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JP3464948B2 - 蒸留装置及びその蒸留方法 - Google Patents

蒸留装置及びその蒸留方法

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Publication number
JP3464948B2
JP3464948B2 JP25877699A JP25877699A JP3464948B2 JP 3464948 B2 JP3464948 B2 JP 3464948B2 JP 25877699 A JP25877699 A JP 25877699A JP 25877699 A JP25877699 A JP 25877699A JP 3464948 B2 JP3464948 B2 JP 3464948B2
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distillation
section
component
chamber
liquid
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JP25877699A
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静男 緑
勝典 田村
陽一 原田
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸留装置及びその
蒸留方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の成分を含有する原液から各
成分を蒸留によって分離させる場合、複数の蒸留塔を組
み合わせるようにしている。
【0003】図2は従来の二つの蒸留塔を備えた蒸留装
置の概念図である。
【0004】図において、111は第1の蒸留塔、11
2は第2の蒸留塔、201、203は蒸発器、202、
204は凝縮器である。例えば、三つの成分A〜Cを含
有する原液Mを蒸留しようとする場合、成分Aは成分B
より、該成分Bは成分Cより沸点が低いとすると、第1
の蒸留塔111において成分Aと成分B、Cとを分離さ
せ、第2の蒸留塔112において成分Bと成分Cとを分
離させるようにしている。
【0005】ところが、前記蒸留装置においては、第
1、第2の蒸留塔111、112内において加熱及び冷
却を繰り返す必要があるので、蒸発器201、203、
凝縮器202、204、図示されないポンプ、計装品等
が必要になり、占有面積が大きくなるとともに、ユーテ
ィリティの使用量及び消費エネルギーが多くなる。した
がって、蒸留装置のコストが高くなってしまう。
【0006】そこで、一つの蒸留塔を使用して各成分A
〜Cを分離させるようにした蒸留装置が提供されてい
る。
【0007】図3は従来の一つの蒸留塔を備えた蒸留装
置の概念図である。
【0008】図において、113は蒸留塔、205は蒸
発器、206は凝縮器である。例えば、三つの成分A〜
Cを含有する原液Mを蒸留塔113に供給すると、塔頂
から成分Aが留出液として、塔底から成分Cが缶出液と
して、塔サイドから成分Bがサイドカット液として取り
出される。
【0009】この場合、一つの蒸留塔113で各成分A
〜Cを分離させることができるので、蒸発器205、凝
縮器206、ポンプ、計装品等をそれぞれ一つずつ配設
するだけでよい。したがって、占有面積を小さくするこ
とができるとともに、ユーティリティの使用量及び消費
エネルギーを少なくすることができる。その結果、蒸留
装置のコストを低くすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の蒸留装置においては、一つの蒸留塔113から三つ
の成分A〜Cを取り出すようになっているので、例え
ば、成分Bを製品として取り出そうとしたとき、蒸留塔
113を流れる不要な成分A(低沸物)及び成分C(高
沸物)が製品に混入してしまう。そして、製品の純度を
優先させて蒸留装置を運転すると、製品の回収率が低く
なり、製品の回収率を優先させて蒸留装置を運転する
と、製品の純度が低くなってしまう。
【0011】本発明は、前記従来の蒸留装置の問題点を
解決して、製品の純度及び回収率を高くすることができ
る蒸留装置及びその蒸留方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の蒸
留装置においては、塔本体と、該塔本体内を分割し、互
いに隣接する第1室及び第2室を形成する中仕切りと、
上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第1の蒸留部
と、少なくとも一部が前記塔本体の塔頂と隣接させて配
設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第2の
蒸留部と、少なくとも一部が前記塔本体の塔底と隣接さ
せて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた
第3の蒸留部と、前記第1の蒸留部に原液を供給するフ
ィードノズルと、前記塔頂に配設され、留出液を排出す
る第1の排出手段と、塔サイドに配設され、サイドカッ
ト液を排出する第2の排出手段と、前記塔底に配設さ
れ、缶出液を排出する第3の排出手段とを有する。
【0013】そして、前記第2の排出手段は、位置を異
ならせて配設された複数のサイドカットノズルを備え
る。また、前記中仕切りを偏心させ、第1室の断面積と
第2室の断面積とを原液中の成分組成に基づく断面積比
によって異ならせる。
【0014】本発明の他の蒸留装置においては、さら
に、前記各サイドカットノズルに開閉自在のバルブが接
続され、該バルブは運転条件に対応させて開閉される。
【0015】本発明の更に他の蒸留装置においては、さ
らに、前記バルブは塔本体内の温度に対応させて開閉さ
れる。
【0016】本発明の更に他の蒸留装置においては、さ
らに、前記第2室は複数の領域に区分される。そして、
該各領域ごとに、下方に移動する液体を受けて分配する
とともに、上方に移動する蒸気を通過させるライザート
レイが配設される。また、該各ライザートレイに、前記
サイドカットノズルの先端が開口させられる。
【0017】本発明の更に他の蒸留装置においては、さ
らに、前記第2室は複数の領域に区分される。そして、
該各領域ごとに、下方に移動する液体を受けて、コレク
タボックスに集めるコレクタラミナ、及び該コレクタボ
ックスに集められた液体を分配するとともに、上方に移
動する蒸気を通過させるディストリビュータが配設され
る。また、前記各コレクタボックスに、前記サイドカッ
トノズルの先端が開口させられる。
【0018】本発明の更に他の蒸留装置においては、さ
らに、前記各サイドカットノズルは、前記第2室内に傾
斜させて配設されたプレート型のサイドカットノズルで
ある。そして、該各サイドカットノズルは、サイドカッ
トノズル上に落下した液体をサイドカット液として排出
する。
【0019】本発明の蒸留装置の蒸留方法においては、
中仕切りによって分割され、互いに隣接するとともに、
断面積が原液中の成分組成に基づく断面積比によって異
なる第1室及び第2室が形成された塔本体、上方に濃縮
部を、下方に回収部を備えた第1の蒸留部、少なくとも
一部が前記塔本体の塔頂と隣接させて配設され、上方に
濃縮部を、下方に回収部を備えた第2の蒸留部、並びに
少なくとも一部が前記塔本体の塔底と隣接させて配設さ
れ、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第3の蒸留
部を有する蒸留装置に適用される。そして、前記第1の
蒸留部に原液を供給し、前記塔頂において留出液を排出
し、塔サイドに位置を異ならせて配設された複数のサイ
ドカットノズルのうちの少なくとも一つを選択し、選択
されたサイドカットノズルからサイドカット液を排出
し、前記塔底において缶出液を排出する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の第1の実施の形態における
結合型蒸留塔の概念図、図4は本発明の第1の実施の形
態における結合型蒸留塔の要部断面図、図5は本発明の
第1の実施の形態における第4セクションの第2室の概
略図である。
【0022】図において、10は結合型蒸留塔であり、
該結合型蒸留塔10は、第1セクション11、第2セク
ション12、第3セクション13、第4セクション1
4、第5セクション15、第6セクション16、第7セ
クション17、第8セクション18及び第9セクション
19から成る。
【0023】そして、前記結合型蒸留塔10の塔本体
は、前記第4セクション14、第5セクション15及び
第6セクション16の上半部にわたって延びる平板状の
中仕切り22によって第1室14A〜16Aと第2室1
4B〜16Bとに区分され、第1室14A〜16Aと第
2室14B〜16Bとは互いに隣接させられる。また、
前記第1室14A〜16Aによって第1の蒸留部25
が、前記第1セクション11、第2セクション12、第
3セクション13及び第2室14Bによって第2の蒸留
部26が、前記第2室15B、16B、第7セクション
17、第8セクション18及び第9セクション19によ
って第3の蒸留部27がそれぞれ形成される。
【0024】なお、前記中仕切り22を断熱材によって
形成したり、中仕切り22の内部を真空にしたりして、
中仕切り22を断熱構造にすることもできる。この場
合、第1室14Aと第2室14Bとの間、第1室15A
と第2室15Bとの間、及び第1室16Aと第2室16
Bとの間の熱伝達をそれぞれ少なくすることができるの
で、蒸留の効率を高くすることができる。
【0025】そして、結合型蒸留塔10の高さ方向にお
けるほぼ中央に前記第5セクション15が配設され、第
1室15Aにフィードノズル41が配設される。また、
結合型蒸留塔10の塔頂に前記第1セクション11が配
設され、該第1セクション11に、図示されない凝縮器
に接続させて蒸気出口43及び還流液入口44がそれぞ
れ配設される。さらに、結合型蒸留塔10の塔底に第9
セクション19が配設され、該第9セクション19に缶
出液出口45及び蒸気入口46がそれぞれ配設される。
なお、前記結合型蒸留塔10、凝縮器等によって蒸留装
置が構成される。また、前記蒸気出口43及び凝縮器に
よって第1の排出手段が構成される。
【0026】前記構成の結合型蒸留塔10において、成
分A、B1、B2及びCを含有する混合物が原液Mとし
て前記フィードノズル41に供給され、成分Aが精製さ
れた製品として取り出される。この場合、成分Aは成分
B1より、該成分B1(中間沸点成分)は成分B2(高
沸点成分)より、該成分B2は成分Cより沸点が低い。
また、成分B1、B2はいずれも複数の成分を含有する
多成分から成る。
【0027】前記第1の蒸留部25内において、前記フ
ィードノズル41より上方に配設された第1室14Aに
よって濃縮部AR1が、フィードノズル41より下方に
配設された第1室16Aによって回収部AR2がそれぞ
れ形成される。そして、前記第2の蒸留部26内におい
て、前記第1の蒸留部25の上端より上方に配設された
第2セクション12によって濃縮部AR3が、前記第1
の蒸留部25の上端より下方において、前記濃縮部AR
1と隣接させて配設された第2室14Bによって回収部
AR4がそれぞれ形成される。さらに、前記第3の蒸留
部27内において、前記第1の蒸留部25の下端に接続
され、該下端より上方において、前記回収部AR2と隣
接させて配設された第2室16Bによって濃縮部AR5
が、前記第1の蒸留部25の下端より下方に配設された
第8セクション18によって回収部AR6がそれぞれ形
成される。
【0028】このようにして、第1の蒸留部25の上端
が第2の蒸留部26の高さ方向における中間に、第1の
蒸留部25の下端が第3の蒸留部27の高さ方向におけ
る中間にそれぞれ接続される。
【0029】そして、前記回収部AR2においては、フ
ィードノズル41から供給された原液Mが下方に移動
し、上方において成分A、B1に富んだ蒸気が、下方に
なるに従って成分B2、Cに富んだ液体が発生させら
れ、第1の蒸留部25の下端から第3の蒸留部27に成
分B2、Cに富んだ液体が供給される。
【0030】次に、該成分B2、Cに富んだ液体は、第
3の蒸留部27内において加熱されて成分B2、Cに富
んだ蒸気になり、該成分B2、Cに富んだ蒸気は、前記
回収部AR2内を上方に移動させられる間に原液Mと接
触し、該原液Mから成分A、B1に富んだ蒸気を発生さ
せる。
【0031】続いて、該成分A、B1に富んだ蒸気は、
濃縮部AR1内を上方に移動し、前記第1の蒸留部25
の上端から第2の蒸留部26に供給される。さらに、前
記成分A、B1に富んだ蒸気は、第2の蒸留部26内に
おいて冷却されて凝縮させられ、成分A、B1に富んだ
液体になる。そして、該成分A、B1に富んだ液体の一
部は、濃縮部AR1に還流され、該濃縮部AR1内を上
方に移動させられる成分A、B1に富んだ蒸気と接触さ
せられる。このようにして、第1の蒸留部25の上端か
ら第2の蒸留部26に成分A、B1に富んだ蒸気が供給
される。
【0032】第2の蒸留部26においては、上方におい
て成分Aに富んだ蒸気が、下方になるに従って成分A、
B1に富んだ液体が発生させられる。そして、前記成分
Aに富んだ蒸気は、濃縮部AR3内を上方に移動して前
記蒸気出口43から排出されて前記凝縮器に送られ、該
凝縮器によって凝縮させられて成分Aに富んだ液体にな
り、留出液として排出される。また、成分A、B1に富
んだ液体は回収部AR4内を下方に移動する。
【0033】そして、成分Aの精製の効率を高くするた
めに、前記成分Aに富んだ液体の一部は、還流液入口4
4から濃縮部AR3に還流され、該濃縮部AR3内を上
方に移動させられる成分A、B1に富んだ蒸気と接触さ
せられる。
【0034】一方、第3の蒸留部27において、成分B
1、B2、Cに富んだ蒸気の一部は、濃縮部AR5及び
回収部AR4内を上方に移動し、回収部AR4内におい
て、濃縮部AR3からの成分A、B1に富んだ液体と接
触し、成分A、B1に富んだ液体になる。このようにし
て、回収部AR4内において得られた成分A、B1に富
んだ液体は、前記回収部AR4内に複数個、本実施の形
態においては3個配設されたサイドカットノズル53〜
55のうちの一つから第1のサイドカット液として排出
される。
【0035】また、成分B2、Cに富んだ蒸気は、回収
部AR6の上端において第2の蒸留部26からの成分B
2、Cに富んだ液体と接触し、成分B2、Cに富んだ液
体になる。このようにして、濃縮部AR5と回収部AR
6との間において得られた成分B2、Cに富んだ液体
は、第2のサイドカット液としてサイドカットノズル5
6から排出される。
【0036】また、前記回収部AR6においては、成分
B2、Cに富んだ液体が下方に移動し、上方において成
分B2、Cに富んだ蒸気を、下方になるに従って成分C
に富んだ液体をそれぞれ発生させる。したがって、成分
Cに富んだ液体は缶出液として缶出液出口45から排出
される。なお、該缶出液出口45によって第3の排出手
段が構成される。
【0037】ところで、前記成分Cが水(H2 O)であ
る場合、缶出液出口45から排出された成分Cに富んだ
液体は、図示されない廃水処理装置に送られて廃水処理
が施される。この場合、第3の蒸留部27内の成分B
2、Cに富んだ液体を加熱するに当たり、成分B2、C
に富んだ液体と高温の水蒸気(H2 O)とを直接接触さ
せるようにすると、熱効率を高くすることができる。そ
こで、前記第9セクション19内の下端の近傍に蒸気噴
射ノズル51を配設し、図示されない蒸気供給源から蒸
気入口46を介して蒸気噴射ノズル51に水蒸気を供給
するようにしている。したがって、蒸気噴射ノズル51
から吐出させられた水蒸気は、成分B2、Cに富んだ液
体を加熱するとともに、凝縮させられ、成分Cと共に缶
出液出口45から排出される。
【0038】なお、成分Cが水でない場合、前記第9セ
クション19内に蒸気噴射ノズル51は配設されない。
この場合、缶出液出口45から排出された成分Cに富ん
だ液体の一部は図示されない蒸発器に送られ、該蒸発器
によって加熱されて成分Cに富んだ蒸気になる。該成分
Cに富んだ蒸気は第9セクション19に供給され、該第
9セクション19及び前記回収部AR6内を上方に移動
させられる間に、成分B2、Cに富んだ液体と接触し、
該成分B2、Cに富んだ液体から成分B2、Cに富んだ
蒸気を発生させる。なお、前記蒸発器によって蒸気供給
源が構成される。
【0039】このように、成分Aに富んだ蒸気は、蒸気
出口43から排出され、凝縮させられて留出液になり、
成分A、B1に富んだ液体は、サイドカットノズル53
〜55のうちの一つから第1のサイドカット液として排
出され、成分B2、Cに富んだ液体は、サイドカットノ
ズル56から第2のサイドカット液として排出され、成
分Cに富んだ液体は、缶出液出口45から缶出液として
排出される。そして、前記留出液は製品になり、第1の
サイドカット液は図示されない回収装置に送られ、次の
工程において第1のサイドカット液に含有される成分A
が回収される。また、第2のサイドカット液は、成分C
を主成分として含有するが、成分B1、B2を含有する
ので、図示されない焼却装置に廃液として送られ、焼却
される。そして、缶出液は、成分Cが水である場合、前
記廃水処理装置に送られ、廃水処理が施される。
【0040】本実施の形態において、前記濃縮部AR3
に充填(てん)される充填物として、一つの節から成る
規則充填物が使用され、前記濃縮部AR1、AR5及び
各回収部AR2、AR4、AR6に充填される充填物と
して、多数のスリーブ状のポールリング、ラシヒリング
等をランダムに詰めることによって形成された不規則充
填物が使用される。不規則充填物は、腐食性の液体又は
蒸気によって劣化した場合に、容易に交換することがで
きる。なお、前記規則充填物に代えて不規則充填物を使
用したり、前記不規則充填物に代えて規則充填物を使用
したりすることができる。また、複数の節から成る充填
物を使用することもできる。
【0041】このように、複数の蒸留塔を使用すること
なく、原液Mを各成分A、B1、B2、Cに分離させる
ことができるので、凝縮器、蒸発器、ポンプ、計装品等
を多数配設する必要がなくなる。したがって、占有面積
を小さくすることができるだけでなく、ユーティリティ
の使用量及び消費エネルギーを少なくすることができる
ので、蒸留装置のコストを低くすることができる。
【0042】ところで、第3セクション13にライザー
トレイ65が、第5セクション15の第1室15Aにお
けるフィードノズル41の下にライザートレイ66が、
第5セクション15の第2室15Bにライザートレイ6
7が、第7セクション17にライザートレイ68がそれ
ぞれ配設される。なお、各ライザートレイ65〜68は
いずれもチムニーハット型のコレクタを構成して、液体
を集めるとともに、蒸気を通過させる。
【0043】そして、ライザートレイ65によって集め
られた液体は、第4セクション14の第1室14A及び
第2室14Bに分配されるが、前記第1のサイドカット
液がサイドカットノズル53〜55のうちの一つから、
第2のサイドカット液がサイドカットノズル56から排
出されるので、第1室14Aに分配される液体の量を第
2室14Bに分配される液体の量より多くする必要があ
る。
【0044】そこで、前記中仕切り22をフィードノズ
ル41の無い側、すなわち、第2室14B〜16B側に
偏心させるようにしている。そして、第1室14A〜1
6Aの断面積S1と第2室14B〜16Bの断面積S2
との断面積比γ1 γ1=S1/S2 は、原液M中の成分B1、B2の成分組成が大きいほど
小さい値にされ、成分B1、B2の成分組成が小さいほ
ど大きい値にされる。
【0045】このように、断面積S1、S2を異ならせ
ることによって、第1室14A〜16A内を流れる蒸気
及び液体の量と、第2室14B〜16B内を流れる蒸気
及び液体の量とが異なっても、第1室14A〜16A及
び第2室14B〜16Bを有効に利用することができ
る。したがって、前記蒸気供給源に加わる熱負荷を小さ
くすることができるので、蒸留のための消費エネルギー
を少なくすることができる。なお、第1室14A〜16
A内を流れる蒸気及び液体の量、並びに第2室14B〜
16B内を流れる蒸気及び液体の量によっては、中仕切
り22を塔本体内の中央に配設して断面積S1、S2を
等しくしたり、第1室14A〜16A側に偏心させて断
面積S1を断面積S2より小さくしたりすることができ
る。
【0046】次に、第4セクション14の第2室14B
について説明する。
【0047】図5において、60は第4セクション14
の下端に配設されたグリッド、61は第2室14B内の
3箇所に配設され、第2室14B内を4個の領域に区分
するグリッドであり、各グリッド60、61によって充
填物63が支持される。また、62は各グリッド61の
直下に配設されたライザートレイであり、該ライザート
レイ62は、第2室14B内を下方に移動する液体を受
けて、下方の充填物63に分配するとともに、第2室1
4B内を上方に移動する蒸気を通過させる。そのため
に、前記各ライザートレイ62はチムニーハット型のコ
レクタを構成する。
【0048】また、前記ライザートレイ62には、サイ
ドカットノズル53〜55の先端が開口させられる。サ
イドカットノズル53〜55の先端は、各ライザートレ
イ62の底面よりわずかに突出させて配設され、ライザ
ートレイ62に落下した成分A、B1に富んだ液体は、
ライザートレイ62上に溜(た)まり、サイドカットノ
ズル53〜55から排出される。
【0049】ところで、前記構成の結合型蒸留塔10に
おいて、成分B1は多成分であるので、成分B1の濃縮
段、すなわち、第1のサイドカット液を取り出すのに最
適な位置が結合型蒸留塔10の運転条件、例えば、成分
B1に含有される各成分の成分組成によって異なる。そ
こで、成分B1の成分組成に対応させてサイドカットノ
ズル53〜55のうちの一つを選択し、選択されたサイ
ドカットノズルから第1のサイドカット液を排出するよ
うにしている。
【0050】そのために、前記サイドカットノズル53
〜55には、図示されないバルブが配設され、該各バル
ブを手動で、又は図示されない制御装置からの信号によ
って自動で開閉することができるようになっている。そ
して、前記塔本体内におけるフィードノズル41の近傍
に運転条件検出手段としての図示されない温度センサが
配設され、該温度センサによって塔本体内の温度が検出
される。塔本体内の温度は、前記成分B1の成分組成に
対応して変化するので、塔本体内の温度を検出すること
によって成分B1の成分組成を検出することができる。
なお、前記フィードノズル41に供給される原液Mを溜
める図示されない貯留槽が配設される場合、該貯留槽内
の原液Mの成分組成を運転条件検出手段としての図示さ
れない分析器によって検出し、検出結果に基づいて前記
バルブを開閉することもできる。また、サイドカットノ
ズル53〜55、バルブ等によって第2の排出手段が構
成される。
【0051】このように、サイドカットノズル53〜5
5のうちの一つが選択され、第1のサイドカット液を排
出する位置が最適になるので、第1のサイドカット液は
濃縮され、しかも、排出される量が少なくなる。したが
って、留出液の純度を高くすることができるだけでな
く、留出液の量、すなわち、留分を多くすることがで
き、留出液の回収率を高くすることができる。
【0052】また、第1のサイドカット液には成分B1
のほかに成分Aが含有されるので、前記回収装置におい
て第1のサイドカット液から成分Aを回収するようにし
ているが、第1のサイドカット液の量が少ない分だけ成
分Aの回収量を少なくすることができる。したがって、
回収装置において成分Aを回収するために必要なエネル
ギーを少なくすることができるので、成分Aのコストを
低くすることができる。
【0053】なお、本実施の形態においては、サイドカ
ットノズル53〜55は回収部AR4に配設されるよう
になっているが、回収部AR4及び濃縮部AR5にわた
って配設したり、濃縮部AR5に配設したりすることも
できる。また、本実施の形態においては、サイドカット
ノズル53〜55のうちの一つが選択されるようになっ
ているが、二つ以上を選択することもできる。
【0054】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有する
ものについては、同じ符号を付与することによってその
説明を省略する。
【0055】図6は本発明の第2の実施の形態における
結合型蒸留塔の要部概略図である。
【0056】図において、71は第4セクション14の
下端に配設されたグリッド、72は第2室14B内の1
箇所に配設され、第2室14B内を2個の領域に区分す
るグリッドであり、各グリッド71、72によって充填
物63が支持される。前記グリッド71の直下には、ラ
イザートレイ76、77が配設され、ライザートレイ7
6は、フィードノズル41に供給された原液Mを受け
て、第6セクション16の第1室16Aの充填物63に
分配するとともに、第5セクション15の第1室15A
内を上方に移動する蒸気を通過させ、ライザートレイ7
7は、第2室15Bを下方に移動する液体を受けて、第
2室16Bにおける上方の充填物63に分配するととも
に、第2室16B内を上方に移動する蒸気を通過させ
る。そして、前記グリッド72の直下には、ライザート
レイ78が配設され、ライザートレイ78は、第2室1
4B内を下方に移動する液体を受けて、第2室14Bに
おける下方の充填物63に分配するとともに、第2室1
4B内を上方に移動する蒸気を通過させる。
【0057】また、73は第6セクション16の下端に
配設されたグリッド、74は第2室16B内の1箇所に
配設され、第2室16B内を2個の領域に区分するグリ
ッドであり、各グリッド73、74によって充填物63
が支持される。前記グリッド73の直下には、ライザー
トレイ68が配設され、ライザートレイ68は、第7セ
クション17内を下方に移動する液体を受けて、第8セ
クション18内の充填物63に分配するとともに、第7
セクション17内を上方に移動する蒸気を通過させる。
そして、前記グリッド74の直下には、ライザートレイ
82が配設され、ライザートレイ82は、第2室16B
内を下方に移動する液体を受けて、第2室16Bにおけ
る下方の充填物63に分配するとともに、第2室16B
内を上方に移動する蒸気を通過させる。
【0058】また、前記ライザートレイ77、78、8
2にはサイドカットノズル53〜55の先端が開口させ
られる。ライザートレイ77、78、82に落下した成
分A、B1に富んだ液体は、ライザートレイ77、7
8、82上に溜まり、サイドカットノズル53〜55か
ら排出される。なお、各充填物63は不規則充填物から
成る。
【0059】そして、成分B1の成分組成に対応させて
サイドカットノズル53〜55のうちの一つを選択し、
選択されたサイドカットノズルから第1のサイドカット
液を排出するために、前記サイドカットノズル53〜5
5には、バルブV1〜V3が配設され、該各バルブV1
〜V3を手動で、又は図示されない制御装置からの信号
によって自動で開閉することができるようになってい
る。
【0060】このように、サイドカットノズル53を第
2室14Bに、サイドカットノズル54を第2室15B
に、サイドカットノズル55を第2室16Bに配設する
ことができる。
【0061】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有する
ものについては、同じ符号を付与することによってその
説明を省略する。
【0062】図7は本発明の第3の実施の形態における
結合型蒸留塔の要部概略図である。
【0063】図において、71は第4セクション14の
下端に配設されたグリッド、72は第2室14B内の1
箇所に配設され、第2室14B内を2個の領域に区分す
るグリッドであり、各グリッド71、72によって充填
物63が支持される。第1室15Aにおけるグリッド7
1の直下には、コレクタラミナ176、コレクタボック
ス351及びディストリビュータ352が配設され、コ
レクタラミナ176は、第1室14Aからの液体を受け
てコレクタボックス351に集め、ディストリビュータ
352は、コレクタボックス351に集められた液体及
びフィードノズル41に供給された原液Mを受けて、第
1室16Aの充填物63に分配するとともに、第1室1
5A内を上方に移動する蒸気を通過させる。また、第2
室15Bにおけるグリッド71の直下には、コレクタラ
ミナ177が配設され、コレクタラミナ177は、第2
室15B内を下方に移動する液体を受けてコレクタボッ
クス353に集め、ディストリビュータ354は、コレ
クタボックス353に集められた液体を受けて、第2室
16Bにおける上方の充填物63に分配するとともに、
第2室15B内を上方に移動する蒸気を通過させる。
【0064】そして、前記グリッド72の直下には、コ
レクタラミナ178が配設され、コレクタラミナ178
は、第2室14B内を下方に移動する液体を受けてコレ
クタボックス355に集め、ディストリビュータ356
は、コレクタボックス355に集められた液体を受け
て、第2室14B内における下方の充填物63に分配す
るとともに、第2室14B内を上方に移動する蒸気を通
過させる。
【0065】また、73は第6セクション16の下端に
配設されたグリッド、74は第2室16B内の1箇所に
配設され、第2室16B内を2個の領域に区分するグリ
ッドであり、各グリッド73、74によって充填物63
が支持される。前記グリッド73の直下には、コレクタ
ラミナ168が配設され、コレクタラミナ168は、第
7セクション17内を下方に移動する液体を受けてコレ
クタボックス357に集め、ディストリビュータ358
は、コレクタボックス357に集められた液体を受け
て、第8セクション18内の充填物63に分配するとと
もに、第7セクション17内を上方に移動する蒸気を通
過させる。そして、前記グリッド74の直下には、コレ
クタラミナ182が配設され、コレクタラミナ182
は、第2室16B内を下方に移動する液体を受けてコレ
クタボックス359に集め、ディストリビュータ360
は、コレクタボックス359に集められた液体を受け
て、直下の充填物63に分配するとともに、第2室16
B内を上方に移動する蒸気を通過させる。
【0066】また、前記コレクタボックス353、35
5、359にはサイドカットノズル53〜55の先端が
開口させられる。コレクタボックス353、355、3
59に集められた成分A、B1に富んだ液体はサイドカ
ットノズル53〜55から排出される。なお、各充填物
63は規則充填物から成る。
【0067】そして、成分B1の成分組成に対応させて
サイドカットノズル53〜55のうちの一つを選択し、
選択されたサイドカットノズルから第1のサイドカット
液を排出するために、前記サイドカットノズル53〜5
5には、バルブV1〜V3が配設され、該各バルブV1
〜V3を手動で、又は図示されない制御装置からの信号
によって自動で開閉することができるようになってい
る。
【0068】このように、サイドカットノズル53を第
2室14Bに、サイドカットノズル54を第2室15B
に、サイドカットノズル55を第2室16Bに配設する
ことができる。
【0069】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有する
ものについては、同じ符号を付与することによってその
説明を省略する。
【0070】図8は本発明の第4の実施の形態における
結合型蒸留塔の概略図、図9は本発明の第4の実施の形
態におけるサイドカットノズルの平面図、図10は本発
明の第4の実施の形態におけるサイドカットノズルの断
面図である。なお、図9及び10において、サイドカッ
トノズル53〜55は同じ構造を有するので、サイドカ
ットノズル53についてだけ説明する。
【0071】この場合、第2の蒸留部26の回収部AR
4と第3の蒸留部27の濃縮部AR5とは一体にされ、
回収部AR4及び濃縮部AR5に充填される充填物とし
て不規則充填物が使用される。
【0072】そして、前記回収部AR4及び濃縮部AR
5内にプレート型のサイドカットノズル53〜55が傾
斜させて配設され、該サイドカットノズル53〜55上
に落下した成分A、B1に富んだ液体を第1のサイドカ
ット液として排出する。前記サイドカットノズル53〜
55は、いずれも、中央に軸方向に延在する半円形の溝
90を備えたプレート部94、該プレート部94の両縁
に形成されたフランジ部91、及び前記溝90を覆う網
93から成り、塔本体の中心に近いほど高くなるように
傾斜させられる。
【0073】したがって、前記成分A、B1に富んだ液
体は、サイドカットノズル53〜55上に落下すると、
プレート部94によって集められ、溝90に沿って流れ
る。なお、81は凝縮器である。
【0074】
【実施例】〔参考例1〕図11は中仕切りを備えない一
つの蒸留塔を備えた参考例の蒸留装置の概念図、図12
は参考例の蒸留装置による蒸留結果を示す図である。
【0075】図において、313は蒸留塔、306は凝
縮器、351は蒸気噴射ノズルであり、図示されない蒸
気供給源から蒸気噴射ノズル351に水蒸気が供給され
る。
【0076】成分A、B1、B2、Cを含有する原液M
を蒸留塔313に供給すると、塔頂から成分Aに富んだ
液体が留出液として、塔サイドから成分A、B1に富ん
だ液体、及び成分B2、Cに富んだ液体が、第1、第2
のサイドカット液として、塔底から成分Cに富んだ液体
が缶出液としてそれぞれ取り出される。
【0077】前記蒸留塔313における蒸留条件を次の
ように設定した。
【0078】 成分A:アセトアルデヒド 成分B1:中間沸点成分(ジクロロメタン、クロロホル
ム、クロルアセトアルデヒド等) 成分B2:高沸点成分(ジクロルアセトアルデヒド、酢
酸等) 成分C:水 原液Mの成分組成:成分A:77.00〔wt%〕 成分B1:0.59〔wt%〕 成分B2:1.62〔wt%〕 成分C:20.79〔wt%〕 理論段数:30段 原液供給量:10400〔kg/h〕 還流比:1.4 塔頂圧力:1.20〔kg/cm2 G〕(219〔kP
aA〕) 塔頂温度:43〔℃〕 加熱源:水蒸気を直接塔底に吹き込む方式 塔径 濃縮部:ID 1800(棚段方式:目皿塔) 回収部:ID 1550(不規則充填物:ポールリン
グ) その結果、図12に示されるように成分Aを99.97
〔wt%〕で精製することができた。 〔実施例1〕図13は本発明の第1の実施の形態におけ
る蒸留装置による蒸留結果を示す図である。
【0079】結合型蒸留塔10(図1)における蒸留条
件を次のように設定した。
【0080】 成分A:アセトアルデヒド 成分B1:中間沸点成分(ジクロロメタン、クロロホル
ム、クロルアセトアルデヒド等) 成分B2:高沸点成分(ジクロルアセトアルデヒド、酢
酸等) 成分C:水 原液Mの成分組成:成分A:77.00〔wt%〕 成分B1:0.59〔wt%〕 成分B2:1.62〔wt%〕 成分C:20.79〔wt%〕 理論段数:30段 原液供給量:10400〔kg/h〕 還流比:1.4 塔頂圧力:1.20〔kg/cm2 G〕(219〔kP
aA〕) 塔頂温度:43〔℃〕 加熱源:水蒸気を直接塔底に吹き込む方式 塔径 濃縮部AR3:ID 1650(規則充填物):
メラパック250Y(住友重機械工業株式会社製) 濃縮部AR1、AR5、回収部AR2、AR4:ID
1650(不規則充填物):ポールリング 回収部AR6:ID 1550(不規則充填物:ポール
リング) 断面積比γ1:70/30 液分配比γ2:フィード側/サイドカット側=62/3
8≒1.63158 その結果、図13に示されるように成分Aを99.97
〔wt%〕で精製することができた。
【0081】第1、第2のサイドカット液の排出量が少
ないので、中仕切り22が配設される位置を塔本体の中
央より偏心させ、第1室14A〜16A及び第2室14
B〜16Bを流れる蒸気及び液体の量を異ならせること
によって、結合型蒸留塔10の塔仕様を従来のものと等
しくすることができる。
【0082】この場合、原液Mにおける成分Aの成分組
成をpA〔wt%〕とし、成分B1の成分組成をpB1
〔wt%〕とし、成分B2の成分組成をpB2〔wt
%〕とし、成分Cの成分組成をpC〔wt%〕とする
と、成分組成pA、pB1、pB2、pCは、 pA>pC>pB1、pB2 であるので、中仕切り22を中央から第2室14B〜1
6B側に偏心させた偏心型の結合型蒸留塔10が使用さ
れる。
【0083】なお、成分組成pA、pB1、pB2、p
Cが、 pB1、pB2>pA、pC である場合、中仕切り22は中央に配設される。
【0084】実施例1の蒸留装置と参考例1の蒸留装置
とを比較すると、いずれも水蒸気の質量流量を2200
〔kg/h〕にして加熱エネルギー量を等しくすると、
留出液の質量流量は、参考例1の蒸留装置の場合、78
60〔kg/h〕であるのに対して、実施例1の蒸留装
置の場合、7895〔kg/h〕になり、35〔kg/
h〕増産することができる。
【0085】したがって、年間で成分Aをほぼ 35〔kg/h〕×8000〔h〕=280〔t/y〕 多く得ることができる。
【0086】また、水蒸気の量を減少させ、成分Aを1
〔kg/h〕増産するのに必要な水蒸気の量、すなわ
ち、製品原単位を少なくすることができる。該製品原単
位は、〔水蒸気の量〕×〔成分Aの増産量〕/〔参考例
1の蒸留装置における成分Aの量〕で表すことができる
ので、 2200〔kg/h〕×35〔kg/h〕/7860
〔kg/h〕≒9.8〔kg/h〕 になる。
【0087】そして、第1のサイドカット液の質量流量
は、参考例1の蒸留装置の場合、200〔kg/h〕で
あるのに対して、実施例1の蒸留装置の場合、165
〔kg/h〕になり、35〔kg/h〕少なくすること
ができる。
【0088】したがって、年間で第1のサイドカット液
を 35〔kg/h〕×8000〔h〕=280〔t/y〕 少なくすることができるので、次の工程における成分A
の回収量を少なくすることができる。その結果、回収装
置において次の工程で使用される加熱用の水蒸気の量を
少なくすることができ、製品原単位を少なくすることが
できる。該製品原単位は、〔加熱用の水蒸気の量〕×
〔第1のサイドカット液の減少量〕/〔参考例1の蒸留
装置における第1のサイドカット液の量〕で表すことが
できるので、 160〔kg/h〕×35〔kg/h〕/200〔kg
/h〕=28〔kg/h〕 になる。
【0089】この場合、結合型蒸留塔10はアセトアル
デヒドを蒸留によって精製するために使用され、塔頂に
おいてアセトアルデヒドを、塔サイドにおいてジクロロ
メタン、クロロホルム、クロルアセトアルデヒド等、及
びジクロルアセトアルデヒド、酢酸等を、塔底において
水をそれぞれ得ることができるようになっているが、他
の物質を蒸留によって精製したり凝縮させたりすること
ができる。
【0090】そして、高品位ベンゼンを精製する場合、
塔頂において排ガスとしての不活性ガスが、塔頂の近傍
の塔サイドにおいて第1のサイドカット液としてのベン
ゼン(製品)が、塔底の近傍の塔サイドにおいて第2の
サイドカット液としてのトルエンが、塔底において少量
の重質油がそれぞれ得られる。
【0091】また、酢酸ビニルを精製する場合、塔頂に
おいて軽質分及び酢酸ビニルが、塔サイドにおいてサイ
ドカット液としての精製酢酸ビニル(製品)が、塔底に
おいて残留物がそれぞれ得られる。なお、次の工程にお
いて軽質分及び酢酸ビニルから精製酢酸ビニルが蒸留に
よって得られる。
【0092】そして、β−メチルナフタレンを濃縮する
場合、塔頂において95〔%〕のナフタレン(製品)
が、塔サイドにおいてサイドカット液としての油分が、
塔底においてメチルナフタレン残油がそれぞれ得られ
る。なお、前記油分は、β−メチルナフタレンを濃縮す
ることによって形成され、次の工程において油分から精
製β−メチルナフタレンが精製される。
【0093】さらに、トール油を精製する場合、塔頂に
おいて初留トール油(軽い脂肪酸ヘッド)が、塔サイド
においてサイドカット液としての精製脂肪酸(ロジンの
含有量が少ない極めて純度が高い脂肪酸)が、塔底にお
いて精製蒸留トール油がそれぞれ得られる。 〔参考例2〕図2に示されるような、従来の二つの第
1、第2の蒸留塔111、112を備えた蒸留装置にお
ける蒸留条件を、ケース1及び2で原液Mの成分組成、
すなわち、成分Bの組成を異ならせて、次のように設定
した。
【0094】 成分A:シクロヘキサン 84.85〔wt%〕(ケース1) 84.85〔wt%〕(ケース2) 成分B:2−ヘキサノン 0.10〔wt%〕(ケース1) 0.05〔wt%〕(ケース2) 2−ヘキサノール 0.05〔wt%〕(ケース1) 0.10〔wt%〕(ケース2) 成分C1:シクロヘキサノン 12.00〔wt%〕(ケース1) 12.00〔wt%〕(ケース2) 成分C2:シクロヘキサノール 3.00〔wt%〕(ケース1) 3.00〔wt%〕(ケース2) なお、成分Bに1−ヘキサノン、3−ヘキサノン、1−
ヘキサノール及び3−ヘキサノールが存在する可能性が
あるが、2−ヘキサノン及び2−ヘキサノールだけとし
た。
【0095】 第1塔(第1の蒸留塔111) 理論段数 濃縮部:10段 回収部:15段 原液供給量:2000〔kg/h〕 留出液:1697.2〔kg/h〕 還流比:1.0 塔頂圧力:常圧 塔頂温度:80.8〔℃〕 第2塔(第2の蒸留塔112) 理論段数 濃縮部:10段 回収部:15段 原液供給量:302.8〔kg/h〕 留出液:5.0〔kg/h〕 還流比:500 塔頂圧力:常圧 塔頂温度:116〔℃〕(ケース1) 118〔℃〕(ケース2) 加熱エネルギー量: 第1塔 300000〔kcal/h〕 第2塔 260000〜268000〔kcal/h〕 合計 560000〜568000〔kcal/h〕 その結果、成分Aを99.99〔wt%〕で精製するこ
とができた。
【0096】この場合、本工程であるシクロヘキサン回
収工程で精製された成分Aは、前の工程である酸化反応
工程に戻され、原料として再び利用される。
【0097】また、高沸点成分である成分C1は、次の
工程において成分C2が分離精製され、高純度の成分C
1が製品として得られる。このとき、中間沸点成分(不
純物)である成分Bを、前記シクロヘキサン回収工程で
濃縮し除去することが重要である。 〔参考例3〕図14は他の参考例の蒸留装置によるケー
ス1の蒸留結果を示す図、図15は他の参考例の蒸留装
置によるケース2の蒸留結果を示す図である。
【0098】図3に示されるような、従来の一つの蒸留
塔113を備えた蒸留装置における蒸留条件を、ケース
1及び2で原液Mの成分組成、すなわち、成分Bの組成
を異ならせて、次のように設定した。
【0099】 成分A:シクロヘキサン 84.85〔wt%〕(ケース1) 84.85〔wt%〕(ケース2) 成分B:2−ヘキサノン 0.10〔wt%〕(ケース1) 0.05〔wt%〕(ケース2) 2−ヘキサノール 0.05〔wt%〕(ケース1) 0.10〔wt%〕(ケース2) 成分C1:シクロヘキサノン 12.00〔wt%〕(ケース1) 12.00〔wt%〕(ケース2) 成分C2:シクロヘキサノール 3.00〔wt%〕(ケース1) 3.00〔wt%〕(ケース2) なお、成分Bに1−ヘキサノン、3−ヘキサノン、1−
ヘキサノール及び3−ヘキサノールが存在する可能性が
あるが、2−ヘキサノン及び2−ヘキサノールだけとし
た。
【0100】 理論段数:35段 還流比:2.0 塔頂圧力:常圧 塔頂温度:80.7〔℃〕 塔底温度:155.1〔℃〕 加熱エネルギー量:444000〔kcal/h〕 断面積比γ1:100/73.6 液分配比γ2:フィード側/サイドカット側=55/100 =0.55 その結果、図14及び15に示されるように、成分Aを
99.99〔wt%〕で精製することができた。 〔実施例2〕図16は本発明の第1の実施の形態におけ
る他の蒸留装置によるケース1の蒸留結果を示す図、図
17は本発明の第1の実施の形態における他の蒸留装置
によるケース2の蒸留結果を示す図である。
【0101】結合型蒸留塔10(図1)における蒸留条
件を、ケース1及び2で原液Mの成分組成、すなわち、
成分Bの組成を異ならせて、次のように設定した。
【0102】 成分A:シクロヘキサン 84.85〔wt%〕(ケース1) 84.85〔wt%〕(ケース2) 成分B:2−ヘキサノン 0.10〔wt%〕(ケース1) 0.05〔wt%〕(ケース2) 2−ヘキサノール 0.05〔wt%〕(ケース1) 0.10〔wt%〕(ケース2) 成分C1:シクロヘキサノン 12.00〔wt%〕(ケース1) 12.00〔wt%〕(ケース2) 成分C2:シクロヘキサノール 3.00〔wt%〕(ケース1) 3.00〔wt%〕(ケース2) なお、成分Bに1−ヘキサノン、3−ヘキサノン、1−
ヘキサノール及び3−ヘキサノールが存在する可能性が
あるが、2−ヘキサノン及び2−ヘキサノールだけとし
た。
【0103】 理論段数:35段 還流比:2.0 塔頂圧力:常圧 塔頂温度:80.7〔℃〕 塔底温度:155.1〔℃〕 加熱エネルギー量:444000〔kcal/h〕 断面積比γ1:100/73.6 液分配比γ2:フィード側/サイドカット側=55/100 =0.55 その結果、図16及び17に示されるように、成分Aを
99.99〔wt%〕で精製することができた。
【0104】この場合、参考例2の蒸留装置と比べて、
必要な加熱エネルギー量を少なくすることができる。す
なわち、 444000/560000〜568000=79〜7
8〔%〕 であるので、加熱エネルギー量を約20〔%〕強(11
6000〜124000〔kcal/h〕)少なくする
ことができる。
【0105】また、参考例3の蒸留装置と比べると、必
要な加熱エネルギー量は等しいが、中間沸点成分(不純
物)である成分Bの濃度を高くすることができる。すな
わち、参考例3において、成分Bの濃度は51.5〜5
4.2〔wt%〕であるのに対して、実施例2におい
て、成分Bの濃度は57.7〜58.8〔wt%〕であ
る。したがって、成分Bがその分少なくなるので、次の
工程において成分C2を十分に分離精製することができ
る。その結果、成分C1の純度を高くすることができ
る。また、中間沸点成分(不純物)が少ないので、シク
ロヘキサノンとシクロヘキサノールとの分離が容易にな
る。
【0106】なお、成分Bの組成をケース1からケース
2に変化させる場合、サイドカット液を取り出す段、す
なわち、サイドカット段(回収部AR4と濃縮部AR5
との間)が切り替えられる。この場合、サイドカット段
は1段下に切り替えられる。
【0107】ところで、塔頂から排出される成分Aに成
分Bが含まれると、成分Bは、成分Aと共に前の工程の
酸化反応工程に戻され、原料として再び利用されてしま
う。その結果、成分Bは循環系に蓄積され、酸化反応を
悪化させてしまう。
【0108】ところが、図14及び15に示されるよう
に、参考例3の蒸留装置において、留出液における成分
Bの濃度は100〜104〔ppm〕であるのに対し
て、図16及び17に示されるように、実施例2の蒸留
装置において、成分Bの濃度は587〔ppb〕〜1
〔ppm〕になり、極めて低くすることができる。
【0109】また、参考例3及び実施例2の蒸留装置に
おいて、成分Bが塔底から排出されると、成分Bは、次
の工程において成分C1に混入し、後の工程におけるア
ジピン酸の製造に悪影響を及ぼすが、参考例3の蒸留装
置において、缶出液における成分Bの濃度は363〜8
64〔ppm〕であるのに対して、実施例2の蒸留装置
において、成分Bの濃度は185〜393〔ppm〕に
なり、極めて低くすることができる。
【0110】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形する
ことが可能であり、それらを本発明の範囲から排除する
ものではない。
【0111】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、蒸留装置においては、塔本体と、該塔本体内を分
割し、互いに隣接する第1室及び第2室を形成する中仕
切りと、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第1の
蒸留部と、少なくとも一部が前記塔本体の塔頂と隣接さ
せて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた
第2の蒸留部と、少なくとも一部が前記塔本体の塔底と
隣接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を
備えた第3の蒸留部と、前記第1の蒸留部に原液を供給
するフィードノズルと、前記塔頂に配設され、留出液を
排出する第1の排出手段と、塔サイドに配設され、サイ
ドカット液を排出する第2の排出手段と、前記塔底に配
設され、缶出液を排出する第3の排出手段とを有する。
【0112】そして、前記第2の排出手段は、位置を異
ならせて配設された複数のサイドカットノズルを備え
る。また、前記中仕切りを偏心させ、第1室の断面積と
第2室の断面積とを原液中の成分組成に基づく断面積比
によって異ならせる。
【0113】この場合、フィードノズルから原液が第1
の蒸留部に供給され、第1の排出手段によって留出液
が、第2の排出手段によってサイドカット液が、第3の
排出手段によって缶出液がそれぞれ排出される。
【0114】そして、第2の排出手段は、位置を異なら
せて配設された複数のサイドカットノズルを備えるの
で、該サイドカットノズルのうちの一つを選択すること
によって、サイドカット液を排出する位置を最適にする
ことができる。
【0115】したがって、サイドカット液は濃縮され、
しかも、排出される量が少なくなるので、缶出液の純度
を高くすることができるだけでなく、第1の排出手段に
よって排出される留分を多くすることができ、留出液の
回収率を高くすることができる。
【0116】また、サイドカット液に含有される所定の
成分を回収する場合に、サイドカット液の量が少ない分
だけ前記成分の回収量を少なくすることができる。した
がって、前記成分を回収するために必要なエネルギーを
少なくすることができるので、前記成分のコストを低く
することができる。さらに、第1室の断面積と第2室の
断面積とが原液中の成分組成に基づく断面積比によって
異ならせられるので、第1室内を流れる蒸気及び液体の
量と、第2室内を流れる蒸気及び液体の量とが異なって
も、第1室及び第2室を有効に利用することができる。
したがって、蒸気供給源に加わる熱負荷を小さくするこ
とができるので、蒸留のための消費エネルギーを少なく
することができる。
【0117】本発明の他の蒸留装置においては、さら
に、前記各サイドカットノズルに開閉自在のバルブが接
続され、該バルブは運転条件に対応させて開閉される。
【0118】この場合、運転条件に対応させてサイドカ
ットノズルのうちの一つを選択することができるので、
サイドカット液を排出する位置を最適にすることができ
る。
【0119】
【0120】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における結合型蒸留
塔の概念図である。
【図2】従来の二つの蒸留塔を備えた蒸留装置の概念図
である。
【図3】従来の一つの蒸留塔を備えた蒸留装置の概念図
である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における結合型蒸留
塔の要部断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における第4セクシ
ョンの第2室の概略図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における結合型蒸留
塔の要部概略図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における結合型蒸留
塔の要部概略図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における結合型蒸留
塔の概略図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態におけるサイドカッ
トノズルの平面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態におけるサイドカ
ットノズルの断面図である。
【図11】中仕切りを備えない一つの蒸留塔を備えた参
考例の蒸留装置の概念図である。
【図12】参考例の蒸留装置による蒸留結果を示す図で
ある。
【図13】本発明の第1の実施の形態における蒸留装置
による蒸留結果を示す図である。
【図14】他の参考例の蒸留装置によるケース1の蒸留
結果を示す図である。
【図15】他の参考例の蒸留装置によるケース2の蒸留
結果を示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における他の蒸留
装置によるケース1の蒸留結果を示す図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における他の蒸留
装置によるケース2の蒸留結果を示す図である。
【符号の説明】
10 結合型蒸留塔 14A〜16A 第1室 14B〜16B 第2室 22 中仕切り 25〜27 第1〜第3の蒸留部 41 フィードノズル 43 蒸気出口 45 缶出液出口 53〜55 サイドカットノズル 81 凝縮器 AR1、AR3、AR5 濃縮部 AR2、AR4、AR6 回収部 V1〜V3 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 陽一 東京都田無市谷戸町二丁目1番1号 住 友重機械工業株式会社田無製造所内 (56)参考文献 特開 昭59−142801(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 3/00 - 3/42

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)塔本体と、 (b)該塔本体内を分割し、互いに隣接する第1室及び
    第2室を形成する中仕切りと、 (c)上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第1の蒸
    留部と、 (d)少なくとも一部が前記塔本体の塔頂と隣接させて
    配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第2
    の蒸留部と、 (e)少なくとも一部が前記塔本体の塔底と隣接させて
    配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第3
    の蒸留部と、 (f)前記第1の蒸留部に原液を供給するフィードノズ
    ルと、 (g)前記塔頂に配設され、留出液を排出する第1の排
    出手段と、 (h)塔サイドに配設され、サイドカット液を排出する
    第2の排出手段と、 (i)前記塔底に配設され、缶出液を排出する第3の排
    出手段とを有するとともに、 (j)前記第2の排出手段は、位置を異ならせて配設さ
    れた複数のサイドカットノズルを備え (k)前記中仕切りを偏心させ、第1室の断面積と第2
    室の断面積とを原液中の成分組成に基づく断面積比によ
    って異ならせることを特徴とする蒸留装置。
  2. 【請求項2】 (a)前記各サイドカットノズルに開閉
    自在のバルブが接続され、 (b)該バルブは運転条件に対応させて開閉される請求
    項1に記載の蒸留装置。
  3. 【請求項3】 前記バルブは塔本体内の温度に対応させ
    て開閉される請求項2に記載の蒸留装置。
  4. 【請求項4】 (a)前記第2室は複数の領域に区分さ
    れ、 (b)該各領域ごとに、下方に移動する液体を受けて分
    配するとともに、上方に移動する蒸気を通過させるライ
    ザートレイが配設され、 (c)該各ライザートレイに、前記サイドカットノズル
    の先端が開口させられる請求項1に記載の蒸留装置。
  5. 【請求項5】 (a)前記第2室は複数の領域に区分さ
    れ、 (b)該各領域ごとに、下方に移動する液体を受けて、
    コレクタボックスに集めるコレクタラミナ、及び該コレ
    クタボックスに集められた液体を分配するとともに、上
    方に移動する蒸気を通過させるディストリビュータが配
    設され、 (c)前記各コレクタボックスに、前記サイドカットノ
    ズルの先端が開口させられる請求項1に記載の蒸留装
    置。
  6. 【請求項6】 (a)前記各サイドカットノズルは、前
    記第2室内に傾斜させて配設されたプレート型のサイド
    カットノズルであり、 (b)該各サイドカットノズルは、サイドカットノズル
    上に落下した液体をサイドカット液として排出する請求
    項1に記載の蒸留装置。
  7. 【請求項7】 中仕切りによって分割され、互いに隣接
    するとともに、断面積が原液中の成分組成に基づく断面
    積比によって異なる第1室及び第2室が形成された塔本
    体、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第1の蒸留
    部、少なくとも一部が前記塔本体の塔頂と隣接させて配
    設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第2の
    蒸留部、並びに少なくとも一部が前記塔本体の塔底と隣
    接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備
    えた第3の蒸留部を有する蒸留装置の蒸留方法におい
    て、 (a)前記第1の蒸留部に原液を供給し、 (b)前記塔頂において留出液を排出し、 (c)塔サイドに位置を異ならせて配設された複数のサ
    イドカットノズルのうちの少なくとも一つを選択し、選
    択されたサイドカットノズルからサイドカット液を排出
    し、 (d)前記塔底において缶出液を排出することを特徴と
    する蒸留装置の蒸留方法。
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