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JP3499927B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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Publication number
JP3499927B2
JP3499927B2 JP24136294A JP24136294A JP3499927B2 JP 3499927 B2 JP3499927 B2 JP 3499927B2 JP 24136294 A JP24136294 A JP 24136294A JP 24136294 A JP24136294 A JP 24136294A JP 3499927 B2 JP3499927 B2 JP 3499927B2
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section
pulse
gradient magnetic
cross
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JP24136294A
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JPH08103425A (ja
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賢治 滝口
哲彦 高橋
博 西村
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Publication date
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  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気共鳴イメージング装
置(以下、MRI装置という)関し、特に大視野と小
視野の画像を同時に計測する方法に特徴を有するMRI
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超高速撮影法としては、「エコー
プラナー法を用いた0.5Tにおけるスナップショット
イメージング」(マグネティック レゾナンス イン
メデスン10、 227頁、1989年)(R.J.Ordidge, A.Howse
man, R.Coxon, R.Turner, B.Chapman, P.Glover, M.Ste
hling and P.Mansfield ; Snapshot Imaging at 0.5TUs
ing Echo - Planar Techniques, Magn. Reson. Med.10,
227, 1989)等に論じられているように、撮影したい領
域を励起した後、リードアウト傾斜磁場を振幅の極性の
反転を繰り返しながら印加してエコーを連続的に計測
し、1度の励起で像再構成に必要なエコーを全て計測す
る方法が知られている。
【0003】このエコープラナー法は、数10msとい
う短い計測時間で2次元画像データを得られることか
ら、その高速性を利用して脳機能などのダイナミックな
変化を追跡する機能画像取得に応用されている。例え
ば、「タスクにより活性化している間のヒト脳機能の時
間経過EPI」(マグネティック レゾナンス イン
メデスン25、 390頁、1992年)(Peter A. Bandettini,
Eric C. Wong, R. ScottHinks, Ronald S.Tikofsky an
d James S.Hyde ; Time Course EPI of Human Brain Fu
nction during Task Activation, Magn. Reson. Med, 2
5, 390, 1992)には、脳内の微小循環を画像化し脳機能
を計測する方法が提案されている。その他、「MRイメ
ージングにおける一般化されたk空間分析及び動きの影
響の補正」(マグネティック レゾナンス イン メデ
スン30、 438頁、1993年)(M.Louis Lauzon, Brian K.
Rutt ; Generalized K - Space Analysis and Correct
ionof Motion Effects in MR Imaging, Magn. Reson. M
ed. 30, 438, 1993)においては、高速撮影法と従来撮
影法のパルスシーケンスを交互に実施し、モーションア
ーチファクトを除去する方法なども提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、信号
計測時間が数10msと非常に短いという特長を有する
が、解像度、S/N比が従来の時間をかけて計測する方
法を比較して劣化するという問題があった。このため機
能画像を、従来法によって計測した解像度、S/N比の
高い解剖学的画像と合成し、機能している領域を明確に
するということが行われる。しかしながら、機能画像と
解剖学的画像は異なる環境で計測されるので、画像合成
時に位置の対応づけを正確に行うことが求められる。
【0005】一方、選択励起する断面を変えながら隣接
する複数の断面を計測し3次元画像を得るマルチスライ
ス計測があるが、3次元領域において、例えば病変部周
辺や血管走行に沿った領域等、高い解像度を要する部位
が特定されている場合には、その必要とする領域のみを
高い解像度で計測することは、計測の効率を高めること
になる。しかし、従来のマルチスライス計測では信号は
断面の全体からの信号が計測されるので、血管や所定の
臓器についての3次元画像を得る場合には、計測された
3次元画像データから画像処理によって所定の部分を選
択して画像化する必要がある。
【0006】本発明はこのような従来の問題点に鑑みな
されたもので、励起された断面から所望の小断面を選択
してエコー信号を取得することが可能であるイメージン
グ方法を提供することを目的とする。また本発明は同一
パルスシーケンスで異なる種類の画像データを同時に取
得できるMRイメージング方法を提供することを目的と
する。特に同一パルスシーケンスで機能画像と解剖学的
画像を同時に計測し、これらの撮影時の環境差を最小に
するMRイメージング方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、被検体
の所望の断面を選択励起する第1の高周波磁場パルス
(以下、RFパルスという)の印加を含む第1の工程
と、前記断面に含まれそれよりも領域の縮小された小断
面を選択する第2のRFパルスおよび第3のRFパルス
の印加を含み、エンコード傾斜磁場およびリードアウト
傾斜磁場を印加して小断面についてエコー信号を計測す
る第2の工程を含むパルスシーケンスを実施するMRI
装置によって達成される。
【0008】ここで第1のRFパルスは、所定周波数の
搬送波をsinc関数で変調した波形を有し、第2及び
第3のRFパルスは、中心周波数ωの搬送波をsinc
関数、およびωに対して異なる周波数シフト成分△ωを
周波数をする余弦波あるいは正弦波を用いて変調した波
形を有するものを用いる。そして、第1のRFパルスに
よって選択励起された断面内にある小断面を、第2及び
第3のRFパルスによって選択するに際し、その位置及
び大きさは、第2及び第3のRFパルスにおける搬送波
の中心周波数ωcおよび周波数シフト成分△ωを変化さ
せることにより選択される。
【0009】本発明のMRI装置が実施するイメージン
グ方法の1態様によれば、第1の工程においても、第1
のRFパルス印加後、エンコード傾斜磁場およびリード
アウト傾斜磁場を印加して励起された断面全体からの第
1のエコー信号を計測する。この際、第1の工程におけ
る第1のエコー信号の計測及び第2の工程における第2
のエコー信号の計測の少なくともいずれか一方は、少な
くとも2個のエコーを含むマルチエコー計測となるよう
にエンコード傾斜磁場およびリードアウト傾斜磁場を印
加する。具体的には、全断面より計測される第1のエコ
ー信号は、パルスシーケンスの繰り返しごとに、ただ1
個のエコーを含むシングルエコー計測となるようにエン
コード傾斜磁場およびリードアウト傾斜磁場を印加し、
小断面より計測される第2のエコー信号は、少なくとも
2個のエコーを含むマルチエコー計測となるようにエン
コード傾斜磁場およびリードアウト傾斜磁場を印加す
る。或いは第1の工程におけるエコー信号計測と第2の
工程におけるエコー信号計測はともにマルチエコー計測
となるようにする。
【0010】更に本発明のMRI装置が実施するイメー
ジング方法の別の態様は、前記パルスシーケンスを繰返
して、隣接する複数の断面を計測するマルチスライス計
測を採用し、その際小断面の選択領域を各スライス断面
において異なるように、第2及び第3のRFパルスにお
ける搬送波の中心周波数ω及び周波数シフト成分Δωの
大きさを変化させ、任意形状の3次元データを取得す
る。
【0011】
【作用】本発明に係る方法では、第1の工程において第
1のRFパルスによって計測したい断面を選択励起した
後、第2の工程において第2および第3のRFパルスを
印加し、励起された断面の内の一部(小断面)の磁化に
影響を与えずに、その他の部分の磁化についてはエコー
信号が観測されない方向に励起するので、小断面を選択
でき、ここからのエコー信号を計測することができる。
特に所定形状の2つのRFパルスを組合せ、それらRF
パルスの中心周波数と周波数シフト成分を変化させるこ
とにより、小断面の位置、大きさを変化させることがで
きるので、任意の小断面を選択でき、例えばマルチスラ
イス計測の場合に任意形状の3次元データを取得でき
る。
【0012】また本発明のMRイメージング方法では、
第1の工程で計測されたエコー信号と第2の工程で計測
されたエコー信号から、大視野及びその中の注目したい
領域、小視野の両方についての画像データを取得でき
る。この際、これら2組の画像データは同一の測定環境
において取得されるので、環境差のない画像が得られ
る。
【0013】また第1の工程におけるエコー計測をシン
グルエコー計測とし、第2の工程におけるエコー計測を
マルチエコー計測とすることにより、小断面は励起され
た断面と比較して、画像を構成するのに必要な数のエコ
ーを高速に計測することができる。したがって、本発明
のパルスシーケンスにより1度の計測で解像度の高い解
剖学的画像を時間分解能の高い機能画像を同時に計測す
ることが可能となる。
【0014】更にマルチスライス計測を採用し、スライ
ス毎にエコー信号を計測する小断面の領域を変化させる
ことにより、所定の臓器や血管に合わせた任意形状の3
次元画像を取得することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図5に、本発明を適用するMRI装置の構
成の概略を示す。本装置は、静磁場を発生する静磁場発
生磁石1と、傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生部2と、
RFパルスの送信および信号の検出をするプローブ3
と、傾斜磁場の電源4と、RFパルスの送信及び受信を
おこなう送受信機5と、計算機6から構成されている。
【0016】静磁場発生磁石1は被検体7の周りに強く
均一な垂直もしくは垂直方向の静磁場を発生させるもの
で、典型的には磁場強度0.1Tから4.7Tの磁場を
発生する。磁石としては超伝導磁石や常伝導磁石、永久
磁石が使用される。傾斜磁場発生部2は、静磁場の方向
およびこれと直交する2方向に沿って、磁場の強度にそ
れぞれ傾斜をつけるための傾斜磁場を発生する3組のコ
イルを有している。これらの傾斜磁場をGx、Gy、G
zと呼ぶ。
【0017】プローブ3は送受信機5の出力により、周
波数4MHz〜200MHzのRFパルスを発生すると
ともに、被検体7から発生する磁気共鳴信号を検出する
もので、被検体7の撮影対象とする領域に移動させる。
これらの傾斜磁場の制御またRFパルスの制御はパルス
シーケンスに従って、計算機6を介して行われる。計算
機6は、更に送受信機5が受信した信号を信号処理して
フーリエ変換等の処理を行い画像を再構成する。尚、図
ではプローブ3及び送受信機5はそれぞれRFパルスの
送信と磁気共鳴信号の受信の両方を行う構成としたが、
これらは送信用、受信用に別個のものを設けてもよい。
【0018】次にこのようなMRI装置に適用された本
発明のパルスシーケンスについて説明する。図1は本発
明の第1の実施例におけるパルスシーケンスを示す図
で、RFはRFパルスの印加パターンを、Gz、Gy、
Gxはそれぞれz方向、y方向及びx方向の傾斜磁場の
印加パターンを表す。本実施例においては、第1のRF
パルス11を印加し、1つのエコー信号15を計測する
第1の工程と、第2及び第3のRFパルス17、19を
印加し、選択された小断面について複数のエコー信号2
3を計測する第2の工程とからなり、第1の工程ではR
Fパルス11と同時にスライス(断面)選択のための傾
斜磁場Gz12が印加され、更にy方向に磁場強度を傾
斜させる傾斜磁場Gy13及び信号読み出しのための傾
斜磁場Gx14が加えられる。このy方向の傾斜磁場G
y13は、エコーの位相にy方向に沿った位置情報を付
与するのもので、位相エンコード傾斜磁場を呼ばれる。
また傾斜磁場Gx14は、印加を行いながらエコーの計
測をするので、リードアウト傾斜磁場を呼ばれる。これ
ら位相エンコード傾斜磁場13及びリードアウト傾斜磁
場14によって変化したスピンの位相を戻すために、傾
斜磁場16及びリードアウト傾斜磁場14の後半部分が
加えられる。
【0019】ここでRFパルス11は、共鳴周波数ωc
の搬送波をsinc関数によって変調した波形であり、
励起された信号強度の分布形状、すなわちスライスプロ
ファイルとは、式(1)に示すようにフーリエ変換の関
係にある。sinc関数のフーリエ変換は矩形となるの
で、この場合スライスプロファイルは、z方向に沿って
矩形となる。
【0020】
【数1】
【0021】(尚、式中f(t)はsinc関数を表す) 即ち、このRFパルス11をz方向の傾斜磁場Gz12
と同時に印加することにより、z軸方向に沿って被検体
7の所定のスライスが選択され、そのスライス内のスピ
ンが励起される。なお、RFパルス11のフリップ角は
90゜が一般的だが、これより小さいフリップ角(γ
°)でも良い。
【0022】次の第2工程のRFパルス17は、式
(2)に示すように中心周波数ωaの搬送波をsinc
関数及び周波数シフト成分△ωaを周波数とする余弦波
を用いて変調した波形を有し、そのスライスプロファイ
ルは、ωa+△ωa或いはωa−△ωaを中心周波数とする
2つの矩形プロファイルからなる。
【0023】
【数2】
【0024】このRFパルス17は、y方向のスライス
選択傾斜磁場Gy18と同時に印加される。従ってRF
パルス17によって励起されるスライスプロファイル
は、図2の31に示すようにy方向に沿って2個のピー
クを持つ。また、高周波磁場19は、式(3)に示すよ
うに中心周波数ωbの搬送波をsinc関数及び周波数
シフト成分△ωbを周波数とする余弦波を用いて変調し
た波形を有し、そのスライスプロファイルは、ωb+△
ωb或いはωb−△ωbを中心周波数とする2つの矩形プ
ロファイルからなる。
【0025】
【数3】
【0026】このRFパルス19はx方向のスライス選
択傾斜磁場Gx20と同時に印加され、そのスライスプ
ロファイルは図2の30に示すようにx方向に沿って2
個のピークを持つ。これらRFパルス17、19を連続
して印加することにより、RFパルス11によって励起
されたスライスのうち、特定の領域(小断面)の磁化の
みが影響を受けないで、他の部分はエコー信号が計測さ
れない状態に励起される。
【0027】第2工程ではこのようにRFパルス17、
19によって選択された領域についてエコー信号23の
計測が行われる。この計測は、ブリップ状の傾斜磁場G
y21と短い間隔で極性が反転するリードアウト傾斜磁
場Gx22によって複数のエコーを発生させるマルチエ
コー計測であり、例えば32〜128個のエコー信号を
取得する。
【0028】次に上記パルスシーケンスによる本実施例
の動作を説明する。まず時刻Taにおいて、RFパルス
11と、z方向に磁場強度を傾斜させる傾斜磁場Gzを
12に示すパルス状に印加して、図2に示すz軸に垂直
なスライス面32を励起する。RFパルスを傾斜磁場を
同時に印加することで、関心領域を選択的に励起するこ
とができる。次にRFパルス11の印加後、x方向に磁
場強度を傾斜させる傾斜磁場Gx14をT時間印加し、
振幅の極性を反転させて2T時間印加し、再び振幅の極
性を反転させてT時間印加する。この間傾斜磁場Gx1
4を印加して2T時間後、傾斜磁場Gxの振幅と印加時
間の積分値が0になるとエコー信号S1が発生するの
で、これを計測し計算機6に格納する。
【0029】このリードアウト傾斜磁場Gx14ととも
に、位相エンコード(y)方向の傾斜磁場Gy13をt
時間印加する。ここで、時間tは時間Tより短いものと
する。エコー信号S1を計測した後、傾斜磁場Gyの振
幅と印加時間の積分値が0になるように、振幅の極性を
反転させた傾斜磁場Gy16をt時間印加する。これに
よりスピンの状態は、傾斜磁場Gy13による位相の変
化が相殺される。
【0030】次の第2の工程では時刻Tbにおいてα°
のフリップ角のRFパルス17と、y方向に磁場強度を
傾斜させる傾斜磁場Gy18を同時に印加し、さらに時
刻Tcにおいてβ゜のフリップ角のRFパルス19と、
x方向に磁場強度を傾斜させる傾斜磁場Gx20を同時
に印加する。この2つのRFパルス17、19及び傾斜
磁場18、20は前述したように、それぞれx方向及び
y方向に沿った2つの励起プロファイル31、30(図
2)を与えるので、第1のRFパルス11によって励起
を受けたスライス面32は、RFパルス17、19によ
る励起を受けない領域Eと、いずれか一方或いは両方の
励起を受ける領域の9個の領域に区分される。
【0031】例えば第1のRFパルス11のフリップ角
が90°であるとすると、領域A、C、G及びIの磁化
はα゜+β゜、領域DとFの磁化はβ゜、領域BとHの
磁化はα゜の励起を受け、領域Eの磁化は90゜励起さ
れたままの状態にとどまる。ここでα、βの値を共に−
90゜とすると、領域BとDとFとHにおける磁化のフ
リップ角は最初の0゜に戻され、領域A、C、G及びI
における磁化のフリップ角は−90゜となるので、領域
Eは隣接した領域BとDとFとHから分離される。
【0032】従って時刻Tc以降の傾斜磁場を、領域E
を視野とするような撮影条件で印加すれば、周辺からの
信号の折り返しの影響を受けずに、領域Eのみを画像化
することができる。なお領域A、C、G及びIはフリッ
プ角が−90゜の磁化が存在するので、これらの領域か
らの信号の混入が予想される場合には、RFパルス11
とRFパルス17、19の位相をπ/2シフトさせ、領
域AとCとGとIの信号の位相と、領域Eの信号の位相
との間に、π/2の位相差を設けることにより、両者の
信号を分離することができる。
【0033】また、式(2)、(3)及び図2からの分
るように、RFパルス17、19のスライスプロファイ
ルにおける2つのピークの中心位置と各ピークの中心位
置は、搬送波の中心周波数ωa、ωb及び周波数シフト成
分(搬送波に重畳される余弦波の中心周波数)△ωa
△ωbによって決るので、これらを変化させることによ
り、領域Eの位置および面積を任意に選択することがで
きる。
【0034】次にスライス面32から選択された領域E
の信号を計測する。このためにRFパルス19の印加
後、リードアウト傾斜磁場Gx22をT時間印加し、以
後2T時間ごとに振幅の極性の反転を繰り返しながら印
加を続ける。傾斜磁場Gx22の振幅と印加時間の積分
値が0となるごとにエコー23が発生するので、これを
計測し計算機6に格納する。この際、傾斜磁場Gxの反
転と同じタイミングで位相エンコード傾斜磁場Gy21
を2T時間の間隔でt時間づつ印加する。ここで時間t
は時間Tより短いものとし、エコー23は1枚の画像を
再構成するのに必要な数だけ計測する(ここではjと仮
定する)。
【0035】上記第1の工程及び第2の工程を、繰り返
し時間TRで傾斜磁場13、16を1エンコードステッ
プ分ずつ変化させながら繰り返す。スライス面32につ
いて画像を再構成するのに必要なエンコードステップ数
をkとすると、k回のシーケンスの繰り返しに対して、
1組のエコー列{S1}とk組のエコー列{S2}が得
られる。最後に{S1}、{S2}を別々に像再構成す
ることにより、{S1}からスライス面32の画像が得
られ、{S2}からTR間隔で連続したk枚の領域Eの
画像が得られる。即ち、{S1}から高分解能の解剖学
的画像を、また{S2}から高時間分解能の機能画像を
得ることができる。
【0036】以上の実施例では、パルスシーケンスの繰
り返しにつき第1の工程で1個のエコー信号15と、第
2の工程で1枚の画像を再構成するのに必要な数(j)
のエコー信号23を計測したが、各工程において計測さ
れるエコーの数がこれに限定されるものではなく任意に
設定できる。一般に信号取得時間と画像のS/N比はト
レードオフの関係にあるため、1回の計測で1枚の画像
が形成できる領域Eの画像は高速撮影ではあるが、スラ
イス面32の画像と比較してS/N比が劣る。従って、
領域Eの画像についてもS/N比を向上させるために
は、複数回の計測の繰り返しによって画像に必要な数の
エコー信号を計測するようにしてもよい。また、第1の
工程についても1回の計測で複数のエコー信号を計測す
るようにしてもよい。更には、第2の工程をシングルエ
コー計測とし、第1の工程で2以上のエコーを計測する
ことも可能である。
【0037】本発明の第2の実施例として、信号取得時
間とS/N比の関係を中和させるために、第1の工程と
第2の工程におけるエコー信号の計測の比率を変化させ
た場合を図3に示す。図3に示すパルスシーケンスで
は、第1のRFパルス51、第2及び第3のRFパルス
58、60はそれぞれ図1のRFパルスと同様であり、
それらと同時に印加される傾斜磁場52、59、60の
同様であるので説明を省略する。この実施例においても
第1の工程で位相エンコード傾斜磁場Gy53、57が
印加されるが、この場合の傾斜磁場印加量(強度)はそ
の間にブリップ状に印加される位相エンコード傾斜磁場
54との関係で決められ、位相エンコード数は図1の実
施例よりも少なくてよい。第1の工程では、複数(m
個)のエコー信号56を計測するために極性の反転を繰
り返すリードアウト傾斜磁場Gx55が加えられる。第
2の工程でも第1の工程と同様に位相エンコード傾斜磁
場62、66が加えられ、複数のエコー信号65が計測
される。
【0038】このようなパルスシーケンスでは、まずR
Fパルス51によってスライス面32を励起して信号を
計測し、RFパルス58、60によってスライス面32
から領域Eを選択するところは、第1の実施例と同様で
あるが、リードアウト傾斜磁場Gx55を、2Tごとに
振幅の極性を反転させながら印加し、m個のエコー56
を計測する。この時、同時に位相エンコード傾斜磁場G
y54を2T時間毎に1エンコードステップ分ずつ印加
し、最後にリフェイズのための傾斜磁場57を印加す
る。ここで、エンコード傾斜磁場53、57の傾斜磁場
印加量は、シーケンスの繰り返しごとに、各エコーの受
けるエンコード傾斜磁場の量が異なるように変化させる
のであるが、傾斜磁場Gy57の印加量は、傾斜磁場G
y53、54及び57の振幅と印加時間の積分値が0と
なるように決められる。
【0039】次に第2の工程で高周波磁場58と60の
印加後、傾斜磁場Gx64を2T時間ごとに振幅の極性
を反転させながら印加し、n個のエコー65を計測す
る。同時に、位相エンコード傾斜磁場Gy63を、2T
時間毎に1エンコードステップ分ずつ印加する。最後に
位相エンコード傾斜磁場66が印加されるが、この傾斜
磁場66の印加量は、傾斜磁場Gy62、63及び66
の振幅と印加時間の積分値が0となるように印加する。
【0040】以上のシーケンスを、位相エンコード傾斜
磁場53、57、62及び66の強度を変えながら繰り
返し、画像に必要な数の信号を取得する。以上のパルス
シーケンスでは1回の計測につき、第1の工程ではm
個、第2の工程ではn個のエコーが得られる。従って、
本実施例は、図1の実施例と比較して信号S1の信号取
得の効率はm倍となるが、信号S2の信号取得の効率は
n/j倍となる。
【0041】以上の図1及び図3の実施例では、エコー
信号S1、S2ともに像再構成に必要な数のエコーを全
て計測する場合について説明したが、全てのエコーがな
くても画像が像再構成可能な方法を本発明の方法に適用
し、計測するエコー数を短縮することも有効であること
は明らかである。このような方法としては、k空間にエ
ルミット対称性が存在することを利用したハーフフェイ
ズ・エンコーディング法や、ダイナミックイメージ(機
能画像)についてはk空間における比較的低周波数領域
の信号を計測し、その他の部分の画像データは既にある
解剖学的画像データを利用する方法等があり、例えば
「共役によるMRイメージング時間の半減:3.5KG
におけるデモンストレーション」(ラジオロジー161、5
27、1986年)(D.A.Feinberg, J.D.Hale, J.C.Watts,
L. Kaufman and A. Mark; Halving MR Imaging Time by
Conjugation : Demonstration at 3.5KG, Radiology,
161,527, 1986)或いは「コントラスト剤投与に次ぐダ
イナミック連続イメージにおいて時間分解能を改善する
ための複合k空間ウィンド(キーホールテクニック)」
(SMRM 第11回年会、ワーク−イン−プログレ
ス、4236、1992年)(M.E.Brummer, W.T.Dixo
n, B.Gerety, H.Tuithof; Composite k-Space Windows
(Keyhole Techniques) To Improve Temporal Resoluti
on in a Dynamic Series of Images Following Contras
t Administration, SMRM 11th Anuual Meeting, Work i
n Progress, 4236, 1992)に述べられている。
【0042】次に本発明の第3の実施例として、本発明
の方法をマルチスライス計測を採用した3次元計測に適
用した場合について説明する。この実施例では図4に示
すように、z方向に沿って走行する血管部周辺を高い時
間分解能で計測することを可能とする。第3の実施例に
おけるパルスシーケンスは、図1のパルスシーケンスと
同様であるが、この場合第1の工程では傾斜磁場Gy1
3、16及び傾斜磁場Gx14の印加を省略し、エコー
S1の計測を行わなくてもよい。即ち、まずRFパルス
11及びスライス選択傾斜磁場12によってスライス面
を励起し、続いてRFパルス17と19によってスライ
ス面内の特定の領域(視野)を選択する。次にエンコー
ド傾斜磁場Gy21及び極性が反転するリードアウト傾
斜磁場22を印加し複数のエコーS2を計測する。この
ようなシーケンスを、RFパルス11の搬送波の周波数
を変化させて、スライス位置をz方向にシフトさせてマ
ルチスライス計測を行う。
【0043】ここで図4に示すように、最初のスライス
位置SL1において血管部41が位置p1を通過するな
らば、p1を中心とした領域を選択するようにRFパル
ス17及び19を照射する。RFパルス17及び19に
よって領域の位置及び面積を決定することは既に述べた
通りである。そして次のスライス位置SL2において血
管部41が位置p2を通過するならば、今度はp2を中
心とした領域選択するように高周波磁場17及び19を
照射する。このようにして得られた画像をつなぎ合わせ
ることにより、血管部周辺のみの3次元画像が得られ
る。
【0044】尚、血管部41の位置は、予め従来の3次
元計測を行うことにより、およその位置を知ることがで
き、この情報に基づき本発明の計測を実施する。さら
に、本発明のイメージング方法により得られた高分解能
画像と従来の3次元計測によって得られた画像との重ね
合わせが有効であることは明らかである。以上説明した
図1及び図3のパルスシーケンスは、説明のために代表
的なシーケンスを示したものであり、細部は変更するこ
とができる。例えば、エコー信号の計測のために印加さ
れる傾斜磁場22、55、64は振幅の極性が反転する
矩形波を示したが、正弦波であってもよく、またブリッ
プ状の傾斜磁場21、54、63は、DCであってもよ
い。
【0045】更に本発明では第1の工程で単一のRFパ
ルス11、51のみを印加しているが、静磁場の不均一
によるスピンの位相分散を補正するために180゜パル
スを加えてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上、詳細に説明した如く本発明のMR
イメージング方法によれば、第1のRFパルスによって
計測したい所望の断面を選択励起し、更に第2及び第3
のRFパルスによって励起された断面のうちの狭い領域
を選択してエコー信号を計測するようにしたので、最初
に励起された断面において注目したい領域の小規模計測
が可能となる。また第1のRFパルスによる励起後にも
エコー信号を得ることにより、励起された断面全体につ
いての画像データと、後に選択された小断面についての
画像データを同時に得ることができる。特に高解像度の
解剖学的画像と時間分解能の高い機能画像とを同時に計
測することが可能である。これにより、2つの画像の計
測環境差なく、重ね合わせ等の処理が可能である。
【0047】また本発明のMRイメージング法によれ
ば、各スライスについて計測を行うマルチスライスを適
用することにより、3次元領域のうち任意の部位に沿っ
た画像を効率よく計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第3の実施例のパルスシー
ケンスを示す図。
【図2】本発明による小断面の選択を説明するための断
面の模式図。
【図3】本発明の第2の実施例のパルスシーケンスを示
す図。
【図4】本発明を適用する3次元物体の模式図。
【図5】本発明を適用する装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
11、51・・・・・・第1のRFパルス 12、52・・・・・・スライス選択性傾斜磁場 13、21、53、54、62、63・・・・・・エンコード
傾斜磁場 14、22、55、64・・・・・・リードアウト傾斜磁場 15、23、56、65・・・・・・エコー信号
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−343833(JP,A) 特開 昭63−143043(JP,A) 特開 平5−64633(JP,A) 特開 平2−246930(JP,A) 特開 平7−184879(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静磁場内に置かれた被検体に複数の高周波
    磁場パルスと複数の傾斜磁場を所定のパルスシーケンス
    で印加する手段と、前記被検体から発生する磁気共鳴信
    号を検出し前記被検体の組織の断層画像を得る手段とを
    備えた磁気共鳴イメージング装置において、 前記パルスシーケンスは、前記被検体の所望の断面を選
    択励起する第1の高周波磁場パルスを印加した後、前記
    断面全体についてエコー信号を計測する第1の工程と、
    前記断面に含まれ前記断面よりも領域の縮小された小断
    面を選択する第2の高周波磁場パルスおよび第3の高周
    波磁場パルスを印加した後、前記小断面についてエコー
    信号を計測する第2の工程とを含むことを特徴とする磁
    気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装
    置において、前記第1の工程では前記断面全体について
    前記エコー信号を計測することにより、前記断面につい
    て高解像度の画像データを取得し、前記第2の工程では
    前記小断面について複数の前記エコー信号を計測するこ
    とにより、前記小断面について高時間分解能の画像デー
    タを取得することを特徴とする磁気共鳴イメージング装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の磁気共鳴イメー
    ジング装置において、前記小断面の前記エコー信号を周
    囲の領域のエコー信号から分離するために、前記第1の
    高周波磁場パルスと前記第2および第3の高周波磁場パ
    ルスとは、印加する時点の前記被検体の磁化の位相がπ
    /2シフトするように設定されていることを特徴とする
    磁気共鳴イメージング装置。
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