た。この繊維を18
00℃のアルゴン中で連続加熱処理して結晶性炭化ケイ
素繊維を調製した。得られた繊維の化学組成は、Si:
66%、C:32%、O:0.3%、Al:1.1%で
あり、原子比では、Si:C:O:Al=1:1.1
3:0.013:0.017であった。この繊維の引張
強度及び弾性率は、それぞれ、1.8GPa及び294
GPaであり、ホウ素が共存する実施例1の繊維に比較
して、低い値を示したものの、SiCの結晶構造からな
っていた。この結晶性炭化ケイ素繊維を耐アルカリ試験
に供した後の引張強度及び弾性率は、それぞれ、1.3
GPa及び245GPaであり、引張強度の保持率は7
2%であった。
例2で得られたフェニル基含有ポリボロシロキサン0.
5部を添加し、窒素ガス雰囲気中、410℃で5時間熱
縮合して、高分子量の有機ケイ素重合体を得た。この有
機ケイ素重合体100部を溶解したキシレン溶液にアル
ミニウム−トリ−(sec−ブトキシド)4部、及びマ
グネシウムアセチルアセトネート3部を加え、窒素ガス
気流下に310℃で架橋反応させることによって、アル
ミニウム並びにマグネシウムが導入された変成ポリカル
ボシランを得た。
融紡糸した後、空気中150℃で3時間加熱処理し、さ
らに窒素中300℃で9時間加熱して、不融化繊維を得
た。不融化繊維をアルゴン中1450℃で連続焼成し、
非晶質炭化ケイ素繊維を合成した。この非晶質炭化ケイ
素繊維の化学組成は、Si:53wt%、C:33.4wt
%、O:13wt%、Al:0.34wt%、B:0.01
wt%、Mg:0.30wt%であった。
50℃のアルゴン中で連続加熱処理して結晶性炭化ケイ
素繊維を合成した。得られた炭化ケイ素系連続無機繊維
の化学組成は、Si:66.5wt%、C:32.5wt
%、O:0.2wt%、Al:0.43wt%、B:0.0
1wt%、Mg:0.38wt%で、原子比でSi:C:
O:Al:Mg=1:1.14:0.005:0.00
67:0.0066であった。この繊維の密度は2.8
7g/cm3 であり、緻密なSiCの焼結構造からなっ
ていた。
性は次の通りであった。 試験前 試験後 引張強度 (GPa) 2.4 2.1(強度保持率:87.5%) 弾性率 (GPa) 305 298 耐アルカリ試験後の繊維表面は、極めてきれいな状態を
保っていることが観察された。また、この結晶性炭化ケ
イ素繊維はアルゴン中1600℃で1時間加熱処理した
後も処理前の強度の91%の強度を保持していた。
例2で得られたフェニル基含有ポリボロシロキサン0.
2部を添加し、窒素ガス雰囲気中、420℃で5時間熱
縮合して、高分子量の有機ケイ素重合体を得た。この有
機ケイ素重合体100部を溶解したキシレン溶液にアル
ミニウム−トリ−(sec−ブトキシド)4部、及びイ
ットリウムアセチルアセトネート4部を加え、窒素ガス
気流下に300℃で架橋反応させることによって、アル
ミニウム並びにイットリウムが導入された変成ポリカル
ボシランを得た。
融紡糸した後、空気中155℃で3時間加熱処理し、さ
らに窒素中300℃で10時間加熱して、不融化繊維を
得た。不融化繊維をアルゴン中1450℃で連続焼成
し、非晶質炭化ケイ素繊維を合成した。この非晶質炭化
ケイ素繊維の化学組成は、Si:52.5wt%、C:3
4.5wt%、O:12wt%、Al:0.35wt%、B:
0.005wt%、Y:0.56wt%であった。
00℃のアルゴン中で連続加熱処理して結晶性炭化ケイ
素繊維を合成した。得られた炭化ケイ素系連続無機繊維
の化学組成は、Si:67wt%、C:31.5wt%、
O:0.1wt%、Al:0.41wt%、B:0.01wt
%、Y:0.73wt%で、原子比でSi:C:O:A
l:Y=1:1.1:0.0026:0.0064:
0.0034であった。この繊維の密度は3.01g/
cm3 であり、緻密なSiCの焼結構造からなってい
た。
性は次の通りであった。 試験前 試験後 引張強度 (GPa) 2.5 2.2(強度保持率:88%) 弾性率 (GPa) 325 315 耐アルカリ試験後の繊維表面は、極めてきれいな状態を
保っていることが観察された。また、この結晶性炭化ケ
イ素繊維はアルゴン中1600℃で1時間加熱処理した
後も処理前の強度を保持していた。
Claims (4)
- 【請求項1】密度が2.7〜3.2g/cm 3 の範囲で
あり、重量割合(合計で100重量%)で、Si:55
〜70%、C:30〜45%、Al:0.06〜3.8
%及びB:0.06〜0.5%からなり、SiCの焼結
構造からなることを特徴とする耐アルカリ性の良好な結
晶性炭化ケイ素繊維。 - 【請求項2】密度が2.7〜3.2g/cm 3 の範囲で
あり、重量割合(合計で100重量%)で、Si:55
〜70%、C:30〜45%、Al:0.06〜3.8
%、B:0〜0.2%、及びY:0.06〜3.8%及
び/又はMg:0.06〜3.8%からなり、SiCの
焼結構造からなることを特徴とする耐アルカリ性の良好
な結晶性炭化ケイ素繊維。 - 【請求項3】Alを0.05〜3重量%、Bを0.05
〜0.4重量%、及びSiに対して余剰の炭素を1重量
%以上含有する炭化ケイ素繊維を1600〜2100℃
の範囲内の温度で、不活性ガス中で加熱処理することを
特徴とする、耐アルカリ性の良好な結晶性炭化ケイ素繊
維の製造方法。 - 【請求項4】Alを0.05〜3重量%、Bを0〜0.
1重量%、Yを0.05〜3重量%及び/又はMgを
0.05〜3重量%、及びSiに対して余剰の炭素を1
重量%以上含有する炭化ケイ素繊維を1600〜210
0℃の範囲内の温度で、不活性ガス中で加熱処理するこ
とを特徴とする、耐アルカリ性の良好な結晶性炭化ケイ
素繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22615697A JP3417459B2 (ja) | 1996-10-02 | 1997-08-22 | 耐アルカリ性の良好な結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-294291 | 1996-10-02 | ||
JP29429196 | 1996-10-02 | ||
JP8-347947 | 1996-12-26 | ||
JP34794796 | 1996-12-26 | ||
JP12666897 | 1997-05-16 | ||
JP9-126668 | 1997-05-16 | ||
JP22615697A JP3417459B2 (ja) | 1996-10-02 | 1997-08-22 | 耐アルカリ性の良好な結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1136142A JPH1136142A (ja) | 1999-02-09 |
JP3417459B2 true JP3417459B2 (ja) | 2003-06-16 |
Family
ID=27471230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22615697A Expired - Lifetime JP3417459B2 (ja) | 1996-10-02 | 1997-08-22 | 耐アルカリ性の良好な結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3417459B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020032067A1 (ja) | 2018-08-06 | 2020-02-13 | 宇部興産株式会社 | 結晶性炭化ケイ素繊維、及びその製造方法、並びにセラミックス複合基材 |
EP4194426A1 (en) | 2021-12-13 | 2023-06-14 | UBE Corporation | Crystalline silicon carbide fiber and method for manufacturing same, and ceramic composite substrate |
-
1997
- 1997-08-22 JP JP22615697A patent/JP3417459B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020032067A1 (ja) | 2018-08-06 | 2020-02-13 | 宇部興産株式会社 | 結晶性炭化ケイ素繊維、及びその製造方法、並びにセラミックス複合基材 |
US12060302B2 (en) | 2018-08-06 | 2024-08-13 | Ube Corporation | Crystalline silicon carbide fiber and method for manufacturing same, and ceramic composite substrate |
EP4194426A1 (en) | 2021-12-13 | 2023-06-14 | UBE Corporation | Crystalline silicon carbide fiber and method for manufacturing same, and ceramic composite substrate |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1136142A (ja) | 1999-02-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0200326B2 (en) | Process for preparing ceramic materials with reduced carbon levels | |
JPH09100174A (ja) | セラミック複合材、プレプレグ及び繊維強化セラミックマトリックス複合材の形成方法 | |
JP2003183979A (ja) | 窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維及びその製造方法並びに該繊維で強化されたセラミックス基複合材料 | |
US5945362A (en) | Silicon carbide fiber having excellent alkali durability | |
JP3244020B2 (ja) | 炭化ケイ素系無機繊維及びその製造方法 | |
EP1300491B1 (en) | Process for the production of a silicon carbide fiber having boron nitride layer in fiber surface | |
EP0417526B1 (en) | Methods for preparing polytitanocarbosilazane polymers and ceramics therefrom | |
JP3417459B2 (ja) | 耐アルカリ性の良好な結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法 | |
JP3279134B2 (ja) | 高耐熱セラミックス繊維及びその製造方法 | |
JP3381589B2 (ja) | 結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法 | |
WO2001038616A1 (fr) | Polymere de silicium organique, fibre inorganique avec base de carbure de silicium, et procede de fabrication correspondant | |
JP3279144B2 (ja) | 高耐熱性セラミックス繊維及びその製造方法 | |
JP3381575B2 (ja) | 結晶性炭化ケイ素系繊維の不織布又は織物及びその製造方法 | |
JPH11286833A (ja) | 結晶性炭化ケイ素系繊維の製造方法 | |
US20050031866A1 (en) | Silicon carbide fiber having boron nitride layer in fiber surface and process for the production thereof | |
US5863848A (en) | Preparation of substantially crystalline silicon carbide fibers from borosilazanes | |
JPH0586509A (ja) | 炭化珪素質繊維及びその製法 | |
US7005184B2 (en) | Silicon carbide fiber having boron nitride layer in fiber surface and process for the production thereof | |
JP3279126B2 (ja) | 無機繊維及びその製造方法 | |
JPH11171658A (ja) | 結晶性炭化ケイ素系繊維強化セラミック複合材料 | |
JPH08337929A (ja) | 高耐熱・高熱伝導性セラミックス連続長繊維及びその製法 | |
JP2792592B2 (ja) | 無機繊維強化セラミック複合材料 | |
JP2001279535A (ja) | 結晶性炭化ケイ素系無機繊維及びその製造方法 | |
JP2792593B2 (ja) | 無機繊維強化セラミック複合材料 | |
JPH04153226A (ja) | ホウ素含有シラザン重合体の製造方法及びセラミックスの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080411 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090411 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100411 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140411 Year of fee payment: 11 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |