JP3407431B2 - インクジェット記録用フィルムシート - Google Patents
インクジェット記録用フィルムシートInfo
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Description
ィルムシートに関し、特に顔料と樹脂エマルジョンと糖
類と高沸点水溶性有機溶剤と水を含有するインクを使用
し、被印字媒体を樹脂エマルジョンの最低造膜温度以上
に加熱して印字をおこなうインクジェット記録方法に使
用するインクジェット記録用フィルムシートに関する。
るインクとしては、染料を水に溶解し、さらに必要に応
じて高沸点水溶性有機溶剤を添加したインクが主流であ
る(以下水性染料インクと称する)。さらにその水性染
料インク用として種々の記録用フィルムシートが提案さ
れている。しかし、従来の水性染料インクでは印字後の
乾燥速度が遅く普通紙にたいする印字品質が悪い。さら
に着色剤として染料を使用しているため耐光性等の印字
堅牢性が悪いという欠点があり、このため着色剤として
顔料を使用するインクが種々提案されている。
質、印字の堅牢性、インクジェットヘッドの微細なノズ
ルの目詰まり防止をすべて満足できるインクジェットイ
ンク及びインクジェット記録方法として少なくとも顔料
と樹脂エマルジョンと糖類と高沸点水溶性有機溶剤と水
を含有するインクを使用し、被印字媒体を樹脂エマルジ
ョンの最低造膜温度以上に加熱して印字を行う記録方法
が提案されているが、従来の水性インク用に提案されて
いる記録用フィルムシート、例えば特開昭60−565
87、特開昭60−168651、特開昭60−220
750、特開昭60−262685、特開昭61−41
585、特開昭61−132376、特開昭61−19
3879、特開昭61−287782、特開平5−24
336等を使用した場合、印字面のベタツキが時間経過
しても解消されない、又印字面の透明性が悪い、ベタツ
キや透明性がよくても印字面が完全に乾燥した状態にな
るとひび割れが発生しオーバーヘッドプロジェクター
(OHP)用としては実用に供さないという欠点があっ
た。
料と樹脂エマルジョンと糖類と高沸点水溶性有機溶剤と
水を含有するインクを使用し、被印字媒体を樹脂エマル
ジョンの最低造膜温度以上に加熱して印字をおこなうイ
ンクジェット記録方法に使用するインクジェット記録用
フィルムシートにおいて、透明な支持体上にポリビニル
アルコール層と、さらにその上層に界面活性剤を含有す
る分子内にカルボン酸のアルカリ金属塩を有する水溶性
の天然高分子を有するインク吸収層を設けたことを特徴
とするインクジェット記録用フィルムシートで、ポリビ
ニルアルコールがけん化度97mol%以上であり、界
面活性剤がノニオン系及び/またはアニオン系であり、
分子内にカルボン酸のアルカリ金属塩を有する水溶性の
天然高分子がアルギン酸のアルカリ金属塩、カルボキシ
メチルセルロースのアルカリ金属塩であり、アルカリ金
属がナトリウムまたはカリウムであることを特徴とす
る。
ステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート等透明なフィルムであればいかなるプラスチックシ
ートも使用できるが、好ましくは2軸延伸処理されたポ
リエチレンテレフタレートフィルムが最も適している。
さらに薬品処理、火焔処理、コロナ放電処理などの表面
処理(参考文献 1994年高分子刊行会発行の接着V
OL.38No.6標題 接着のロマンとストーリー1
2)によりポリエチレンテレフタレートフィルムの塗工
面を親水化処理することが必要となる。このような透明
な支持体はその厚さが10〜200μm程度のものであ
ることが好ましいが記録装置のフィルムシートの搬送を
考慮すると50〜150μm程度のものがより好まし
い。
支持体と界面活性剤を含有する分子内にカルボン酸のア
ルカリ金属塩を有する水溶性の天然高分子とを接着させ
るためのもので、天然高分子を塗工する際、天然高分子
とポリビニルアルコールが相溶せずに接着するためにポ
リビニルアルコールとしては耐水性の良いけん化度97
mol%以上であることが必要である。具体的には電気
化学工業社製デンカポバールK−24E、K−17、K
−17E、K−05、K−02、クラレ社製クラレポバ
ールPVA−105、PVA−110、PVA−11
7、PVA−117H、PVA−120、PVA−12
4、PVA−124H、PVA−CS、PVA−HC等
がある。膜厚については特に制限はないが接着層として
の機能があれば良いので5μm程度で充分である。
ルカリ金属塩を有する水溶性の天然高分子としてはアル
ギン酸のアルカリ金属塩とカルボキシメチルセルロース
のアルカリ金属塩であるが、これはセルロースの構造に
カルボン酸のアルカリ金属塩が存在することによりイン
ク中に含有する糖類、高沸点水溶性有機溶剤、水との相
溶性が非常に良いため、印字直後の印字面のベタツキが
なくなり、印字面の透明性が向上し、オーバーヘッドプ
ロジェクター用の記録用フィルムシートとして最適にな
るものである。具体的には紀文フードケミファ社のダッ
クアルギンNSPH2 、NSPH、NSPM、NSP
L、NSPLL、SL−20、EX−50、EX−3
0、EX−10、EX−5(アルギン酸ナトリウム)、
ダックアルギンK(アルギン酸カリウム)等があり、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウムではセルロースの
OH基を40%〜75%の割合でOCH2COONa に
置換したものが良い。膜厚については特に制限はないが
インクを吸収できれば良いので10〜30μm程度が好
ましい。
する水溶性の天然高分子に添加する界面活性剤は印字面
の完全乾燥後のひび割れを改良するもので、ノニオン系
かアニオン系で水に相溶するものであれば炭化水素系で
もシリコン系でもフッ素系でもよく、単独または必要に
応じて2種以上混合して使用する。その使用量は水溶性
の天然高分子にたいして0.1〜20重量%、好ましく
は0.5〜10重量%である。
する方法としては、本発明のポリビニルアルコール、界
面活性剤と水溶性の天然高分子のそれぞれの水溶液を作
製し例えばロールコーティング法、ワイヤーバーコーテ
ィング法、エアナイフコーティング法等の公知の方法で
透明支持体上に塗布し、その後乾燥させれば良い。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
ィルムの塗工面をコロナ放電処理をすることにより表面
を親水化して本発明のフィルムシートの支持体として使
用する。
%水溶液を前記表面処理済みポリエチレンテレフタレー
トフィルムに乾燥時に5μmの厚みになるようにワイヤ
ーバーコーティング法にて塗工し、乾燥後、さらにアル
ギン酸ナトリウム(ダックアルギンNSPM)2.5
%、ノニオン系界面活性剤(日光ケミカルズ社製BC−
20TX ポリオキシエチレンセチルエーテル HLB
値17.0)0.1%、フッ素系界面活性剤(住友スリ
ーエム社製フロラードFC−170C パーフルオロア
ルキルポリオキシエチレンエタノール)0.1%の水溶
液を乾燥時に20μmの厚みになるようにワイヤーバー
コーティング法にて塗工し、乾燥して本発明のインクジ
ェット記録用フィルムシートとした。
%水溶液を前記表面処理済みポリエチレンテレフタレー
トフィルムに乾燥時に3μmの厚みになるようにワイヤ
ーバーコーティング法にて塗工し、乾燥後、さらにアル
ギン酸ナトリウム(ダックアルギンNSPL)2.5
%、アニオン系界面活性剤(日光ケミカルズ社製OTP
−100 ジエチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウ
ム)0.2%水溶液を乾燥時に30μmの厚みになるよ
うにワイヤーバーコーティング法にて塗工し、乾燥して
本発明のインクジェット記録用フィルムシートとした。
3%水溶液を前記表面処理済みポリエチレンテレフタレ
ートフィルムに乾燥時に3μmの厚みになるようにワイ
ヤーバーコーティング法にて塗工し、乾燥後、さらにア
ルギン酸ナトリウム(ダックアルギンEX−50)2.
0%、シリコン系界面活性剤(日本ユニカー社製シルウ
ェットL−7604 HLB値13)0.1%水溶液を
乾燥時に15μmの厚みになるようにワイヤーバーコー
ティング法にて塗工し、乾燥して本発明のインクジェッ
ト記録用フィルムシートとした。
5)の5%水溶液を前記表面処理済みポリエチレンテレ
フタレートフィルムに乾燥時に5μmの厚みになるよう
にワイヤーバーコーティング法にて塗工し、乾燥後、さ
らにアルギン酸カリウム(ダックアルギンK)2.0
%、ノニオン系界面活性剤(日光ケミカルズ社製NP−
15 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル H
LB値18)0.1%水溶液を乾燥時に20μmの厚み
になるようにワイヤーバーコーティング法にて塗工し、
乾燥して本発明のインクジェット記録用フィルムシート
とした。
4)の3%水溶液を前記表面処理済みポリエチレンテレ
フタレートフィルムに乾燥時に2μmの厚みになるよう
にワイヤーバーコーティング法にて塗工し、乾燥後、さ
らにカルボキシメチルセルロースナトリウム(関東化学
社製 試薬)2.0%、フッ素系界面活性剤(住友スリ
ーエム社製FC−430 フッ素化アルキルエステル)
0.1%水溶液を乾燥時に25μmの厚みになるように
ワイヤーバーコーティング法にて塗工し、乾燥して本発
明のインクジェット記録用フィルムシートとした。
4)の3%水溶液を前記表面処理済みポリエチレンテレ
フタレートフィルムに乾燥時に20μmの厚みになるよ
うにワイヤーバーコーティング法にて塗工し、乾燥して
インクジェット記録用フィルムシートとした。
化度87〜89mol%)の3%水溶液を前記表面処理
済みポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥時に2
0μmの厚みになるようにワイヤーバーコーティング法
にて塗工し、乾燥してインクジェット記録用フィルムシ
ートとした。
%水溶液を前記表面処理済みポリエチレンテレフタレー
トフィルムに乾燥時に5μmの厚みになるようにワイヤ
ーバーコーティング法にて塗工し、乾燥後、さらにアル
ギン酸ナトリウム(ダックアルギンNSPM)2.5%
の水溶液を乾燥時に20μmの厚みになるようにワイヤ
ーバーコーティング法にて塗工し、乾燥してインクジェ
ット記録用フィルムシートとした。
%水溶液を前記表面処理済みポリエチレンテレフタレー
トフィルムに乾燥時に3μmの厚みになるようにワイヤ
ーバーコーティング法にて塗工し、乾燥後、さらにアル
ギン酸プロピレングリコールエステル(紀文フードケミ
ファ社製ダックロイドPF)2.5%、アニオン系界面
活性剤(日光ケミカルズ社製OTP−100 ジエチル
ヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)0.2%水溶液を
乾燥時に30μmの厚みになるようにワイヤーバーコー
ティング法にて塗工し、乾燥してインクジェット記録用
フィルムシートとした。
ンクは下記の組成のものを使用する。尚、顔料について
はビーズミル等の分散機で水に若干の分散剤を添加し分
散したものを使用した。
により説明する。
ラテン1と対持した位置に、プラテン1の軸方向に移動
するキャリッジ装置7に搭載され、プラテン1には被印
字媒体を押えるローラー3と4が接していて、被印字媒
体である本発明のインクジェット記録用フィルムシート
5を沿わせている。プラテン1は、アルミニウム製の素
管の周囲に、表面層としてシリコーンゴムなどを積層し
たものであり、図示しない駆動装置により回転する。ま
た、プラテン1の内部にヒーター6を配置し、プラテン
1を図示しない温度感知手段と図示しないヒーター制御
手段により加熱し、表面温度がインク中の樹脂エマルジ
ョンの最低造膜温度以上になるように制御している。記
録ヘッド2は圧電素子を使用する形式のインクジェット
記録ヘッドであり、インクはインク容器21より供給さ
れる。被印字媒体を押えるローラー3は鋼製の芯材にア
クリロニトリルゴムで形成したローラーで、プラテン1
に接し、プラテン1の回転に従動する。被印字媒体を押
さえるローラー4は鋼材の芯材にナイロンを植毛しブラ
シ状にしたローラーであり、プラテン1に接するととも
にプラテン1より僅かに早い速度で回転させる。本実施
例ではプラテン1の温度を120℃、キャリッジ移動速
度510mm/秒でインク吐出周波数12kHzとし
た。
記インクと印字装置により評価したところ実施例1〜5
については印字直後の印字面のベタツキはなく、オーバ
ーヘッドプロジェクターにて印字面の透明性を確認した
ところなんら問題はなかった。また、2日室温に放置し
ても印字面のひび割れは発生しなかった。比較例1と2
は印字面の透明性は問題ないものの印字面のベタツキは
室温に2日放置しても解消されなかった。比較例3は印
字面のベタツキはなく、印字面の透明性も問題はないが
室温1日放置で印字面にひび割れが生じた。比較例4は
印字面の透明性は問題ないものの印字面のベタツキは室
温に2日放置しても解消されなかった。
シートは少なくとも顔料と樹脂エマルジョンと糖類と高
沸点水溶性有機溶剤と水を含有するインクを使用し、被
印字媒体を樹脂エマルジョンの最低造膜温度以上に加熱
して印字をおこなうインクジェット記録方法において、
印字面のベタツキもなく、透明性も良く、時間経過して
もひび割れの発生しないオーバーヘッドプロジェクター
用として極めて優れたものである。
す概念図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも顔料と樹脂エマルジョンと糖
類と高沸点水溶性有機溶剤と水を含有するインクを使用
し、被印字媒体を樹脂エマルジョンの最低造膜温度以上
に加熱して印字をおこなうインクジェット記録方法に使
用するインクジェット記録用フィルムシートにおいて、
透明な支持体上にポリビニルアルコール層と、さらにそ
の上層に界面活性剤を含有する分子内にカルボン酸のア
ルカリ金属塩を有する水溶性の天然高分子を有するイン
ク吸収層を設けたことを特徴とするインクジェット記録
用フィルムシート。 - 【請求項2】 ポリビニルアルコールがけん化度97m
ol%以上であることを特徴とする請求項1記載のイン
クジェット記録用フィルムシート。 - 【請求項3】 界面活性剤がノニオン系及び/またはア
ニオン系であることを特徴とする請求項1記載のインク
ジェット記録用フィルムシート。 - 【請求項4】 分子内にカルボン酸のアルカリ金属塩を
有する水溶性の天然高分子がアルギン酸のアルカリ金属
塩であることを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
ト記録用フィルムシート。 - 【請求項5】 分子内にカルボン酸のアルカリ金属塩を
有する水溶性の天然高分子がカルボキシメチルセルロー
スのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1記
載のインクジェット記録用フィルムシート。 - 【請求項6】 前記アルカリ金属がナトリウムまたはカ
リウムであることを特徴とする請求項4または5記載の
インクジェット記録用フィルムシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27750194A JP3407431B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | インクジェット記録用フィルムシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27750194A JP3407431B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | インクジェット記録用フィルムシート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08132725A JPH08132725A (ja) | 1996-05-28 |
JP3407431B2 true JP3407431B2 (ja) | 2003-05-19 |
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ID=17584483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27750194A Expired - Fee Related JP3407431B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | インクジェット記録用フィルムシート |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3407431B2 (ja) |
-
1994
- 1994-11-11 JP JP27750194A patent/JP3407431B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH08132725A (ja) | 1996-05-28 |
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