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JP3467901B2 - こく味付与剤 - Google Patents

こく味付与剤

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JP3467901B2
JP3467901B2 JP09706595A JP9706595A JP3467901B2 JP 3467901 B2 JP3467901 B2 JP 3467901B2 JP 09706595 A JP09706595 A JP 09706595A JP 9706595 A JP9706595 A JP 9706595A JP 3467901 B2 JP3467901 B2 JP 3467901B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旨味物質、スルホン基
(−SO3 H)含有化合物およびリン酸塩の3者の併用
作用により、またはこれら3者にベタインを加えた4者
の併用作用により発現するこくのある旨味を活用するこ
く味付与剤およびこく味調味料、ならびにこのようなこ
く味付与剤またはこく味調味料を使用する飲食品の調味
方法、およびこのようにして調味された飲食品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】L−グルタミン酸モノソーダ(コンブの
味)を代表とする特有の味は、旨味(Flavor-enhancer
)と称される。甘酸苦塩味を四原味と称するが、旨味
は電気生理学的にもこれとは異なる味であることが証明
されている。旨味を呈する物質としては、このほかに、
アスパラギン酸、オキシグルタミン酸、イボテン酸、ト
リコロミン酸、イノシン酸ソーダ(かつお節の味)、グ
アニル酸ソーダ(椎茸の味)等の核酸関連物質、コハク
酸ソーダ(二枚貝の味)も、それぞれ個性をもった旨味
をもっている。また、グルタミン酸と核酸系旨味物質と
の間にはきわめて強い相乗効果を呈することが知られて
いる。このことを利用した調味料が実際に市販されてい
る。欧米では旨味に相当する言葉がなく、Umamiで
通用するようになってきている。以上、日本食品工業学
会編「食品工業総合辞典」((株)光琳発行(昭和54
年))。
【0003】そして、グルタミン酸ナトリウム、イノシ
ン酸ナトリウムおよびグアニル酸ナトリウムで代表され
る旨味は、国際的にもUmamiと命名されるに至り、
今日まで数多くの研究がなされてきており、また、これ
らの旨味物質を配合した多種多様の調味料が市販されて
いる。
【0004】しかしながら、このような調味料は、なる
ほど旨味の付与性は充分であるが、ビーフエキス、ポー
クエキス、チキンエキス、魚介エキス、酵母エキスなど
の天然エキスあるいは蛋白加水分解物(HAP、HVP
など)等の調味料が有するこく味の付与性はなお充分で
なく、この点が問題点とされ、これを改善する手段の開
発提供が強く望まれている。
【0005】因みに、スルホン基含有化合物の1種であ
るタウリンは、ウシの胆汁およびイカ、タコ、貝類など
の軟体動物の肉エキス中に多量に存在し、その薬理作用
については、胆汁の分泌を促し、脂肪の吸収をよくし、
また制汗作用のあることが知られている(共立出版
(株)「化学大辞典」(昭和36年)参照)。しかしな
がら、従来、タウリンの飲食品分野における実用用途に
はみるべきものがなく、僅かに上記薬理作用を利用した
健康飲料の用途(特開平4−262767)等が知られ
ているに過ぎない。特にその呈味性については、水産物
エキスの呈味試験の結果は、タウリンとアルギニンは量
的に多いが、味とは無関係であると言われ(「調理科
学」 Vol.5, No.1, p.p. 2〜7 (1982))、従ってこれを
調味料として実際に使用した例のないことはもちん、そ
の調味料としての用途が示唆されることもなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前項記載の従来技術の
背景下に、本発明は、こく味を付与または強化する調味
料の開発を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前項記載の
目的を達成すべく鋭意研究の結果、従来味とは無関係で
あると考えられていたタウリンが極めて驚くべきことに
リン酸塩との併用作用により旨味を前提とした、すなわ
ち旨味のこく味付与剤となり得ること、また、タウリン
と同様にスルホン基を有する他の化合物にもタウリンと
同様の作用があること、さらにはスルホン基含有化合物
およびリン酸塩による旨味に対するこく味付与効果がベ
タインにより顕著に改善されることを見出し、このよう
な知見に基いて本発明を完成した。
【0008】以下、本発明を逐次詳細に説明する。
【0009】本発明の具体的態様の1つは、スルホン基
含有化合物を単独にもしくはスルホン基含有化合物およ
びベタインを併用して、またはスルホン基含有化合物お
よびリン酸塩を併用してもしくはスルホン基含有化合
物、リン酸塩およびベタインを併用して有効成分とする
ことを特徴とするこく味付与剤である。
【0010】このようなこく味付与剤の成分であるスル
ホン基含有化合物は、可食性でなければならないことは
もちろんであり、タウリンの他に、脱炭酸を受けてタウ
リンを生成するシステイン酸、またナフタリン−1,5
−ジスルホン酸およびチアミンのナフタリン−1,5−
ジスルホン酸塩などのその塩類を例示することができ
る。また、これらの化合物は必ずしも純品である必要は
なく、例えば、スルホン基含有化合物を含む天然物から
の抽出物の形態であってもよい。
【0011】他の成分であるリン酸塩も、同じく可食性
でなければならないことはもちろんであり、いわゆる正
リン酸の第一、第二または第三ナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩などを例示することができる。また、
カルシウム塩は、例えば、魚骨粉の形態であってもよ
い。本発明者の確認したところによれば、ポリリン酸塩
は、スルホン基含有化合物と併用してもこく味を呈さな
い。
【0012】ベタインとしてはグリシンベタインなどの
ベタインを挙げることはできる。ベタインは必ずしも純
品である必要はなく、ビートモラセス、ケインモラセス
などの廃糖蜜からのベタインの高濃度画分やその濃縮物
の形態であってもよい。
【0013】本発明者の確認したところによれば、リン
酸塩は、スルホン基化合物と併用しただけではこく味を
呈さない。旨味物質にリン酸塩およびスルホン基含有化
合物を同時に使用して初めてこくのある旨味となるので
ある。そして、ベタインにより、このこくのある旨味が
強化される。
【0014】このようなこく味付与剤の製造方法自体に
は、有効成分としてスルホン基含有化合物を単独に使用
するかまたはスルホン基含有化合物およびリン酸塩を併
用して配合するか、あるいはこれらにそれぞれベタイン
を併用して配合することを除いては、特別の制限はな
く、適宜公知の調味料の製造方法を採用することができ
る。従って、本発明のこく味付与剤は、例えば、適当な
賦形剤などの添加剤を使用して、液体および粉状、顆粒
状などの固体の商品形態(流通形態)に製造することが
できる。
【0015】先に説明したように、本発明は、スルホン
基含有化合物およびリン酸塩の2者が、またはこれらの
2者に加えてベタインの3者が同時に作用して旨味をこ
くのある旨味に変えること、を見出したことに基ずくも
のである。すなわち、3要素または4要素の併用作用に
よる。従って、このような本発明のこく味付与剤の使用
方法は、これらを考えると当業者に自から明らかである
が、若干例示する。
【0016】例えば、スルホン基含有化合物、リン酸塩
および旨味物質の3要素によりこくのある旨味を得よう
とするとき、スルホン基含有化合物を単独に配合したこ
く味付与剤の場合は、旨味物質を既に原材料として使用
されている飲食品(旨味調味料そのものを含む)に別途
調達したリン酸塩と併用してこく味を呈せしめることが
でき、また旨味物質およびリン酸塩が既に原材料として
使用されている飲食品の場合は、このようなこく味付与
剤を使用するだけで飲食品にこく味を付与することがで
きる。そして、スルホン基含有化合物とリン酸塩とを併
用したこく味付与剤の場合は、旨味物質を含有するがス
ルホン基含有物質もリン酸塩も含有しない飲食品にこく
味を呈せしめるのに有効に使用することができる。本発
明者の新たなる知見に係わる、こくのある旨味を発現す
べき3要素中、リン酸塩は既に含有するが他の2要素は
含有しない原材料の場合は、スルホン基含有化合物を単
独に有効成分とするこく味付与剤と別途調達した旨味物
質とを併用することで、または旨味物質とスルホン基含
有化合物とを有効成分とする本発明のこく味調味料(後
述)を使用することで、こくのある旨味を発現せしめる
ことができる。
【0017】また、前記4要素、すなわちスルホン基含
有化合物、リン酸塩、ベタインおよび旨味物質の4者に
より顕著にこく味の強化された旨味を得ようとするとき
も、上に説明したところに準じて使用することで、すな
わち、飲食品中においてこれら4者が共存するように使
用することで目的を達成することができる。
【0018】スルホン基含有化合物およびリン酸塩を併
用したこく味付与剤またはこれらにベタインの追加され
たこく味付与剤における有効成分の配合割合は、こく味
を付与すべき対象の飲食品が定まれば、当業者であれば
簡単な事前の呈味試験により極めて容易に定めることが
できる。
【0019】このようなこく味付与剤を使用することに
より、飲食品にこく味が付与され、または強化される。
【0020】本発明の具体的態様のその2は、旨味物質
とスルホン基含有化合物、リン酸塩および/またはベタ
インとを有効成分とすることを特徴とするこく味調味料
である。
【0021】先に説明したように、スルホン基含有化合
物およびリン酸塩は、それぞれ単独に旨味物質とともに
使用してもこれにこく味を付与せず、これらを併用して
旨味物質とともに使用することにより、すなわち3要素
の併用作用により初めてこく味をし、しかもこのこく味
はベタインを使用することで顕著に強化されるのであ
る。従って、本発明の、このような具体的態様による、
スルホン基含有化合物、リン酸塩および/またはベタイ
ンを、旨味物質とともに有効成分とするこく味調味料
は、例えば、既に旨味物質およびリン酸塩は含有するが
スルホン基含有化合物は含まない、同様に既に旨味物質
およびスルホン基含有化合物は含有するがリン酸塩は含
有しない、または旨味物質は含有するがリン酸塩もスル
ホン基含有化合物も含有しない原材料の飲食品の調味に
使用すると、このような飲食品にこく味が付与されまた
は強化されるので、こく味調味料と称するのがふさわし
い。ベタインの関与する場合も同様である。
【0022】このようなこく味調味料の製造法および商
品形態にも特別の制限はなく、先に説明したこく味付与
剤の製造法および商品形態に準ずることができる。有効
成分の配合割合も、要するに、こく味調味料としての目
的を達成し得るものであればよく、例えば、グルタミン
酸ナトリウム1重量部に対し、タウリン0.01〜20
重量部およびリン酸二ナトリウム0.01〜20重量部
の割合とすることができる。ベタインを併用する場合
は、グルタミン酸ナトリウム1重量部に対し、グリシン
ベタイン0.01〜20重量部の割合とすることができ
る。
【0023】また、使用法にも特別の困難はなく、先に
説明した3要素または4要素の併用によるこくのある旨
味の発現ということを考えて、例えば、既にリン酸塩を
含有する原材料からの、またはリン酸塩を含有しない原
材料からの場合は、それぞれ、適宜本発明のリン酸塩を
配合していないこく味調味料、またはこれと別途調達し
たリン酸塩とを併用して飲食品を製造する、適宜の工程
で使用することにより、こく味が付与されまたは強化さ
れた飲食品を容易に製造することができる。
【0024】本発明の具体的態様のその3は、上に説明
したこく味付与剤またはこく味調味料を使用してこくの
ある旨味を付与することを特徴とする飲食品の調味方法
である。
【0025】このような調味方法は、こく味を付与しま
たは強化するために、調味料として上に説明した本発明
のこく味付与剤またはこく味調味料を使用することを除
いては、特別の制限はなく、従来公知の調味方法を適宜
採用することで行なうことができる。飲食品にこく味を
付与しまたはこれを強化するには、例えば、飲食品製造
の原材料の一部として本発明のこく味付与剤またはこく
味調味料を使用することもできるし、既に製品となって
いる飲食品にこく味を付与しまたはこれを強化するため
に本発明のこく味付与剤またはこく味調味料を使用する
こともできることはもちろんである。
【0026】本発明の具体的態様のその4は、旨味物
質、スルホン基含有化合物およびリン酸塩の3者をまた
はこれにベタインを加えた4者を有効成分としてこく味
を付与されたことを特徴とする飲食品である。尚、これ
らの飲食品には、調味料、畜肉エキス、家禽エキス、そ
の他の各種エキス類、各種加工食品類が含まれる。
【0027】このような飲食品には、例えば、旨味物質
に加えてスルホン基含有化合物およびリン酸塩の両者を
使用して、またはこれらに加えてベタインを使用してこ
く味を付与した飲食品が含まれることは言うまでもない
が、更に、例えば、原材料などに既に旨味物質に加えて
スルホン基含有化合物およびリン酸塩のいずれか一方が
含有されている場合に、残りの一方を添加使用してこく
味を付与した飲食品も含まれることはもちろんである。
要するに、3成分(3要素)または4成分(4要素)の
少なくも1つを外来物質として使用してこくのある旨味
を発現せしめた飲食品は、全て本発明の、このような飲
食品の範囲に包含される。
【0028】なお、上に説明した本発明のこく味付与剤
もしくはこく味調味料または調味方法に関しては、本発
明の目的とするこく味の発現の妨げとならない限りは、
旨味物質、例えばグルタミン酸ナトリウムをはじめとす
るアミノ酸系および/またはイノシン酸ナトリウムやグ
アニル酸ナトリウムをはじめとする核酸系旨味物質の他
に、有機酸、無機酸、これらの塩類、糖類等の、従来使
用されている添加物を適宜併用できることはもちろんで
ある。
【0029】本発明の具体的態様の最後は、タウリンと
リン酸塩および/または魚骨粉を、およびこれらに加え
てベタインを有効成分として含有することを特徴とする
練製品用こく味付与剤である。ここに、練製品には、か
まぼこ、竹輪などの水産練製品、ハム、ソーセージなど
の魚畜肉練製品等が含まれる。
【0030】魚骨粉にはリン酸がそのカルシウム塩の形
態で存在している。本発明の練製品用こく味付与剤にお
いては、リン酸塩に加えてまたはこれに代えて魚骨粉を
併用配合することができる。この場合、練製品のナトリ
ウム量を減少でき、かつカルシウムを強化できる。
【0031】このような練製品用こく味付与剤における
有効成分の含有量比は、これを使用してこく味を付与す
べき対象の練製品が定まれば、先に説明した場合と同じ
く、当業者であれば容易に定めることができる。また、
先に説明した本発明者の知見に係わる3要素または4要
素の併用作用によるこくのあるまたはこくの強化された
旨味の発現ということを考えると、このようなこく味付
与剤の商品形態、使用方法なども、先に説明した場合と
同様にできる。
【0032】また、旨味物質に加えて、スルホン基含有
化合物とリン酸塩および/または魚骨粉とベタインとを
有効成分としてこく味を付与されたことを特徴とする練
製品の範囲も、先に説明した本発明の具体的態様のその
4の場合に準じて考えることができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に説明する。
なお、実施例において、%は重量%を意味する。
【0034】実施例1(3要素の併用作用の検査) スルホン基含有化合物、リン酸塩および旨味物質とし
て、それぞれ、タウリン、燐酸二ナトリウムおよびグル
タミン酸ナトリウムを選び、これら3要素の併用による
こくのある旨味の発現を検査した。
【0035】(a)すなわち、下記第1表に示す評価系
(各種の水溶液)を試飲温度50〜60℃での官能検査
に付した。なお、官能検査は、熟練した5名よりなるパ
ネルにより行ない、その結果も同表に併記する。評価系
(2)以降において、本発明の3要素によるこく味の発
現が見られる。
【0036】
【表1】
【0037】さらに比較のために、(b)タウリン及び
燐酸塩をともに抜いた場合、(c)燐酸塩を抜いた場
合、(d)タウリンを抜いた場合、そして(e)グルタ
ミン酸ナトリウムを抜いた場合のそれぞれについて同様
の検査を行なった。
【0038】評価系と官能検査の結果(呈味の特徴)を
それぞれ下記第2〜5表に示す。これらの結果から、3
要素の1つでも欠けるとこく味の発現が見られないこと
が判る。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】実施例2(ヴィヨン系における評価) ビーフヴィヨン(これにはもちろん旨味物質は含まれて
いる。)に対するこく味の付与の検査を実施例1におけ
ると同じ試飲温度で検査した。
【0044】評価系と評価結果を下記第6および7表に
示す。これらの表から、本発明によれば、ビーフヴィヨ
ンは、配合系および天然系をとわず、こく味の強化され
ることが判る。そして、配合系の場合、ベタインの併用
により天然感の強化されることが判る。
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】実施例3(蒲鉾系における評価) (a)常法により、下記第8表に示す原材料の配合によ
り蒲鉾(対照)を試作した(試作品A)。
【0048】
【表8】
【0049】試作品Aの呈味の特徴は、試食温度20℃
においてグルタミン酸ナトリウムの旨味のみ感じる、と
いうものであった。
【0050】(b)原材料の配合を第8表に示す原材料
にタウリンおよび燐酸二ナトリウムを各3g加えたもの
とした以外は(a)におけると全く同様にして蒲鉾を試
作した(試作品B)。
【0051】試作品Bの呈味の特徴は、旨味の強さは、
対照(試作品A)より弱まり自然なこく味系の味に変化
するが、味全体は弱めに感じる、というものであった。
【0052】(c)原材料の配合を(b)における原材
料にHAP由来オリゴペプチド(平均分子量400)3
gを加えたものとした以外は、(b)におけると全く同
様にして蒲鉾を試作した(試作品C)。
【0053】試作品Cの呈味の特徴は、噛んでいるうち
に味がでて来る、グルタミン酸ナトリウムのシャープな
旨味はない、直接食べるには丁度良い手ごろなこく味系
の味である、というものであった。
【0054】(d)原材料の配合を(b)における原材
料をタウリンおよび燐酸二ナトリウムについて、これら
を各2倍とした、すなわち、両者を各6gとしたものと
した以外は、(b)におけると全く同様にして蒲鉾を試
作した(試作品D)。
【0055】試作品Dの呈味の特徴は、試作品Bに較べ
て先味は強くないが、こくのある旨味を呈し、すっきり
した味で美味しい蒲鉾である、というものであった。
【0056】(e)原材料の配合を(c)における原材
料をタウリン、燐酸二ナトリウムおよびオリゴペプチド
について、これらを各2倍とした、すなわち、これら3
者を各6gとしたものとした以外は、(c)おけると全
く同様にして蒲鉾を試作した(試作品E)。
【0057】試作品Eの呈味の特徴は、オリゴペプチド
の使用量を増やしたことによるものと思われるが、試作
品Cに較べて味が強すぎて、くどくなり過ぎであるが、
こくのある旨味の付与されていることは変わりはない、
というものであった。
【0058】
【発明の効果】本発明により、こく味付与剤が安価に容
易に提供することが可能となり、また飲食品にこくのあ
る旨味を付与することが容易に行なうことができるよう
になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン基含有化合物、リン酸塩および
    ベタインを有効成分とすることを特徴とするこく味付与
    剤。
  2. 【請求項2】 旨味物質とスルホン基含有化合物、リン
    酸塩およびベタインとを有効成分とすることを特徴とす
    るこく味調味料。
  3. 【請求項3】 スルホン基含有化合物がタウリンである
    ことを特徴とする請求項1または2記載のこく味付与剤
    またはこく味調味料。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のこく
    味付与剤またはこく味調味料でこく味を付与することを
    特徴とする飲食品の調味方法。
  5. 【請求項5】 旨味物質、スルホン基含有化合物、リン
    酸塩およびベタインを有効成分としてこく味を付与され
    たことを特徴とする飲食品。
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JP2000253847A (ja) 食品の呈味改善方法

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