JP3413817B2 - 被覆用結晶性ガラス組成物 - Google Patents
被覆用結晶性ガラス組成物Info
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- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K3/00—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
- H05K3/22—Secondary treatment of printed circuits
- H05K3/28—Applying non-metallic protective coatings
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- Glass Compositions (AREA)
Description
物に関し、より具体的にはフェライト材料を用いた厚膜
回路の被覆に用いられる被覆用結晶性ガラス組成物に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】厚膜技術の進歩により、様々な電子部品
が小型化、集積化されている。特に最近では、小型化が
難しいとされていたインダクタ、トランスのような電源
部品やノイズフィルター等についても、フェライト材料
と導体とを交互に積層した構造の厚膜回路を用いること
によって、小型化が実現しつつある。 【0003】ところで厚膜技術を用いてこれらの部品を
作製する場合、回路を外部から電気的、化学的、機械的
に保護する必要があり、そのために表面を保護すること
ができる被覆用ガラスが必要となる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】この被覆用ガラスに
は、フェライト材料の熱膨張係数(90〜100×10
-7/℃)に適合するように、30〜700℃において8
5〜105×10-7/℃程度の比較的高い熱膨張係数を
有すること、耐熱性を有すること、電気絶縁性を有する
こと等の特性が要求される。 【0005】しかしながら従来の厚膜回路はアルミナ基
板上に形成されるため、その回路を保護する被覆用ガラ
スは、熱膨張係数がアルミナのそれ(70〜80×10
-7/℃)に合わせられている。そのため従来の被覆用ガ
ラスを、上記したフェライト材料の被覆用として使用し
た場合、熱膨張係数の不整合からストレスが生じ、クラ
ック、剥離等の問題を生じ易くなり好ましくない。 【0006】他方、高膨張の被覆用ガラスとして、特公
平1−48210号や特開平4−82294号にMgO
−B2O3 −SiO2 系の鋼鈑被覆用結晶性ガラスが開
示されている。これらのガラスは何れもアルカリ金属酸
化物を含まず、耐熱性や電気絶縁性が良好なものである
が、110×10-7/℃以上の高い熱膨張係数を示すた
め、この用途に用いた場合は、やはりフェライト材料と
の熱膨張差により、焼成後のガラス被膜に無数のクラッ
クが発生してしまうという問題が生じる。 【0007】本発明の目的は、フェライト材料を用いた
厚膜回路の被覆用ガラスとして要求される諸条件を満足
し、特にフェライト材料に適合した熱膨張係数を示す被
覆用結晶性ガラス組成物を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者等は種々の実験
を行った結果、MgO−B2 O3 −SiO2 系の無アル
カリガラスにおいて、ガラス成分としてAl2 O3 を一
定量含有させることによって、上記目的を達成できるこ
とを見いだし、本発明として提案するものである。 【0009】即ち、本発明の被覆用結晶性ガラス組成物
はガラス粉末80〜100重量部と、フィラー粉末0〜
20重量部とからなり、該ガラス粉末は、重量百分率で
MgO 35〜45%、B 2 O 3 18〜28%、SiO
2 9〜17%、Al 2 O 3 3〜20%、BaO 0〜9
%、その他の成分0〜4%からなり、本質的にアルカリ
金属酸化物を含有せず、焼成するとマグネシウムボーレ
ート結晶及び/又はマグネシウムアルミノシリケート結
晶を析出する性質を有することを特徴とする。 【0010】 【作用】本発明の被覆用結晶性ガラス組成物は、焼成す
るとマグネシウムボレート結晶やマグネシウムアルミノ
シリケート結晶等が析出し、フェライト材料に適合した
85〜105×10-7/℃程度の熱膨張係数を示す。ま
た焼成後はガラス成分が殆ど残存しないために高い耐熱
性を有し、再度熱処理を行っても流動することはない。
しかもアルカリ金属酸化物を含有せず、また緻密な焼成
体となるため、電気絶縁性にも優れている。 【0011】以下、本発明の被覆用結晶性ガラス組成物
において、ガラス粉末の組成を上記のように限定した理
由を示す。 【0012】MgOが35%未満の場合、ガラスの結晶
化が十分進まず、耐熱性が悪くなり、45%を超えると
溶解性が悪くなり、均質なガラスが得難くなる。 【0013】B2 O3 が18%未満の場合は溶解性が悪
くなり、28%を超えると耐熱性が劣化する。 【0014】SiO2 が9%未満では耐熱性が劣ると同
時に溶解時にガラスの安定性が悪くなり、17%を超え
ると溶解が困難となる。 【0015】本発明においてAl2 O3 は熱膨張係数を
下げる効果を有し、また焼成時の流動性を向上させて有
効量のフィラー粉末の導入を可能にする成分である。A
l2O3 が3%未満では熱膨張係数が高くなり過ぎてフ
ェライト材料との熱膨張差が大きくなり焼成後にクラッ
クが発生する。またフィラー粉末を添加した場合に流動
性が悪くなり、緻密なガラス表面が得られなくなり好ま
しくない。一方20%を越えるとガラスの溶解性が悪く
なるとともに、失透性が強くなって成型し難くなる。 【0016】BaOが9%を超えるとガラスが不安定に
なって成型時に失透性が著しく強くなる。 【0017】なお上記した成分の他にもSnO2 、P2
O5 等の他成分を合量で4%以下添加しても差し支えな
い。しかしながら電気絶縁性を悪化させるアルカリ金属
酸化物の添加は避けなければならない。 【0018】また本発明の被覆用結晶性ガラス組成物
は、熱膨張係数の微調整のためにジルコニア(ZrO
2 )、アルミナ(Al2 O3)、ジルコン(ZrO2 ・
SiO2)等のフィラー粉末を20重量部以下含有して
もよい。フィラー粉末の割合をこのように限定したの
は、フィラー粉末が20重量部を越えると、即ちガラス
粉末が80重量部未満になると緻密なガラス焼成面が得
られなくなり好ましくないためである。なおフィラー粉
末は、平均粒径が1〜5μmのものを使用することが望
ましい。 【0019】次に本発明の被覆用結晶性ガラス組成物を
用いた厚膜回路の被覆方法を説明する。 【0020】まず上記した組成を有するように調合した
ガラス原料を1400〜1500℃で0.5〜2時間溶
融する。次いで溶融ガラスをフィルム状等に成形した
後、粉砕し、分級してガラス粉末を作製する。なおガラ
ス粉末の平均粒径は2〜5μm程度であることが好まし
い。 【0021】さらに必要に応じて上記ガラス粉末にフィ
ラー粉末を添加し、混合する。 【0022】次いでガラス粉末、或はガラス粉末とフィ
ラー粉末との混合粉末を有機ビークルと混ぜてペースト
状にし、スクリーン印刷法により、厚膜回路上に均一に
塗布する。なお使用する有機ビークルは特に限定される
ものではなく、例えばエチルセルロース樹脂、アクリル
樹脂等をテルピネオール、ブチルカルビトールアセテー
ト等の溶剤に溶解させたものを用いることができる。 【0023】その後、800〜900℃で焼成すること
により、ガラス粉末が軟化流動して回路表面を一様に覆
い、同時に多量の結晶を析出する。このようにして厚膜
回路上にガラス被覆を施すことができる。 【0024】 【実施例】以下、本発明の被覆用結晶性ガラス組成物を
実施例に基づいて説明する。 【0025】(実施例1)表1及び2は本発明の実施例
(試料No.1〜8)及び比較例(試料No.9)を示
している。 【0026】 【表1】 【0027】 【表2】【0028】各試料は次のようにして調製した。 【0029】表中の組成になるように調合したガラス原
料を1500℃で約2時間溶融した後、一対のローラー
間を通してフィルム状に成形した。次いで得られたフィ
ルム状成形物をボールミルを用いて粉砕し、分級して、
平均粒径3μmのガラス粉末を得、試料No.1〜6及
び9とした。また試料No.6のガラス粉末に、平均粒
径2μmのアルミナ粉末やジルコン粉末を添加して試料
No.7及び8とした。 【0030】このようにして得られた試料について熱膨
張係数を測定した。また各試料をエチルセルロースのタ
ーピネオール溶液と混練して粘度1500ps.程度の
ペーストを得た。このペーストを、熱膨張係数が97×
10-7/℃のMn−Znフェライト板表面に印刷し、1
00〜150℃で溶剤を乾燥させた後、ベルト炉にて8
50℃で10分間焼成し、膜厚15〜20μmのガラス
被膜を形成した。続いてこの焼成物を用いて、ガラス被
膜のクラックの有無及び耐熱性について評価した。これ
らの結果を各表に示す。 【0031】表1及び表2から明らかなように、本発明
の実施例である試料No.1〜8は、熱膨張係数が9
5.5〜104.0×10-7/℃であり、フェライト板
に被覆したところ、クラックの発生は認められなかっ
た。また耐熱性が良好であることがわかった。 【0032】一方、比較例である試料No.9は、耐熱
性が良好であったものの、アルミナを含有していないた
めに熱膨張係数が112×10-7/℃と高く、クラック
の発生が無数に認められた。 【0033】なお熱膨張係数は、試料を棒状にプレス成
形し、850℃で焼成した後、ディラトメーターにて測
定した熱膨張曲線から算出した。耐熱性は、ガラス被覆
したフェライト板に対して室温から850℃まで加熱す
るサイクルを5回繰り返し行った後、ガラス被膜の形状
の変化やクラックの状態を観察し、これらが認められな
かったものを良、認められたものを不良とした。 【0034】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の被覆用結
晶性ガラス組成物は、要求される諸条件を満足し、特に
フェライト材料に適した熱膨張係数を示すため、フェラ
イト材料を用いた厚膜回路の被覆用として好適である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ガラス粉末80〜100重量部と、フィ
ラー粉末0〜20重量部とからなり、該ガラス粉末は、
重量百分率でMgO 35〜45%、B 2 O 3 18〜2
8%、SiO 2 9〜17%、Al 2 O 3 3〜20%、B
aO 0〜9%、その他の成分0〜4%からなり、本質
的にアルカリ金属酸化物を含有せず、焼成するとマグネ
シウムボーレート結晶及び/又はマグネシウムアルミノ
シリケート結晶を析出する性質を有することを特徴とす
る被覆用結晶性ガラス組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23870893A JP3413817B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 被覆用結晶性ガラス組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23870893A JP3413817B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 被覆用結晶性ガラス組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0769676A JPH0769676A (ja) | 1995-03-14 |
JP3413817B2 true JP3413817B2 (ja) | 2003-06-09 |
Family
ID=17034102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23870893A Expired - Fee Related JP3413817B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 被覆用結晶性ガラス組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3413817B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112006003334T5 (de) * | 2005-12-14 | 2008-10-23 | 3M Innovative Properties Co., St. Paul | Kieferorthopädische Artikel mit Siliciumnitridbeschichtungen |
-
1993
- 1993-08-30 JP JP23870893A patent/JP3413817B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0769676A (ja) | 1995-03-14 |
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