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JP3464200B2 - 海底の地下構造探査方法及び同方法を実施するための装置 - Google Patents

海底の地下構造探査方法及び同方法を実施するための装置

Info

Publication number
JP3464200B2
JP3464200B2 JP2000260273A JP2000260273A JP3464200B2 JP 3464200 B2 JP3464200 B2 JP 3464200B2 JP 2000260273 A JP2000260273 A JP 2000260273A JP 2000260273 A JP2000260273 A JP 2000260273A JP 3464200 B2 JP3464200 B2 JP 3464200B2
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JP
Japan
Prior art keywords
noise
data
sensor unit
underwater sensor
seabed
Prior art date
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Application number
JP2000260273A
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English (en)
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Inventor
吉田  孝
甦群 凌
Original Assignee
日本熱水開発株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本熱水開発株式会社 filed Critical 日本熱水開発株式会社
Priority to JP2000260273A priority Critical patent/JP3464200B2/ja
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Publication of JP3464200B2 publication Critical patent/JP3464200B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01VGEOPHYSICS; GRAVITATIONAL MEASUREMENTS; DETECTING MASSES OR OBJECTS; TAGS
    • G01V1/00Seismology; Seismic or acoustic prospecting or detecting
    • G01V1/38Seismology; Seismic or acoustic prospecting or detecting specially adapted for water-covered areas
    • G01V1/3843Deployment of seismic devices, e.g. of streamers
    • G01V1/3852Deployment of seismic devices, e.g. of streamers to the seabed

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Oceanography (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Geophysics (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低い周波数で振動す
る地球の微動を観測することにより地下構造を推定する
方法を、海底を始めとする水底の地下構造についても実
施可能にする方法及び装置に関する。
【0002】地下構造推定の方法として、発明者等は地
下からの物理的信号を観測・測定しこれを解析すること
により地下構造を推定する間接探査法の一つとして微動
観測による地下構造の探査方法を提案している(特願平
10−107147号等)。本発明はこの探査方法を前
提として構成されるので、先ずこの探査方法(以下「前
提技術」とする)の概略を説明する。この「前提技術」
は次のような科学的知見に基づいて構成されている。
【0003】地下構造探査の方法としては地盤をボーリ
ングしてサンプルを得ることにより地下構造の情報を直
接得る直接探査法と、地下からの物理的信号を観測・測
定してこれを解析することにより地下構造を推定する間
接探査法が従来から行われている。
【0004】間接探査法は直接探査法に比較して、比較
的広い地域を経済的に探査可能であること、浅深度から
大深度まで幅広く探査可能であること等の利点を有して
いる。この間接探査法は、物理的手法によって地下の物
理的特性の情報を得るという意味で物理探査法とも称さ
れ、地下の物理的特性を捉えるために人為的に地面に与
えられた物理的信号、例えば振動や電磁波に対する大地
の応答を観測・測定する能動的方法と、このような人為
的な信号を与えずに自然そのままの地下の状態から生じ
る物理的信号、例えば微動、自然電位、重力、放射能を
観測・測定する受動的方法の二つがある。
【0005】物理探査法のうち、能動的方法は探査対象
である地盤に対して、振動を始めとする何らかの物理的
影響を積極的に加えることを前提とする。例えば反射探
査法と称される地震探査法においては人工的な振動を発
生させることが探査の前提となるため、探査対象を含め
た環境に対して何らかの悪影響を及ぼす可能性が高い。
この人工振動の発生源として起振機を用いたり、或いは
爆発物を使用する必要がある。また人工的に発生させる
振動は比較的高周波であるため、人間の活動による比較
的周波数の高い振動が、この人工的に発生させた振動の
反射波中に含まれてしまうと、これをノイズとして除去
することが困難となり、測定精度を低下させるおそれが
ある。
【0006】以上の点から考えると、人工的に何ら手を
加えることなく自然そのままの状態から生じる物理的信
号を観測・測定する受動的方法は、推定地域を選ばず、
かつ比較的浅い深度から大深度までの地殻推定が理論的
に可能であるため、将来においてはより一層広く利用さ
れる可能性を有している。
【0007】ここで受動的方法の観測対象のうち振動に
ついて考察すると、全地球的に地球表面において、常時
微弱な振動が生じている。この微弱な振動(以下「微
動」とする)は工場の操業、交通機関の運行、工事等様
々な人間の活動によって、或いは風、気圧、川の流れ、
潮汐、波浪等の自然現象によって生じるものである。こ
のうち人間活動による振動は周期1秒以下、即ち1Hz
以上の成分が卓越し、かつその振幅、周期には人間活動
の変化に対応して明瞭な日変化が認められる。
【0008】一方自然現象に起因する微動は1Hz以下
の成分が優勢であり、1.0Hz以上の微動は人間の日
常の活動に起因するものが多いと考えられる。人間の活
動や自然現象に起因する微動は、振動という観点からみ
れば実体波や表面波の集まりであり、時間的或いは空間
的に非常に変化に富んだ不規則な振動現象に見える。し
かし、例えば時間にして約1時間、距離にして約2〜3
Kmという時間的、空間的に拡大した時空間スケールで
観察すると、微動は定常的に殆ど安定したスペクトルで
構成されていることがわかる。このため適切に観測すれ
ば定常的な微動を観測することが可能となる。
【0009】上述のような定常的な微動には、微動源の
情報、微動の伝搬経路の情報、微動観測場所の地下構造
の情報等を実体波や表面波の形で含んでいる。このため
観測した微動を適正に解析処理すれば逆に微動源の情
報、微動の伝搬経路の情報、微動観測場所の地下構造の
情報を得ることが可能となる。
【0010】微動源の多くは地表面或いは海底面にあ
る。従って微動中の弾性波は実体波(P波、S波)より
も表面波が圧倒的に優勢であると考えられる。このため
微動の推定はこの表面波を利用するのが有利である。
【0011】表面波には、周知のように周波数(周期)
によって伝搬速度ないし位相速度が変わる分散の性質が
ある。そもそも分散は地下構造と密接に関係しているた
め、観測された表面波の分散が分かれば観測地点の地下
構造を推定することが可能となる。より具体的には、地
表(観測地点)に二次元的に展開した振動観測網により
微動を観測し、観測した微動から観測地点直下の地下構
造を反映した表面波の分散の特定を行い、特定された分
散の逆解析から分散をもたらした地下構造を推定するこ
とを基本とする。
【0012】上述の「前提技術」においては、振動観測
器材を配置する観測要素点を予め定められた配置関係で
配置することによりアレーを構成する。このアレーによ
り微動を観測するステップと、このアレーで観測した微
動データから表面波の分散を特定するステップと、特定
された分散から表面波位相速度に対する地下構造を推定
するステップとを有することにより、観測した微動から
地下構造を推定するよう構成されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述の「前提技術」
は、環境に対する負荷が殆ど無いこと、大深度までの地
下構造推定が可能であること等の利点を有することによ
り注目を浴び、本願出願時点においても各分野からの探
査要請を受けており、かつ観測結果も満足すべきもので
ある。しかしながら当該「前提技術」は、あくまでも観
測点は地上であり、このままの構成では海底や湖底等、
水底の地下構造の推定については実施できない。なお、
以後「海底」の語は海底や湖底等、海水、淡水を問わず
使用するものとする。
【0014】海底の地下構造を推定する方法としては従
来から能動的間接推定法が実施されている。この方法は
大型の海洋調査船を用い、エアガンのような振動発生源
を用いて実施されいてるが、このような振動発生源を用
いることは魚類資源に対して破壊的な影響を与えること
になり、かつコストも高いものとなっており、今後幅広
く展開するには問題がある。。
【0015】このような観点から、微動を観測するセン
サを海底に配置し、かつこのセンサからの微動観測デー
タをケーブルを介して海上の母船に送ることにより前期
「前提技術」を海底の地下構造の推定に応用することが
考えられる。
【0016】しかしながら上記の構成は、海底と母船と
をケーブルで繋ぐことによりケーブルが波浪ノイズ等の
ノイズを拾ってしまい、微動観測データの信頼性が確保
できず、また潮流の激しい場所では潮流に対するケーブ
ルの抵抗で海底に配置されたセンサの位置がずれてしま
ったりして、この点から見ても微動観測データの信頼性
を確保することが困難である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点に
鑑み構成したものであって、海底の地下構造を推定する
装置及び方法を提供するものであり、微動を観測するこ
とにより地下構造を推定する前記「前提技術」をその技
術的前提とし、この微動観測を海底でも実施可能とする
事により、海底の地下構造を推定可能にしたことを特徴
とする。
【0018】即ち本発明は、海底の所定の位置に配置さ
れ、海底に配置され微動観測を行う複数の水中センサユ
ニットと、この水中センサユニットの微動観測データに
より海底の地下構造を推定する解析装置とからなり、各
水中センサユニットには時計手段が設けられ、かつ微動
観測時にはこの解析装置とは独立して海底に配置され、
水中センサユニットは前記時計手段の時刻が相互に同期
され、解析装置はデータ解析時にはこの同期された時刻
データに基づいて時間軸を統一して各水中センサユニッ
トのデータを解析することにより当該水中センサユニッ
トの設置された海底の地殻構造を推定するよう構成した
ことを特徴とする海底の地下構造探査方法及び同方法を
実施する装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】水中センサユニットは、微動を感
知するセンサ部、微動観測データや時刻データを記憶す
る記憶部、時刻信号を出力するクロック部、これらの電
源となる電源部等を気密に収納している。各水中センサ
ユニットは水上(海上)で、他の水中センサユニット及
び解析手段と時刻が同期され、同期が完了したならば各
水中センサユニットは海底の所定の位置にそれぞれ配置
される。
【0020】海底に配置された各水中センサユニット
は、個々に微動を観測し、この観測データはクロック部
から出力されるクロック信号と共に記憶部に記憶され
る。予め設定された時間が経過したならば微動データの
取込みを停止する。微動データの取込みを終了した各水
中センサユニットはそれぞれ海上(船上)に取り上げら
れ、解析装置に対して微動データ及び時刻データを出力
する。
【0021】解析装置は出力されたデータのうち各水中
センサユニットの時刻データによりそれぞれの微動デー
タを時間軸を統一して解析を行い、水中センサユニット
が配置された海底の地下構造を推定する。
【0022】以下本発明の実施例を図面を参考に説明す
る。図1及び図2は水中センサユニットを示す。符号1
は水中センサユニットであって、この水中センサユニッ
ト1は、内部に収納空間を有する本体1A、本体1Aの
空間部の開放端を密閉する蓋部1B、当該蓋部1Bの取
り付け側端部と対向する側の本体部1A端部に取り付け
られた挿し込み部1Cとから構成されている。
【0023】本体1Aの内部空間部には微動を感知する
センサ2、メモリ、クロック回路、A/D変換回路等を
有する基板部3、これら各部に電力を供給する電源4が
収納されており、蓋体1Bを本体部1Aに取り付け(螺
合)することにより、これらの部材を収納した本体1A
の内部空間を完全に密閉するよう構成されている。
【0024】一方本体1Aの他端には挿し込み部1Cが
取り付けられいてる。この挿し込み部1Cは、海底の土
砂中に挿入し、水中センサユニット1全体を海底の所定
の場所に配置固定するためのものであり、従って挿し込
みを容易にするために図示の如く先細になるように略コ
ーン状の形成されている。
【0025】上記水中センサユニット1の大きさは例え
ば本体1Aの直径が約60mm、全高が約600〜700
mm程度と、比較的小型に形成され、水中作業者による水
中センサユニットの設置或いは回収を容易にしている。
またこの外、小型に形成することによって水中センサユ
ニットに対する波浪の影響を受け難くし、観測データの
信頼性が波浪ノイズにより低下するのを防止している。
また海底に対する配置は水中センサユニット1に示すよ
うに、挿し込み部1Cを海底SBに突き立てそのままこ
の水中センサユニット1を挿入する。海底SBの状態に
もよるが、図示の如く水中センサユニット2の90パー
セント程度を海底に挿入すると波浪の影響がより少なく
なり、かつ微動の観測も容易となる。なお、蓋体1Bに
はリング状の目印取付部1Baが設けられており、予め
この目印取付部1Baに対してテープ等の目印を取り付
けておけば、回収時に水中センサユニット1を発見し易
くなる。
【0026】図3はこのようにして海底SBに配置され
た複数の水中センサユニット1により形成された水中セ
ンサユニットの配置形状(以下「アレイ」とする)の形
成例を示す。図示の(A)、(B)は共に海底の一つの
観測地点において設定される複数の観測点(以下「観測
要素点」とする)の位置関係を示す。即ち各水中センサ
ユニット1はこれら各観測要素点にそれぞれ配置される
ので、図示の各点はこれら観測要素点に各々配置された
水中センサユニット1の配置関係、即ちアレイを示すこ
とになる。
【0027】(A)は水中センサユニット1が三角形の
頂点に位置するよう各々配置された三角形アレイ、
(B)は各水中センサユニット1が仮想円の円周上およ
びその中心に配置された円形アレイを示す。なお、
(A)、(B)共に水中センサユニット1の間が実線で
結んであるが、これは水中センサユニット1の配置関係
を明瞭にするためのものであり、各水中センサユニット
1がケーブル等の物理的接続手段で接続されていること
を意味するものではない。また図示のものはアレイの一
例であって、海底の地形等に合わせて色々なアレンジが
可能である。
【0028】図4において符号5は解析装置を示す。解
析装置としてはパソコンが用いられ、例えば移動性を考
慮してノート型パソコン等が適当である。この解析装置
5はの機能上、制御解析手段5a、時刻同期制御手段5
b、GPS機能部5c、クロック5dに分けられる。
【0029】次に水中センサユニット1を用いた海底地
下構造推定の手順について説明する。先ず微動観測によ
る地下構造の推定においては地上、水中を問わず厳密な
時刻の同期を前提として各センサが観測する微動データ
を解析する必要がある。このような時刻管理として、G
PS電波による時刻データを用いる方法があり、この方
法によれば例えば5μsec の精密な時刻管理が可能とな
って微動観測データの解析に十分高精度の時刻データを
得ることができる。
【0030】しかしながら水中センサユニット1は解析
装置5とは非接触で海底にそれぞれ配置されるので、微
動観測時にGPS電波による時刻データを取り込むこと
はできない。このため、解析装置5を用いて海底に配置
される各水中センサユニットのクロックを予め精密に同
期させておく必要がある。図4及び図5により、先ずク
ロックの同期について説明する。
【0031】水中センサユニット1には前述の如く基板
部3が配置されいてるが、この基板部3の構成を図によ
り示すと、図4の如く中央処理部3a、センサ2の観測
した微動観測データ等を記憶する記憶部3b、クロック
3c、A/d変換部3d、起動回路3e、フィルタ3f
等から構成されている。
【0032】微動観測に先立って、各水中センサユニッ
トは地上又は海上(船上)で解析装置5と接続され、時
刻の同期が行われる。各水中センサユニット1乃至Nと
接続した状態で解析装置5はGPS機能部5cにより受
信したGPS電波による時刻データを、時刻同期制御手
段5bを介して各水中センサユニット1のクロック3c
に出力し、各水中センサユニット1の時刻データを同期
させる。なお、水中センサユニットのクロックとして
は、水晶時計(例えば10のマイナス7乗精度)が好適
である。なおこの時刻同期に関連して、それぞれの水中
センサユニットに対してコードを割り振り、各水中セン
サユニットからの微動観測データを回収する際にこのコ
ードデータにより水中センサユニットを特定するよう構
成しておく。
【0033】各水中センサユニット1の時刻データの同
期が終了したならば各々の水中センサユニットは海底で
アレイを形成するよう海底の所定の位置に配置される。
この場合、図2に示す如く水中センサユニット1の大半
を埋め込むようにして波浪ノイズ、船舶航行のノイズ
等、各種ノイズの影響を極力減らすようにする。また水
中センサユニット1の回収時に水中センサユニットの発
見を容易にするため目印6を取り付けておくようにす
る。
【0034】このようにして所定時間(例えば約30分
から約3時間)各水中センサユニット1はそれぞれ微動
を観測し、観測データはクロック3cから出力される時
刻データと共に記憶部3bに記憶される。なおこの水中
センサユニット1の記憶部3bとしては例えば容量4M
B程度のフラッシュメモリ等が適当である。
【0035】次に図6を用いて各水中センサユニットに
より観測された微動観測データの処理方法について説明
する。各水中センサユニット1が観測した微動観測デー
タはデータ入力部7を経て解析装置5に取り込まれる。
取り込まれたデータは、水中センサユニット識別手段8
によりコードデータが解析され、どの水中センサユニッ
トのデータであるかが特定される。特定された水中セン
サユニットから出力された微動観測データ(波形デー
タ)はクロックデータ検出手段10から出力される当該
水中センサユニットの時刻データとともに時間軸が統一
されて波形分析手段9に出力される。このようにして海
底においてアレイを構成した各水中センサユニットの時
刻データにより、各水中センサユニットの波形データは
時間軸を統一されて波形分析手段9において分析され
る。
【0036】波形分析手段9において分析された波形デ
ータは地下構造推定手段11に出力され、この地下構造
推定手段11において当該アレイを形成した海底の直下
の地下構造が推定される。このようにして、海底に形成
された各アレイ直下の推定地下構造は各アレイ如に記憶
手段12に順次記憶され、最終的には総合解析手段13
において複数のアレイを形成した海底全体の地下構造を
総合的に解析する。中央処理装置14は以上の一連の処
理を制御する。また、表示手段15を介して処理内容、
推定地下構造等を適宜表示する。
【0037】図7は本発明の第2の実施例を示す。符号
16は、観測対象である微動以外の波動、即ち観測にと
ってノイズである波動を積極的に検出するノイズセンサ
である。図示の構成ではノイズセンサ16は蓋体1Bの
内部空間に配置されている。より具体的には支持板17
上に、コイルバネ等の免振手段18を介して支持配置さ
れている。
【0038】静粛な湖底等ではあまり問題とはならない
が、波浪、船舶の航行による波動等、海の中では色々な
ノイズが発生している。海の底である本来の意味での
「海底」に水中センサユニットが配置された場合には、
前記センサ2の波動データから微動以外の波動(ノイ
ズ)を完全に排除することは事実上不可能である。
【0039】この実施例はこの点に鑑み、ノイズセンサ
16により、観測の邪魔になるノイズ波動NWを積極的
に検出し、このノイズデータも時刻データと共に記憶部
3b(図5参照)に記憶させる。解析時には観測対象で
ある微動MWの波形データと時間軸を統一してノイズデ
ータも出力し、センサ2の波形データと、ノイズセンサ
16のノイズデータのうち、ノイズデータが重畳されて
いる波形部分は、このノイズデータを減算して解析を行
う。なお、この場合ノイズセンサ16は極力微動を検知
しないようにするため、図示の構成では免振手段18に
より支持され、海底側からの波動を検出しない構造とな
っている。
【0040】図8は第3の実施例を示す。この実施例で
は前記ノイズセンサが水中センサユニット1から独立し
て配置される構造となっている。図中符号19はノイズ
センサであって、気密の容器に収納されている。このノ
イズセンサ19にクロック及び記憶手段(何れも図示せ
ず)が設けられており、ノイズセンサ19が検知したノ
イズデータはこのクロックの時刻データと共に記憶手段
に記憶される。またノイズセンサのクロックは当該水中
センサユニット1のクロック3cと同期されている。
【0041】ノイズセンサ19は水中で浮力が生じるよ
う構成されており、ゴム材或いはコイルバネ等の免振接
続材20を介して、海底SBに固定されたアンカー21
により支持されている。免振接続材20によりノイズセ
ンサ19は海底SB側から独立することにより、ほぼノ
イズ波動NWのみを検出し、この波動データを内蔵する
クロックの時刻データとともに記憶手段に記憶する。前
記実施例も含めノイズセンサとしては各種のものが利用
可能であるが、例えばノイズを水晶振動子で受け、かつ
ノイズをこの水晶振動子の振動周波数変化として検出す
るノイズセンサは小型でかつ高精度であるため上記ノイ
ズセンサとして好適に利用可能である。
【0042】解析に当たっては、水中センサユニット1
のセンサ2の波動データとこのノイズセンサ19の波動
データとを、時間軸を統一処理した後前述のようにノイ
ズデータを減算して微動の解析を行う。
【0043】以上本発明に係る水中センサユニット1
を、円筒形の本体部と、この本体部に連接する挿し込み
部1cとを有する、略「杭」状の構成としたものを示し
たが、水中センサユニット1の構成はもとよりこの形状
に限定されるものではない。即ち、海底からの微動を探
査し易く、かつ水流等に起因するノイズの発生が少ない
形状のものであれば、当該水中センサユニットの形状は
いかなるものでもよい。特に水流に対する抵抗が少な
く、従って水の乱流によるノイズの発生が少なく、かつ
乱流が発生してもこの乱流による振動が増幅しないよう
ユニットの重心が偏心しない形状とすることにより良好
な結果を得ることができる。このような条件を満足させ
る形状としては水中センサユニット1の形状全体を例え
ば球形、紡錘形或いは円盤状に形成したり、或いは図示
の挿し込み型の水中センサユニットであって、かつ水中
に露出している部分をこのような球形、紡錘形或いは円
盤状に形成することにより良好な結果を得ることができ
る。
【0044】また、本発明は水流が殆どない場合や、水
中センサユニットによるアレイの形成位置と解析装置と
が近い場合等、ケーブルに起因するノイズが微動観測を
妨げない程度であると考えられる場合には、クロックに
よる各水中センサユニットの時刻同期に加えて、或いは
この時刻同期に代えて、各水中センサユニットと解析装
置とをケーブルにより接続して各水中センサユニットと
解析装置とを時刻同期させるようにしてもよい。この場
合には、各水中センサユニット1のクロック5dに対す
る時刻同期の設定は必ずしも必要なくなる。
【0045】
【発明の効果】以上本発明を具体的に説明したように、
本発明によって環境に対する負荷が殆ど生じない微動観
測による地下構造の推定を、初めて海底にも実施可能に
なった。このため漁業資源に大きなダメージを与える人
工的な振動等を発生させることなく、海底の地下構造の
探査を広範囲に、しかも環境に対する負荷を殆ど零とし
て実施することが可能となる。
【0046】また、本発明の微動検出部は小型の水中セ
ンサユニットとして構成されているため、全体が小型で
かつ安価に構成でき非常に経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一部を成す水中センサユニットの一断
面図である。
【図2】図1に示す水中センサユニットを海底に配置し
た状態を示す水中センサユニットの側面図である。
【図3】(A)及び(B)は水中センサユニットにより
海底に形成されたアレイ形状の例を示す概念図である。
【図4】解析装置の概略を示すブロック図である。
【図5】水中センサユニットの基板部の構成例を示すブ
ロック図である。
【図6】解析装置の解析手段の構成例を示すブロック図
である。
【図7】本発明の第2の実施例を示す水中センサユニッ
トの断面部分図である。
【図8】水中センサユニット及びこの水中センサユニッ
トと別個に形成されたノイズセンサの配置状態を示す図
である。
【符号の説明】
1 水中センサユニット 1A (水中センサユニットの)本体部 1B (水中センサユニットの)蓋部 1C (水中センサユニットの)挿し込み部 2 センサ 3 基板部 3a 中央処理部 3b 記憶部 3c クロック 4 電源 5 解析装置 5a 制御解析手段 5b 時刻同期制御手段 5c GPS機能部 5d クロック 6 目印 7 データ入力部 8 水中センサユニット識別手段 9 波形分析手段 10 クロックデータ検出手段 11 地下構造推定手段 12 記憶手段 13 総合解析手段 14 中央処理装置 15 表示手段 16 (内部収納型)ノイズセンサ 17 支持板 18 免振手段 19 (独立型)ノイズセンサ 20 免振接続材 21 アンカー SB 海底 NW ノイズ波動 MW 微動
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01V 1/00 G01H 3/00 G01V 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海底に所定のアレイを形成するよう微動
    を観測する水中センサユニットを複数配置し、これらの
    水中センサユニットにより観測しかつ記憶された微動観
    測データの各々を、観測終了後に時間軸を統一して解析
    することにより当該アレイ下部の海底の地下構造を推定
    する海底の地下構造探査方法において、水中を伝播する
    ノイズ波動を積極的に検出するノイズセンサにより、個
    々の水中センサユニット周囲のノイズデータを記憶し、
    このノイズデータと微動観測データとを時間軸を統一し
    て解析することによりノイズデータが重畳されている波
    形部分から当該ノイズデータを減算するよう構成したこ
    とを特長とする海底の地下構造探査方法。
  2. 【請求項2】 海底に配置される水中センサユニット
    と、この水中センサユニットの微動観測データから海底
    の地下構造を推定する解析装置とを有し、水中センサユ
    ニットは海底の微動を検知するセンサと、基板部と、こ
    れらに電源を供給する電源部とを有し、基板部にはセン
    サの検知した微動データと、クロックから出力される時
    刻データを記憶する記憶部が設けられ、解析装置には各
    水中センサユニットのクロックを同期させる手段、およ
    び各水中センサユニットから出力される微動観測データ
    及び時刻データから時間軸を統一して各水中センサユニ
    ットの微動観測データを解析しかつ当該解析結果から水
    中センサユニットの配置された海底の地下構造を推定す
    る手段が設けられている海底の地下構造探査装置におい
    て、水中センサユニットにはノイズ波動を検出するノイ
    ズセンサが設けられ、このノイズセンサの検出したノイ
    ズデータは微動データと共に、クロックから出力される
    時刻データを重畳して記憶されるよう構成したことを特
    長とする海底の地下構造探査装置。
  3. 【請求項3】 水中センサユニットとは別個にノイズセ
    ンサが設けられ、このノイズセンサには検出したノイズ
    データを記憶する手段と、当該水中センサユニットのク
    ロックと同期するノイズセンサ用のクロックが設けら
    れ、ノイズデータは当該ノイズセンサ用のクロックの時
    刻データと共にノイズセンサの記憶手段に記憶されるよ
    う構成したことを特長とする請求項記載の海底の地下
    構造探査装置。
  4. 【請求項4】 水中センサユニットの本体部を密閉する
    蓋部には海底に配置された当該水中センサユニットの発
    見を容易にするための目印を取り付ける部分が形成され
    ていることを特徴とする請求項2又は3記載の海底の地
    下構造探査装置。
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