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JP3486308B2 - 膜処理装置 - Google Patents

膜処理装置

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Publication number
JP3486308B2
JP3486308B2 JP28881896A JP28881896A JP3486308B2 JP 3486308 B2 JP3486308 B2 JP 3486308B2 JP 28881896 A JP28881896 A JP 28881896A JP 28881896 A JP28881896 A JP 28881896A JP 3486308 B2 JP3486308 B2 JP 3486308B2
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JP
Japan
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hollow fiber
sheet
membrane
fiber membrane
processing apparatus
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JP28881896A
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JPH10128077A (ja
Inventor
聡史 宮下
真澄 小林
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Dia Nitrix Co Ltd
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Dia Nitrix Co Ltd
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Publication date
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は膜処理装置に関し、
特に汚濁性(殊に有機物の汚濁性)の高い液体をろ過す
るのに適した膜処理装置に関する。具体的には、下排水
処理における固液分離、産業廃水処理(固液分離)、河
川水ろ過、工業用水道水ろ過、プール水ろ過、食品工業
などにおける用水ろ過および製品の清澄ろ過、酒、ビー
ル、ワインなどのろ過(特に生製品)、製薬食品などに
おけるファーメンターからの菌体分離、染色工業におけ
る用水および溶解染料のろ過、海水ろ過、RO膜におけ
る純水製造プロセス(海水淡水化を含む)における前処
理ろ過、イオン交換膜を用いたプロセスにおける前処理
ろ過、イオン交換樹脂を用いた純水製造プロセスにおけ
る前処理ろ過などに使用される膜処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、膜処理は様々な分野において用い
られている。膜の中でも中空糸膜は、処理装置の体積あ
たりの膜面積を大きくとることができる点で優れている
ため、無菌水、飲料水、高純度水の製造や空気の浄化と
いった、いわゆる精密ろ過の分野において数多く使用さ
れており、また、近年、下水処理場における二次処理、
三次処理や、浄化槽における固液分離、産業廃水中のs
s(浮遊懸濁物質)の固液分離、浄水場における河川水
の直接ろ過、工業用水道水のろ過、プール水のろ過など
の高汚濁性水処理用途に用いる検討が様々な形で行われ
ている。
【0003】しかしながら、これら高汚濁性水処理用途
における中空糸膜を用いたモジュールは、従来の精密ろ
過の分野において用いられてきた円形状や同心円状に中
空糸膜を収束して配置した円筒形タイプのものがほとん
どであった。また改良が施されるとしても、中空糸膜の
充填率や充填形態を変えるだけのものが多かった。
【0004】このような従来の円筒形タイプの中空糸膜
モジュールを用いて高汚濁性水(例えば、ss≧50p
pm、TOC(全有機物量)≧100ppm)のろ過処理
を行った場合には、使用時間に伴い、中空糸膜表面に付
着した有機物などの堆積物を介して中空糸膜どうしが固
着(接着)して一体化されることにより、モジュール内
の中空糸膜の有効膜面積が低下し、ろ過流量が急激に減
少することがあった。特にこの現象は、円筒形モジュー
ルの中心部に配された中空糸膜においていちじるしく、
大型の中空糸膜モジュールほど顕著であった。
【0005】本発明者らは上述の問題を解決することを
目的として、中空糸膜をシート状に配置し、矩形に成型
した中空糸膜モジュールを、特願平04−058344
号、特願平04−161322号、特願平04−161
323号などにおいて提案している。
【0006】図3は、上述の矩形に成形した中空糸膜モ
ジュールの一例を示したもので、この中空糸膜モジュー
ル20は、複数の中空糸膜13aが平行に配されて構成
された1枚のシート状物13と、このシート状物13の
両端に設けられた2つの対向する直方体のハウジング1
7とによって概略構成されたものである。
【0007】上述のハウジング17は、内部が空洞で、
この空洞が内部集水路とされているもので、その一面に
は前記内部集水路に開口する流出口15が設けられてい
る。さらに、2つのハウジング17の対向する面には略
長方形の開口部が形成され、この開口部には、前記シー
ト状物13の端部が挿入され、前記開口部に充填された
固定部材12によって支持固定されている。この場合、
シート状物13端部とは中空糸膜13aの繊維方向両端
部であり、各中空糸膜13aの両端部は、予め開口さ
れ、この開口状態を保ったままハウジング17内の内部
集水路内に位置している。
【0008】上述の中空糸膜モジュール20を用いて吸
引ろ過を行う場合には、被処理液を満たした被処理液槽
内に前記中空糸膜モジュール20を配置し、その流出口
15をポンプなどの吸引装置に接続する。そして、この
吸引装置を稼動させると中空糸膜13a内が負圧にな
り、被処理液槽に満たされた被処理液はこの中空糸膜1
3aによってろ過され、そのろ液はこの中空糸膜13a
内部を通ってハウジング17内の内部集水路に入り、さ
らに流出口15を通って系外に排出される。
【0009】このようなろ過処理を行うにおいて、膜面
積を高めるために中空糸膜モジュール20を複数配置し
て用いることがある。図5は、この中空糸膜モジュール
20をそのシート状物13膜面に対して平行に複数配列
した場合の例を示したものである。
【0010】この中空糸膜モジュール20は、中空糸膜
13aをシート状物13とするので、従来の円筒形タイ
プの中空糸膜モジュールのように中空糸膜が束ねられ
て、これら中空糸膜周囲全体が相互に接している状態と
比較して、中空糸膜13aどうし、あるいは複数配列さ
れたシート状物13どうしが固着(接着)して一体化す
るようなことがおこりにくい。
【0011】また、このようなシート状物13において
は、中空糸膜13aが直接被処理液に接触する面積が大
きくなっているので、エアーバブリング、振動、超音波
などによって発生させた気流や水流によって、中空糸膜
13a表面の堆積物を物理的に剥離、洗浄することがで
き、中空糸膜13aの目づまりを防ぎながらろ過処理を
継続することができる。具体的な洗浄方法としては、中
空糸膜13a膜面に対して平行に水流を流す、いわゆる
クロスフローろ過、被処理液槽内にポンプまたはモータ
ーなどで水流をおこす方法、エアーの上昇流を利用した
エアーバブリング法、中空糸膜モジュール20自体を振
動させる方法、被処理液を超音波により振動させる方法
などがあげられる。この中空糸膜モジュール20(シー
ト状物13)の洗浄は、その膜面閉塞の進行具合に応じ
て連続的に行っても良いし、断続的に行っても良い。こ
のように、この中空糸膜モジュール20は、高汚濁性水
処理における問題に関し、非常に効力を発揮するもので
あった。
【0012】図4は、従来の矩形に成形した中空糸膜モ
ジュールの他の例を示したもので、この中空糸膜モジュ
ール20Aが上述の中空糸膜モジュール20と異なると
ころは、その繊維方向の一端部のみが開口された複数の
中空糸膜13a’が平行に配されてシート状物13Aが
構成され、この開口された端部にのみハウジング17が
設けられている点である。この中空糸膜モジュール20
Aを用いて吸引ろ過を行う場合も、上述の中空糸膜モジ
ュール20と同様にして、被処理液を満たした被処理液
槽内にこの中空糸膜モジュール20Aを配置し、その流
出口15より吸引して行われる。また、物理的作用によ
る洗浄が可能であることも同様である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
中空糸膜モジュール20においては、1モジュール当た
り設ける中空糸膜13aやシート状物13の数が多い場
合や、中空糸膜モジュール20を複数、相互の間隔が狭
い状態で配置して使用した場合、シート状物13どうし
の間や中空糸膜モジュール20どうしの間に有機物など
のssが堆積し、若干のろ過効率(有効膜面積)の低下
がおこることがあった。このため、中空糸膜モジュール
20に設けるシート状物13どうしの間隔を広くした
り、複数配置する中空糸膜モジュール20どうしの間隔
を広くして、上述の堆積物の抑制を図ることが考えられ
る。
【0014】しかし、このようにすると、前記シート状
物13どうしや中空糸膜モジュール20どうしの間を気
流や水流がぬけてしまい、シート状物13の近傍を通ら
なくなってしまうため、物理的作用による堆積物の抑制
効果や洗浄効果が低下する。特に図5に示すように中空
糸膜モジュール20を並列配置すると、例えば、エアー
バブリングによる洗浄時にエアーバブルが中空糸膜モジ
ュール20どうしの間を抜けてしまい、洗浄効果が低下
することがあった。この問題は一方の端部にのみハウジ
ング17を設けた前記中空糸膜モジュール20Aにおい
ても同様であった。
【0015】また、これら中空糸膜モジュール20、2
0Aが高汚濁性水処理において有効であるのは、上述の
ように、より中空糸膜13a、13a’が被処理液に直
接接触する面積が大きくなっており、物理的作用による
洗浄方法によって高い洗浄効果が得られ、中空糸膜13
a、13a’の目詰まりを防止できるからである。しか
し、特にその一方の端部のみがハウジング17によって
固定されている中空糸膜モジュール20Aの場合、図6
に示されるように、一端、有機物などのssの堆積によ
って複数の中空糸膜13a’どうしが一本の棒状に固着
してしまうと、物理的作用による洗浄は容易ではなく、
被処理液槽から中空糸膜モジュール20Aを取り出し
て、薬液浸漬などの化学的な洗浄方法によって洗浄して
ろ過機能を回復させる必要があった。
【0016】本発明の目的は、高汚濁性水処理に使用し
た場合に、複数のシート状物相互の間隔を狭く配置して
も、中空糸膜どうし、あるいはシート状物どうしが固着
しにくく、また前記間隔を広く配置しても洗浄効果が低
下することがない膜処理装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明においては、2つ
の対向するハウジングの開口部に、中空糸膜を平行に配
列したシート状物の両端部がそれぞれ挿入、固定された
中空糸膜モジュールと、前記シート状物を挟んで、該シ
ート状物の膜面に平行に設けられた2枚の対向する整流
板とを備えた膜処理装置であって、前記シート状物が、
2枚または3枚、前記対向するハウジングと前記対向す
る整流板によって四方が閉塞された空間内に配置されて
いることを特徴とする膜処理装置を前記課題の解決手段
とした。この膜処理装置においては、前記ハウジングと
前記整流板とを一体化することもできる。このように整
流板を設けることによって、並列して配置したシート状
物どうしが固着するのを防ぐことができ、エアーバブリ
ングなどの物理的作用による洗浄効果を向上させること
ができる。
【0018】また、前記四方が閉塞された空間が、前記
シート状物と前記整流板の配列方向に、2つまたは3つ
設けられていると好ましい。また、隣り合うシート状物
とシート状物の間隔、もしくはシート状物と整流板との
間隔は3〜300mm、好ましくは5〜150mm、さ
らに好ましく5〜50mmとされる。これは、3mm未
満であるとシート状物どうしが固着しやすくなる可能性
があり、300mmをこえると膜処理装置あたりの膜面
積が低下し、かつ整流板による洗浄作用の向上効果が得
られないからである。さらに、前記整流板を平板状ろ過
膜とすると、膜処理装置における有効膜面積を増加させ
ることができ、好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の中空糸膜を用いた
膜処理装置の一例を示したもので、(a)は斜視図、
(b)は平面図である。図中符号10aは中空糸膜モジ
ュールであり、この中空糸膜モジュール10aは、複数
の中空糸膜が平行にシート状に配されてなるシート状物
3aと、このシート状物3aの両端に設けられた2つの
直方体のハウジング1とによって概略構成されている。
そして、この中空糸膜モジュール10aと、前記シート
状物3a膜面に対して平行に設けられた整流板4とから
膜処理装置10が構成されている。
【0020】前記ハウジング1は、その内部が空洞で、
この空洞が内部集水路とされているもので、その図中上
方向の一面には、前記内部周水路に開口する流出口5が
設けられている。そして2つのハウジング1の対向面に
は、それぞれ略長方形の開口部が2つずつ形成され、こ
れら開口部には、それぞれ、所定の間隔を配して設けら
れた3枚のシート状物3aからなる集合体3の両端部が
挿入され、前記開口部に充填された固定部材2によって
支持固定されて、中空糸膜モジュール10aが構成され
ている。すなわち、前記2つのハウジング1は、前記2
組の集合体3(6枚のシート状物3a)の両端部を支持
固定するもので、この場合、集合体3の端部とはシート
状物3aを構成する中空糸膜繊維方向両端部であり、各
中空糸膜の両端部は予め開口され、ハウジング1内の内
部集水路内に位置している。
【0021】さらに、この中空糸膜モジュール10aに
おける前記ハウジング1の対向面中央と対向面両端部に
は、前記シート状物3a膜面と平行に、長方形板状の整
流板4が設けられ、これら3枚の整流板4相互の間に前
記シート状物3aが3枚ずつ挟まれて、この膜処理装置
10が構成されている。
【0022】ハウジング1の材質としては、必要な機械
的強度および耐久性を有するものであればよく、例えば
ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリプロピレン、
アクリル樹脂、ABS樹脂、変性PPE樹脂などが例示
できる。使用後に膜処理装置10を焼却処理する必要が
ある場合には、燃焼により有毒ガスを出さずに完全燃焼
させることのできる樹脂を用いると好ましい。
【0023】ハウジング1の開口部の形状は略長方形と
され、そのシート状物3aの配列方向に平行な辺の長さ
は、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは15m
m以下とされる。30mmをこえると、シート状物3a
を整然と、シート状に配置することが難しくなるからで
ある。シート状物3aが歪んだ状態で固定されると、堆
積物による中空糸膜どうしの固着がおこりやすくなり、
膜面積を有効に活用できない場合がある。したがって、
シート状物3aをシート状に整然と配置することによ
り、シート状物3aを構成する中空糸膜どうしが固着一
体化して有効膜面積が低下するのを防ぐことができる。
また、例え中空糸膜どうしが固着した場合にも、上述の
物理的作用による洗浄方法によって洗浄し、有効膜面積
を回復させることができる。また、前記開口部における
シート状物3aの配列方向に直交する辺の長さについて
は特に限定しないが、短すぎるとシート状物3aを構成
する中空糸膜配列方向の幅が狭くなり、ひとつの膜処理
装置10に配設される中空糸膜の数が減少し、膜面積が
低下する。一方、長すぎると製造が困難となる。100
〜2000mmが適当とされる。
【0024】固定部材2は、シート状物3aを構成する
各中空糸膜を、その端部の開口状態を保ったままハウジ
ング1の開口部に固定するとともに、この中空糸膜をろ
過膜として機能させるために、被処理水と処理水とを液
密に仕切るもので、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ポリウレタンなどの液状樹脂を前記開口部に充
填、硬化させることにより形成される。
【0025】シート状物3aとしては、中空糸膜を平行
に、シート状に配しただけのものを用いることもできる
が、膜処理装置10製造時の操作、取扱いが簡便である
ため、中空糸膜を縦糸に用いた織物や編地(中空糸織編
物)などが好適である。特に後述するように、集合体3
が1枚のシート状物3aをおりかえしたものの場合、こ
のおりかえし箇所におけるU字状の中空糸膜を、ハウジ
ング1に設けられた開口部に挿入、支持固定するなどの
操作は、中空糸膜をシート状に配したのみのものでは非
常にやりにくいが、中空糸織編物を用いることにより、
比較的簡単に、かつ中空糸膜を整然と配置することがで
きる。
【0026】このシート状物3aを構成する中空糸膜と
しては、例えばセルロース系、ポリオレフィン系、ポリ
ビニルアルコール系、PMMA系、ポリスルフォン系な
どの各種材料からなるものが用いられる。ただし編地へ
の加工のしやすさなどを考慮するとポリエチレンなどの
強伸度の高い材質からなる中空糸膜を用いることが好ま
しい。そして、ろ過膜として使用可能なものであれば、
この中空糸膜の孔径、空孔率、膜厚、外径などに特に制
限はない。
【0027】シート状物3aの集合体3は、その一方、
あるいは両方の端部が予め開口されたシート状物3aを
複数枚一定間隔で集合させたものでもよいし、少なくと
も一端部が開口された1枚のシート状物3aを切断せず
に適当な長さにおりかえして集合させたものであっても
よい。この場合、集合体3の端部は、このおりかえし箇
所におけるU字状の中空糸膜を含み、このU字状部分を
ハウジング1に設けられた開口部に挿入、支持固定す
る。前記集合体3を構成する中空糸膜13の集合数は、
シート状物3aの厚さ、すなわちこのシート状物3aを
構成する中空糸膜の太さや合糸本数によっても変化する
が、通常は5枚程度までであり、前述したハウジング1
に設けられた略長方形の開口部におけるシート状物3a
の配列方向に平行な辺の寸法を好ましい範囲に設定でき
るように構成すると望ましい。
【0028】前記整流板4は、シート状物3aをひとつ
の膜処理装置10あたりに複数平行して配置する場合
に、シート状物3aどうしの接触をおさえ、かつ気流
(エアーバブル)や水流などによる堆積物抑制効果や洗
浄効果が有効に働くように機能するものである。すなわ
ち、この整流板4を配置することによって、シート状物
3aとシート状物3aの配置間隔がある程度狭くても、
これらが固着しにくくなる。また、このようにある程度
シート状物3aどうしを接近した状態で配置することが
できるので、膜処理装置10のろ過処理時やその洗浄時
に自然発生する水流、あるいは人為的に発生させた気流
(エアーバブル)や水流が、シート状物3aとシート状
物3aとの間、あるいはシート状物3aと整流板4との
間に入り込んで前記シート状物3aの近傍を通ることに
なり、この結果、ろ過処理中の堆積物が抑制され、ま
た、洗浄効果も向上する。また、シート状物3aとシー
ト状物3aとの配置間隔が広くても、これらの間に整流
板4を設けることにより、物理作用による洗浄効果の低
下を防ぐことができる。
【0029】整流板4は1〜10枚のシート状物3a毎
に、すなわち、整流板4と整流板4との間にシート状物
3aを1〜10枚配置すると好ましく、整流板4の機能
と、膜処理装置10あたりの膜面積などを考慮すると、
1〜3枚配置するとさらに好ましい。10枚をこえると
整流板4によるシート状物3aどうしの固着防止効果が
十分に得られない場合があるためである。また、隣り合
うシート状物3aとシート状物3a、もしくはシート状
物3aと整流板4との間隔は3〜300mm、好ましく
は5〜150mmとされる。整流板4の機能と、膜処理
装置10あたりの膜面積を考慮すると、5〜30mmが
さらに好適である。3mm未満であるとシート状物3a
どうしが固着しやすくなる可能性があり、300mmを
こえると膜処理装置10あたりの膜面積が低下し、かつ
整流板4による効果が十分に発揮されない。
【0030】整流板4としては、メッシュ、波形状の
板、多孔板、溝付き板、平滑な板などの様々な形状のも
のを用いることかでき、その材質はポリ塩化ビニル、ポ
リカーボネイト、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、変性PPE樹
脂などの合成樹脂、または金属、木材、繊維などがあげ
られる。
【0031】整流板4の種類については上述のように特
に限定されることはないが、平板状ろ過膜を用いると膜
処理装置10の膜面積を増加させることができ、好まし
い。この場合には前記シート状物3aと同様に、整流板
4の端部を開口状態でハウジング1に設けられた開口部
に挿入し、支持固定して、この整流板4の端部がハウジ
ング1内の内部集水路内に位置するようにする。この平
板状ろ過膜は、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホンリアクリロニトリル、塩素化ポリエチレン、酢酸
セルロース、ポリフッ化ビニリデン、セラミックなどか
らなるものを用いることができ、特に限定されるもので
はない。また、ろ過膜として使用可能なものであれば孔
径、空孔率、膜厚、外径などには特に制限はない。
【0032】前記膜処理装置10を用いたろ過方法とし
ては、この膜処理装置10を密閉容器に配設し、被処理
水を加圧して中空糸膜を透過させる、いわゆる加圧ろ過
法を用いることもできるが、高汚濁性水処理においては
吸引ろ過法を用いると好ましい。上述の吸引ろ過法にお
いては、特に、周期的に所定時間吸引を停止する、いわ
ゆる間欠吸引連転方法を採用することにより、中空糸膜
表面に付着した堆積物が、この中空糸膜を構成する繊維
内部の細孔へ入り込むのを効率的に防止することができ
る。また、被処理液槽内の被処理水は停止させておいて
もよいが、攪件したり、あるいは被処理水を中空糸膜の
配列方向に対してほぼ垂直に流すことにより、堆積物を
抑制し、洗浄効率を向上させつつ実施することが好まし
い。
【0033】上述の膜処理装置10においては、整流板
4が設けられていることにより、気流(エアーバブ
ル)、水流などが効率的にシート状物3a近傍を通過す
るようになっているので、中空糸膜表面の有機物などの
ssの堆積がおさえられ、シート状物3aどうしや、こ
のシート状物3aを構成する中空糸膜どうしの固着一体
化が防止され、特に高汚濁水処理において、長期にわた
って高い処理効率を保つことができる。また、洗浄によ
るろ過機能回復処理効果も向上する。さらに、前記シー
ト状物3aどうし、あるいはこのシート状物3aと整流
板4との間隔をある程度接近させて配置することができ
るため、スペース効率に優れ、かつ、前記シート状物3
aと整流板4とがハウジング1によって一体化されて構
成されているので、被処理液槽内に簡便に配設すること
ができる。
【0034】図2は、本発明の膜処理装置の他の例を示
したもので、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
この膜処理装置11は、複数の中空糸膜モジュール11
aと、シート状物3a膜面と平行に配された整流板4A
とが、交互に配置されて構成されている。前記中空糸膜
モジュール11aは、2枚のシート状物3aの集合体3
と、この集合体3の両端に設けられた2つの対向する直
方体のハウジング1Aとによって概略構成されたもので
ある。
【0035】この膜処理装置11においては、その構成
部品の形状や材質は、前記図1に示した膜処理装置10
と略同様で、特に有効膜面積を増加させるために、この
膜処理装置11においても整流板4Aとして平板状ろ過
膜を用いることが好ましい。この場合、整流板4Aの端
部を開口状態で、整流板4Aに隣接する一方のハウジン
グ1Aに設けれた開口部に挿入し、支持固定して、この
整流板4Aの端部がハウジング1A内の内部集水路内に
位置するようにする。また、前記中空糸膜モジュール1
1aと整流板4Aとを一体化すると、この膜処理装置1
1の設置などが簡便となり、好ましい。
【0036】この膜処理装置11においても、整流板4
Aの働きによって堆積物が抑制され、洗浄効果が向上す
るなどの上述の膜処理装置10と同様の効果が得られ
る。さらに、中空糸膜モジュール11aや整流板4Aの
数を比較的自由に変更できるので、膜面積などの調節が
容易である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明の膜処理装置
においては、整流板が設けられているので、気流、水流
などが効率的に中空糸膜近傍を通過するようになってい
る。したがって、中空糸膜表面に有機物などのssが堆
積するのをおさえることができ、中空糸膜どうしやこの
中空糸膜からなるシート状物どうしの固着一体化が防止
され、特に高汚濁水処理において、長期にわたって高い
ろ過効率を保つことができる。また、洗浄効果が高めら
れようになっているので、ろ過機能回復処理を効率的に
行うことができる。
【0038】また、中空糸膜からなるシート状物どう
し、あるいはこのシート状物と整流板との間隔をある程
度接近させて配置することができるため、スペース効率
に優れている。さらに、前記シート状物と整流板とを一
体化することができ、被処理液槽内に簡便に配設するこ
とができる。また、シート状物とシート状物との配置間
隔が広い場合にも、これらの間に整流板を設けることに
より、洗浄効果の低下を防ぐことができる。また、複数
の中空糸膜モジュールと、シート状物の膜面と平行に配
された整流板とを、交互に配置して膜処理装置を構成す
ると、中空糸膜モジュールと整流板の数を比較的自由に
変更でき、膜面積などの調節が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の膜処理装置の一例を示したもので、
(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図2】 複数の中空糸膜モジュールから構成された本
発明の膜処理装置の一例を示したもので、(a)は斜視
図、(b)は平面図である。
【図3】 従来の中空糸膜モジュールの一例を示した斜
視図である。
【図4】 従来の中空糸膜モジュールの他の例を示した
斜視図である。
【図5】 図3に示した中空糸膜モジュールを複数並列
して配置した状態を示した斜視図である。
【図6】 図4に示した従来の中空糸膜モジュールにお
いて中空糸膜どうしが一本の棒状に固着した状態を示し
た斜視図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 1A ハウジング 2 固定部材 3 集合体 3a シート状物 4 整流板 4A 整流板 10 膜処理装置 11 膜処理装置 10a 中空糸膜モジュール 11a 中空糸膜モジュール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000006035 三菱レイヨン株式会社 東京都港区港南一丁目6番41号 (72)発明者 宮下 聡史 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社 商品開発研 究所内 (72)発明者 小林 真澄 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社 商品開発研 究所内 (56)参考文献 特開 平7−155564(JP,A) 特開 平7−289859(JP,A) 特開 平7−299336(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの対向するハウジングの開口部に、
    中空糸膜を平行に配列したシート状物の両端部がそれぞ
    れ挿入、固定された中空糸膜モジュールと、前記シート
    状物を挟んで、該シート状物の膜面に平行に設けられた
    2枚の対向する整流板とを備えた膜処理装置であって、 前記シート状物が、2枚または3枚、前記対向するハウ
    ジングと前記対向する整流板によって四方が閉塞された
    空間内に配置されていることを特徴とする膜処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の膜処理装置において、
    前記ハウジングと前記整流板とが一体化されていること
    を特徴とする膜処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の膜処理装置に
    おいて、前記四方が閉塞された空間が、前記シート状物
    と前記整流板の配列方向に、2つまたは3つ設けられて
    いることを特徴とする膜処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか一項に記載の膜処
    理装置において、隣り合うシート状物とシート状物との
    間隔、もしくはシート状物と整流板との間隔が、3〜3
    00mmであることを特徴とする膜処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか一項に記載の膜処
    理装置において、整流板は平板状ろ過膜であることを特
    徴とする膜処理装置。
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