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JP3483817B2 - 球状無機質粉末及びその用途 - Google Patents

球状無機質粉末及びその用途

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JP3483817B2
JP3483817B2 JP34180699A JP34180699A JP3483817B2 JP 3483817 B2 JP3483817 B2 JP 3483817B2 JP 34180699 A JP34180699 A JP 34180699A JP 34180699 A JP34180699 A JP 34180699A JP 3483817 B2 JP3483817 B2 JP 3483817B2
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inorganic powder
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epoxy resin
particles
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栄俊 内藤
孝一 吉田
登志昭 石丸
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体封止用の
状無機質粉末及びその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体産業においては、半導体の
高集積化が進むにつれ、半導体チップは大型化、配線の
微細化並びに多層化等が進んでいる。その実装方法も配
線基盤などへの高密度実装に好適な表面実装が主流にな
りつつある。この実装方法の進展に従い、半導体チップ
の封止材の高性能化、特に電気絶縁性、低膨張率などの
機能が要求されている。これらの要求を満たすため、合
成樹脂、特にエポキシ樹脂に、溶融処理された無機質粒
子、特に溶融シリカ粒子をフィラーとして充填した封止
材が一般に用いられている。近年、封止用樹脂の信頼性
や、溶融シリカ粒子の性能、信頼性の向上により、全半
導体製品の90%近くがこの樹脂封止となっている。こ
の樹脂封止に充填される無機質粒子は、電気絶縁性や熱
膨張率低減、機械的強度向上の点から、封止用樹脂に高
充填させることが望ましい。従来は、大きな珪石を機械
的に粉砕して得られた角ばった形状の無機質粒子が使用
されてきたが、製法の開発により球状形状の無機質粒子
が開発され、従来よりも高充填することができ、しかも
封止する際の流動性や耐金型摩耗性にも優れたものにす
ることができるので、現在では球状無機質粒子が賞用さ
れている。
【0003】このような球状無機質粒子は、例えば金属
微粒子を火炎中に投じて酸化反応させながら球状化する
方法、金属アルコラートを特定の条件でゾルゲル法によ
り析出させ球状化する方法、不定形の粒子を粉砕機の中
で粒子の角を取り疑似球状化する方法、酸化物粉末を高
温火炎中で溶融又は軟化により球状化する方法等によっ
て製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂組
成物中にフィラーを高充填させた場合、球状無機質粒子
であっても封止材の流動性が低下し、様々な成形性不良
を引き起こすという問題がある。
【0005】そこで、フィラーの高充填域で封止時の成
形性(流動性)を損なわせないようにした技術として
は、例えば、ロジンラムラー線図で表示した直線の勾配
を0.6〜0.95とし粒度分布を広くする方法(特開
平6−80863号公報)、ワーデルの球形度で0.7
〜1.0とし、より球形度を高くする方法(特開平3−
66151号公報)、更には封止材の流動性を高めるた
め、平均粒子径0.1〜1μm程度の球状微小粉末を少
量添加する方法(特開平5−239321号公報)等が
提案されている。
【0006】これらの中でも、球状微小粉末を少量添加
する方法は、フィラーの高充填域においても半導体封止
用樹脂組成物(以下、「封止材」ともいう。)の流動特
性やバリ特性が飛躍的に改善できるため、最近注目を浴
びている。本発明者らは、これまでに、樹脂の種類を問
わず母体フィラーに少量添加することで、封止材の流動
性やバリ特性を飛躍的に改善できる微小粒子を開発し
た。しかしながら、微小粒子の添加は、母体フィラーの
流動性に依存するため、この母体フィラーの設計が重要
である。特に機械的強度の点から、封止材に90%以上
のフィラー充填率が望まれているが、微小粒子の添加を
行ってもその高充填時の高流動性を保てるようなフィラ
ーはまだない。
【0007】本発明は、上記に鑑みてなされたものであ
り、フィラーにおける個々の粒子の粒径に着目し、封止
樹脂組成物の充填量及び流動性に与える影響について検
討した結果、ある特定の粒度分布を有する球状無機質粉
末からなるフィラーを開発したものであり、それを用い
た封止材は、90%以上の高充填時における成形性が大
幅に改善され、しかも樹脂の種類を問わず同様の挙動を
示すことを見いだし、本発明に至ったものである。
【0008】
【発明の属する技術分野】すなわち、本発明は、頻度粒
度分布において、20〜70μmの領域、3.0〜10
μmの領域、0.20〜1.0μmの領域に極大値を有
すること、3.0〜10μmの領域の極大値の頻度値に
対する20〜70μmの領域の極大値の頻度値の比
{(20〜70μmの領域の極大値の頻度値)/(3.
0〜10μmの領域の極大値の頻度値)}が1〜2であ
ること、しかも0.20〜1.0μm粒子の構成割合が
7〜15%であること、を特徴とする半導体封止用の
状無機質粉末である。また、本発明は、エポキシ樹脂、
エポキシ樹脂の硬化剤、及び上記半導体封止用の球状無
機質粉末を含有してなることを特徴とする半導体封止用
樹脂組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明について
説明する。
【0010】本発明の球状無機質粉末は、樹脂組成物特
に封止材の充填材として用いると、高充填可能かつ高流
動性の発現が可能となる。すなわち、本発明の球状無機
質粉末は、その特定性状を有する効果により、これを適
用した封止材は、高充填域では得られない高流動性を満
足させることができ、その樹脂組成物を調整する場合の
自由度を拡大させることができるものである。
【0011】本発明の球状無機質粉末は、頻度粒度分布
において、20〜70μmの領域、3.0〜10μmの
領域、0.20〜1.0μmの領域のそれぞれに極大値
を有している。これらの領域に極大値を有するように設
計された球状無機質粉末はこれまでに存在せず、これら
の領域の全てに極大値を有させることが、フィラー高充
填時における樹脂組成物特に封止材の優れた成形性を確
保する意味で非常に重要である。
【0012】 20〜70μmの極大値に含まれる粒子
成分は、充填時の核となる粒子成分であり、20μm未
満だと成形性が著しく低下し、70μmを越えると、モ
ールド時のチップ損傷の発生や、金型ゲート部の目詰ま
りなどの問題を生じる。特に30〜50μm領域である
ことが好ましい。また、3.0〜10μmの極大値に含
まれる粒子成分は、粒径が大きい極大値に含まれる粒子
間を通過することが可能であり、高充填を可能とする。
特に粒径が大きい20〜70μmの極大値に対し、0.
1〜0.2倍程度の粒径を持つとより高充填が可能とな
り、中でも4.0〜8.0μmであることが好ましい。
これら2つの極大値を同時に有することで、これまでに
ないフィラー高充填時の高流動性を達成することができ
る。
【0013】一方、0.20〜1.0μmの極大値に含
まれる粒子成分は、20〜70μmの極大値と3.0〜
10μmの極大値の粒子による粒子充填間の隙間を埋め
ることができることから、球状無機質充填材における最
密充填が向上し、樹脂組成物特に封止材の流動性及びバ
リ特性を著しく向上させることができる。
【0014】 0.20〜1.0μm領域の粒子の割合
を、本発明の球状無機質粉末中、7〜15%とすること
によって本発明の目的をより効果的に達成することが可
能となる。
【0015】また、本発明の球状無機質粉末の粒度分布
の粒子サイズを対数に換算し、粒径幅をlog(μm)
=0.04の幅でヒストグラム表示した際、20〜70
μmの領域、3.0〜10μmの領域の2カ所の極大値
の内、20〜70μmの領域の極大値をH1、3.0〜
10μmの極大値をH2とし、そのH1とH2の頻度値
の比が1〜2、特に1〜1.5の範囲であることが好ま
しい。該比が1未満、あるいは2を越えると、樹脂組成
物特に封止材の粘度上昇と流動性低下が起こる。
【0016】本発明の球状無機質粉末の粒度特性は、レ
ーザー散乱光法による粒度測定法に基づく値であり、コ
ールター粒度測定器(モデルLS−230;コールター
社製)にて測定した。
【0017】本発明の球状無機質粉末における「球状」
の程度としては、真円度にて表される値が0.90以上
であることが好ましい。この真円度は、走査型電子顕微
鏡(日本電子社製「JSM−T200型」)と画像解析
装置(日本アビオニクス社製)を用いて測定した。先
ず、粉末のSEM写真から粒子の投影面積(A)と周囲
長(PM)を測定する。周囲長(PM)に対応する真円
の面積を(B)とすると、その粒子の真円度はA/Bと
して表示できる。
【0018】そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一
の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=
πr2であるから、B=π×(PM/2π)2 となり、
個々の粒子の真円度は、真円度=A/B=A×4π/
(PM)2として算出する。この様にして得られた10
0個以上の粒子の真円度を求めその平均値を平均球形度
とする。
【0019】本発明が対象としている球状無機質粉末
は、シリカ、アルミナ、チタニア等の単体ないしはそれ
らを成分とする複合物であるが、本発明の用途が封止剤
である場合、非晶質シリカが特に好ましい。非晶質シリ
カを用いることによって、低熱膨張性、高破壊靭性、高
曲げ強度、耐はんだリフロー性、金型の低摩耗性の特性
を高度に発現させることができる利点がある。
【0020】本発明の球状無機質粉末は、樹脂組成物中
に90%以上含有させて使用することが可能である。本
発明の球状無機質粉末の用途が封止材である場合、
(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂の硬化剤、及
び(C)本発明の球状無機質粉末としたとき、(A)、
(B)及び(C)の合計量に対し80〜95%の含有率
であることが好ましい。特に、90〜95%含有すると
きに、本発明の球状無機質粉末の効果が著しい。(C)
成分の割合が80%よりも少なくなると、樹脂組成物特
に封止材の破壊靱性値と曲げ強度が小さくなり、吸水率
の上昇や、耐はんだリフロー性が低下する。一方、95
%よりも多くなると、良好な流動性を保持することが困
難となり、成形性が悪化する危険がある。
【0021】本発明で使用される樹脂としては、エポキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の
ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンス
ルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶
ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、
マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニ
トリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アク
リロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴムース
チレン)樹脂等を挙げることができる。
【0022】これらの中、封止材用樹脂としては、1分
子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が好ま
しい。その具体例をあげれば、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、フェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂を
エポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF及びビスフェノールSなどのグリシジルエーテル、
フタル酸やダイマー酸などの多塩基酸とエポクロルヒド
リンとの反応により得られるグリシジルエステル酸エポ
キシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、複素環式エポキシ樹脂、アルキル変性多官能エポキ
シ樹脂、βーナフトールノボラック型エオキシ樹脂、
1,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,
7−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビスヒド
ロキシビフェニル型エポキシ樹脂、更には難燃性を付与
するために臭素などのハロゲンを導入したエポキシ樹脂
等である。中でも、耐湿性や耐ハンダリフロー性の点か
らは、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビ
スヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨
格のエポキシ樹脂等が好適である。
【0023】エポキシ樹脂の硬化剤については、エポキ
シ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定され
ず、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、
レゾルシノール、クロロフェノール、t−ブチルフェノ
ール、ノニルフェノール、イソプロピルフェノール、オ
クチルフェノール等の群から選ばれた1種又は2種以上
の混合物をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又
はパラキシレンとともに酸化触媒下で反応させて得られ
るノボラック型樹脂、ポリパラヒドロキシスチレン樹
脂、ビスフェノールAやビスフェノールS等のビスフェ
ノール化合物、ピロガロールやフロログルシノール等の
3官能フェノール類、無水マレイン酸、無水フタル酸や
無水ピロメリット酸等の酸無水物、メタフェニレンジア
ミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニル
スルホン等の芳香族アミンなどがあげることができる。
【0024】本発明の半導体封止用樹脂組成物には、次
の成分を必要に応じて配合することができる。すなわ
ち、低応力化剤として、シリコ−ンゴム、ポリサルファ
イドゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレ
ン系ブロックコポリマ−や飽和型エラストマ−等のゴム
状物質、各種熱可塑性樹脂、シリコ−ン樹脂等の樹脂状
物質、更にはエポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂の一部又は
全部をアミノシリコ−ン、エポキシシリコ−ン、アルコ
キシシリコ−ンなどで変性した樹脂など、シランカップ
リング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエト
キシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシ
シラン等のアミノシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメト
キシシラン等の疎水性シラン化合物やメルカプトシラン
など、表面処理剤として、Zrキレ−ト、チタネ−トカ
ップリング剤、アルミニウム系カップリング剤など、難
燃助剤として、Sb23、Sb24、Sb25など、難
燃剤として、ハロゲン化エポキシ樹脂やリン化合物な
ど、着色剤として、カ−ボンブラック、酸化鉄、染料、
顔料などである。更には、ワックス等の離型剤を添加す
ることができる。その具体例をあげれば、天然ワックス
類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド
類、エステル類、パラフィンなどである
【0025】特に、高い耐湿信頼性や高温放置安定性が
要求される場合には、各種イオントラップ剤の添加が有
効である。イオントラップ剤の具体例としては、協和化
学社製商品名「DHF−4A」、「KW−2000」、
「KW−2100」や東亜合成化学工業社製商品名「I
XE−600」などでがある。
【0026】本発明の半導体封止用樹脂組成物には、エ
ポキシ樹脂とエポキシ樹脂の硬化剤との反応を促進させ
るために硬化促進剤を配合することができる。その硬化
促進剤としては、1,8ージアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセンー7,トリフェニルホスフィン、ベンジ
ルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等がある。
【0027】本発明の半導体封止用樹脂組成物は、上記
諸材料をブレンダーやミキサーで混合した後、加熱ロ−
ル、ニーダー、1軸又は2軸押出機、バンバリーミキサ
ーなどによって溶融混練し、冷却後に粉砕することによ
って製造することができる。
【0028】本発明の半導体封止用樹脂組成物を用い
て、半導体を封止するには、トランスファーモールド、
マルチプランジャー等の公知の成形法を採用すればよ
く、これによって耐熱性、強度、耐湿性、熱伝導等の特
性を付与させることができ、しかも充填材の充填率が高
いにもかかわらず流動性が良好となる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例をあげて更に
具体的に説明する。
【0030】 実施例1〜4 比較例1〜13 図1に示される装置、すなわち、燃料ガス供給管3、助
燃ガス供給管4、無機質原料粉末供給管5が接続されて
いるバーナー2が溶融炉1の頂部に設置されている装置
を用い、球状無機質粉末として球状シリカ質粉末を製造
した。バーナーは熱量を効率的に利用するため、同一炉
に4本のバーナーを設置し、各バーナーから原料を溶射
し、溶融炉にて球状化を行っている。溶融炉から排出さ
れた球状粉末が、重力沈降室6、サイクロン7、バグフ
ィルター8、ブロワー9からなる捕集系に空気輸送され
るように直列に接続されており、所望する粒度の球状無
機質粉末を重力沈降室、サイクロンの2種の分級装置を
用いて、バグフィルターにて捕集することができるよう
になっている。
【0031】球状無機質粉末は、粒子径1〜100μm
の天然珪石粉末を用い、以下のようにして製造した。原
料をキャリアガスに酸素を用い、各バーナーに搬送し
た。各バーナーは燃料ガス(LPG)、助燃ガス(酸
素)とにより火炎を形成し、その火炎中に原料粉末を種
々の供給量で噴射して球状化処理を行った。火炎形成条
件と、原料供給量を変化させて平均球形度を調整すると
同時に、分級処理を行って表1に示す単一の極大値を有
する8種の粉体〜を製造した。これを表2、表3に
示した種々の割合で配合して粉体A〜Qを製造した。こ
れらの粉体において、20〜70μmの領域、3.0〜
10μmの領域、0.20〜1.0μmの領域における
極大値をそれぞれH1、H2、H3として表に示した。
また、これらの粉体A〜Qの真円度は全て0.90以上
の値であった。
【0032】次いで、粉体A〜Qを用い、封止材を調合
した場合の流動性助長効果を以下に従い評価した。実施
例の結果を表2に、比較例の結果を表3に示した。
【0033】流動性助長効果試験 粉体A〜Qを表4に示す配合で各材料と共にドライブレ
ンドした後、これをロール表面温度100℃のミキシン
グロールを用い、5分間混練・冷却・粉砕した後、スパ
イラルフローの測定を行った。測定は、スパイラルフロ
ー金型を用い、EMMI−66(Epoxy Mold
ing Material Institude ;
Society of Plastic Indust
ry)に準拠して行った。成形温度は175℃、成形圧
力は7.5MPa、成形時間は90秒である。また、バ
リの測定は2μm、5μm、10μm、30μmのスリ
ットを持つバリ測定用金型を用い、成形温度は175
℃、成形圧力は7.5MPaで成形した際にスリットに
流れ出た樹脂をノギスで測定し、それぞれのスリットで
測定された値を平均しバリ長さとした。
【0034】表から明らかなように、本発明の球状無機
質粉末の配合された封止材は、球状無機質粉末の充填率
が85%であっても、その流動性が100cm以上を示
し、また90%以上の高充填としても、80cm以上の
流動性を保つことが示された。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、低熱膨張性、高破壊靭
性、高曲げ強度、耐はんだリフロー性、金型の低摩耗性
の特性を有し、しかも充填材の高充填域においても、エ
ポキシ樹脂の種類を問わずに、封止材の流動性を大幅に
向上させることができる、球状無機質粉末、及び封止材
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】球状無機質粉末の製造装置の概略図である。
【符号の説明】 1 溶融炉 2 バーナー 3 燃料ガス供給管 4 助燃ガス供給管 5 無機質原料粉末供給管 6 重力沈降室 7 サイクロン 8 バグフィルター 9 ブロワー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 23/31 (56)参考文献 特開 平8−3426(JP,A) 特開 平5−254821(JP,A) 特開 平10−330458(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/12 C08K 3/36 C08G 59/18 C03B 8/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頻度粒度分布において、20〜70μm
    の領域、3.0〜10μmの領域、0.20〜1.0μ
    mの領域に極大値を有すること、3.0〜10μmの領
    域の極大値の頻度値に対する20〜70μmの領域の極
    大値の頻度値の比{(20〜70μmの領域の極大値の
    頻度値)/(3.0〜10μmの領域の極大値の頻度
    値)}が1〜2であること、しかも0.20〜1.0μ
    m粒子の構成割合が7〜15%であること、を特徴とす
    る半導体封止用の球状無機質粉末。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、
    及び請求項1記載の半導体封止用の球状無機質粉末を含
    有してなることを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。
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