JP3403747B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
タイヤ用ゴム組成物Info
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Description
ドに好適な補強性を有するゴム組成物に関し、特に耐摩
耗性および低発熱性が改良されたタイヤ用ゴム組成物に
関する。
り高い耐久性、低発熱性が要求されるゴム組成物では、
従来からISAFのような高補強性のカーボンブラック
が使用されてきたが、充填剤としてカーボンブラックは
耐摩耗性が優れていることが認められているが、耐摩耗
性を向上させるためカーボンブラック量を増加させると
発熱性が悪化する。近年市場の経済性要求が高まるにつ
れ、更に低発熱性、耐燃費性を得ることが商品価値を決
定する重要なポイントとなって来た。
ックの単独使用では限度があった。このため従来から用
いられた低発熱性向上の手法としては、カーボンブラッ
ク配合量の減少、シリカ配合量の増加というような配合
量の変更が行なわれている。
クのような表面活性の高い微細粒子でストラクチャーが
発達したものでは、粒子表面とゴムとの界面接着力も大
きいので、分子鎖に加わっている張力分担をミクロに平
均化することも可能であるが、表面活性度が小さい充填
剤では、応力平均化に対する張力分担を受けもつ前に、
粒子表面とゴム分子との間の界面破壊を起こし、補強効
果を示さない。
結合は、引張応力の向上や引裂強さ、耐摩耗性などの補
強に有利に作用することになり、高補強性を与えるに
は、粒子表面でのゴム分子との化学結合は重要な因子
で、かかる化学結合に関与する官能基の粒子表面におけ
る存在とその種類について充分な考慮が払われなければ
ならない。
と化学的結合をもたらすような官能基が存在することは
知られており、多くの研究により、カルボキシル基、水
酸基
ためにゴム分子とのぬれ性が良くなく、分散効果が悪い
という問題があり、このためγメルカプトプロピルトリ
メトキシシランのような所謂シランカップリング剤によ
り、分子鎖の一方の端はトリメトキシシラン基の加水分
解により、シリカ粒子のシラノール基と縮合反応により
結合し、即ちシリカ表面に結合し、他方の端末は、混練
時の機械的切断で生成したゴムのエラストマーラジカル
に官能基(−SH)が反応し、残りの水素ラジカルはエ
ラストマーラジカルにターミネートされて安定化され
る。このようにしてシラン粒子のまわりにベンゼンなど
の溶剤に不溶の所謂バウンドラバーが、シラン無添加の
場合より1.5倍に増加することが知られ、この充填剤
粒子周辺に形成する非運動的なゴム層は未架橋の運動し
易いゴム分子部分よりも高密度のいわゆる稠密構造とな
り、これが弾性率を高めると共に応力均一化に働き補強
することが知られている。
をシリカと併用してシリカの補強性を向上させる手段に
よっても、シランカップリング剤は、シリカ中の不純物
であるアルミニウム等の影響で、その効果は低下する。
またSiに−OHが2個ついた基も存在し、これもまた
カップリング効率の低下の原因の一つとなっている。従
って、シリカにシランカップリング剤を併用しても、カ
ーボンブラックの補強性には及ばないという問題があっ
た。
ゴムおよび/またはジエン系合成ゴムに配合するカーボ
ンブラックの一部をシリカで置き換え、低発熱性にする
と共にカーボンブラックだけの充填剤の場合と同等以上
の耐摩耗性を保持させたタイヤ用ゴム組成物を提供する
ことである。
題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定のシリカ
に対し、シランカップリング剤を組み合わすことによっ
て、有効に解決し得ることを見出して、本発明を完成す
るに至ったのである。
/またはジエン系合成ゴム100重量部に対して、カー
ボンブラック5〜60重量部、下記化学式〔化6〕のシ
リコーンオイルよりなる群から選ばれた少なくとも1種
からなる化合物をシリカ量の1〜20重量%表面処理し
たシリカ5〜80重量部、シランカップリング剤をシリ
カ配合量の2〜15重量%配合混練してなるタイヤ用ゴ
ム組成物である。
〔化7〕、〔化8〕、〔化9〕および〔化10〕よりな
る群から選ばれた少なくとも1種である上記記載のタ
イヤ用ゴム組成物である。
発明における、ゴム成分としては天然ゴムまたは合成ゴ
ムを単独またはこれらをブレンドして使用することがで
きる。この合成ゴムとしては、合成ポリイソプレンゴ
ム、ポリブタジエンゴムやスチレンブタジエンゴム等が
例示できる。カーボンブラックとしては、ISAF、H
AF等が好ましく使用できるが、特に限定されるもので
はない。シリカとしては、合成無水微粉ケイ酸が好まし
いが特に限定するものではない。シランカップリング剤
としては、例えば、前記化学式〔化7〕、〔化8〕、
〔化9〕および〔化10〕よりなる群から選ばれた各化
合物が挙げられる。これらの化合物は、単独に又は併用
して使用することができる。
の程度は異なるが、多数のシラノール基が存在する。シ
ラノール基は親水性であり、前記の如くゴムとのぬれ性
が悪く、ゴムとの相互作用は弱い。このシラノール基と
ゴムポリマーの両方に作用して補強性を向上させるのが
前記の如くシランカップリング剤の役割である。しか
し、このシランカップリング剤は、シリカ中の不純物で
あるアルミニウム 不純物が表面にある場合、=Al−OHとなる。 これもまたカップリング効率の低下の原因の1つとなっ
ている。
シリカ表面に表面に処理することによりシリカ表面のこ
れらのカップリング効率を低下させる末端−OH基を覆
ってしまい、シランカップリング剤の反応を促進させ
る。また、同時に親水性であったシリカ表面を疎水性と
し、ポリマーとの親和性を高める働きをも有する。
(メチルハイドロジエンポリシロキサン)は、前記〔化
6〕で示される化合物よりなる群から選ばれた少なくと
も1種であり、例えば、下記構造式
していてもかまわない。
リコーンオイルをブレンドした後、250℃で1時間熱
処理することにより行うことができる。前記化学式〔化
7〕、〔化8〕、〔化9〕又は〔化10〕で示したシラ
ンカップリング剤を使用したとき、特に相乗効果がある
ため、このシリカを充填剤として使用することによっ
て、ゴムをカーボンブラック単独充填の時と同等かそれ
以上の耐摩耗性を保持させることができる。
では、補強効果が十分でなく、60重量部超では、高発
熱性となるばかりか、耐摩耗性もかえって低下する。表
面処理シリカ使用量は5重量部未満では、置換による低
発熱性のメリットが小さく、80重量部超では作業性の
悪化をもたらす。表面処理シリカは20〜50重量部が
好ましい。
重量に対し、2重量%未満ではカップリング効果が小さ
く、15重量%超ではポリマーのゲル化を引き起こす。
有機ケイ素化合物からなる疎水性化剤の処理量は、シリ
カ量に対し1〜20重量%である。1重量%未満では目
的とする表面処理の効果が見られず、20重量%超では
シランカップリング剤が反応するSi−OHサイトまで
覆いつくしてましいカップリング剤の効果を妨げる。ま
た、処理量は使用するシリカの表面積、すなわちSi−
OHサイト数によって適宜調整されることが好ましい。
ゴム工業で通常使用される配合剤、例えば、他の補強性
充填剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤等を
適宜配合することができるのは勿論のことである。
説明するが、本発明は、この実施例により限定されるも
のではない。 (実施例1〜9および比較例1〜5)下記表1〜表3
に、天然ゴムおよび/またはジエン系合成ゴム100重
量部にカーボンブラックの配合量、表面処理シリカの種
類及びその配合量、シランカップリング剤の配合量を変
えた実施例、比較例の組成物について、耐摩耗性及び発
熱性を測定した結果を示す。
のとおりである。 (ゴム物性測定法) (1) 耐摩耗性 耐摩耗性を表す耐摩耗指数はランボーン試験機を用いて
摩耗損失量を測定し、次式により算出した。 (耐摩耗指数)=(対照物の容量損失量)×100/(供試
試験片の容量損失量) この指数が大きい程、耐摩耗性が良好なことを示す。
スペクトロメーターを使用し、引張りの動歪1%、周波
数50Hz、25℃の条件で測定した。なお、試験片
は、厚さ2mm、幅5mmのスラブシートを用い、試料挟み
間距離2cmとして初期荷重を100gとした。対照物と
対比した指数で表し、指数の値の低いほど、低発熱性を
示す。
定値であるtanδ値と耐摩耗性との関係をまとめたもの
を示す。上記表1〜表3並びに図1及び図2から明らか
なように、本発明のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜
9)は、比較例1〜5に較べ耐摩耗性は同等またはそれ
以上であり、一方低発熱性であることが判る。
において、耐摩耗性を、カーボンブラック単独配合した
場合と較べて、同等程度かそれ以上保持しながら、低発
熱性にすることができる。従って、近年省エネルギーを
目指した低燃費性が要求されている時、製品の性能向上
に大きく寄与することができる。
性を表すtanδ値と耐摩耗性との関係を示す図面であ
る。
性を表すtanδ値と耐摩耗性との関係を示す図面であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 天然ゴムおよび/またはジエン系合成ゴ
ム100重量部に対して、カーボンブラック5〜60重
量部、下記化学式〔化1〕のシリコーンオイルよりなる
群から選ばれた少なくとも1種からなる化合物をシリカ
量の1〜20重量%表面処理したシリカ5〜80重量
部、シランカップリング剤をシリカ配合量の2〜15重
量%配合混練してなるタイヤ用ゴム組成物。 【化1】 - 【請求項2】 シランカップリング剤が下記化学式〔化
2〕、〔化3〕、〔化4〕および〔化5〕よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のタイヤ
用ゴム組成物。 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】
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